JP2001265049A - 電子写真用乾式トナーおよびその製造方法 - Google Patents

電子写真用乾式トナーおよびその製造方法

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JP2001265049A
JP2001265049A JP2000072335A JP2000072335A JP2001265049A JP 2001265049 A JP2001265049 A JP 2001265049A JP 2000072335 A JP2000072335 A JP 2000072335A JP 2000072335 A JP2000072335 A JP 2000072335A JP 2001265049 A JP2001265049 A JP 2001265049A
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Takashi Tejima
孝 手嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、現像ローラーや感光体等のプロセ
ス部材がトナー組成物のフィルミングにより汚染するこ
とがなく、また、定着時には耐オフセット性に優れると
共に透明性に優れ、特にカラートナーとして適した電子
写真用乾式トナー及びその製造方法の提供を課題とす
る。 【解決手段】 本発明の電子写真用乾式トナーは、結着
樹脂中に離型剤粒子が分散した着色樹脂粒子、または、
該着色樹脂粒子表面に樹脂被覆層を設けた電子写真用乾
式トナーであって、該着色樹脂粒子中に分散した離型剤
粒子が、着色樹脂粒子中心部における離型剤粒子の粒径
に比して着色樹脂粒子表面近傍に分散した離型剤粒子の
粒径を大とする粒径分布をもって分散しているものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用乾式ト
ナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用乾式トナーとしては、通常、
結着樹脂中に離型剤、着色剤、荷電制御剤等を分散させ
た後、微粉砕手段によりトナーサイズに粉砕、分級して
トナー粒子とされ、現像方式により一成分トナー粒子、
またはトナー粒子およびキャリア粒子からなる二成分ト
ナーとされる。また、耐熱性等を改善するためにトナー
表面に樹脂粒子層を被覆し、複合型トナーとすることも
知られている。
【0003】最近、電子写真にあっては、一層の高速
化、低温定着化が求められ、トナー粒子を構成する結着
樹脂の低温溶融特性化が必須である。この要請に対応す
るものとして結着樹脂中に離型剤粒子を分散させた内部
分散型、オイルレス定着用トナー粒子がある。しかしな
がら、結着樹脂溶融時の内部凝集力の低下にともない、
定着用ローラへの付着等のオフセット防止を図る必要が
あり、離型剤の含有量を多くせざるを得ないのが現状で
あるが、必要以上の離型剤を配合することにより、カラ
ートナーの透明性が低下するという問題が生じる。
【0004】従来、例えば特公平8−12451号公報
にはトナー粒子形状として、熱処理によりワックス状物
質でカプセル化された連続シエル層を有するトナー粒子
とし、摩擦生成物の少ないトナー粒子とすることが開示
されているが、トナー粒子の熱気流下での処理条件とし
てトナー粒子表面がワックス状物質でカプセル化される
ものであり、トナー粒子表面のワックス状物質により現
像ローラや感光体等のプロセス部材に膜が形成(フィル
ミング)されて汚染されることが想定され、また、トナ
ー粒子中での含有ワックス量が多く、トナーの透明性に
問題がある。
【0005】また、特開平4−3171号公報には、ト
ナー粒子表面への荷電制御剤、着色剤、樹脂粒子等の表
面改質用微粒子の均一処理化方法として、トナー粒子に
表面改質用微粒子を機械的衝撃力により均一固定化した
後、熱気流中で処理することを開示するが、熱処理条件
によってはワックス等の離型剤はトナー粒子表面に滲み
だした状態で被膜を形成してフィルミングを生じること
が想定されるものである。
【0006】また、特公平6−77161号公報には、
ワックス状物質等の離型剤を分散したトナー粒子を熱処
理等による「かどとり」処理を行なった後、壁材粒子を
機械的衝撃力により均一固定化し、表面の均質なトナー
粒子とすることを開示するが、機械的衝撃力による工程
化のみでは壁材粒子はいわばたたき込まれた状態で固定
化されているにすぎず、脱離しやすく、複写機内での飛
散、汚染、画像上のカブリ等の種々の弊害をもたらすと
いう問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感光体等の
プロセス部材をフィルミングにより汚染することがな
く、また、定着時には耐オフセット性に優れると共に耐
久性、透明性に優れ、特にカラートナーとして適した電
子写真用乾式トナー及びその製造方法の提供を課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の電子写真
用乾式トナーは、結着樹脂中に離型剤粒子が分散した着
色樹脂粒子からなる電子写真用乾式トナーにおいて、該
着色樹脂粒子中に分散した離型剤粒子が、着色樹脂粒子
中心部における離型剤粒子の粒径に比して着色樹脂粒子
表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径を大とする粒径分
布をもって分散していることを特徴とする。
【0009】また、第1の電子写真用乾式トナーにあっ
ては、着色樹脂粒子の平均粒径が3μm〜10μmで、
かつ円形度が0.93〜0.99の粒子であり、該着色
樹脂粒子の表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径が0.
05μm〜0.3μmであることを特徴とする。
【0010】本発明の第2の電子写真用乾式トナーは、
結着樹脂中に離型剤粒子が分散した着色樹脂粒子表面に
樹脂被覆層を設けた電子写真用乾式トナーにおいて、該
着色樹脂粒子中に分散した離型剤粒子が、該着色樹脂粒
子中心部における離型剤粒子の粒径に比して該着色樹脂
粒子表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径を大とする粒
径分布をもって分散していることを特徴とする。
【0011】また、第2の電子写真用乾式トナーにあっ
ては、着色樹脂粒子の平均粒径が3μm〜10μmで、
かつ円形度が0.93〜0.99の粒子であり、該着色
樹脂粒子の表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径が0.
05μm〜0.3μmであり、また、樹脂被覆層の厚さ
が0.05〜1μmであることを特徴とする。
【0012】また、第1の電子写真用乾式トナーの製造
方法は、結着樹脂中に離型剤及び着色剤を分散させた
後、微粉砕手段により粉砕して着色樹脂粒子とし、次い
で、該着色樹脂粒子を、熱気流中で、該着色樹脂粒子中
に分散した離型剤粒子の粒径分布を該着色樹脂粒子中心
部における離型剤粒子の粒径に比して該着色樹脂粒子表
面近傍に分散した離型剤粒子の粒径を大として再分散さ
せる熱処理条件で処理することを特徴とする。
【0013】また、第2の電子写真用乾式トナーの製造
方法は、結着樹脂中に該結着樹脂に非相溶の離型剤及び
着色剤を分散させた後、微粉砕手段により粉砕して着色
樹脂粒子とし、次いで、該着色樹脂粒子表面上にカプセ
ル用樹脂粒子を機械的衝撃力または乾式メカノケミカル
法により均一固定化した後、カプセル用樹脂粒子をその
表面に均一固定した着色樹脂粒子を、熱気流中で、該着
色樹脂粒子表面にカプセル用樹脂粒子を融着させて樹脂
被覆層を形成する共に、該着色樹脂粒子中に分散した離
型剤粒子の粒径分布を該着色樹脂粒子中心部における離
型剤粒子の粒径に比して該着色樹脂粒子表面近傍に分散
した離型剤粒子の粒径を大として再分散させる熱処理条
件で処理することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第1の電子写真用乾式ト
ナーについて説明する。第1の電子写真用乾式トナー
は、結着樹脂中に離型剤粒子が分散した着色樹脂粒子で
あって、着色樹脂粒子中に分散した離型剤粒子が、着色
樹脂粒子中心部における離型剤粒子の粒径に比して着色
樹脂粒子表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径を大とす
る粒径分布をもって分散したものである。
【0015】本発明における着色樹脂粒子中における離
型剤粒子の分散状態は、後述する実施例1において図1
を参照して記載するように、着色樹脂粒子の断面を透過
型電子顕微鏡写真で観察すると、着色樹脂粒子の表面近
傍の層中に離型剤粒子が多数点在していることが確認さ
れるものであり、また、着色樹脂粒子中心部においては
離型剤粒子は微分散のため識別できない状態にある。
【0016】本発明の電子写真用乾式トナーにおける着
色樹脂粒子の平均粒径は、3μm〜10μmであり、好
ましくは5μm〜8μmであり、これにより、高精細化
を可能とする。また、着色樹脂粒子の円形度は、0.9
3〜0.99、好ましくは0.94〜0.98であり、
流動性、クリーニング特性、転写性に優れるものであ
る。また、熱気流中での熱処理条件により、着色樹脂粒
子の表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径は、離型剤粒
子径の再編成により1.5μm程度までの大きさにする
ことが可能であるが、好ましくは0.05μm〜0.3
μmの粒径のものに再編成するとよく、また、大粒径の
離型剤粒子の存在する層の厚さは、樹脂粒子の粒径にも
よるが0.5μm〜1.5μmとするとよく、これによ
り、トナーの透明性に対する影響を少なくすることがで
きる。なお、着色樹脂粒径の中心部に分散された離型剤
粒子の粒径は、本発明における熱処理には影響されない
ものと考えられ、数十nmオーダーのものと考えられ
る。
【0017】第1の電子写真用乾式トナーにあっては、
離型剤粒子は着色樹脂粒子内に分散した状態にあり、現
像ローラや感光体等のプロセス部材をフィルミングによ
り汚染することが少なく、また、熱ローラーによる定着
時には着色樹脂粒子の表面近傍に分散した大粒径の離型
剤粒子が瞬時に溶けだし、その溶出量も微分散した離型
剤粒子に比して多くすることができるので、離型剤の含
有量を多くすることなく定着ローラーに対する離型効果
をより一層発揮させることができる。また、着色樹脂粒
子の表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径を0.05μ
m〜0.3μmとし、また、樹脂粒子中心部における離
型剤粒子は微分散していることにより離型剤がトナー粒
子の透明性に影響を与えることが少なく、カラートナー
として適したトナー粒子とできる。
【0018】結着樹脂としては、トナーの定着性を可能
とする公知のトナー用結着物質の使用が可能である。例
えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロ
ロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、
スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−
酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α
−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン
樹脂でスチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は
共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
変成エポキシ樹脂、シリコーン変成エポキシ樹脂、塩化
ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェニール樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノ
ール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂等が単独又は
混合して使用できる。特に本発明においては、スチレン
−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−メタクリル酸
エステル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0019】第1の電子写真用乾式トナー及び後述する
第2の電子写真用乾式トナーにあって、結着樹脂として
は、ガラス転移温度が50〜75℃、フロー軟化温度が
90〜150℃のものを使用できる。低温定着性トナー
とする場合には、結着樹脂のガラス転移温度が50〜6
5℃、フロー軟化温度が90〜120℃の樹脂とすると
よく、また、オイルレス定着用トナーとする場合には、
結着樹脂の熱溶融時の凝集性の観点からは50%流出点
における溶融粘度が1×103 〜1×107 Pa・sの
ものとするとよい。
【0020】着色剤としては、以下に示すような、有機
ないし無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能であ
る。すなわち、黒色顔料としては、カーボンブラック、
酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラッ
ク、活性炭などがある。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛
黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファス
トイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスエロ
ー、ナフトールエローS、バンザーイエローG、バンザ
ーイエロー10G、ベンジジンエローG、ベンジジンエロ
ーGR、キノリンエローレーキ、パーマネントエローNC
G、タートラジンレーキなどがある。橙色顔料として
は、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレ
ンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イ
ンダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGKMなどがあ
る。赤色系顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッ
ド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド
4R、リソールレッド、ピロゾロンレッド、ウオッチング
レッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアント
カーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ア
リザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレット
B、メチルバイオレットレーキなどがある。青色顔料と
しては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部
分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブ
ルーBCなどがある。緑色顔料としては、クロムグリー
ン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグ
リーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがあ
る。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモ
ン白、硫化亜鉛などがある。体質顔料としては、バライ
ト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボ
ン、タルク、アルミナホワイトなどがある。また、塩基
性、酸性、分散、直接染料などの各種染料としては、ニ
グロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリン
イエロー、ウルトラマリンブルーなどがある。これらの
着色剤は、単独であるいは複数組合せて用いることがで
きる。
【0021】これらの着色剤は、結着樹脂100重量部
に対して1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量
部使用することが望ましい。20重量部より多いとトナ
ーの定着性が低下し、一方、1重量部より少ないと所望
の画像濃度が得られない。
【0022】また、透光性カラートナーとして用いる場
合は、着色剤としては、以下に示すような、各種、各色
の顔料、染料が使用可能である。黄色顔料としては、C.
I.10316(ナフトールイエローS)、C.I.11710(ハンザ
エロー10G)、C.I.11660(ハンザエロー5G)、C.I.1167
0(ハンザエロー3G)、C.I.11680(ハンザエローG)、
C.I.11730(ハンザエローGR)、C.I.11735(ハンザエロ
ーA)、C.I.11740(ハンザエローNR)、C.I.12710(ハ
ンザエローR)、C.I.12720(ピグメントイエロー
L)、C.I.21090(ベンジジンエロー)、C.I.21095(ベ
ンジジンエローG)、C.I.21100(ベンジジンエローG
R)、C.I.20040(パーマネントエローNCG)、C.I.21220
(バルカンファストエロー5)、C.I.21135(バルカン
ファストエローR)などがある。赤色顔料としては、C.
I.12055(スターリンI)、C.I.12075(パーマネントオ
レンジ)、C.I.12175(リソールファストオレンジ3G
L)、C.I.12305(パーマネントオレンジGTR)、C.I.117
25(ハンザエロー3R)、C.I.21165(バルカンファスト
オレンジGG)、C.I.21110(ベンジジンオレンジG)、
C.I.12120(パーマネントレッド4R)、C.I.1270(パラ
レッド)、C.I.12085(ファイヤーレッド)、C.I.12315
(ブリリアントファストスカーレット)、C.I.12310
(パーマネントレッドF2R)、C.I.12335(パーマネント
レッドF4R)、C.I.12440(パーマネントレッドFRL)、
C.I.12460(パーマネントレッドFRLL)、C.I.12420(パ
ーマネントレッドF4RH)、C.I.12450(ライトファスト
レッドトーナーB)、C.I.12490(パーマネントカーミ
ンFB)、C.I.15850(ブリリアントカーミン6B)などが
ある。また、青色顔料としては、C.I.74100(無金属フ
タロシアニンブルー)、C.I.74160(フタロシアニンブ
ルー)、C.I.74180(ファーストスカイブルー)などが
ある。
【0023】これらの着色剤は、単独であるいは複数組
合せて用いることができるが、結着樹脂100重量部に
対して、5〜15重量部、好ましくは6〜12重量部使
用することが望ましい。15重量部より多いとトナーの
定着性および透明性が低下し、一方、5重量部より少な
いと所望の画像濃度が得られない虞れがある。
【0024】着色樹脂粒子中に分散される離型剤として
は、具体的にはパラフィンワックス、ポリオレフィンワ
ックス、芳香族基を有する変性ワックス、脂環基を有す
る炭化水素化合物、天然ワックス、炭素数12以上の長
鎖炭化水素鎖〔CH3(CH2)11またはCH3(CH2)12以上の脂肪
族炭素鎖〕を有する長鎖カルボン酸、そのエステル脂肪
酸金属塩、脂肪酸アシド、脂肪酸ビスアシド等を例示し
得る。異なる低軟化点化合物を混合して用いても良い。
具体的には、パラフィンワックス(日本石油製)、パラ
フィンワックス(日本精蝋製)、マイクロワックス(日
本石油製)、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋
製)、硬質パラフィンワックス(日本精蝋製)、PE−13
0(ヘキスト製)、三井ハイワックス110P(三井石油化
学製)、三井ハイワックス220P(三井石油化学製)、三
井ハイワックス660P(三井石油化学製)、三井ハイワッ
クス210P(三井石油化学製)、三井ハイワックス320P
(三井石油化学製)、三井ハイワックス410P(三井石油
化学製)、三井ハイワックス420P(三井石油化学製)、
変性ワックスJC−1141(三井石油化学製)、変性ワック
スJC−2130(三井石油化学製)、変性ワックスJC−4020
(三井石油化学製)、変性ワックスJC−1142(三井石油
化学製)、変性ワックスJC−5020(三井石油化学製)、
密ロウ、カルナバワックス、モンタンワックス等を挙げ
ることができる。脂肪酸金属塩として、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸
マグネシウム等がある。
【0025】ポリオレフィン系ワックスとしては、例え
ば低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、あ
るいは酸化型のポリプロピレン、酸化型のポリエチレン
等が挙げられる。ポリオレフィン系ワックスの具体例と
しては、例えば、Hoechst Wax PE520、Hoechst Wax PE1
30、Hoechst Wax PE190(ヘキスト社製)、三井ハイワ
ックス200、三井ハイワックス210、三井ハイワックス21
0M、三井ハイワックス220、三井ハイワックス220M(三
井石油化学工業社製)、サンワックス131−P、サンワ
ックス151−P、サンワックス161−P(三洋化成工業社
製)などのような非酸化型ポリエチレンワックス、Hoec
hst Wax PED121、Hoechst Wax PED153、Hoechst Wax PE
D521、Hoechst Wax PED522、同Ceridust 3620 、同Ceri
dust VP130、同Ceridust VP5905、同Ceridust VP9615
A、同Ceridust TM9610F、同 Ceridust 3715 (ヘキス
ト社製)、三井ハイワックス420M(三井石油化学工業社
製)、サンワックスE−300、サンワックスE−250P
(三洋化成工業社製)などのような酸化型ポリエチレン
ワックス、Hoechist Wachs PP230(ヘキスト社製)、ビ
スコール330−P、ビスコール550−P、ビスコール660P
(三洋化成工業社製)などのような非酸化型ポリプロピ
レンワックス、ピスコールTS−200(三洋化成工業社
製)などのような酸化型ポリプロピレンワックスなどが
例示される。
【0026】これらの離型剤は、単独であるいは複数種
組合せて使用することができるが、結着樹脂に添加する
離型剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.
5〜10重量部であり、好ましくは2〜8重量部、更に
好ましくは3〜7重量部である。
【0027】離型剤は結着樹脂に対して非相溶性とする
のが良く、相互の溶解パラメーター(SP値)の差が大
であるもの、例えば0.5以上あるものとするとよい。
例えば結着樹脂であるポリエステルのSP値は10.3
であるので、このような場合、離型剤としてはポリエチ
レンワックス(SP値7.9)、ポリプロピレンワック
ス(SP値7.8〜8.0)等を組み合わせるとよい。
【0028】離型剤としては、セイコー電子(株)製
「DSC120」で測定されるDSC吸熱曲線における
吸熱メインピーク値である軟化点(融点)が40〜13
0℃、好ましくは50〜120℃のものである。軟化点
が40℃未満の場合は、トナーの耐ブロッキング性及び
保形性が不充分であり、軟化点が130℃を越える場合
は定着温度又は定着圧を下げる効果が少ない。また、離
型剤の軟化点(融点)と結着樹脂のフロー軟化温度との
差は30℃以内のものとするとよい。
【0029】離型剤と結着樹脂を非相溶のものとし、ま
た、離型剤の軟化点(融点)と結着樹脂のフロー軟化温
度との差を一定範囲のものとすることにより、熱気流中
での熱処理条件により着色樹脂粒子における凸状部が溶
融されて離型剤粒子径の再編成を生じさせ、表面近傍内
部層において離型剤粒子を粒径を大として再分散させる
ことができ、定着ローラでの離型性の発揮に好ましい分
散形態とできる。また、着色樹脂粒子内部にあっては、
離型剤粒子の粒径は微分散の状態のまま保持させること
ができ、トナー粒子の透明性を確保できる。本発明にあ
っては、離型剤の含有量を多くしなくても、耐オフセッ
ト性と透明性を確保できる。
【0030】次に、荷電制御剤としては、摩擦帯電によ
り正または負の荷電を与え得るものであれば、特に限定
されず有機あるいは無機の各種のものが用いられ得る。
【0031】正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシ
ンベースEX(オリエント化学工業(株)製)、第4級ア
ンモニウム塩P−51(オリエント化学工業(株)製)、
ニグロシン ボントロンN−01(オリエント化学工業
(株)製)、スーダンチーフシュバルツBB(ソルベント
ブラック3:Colr Index 26150)、フェットシュバルツHB
N(C.I.NO.26150)、ブリリアントスピリッツシュバル
ツTN(ファルベン・ファブリッケン・バイヤ社製)、ザ
ボンシュバルツX(ファルベルケ・ヘキスト社製)、さ
らにアルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン
酸キレート顔料などが挙げられる。中でも第4級アンモ
ニウム塩P−51が好ましい。
【0032】また、負荷電制御剤としては、例えば、オ
イルブラック(Color Index 26150)、オイルブラックB
Y(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−22
(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体
E−81(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ
系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、
スピロンブラックTRH(保土谷化学工業(株)製)、ボ
ントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、ニグ
ロシンSO(オリエント化学工業(株)製)、セレスシュ
バルツ(R)G(ファルベン・ファブリケン・バイヤ社
製)、クロモーゲンシュバルツETOO(C.I.NO.14645)、
アゾオイルブラック(R)(ナショナル・アニリン社
製)などが挙げられる。中でも、サリチル酸金属錯体E
−81が好ましい。
【0033】これらの荷電制御剤は、単独であるいは複
数種組合せて使用することができるが、結着樹脂に添加
する荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対
して0.001〜5重量部であり、好ましくは0.00
1〜3重量部である。
【0034】その他、着色樹脂粒子には磁性粒子、分散
剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
【0035】また、本発明の電子写真用乾式トナーに
は、その流動性を向上させる為に、流動性向上剤を外添
してもよい。流動性向上剤としては、有機系微粉末また
は無機系微粉末を用いることができる。例えばフツ素系
樹脂粉末、すなわちフツ化ビニリデン微粉末、ポリテト
ラフルオロエチレン微粉末、アクリル樹脂系微粉末な
ど;又は脂肪酸金属塩、すなわちステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛など;又は金属
酸化物、すなわち酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛など;又は微粉末シリカ、すなわち湿式製
法シリカ、乾式製法シリカ、それらシリカにシランカツ
プリング剤、チタンカツプリング剤、シリコンオイルな
どにより表面処理をほどこした処理シリカなどがあり、
これらは1種或いは2種以上の混合物で用いられる。
【0036】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の気相酸化法により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒユームドシリカと称さ
れるもので、従来公知の技術によって製造されるもので
ある。例えば四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱
分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次
の様なものである。
【0037】SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl 又、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又
は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属酸
化物の複合微粉体を得る事も可能であり、それらも包含
する。その粒径は平均の一次粒径として、0.001〜
2μmの範囲内である事が望ましく、特に好ましくは、
0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用
するのが良い。
【0038】本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物
の気相酸化法により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものが
ある。日本アエロジル社製の「AEROSIL 130」、以下、
同 200、 300、 380、 TT600、MOX170、 MOX80、 COK84
等が挙げられ、また、CABOT Co.社製の「Ca−O−SiLM-
5 」、以下、同 MS−7、MS−75、HS−5、EH−5等が
挙げられ、また、WACKER−CHEMIE GMBH社製の「Wacker
HDK N 20 V15 」、以下、同 N20E、 T30、 T40、ダウコ
ーニングCo.社の「D−C Fine Silica」、Fransil社の
「Fransol」等が挙げられる。
【0039】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該処理シ
リカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定
された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシ
リカ微粉体を処理したものが特に好ましい。疎水化方法
としてはシリカ微粉体と反応、あるいは物理吸着する有
機ケイ素化合物などで化学的に処理することによって付
与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合
物の上記気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機
ケイ素化合物で処理する。
【0040】その様な有機ケイ素化合物の例は、ヘキサ
メチレンジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルク
ロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジク
ロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジ
ルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロル
シラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロ
ルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロ
ルシラン、トリオルガノシリルメルカピタン、トリメチ
ルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレー
ト、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフエニルジエ
トキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビ
ニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフエニルテト
ラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個の
シロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1
個宛のSiに結合した水酸基をが有するジメチルポリシ
ロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上の混
合物で用いられる。
【0041】その処理シリカ微粉体の粒径としては0.
003〜0.1μm、0.005〜0.05の範囲のも
のを使用することが好ましい。市販品としては、タラノ
ツクス−500(タルコ社)、AEROSIL R−972(日本アエ
ロジル社)などがある。
【0042】流動性向上剤の添加量としては、該樹脂粒
子100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましく
は0.1〜3重量部である。0.01重量部未満では流
動性向上に効果はなく、5重量部を超えるとカブリや文
字のにじみ、機内飛散を助長する。
【0043】本発明の第1の電子写真用乾式トナーの製
造方法は次の各工程よりなる。 (1)原料の均一混合工程 結着樹脂と離型剤、着色剤、荷電制御剤等の添加剤を所
定量ヘンシェルミキサー20B(三井鉱山(株))に投
入し、均一混合する。その際、結着樹脂と着色剤からな
るマスターバッチを調製しておき、該マスターバッチと
希釈用の結着樹脂、離型剤、荷電制御剤等の添加剤を均
一混合してもよい。マスターバッチの配合割合は、結着
樹脂:着色樹脂=90:10〜50:50(重量部)で
あり、好ましくは80:20〜60:40(重量部)て
あり、トナー粒子作製にあたっての配合例としては、結
着樹脂100重量部に対して、マスターバッチ着色剤2
0〜60重量部、好ましくは30〜50重量部、離型剤
0.5〜10重量部、好ましくは2〜8重量部、荷電制
御剤5重量部以下、好ましくは3重量部以下であり、そ
の他分散剤等の添加剤を適量内添してもよい。
【0044】(2)結着樹脂中への各添加剤の分散固定
化工程 均一に混合した後、二軸混練押出機(池貝化成(株)製
PCM−30)を使用して溶融混練し、結着樹脂中への
各添加剤を分散固定化する。溶融混練手段としては、他
に「TEM−37」(東芝機械(株))、「KRCニー
ダー」((株)栗本鉄工所)等の連続式混練機や加熱・
加圧ニーダーのようなバッチ式混練機等が挙げられる。
【0045】(3)粉砕工程 混練物を粗粉砕して粒度調整をした後、ジェット粉砕機
「200AFG」(ホソカワミクロン(株))又は「I
DS−2」(日本ニューマチック工業(株))を使用
し、ジェットエアーによる衝突粉砕により、微粉砕し、
平均粒子径1〜8μmのものとする。粉砕手段としては
他に機械式粉砕機ターボミル(川崎重工(株))、スー
パーローター(日清エンジニアリング(株))等が挙げ
られる。
【0046】(4)分級工程 微粉を除去し、粒径分布のシャープ化を目的として、風
力又はローター回転による粒度調整を風力分級装置「1
00ATP」(ホソカワミクロン(株))又は「DSX
−2」(日本ニューマチック工業(株))又は「エルボ
ージェット」(日鉄鉱業(株))等を使用して行なう。
この分級工程により得られる着色樹脂粒子は、円形度が
0.70〜0.92のものである。
【0047】(5)着色樹脂粒子内における離型剤粒子
の再分散工程 着色樹脂粒子表面近傍における離型剤粒子の粒径の再編
成には、熱風球形化装置「サーフュージングシステムS
FS−3型」(日本ニューマチック工業(株))の操作
条件として、250〜350℃の入り口熱風温度、単位
面積当たりの熱風流量0.6〜1.5m3 /min(熱
風断面積1.26×10-32 、熱処理ゾーンの長さ約
0.4m)、単位面積当たりの原料投入量0.5〜1.
4kg/hr、熱風との接触時間0.01〜1.0秒の
条件下で熱処理する。これにより円形度が0.93〜
0.99の粒子とする。
【0048】この制御された条件での熱風球形化処理に
おいて、凹凸形状の分級着色樹脂粒子は、その凸状部に
おける結着樹脂と分散した離型剤粒子は共に溶融し、結
着樹脂の凝集力により球形化すると共に離型剤粒子同士
の凝集が生じて大粒径化するものと考えられる。また、
着色樹脂粒子中心部における離型剤粒子粒径は変化しな
い状態で保持できるものと考えられる。
【0049】(6)外添処理工程 得られた着色樹脂粒子と流動化剤を所定量ヘンシェルミ
キサー20B(三井鉱山(株))に投入し、均一混合
し、電子写真用乾式トナーとする。
【0050】次に、第2の電子写真用乾式トナーについ
て説明する。
【0051】第2の電子写真用乾式トナーは、結着樹脂
中に離型剤粒子が分散した着色樹脂粒子表面に樹脂被覆
層を設けた電子写真用乾式トナーにおいて、該着色樹脂
粒子中に分散した離型剤粒子が、該着色樹脂粒子中心部
における離型剤粒子の粒径に比して該着色樹脂粒子表面
近傍に分散した離型剤粒子の粒径を大とする粒径分布を
もって分散しているものとするものである。
【0052】樹脂被覆層は、上記の第1の電子写真用乾
式トナーの製造方法(4)で分級処理した着色樹脂粒子
の表面上に、カプセル用樹脂粒子を機械的衝撃力または
乾式メカノケミカル法により均一固定化した後、上記の
第1の電子写真用乾式トナーの項で説明した熱気流中で
同様に処理することにより形成できる。この熱気流中で
の処理により、着色樹脂粒子上にカプセル用樹脂粒子を
相互に溶融結着させて被膜化でき、樹脂被覆層を被覆す
ると同時に着色樹脂粒子中に分散した離型剤粒子の粒径
分布を、上記の第1の電子写真用乾式トナーの項で説明
したと同様に再編成できる。
【0053】カプセル用樹脂粒子としては、例えばソー
プフリー乳化重合法により製造されるものである。ソー
プフリー乳化重合法は乳化重合系から乳化剤を除いた処
方で、水相で発生した開始剤ラジカルが水相に僅かに溶
けているモノマーを結合してゆきやがて不溶化し粒子核
を形成する。この重合法で製造される粒子は一般に乳化
重合より粒径が大きくて、粒径分布が狭く、粒径が0.
1μm〜1μmの範囲で制御でき、また粒径分布がシャ
ープな粒子が達成される。
【0054】着色樹脂粒子の表面にカプセル用樹脂粒子
を付着させるにはカプセル用樹脂粒子の粒径および樹脂
物性が要求されるので、ソープフリー乳化重合法により
調製するとよいが、勿論、乳化剤を用いて乳化重合した
樹脂微粒子も使用できる。
【0055】カプセル用樹脂粒子調製時には単量体およ
び重合開始剤の他に、その他所望の各種添加剤、例えば
荷電制御剤、着色剤、その他所望の各種添加剤を添加し
てもよいが、荷電制御剤を添加する場合には、着色樹脂
粒子中には不要とする場合もある。
【0056】カプセル用樹脂粒子の調製に用いる単量体
としてはビニル系モノマーを挙げることができ、例えば
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オ
クチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デ
シルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキ
シスチレン、p−エトキシスチレン、p−フェニルスチ
レン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等
のスチレンおよびその誘導体が挙げられ、その中でもス
チレンが最も好ましい。他のビニル系モノマーとして
は、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチ
レンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル名どの
ハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニ
ル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステ
ル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エス
テル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルアクリ
ルアミドなどのような(メタ)アクリル酸誘導体、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチル
ケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニル
ケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビ
ニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、ビニルナフタ
リン類を挙げることができる。なお、カプセル用樹脂粒
子に用いられる合成樹脂としてはこれらのビニル系モノ
マーは単独で用いた単独重合体であっても、あるいは複
数組合せた共重合体であってもよい。
【0057】またビニル系モノマーとしては、含窒素極
性官能基を有するモノマーあるいはフッ素を有するモノ
マー成分を、単独であるいは上記したモノマーとの組み
合わせで使用することもできる。このような極性基を有
する単量体からカプセル用樹脂粒子を構成すると、この
カプセル用樹脂粒子自体が帯電制御の働きをするため
に、荷電制御剤は着色樹脂粒子中に含ませるより少ない
量で所望の帯電性を付与することが可能となる。
【0058】含窒素極性官能基は正荷電制御に有効であ
り、含窒素極性官能基を有するモノマーとしては、一般
式 CH2 =C(R1 )−COX−Q−N(R2 )(R3 ) (式中、R1 は水素またはメチル基、R2 およびR3
水素または炭素数1〜20のアルキル基、Xは酸素原子
または窒素原子、Qはアルキレン基またはアリレン基で
ある。)で表わされるアミノ(メタ)アクリル系モノマ
ーがある。
【0059】アミノ(メタ)アクリル系モノマーの代表
例としては、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N
−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、p−N,
N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p
−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)アクリレー
ト、p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アク
リレート、p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)
アクリレート、p−N−ラウリルアミノフェニル(メ
タ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノフェニル
(メタ)アクリレート、p−N,N−ジメチルアミノベン
ジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチルアミノ
ベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジプロピル
アミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジブ
チルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N−ラ
ウリルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N−
スタアリルアミノベンジル(メタ)アクリレートなどが
例示される。さらに、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノ
フェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチル
アミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジ
プロピルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−
N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミ
ド、p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリル
アミド、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)ア
クリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノベンジル(メ
タ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノベンジ
ル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジプロピルアミ
ノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジブチ
ルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N−ラ
ウリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N
−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド等
が例示される。
【0060】フッ素原子は負荷電制御に有効であり、フ
ッ素含有モノマーとしては特に制限はないが、例えば2,
2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−
オクタフルオロアミルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘ
プタデカフルオロデシルアクリレートなどのフルオロア
ルキル(メタ)アクリレートが好ましく例示される。こ
のほかトリフルオロクロルエチレン、フッ化ビニリデ
ン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフルオ
ロプロピレン、ヘキサフルオロプロペン、ヘキサフルオ
ロプロピレンなどの使用が可能である。なお、カプセル
用樹脂粒子に用いる合成樹脂としてはこれらのビニル系
モノマーを単独で用いた単独重合体であっても、あるい
は複数組み合わせた共重合体であってもよい。
【0061】カプセル用樹脂粒子は、着色樹脂粒子にお
ける結着樹脂の化学構造と類似する構造を有する樹脂を
使用するのが好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)
が50〜100℃、好ましくは60〜90℃であり、ま
た、フロー軟化点が70〜200℃、好ましくは100
〜170℃の範囲のものが好ましい。
【0062】また、カプセル用樹脂粒子のフロー軟化点
は、着色樹脂粒子の結着樹脂におけるフロー軟化点に比
して、5℃以上高くするとよく、好ましくは20℃〜4
0℃の範囲で高いものとするとよい。
【0063】カプセル用樹脂粒子の大きさは、平均粒径
が0.05μm〜1μm、好ましくは0.1〜0.8μ
m、より好ましくは0.15〜0.4μmのものを使用
する。カプセル用樹脂粒子の平均粒径が0.05μmよ
り小さいと耐熱性付与の観点から、カプセル用樹脂粒子
層の厚みが薄いため、十分にその目的を達成することは
できない。平均粒径が1μmより大きいときは、カプセ
ル用樹脂粒子を着色樹脂粒子の表面に均一に付着させる
ことが困難となり、表面被覆率が低下し、トナークリー
ニング性、耐久性等が十分に改良されず、耐熱性付与を
目的とする場合、着色樹脂粒子の影響を受け易くなる。
さらにカプセル用樹脂粒子が大きいと、着色樹脂粒子表
面に強固に付着固定させることが困難となるので、カプ
セル用樹脂粒子は、着色樹脂粒子平均粒径の1/5以下
のものとするとよい。
【0064】カプセル用樹脂粒子は、着色樹脂粒子10
0重量部に対して5〜25重量部、好ましくは10〜2
0重量部の割合で使用されて被膜形成され、樹脂被覆層
の膜厚は、0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.
6μm、より好ましくは0.15〜0.35μmとされ
る。これにより、感光体等のプロセス部材へのフィルミ
ングの防止をより可能とし、また、透明性に優れ、また
保存性に優れた耐久性のあるトナーとできるものであ
る。また、定着時にあっては、熱定着ローラーにより樹
脂被覆層が破壊されると同時に溶融した離型剤を瞬時に
溶出させ、熱定着ローラーへの離型効果を一層発揮する
ものである。
【0065】このようにして得られる第2の電子写真用
乾式トナーの平均粒径は、3〜10μm、好ましくは5
〜8μmであり、これにより高精細化を可能とし、ま
た、円形度は0.93〜0.99、好ましくは0.94
〜0.98であり、これにより、流動性、クリーニング
性に優れるものとできる。
【0066】本発明の第2の電子写真用乾式トナーの製
造方法は次の各工程よりなる。
【0067】第2の電子写真用乾式トナーは、上述した
第1の電子写真用乾式トナーの製造方法における(1)
〜(4)までは同じであり、同様にして分級着色樹脂粒
子を調製した後、下記の工程を経て製造される。
【0068】 着色樹脂粒子表面への樹脂粒子の付着
工程 着色樹脂粒子表面にカプセル用樹脂粒子を所定量、機械
的衝撃力または乾式メカノケミカル法により均一固定化
する。機械的衝撃力は高速気流中、ローターとステータ
ーの剪断力及び粒子同士及び機壁との衝突によって与え
られるものであり、例えばハイブリダイザーNHS−1
(奈良機械製作所製)やコスモスシステム(川崎重工業
社製)等を使用することができる。また、乾式メカノケ
ミカル法は、粒子同士および粒子が装置壁部材により摩
擦、圧縮、剪断力を受けることにより発生する熱を利用
することにより、カプセル用樹脂粒子を着色樹脂粒子表
面に固定するもので、例えばメカノフュージョン装置
(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社
製)を用いることができる。
【0069】 カプセル用樹脂粒子を付着させた着色
樹脂粒子内における離型剤粒子の再分散工程 カプセル用樹脂粒子を付着させた着色樹脂粒子におい
て、付着したカプセル用樹脂粒子を相互に融着させて樹
脂被膜化させるとともに着色樹脂粒子内の表面近傍に分
散した離型剤粒子の粒径を大となるように再編成させる
には、第1の電子写真用乾式トナーで記載するように、
熱風球形化装置「サーフュージングシステムSFS−3
型」(日本ニューマチック工業(株))の操作条件とし
て、250〜350℃の入り口熱風温度、熱風流量0.
6〜1.5m3 /min、原料投入量0.5〜1.4k
g/hr、熱風との接触時間0.01〜1.0秒の条件
下で熱処理する。
【0070】分級着色樹脂粒子にカプセル用樹脂粒子を
付着させた後、熱風球形化処理により円形度が0.93
〜0.99のトナー粒子となるように熱風球形化させ
る。この熱風球形化処理条件を適宜選択することによ
り、着色樹脂粒子表面にカプセル用樹脂粒子が相互に融
着して樹脂被膜を形成するとともに、凹凸形状の分級着
色樹脂粒子は、その凸状部における結着樹脂と分散した
離型剤粒子は共に溶融し、結着樹脂の凝集力により球形
化し、離型剤粒子同士の凝集が生じて大粒径化するもの
と考えられる。また、着色樹脂粒子中心部における離型
剤粒子粒径は変化しない状態で保持できるものと考えら
れる。
【0071】 外添処理工程 得られた樹脂被膜を有する着色樹脂粒子と流動化剤を、
所定量ヘンシェルミキサー20B(三井鉱山(株))に
投入し均一混合し、電子写真用乾式トナーとする。
【0072】なお、本明細書で、単に「粒径」という場
合「平均粒径」を意味し、コールターカウンターTA-II
型(コールター社製)を用い、100μmのアパチャー
チューブで粒径別相対重量分布を測定することにより求
める。
【0073】結着樹脂におけるフロー軟化点は高架式フ
ローテスター(島津製作所(株)製「CFT−500
D)により測定した50%流出点における温度を意味す
る。
【0074】離型剤における軟化点(融点)は、セイコ
ー電子(株)製「DSC120」で測定されるDSC吸
熱曲線における吸熱メインピーク値をもって軟化点(融
点)とする。
【0075】円形度は、 円形度=(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周
長)/(粒子投影図の輪郭長さ) で表されるもので、EPIA-2000(Sysmex社製)を用い、1
500個/分の測定速度で測定することにより求めるも
のである。以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明する。
【0076】
【実施例】 (実施例1) (着色樹脂粒子組成) ・結着樹脂{スチレン・アクリル酸ブチル共重合体(ガラス転移温度(Tg): 56℃、フロー軟化点(Tf):115℃、重量平均分子量5×104 、数平均 分子量4×103 } ・・100重量部 ・着色用マスターバッチ{上記結着樹脂70重量部と顔料(パーマネントレッド F2R、C.I.12310)30重量部との混合物} ・・ 40重量部 ・負帯電性荷電制御剤{ Oxo-Gluco compond(「Copy Charge NCA cp2243、クラ リアント(株)製)} ・・ 1重量部 ・離型剤{ポリワックス(融点128℃)、Hoechst Wax PE130 、ヘキスト社製 ) ・・ 3重量部 上記組成をヘンシェルミキサー20B(三井鉱山
(株))を使用し、5分間、2800rpmで均一混合
した後、二軸混練押出機(池貝化成社製PCM−30)
で溶融混練し、樹脂中に添加剤を分散固定した。混練物
を圧延冷却後、フェザーミルで粗粉砕し、2mmメッシ
ュパスとした。
【0077】次いでジェット粉砕機{200APG(ホ
ソカワミクロン社製)}を使用し微粉砕した後、風力分
級装置{100ATP(ホソカワミクロン社製)}を使
用して平均粒径6μmの着色樹脂粒子を得た。
【0078】得られた着色樹脂粒子を熱風球形化装置
{サーフュージングシステムSFS−3型、日本ニュー
マチック工業社製)を使用し、320℃の入り口熱風温
度、熱風との接触時間0.03秒、熱風流速13.2m
/s、単位面積当たりの原料投入量1.0kg/hrの
条件下で熱処理し、平均粒径6.3μm、円形度0.9
7の着色樹脂粒子を得た。
【0079】熱処理後の着色樹脂粒子100重量部に対
して、表面をヘキサメチルジシラザンで処理したシリカ
微粒子(粒径10nm、キャボット社製「キャボシール
TG810G」)を0.5重量部添加し、ヘンシェルミ
キサー20B(三井鉱山(株))を使用し、2分間、2
800rpmで均一混合して外添処理し、本発明の第1
の電子写真用乾式トナーを得た。
【0080】外添処理前の熱処理粒子について、その粒
子の100μm幅の切断片の断面を40000倍の透過
型電子顕微鏡で観察すると、図1からわかるように、着
色樹脂粒子の表面から内部深さ約0.8μmの層中に、
粒径が約0.1μmの白色の離型剤粒子が約70個点在
していることが確認され、また、着色樹脂粒子中心部
(内部深さが0.8μmを越える部分)においては離型
剤粒子は微分散のため識別できない状態にあることがわ
かる。なお、図1において、トナー粒子は楕円形状を示
しているが切断に際しての変形によるものと考えられ、
また、トナー粒子内部に大きな白抜き部分が2箇所観察
されるが、トナー粒子の切断に際して試料片が一部剥離
した部分と考えられる。
【0081】得られた電子写真用乾式トナーについて、
定着性{非オフセット領域(℃)、透明性(HAZE
値)at150℃、現像ローラ表面へのフィルミング現
象を評価した。なお、評価方法等を下記に示す。
【0082】(定着試験)一成分現像方式を採用した市
販のレーザープリンタ(IBM4019)を用いて未定
着の画像サンプルを採取し、コニカ(株)製「レーザー
プリンタ(商品名:KL2010)」の定着機(背面加
熱方式で定着ローラーがPFAチューブを採用、ニップ
通過時間60msec)にて定着試験を行った。。
【0083】(定着性の評価) ・非オフセット領域 定着ローラーの表面温度を変えて、未定着画像サンプル
を通過させ、定着後の画像サンプルを目視で観察し、オ
フセットの有無を評価する。
【0084】(透明性の評価)OHPシート上の定着像
についてHAZEメーター{(日本電色工業(株)ヘー
ズメーターMODEL1001DP}にてHAZE値を
測定する。 (フィルミング現象)一成分現像方式を採用した市販の
レーザープリンタ(IBM4019)の現像ユニットに
トナーをセットし、感光体上に現像されないように調整
した状態で現像器のみ連続駆動し、現像ローラー表面に
筋状の融着(フィルミング)が認められた時点を耐久時
間とした。
【0085】実施例1で得られた電子写真用乾式トナー
は、高温オフセットの発生温度が200℃、低温オフセ
ットの発生温度が110℃で、非オフセット幅は90℃
であった。また、HAZE値は25、また、現像ローラ
ーへのフィルミングは8時間後も発生しなかった。
【0086】(実施例2)実施例1における着色樹脂粒
子組成における結着樹脂を、芳香族ジカルボン酸とアル
キレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエス
テルと該重縮合ポリエステルの多価金属化合物による一
部架橋物の50:50(重量比)混合物{Tg:61
℃、フロー軟化点(Tf):126℃、酸価5、水酸基
価30、三洋化成工業(株)製)に代えた以外は同様に
して、分級処理段階で、平均粒径6μmの着色樹脂粒子
を得、同様に熱処理して、平均粒径6.2μm、円形度
0.97の着色樹脂粒子とし、同様に、外添処理して電
子写真用乾式トナーを得た。
【0087】得られた着色樹脂粒子の断面形状を実施例
1同様にして透過型電子顕微鏡で観察したところ、同様
のワックス粒子分散形態を有していることが確認でき
た。
【0088】得られた電子写真用乾式トナーは、高温オ
フセットの発生温度が200℃、低温オフセットの発生
温度が120℃で、非オフセット幅は70℃であった。
また、HAZE値は28、また、現像ローラーへのフィ
ルミングは8時間後も発生しなかった。
【0089】(実施例3)実施例1で風力分級処理して
得た平均粒径6μmの着色樹脂粒子100重量部と、乳
化重合法により製造されたスチレン−アクリル共重合体
カプセル用微粒子(Tg:65℃、フロー軟化点:14
5℃、粒径:0.25μm、重量平均分子量3万、数平
均分子量1万)15重量部とを、ハイブリダイザーNH
S−1(奈良機械製作所製)を使用し、ローター回転速
度90m/sで5分間精密混合し、着色樹脂粒子にカプ
セル用微粒子を付着させた。
【0090】次いで、カプセル用微粒子を付着させた着
色樹脂粒子を熱風球形化装置{サーフュージングシステ
ムSFS−3型、日本ニューマチック工業(株)製}を
使用し、320℃の入り口熱風温度、熱風との接触時間
0.05秒、熱風流速13.2m/s、単位面積当たり
の原料投入量1.0kg/hrの条件下で熱処理し、平
均粒径6.3μm、円形度0.98の着色樹脂粒子を得
た後、実施例1同様に外添処理し、本発明の第2の電子
写真用乾式トナーを得た。
【0091】外添処理前の着色樹脂粒子について、その
断面形状を実施例1同様にして透過型電子顕微鏡で観察
したところ、樹脂被膜の膜厚は0.18μmであり、ま
た、着色樹脂粒子内にあっては、実施例1同様のワック
ス粒子分散形態を有していることが確認できた。
【0092】得られた電子写真用乾式トナーは、高温オ
フセットの発生温度が200℃、低温オフセットの発生
温度が130℃で、非オフセット幅は70℃であった。
また、HAZE値は30、また、現像ローラーへのフィ
ルミングは10時間後も発生しなかった。
【0093】(実施例4)実施例2で分級処理して得た
平均粒径6μmの着色樹脂粒子100重量部を使用し、
実施例3と同様にして着色樹脂粒子にカプセル用微粒子
を付着させた後、実施例3と同様にして熱処理し、平均
粒径6.2μm、円形度0.97の着色樹脂粒子を得た
後、実施例3同様に外添処理し、本発明の第2の電子写
真用乾式トナーを得た。
【0094】外添処理前の着色樹脂粒子について、その
断面形状を実施例3同様にして透過型電子顕微鏡で観察
したところ、樹脂被膜の膜厚は0.20μmであり、ま
た、樹脂被覆された着色樹脂粒子にあっては、実施例3
同様のワックス粒子分散形態を有していることが確認で
きた。
【0095】得られた電子写真用乾式トナーは、高温オ
フセットの発生温度が200℃、低温オフセットの発生
温度が130℃で、非オフセット幅は70℃であった。
また、HAZE値は31、また、現像ローラーへのフィ
ルミングは10時間後も発生しなかった。
【0096】(比較例1)実施例1で分級処理して得た
平均粒径6μmの着色樹脂粒子について、熱風球形化装
置(サーフュージングシステムSFS−3型、日本ニュ
ーマチック工業社製)を使用し、実施例1での熱処理条
件において、熱風との接触時間を8×10 -3秒と短くし
た以外は320℃の入り口熱風温度等の熱処理条件を同
様にして処理し、平均粒径6.2μm、円形度0.88
の着色樹脂粒子を得た。
【0097】熱処理粒子について、その断面を4000
0倍の透過型電子顕微鏡で観察すると、着色樹脂粒子の
内部も表面近傍も同様な離型剤の微分散状態であった。
【0098】実施例1同様に外添処理し、比較用の電子
写真用乾式トナーを得た後、同様に評価した。得られた
電子写真用乾式トナーは、高温オフセットの発生温度が
180℃、低温オフセットの発生温度が140℃で、非
オフセット幅は40℃であり、また、HAZE値は23
と低いものの、現像ローラーへのフィルミングが現像器
駆動1時間で認められた。
【0099】(比較例2)実施例3のカプセル用微粒子
を付着させた着色樹脂粒子について、熱風球形化装置
(サーフュージングシステムSFS−3型、日本ニュー
マチック工業(株)製)を使用し、実施例3での熱処理
条件において、熱風との接触時間を1秒と長くした以外
は320℃の入り口熱風温度等の熱処理条件を同様にし
て処理し、平均粒径6.3μm、円形度0.99の着色
樹脂粒子を得た。
【0100】熱処理粒子について、その断面を4000
0倍の透過型電子顕微鏡で観察すると、離型剤が着色樹
脂粒子の表面に滲みだした状態であった。
【0101】実施例3同様に外添処理し、比較用の電子
写真用乾式トナーを得た後、同様に評価した。得られた
電子写真用乾式トナーは、高温オフセットの発生温度が
180℃、低温オフセットの発生温度が140℃で、非
オフセット幅は40℃であり、また、HAZE値は56
と高いものであった。また、現像ローラーへのフィルミ
ングが現像器駆動1時間で認められた。
【0102】(比較例3)実施例1で分級処理して得た
段階での平均粒径6μmの着色樹脂粒子を熱風球形化装
置{サーフュージングシステムSFS−3型、日本ニュ
ーマチック工業社製)を使用し、150℃の入り口熱風
温度とした以外は熱風との接触時間を0.03秒と同様
にして熱処理し、平均粒径6.1μm、円形度0.92
の着色樹脂粒子を得た。
【0103】得られた着色樹脂粒子100重量部と実施
例3で使用したカプセル用微粒子15重量部とを、ハイ
ブリダイザーNHS−1(奈良機械製作所製)を使用
し、ローター回転速度90m/s、5分間精密混合し、
着色樹脂粒子にカプセル用微粒子を付着させ、平均粒径
6.4μm、円形度0.94の着色樹脂粒子を得た。
【0104】カプセル用微粒子を付着した着色樹脂粒子
について、その断面を40000倍の透過型電子顕微鏡
で観察すると、着色樹脂粒子内部での離型剤粒子の状態
は、本発明における離型剤粒子の分散状態ではなく、着
色樹脂粒子の内部も表面近傍も同様な離型剤の微分散状
態であった。
【0105】実施例1同様に外添処理し、比較用の電子
写真用乾式トナーを得た後、同様に評価した。得られた
電子写真用乾式トナーは、高温オフセットの発生温度が
180℃、低温オフセットの発生温度が140℃で、非
オフセット幅は40℃であり、また、HAZE値は26
であった。また、現像ローラーへのフィルミングは8時
間後も発生しなかった。
【0106】
【発明の効果】本発明の電子写真用乾式トナーは、現像
ローラーや感光体等のプロセス部材がトナー組成物のフ
ィルミングにより汚染することがなく、また、定着時に
は耐オフセット性に優れると共に透明性に優れ、特にカ
ラートナーとして適したものであり、樹脂被覆層を設け
ることにより、特にフィルミングによる汚染がなく、高
品質画像を長時間にわたって出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における電子写真用乾式ト
ナー断面の粒子構造を示す写真である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂中に離型剤粒子が分散した着色
    樹脂粒子からなる電子写真用乾式トナーにおいて、該着
    色樹脂粒子中に分散した離型剤粒子が、着色樹脂粒子中
    心部における離型剤粒子の粒径に比して着色樹脂粒子表
    面近傍に分散した離型剤粒子の粒径を大とする粒径分布
    をもって分散していることを特徴とする電子写真用乾式
    トナー。
  2. 【請求項2】 着色樹脂粒子の平均粒径が3μm〜10
    μmで、かつ円形度が0.93〜0.99の粒子であ
    り、該着色樹脂粒子の表面近傍に分散した離型剤粒子の
    粒径が0.05μm〜0.3μmであることを特徴とす
    る請求項1記載の電子写真用乾式トナー。
  3. 【請求項3】 結着樹脂中に離型剤粒子が分散した着色
    樹脂粒子表面に樹脂被覆層を設けた電子写真用乾式トナ
    ーにおいて、該着色樹脂粒子中に分散した離型剤粒子
    が、該着色樹脂粒子中心部における離型剤粒子の粒径に
    比して該着色樹脂粒子表面近傍に分散した離型剤粒子の
    粒径を大とする粒径分布をもって分散していることを特
    徴とする電子写真用乾式トナー。
  4. 【請求項4】 着色樹脂粒子の平均粒径が3μm〜10
    μmで、かつ円形度が0.93〜0.99の粒子であ
    り、該着色樹脂粒子の表面近傍に分散した離型剤粒子の
    粒径が0.05μm〜0.3μmであり、また、樹脂被
    覆層の厚さが0.05〜1μmであることを特徴とする
    請求項3記載の電子写真用乾式トナー。
  5. 【請求項5】 結着樹脂中に離型剤及び着色剤を分散さ
    せた後、微粉砕手段により粉砕して着色樹脂粒子とし、
    次いで、該着色樹脂粒子を、熱気流中で、該着色樹脂粒
    子中に分散した離型剤粒子の粒径分布を該着色樹脂粒子
    中心部における離型剤粒子の粒径に比して該着色樹脂粒
    子表面近傍に分散した離型剤粒子の粒径を大として再分
    散させる熱処理条件で処理することを特徴とする電子写
    真用乾式トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 結着樹脂中に該結着樹脂に非相溶の離型
    剤及び着色剤を分散させた後、微粉砕手段により粉砕し
    て着色樹脂粒子とし、次いで、該着色樹脂粒子表面上に
    カプセル用樹脂粒子を機械的衝撃力または乾式メカノケ
    ミカル法により均一固定化した後、カプセル用樹脂粒子
    をその表面に均一固定した着色樹脂粒子を、熱気流中
    で、該着色樹脂粒子表面にカプセル用樹脂粒子を融着さ
    せて樹脂被覆層を形成する共に、該着色樹脂粒子中に分
    散した離型剤粒子の粒径分布を該着色樹脂粒子中心部に
    おける離型剤粒子の粒径に比して該着色樹脂粒子表面近
    傍に分散した離型剤粒子の粒径を大として再分散させる
    熱処理条件で処理することを特徴とする電子写真用乾式
    トナーの製造方法。
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US09/959,952 US6686112B2 (en) 2000-03-10 2001-03-07 Electrophotographing dry-type toner and production method therefor
DE60124462T DE60124462T2 (de) 2000-03-10 2001-03-07 Elektrophotographischer trockentoner und herstellungsverfahren
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018185363A (ja) * 2017-04-24 2018-11-22 三井化学株式会社 トナー用バインダー樹脂、トナー、トナー用バインダー樹脂の製造方法およびトナーの製造方法

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