JP3780668B2 - ポジ型感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

ポジ型感光性平版印刷版の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポジ型感光性平版印刷版の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、広く使用されているポジ型感光性平版印刷版(以後ポジ型PS版ともいう)はアルミニウム合金材(又はアルミニウム支持体材料)を粗面化処理してなるアルミニウム支持体上にo−キノンジアジド化合物を感光性物質として含有するポジ型感光性組成物の層(以下感光層ともいう)を設けて得られる。該感光層中に含有されるo−キノンジアジド化合物は紫外線露光によりカルボン酸に変化することが知られており、従って、紫外線露光後のポジ型PS版をアルカリ水溶液で現像すると該感光層の露光部のみが除去されてアルミニウム支持体表面が露出する。もともとアルミニウム支持体の表面は親水性なので、現像により感光層が除去されてアルミニウム支持体の表面が露出した部分(非画像部)は給水により、水を保持して油性インキを反発する。一方、現像により感光層が除去されなかった領域(画像部)は、親油性であり、水を反発し、インキが付着するようになる。
【0003】
上記ポジ型PS版の感光層には、上記o−キノンジアジド化合物の結合剤としては、通常はクレゾールノボラック樹脂が用いられてきた。そのため、現像液としては、クレゾールノボラック樹脂を溶解可能な強アルカリ性の珪酸塩を用いることが一般的であった。このような珪酸塩を含む現像液は、皮膚や粘膜へ付着した場合の刺激性が強く、取り扱いには十分な注意を必要とした。更に、上記珪酸塩を含む現像液で処理した場合はアルミニウム支持体のアルミニウムが現像液に溶解、再析出して版面に付着して画像の汚れを生じたり、自動現像機のスプレーパイプを詰まらせる等の問題が発生する。そこで、珪酸塩を含まない現像液の使用が望まれている。
【0004】
ところで、オフセット印刷機では、油性インキと水とが互いに反発し合う性質を利用して印刷が行われ、該オフセット印刷機には、湿し部が設けられており、該湿し部から印刷版に湿し水と呼ばれる水を与え、親水性の非画像部に水を付着させ、油性インキが親油性の画像部以外に付着しないようにする。その他、上記湿し水には、また印刷版を湿してインキによる汚れを防止する及び版の温度を一定に保持するなどの役割を有する。
【0005】
湿し水には、通常、水の表面張力を下げ、印刷版を濡れ易くするためにイソプロピルアルコール(以下IPAともいう)が添加されているが、近年、環境保護の問題からIPA等の環境汚染物質を低減あるいは排除することが望まれており、IPAフリーの湿し水が一般にも使用されつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなIPAフリーの湿し水を用いて、オフセット輪転印刷のような高速又は苛酷な条件でのオフセット印刷を行うと、耐刷枚数が低下するという問題を生ずる。一方、ポジ型PS版を像露光する工程において、複数の原稿フィルムを位置を変えて次々と焼き付ける、所謂多面焼き付けを行う際、原稿フィルム間の位置合わせのため原稿の位置を感光層上にマークすることがあるが、このマーク用の筆記用具として通常油性ボールペンが用いられる。マークした箇所が非画像部である場合、そのまま現像すると非画像部の感光層は溶解除去されて油性ボールペンのマークが砂目上に残り、オフセット印刷時にインキが付着してマーク跡が印刷物に再現してしまうという故障が生じる(ボールペン適性)。従ってこのようなことがおこらない、即ちボールペン適性に優れたポジ型PS版の処理方法が望まれている。
【0007】
他方、本発明者等の研究によれば、従来からアルミニウム支持体材料を少なくとも粗面化処理及び陽極酸化処理して得られるアルミニウム支持体は、印刷面の、耐刷性の観点から中心線平均粗さRaは0.3〜0.9μmが好ましく、かつプラトー(ピットが形成されていない領域)が実質的に存在しない均一密集構造を有するものが好ましいが、印刷版作成時に珪酸塩を含む現像液で処理するとアルミニウム支持体のアルミニウムが現像液に溶解、再析出して版面に付着して画像の汚れとなったり、自動現像機のスプレーパイプを詰らせる等の問題が生じ、さらには耐刷性が低下するという問題が生ずる。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて提案されたものであり、その目的とするところは、1つには珪酸塩を実質的に含まない現像液を用いて現像した後、オフセット輪転印刷のような高速、かつ苛酷な印刷条件下でIPAを含まない湿し水を用いて印刷を行った場合でも耐刷性に優れ、かつボールペン適性に優れたポジ型PS版の処理方法を提供することにある。さらに2つには、中心線平均粗さRaが0.3〜0.9μmに粗面化され、かつ実質的にプラトーが存在しない表面を有するアルミニウム支持体上に感光層を設けたポジ型PS版を珪酸塩を実質的に含まない現像液で処理することにより耐刷性に優れ、かつボールペン適性に優れたポジ型PS版の処理方法を提供することにある。さらに3つには環境適合性及び取り扱い安全性が改善されたポジ型PS版の処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は下記構成により達成される。
【0010】
1.Naを0.001〜0.04wt%含有するアルミニウム合金材を少なくとも酸性電解液中で電気化学的粗面化処理した後、陽極酸化処理してなり、且つ中心線平均粗さRaが0.3〜0.9μmで、かつプラトーの存在率が10%以下である均一密集構造を有するアルミニウム支持体上にポジ型感光性組成物の層を設けたポジ型感光性平版印刷版を、珪酸塩の含有量が0.1重量%以下である現像液で現像することを特徴とするポジ型感光性平版印刷版の処理方法。
【0011】
2.前記アルミニウム支持体がアルミニウム合金材を少なくとも酸性電解液中で電気化学的粗面化処理及び陽極酸化処理した後、さらにアルカリ金属珪酸塩水溶液で処理してなることを特徴とする前記1に記載のポジ型感光性平版印刷版の処理方法。
【0014】
.前記珪酸塩の含有量が0.1重量%以下である現像液が、糖類を含有することを特徴とする前記1または2項に記載のポジ型感光性平版印刷版の処理方法。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
請求項1は、Naを0.001〜0.04wt%含有するアルミニウム合金材を少なくとも酸性電解液中で電気化学的粗面化処理及び陽極酸化処理を施してなるアルミニウム支持体上に感光層を設けたポジ型PS版を、珪酸塩を実質的に含まない現像液で現像することを特徴とするポジ型PS版の処理方法である。また、請求項2は、Naを0.001〜0.04wt%含有するアルミニウム合金材を少なくとも酸性電解液中で電気化学的粗面化処理及び陽極酸化処理を施した後、さらにアルカリ金属珪酸塩で処理してなる支持体上に感光層を設けたポジ型PS版を、珪酸塩を実質的に含まない現像液で現像することが好ましいポジ型PS版の処理方法である。
【0017】
〈アルミニウム支持体の構成〉
《請求項1及び2のアルミニウム支持体の構成》
上記請求項1及び2のアルミニウム支持体を構成するアルミニウム合金材では、Naを0.001〜0.04wt%含有するが、該Na以外の不純物については不可避的な不純物であり、JIS規格A1050程度の量(Si:0.25%以下、Fe:0.40%以下、Cu:0.05%以下、Mn:0.05%以下、Zn:0.05%以下、Ti:0.03%以下)であれば本発明の目的を満たすことができる。なお、本発明において、Naの含有量は0.001〜0.04wt%の範囲を必須の用件としているが、好ましくは0.005〜0.02wt%である。
【0018】
Naの含有量が0.001wt%未満であるとIPAフリーの湿し水を用いて印刷を行った場合、耐刷枚数が減少し、0.04wt%を越えるとボールペン適性が悪くなる。
【0019】
上記請求項1及び2のアルミニウム支持体を構成するアルミニウム合金材を製造するには、Naを0.001〜0.04wt%含有するアルミニウム合金溶融組成物を定法に従って溶製、鋳造することにより得られる。上記溶製、鋳造する方法としては、半連続鋳造法(DC鋳造法)が一般的であるが、省エネルギーや機械的性質向上等の点から薄板連続鋳造法(連続鋳造圧延法)を適用してもよい。上記のようにして得られた鋳塊は、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、必要に応じて中間焼鈍等の工程を経て最終的に0.10〜0.50mm程度の厚板に鋳造される。上記鋳塊の均質化処理は中間焼鈍による再結晶粒の微細化に必要な工程であり、該均質化処理の条件としては450〜610℃の範囲で1〜48時間保持することが適当である。なお、均質化処理のための加熱と熱間圧延のための加熱とは2度に分けて行う必要はなく、均質化処理と熱間圧延の加熱とを兼ねて行っても良い。いずれの場合も、熱間圧延開始温度は400〜550℃の範囲が好ましい。上記熱間圧延後は冷間圧延を施して所要の厚板とするが、熱間圧延の直後、或いは冷間圧延の途中において1回又は2回以上の中間焼鈍を施すのが通常であり、該中間焼鈍における焼鈍温度は300〜600℃が適当である。該中間焼鈍温度が300℃未満では完全に再結晶化せず、600℃より高温では表面の酸化が激しくなり再結晶粒が粗大化するために好ましくない。
【0020】
《請求項3及び4のアルミニウム支持体の構成》
上記請求項3及び4のアルミニウム支持体は従来公知の種々のアルミニウム支持体材料を利用することができるが、該アルミニウム支持体材料の不純物量としては、JIS規格A1050程度の量(Si:0.25%以下、Fe:0.40%以下、Cu:0.05%以下、Mn:0.05%以下、Zn:0.05%以下、Ti:0.03%以下)であることが好ましい。
【0021】
〈アルミニウム支持体材料の粗面化処理〉
《請求項1及び2のアルミニウム合金材の粗面化処理》
アルミニウム合金材の粗面化処理に先立って表面の油脂、錆、ごみなどを除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。該脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等による溶剤脱脂、ケロシン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。また、上記脱脂処理のみでは除去されない汚れや自然酸化皮膜を除去するために、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いることもできる。上記脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、アルミニウム合金材の表面にはアルカリに不溶な物質(スマット)が残存するので、この場合には燐酸、硝酸、硫酸、塩酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬してデスマット処理を施すことが好ましい。
【0022】
このような脱脂処理に先だって、機械的粗面化処理が行われてもよい。機械的粗面化法は特に限定されないが、ブラシ研磨、ホーニング研磨が好ましい。ブラシ研磨では、例えば毛径0.2〜1mmのブラシ毛を植毛した円筒状ブラシを回転し、接触面に研磨材を水に分散させたスラリーを供給しながらアルミニウム合金材表面に押しつけて粗面化処理を行う。ホーニング研磨では、研磨材を水に分散させたスラリーをノズルより圧力をかけて射出し、アルミニウム合金材表面に斜めから衝突させて粗面化処理を行う。さらに、予め粗面化処理されたシートをアルミニウム合金材表面に張り合わせ、圧力をかけて粗面パターンを転写することにより機械的粗面化を行うこともできる。
【0023】
上記デスマット処理を行った後、アルミニウム合金材表面は酸性電解液中で交流または直流電流を用いて電気化学的に粗面化される。この時の電解液としては、塩酸、硝酸等が用いられるが、硝酸がより好ましい。塩酸または硝酸濃度は0.01〜5重量%が好ましい。上記電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、蓚酸等を加えることができる。また、上記電気化学的粗面化処理については、例えば、特公昭48−28123号公報、英国特許第896,563号明細書、特開昭53−67507号公報に記載の方法が挙げられる。
【0024】
電気化学的粗面化処理において印加される電圧は1〜50Vが好ましく、2〜30Vがさらに好ましい。また、陽極時電気量(以下Qaと記す)が陰極時電気量(以下Qcと記す)よりも大となるような交番波形電流を加えて、陽極時電流密度が、10〜150A/dm2、好ましくは20〜100A/dm2の条件で電解粗面化するのがよい。本発明に使用される交番波形電流とは、正負の極性を交互に交換させて得られる波形であって、QcよりQaが大きくなるようなものであれば如何なる形の波形でも使用することができる。なお、上記Qa及びQcは、100〜1000クーロン/dm2が好ましい。温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45℃が更に好ましい。
【0025】
上記電気化学的粗面化処理されたアルミニウム合金材は、表面のスマット等を取り除いたり、粗面化処理により形成されたピット形状をコントロールする等のためにアルカリ水溶液に浸漬して表面をエッチングしかつ酸処理した後、後述する陽極酸化処理を施して本発明のアルミニウム支持体が得られる。該アルカリ水溶液のアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。これらのアルカリ剤の0.05〜40%水溶液を用い20〜90℃の液温において5秒〜5分間処理されることが好ましい。アルカリ水溶液で表面をエッチングした後に、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬してデスマット処理を施す。該デスマット処理の後に陽極酸化処理を行う場合は、該デスマット処理に使用する酸を陽極酸化処理に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
【0026】
上記陽極酸化処理に用いられる電解液としては多孔質酸化皮膜を形成するものならば如何なるものでも使用することができ、一般には硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等或いはこれらの2種類以上を組み合わせた混酸が用いられる。上記陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80重量%、温度が5〜70℃、電流密度が1〜60A/dm2、電圧が1〜100V、電解時間が10秒〜5分の範囲が適当である。好ましいのは硫酸法で、通常直流電流で処理が行われるが、交流を用いることもできる。上記硫酸法で用いられる硫酸の濃度は10〜50重量%、温度が20〜50℃、電流密度が1〜20A/dm2で10秒〜5分間電解処理されるのが好ましい。なお、上記電解処理の電解液中にはアルミニウムイオンが含まれている方が好ましい。
【0027】
上記陽極酸化処理により得られた本発明のアルミニウム支持体は、さらに必要に応じて支持体書面の親水性をより良好ならしめるため、アルカリ金属珪酸塩水溶液で処理されるものが好ましい。なお、該陽極酸化処理の後で、該アルカリ金属珪酸塩水溶液による処理の前又は後に封孔処理を施してもよい。封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム塩処理等の公知の方法を用いて行うことができる。
【0028】
上記陽極酸化処理あるいは該陽極酸化処理に引き続いて必要によりアルカリ金属珪酸塩水溶液による処理及び封孔処理を施して得られたアルミニウム支持体には、次いで親水性層を設けてもよい。親水性層の形成には、米国特許第3,181,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セルロース、特公平6−94234号公報、特公平6−2436号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特公平5−32238号公報に記載の水酸基を有するアミン類及びその塩、特開昭62−19494号公報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等を用いることができる。
【0029】
さらに、ポジ型PS版を重ねたときの感光層への擦れ傷を防ぐために、また、現像時、現像液中へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50−151136号、特開昭57−63293号、特開昭60−73538号、特開昭61−67863号、特開平6−35174号等の各号公報に記載されている、アルミニウム支持体の裏面に保護層を設ける処理を行うことができる。
【0030】
《請求項3及び4の支持体材料の粗面化処理》
上記請求項3及び4のアルミニウム支持体材料の粗面化処理では、主として電気化学的粗面化法によりピットを形成して粗面化処理され、次いで陽極酸化処理され、得られたアルミニウム支持体の表面の中心線平均粗さRaが0.3〜0.9μmで、かつプラトーが実質的に存在しない均一密集構造を有するものとされ、前記請求項1及び2のアルミニウム合金材の各種粗面化処理条件を調整することによって得られるが、特公平7−98429号、特開平9−39431号、特開平8−300843号の各号公報に記載の粗面化処理の過程で休止時間を設ける方法が好ましい。なお、ここでいうプラトーが実質的に存在しないとは、プラトーの存在率が好ましくは10%以下であり、5%以下であることがより好ましい。ここで、上記アルミニウム支持体表面の中心線平均粗さRaが0.3未満の場合や、0.9μmを越える場合はボールペン適性が劣化する。また、上記アルミニウム支持体表面のプラトーの存在率が10%を越えるとIPAフリーの湿し水を使った場合、耐刷枚数が減少する。
【0031】
また、上記請求項3及び4のアルミニウム支持体材料の粗面化処理の場合も、電気化学的粗面化処理及び陽極酸化処理を行った後、支持体表面の親水性をより良好ならしめるためアルカリ金属珪酸塩水溶液で処理されるのが好ましく、さらに必要により該アルカリ金属珪酸塩水溶液による処理の前又は後に封孔処理されてもよい。ここで、上記アルミニウム支持体の表面の中心線平均粗さRaは、JIS B0601で規定される測定法により測定される。
【0032】
なお、アルミニウム支持体の表面の中心線平均粗さRaが0.3〜0.9μmで、かつプラトーが実質的に存在しない均一密集構造を有していても後記する本発明の現像液以外の現像液で現像処理を行うと本発明の効果が得られない。
【0033】
〈ポジ型感光性組成物〉
上記請求項1〜4のアルミニウム支持体上にはポジ型感光性組成物が塗布加工されて本発明のポジ型PS版が得られ、該ポジ型感光性組成物としは、従来より公知のものを用いることができるが、例えば特開平7−314937号公報等に記載のものが好ましく用いられる。
【0034】
《感光性物質》
上記ポジ型感光性組成物に含有される感光性物質としてはo−ナフトキノンジアジド化合物が好ましく、例えば、特公昭43−28403号公報に記載されている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、もしくは1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドと2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとのエステルが好ましい。その他の好適なo−ナフトキノンジアジド化合物としては、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号明細書中に記載されている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルがある。その他の有用なo−ナフトキノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され、知られているものを用いることができる。例えば、特開昭47−5303号、同昭48−63802号、同昭48−63803号、同昭48−96575号、同昭49−38701号、同昭48−13354号、特公昭41−11222号、同昭45−9610号、同昭49−17481号の各号公報、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号等の各号明細書中に記載されているものを挙げることができる。また、o−ナフトキノンジアジド化合物以外のポジ型に作用する感光性物質としては、例えば特公昭56−2696号公報に記載されているオルトニトロカルビノールエステル基を有するポリマー化合物も本発明に使用することができる。
【0035】
さらに光分解により酸を発生する化合物と、酸により解離するC−O−C基又はC−O−Si基を有する化合物との混合物も感光性物質として本発明に使用することができる。例えば光分解により酸を発生する化合物と、アセタール又はO,N−アセタール化合物との組合せ(特開昭48−89003号公報)、オルトエステル又はアミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−120714号公報)、主鎖にアセタール又はケタール基を有するポリマーとの組合せ(特開昭53−133429号公報)、エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55−12995号公報)、N−アシルイミノ炭酸化合物との組合せ(特開昭55−126236号公報)、主鎖にオルトエステル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−17345号公報)、シリルエステル化合物との組合せ、シリルエーテル化合物との組合せ(特開昭60−37549号公報、特開昭60−121446号公報)などが挙げられる。これらのポジ型に作用する感光性物質は、組成物の全重量を基準として、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%の量で、感光性組成物中に含まれる。
【0036】
《結合剤》
o−キノンジアジド化合物は単独でも感光層を構成するが、アルカリ水に可溶な樹脂を結合剤と共に使用することが好ましい。このようなアルカリ水に可溶性の樹脂としては、ノボラック樹脂があり、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−、又はm−/p−,m−/o−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂などのクレゾールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
【0037】
また、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報に開示されているようなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂も用いることができる。その他の好適なバインダーとして以下(1)〜(13)に示すモノマーをその構成単位とする通常1〜20万の分子量をもつ共重合体を挙げることができる。
【0038】
(1) 芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド又はN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−、p−ヒドロキシスチレン、o−、m−、p−ヒドロキシフェニル−アクリレート又はメタクリレート、
(2) 脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、およびメタクリル酸エステル類、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(3) アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、
(4) アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等の(置換)アルキルアクリレート、
(5) メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の(置換)アルキルメタクリレート、
(6) アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド類、
(7) エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
(8) ビニルアセテート、ビチルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、
(9) スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類、
(10) メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類、
(11) エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類、
(12) N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、
(13) N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノ)スルホニルフェニルメタクリルアミド、N−(1−(3−アミノスルホニル)ナフチル)メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド類、及び上記と同様の置換基を有するアクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルナフチル)メタクリレート等のメタクリル酸エステル類、及び上記と同様の置換基を有するアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、更に、特開平7−36184号公報に記載された下記一般式(1)で示されるカルボン酸基を有するN−フェニルアクリルアミド又はメタクリルアミド、および特開平7−261394号公報に記載された下記一般式(2)で示される活性イミノ基を有する構造単位を重合して得られる高分子化合物も用いることができる。
【0039】
【化1】
Figure 0003780668
【0040】
一般式(1)中、Aは、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、Xは酸素原子、NH又はN−R5(ここでR5はアルキル基を表す)を表し、R1,R2,R3及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、−OR6、−OCO−R7、−NHCO−R8、−NHCONHR9、−OCONH−R10、−COOR11、−CONHR12、−COR13、−CONR1415、−CN、もしくは−CHO基を表すか、又はR1,R2,R3、及びR4は、そのうちの2個が結合して環を形成してもよく、R6〜R15はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を表す。但し、R1,R2,R3、及びR4の内の少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。また、R5としては、炭素数1〜6個のアルキル基、より好ましくは1〜4個のアルキル基である。
【0041】
【化2】
Figure 0003780668
【0042】
一般式(2)中、A′は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R16は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。mは1〜5の整数を表す。さらに、上記の種々のモノマーと共重合し得るモノマーを共重合させてもよい。また、上記モノマーの共重合によって得られる共重合体を例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等によって修飾したものも含まれるがこれらに限られるものではない。さらに、上記共重合体には(3)に掲げた不飽和カルボン酸を含有することが好ましく、共重合体の好ましいカルボン酸価の値は0〜3meq(ミリ当量)/g、さらに好ましくは、0.5〜2.5meq(ミリ当量)/gである。
【0043】
上記共重合体の好ましい分子量は1〜10万である。また上記共重合体には必要に応じて、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂を添加してもよい。このようなアルカリ可溶性の高分子化合物は、1種類あるいは2種類以上組みあわせることができ、全組成物の80重量%以下の添加量で用いられる。
【0044】
次に本発明に用いる感光性組成物に含有される結合剤の例としては、例えばN−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、アクリロニトリル及びエチルアクリレートの各単量体を共重して得られる共重合体樹脂等がある。
【0045】
さらには、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドの縮合物を併用することは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
【0046】
本発明に用いる感光性組成物には、上記のようにフェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン等の公知のアルカリ可溶性のバインダー樹脂を含有させることができるが、該アルカリ可溶性のバインダー樹脂は、感光性組成物の全重量を基準として該結合剤に対して通常0〜200重量%、より好ましくは0〜100重量%の範囲で用いられる。
【0047】
《添加剤》
さらに、本発明に用いる感光性組成物中には、オフセット印刷版の耐刷性、焼き出し性、バーニング性、耐薬品性、現像性などの諸性能の改良を目的として、以下の添加剤を添加することができる。例えば感度を高めるための環状酸無水物、露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤としての染料やその他のフィラーなどを加えることができる。環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されているような無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、ピロメリット酸等がある。これらの環状酸無水物を、組成物の全重量を基準として、1〜15重量%含有させることによって感度を最大3倍程度に高めることができる。感光後直ちに可視像を得るための焼出し剤としては、露光によって酸を放出する感光性物質と塩を形成し得る有機染料の組合わせを代表としてあげることができる。具体的には特開昭50−36209号公報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合わせや特開昭53−36223号公報、特開昭54−74728号公報、特開昭63−58440号公報、欧州特許出願公開第0,505,903A明細書に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合わせをあげることができる。画像着色剤としては、前記の塩形成性有機染料以外に他の染料も用いることができる。塩形成性有機染料も含む好適な染料としては、種々の油溶性染料及び塩基染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#130、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業(株)社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット(CI42600)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。中でも特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
【0048】
また、塗布性を改良するためのアルキルエーテル類(例えばエチルセルロース、メチルセルロース)、フッ素系界面活性剤類(例えば特開昭62−170950号公報に記載のものが好ましい)、及びノニオン系界面活性剤(特にフッ素系界面活性剤が好ましい)、塗膜の柔軟性及び耐摩耗性を付与するための可塑剤(例えばブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー、この中で特にリン酸トリクレジルが好ましい)、画像部感脂性を向上させるための感脂化剤(例えば、特開昭55−527号公報記載のスチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコールによるハーフエステル化物、オクチルフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂、p−ヒドロキシスチレンの50%脂肪酸エステル化物等)等が好ましく用いられる。これらの添加剤の添加量はその使用目的によって異なるが、一般に組成物中の全固形分に対して、0.01〜30重量%である。
【0049】
《溶媒》
本発明に用いる感光性組成物を上記の各成分を溶解し得る溶媒に溶かして支持体上に塗布し、塗膜を乾燥することにより、感光層を形成することができる。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチルなどがあり、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用することができる。そして、上記成分の溶液中の濃度(固形分)は、2〜50重量%が好ましい。また、塗布量は用途により異なるが、本発明のポジ型PS版では、固形分として0.5〜3.0g/m2が好ましい。塗布量が少なくなるにつれ感光性は大になるが、感光層の塗膜の物性、例えば機械的強度、感脂性等が低下する。
【0050】
本発明のポジ型PS版は請求項1〜4のアルミニウム支持体上に上記ポジ型感光性組成物を塗布加工して得られ、得られた該ポジ型PS版は、通常、真空焼枠中で、透明ポジフイルムを通して、例えばメタルハライドランプ等により露光して焼き付けられた後、下記現像液を用いて現像される。
【0051】
〈現像液〉
本発明の処理方法に用いられる現像液はアルカリ水溶液であるが、珪酸塩を実質的に含まない(現像液中の含有量が0.1重量%以下)ことが必須の要件とされる。その理由は、前記したように珪酸塩を含有する現像液を用いて現像すると現像処理時にアルミニウム支持体のアルミニウムが現像液に溶解、再析出して印刷版面に付着して画像の汚れを生じたり、自動現像機のスプレーパイプを詰まらせる等の障害を生ずるからである。そこで本発明の処理方法に用いられる現像液の好ましいアルカリ剤としては、例えば第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第3リン酸アンモニウムなどのリン酸塩、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸塩、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどのホウ酸塩、及び水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられる。特に好ましいものとしては炭酸塩と炭酸水素塩の組み合わせである。これらは単独又は混合して用いられる。また別のアルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどのような水溶性有機アミン化合物が挙げられる。これらのうち特にモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が好ましく、無機アルカリ金属塩などと組み合わせて使用してもよい。
【0052】
これらのアルカリ剤の水溶液中の濃度は、一般的には0.05〜10重量%の範囲から選ぶことができる。また必要に応じて、現像液中にアニオン界面活性剤を加えてもよい。アニオン界面活性剤としては例えば、ラウリルアルコールスルフェートのナトリウム塩、オクチルアルコールスルフェートのナトリウム塩、ラウリルアルコールスルフェートのアンモニウム塩、第2ナトリウムアルキルスルフェートなどの炭素数8〜22の高級アルコール硫酸エステル塩類、例えばセチルアルコール燐酸エステルのナトリウム塩などのような脂肪族アルコール燐酸エステル塩類、例えばドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、メタニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩などのようなアルキルアリールスルホン酸塩類、例えばC1733CON(CH3)CH2CH2SO3Naなどのようなアルキルアミドのスルホン酸塩類、例えばナトリウムスルホコハク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハク酸ジヘキシルエステルなどの二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類などが含まれる。アニオン界面活性剤は、使用時の現像液の総重量に対して0.1〜5重量%の範囲で含有させておくことが適当である。0.1重量%よりも少なくなるとその使用効果が低くなり、5重量%よりも多くなると、画像部の色素の溶出(色抜け)が過多になったり、画像の耐摩耗性などの機械的、化学的強度が劣化するなどの弊害がでてくる。
【0053】
また、ベンジルアルコール等の水と混合しうるような有機溶媒を現像液に加えてもよい。有機溶媒としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好ましくは5重量%以下のものから選ばれる。例えば1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール及び3−メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。有機溶媒の含有量は使用時の現像液の全重量に対して1〜5重量%が好適である。その使用量は、アニオン界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶媒の量が増すにつれ、アニオン界面活性剤の量を増加させることが好ましい。これはアニオン界面活性剤の量が少ない状態で有機溶媒の量を多く用いると、有機溶媒が溶解せず、従って良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0054】
また、さらに必要に応じ、消泡剤、糖類及び硬水軟化剤のような添加剤を現像液中に含有させることもできる。
【0055】
消泡剤としては例えば、特開平2−244143号公報記載の鉱物油、植物油、アルコール、界面活性剤、シリコーン等が挙げられる。糖類としてはアルカリ中でも安定な非還元糖が好ましく用いられる。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明に好適に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。また、糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズシリット、およびアロズルシットなどが挙げられる。
【0056】
更に二糖類の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いられる。
【0057】
ここで、本発明の処理方法に用いられる現像液中に上記糖類(好ましくは還元糖)を含有することにより、多数枚のポジ型PS版を安定して処理することができる。このことは上記糖類が現像液に適度なpH領域で緩衝作用を付与するためと推察される。
【0058】
硬水軟化剤としては、例えばNa227、Na533、Na339、Na24P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタ燐酸ナトリウム)などのポリ燐酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2,2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができる。このような硬水軟化剤の最適量は使用される硬水の硬度およびその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に通常0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲で含有させられる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが本発明の実施の態様がこれにより限定されるものではない。
【0060】
[実施例1−1〜1−6、比較例1−1〜1−6]
〈支持体1A〜4A及び支持体1B〜4Bの調製〉
アルミニウム以外の金属の成分組成が表1に示したようである4種類のアルミニウム合金を溶製し、半連続鋳造法によって400mm×1000mm×3000mmの鋳塊を製造した。該鋳塊に対して片面10mmずつ面削を行った後、550℃で6時間の均質化処理を施し、続いて500℃で熱間圧延を開始し、板厚5mmの熱延板とした。その後、一次冷間圧延を行って板厚1.5mmとし、次いで400℃2時間のバッチ焼純を施し、さらに最終冷間圧延を施して板厚0.3mmの4種類のアルミニウム合金板を得た。
【0061】
【表1】
Figure 0003780668
【0062】
上記のようにして得られた4種類のアルミニウム合金板をパミス−水懸濁液を研磨剤として回転ナイロンブラシで表面を粗面化処理した。この時の表面粗さ(中心線平均粗さ)は0.5μmであった。次いで水洗後、70℃に保たれた10%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム表面の溶解量が5g/m2になるようにエッチングした。水洗後0.7%硝酸水溶液中に10秒間浸漬し、0.7%硝酸水溶液中で陽極時電圧23V、陰極時電圧12Vの矩形波交番波形(特開昭56−47041号公報の実施例に記載されている電流波形)を用いて160C/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行い、水洗後10%水酸化ナトリウム水溶液でアルミニウム表面の溶解量が2g/m2となるようエッチングし、水洗し、20%硫酸で中和洗浄し、更に水洗した。
【0063】
続いて、20%硫酸水溶液中で温度35℃、電流密度3A/dm2の条件で60秒間陽極酸化処理を行い、さらに水洗して表1のNo.1〜4に示した成分組成を有する4種類のアルミニウム支持体を得た。次いで、表2の珪酸ナトリウム処理の項に示すように、場合に応じて70℃の2.5%珪酸ナトリウム水溶液による1分間の処理、水洗及び乾燥を行い、珪酸ナトリウム処理無し(支持体1A〜4A)及び珪酸ナトリウム処理有り(支持体1B〜4B)の8種類のアルミニウム支持体を得た。
【0064】
〈ポジ型PS版1A〜4A及び1B〜4Bの調製〉
次いで、上記8種類のアルミニウム支持体に下記組成の感光性組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して表2の8種類のポジ型PS版1A〜4A及び1B〜4Bを得た。乾燥後の塗布量はいずれも1.8g/m2であった。
【0065】
《ポジ型感光性組成物》
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドと2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化反応物 0.5g
フェノールホルムアルデヒド樹脂(重量平均分子量:2300)2.0g
2−(p−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン 0.02g
ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド0.03g
クリスタルバイオレット 0.01g
オイルブルー#603(オリエント化学工業株式会社製) 0.015g
エチレンジクロリド 18g
2−メトキシエチルアセテート 12g
上記のようにして得られた8種類のポジ型PS版のそれぞれを、真空焼枠中で、透明ポジティブフィルムを通して1mの距離から3kwのメタルハライドランプを用いて50秒間露光を行った後、下記のA、B、C、D、E、Fの6種類の現像液を組み合わせて用い、それぞれ25℃で30秒間現像処理し、さらにガム引きを行い、表2の実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−6の12種類のオフセット印刷テストを行った。その時の耐刷枚数とボールペン適性を下記評価方法により評価した。
【0066】
Figure 0003780668
Figure 0003780668
〈評価方法〉
《耐刷枚数》
インキ「レオエコー墨」(東洋インキ(株)社製)とIPAフリー湿し水として「SG−51」(東京インキ(株)社製)の2%水溶液を用いて、オフ輪印刷機「リソピアAY−1−1300」(三菱重工(株)社製)で中越パルプ(株)社製のザラ紙に標準の印圧で1300rpmのスピードで印刷し、画像部が摩耗してインキが付着しなくなり正常な印刷物が得られなくなるまでテストを継続した時の正常な印刷物の印刷枚数を表す。印刷枚数が多いほど良好。
【0067】
《ボールペン適性》
得られたポジ型PS版にトンボ描画機にてトンボを描いた後、該ポジ型PS版全面を前述の条件で露光、現像し、パイロットのボールペンのインキの、砂目上での残り具合によりボールペン適性を評価した。
【0068】
○:残りなし、△:部分的にインキが残る、×:目視で明らかにインキが認められる。
【0069】
【表2】
Figure 0003780668
【0070】
[実施例2−1〜2−6、比較例2−1〜2−6]
〈支持体5A及び5Bの調製〉
厚さ0.24mmのJIS1050のアルミニウム板を、10%水酸化ナトリウム水溶液中に85℃で10秒間浸漬して脱脂処理を行った後水洗し、10%硫酸水溶液中で中和洗浄した。水洗後、0.9%の硝酸水溶液を電解液として矩形波交流を用いて、周波数60Hz、電流密度30A/dm2、陽極時電気量150C/dm2となるように電解粗面化処理した。そのまま電解液に浸漬した状態で、0.5秒間の休止後再び陽極時電気量が150C/dm2となるように同様の電解粗面化処理を行った。この操作を6回繰り返し、陽極時の総電気量が900C/dm2になるよう電解粗面化処理した。
【0071】
次いで、50℃に保たれた1%水酸化ナトリウム水溶液中に15秒間浸漬し、さらに水洗した後、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗し、その後、20%硫酸水溶液中、直流を用い、温度25℃、電流密度2A/dm2で陽極酸化皮膜重量が2.0g/m2となるよう陽極酸化処理した後、水洗、乾燥して支持体5を得た。この支持体5の表面を走査型電子顕微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は存在しておらず、均一密集状のピットが形成されていた。また、中心線平均粗さRaは0.6μmであった。なお上記観察結果を表3に示した。さらにその後、表4の珪酸アルカリ処理の項に示すように、場合に応じて70℃の25%の珪酸ナトリウム水溶液で1分間処理し、水洗、乾燥して珪酸アルカリ処理無しの支持体5A及び処理有りの支持体5Bを得た。
【0072】
〈支持体6A及び6Bの調製〉
厚さ0.24mmのJIS1050のアルミニウム板を、水酸化アルミニウム又は珪砂と水の懸濁液を研磨剤として回転ナイロンブラシで表面を粗面化した。ブラシの材質は6・10ナイロンを使用した。水洗後、70℃に保たれた20%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、アルミニウム板を5g/m2溶解した後水洗し、次いで25℃に保たれた1%硝酸水溶液中に10秒間浸漬した後水洗した。次に、1.0%の硝酸水溶液中において、温度30℃で60Hzの交流電圧を用いて電解粗面化処理を行った。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間が2msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極とした。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で50A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で230C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させ、その後水洗を行った。次いで、50℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、アルミニウム板を2g/m2溶解し、さらに水洗した後、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理し、さらに水洗した。その後、15%硫酸水溶液中、直流を用い、温度30℃、電流密度2A/dm2で陽極酸化皮膜重量が2.4g/m2となるよう陽極酸化処理し、さらに水洗、乾燥して支持体6を得た。
【0073】
得られた支持体6の表面を走査型電子顕微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部は存在しておらず、均一密集状のピットが形成されていた。また、中心線平均粗さRaは0.45μmであった。なお上記観察結果を表3に示した。さらにその後、表4の珪酸アルカリ処理の項に示すように、場合に応じて70℃の25%の珪酸ナトリウム水溶液で1分間処理し、水洗乾燥して珪酸アルカリ処理無しの支持体6A及び処理有りの支持体6Bを得た。
【0074】
〈支持体7A及び7Bの調製〉
支持体5において、電解液として塩酸水溶液を用い、休止回数を1回にして総電気量900C/dm2で電解粗面化処理を行った以外は支持体5と同様にして支持体7を得た。得られた支持体7の表面を走査型電子顕微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部が約20%存在しており、ところどころに著しく粗大なピットが形成されていた。また、中心線平均粗さRaは0.5μmであった。なお上記観察結果を表3に示した。さらにその後、表4の珪酸アルカリ処理の項に示すように、場合に応じて70℃の25%の珪酸ナトリウム水溶液で1分間処理し、水洗乾燥して珪酸アルカリ処理無しの支持体7A及び処理有りの支持体7Bを得た。
【0075】
〈支持体8A及び8Bの調製〉
厚さ0.24mmのJIS1050のアルミニウム板を、水酸化アルミニウムまたは珪砂と水の懸濁液を研磨剤として回転ナイロンブラシで表面を粗面化した。該ブラシの材質は6・10ナイロンを使用した。水洗後、70℃に保たれた10%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、アルミニウム板を2g/m2溶解した後水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬した後水洗した。次に、1.0%の塩酸水溶液中において、温度30℃、電流密度100A/dm2の条件で交流電流により60秒間電解粗面化した。交流電源波形は正弦波交流を用いた。さらにその後、50℃に保たれた1%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、アルミニウム板を0.5g/m2溶解した後水洗した。次いで、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。さらにその後、15%硫酸水溶液中、直流を用い、温度30℃、電流密度2A/dm2で陽極酸化皮膜重量が2.2g/m2となるよう陽極酸化処理し、かつ水洗、乾燥して支持体8を得た。
【0076】
得られた支持体8の表面を走査型電子顕微鏡にて750倍の倍率で観察したところ、プラトー部が約30%存在しており、ところどころに著しく粗大なピットが形成されていて、不均一であった。また、中心線平均粗さRaは1.1μmであった。なお上記観察結果を表3に示した。その後表4の珪酸アルカリ処理の項に示すように、場合に応じて70℃の25%の珪酸ナトリウム水溶液で1分間処理し、水洗乾燥して珪酸アルカリ処理無しの支持体8A及び処理有りの支持体8Bを得た。
【0077】
〈ポジ型PS版5A〜8A及び5B〜8Bの調製〉
上記のようにして得られた支持体5A〜8A及び支持体5B〜8Bの8種類の支持体上に実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−6の場合と同様にしてポジ型感光性組成物の層を設けて、ポジ型PS版5A〜8A及び5B〜8Bの8種類のポジ型PS版を得た。該8種類のポジ型PS版と前記表2の場合と同様のA,B,C,D,E,Fの6種類の現像液とを表4の如く組み合わせて変化した他は、表2の場合と同様にして実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−6の12種類のオフセット印刷テストを行い、その時の耐刷枚数及びボールペン適性の評価を行い、その結果を表4に示した。
【0078】
【表3】
Figure 0003780668
【0079】
【表4】
Figure 0003780668
【0080】
表2及び表4から本発明のポジ型PS版の処理方法は耐刷枚数及びボールペン適性共に優れているが、比較のポジ型PS版の処理方法は耐刷枚数及びボールペン適性共に悪く、実用性に乏しいことが解る。
【0081】
【発明の効果】
実施例により実証されたように、本発明のポジ型PS版の処理方法によれば、1つには珪酸塩を実質的に含まない現像液を用いて現像処理を行い、かつオフセット輪転印刷のような高速、かつ苛酷な印刷条件下でIPAを含まない湿し水を用いてオフセット印刷を行った場合でも耐刷性に優れ、かつボールペン適性にも優れている等の効果を有し、2つには、中心線平均粗さRaが0.3〜0.9μmに粗面化されたアルミニウム支持体上にポジ型感光性組成物を設けたポジ型PS版を珪酸塩を実質的に含まない現像剤で処理することにより、オフセット輪転印刷のような高速、かつ苛酷な印刷条件下でIPAを含まない湿し水を用いても耐刷性に優れ、かつボールペン適性にも優れている等の効果を有し、3つには環境適合性及び取り扱い安全性が改善される等の効果を有する。

Claims (3)

  1. Naを0.001〜0.04wt%含有するアルミニウム合金材を少なくとも酸性電解液中で電気化学的粗面化処理した後、陽極酸化処理してなり、且つ中心線平均粗さRaが0.3〜0.9μmで、かつプラトーの存在率が10%以下である均一密集構造を有するアルミニウム支持体上にポジ型感光性組成物の層を設けたポジ型感光性平版印刷版を、珪酸塩の含有量が0.1重量%以下である現像液で現像することを特徴とするポジ型感光性平版印刷版の処理方法。
  2. 前記アルミニウム支持体がアルミニウム合金材を少なくとも酸性電解液中で電気化学的粗面化処理及び陽極酸化処理した後、さらにアルカリ金属珪酸塩水溶液で処理してなることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性平版印刷版の処理方法。
  3. 前記珪酸塩の含有量が0.1重量%以下である現像液が、糖類を含有することを特徴とする請求項1または2項に記載のポジ型感光性平版印刷版の処理方法。
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