JP2001261634A - カップリング方法 - Google Patents
カップリング方法Info
- Publication number
- JP2001261634A JP2001261634A JP2000078143A JP2000078143A JP2001261634A JP 2001261634 A JP2001261634 A JP 2001261634A JP 2000078143 A JP2000078143 A JP 2000078143A JP 2000078143 A JP2000078143 A JP 2000078143A JP 2001261634 A JP2001261634 A JP 2001261634A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- general formula
- temperature
- equilibrium
- formula
- represented
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 アリールスルホン誘導体の有利な製造法を提
供すること。 【解決手段】 アリールスルホン(1)に塩基を作用さ
せ、よりアニオン側に平衡を移動させたのち、アニオン
化温度よりも低い温度にてアリルハライド誘導体(2)
を反応させることを特徴とするアリールスルホン(1)
とアリルハライド誘導体(2)とのカップリング方法。 YCH2SO2Ar(1) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を
示し、Yは下記基を表わす) (式中、ZはX2もしくはOR2を意味し、X1はおよ
びX2は、同一または相異なりハロゲン原子を示し、R
1およびR2は、同一または相異なり水酸基の保護基を
示し、波線はE/Z幾何異性体の混合物を示す。)
供すること。 【解決手段】 アリールスルホン(1)に塩基を作用さ
せ、よりアニオン側に平衡を移動させたのち、アニオン
化温度よりも低い温度にてアリルハライド誘導体(2)
を反応させることを特徴とするアリールスルホン(1)
とアリルハライド誘導体(2)とのカップリング方法。 YCH2SO2Ar(1) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を
示し、Yは下記基を表わす) (式中、ZはX2もしくはOR2を意味し、X1はおよ
びX2は、同一または相異なりハロゲン原子を示し、R
1およびR2は、同一または相異なり水酸基の保護基を
示し、波線はE/Z幾何異性体の混合物を示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、飼料添加
物、食品添加物として重要なビタミンAやリコペンなど
のカロテノイドの前駆体となりうるスルホン誘導体を製
造する際のカップリング方法に関する。
物、食品添加物として重要なビタミンAやリコペンなど
のカロテノイドの前駆体となりうるスルホン誘導体を製
造する際のカップリング方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本発
明者らは、アリールスルホン(1)とアリルハライド誘
導体(2)を塩基存在下反応させる方法(特開平11-222
479号公報)を提案した。
明者らは、アリールスルホン(1)とアリルハライド誘
導体(2)を塩基存在下反応させる方法(特開平11-222
479号公報)を提案した。
【0003】本発明者らは、高価な塩基の使用量削減や収率
向上など工業的により有利な製造法を開発するべく鋭意
検討を重ねた結果、下記アリールスルホン(1)に塩基
を作用させたとき、アニオンが平衡で生成していること
に着目し、その平衡反応をおいて、よりアニオン側に平
衡を移動させた後、下記アリールハライド誘導体(2)
とカップリングさせることにより、使用する塩基量を大
幅に削減でき、収率が向上することを見出し、本発明に
至った。
向上など工業的により有利な製造法を開発するべく鋭意
検討を重ねた結果、下記アリールスルホン(1)に塩基
を作用させたとき、アニオンが平衡で生成していること
に着目し、その平衡反応をおいて、よりアニオン側に平
衡を移動させた後、下記アリールハライド誘導体(2)
とカップリングさせることにより、使用する塩基量を大
幅に削減でき、収率が向上することを見出し、本発明に
至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(1) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を
示し、Yは下記基を表わす )で示されるアリールスルホンと一般式(2) (式中、ZはX2もしくはOR2を意味し、X1およびX2
は、同一または相異なりハロゲン原子を示し、R1およ
びR2は、同一または相異なり水酸基の保護基を示し、
波線はE/Z幾何異性体の混合物を示す。)で示される
アリルハライド誘導体を塩基の存在下反応させ、ZがO
R2の場合は一般式(3) (式中、Y、Ar、R1、R2および波線は前記と同じ意
味を表わす。)で示されるスルホン誘導体を、ZがX2
の場合は一般式(4) (式中、Y、Ar、R1および波線は前記と同じ意味を
表わす。)で示されるスルホン誘導体を得る反応におい
て、まず、アリールスルホン(1)に塩基を作用させ、
一般式(5) (式中、Bは塩基を示し、Y、Arは前記と同じ意味を
表わす。)で示される平衡反応において、よりアニオン
側に平衡を移動させたのち、アニオン化温度よりも低い
温度にてアリルハライド誘導体(2)を反応させること
を特徴とするアリールスルホン(1)とアリルハライド
誘導体(2)とのカップリング方法を提供するものであ
る。
般式(1) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を
示し、Yは下記基を表わす )で示されるアリールスルホンと一般式(2) (式中、ZはX2もしくはOR2を意味し、X1およびX2
は、同一または相異なりハロゲン原子を示し、R1およ
びR2は、同一または相異なり水酸基の保護基を示し、
波線はE/Z幾何異性体の混合物を示す。)で示される
アリルハライド誘導体を塩基の存在下反応させ、ZがO
R2の場合は一般式(3) (式中、Y、Ar、R1、R2および波線は前記と同じ意
味を表わす。)で示されるスルホン誘導体を、ZがX2
の場合は一般式(4) (式中、Y、Ar、R1および波線は前記と同じ意味を
表わす。)で示されるスルホン誘導体を得る反応におい
て、まず、アリールスルホン(1)に塩基を作用させ、
一般式(5) (式中、Bは塩基を示し、Y、Arは前記と同じ意味を
表わす。)で示される平衡反応において、よりアニオン
側に平衡を移動させたのち、アニオン化温度よりも低い
温度にてアリルハライド誘導体(2)を反応させること
を特徴とするアリールスルホン(1)とアリルハライド
誘導体(2)とのカップリング方法を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に記載
する。一般式(3)もしくは(4)で示されるスルホン
誘導体は、一般式(1)で示されるアリールスルホンに
塩基を作用させ、一般式(5)で示される平衡反応にお
いて、よりアニオン側に平衡を移動させたのち、一般式
(2)で示されるアリルハライド誘導体を加えることに
より得られる。
する。一般式(3)もしくは(4)で示されるスルホン
誘導体は、一般式(1)で示されるアリールスルホンに
塩基を作用させ、一般式(5)で示される平衡反応にお
いて、よりアニオン側に平衡を移動させたのち、一般式
(2)で示されるアリルハライド誘導体を加えることに
より得られる。
【0006】本発明の一般式におけるR1およびR2は、同一
または相異なり水酸基の保護基を示すが、水酸基の保護
基としては具体的には例えばホルミル、アセチル、エト
キシアセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチ
ル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロ
アセチル、トリクロロアセチル、ブロモアセチル、ジブ
ロモアセチル、トリブロモアセチル、プロピオニル、2
−クロロプロピオニル、3−クロロプロピオニル、ブチ
リル、2−クロロブチリル、3−クロロブチリル、4−
クロロブチリル、2−メチルブチリル、2−エチルブチ
リル、バレリル、2−メチルバレリル、4−メチルバレ
リル、ヘキサノイル、イソブチリル、イソバレリル、ピ
バロイル、ベンゾイル、o−クロロベンゾイル、m−ク
ロロベンゾイル、p−クロロベンゾイル、 o−ヒドロ
キシベンゾイル、m−ヒドロキシベンゾイル、p−ヒド
ロキシベンゾイル、 o−アセトキシベンゾイル、 o−
メトキシベンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p−メ
トキシベンゾイル、p−ニトロベンゾイル等のアシル
基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチル
ジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなどのシ
リル基、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メト
キシエトキシメチル、1−エトキシエチルなどのアルコ
キシメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、
t−ブチル基、トリチル基、メチル基、2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニ
ル基等が挙げられる。
または相異なり水酸基の保護基を示すが、水酸基の保護
基としては具体的には例えばホルミル、アセチル、エト
キシアセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチ
ル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロ
アセチル、トリクロロアセチル、ブロモアセチル、ジブ
ロモアセチル、トリブロモアセチル、プロピオニル、2
−クロロプロピオニル、3−クロロプロピオニル、ブチ
リル、2−クロロブチリル、3−クロロブチリル、4−
クロロブチリル、2−メチルブチリル、2−エチルブチ
リル、バレリル、2−メチルバレリル、4−メチルバレ
リル、ヘキサノイル、イソブチリル、イソバレリル、ピ
バロイル、ベンゾイル、o−クロロベンゾイル、m−ク
ロロベンゾイル、p−クロロベンゾイル、 o−ヒドロ
キシベンゾイル、m−ヒドロキシベンゾイル、p−ヒド
ロキシベンゾイル、 o−アセトキシベンゾイル、 o−
メトキシベンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p−メ
トキシベンゾイル、p−ニトロベンゾイル等のアシル
基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチル
ジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなどのシ
リル基、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メト
キシエトキシメチル、1−エトキシエチルなどのアルコ
キシメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、
t−ブチル基、トリチル基、メチル基、2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニ
ル基等が挙げられる。
【0007】本発明の一般式におけるArは置換基を有して
もよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を示し、
その置換基としては、C1からC5の直鎖もしくは分枝
状のアルキル基、C1からC5の直鎖もしくは分枝状の
アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられ
る。具体的には、例えばフェニル、ナフチル、o−トリ
ル,m−トリル,p−トリル、o−メトキシフェニル、
m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−ク
ロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニ
ル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブ
ロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニ
ル、p−ヨードフェニル、o−フルオロフェニル、m−
フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロ
フェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等
が挙げられる。
もよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を示し、
その置換基としては、C1からC5の直鎖もしくは分枝
状のアルキル基、C1からC5の直鎖もしくは分枝状の
アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられ
る。具体的には、例えばフェニル、ナフチル、o−トリ
ル,m−トリル,p−トリル、o−メトキシフェニル、
m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−ク
ロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニ
ル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブ
ロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニ
ル、p−ヨードフェニル、o−フルオロフェニル、m−
フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロ
フェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等
が挙げられる。
【0008】本発明の一般式におけるX1およびX2は、同一
または相異なりハロゲン原子を示し、具体的には、塩素
原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。特に、X1
は臭素原子が好ましい。
または相異なりハロゲン原子を示し、具体的には、塩素
原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。特に、X1
は臭素原子が好ましい。
【0009】上記反応に用いられる塩基としては、例えばア
ルカリ金属のアルコキサイド、アルカリ金属のヘキサア
ルキルジシラザンであり、具体的には、例えばナトリウ
ムメトキサイド、カリウムメトキサイド、カリウムt−
ブトキサイド、ナトリウムt−ブトキサシド、ナトリウ
ムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシ
ラザン等が挙げられる。かかる塩基の使用量はアリルハ
ライド誘導体(2)に対して通常、1〜5モル倍程度で
ある。
ルカリ金属のアルコキサイド、アルカリ金属のヘキサア
ルキルジシラザンであり、具体的には、例えばナトリウ
ムメトキサイド、カリウムメトキサイド、カリウムt−
ブトキサイド、ナトリウムt−ブトキサシド、ナトリウ
ムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシ
ラザン等が挙げられる。かかる塩基の使用量はアリルハ
ライド誘導体(2)に対して通常、1〜5モル倍程度で
ある。
【0010】上記反応には、通常、有機溶媒が用いられ、か
かる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、アニソー
ル等のエーテル系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n−ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系
溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル
ホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒が挙
げられる。
かる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、アニソー
ル等のエーテル系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n−ペンタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系
溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル
ホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒が挙
げられる。
【0011】アニオン化の温度は通常−40℃〜30℃程度
の範囲である。しかし、一般式(5)で示される平衡反
応は、温度依存性が高く、温度が高い方が、より平衡が
アニオン側に移動し、アリルハライド誘導体(2)との
反応性が高まる。アリールスルホン(1)にカリウムt
−ブトキサイドをd7-DMF中で作用させ、1H-NMRスペクト
ルにより、温度による変化を測定した結果を図1に示
す。図1に示されるように、温度上昇にともないアニオ
ン中心のプロトン由来のピークがブロードニングし、積
分値の減少が観測された。このグラフはアリールプロト
ンに対するアニオン中心のプロトンの面積値の減少をア
ニオン化率とし、温度との相関をプロットしたものであ
る。これらのことは温度変化による平衡移動を示してい
る。このグラフから、アニオン化温度は好ましくは−4
0℃〜30℃程度であり、また、アニオン化時間はアニ
オン化温度によって異なるが、通常5秒から1時間程度
の範囲である。アニオン化温度が高い場合は5分以内の
短時間が好ましい。
の範囲である。しかし、一般式(5)で示される平衡反
応は、温度依存性が高く、温度が高い方が、より平衡が
アニオン側に移動し、アリルハライド誘導体(2)との
反応性が高まる。アリールスルホン(1)にカリウムt
−ブトキサイドをd7-DMF中で作用させ、1H-NMRスペクト
ルにより、温度による変化を測定した結果を図1に示
す。図1に示されるように、温度上昇にともないアニオ
ン中心のプロトン由来のピークがブロードニングし、積
分値の減少が観測された。このグラフはアリールプロト
ンに対するアニオン中心のプロトンの面積値の減少をア
ニオン化率とし、温度との相関をプロットしたものであ
る。これらのことは温度変化による平衡移動を示してい
る。このグラフから、アニオン化温度は好ましくは−4
0℃〜30℃程度であり、また、アニオン化時間はアニ
オン化温度によって異なるが、通常5秒から1時間程度
の範囲である。アニオン化温度が高い場合は5分以内の
短時間が好ましい。
【0012】アニオン化温度が高いほどアニオン側に平衡が
移動し有利となるが、アリルハライド誘導体(2)が不
安定であるため、−50℃より高温で反応させると収率
は低下する。従って、アリルハライド誘導体(2)との
反応温度は−50℃より低温の方が好ましい。また、ア
リルハライド誘導体(2)の添加は一般式(5)で示さ
れる平衡反応が、−50℃以下での平衡に達する前に行
うことが好ましく、出来る限り短時間で冷却し、ただち
にアリルハライド誘導体(2)を添加した方が良い。ア
リルハライド誘導体(2)との反応時間は、反応で用い
る塩基の種類および使用量、反応温度によって異なる
が、通常1分から5時間程度の範囲である。
移動し有利となるが、アリルハライド誘導体(2)が不
安定であるため、−50℃より高温で反応させると収率
は低下する。従って、アリルハライド誘導体(2)との
反応温度は−50℃より低温の方が好ましい。また、ア
リルハライド誘導体(2)の添加は一般式(5)で示さ
れる平衡反応が、−50℃以下での平衡に達する前に行
うことが好ましく、出来る限り短時間で冷却し、ただち
にアリルハライド誘導体(2)を添加した方が良い。ア
リルハライド誘導体(2)との反応時間は、反応で用い
る塩基の種類および使用量、反応温度によって異なる
が、通常1分から5時間程度の範囲である。
【0013】反応後、通常の後処理操作をすることによりス
ルホン誘導体(3)もしくは(4)を得ることができ
る。また必要に応じて、洗浄、各種クロマトグラフィー
等により精製することができる。原料であるアリルハラ
イド誘導体(2)はEまたはZ幾何異性体のいずれであ
っても、またその混合物であってもよい。また、ラセミ
体でも光学活性体であってもよい。本発明の原料化合物
であるアリールスルホン(1)とアリルハライド誘導体
(2)は比較的安価なリナロールやゲラニオールから容
易に合成できる(特開平11-130730号公報、特開平11-23
6357号公報参照)。
ルホン誘導体(3)もしくは(4)を得ることができ
る。また必要に応じて、洗浄、各種クロマトグラフィー
等により精製することができる。原料であるアリルハラ
イド誘導体(2)はEまたはZ幾何異性体のいずれであ
っても、またその混合物であってもよい。また、ラセミ
体でも光学活性体であってもよい。本発明の原料化合物
であるアリールスルホン(1)とアリルハライド誘導体
(2)は比較的安価なリナロールやゲラニオールから容
易に合成できる(特開平11-130730号公報、特開平11-23
6357号公報参照)。
【0014】
【発明の効果】本発明のカップリング方法により、医
薬、飼料添加物、食品添加物として重要なビタミンAの
前駆体となりうるスルホン誘導体を工業的有利に製造す
ることができる。
薬、飼料添加物、食品添加物として重要なビタミンAの
前駆体となりうるスルホン誘導体を工業的有利に製造す
ることができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0016】(実施例1)カリウムt−ブトキサイド0.22g
(2.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)8
mlに溶解した溶液を−40℃に冷却し、化合物(a)0.
59 g(2.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で
滴下した。滴下後、同温で5分間保温し、その後−60℃
まで5分間で冷却し、すぐに化合物(b)0.35 g(1.0m
mol)のDMF溶液3mlを5分間で滴下し、同温で2時間
攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエ
ンチし、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層は飽和
食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去することにより、黄色オイルの粗生成物
を得た。得られた粗生成物を液体クロマトグラフィーに
て定量したところ、化合物(c)と化合物(d)合わせ
て収率97.5%であった。
(2.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)8
mlに溶解した溶液を−40℃に冷却し、化合物(a)0.
59 g(2.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で
滴下した。滴下後、同温で5分間保温し、その後−60℃
まで5分間で冷却し、すぐに化合物(b)0.35 g(1.0m
mol)のDMF溶液3mlを5分間で滴下し、同温で2時間
攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエ
ンチし、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層は飽和
食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去することにより、黄色オイルの粗生成物
を得た。得られた粗生成物を液体クロマトグラフィーに
て定量したところ、化合物(c)と化合物(d)合わせ
て収率97.5%であった。
【0017】(実施例2〜16および参考例1〜9)表1に
示す反応条件以外は、実施例1に準拠して反応を行い表
1に示す結果を得た。
示す反応条件以外は、実施例1に準拠して反応を行い表
1に示す結果を得た。
【表1】
【0018】(実施例17)カリウムt−ブトキサイド0.22
g(2.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を20℃で化合物(a)0.59 g(2.0 m
mol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴下した。滴
下後、すぐに-60℃まで5分間で冷却し、その後、化合
物(g)0.34g(1.0mmol)のDMF溶液3mlを5分間で
滴下し、同温で4時間攪拌した。反応後、飽和塩化アン
モニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。
得られた有機層は飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、溶媒を留去することにより、黄
色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を液体ク
ロマトグラフィーにて定量したところ、化合物(f)の
収率は95.9%であった。
g(2.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を20℃で化合物(a)0.59 g(2.0 m
mol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴下した。滴
下後、すぐに-60℃まで5分間で冷却し、その後、化合
物(g)0.34g(1.0mmol)のDMF溶液3mlを5分間で
滴下し、同温で4時間攪拌した。反応後、飽和塩化アン
モニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。
得られた有機層は飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、溶媒を留去することにより、黄
色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を液体ク
ロマトグラフィーにて定量したところ、化合物(f)の
収率は95.9%であった。
【0019】(参考例10)カリウムt−ブトキサイド0.33
g(3.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を-60℃に冷却し、化合物(a)0.59
g(2.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴
下した。滴下後、同温で1時間保温し、化合物(g)0.3
4g(1.0mmol)のDMF溶液3mlを5分間で滴下し、同温
で4時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶
液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。得られた有機
層は飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、溶媒を留去することにより、黄色オイルの粗
生成物を得た。得られた粗生成物を液体クロマトグラフ
ィーにて定量したところ、化合物(f)の収率は94.3%
であった。
g(3.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を-60℃に冷却し、化合物(a)0.59
g(2.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴
下した。滴下後、同温で1時間保温し、化合物(g)0.3
4g(1.0mmol)のDMF溶液3mlを5分間で滴下し、同温
で4時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶
液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。得られた有機
層は飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、溶媒を留去することにより、黄色オイルの粗
生成物を得た。得られた粗生成物を液体クロマトグラフ
ィーにて定量したところ、化合物(f)の収率は94.3%
であった。
【0020】(実施例18)カリウムt−ブトキサイド0.17
g(1.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を-20℃に冷却し、化合物(h)0.30
g(1.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴下
した。滴下後、同温で1分間保温し、-60℃まで5分間
で冷却した。冷却後、化合物(g)0.36g(1.0mmol)の
DMF溶液3mlを5分間で滴下し、同温で2時間攪拌し
た。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチ
し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層は飽和食塩
水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶
媒を留去することにより、黄色オイルの粗生成物を得
た。得られた粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定
量したところ、化合物(i)と化合物(j)合わせて収
率は84.6%であった。
g(1.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を-20℃に冷却し、化合物(h)0.30
g(1.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴下
した。滴下後、同温で1分間保温し、-60℃まで5分間
で冷却した。冷却後、化合物(g)0.36g(1.0mmol)の
DMF溶液3mlを5分間で滴下し、同温で2時間攪拌し
た。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチ
し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層は飽和食塩
水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶
媒を留去することにより、黄色オイルの粗生成物を得
た。得られた粗生成物を液体クロマトグラフィーにて定
量したところ、化合物(i)と化合物(j)合わせて収
率は84.6%であった。
【0021】(参考例11)カリウムt−ブトキサイド0.17
g(1.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を-60℃に冷却し、化合物(h)0.30
g(1.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴
下した。滴下後、同温で1時間保温し、その後、化合物
(g)0.36g(1.0mmol)のDMF溶液3mlを5分間で滴
下し、同温で4時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。得
られた有機層は飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、溶媒を留去することにより、黄色
オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を液体クロ
マトグラフィーにて定量したところ、化合物(i)と化
合物(j)合わせて収率は58.4%であった。
g(1.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
8mlに溶解した溶液を-60℃に冷却し、化合物(h)0.30
g(1.0 mmol)をDMF3mlに溶解した溶液を15秒で滴
下した。滴下後、同温で1時間保温し、その後、化合物
(g)0.36g(1.0mmol)のDMF溶液3mlを5分間で滴
下し、同温で4時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。得
られた有機層は飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、溶媒を留去することにより、黄色
オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を液体クロ
マトグラフィーにて定量したところ、化合物(i)と化
合物(j)合わせて収率は58.4%であった。
【0022】以下に実施例および参考例の化合物の構造式を
記す。但し、Tsは、p−トリルスルホニル基を示す。
記す。但し、Tsは、p−トリルスルホニル基を示す。
【0023】
【図1】アニオン化率の温度による影響をグラフ化した
ものである。
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 世古 信三 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC24 BA02 BC10 BC30 4H039 CA61 CA66 CA80 CD10 CD20
Claims (9)
- 【請求項1】一般式(1) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を
示し、Yは下記基を表わす )で示されるアリールスルホンと一般式(2) (式中、ZはX2もしくはOR2を意味し、X1およびX2
は、同一または相異なりハロゲン原子を示し、R1およ
びR2は、同一または相異なり水酸基の保護基を示し、
波線はE/Z幾何異性体の混合物を示す。)で示される
アリルハライド誘導体を塩基の存在下反応させ、ZがO
R2の場合は一般式(3) (式中、Y、Ar、R1、R2および波線は前記と同じ意
味を表わす。)で示されるスルホン誘導体を、ZがX2
の場合は一般式(4) (式中、Y、Ar、R1および波線は前記と同じ意味を
表わす。)で示されるスルホン誘導体を得る反応におい
て、まず、アリールスルホン(1)に塩基を作用させ、
一般式(5) (式中、Bは塩基を示し、Y、Arは前記と同じ意味を
表わす。)で示される平衡反応において、よりアニオン
側に平衡を移動させたのち、アニオン化温度よりも低い
温度にてアリルハライド誘導体(2)を反応させること
を特徴とするアリールスルホン(1)とアリルハライド
誘導体(2)とのカップリング方法。 - 【請求項2】一般式(1)で示されるアリールスルホン
に塩基を作用させ、反応式(5)で示される平衡反応に
おいて、よりアニオン側に平衡を移動させたのち、アニ
オン化温度よりも低い温度にてアリルハライド誘導体
(2)を加えることを特徴とする、ZがOR2の場合は
一般式(3)で示されるスルホン誘導体を、ZがX2の
場合は一般式(4)で示されるスルホン誘導体を得る製
造法。 - 【請求項3】一般式(5)で示される平衡反応において
温度を高くすることによって、よりアニオン側に平衡を
移動させる請求項1に記載のカップリング方法。 - 【請求項4】一般式(5)で示される平衡反応において
アリールスルホンを過剰量用いて、よりアニオン側に平
衡を移動させる請求項1に記載のカップリング方法。 - 【請求項5】平衡反応の温度が−40℃から30℃であ
る請求項3に記載のカップリング方法。 - 【請求項6】一般式(2)で示されるアリルハライド誘
導体とのカップリング温度が−50℃以下である請求項
1、3、4または5に記載のカップリング方法。 - 【請求項7】塩基がアルカリ金属のアルコキサイドまた
はアルカリ金属のヘキサアルキルジシラザンである請求
項1、3、4または5に記載のカップリング方法。 - 【請求項8】R1およびR2がアセチルである請求項1に
記載のカップリング方法。 - 【請求項9】X1が臭素原子である請求項1に記載のカッ
プリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000078143A JP2001261634A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | カップリング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000078143A JP2001261634A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | カップリング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001261634A true JP2001261634A (ja) | 2001-09-26 |
Family
ID=18595590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000078143A Pending JP2001261634A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | カップリング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001261634A (ja) |
-
2000
- 2000-03-21 JP JP2000078143A patent/JP2001261634A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2001261634A (ja) | カップリング方法 | |
JP4250882B2 (ja) | スルホン誘導体およびその製造方法 | |
US6297402B1 (en) | Ketosulfone derivatives and process for producing the same | |
JP2917552B2 (ja) | α−メチレンシクロペンタノン誘導体の製造法 | |
US6552219B1 (en) | Process for the preparation of vitamin a, intermediates, and process for the preparation of the intermediates | |
EP1199303B1 (en) | Process for producing retinol and intermediate compounds for producing the same | |
JP2001114756A (ja) | β−カロチンの製造方法 | |
JP2003176263A (ja) | ヒドロキシスルホン誘導体およびその製造方法 | |
RU2196133C2 (ru) | Способ получения производного полиенового спирта (варианты), сульфоновое соединение и способ его получения | |
US20040034257A1 (en) | Novel sulfone derivatives and process for producing these | |
JP2001316356A (ja) | ワンポット合成プロセス | |
JP2000063351A (ja) | レチナ―ルの製造方法、中間体およびその製造方法 | |
JP4023156B2 (ja) | レチノイド中間体の製造方法 | |
JP2003238527A (ja) | 共役トリエン化合物の製造方法 | |
JP3799875B2 (ja) | スルホン誘導体およびその製造方法 | |
EP1120398A2 (en) | Dihalo-compound and process for producing vitamin A derivative | |
JP2001328978A (ja) | ビタミンaの製造方法、中間体およびその製造方法 | |
JP2002193917A (ja) | レチノールの製造方法 | |
JP2001328977A (ja) | ビタミンaの製造方法 | |
JPH0348909B2 (ja) | ||
JP2002255924A (ja) | ジスルホン誘導体の製造方法 | |
JPH11315065A (ja) | スルホン誘導体およびその製造法 | |
JP3747656B2 (ja) | スルホン誘導体およびその製造法 | |
JP4591778B2 (ja) | α,β,γ−置換シクロペンタノン誘導体の製造法 | |
JP2003212838A (ja) | スルホン誘導体の製造法 |