JP2614744B2 - 平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法

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JP2614744B2 JP63129196A JP12919688A JP2614744B2 JP 2614744 B2 JP2614744 B2 JP 2614744B2 JP 63129196 A JP63129196 A JP 63129196A JP 12919688 A JP12919688 A JP 12919688A JP 2614744 B2 JP2614744 B2 JP 2614744B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法
に関し、特に、電解粗面化処理の前に電解粗面化処理に
対する抵抗性を有する被膜をアルミニウム板表面に設け
た後、電解粗面化処理を行ない、均一かつ深いピットが
存在する砂目を有する平版印刷版用アルミニウム支持体
を得る方法に関する。
〔従来技術及びその解決すべき課題〕
従来、平版印刷版用支持体としてアルミニウム板が広
く使用されているが、支持体と感光層との密着性を良好
にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表
面を粗面化処理する、所謂、砂目立て処理がなされてい
る。
この砂目立ての具体的手段としては、サンドブラス
ト、ボールグレイン、ワイヤーグレイン、ナイロンブラ
シと研磨材/水スラリーによるブラシグレイン、研磨材
/水スラリーを表面に高圧で吹きつける方法などによる
機械的砂目立て方法があり、またアルカリまたは酸ある
いはそれらの混合物からなるエッチング剤で表面を粗面
化処理する化学的砂目立て方法がある。また、特開昭54
−146234号公報及び特公昭48−28123号公報に記載され
ている電気化学的砂目立て方法、例えば特開昭53−1232
04号公報に記載されている機械的砂目立て方法と電気化
学的砂目立て方法とを組合せた方法、特開昭56−55291
号公報に記載されている機械的砂目立て方法と鉱酸のア
ルミニウム塩の飽和水溶液による化学的砂目立て方法と
を組合せた方法も知られている。
これらの粗面化処理方法のうち、粗面形状の制御が容
易で、しかも微細な粗面の得られる方法としては電解粗
面化処理がある。
このような電解粗面化処理においては支持体と感光層
との密着力を向上させ、多数の印刷可能な印刷物(以
下、耐刷枚数と呼ぶ)を得ようとするには数100クーロ
ン以上の多くの電気量を投入して深い砂目形状を得れば
良いが、電解粗面化処理で生じる10μ以上の大きなピッ
トにより、非画像部に汚れを生じやすい。また、10μ以
上の大きなピットは、オフ輪印刷のような高速または苛
酷な印刷条件では耐刷枚数が低下するという欠点があ
る。
逆に比較的少ない電気量で0.5μ以下の小さなピット
を設けた粗面では印刷時の非画像部の汚れは生じにくい
が、耐刷枚数が少なくなってしまうという欠点がある。
〔発明の目的〕
従って、本発明の目的は、非画像部の汚れが生じにく
く、しかも耐刷枚数の多い平版印刷版用アルミニウム支
持体を得るための製造方法を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明者等は、以上のような従来技術の問題点に鑑み
種々検討を重ねた結果、アルミニウム板の電解粗面処理
の前に電解粗面化処理に対する抵抗性を有する被膜を設
けた後、電解粗面化処理することにより、上記目的が達
成されることを見出し、本発明に到ったものである。
以下、本発明について詳述する。
本発明において使用されるアルミニウム板には、純ア
ルミニウム板及びアルミニウム合金板が含まれる。アル
ミニウム合金板としては種々のものが使用でき、例えば
Fe、Si、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti、Pb、Niなどの金属と
アルミニウムとの合金板が用いられる。例えば、市販の
アルミニウムとして、1050材、1100材、3003材等々から
なるアルミニウム板が用いられる。
本発明の実施に当っては、まずアルミニウム板の表面
に付着している油脂、さび、ごみなどを除去することを
目的として清浄化処理することが好ましい。この清浄化
処理としては、例えばトリクレンなどによる溶剤脱脂、
或いは苛性ソーダなどによるアルカリエッチング脱脂等
が含まれる。苛性ソーダのようなアルカリエッチング脱
脂をした場合にスマットが発生するので、これを除去す
るためのデスマット処理(例えば、10〜30%の硝酸に浸
漬する処理)が更に施されるのが通例である。
清浄化したアルミニウム板の表面には、電解粗面化に
対する抵抗性を有する被膜を設ける電解処理が行なわれ
る。
本発明者等は種々検討した結果、硝酸電解液中でアル
ミニウム板と、それに対向する電極との間に、陽極時の
ピーク電圧が陽極周期の1/3以降にくる電圧波形、即
ち、正弦波電圧波形又はノコギリ波電圧波形又は三角波
電圧波形をもつ電流を流して、被膜を設けることにより
電解粗面化処理で深いピットが均一に生成することを見
出した。特に、陽極時のピーク電圧が陽極周期の1/2以
後にくるようなノコギリ波電圧波形又は三角波電圧波形
は、均一かつ深いピットが安定に生成するので好まし
い。このような電圧波形としては第1図に示されるよう
なa)正弦波、b)ノコギリ波及びc)三角波が挙げら
れる。周波数は1〜120Hが好ましく、途中に休止時間の
あるb−(2)の波形でもよい。
この電解処理により設ける被膜の厚さは、0.001〜0.5
g/m2が好ましい。特に好ましくは、0.01〜0.2g/m2であ
る。0.001g/m2より小さくなると、本発明による深いピ
ットが生成するという効果が減少してゆく。逆に、0.5g
/m2より厚くなると、ピット径が大きくなって粗くな
る。
硝酸電解液中の硝酸濃度は、0.5〜200g/が好まし
い。0.5g/より薄い濃度ではピットが均一に生成しな
くなる。逆に、200g/より濃い濃度では深いピットが
生成しなくなる。
上記硝酸電解液中で、0.01〜10A/dm2の電流密度で、
0.5〜20クーロン/dm2の範囲の電気を流して表面に0.001
g/m2〜0.5g/m2の被膜を設ける。
電解粗面化処理に用いられる電解液としては、通常の
交流電解エッチングに用いられるものがいずれも使用で
きる。特に好ましいものは、硝酸を2〜40g/含有する
水溶液または塩酸を2〜40g/含有する溶液、あるい
は、両者を合せて2〜40g/ずつ含有する水溶液であ
る。2g/より濃度が低くなるにつれて電解エッチング
によるアルミニウム板の表面の粗面化の効率が低下する
ようになり、他方、40g/より高濃度となるにつれて、
酸による純化学的な蝕刻が発生するようになって粗面化
の表面の不均一化が生じるようになる。温度は常温〜70
℃の範囲であり、好ましくは、常温〜50℃の範囲であ
る。また、カルボン酸、アミン、アルデヒド等の腐食抑
制剤を添加してもよい。
電解粗面化処理に用いられる電流は、商用交流や、第
2図に示した(a)正弦波、(b)矩形波、(c)台形
波などのような交番波形電流も、本発明で用いることが
できる。電流密度は10〜200A/dm2の範囲が好ましく、10
A/dm2より低い場合、著しくピット生成が起りにくくな
り、200A/dm2以上では均一なピット生成のコントロール
が困難になる。電気量は20〜400クーロン/dm2が好まし
い。20クーロン/dm2より低い場合には、ピットの生成が
起こりにくくなり、400クーロン/dm2より大きいと、均
一で深いピットが生じにくい。
本発明はバッチ処理、連続処理のいずれの方法でも実
施することができる。例えば、連続処理では抵抗性被膜
形成処理槽、水洗槽、電解粗面化処理槽をこの順に配置
し、アルミニウムウェブを連続的に通過させて処理を行
なうことにより実施する。
更に、本発明は、従来技術のナイロンブラシと研磨材
/水スラリーによるブラシグレイン処理等の機械的砂目
立て処理の後に行なっても同様の効果が得られる。
電解粗面化処理されたアルミニウム板は化学的に清浄
化処理することが好ましい。これは表面残存物である所
謂、スマットを表面から除去する作用を有するからであ
る。このような清浄化処理の詳細は、米国特許第3,834,
998号明細書、特公昭56−11316号公報に記載されてい
る。
以上のように処理されたアルミニウム板は平版印刷版
用支持体に供するにあたり、保水性、感光層との密着
性、非画像部表面の機械的強度を向上させるために陽極
酸化処理して、アルミニウム板の表面に酸化被膜を形成
させてもよい。陽極酸化処理は従来より周知の方法に従
って行なうことができる。例えば、硫酸、燐酸、蓚酸、
アミドスルホン酸、スルホサリチル酸又はこれらの混合
物、あるいはこれらにAl3-イオンを含有させた水溶液な
どを電解液とし、主に直流を使用して陽極酸化処理す
る。交流又はこれらの電流の組合せを使用して行っても
よい。電解質濃度は1〜80%、温度は5〜70℃、電流密
度0.5〜60A/dm2、酸化皮膜重量は0.3〜5g/m2が好まし
い。
陽極酸化したアルミニウム板は、更に米国特許第2,71
4,066号及び米国特許第3,181,461号の各明細書に記載さ
れているようにアルカリ金属シリケート、例えば珪酸ナ
トリウムの水溶液に浸漬するなどの方法により処理した
り、米国特許第3,860,426号明細書に記載されているよ
うに、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛など)を含む親
水性セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース
など)の下塗り層を設けたり、米国特許第4,153,461号
明細書に記載されているようにポリビニルスルホン酸で
処理したりしてもよい。
このようにして得られた平版印刷版用支持体の上に
は、PS版(Pre−Sensitized Plateの略称)の感光層と
して、従来より知られている感光層を設けて、感光性平
版印刷版を得ることができ、これを製版処理して得た平
版印刷版は、優れた性能を有している。
上記の感光層の組成物としては次のようなものが含ま
れる。
ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光層: ネガ作用型感光性ジアゾ化合物としては米国特許第2,
063,631号及び同第2,667,415号の各明細書に開示されて
いるジアゾニウム塩とアルドールやアセタールのような
反応性カルボニル基を含有する有機縮合剤との反応生成
物であるジフェニルアミン−p−ジアゾニウム塩とフォ
ルムアルデヒドとの縮合生成物(所謂感光性ジアゾ樹
脂)が好適に用いられる。この他の有用な縮合ジアゾ化
合物は特公昭49−48001号、同49−45322号、同49−4532
3号の各公報等に開示されている。これらの型の感光性
ジアゾ化合物は通常水溶性無機塩の形で得られ、従って
水溶液から塗布することができる。又、これらの水溶性
ジアゾ化合物を特公昭47−1167号公報に開示された方法
により1個又はそれ以上のフェノール性水酸基、スルホ
ン酸基又はその両者を有する芳香族又は脂肪族化合物と
反応させ、その反応生成物である実質的に水不溶性の感
光性ジアゾ樹脂を使用することもできる。
また、特開昭56−121031号公報に記載されているよう
にヘキサフルオロ燐酸塩または、テトラフルオロ硼酸塩
との反応生成物として使用することもできる。
フェノール性水酸基を有する反応物の例としては、ヒ
ドロキシベンゾフェノン、4,4−ビス(4′−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン酸、レゾルシノール、又はジレゾ
ルシノールのようなジフェノール酸であって、これらは
更に置換基を有していてもよい。ヒドロキシベンゾフェ
ノンには2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒド
ロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン又は2,2′,
4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンが含まれる。
好ましいスルホン酸としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ナフタリン、フェノール、ナフトールお
よびベンゾフェノン等のスルホン酸のような芳香族スル
ホン酸、又はそれ等の可溶性塩類、例えば、アンモニウ
ム及びアルカリ金属塩が例示できる。スルホン酸基含有
化合物は、一般に低級アルキリ、ニトロ基、ハロゲン
基、及び/又はもう一つのスルホン酸基で置換されてい
てもよい。このような化合物の好ましいものとしては、
ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタリン
スルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタリン−2−スルホン
酸、1−ナフトール−2(又は4)−スルホン酸、2,4
−ジニトロ−1−ナフトール−7−スルホン酸、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン
酸、m−(p′−アニリノフェニルアゾ)ベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、アリザリンスルホン酸、o−トルイ
ジン−m−スルホン酸及びエタンスルホン酸等があげら
れる。アルコールのスルホン酸エステルとその塩類も又
有用である。このような化合物は通常アニオン性界面活
性剤として容易に入手できる。その例としてはラウリル
サルフェート、アルキルアリールサルフェート、p−ノ
ニルフェニルサルフェート、2−フェニルエチルサルフ
ェート、イソオクチルフェノキシジエトキシエチルサル
フェート等のアンモニウム又はアルカリ金属があげられ
る。
これ等の実質的に水不溶性の感光性ジアゾ樹脂は水溶
性の感光性ジアゾ樹脂と前記の芳香族又は脂肪族化合物
の水溶液を好ましくはほぼ等量となる量で混合すること
によって沈澱として単離される。
また、英国特許第1,312,925号明細書に記載されてい
るジアゾ樹脂も好ましい。
もっとも好適なジアゾ樹脂はp−ジアゾジフェニルア
ミンとホルムアルデヒドとの縮合物の2−メトキシ−4
−ヒドロオキシ−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸塩
である。
ジアゾ樹脂の含有量は、感光層中に5〜50重量%含ま
れているのが適当である。ジアゾ樹脂の量が少なくなけ
ば感光性は当然大になるが、経時安定性が低下する。最
適のジアゾ樹脂の量は約8〜20重量%である。
一方、バインダーとしては、種々の高分子化合物が使
用され得るが、本発明においては、ヒドロキシ、アミ
ノ、カルボン酸、アミド、スルホンアミド、活性メチレ
ン、チオアルコール、エポキシ等の基を含むものが望ま
しい。このような好ましいバインダーには、英国特許第
1,350,521号明細書に記されているシェラック、英国特
許第1,460,978号および米国特許第4,123,276号の各明細
書に記されているようなヒドロキシエチルアクリレート
単位またはヒドロキシエチルメタクリレート単位を主な
繰り返し単位として含むポリマー、米国特許第3,751,25
7号明細書に記されているポリアミド樹脂、英国特許第
1,074,392号明細書に記されているフェノール樹脂およ
び例えばポリビニルフォルマール樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂のようなポリビニルアセタール樹脂、米国特
許第3,660,097号明細書に記されている線状ポリウレタ
ン樹脂、ポリビニルアルコールのフタレート化樹脂、ビ
スフェノールAとエピクロルヒドリンから縮合されたエ
ポキシ樹脂、ポリアミノスチレンやポリアルキルアミノ
(メタ)アクリレートのようなアミノ基を含むポリマ
ー、酢酸セルロース、セルロースアルキルエーテル、セ
ルロースアセテートフタレート等のセルロース誘導体等
が包含される。
ジアゾ樹脂とバインダーからなる組成物には、更に、
英国特許第1,041,463号明細書に記されているようなpH
指示薬、米国特許第3,236,646号明細書に記載されてい
る燐酸、染料などの添加剤を加えることができる。
o−キノンジアジド化合物からなる感光層: 特に好ましいo−キノンジアジド化合物はo−ナフト
キノンジアジド化合物であり、例えば米国特許第2,766,
118号、同第2,767,092号、同第2,772,972号、同第2,85
9,112号、同第2,907,665号、同第3,046,110号、同第3,0
46,111号、同第3,046,115号、同第3,046,118号、同第3,
046,119号、同第3,046,120号、同第3,046,121号、同第
3,046,122号、同第3,046,123号、同第3,061,430号、同
第3,102,809号、同第3,106,465号、同第3,635,709号、
同第3,647,443号の各明細書をはじめ、多数の刊行物に
記されており、これらは好適に使用することができる。
これらの内でも、特に芳香族ヒドロキシ化合物のo−ナ
フトキノンジアジドスルホン酸エステルまたはo−ナフ
トキノンジアジドカルボン酸エステル、および芳香族ア
ミノ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミ
ドまたはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸アミドが
好ましく、特に米国特許第3,635,709号明細書に記され
ているピロガロールとアセトンとの縮合物にo−ナフト
キノンジアジドスルホン酸をエステル反応させたもの、
米国特許第4,028,111号明細書に記されている末端にヒ
ドロキシ基を有するポリエステルにo−ナフトキノンジ
アジドスルホン酸、またはo−ナフトキノンジアジドカ
ルボン酸をエステル反応させたもの、英国特許第1,494,
043号明細書に記されているようなp−ヒドロキシスチ
レンのホモポリマーまたはこれと他の共重合し得るモノ
マーとの共重合体にo−ナフトキノンジアジドスルホン
酸またはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸をエステ
ル反応させたもの、米国特許第3,759,711号明細書に記
されているようなp−アミノスチレンと他の共重合しう
るモノマーとの共重合体にo−ナフトキノンジアジドス
ルホン酸またはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸を
アミド反応させたものは非常にすぐれている。
これらのo−キノンジアジド化合物は、単独で使用す
ることができるが、アルカリ可溶性樹脂と混合して用い
た方が好ましい。好適なアルカリ可溶性樹脂には、ノボ
ラック型フェノール樹脂が含まれ、具体的には、フェノ
ールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアル
デヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂など
が含まれる。更に米国特許第4,123,279号明細書に記さ
れている様に上記のようなフェノール樹脂と共に、t−
ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような炭素数
3〜8のアルキル基で置換されたフェノールまたはクレ
ゾールとホルムアルデヒドとの縮合物とを併用すると、
より一層好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、感光層を構
成する組成物の全重量を基準として中に約50〜約85重
量、より好ましくは60〜80重量%、含有させられる。
o−キノンジアジド化合物からなる感光性組成物に
は、必要に応じて更に染料、可塑剤、例えば英国特許第
1,401,463号、同第1,039,475号、米国特許第3,969,118
号の各明細書に記されているようなプリントアウト性能
を与える成分などの添加剤を加えることができる。
アジド化合物とバインダー(高分子化合物からなる感
光層 例えば、英国特許第1,235,281号、同第1,495,861号の
各明細書および特開昭51−32331号、同51−36128号公報
などに記されているアジド化合物と水溶性またはアルカ
リ可溶性高分子化合物からなる組成物の他、特開昭50−
5102号、同50−84302号、同50−84303号、同53−12984
号の各公報などに記されているアジド基を含むポリマー
とバインダーとしての高分子化合物からなる組成物が含
まれる。
その他の感光性樹脂層 例えば、特開昭52−96696号証に開示されているポリ
エステル化合物、英国特許第1,112,277号、同第1,313,3
90号、同第1,341,004号、同第1,377,747号等の各明細書
に記載のポリビニルシンナメート系樹脂、米国特許第4,
072,528号および同第4,072,527号の各明細書などに記さ
れている光重合型フォトポリマー組成物が含まれる。
又、特開昭60−107042号公報に示されている電子写真感
光材料を用いる場合も含まれる。
支持体上に設けられる感光層の量は、約0.1〜約7g/
m2、好ましくは0.5〜4g/m2の範囲である。
PS版は、画像露光されたのち、常法により現像を含む
処理によって樹脂画像が形成される。例えば、ジアゾ樹
脂とバインダーとからなる前記感光層を有するPS版の
場合には、画像露光後、例えば米国特許第4,186,006号
明細書に記載されているような現像液で未露光部分の感
光層が現像により除去されて平版印刷版が得られる。ま
た、感光層を有するPS版の場合には、画像露光後、米
国特許第4,259,434号明細書に記載されているようなア
ルカリ水溶液で現像することにより露光部分が除去され
て、平版印刷版が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。な
お、「%」は、特に指示しない限り「重量%」を示す。
実施例1 厚さ0.24mmのアルミニウム板を10%水酸化ナトリウム
水溶液中に50℃で20秒間浸漬して、脱脂/クリーニング
処理を行なった後、水洗し、次いで10%硝酸水溶液で中
和洗浄した。水洗後10g/硝酸水溶液中で常温で第1
図、b−(1)のノコギリ波の60Hzの周波数の電圧波形
を用い1A/dm2、8クローン/dm2で電解処理を行ない薄い
被膜を設け、そして水洗した。得られた被膜重量は0.05
g/m2であった。
次に、濃度9g/の硝酸水溶液を電解液として、常温
で第2図(b)に示した交番波形電流を用いて電解粗面
化処理した。電解条件は、周波数60Hz、電流密度40A/dm
2で10秒間、電解粗面化処理した。次いで、電解粗面化
処理で生成したスマットを60℃で20%の硫酸水溶液に1
分間浸漬して溶解除去した。得られた砂目を走査型電子
顕微鏡(日本電子(株)製T−20)で1500倍の表面写真
をとったところ均一なピットが得られ、ピットの直径を
測ったところ2〜5μであった。また同一プレートをミ
クロトーム(LKB(株)5型)で切断し、1500倍の断面
写真を撮り砂目ピットの深さを測ったところ平均1.8μ
であった。このアルミニウム板を15%硫酸水溶液中で直
流を用いて3A/dm2で陽極酸化被膜重量が2g/m2となるよ
うに陽極酸化処理した後、水洗して、3%珪酸ナトリウ
ム水溶液に浸漬処理して、水洗、乾燥した。
このようにして得られた支持体に下記組成の感光液を
塗布し乾燥して感光層を設けた。感光層の乾燥塗布量は
2.0g/m2であった。
感光液 こうして作成した感光性平版印刷版をメタルハライド
ランプを光源として、ネガ画像フィルムを通して露光
後、富士写真フィルム社製ネガ型PS版現像液DN−3Cの標
準液にて現像処理して、さらにガム引きして平版印刷版
とした。
30分後に、インキ(東洋インキ(株)製web kingス
ミ)と湿し水(富士写真フィルム(株)製EU−3100倍希
釈液)を用いて、小森印刷機(株)製オフ輪印刷機(機
種システム18 LR−418)で中越パルプ(株)製のザラ
紙に標準の印圧、40,000枚/時のスピードで印刷した。
このようにして得られた平版印刷版の耐刷枚数は100,00
0枚であった。また、非画像部の汚染はなかった。
比較例1 脱脂/クリーニング処理及び中和洗浄後に、薄い陽極
酸化皮膜を形成しないで電解粗面化したことを除いて
は、実施例1を繰り返した。得られた砂目は直径0.2〜1
5μで不均一であった。このようにして得られた平版印
刷版の耐刷枚数は60,000枚であった。また、非画像部の
実施例1のものよりも汚れ易かった。
実施例2 硝酸液中での被膜の形成を第1図、c−(1)の三角
波を用いて、周波数60Hzの電圧波形を用いて行なったこ
とを除いて実施例1を繰り返した。得られたピットは全
面に均一にできており直径2〜6μであり、深さは平均
1.8μであった。耐刷枚数は100,000枚であった。また、
非画像部は汚染しなかった。
実施例3 実施例1で作成した硝酸電解被膜をもつ表面について
の電解粗面化処理を、塩酸5g/を含む電解液中で、第
2図(b)に示した交番波形電流により、周波数60Hz、
電流密度30A/dm2で20秒間行ったことを除いて、実施例
1を繰り返した。得られた均一な砂目は直径3〜6μ、
深さ平均1.9μであった。耐刷枚数は100,000枚と良好で
あった。また、非画像部の汚染はなかった。
比較例2 電解粗面化処理の前の陽極酸化処理を行なわないで、
塩酸を電解液として電解粗面化処理を行なったことを除
いて、実施例3を繰り返した。得られた砂目は直径0.2
〜18μで均一であった。耐刷枚数は60,000枚であった。
また、非画像部は実施例3のものよりも汚染し易かっ
た。
実施例4 脱脂/クリーニング処理及び中和洗浄後にバミスー水
懸濁液を研磨剤として、回転ナイロンブラシで表面を砂
目立てした。このときの表面粗さ(中心線平均粗さ)は
0.5μであった。水洗後、10%苛性ソーダ水溶液を70℃
に温めた溶液中に浸漬して、アルミニウムの溶解量が6g
/m2なるようにエッチングした。水洗後、30%硝酸水溶
液に1分間浸漬して中和し、十分水洗した。
その後に、実施例1と同様に、硝酸液中で被膜を形成
させ、実施例1を繰り返した。耐刷枚数は100,000枚と
良好であった。また、非画像の汚染はなかった。
比較例3 実施例1で用いたノコギリ波の電圧波形のかわりに直
流電圧を用いて1A/dm2、8クーロン/dm2で電解処理した
以外は全く同様の処理を行なったが、表面には巨大なピ
ットが形成されて、不均一な表面であった。印刷版とし
ても性能が劣った。
比較例4 実施例1で用いた10g/HNO3の代わりに5g/HClを用
いた以外は全く同様の処理を行なったが、表面は不均一
であり、印刷版としても性能が劣った。
なお、上記実施例ではネガ型感光層と本発明法による
粗面化処理を行なった支持体との組合せの場合について
示したが、ポジ型感光層との組合せについても同様の効
果が得られた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、粗面化処理を施したアルミニウム板
を支持体として用いた平版印刷版は、非画像部の汚染が
なく、しかも優れた耐刷力を有するものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)、(c)は、本発明のアルミニウ
ム支持体を電解粗面化処理する前に、硝酸液中で被膜を
設ける電解処理に用いられる電圧波形を示す。 第2図(a)、(b)、(c)は、本発明のアルミニウ
ム支持体を電解粗面化処理するに際し用いられる交番波
形電流の電圧波形を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−8091(JP,A) 特開 昭60−190392(JP,A) 特開 昭56−144195(JP,A) 特公 昭51−19191(JP,B2) 特公 昭51−7081(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム板を硝酸電解液中で、陽極時
    のピーク電圧が陽極時周期の1/3以降である電圧波形を
    用いて電解処理して、前記アルミニウム板に電解粗面化
    処理に対する抵抗性を有する被膜を形成し、次いで、得
    られたアルミニウム板を酸性電解液中で電解粗面化処理
    することを特徴とする、平版印刷版用支持体を製造する
    方法。
  2. 【請求項2】前記電圧波形が、正弦波、ノコギリ波及び
    三角波から選ばれる請求項1に記載の方法。
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