JP4250882B2 - スルホン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

スルホン誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、飼料添加物、食品添加物の中間体、例えばレチノール誘導体の中間体として有用なスルホン誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、本発明の下記一般式(1)で示されるスルホン誘導体は、知られていない。
また、本発明者らは、特開平11-222479号公報に示すように、下記一般式(2)で示されるスルホン類とC10のアルコール類(ゲラニオールなど)から誘導されるアリルハライド類とのカップリング反応によるレチノールの重要中間体である新規なスルホン誘導体を見出しているが、レチノールの製造方法として、原料の価格、中間体の精製、工程数の観点からさらに優れた製造法の開発が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式(1)
Figure 0004250882
(式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基、R1は水素原子または水酸基の保護基、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれらの混合物であることを表す。)で示されるスルホン誘導体;および一般式(2)
Figure 0004250882
(式中、Arは前記と同じ意味を表す。)
で示されるスルホン類と一般式(3)
Figure 0004250882
(式中、Xはハロゲン原子、Rは水酸基の保護基を表し、波線は前記と同じ意味を表す。)
で示されるアリルハライド誘導体とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする一般式(1)で示されるスルホン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
一般式(1)で示されるスルホン誘導体におけるR1は、水素原子または水酸基の保護基を表し、一般式(3)で示される化合物におけるRは、水酸基の保護基を表す。かかる水酸基の保護基としては、例えばホルミル、アセチル、エトキシアセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、ブロモアセチル、ジブロモアセチル、トリブロモアセチル、プロピオニル、2−クロロプロピオニル、3−クロロプロピオニル、ブチリル、2−クロロブチリル、3−クロロブチリル、4−クロロブチリル、2−メチルブチリル、2−エチルブチリル、バレリル、2−メチルバレリル、4−メチルバレリル、ヘキサノイル、イソブチリル、イソバレリル、ピバロイル、ベンゾイル、o−クロロベンゾイル、m−クロロベンゾイル、p−クロロベンゾイル、 o−ヒドロキシベンゾイル、m−ヒドロキシベンゾイル、p−ヒドロキシベンゾイル、 o−アセトキシベンゾイル、 o−メトキシベンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p−メトキシベンゾイル、p−ニトロベンゾイル等のアシル基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなどのシリル基、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、1−エトキシエチルなどのアルコキシメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、t−ブチル基、トリチル基、メチル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等が挙げられ、通常、アシル基が好ましく用いられる。
【0005】
一般式(1)または(2)で示される化合物におけるArは置換基を有してもよいアリール基を示し、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基としては、C1からC5の直鎖または分枝状のアルキル基、C1からC5の直鎖または分枝状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。
置換基Arの具体例としては、フェニル、ナフチル、o−トリル,m−トリル,p−トリル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニル、p−ヨードフェニル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロフェニル、m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等が挙げられる。
【0006】
一般式(3)で示されるアリルハライド誘導体におけるXは、ハロゲン原子を示し、具体的には塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。
【0007】
本発明の原料化合物であるスルホン類(2)は、例えば、Chem.Lett. 479(1975)に記載された方法により、またアリルハライド誘導体(3)は、例えば、米国特許4175204号明細書に記載された方法によりイソプレンから2工程で簡便に製造することができる。
【0008】
一般式(1)で示されるスルホン誘導体は、一般式(2)で示されるスルホン類と一般式(3)で示されるアリルハライド誘導体とを塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
上記反応に用いられる塩基としては、例えばアルキルリチウム、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属のアミド、アルカリ金属の水素化物であり、具体的には、例えばn−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、ナトリウムt−アミレート、カリウムt−アミレート、リチウムアミド、カリウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等が挙げられる。これらは、例えば、ナトリウムt−ブトキシドと水素化ナトリウムの組み合わせなどのように2種類以上の塩基を組み合わせて使用してもよいし、例えば、t−ブタノールと水素化ナトリウムからナトリウムt−ブトキシドを系中で生成させたり、ジイソプロピルアミンとn−ブチルリチウムからリチウムジイソプロピルアミドを系中で生成させるなど、上記記載の塩基を、それぞれその原料化合物から系中で生成させて使用してもよい。かかる塩基の使用量はスルホン類(2)に対して通常、0.5〜3モル倍程度である。
【0009】
塩基としてアルカリ金属の水素化物を用いる場合は、添加剤として活性水素を持つ化合物を添加することもできる。活性水素を有する化合物としては、例えばアルコール、アミン、スルホン、スルホキシド類であり、具体的には、例えばn−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、アニリン、ジイソプロピルアミン、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。かかる添加剤の使用量は、スルホン類(2)に対して通常、0.1〜3モル倍程度であるが、溶媒量使用してもよい。これらは、単一であっても2種以上混合して使用してもよい。
また、アニオンの活性化剤として、アルカリ金属への配位性を有する化合物、例えば、クラウンエーテル類やテトラメチルエチレンジアミンなどを添加してもよいし、アリルハライドの活性化剤として、ハロゲン交換を誘起する化合物、例えば、アルカリ金属ヨウ化物やヨウ化テトラアルキルアンモニウムなどを添加してもよい。
【0010】
上記反応は、通常、有機溶媒中で実施され、使用される溶媒としてはアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、アニソール、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエーテル系溶媒、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは単一であっても2種以上の混合溶媒で使用してもよい。また、使用する塩基の種類によって、最適な溶媒を選択することが望ましい。
【0011】
反応温度は通常、−78℃から溶媒の沸点までの範囲内で任意に選択できるが、使用する原料化合物、塩基および溶媒の種類によって最適な反応温度を選択することが望ましい。
使用する塩基が、平衡反応により基質の水素引き抜きを行い、アニオンを発生させるタイプ(例えば、アルカリ金属のアルコキシドなど)の場合、アニオン化(塩基とスルホン類(2)との反応)の温度を高く設定し、アリルハライド誘導体(3)との反応温度を低く設定することにより収率を向上させることもできる。反応時間は、使用する原料化合物、塩基、溶媒ならびに反応温度など諸条件によって異なるが、通常5分間から24時間程度の範囲である。
【0012】
反応は、非酸素下条件が好ましく、不活性ガス(窒素、アルゴン)雰囲気下行い、使用する溶媒も十分に脱気しておくことが望ましい。また、安定剤として3,5―ジーt−ブチルー4−ヒドロキシトルエン(BHT)、2−&3−t−ブチルー4−ヒドロキシアニソール(BHA)、ビタミンE、エトキシキン等の酸化防止剤を加えておくとさらに好ましい。
反応後は、通常の後処理、例えば抽出、洗浄、晶析、各種クロマトグラフィーなどの操作をすることによりスルホン誘導体(1)を製造することができる。反応条件によりスルホン誘導体(1)においてR1が水素原子であるアルコールが10−30%程度得られることがあるが、常法により再保護化することができる。
【0013】
本発明のスルホン誘導体(1)(R1が水素原子の場合は保護基を導入する)は、下記スキームに従って、レチノールへ誘導することができる。すなわち、スルホン誘導体(1) をアルカリ金属のアリールスルフィン酸塩を使用してスルホン化反応に供し、アリルスルホン誘導体(4)を得、該誘導体にアリルハライド誘導体(3)を反応させ得られるジスルホン誘導体(5)を塩基と反応させることにより簡便にレチノールが得られる。発明のスルホン誘導体(1)は、医薬、飼料添加物、食品添加物として有用なレチノールの重要中間体となり得る。
Figure 0004250882
【0014】
【発明の効果】
本発明のスルホン誘導体(1)を用いればC10アルコール類よりも安価なイソプレンを用いて短いプロセスでレチノールへ誘導できる等の点において優れている。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0016】
(実施例1)
Figure 0004250882
カリウムt−ブトキシド224mg(2mmol)をDMF6mlに溶解した溶液を−60℃に冷却し、スルホン(I)585mg(2mmol)のDMF(4ml)溶液を20秒間で滴下し、滴下後、同温度で30分間保温した。次いで、アリルハライド(II)(96%)215mg(1mmol)のDMF(4ml)溶液を同温度で5分間で滴下し、3時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン誘導体(III)および(IV)が、それぞれ収率71.2%、15.4%で得られた。
スルホン誘導体(III)
1H-NMR δ(CDCl3
0.73(3H, s), 0.99(3H, s), 1.25-1.64(7H, m), 1.97-2.04(8H, m), 2.37(3H, m), 2.54-2.96(2H, m), 3.74-3.87(1H, m), 4.37(2H, d, J=7Hz), 5.29(1H, t, J=7Hz), 7.23(2H, d, J=8Hz), 7.69(2H, d, J=8Hz)
スルホン誘導体(IV)
1H-NMR δ(CDCl3
0.82(3H, s), 1.04(3H, s), 1.22-1.57(4H, m), 1.30(3H, s), 2.00(3H, s), 2.03-2.24(2H, m), 2.33(1H, br.s), 2.42(3H, m), 2.59(1H, dd, J=7Hz, 14Hz), 2.99(1H, dd, J=7Hz, 14Hz), 3.91(1H, t, J=7Hz), 3.99(2H, d, J=7Hz), 5.40(1H, t, J=7Hz), 7.31(2H, d, J=8Hz), 7.75(2H, d, J=8Hz)
【0017】
(実施例2)
カリウムt−ブトキシド224mg(2mmol)をDMF6mlに溶解した溶液を−20℃に冷却し、スルホン(I)585mg(2mmol)のDMF(4ml)溶液を20秒間で滴下し、滴下後、同温度で5分間保温した。−60℃に冷却して、次いで、アリルハライド(II)(96%)215mg(1mmol)のDMF(3ml)溶液を同温度で5分間かけて滴下し、3時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン誘導体(III)が、収率99.5%で得られた。
【0018】
(実施例3)
ナトリウムt−ブトキシド116mg(1.2mmol)をDMF6mlに溶解した溶液を0℃に冷却し、スルホン(I)876mg(3mmol)のDMF(4ml)溶液を20秒間で滴下し、同温度で5分間保温した後、−20℃に冷却した。次いで、アリルハライド(II)(96%)215mg(1mmol)のDMF(3ml)溶液を同温度で5分間かけて滴下し、3時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン誘導体(III)が、収率65.9%で得られた。
【0019】
(実施例4)
スルホン(I)585mg(2mmol)をテトラヒドロフラン(THF)6mlに溶解した溶液を−60℃に冷却し、ナトリウムヘキサメチルジシラジドの0.96mol/l THF溶液1.16ml(1.2mmol)を20秒間で滴下し、同温度で30分間保温した。次いで、アリルハライド(II)(96%)215mg(1mmol)のTHF(3ml)溶液を同温度で5分間かけて滴下し、3時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン誘導体(III)が、収率70.0%で得られた。
【0020】
(実施例5)
実施例4のナトリウムヘキサメチルジシラジドの0.96mol/l THF溶液をリチウムジイソプロピルアミドの 1.0mol/l THF溶液に代替した以外は全く同様の反応、後処理を行った。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン誘導体(III)が、収率59.4%で得られた。
【0021】
(実施例6)
水素化ナトリウム(60%、オイル懸濁品)80mg(2mmol)をDMF5mlに懸濁させt-ブタノール88.9mg(1.2mmol)を加え50℃で2時間加熱撹拌した。次いでスルホン(I)585mg(2mmol)及び3,5-ジt-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)4mg(0.02mmol)のDMF(3ml)溶液を同温度で滴下し、3分間撹拌した後、−20℃に冷却し、アリルハライド(II)(96%)215mg(1mmol)のDMF(2ml)溶液を1分間で滴下し、同温度で2時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、スルホン誘導体(III)が59.5%の収率で得られた。
【0022】
(実施例7)
水素化ナトリウム(60%、オイル懸濁品)40mg(1mmol)をDMF5mlに懸濁させ、ナトリウムt−ブトキシド99.1mg(1mmol)を加え40℃に昇温した。次いでスルホン(I)585mg(2mmol)及び3,5-ジt-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)4mg(0.02mmol)のDMF(3ml)溶液を同温度で滴下し、20分間撹拌した。次いで−20℃に冷却し、30分間撹拌した後、アリルハライド(II)(96%)215mg(1mmol)のDMF(2ml)溶液を1分間で滴下し、同温度で2時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、スルホン誘導体(III)が59.6%の収率で得られた。
【0023】
(実施例8)
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(60%、オイル懸濁品)48mg(1.2mmol)をジメチルスルホキシド(DMSO)1mlに懸濁させ、室温で3時間攪拌した。次いでスルホン(I)585mg(2mmol)のDMSO(6ml)溶液を同温度で滴下し、1時間撹拌した。次いでアリルハライド(II)(98%)211mg(1mmol)のDMSO(1ml)溶液を1分間で滴下し、同温度で5分間攪拌した。反応後、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、スルホン誘導体(III)が37.6%の収率で得られた。
【0024】
(実施例9)
ナトリウムt−ブトキシド116mg(1.2mmol)をDMF6mlに溶解した溶液を0℃に冷却し、スルホン(I)585mg(2mmol)のDMF(4ml)溶液を20秒間で滴下し、次いで15−クラウン−5 22mg(0.1mmol)を仕込み、5分間保温した。その後−20℃に冷却し、アリルハライド(II)(96%)215mg(1.0mmol)のDMF(4ml)溶液を同温度で5分間かけて滴下し、3時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン誘導体(III)が、収率69.6%で得られた。
【0025】
(実施例10)
実施例9の15−クラウン−5をヨウ化テトラブチルアンモニウム38mg(0.1mmol)に代替した以外は全く同様に反応、後処理を行った。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、スルホン誘導体(III)が、収率65.2%で得られた。
【0026】
(実施例11)
Figure 0004250882
カリウムt−ブトキシド115mg(1.2mmol)をDMF5mlに溶解した溶液を−20℃に冷却し、スルホン(I)585g(2mmol)のDMF(3ml)溶液を滴下し、同温度で5分間攪拌した。−30℃に冷却した後、アリルハライド(V)269mg(1mmol)のDMF(2ml)溶液を滴下し、2.5時間攪拌した。反応後、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにて精製したところ、スルホン誘導体(VI)が、収率69.5%で得られた。
スルホン(VI)
1H-NMR δ(CDCl3
0.82(3H, s), 1.08(3H, s), 1.39(3H, s), 1.39-1.70(4H, m), 2.03(3H, s), 2.00-2.22(2H, m), 2.41(3H, s), 2.68(1H, dd, J=7Hz, 14Hz), 3.05(1H, dd, J=7Hz, 14Hz), 3.93(1H, t, J=7Hz), 4.70(2H, d, J=7Hz), 5.51(1H, t, J=7Hz), 7.27-8.04(9H, m)
【0027】
(参考例1)
Figure 0004250882
窒素雰囲気下、塩化パラジウム9mg(0.05mmol)、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム178mg(1mmol)をメタノール2mlに懸濁し、トリフェニルホスファイト62mg(0.2mmol)およびスルホン誘導体(III)211mg(98.3%)(0.5mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(2ml)溶液を加え、室温にて1.5時間攪拌した後、60℃に昇温し、5.5時間攪拌した。反応後、水および飽和食塩水を注加して酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで溶媒を留去することにより得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーにて定量分析したところ、アリルスルホン誘導体(VII)の収率は、89.1%であった。
【0028】
(参考例2)
Figure 0004250882
水素化ナトリウム(60%、オイル懸濁品)19mg(0.48mmol)をDMF6mlに溶解した溶液を0℃に冷却し、アリルスルホン誘導体(VII)190mg(0.37mmol)のDMF(3ml)溶液を20秒間で滴下し、20分間保温した。次いで、アリルハライド(II)(96%)88mg(0.41mmol)のDMF(3ml)溶液を同温度で5分間で滴下し、その後室温まで自然昇温し、3時間攪拌した。反応後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより黄色オイルの粗生成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィーで定量したところ、ジスルホン誘導体(VIII)の収率は、94.8%であった。
【0029】
(参考例3)
Figure 0004250882
ジスルホン誘導体(VIII)256mg(0.4mmol)をヘキサン(BHT300ppm含有)2mlに溶解後、95%の水酸化カリウム240mg(4mmol)、メタノール7mg(0.2mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム4mg(0.02mmol)を仕込み、30℃で18時間攪拌した。反応後、飽和食塩水を注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層は水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去することにより赤色オイルの粗レチノールを得た。得られた粗レチノールを常法によりアセチル化し、高速液体クロマトグラフィーにて定量したところ、レチノールアセテート(IX)の収率は91.3%であった。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004250882
    (式中、ArはC1〜C5のアルキル基、C1〜C5のアルコキシ基、ハロゲン原子及びニトロ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していてもよいフェニル基、R1は水素原子または水酸基の保護基、波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれらの混合物であることを表す。)で示されるスルホン誘導体。
  2. 一般式(2)
    Figure 0004250882
    (式中、ArはC1〜C5のアルキル基、C1〜C5のアルコキシ基、ハロゲン原子及びニトロ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していてもよいフェニル基を表す。)
    で示されるスルホン類と一般式(3)
    Figure 0004250882
    (式中、Xはハロゲン原子、Rは水酸基の保護基を表し、波線は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるアリルハライド誘導体とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする一般式(1)で示されるスルホン誘導体の製造方法。
  3. 塩基が、アルキルリチウム、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属のアミド、アルカリ金属の水素化物である請求項2に記載の製造方法。
  4. アルカリ金属のアルコキシドが、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt―アミレート、カリウムt−アミレートである請求項3に記載の製造方法。
  5. アルカリ金属のアミドが、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドである請求項3に記載の製造方法。
  6. アルカリ金属の水素化物が、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウムである請求項3に記載の製造方法。
  7. Rがアシル基である請求項2または3に記載の製造方法。
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