JP2001252720A - ローラ矯正方法とそのローラ矯正設備 - Google Patents
ローラ矯正方法とそのローラ矯正設備Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被矯正材の反りや波形状の平坦化を安定的に
行うためのローラレベラのローラ矯正方法およびその設
備を提供すること。 【解決手段】 被矯正材の噛み込み性を確保し、かつ十
分な矯正効果を発揮するために、十分な矯正効果を発揮
するために必要な入出側ロール押し込み量と噛み込み限
界の入出側ロール押し込み量とを比較し、十分な矯正効
果を発揮するために必要な入出側ロール押し込み量が噛
み込み限界よりも大きい場合には、入出側ロール押し込
み量が噛み込み限界の入出側押し込み量よりも小さくし
て被矯正材噛み込ませ、被矯正材が噛み込んだのを確認
してから十分な矯正効果を発揮するために必要な入出側
ロール押し込み量となるまで入出側押し込み装置を作動
させる。
行うためのローラレベラのローラ矯正方法およびその設
備を提供すること。 【解決手段】 被矯正材の噛み込み性を確保し、かつ十
分な矯正効果を発揮するために、十分な矯正効果を発揮
するために必要な入出側ロール押し込み量と噛み込み限
界の入出側ロール押し込み量とを比較し、十分な矯正効
果を発揮するために必要な入出側ロール押し込み量が噛
み込み限界よりも大きい場合には、入出側ロール押し込
み量が噛み込み限界の入出側押し込み量よりも小さくし
て被矯正材噛み込ませ、被矯正材が噛み込んだのを確認
してから十分な矯正効果を発揮するために必要な入出側
ロール押し込み量となるまで入出側押し込み装置を作動
させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本のロールを
上下に千鳥状に配置し、そのロール間に被矯正材を通し
て繰り返し曲げを与えることによって、被矯正材の反り
を平坦化し、あるいは波形状を矯正するローラレベラに
よるローラ矯正方法およびそのローラ矯正設備に関する
ものである。
上下に千鳥状に配置し、そのロール間に被矯正材を通し
て繰り返し曲げを与えることによって、被矯正材の反り
を平坦化し、あるいは波形状を矯正するローラレベラに
よるローラ矯正方法およびそのローラ矯正設備に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】板材、形材、管材、線材等の圧延や冷却
過程などで発生した反りを平坦化し、あるいは波形状を
矯正するために、複数本のロールを上下に千鳥状に配置
したローラレベラが用いられる。ローラレベラによる矯
正作用は、被矯正材に繰り返し曲げを与えることによっ
て、被矯正材を平坦化、あるいは所望の反りや波形状を
与えるものである。
過程などで発生した反りを平坦化し、あるいは波形状を
矯正するために、複数本のロールを上下に千鳥状に配置
したローラレベラが用いられる。ローラレベラによる矯
正作用は、被矯正材に繰り返し曲げを与えることによっ
て、被矯正材を平坦化、あるいは所望の反りや波形状を
与えるものである。
【０００３】一般に、ローラレベラでは、その位置が固
定された下ロール群に対し、入出側に押し込み装置を備
えた一体のフレームに保持された上ロール群を押し込ん
でローラ矯正を行う。このとき、ローラレベラのロール
が駆動され、ロールと被矯正材とが接触することによ
り、被矯正材に駆動力が伝達され、被矯正材はローラレ
ベラに噛み込んでいく。ローラレベラの入出側ロール押
し込み量は、被矯正材の寸法、材料定数、反り、形状、
ローラレベラのロール径、ロールピッチ、剛性、被矯正
材に要求される平坦度などによって実験・経験的、ある
いは理論的に求められる必要なロール押し込み量が得ら
れるように設定される。ここで、ロール押し込み量と
は、被矯正材の厚みから、該ロールの頂点と、該ロール
の前後ロールの頂点を結ぶ直線との距離を差し引いたも
のであり、該ロールの頂点と、該ロールの前後ロールの
頂点を結ぶ直線との距離が被矯正材の厚みよりも短くな
る場合を正とする。
定された下ロール群に対し、入出側に押し込み装置を備
えた一体のフレームに保持された上ロール群を押し込ん
でローラ矯正を行う。このとき、ローラレベラのロール
が駆動され、ロールと被矯正材とが接触することによ
り、被矯正材に駆動力が伝達され、被矯正材はローラレ
ベラに噛み込んでいく。ローラレベラの入出側ロール押
し込み量は、被矯正材の寸法、材料定数、反り、形状、
ローラレベラのロール径、ロールピッチ、剛性、被矯正
材に要求される平坦度などによって実験・経験的、ある
いは理論的に求められる必要なロール押し込み量が得ら
れるように設定される。ここで、ロール押し込み量と
は、被矯正材の厚みから、該ロールの頂点と、該ロール
の前後ロールの頂点を結ぶ直線との距離を差し引いたも
のであり、該ロールの頂点と、該ロールの前後ロールの
頂点を結ぶ直線との距離が被矯正材の厚みよりも短くな
る場合を正とする。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
各ロール位置を設定して、被矯正材をローラレベラに噛
み込ませようとしても、被矯正材がローラレベラに噛み
込む途中で、被矯正材とロールとがスリップし、噛み止
まってしまうことがある。これは、押し込み量が過大に
なると、被矯正材先端とロールとの接触位置が上ロール
の直下（もしくは下ロール直上）から大きくずれ、被矯
正材とロールとの接触位置における摩擦により生じる被
矯正材の駆動力が不足することによる。このような噛み
止まりへの有効な対策に関する技術は未だ見当たらな
い。
各ロール位置を設定して、被矯正材をローラレベラに噛
み込ませようとしても、被矯正材がローラレベラに噛み
込む途中で、被矯正材とロールとがスリップし、噛み止
まってしまうことがある。これは、押し込み量が過大に
なると、被矯正材先端とロールとの接触位置が上ロール
の直下（もしくは下ロール直上）から大きくずれ、被矯
正材とロールとの接触位置における摩擦により生じる被
矯正材の駆動力が不足することによる。このような噛み
止まりへの有効な対策に関する技術は未だ見当たらな
い。
【０００５】本発明は、ロール押し込み量を所望のロー
ル押し込み量よりも小さくした状態で被矯正材を噛み込
ませ、その後、所望のロール押し込み量までロール押し
込み量を増加させることにより、安定的に十分な矯正効
果を得るローラ矯正方法とそのローラ矯正設備を提供す
ることを目的とする。
ル押し込み量よりも小さくした状態で被矯正材を噛み込
ませ、その後、所望のロール押し込み量までロール押し
込み量を増加させることにより、安定的に十分な矯正効
果を得るローラ矯正方法とそのローラ矯正設備を提供す
ることを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項１に係るローラ矯正方法は、複数本の
ロールを上下に千鳥状に配置し、そのロール間に被矯正
材を通して繰り返し曲げを与えることによって、被矯正
材の反りを平坦化し、あるいは波形状を矯正するローラ
矯正方法において、被矯正材が噛み込む前に、矯正効果
を発揮するに必要な所望の入出側ロール押し込み量
Ｓin、Ｓout を求め、ついで、該被矯正材に対して、出
側ロール押し込み量をＳout としたときの入側ロール押
し込み量の噛み込み限界値Ｓin lim を求め、前記所望の
入側ロール押し込み量Ｓinと入側ロール押し込み量の噛
み込み限界値Ｓin lim とを比較し、入側ロール押し込み
量の噛み込み限界値Ｓin lim と所望の入側ロール押し込
み量Ｓinとの関係が式（１）を満足する場合には、被矯
正材を噛み込ませる時の入側ロール押し込み量Ｓin0 が
式（２）を満足するように、入側押し込み装置、または
出側押し込み装置の少なくとも一方を開放して該被矯正
材を噛み込ませ、該被矯正材が噛み込んだ後、所望の入
出側ロール押し込み量Ｓin、Ｓout となるまで入側押し
込み装置、または出側押し込み装置の少なくとも一方を
押し込んで被矯正材の反りを平坦化、あるいは波形状を
矯正することを特徴とする。 Ｓin＞Ｓin lim （１） Ｓin0 ＜Ｓin lim （２）
の本発明の請求項１に係るローラ矯正方法は、複数本の
ロールを上下に千鳥状に配置し、そのロール間に被矯正
材を通して繰り返し曲げを与えることによって、被矯正
材の反りを平坦化し、あるいは波形状を矯正するローラ
矯正方法において、被矯正材が噛み込む前に、矯正効果
を発揮するに必要な所望の入出側ロール押し込み量
Ｓin、Ｓout を求め、ついで、該被矯正材に対して、出
側ロール押し込み量をＳout としたときの入側ロール押
し込み量の噛み込み限界値Ｓin lim を求め、前記所望の
入側ロール押し込み量Ｓinと入側ロール押し込み量の噛
み込み限界値Ｓin lim とを比較し、入側ロール押し込み
量の噛み込み限界値Ｓin lim と所望の入側ロール押し込
み量Ｓinとの関係が式（１）を満足する場合には、被矯
正材を噛み込ませる時の入側ロール押し込み量Ｓin0 が
式（２）を満足するように、入側押し込み装置、または
出側押し込み装置の少なくとも一方を開放して該被矯正
材を噛み込ませ、該被矯正材が噛み込んだ後、所望の入
出側ロール押し込み量Ｓin、Ｓout となるまで入側押し
込み装置、または出側押し込み装置の少なくとも一方を
押し込んで被矯正材の反りを平坦化、あるいは波形状を
矯正することを特徴とする。 Ｓin＞Ｓin lim （１） Ｓin0 ＜Ｓin lim （２）
【０００７】また、本発明の請求項２に係るローラ矯正
設備は、複数本のロールを上下に千鳥状に配置すると共
に、被矯正材の入出側にロール押し込み装置を備え、そ
のロール間に被矯正材を通して繰り返し曲げを与えるこ
とによって、被矯正材の反りを平坦化し、あるいは波形
状を矯正するローラレベラにおいて、前記押し込み装置
として被矯正材の通材中にロール押し込み量を可変とす
ることができる押し込み装置を備えることを特徴とす
る。なお、前記押し込み装置として油圧押し込み装置を
備えることが好ましい（請求項３）。
設備は、複数本のロールを上下に千鳥状に配置すると共
に、被矯正材の入出側にロール押し込み装置を備え、そ
のロール間に被矯正材を通して繰り返し曲げを与えるこ
とによって、被矯正材の反りを平坦化し、あるいは波形
状を矯正するローラレベラにおいて、前記押し込み装置
として被矯正材の通材中にロール押し込み量を可変とす
ることができる押し込み装置を備えることを特徴とす
る。なお、前記押し込み装置として油圧押し込み装置を
備えることが好ましい（請求項３）。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
態様を説明する。まず、被矯正材の寸法、材料定数、反
り、形状、ローラレベラのロール径、ロールピッチ、剛
性、被矯正材に要求される平坦度などをもとに、ローラ
矯正を行うに必要な入出側ロール押し込み量Ｓin、Ｓ
out を求める。
態様を説明する。まず、被矯正材の寸法、材料定数、反
り、形状、ローラレベラのロール径、ロールピッチ、剛
性、被矯正材に要求される平坦度などをもとに、ローラ
矯正を行うに必要な入出側ロール押し込み量Ｓin、Ｓ
out を求める。
【０００９】次に該被矯正材に対して、出側押し込み量
Ｓout とした場合の入側ロール押し込み量の噛み込み限
界Ｓin lim を求め、前記した所望の入側ロール押し込み
量Ｓ inと照らし合わせる。該被矯正材を出側ロール押し
込み量Ｓout で矯正する場合の入側ロール押し込み量の
噛み込み限界値Ｓin lim は、ローラレベラの仕様や剛
性、被矯正材の寸法や材料定数、出側ロール押し込み量
などをパラメータとして、実験データおよび操業データ
を蓄積しておくことにより求めることができる。式
（１）を満足しない、つまり噛み込み限界入側ロール押
し込み量Ｓin lim のほうが所望の入側ロール押し込み量
Ｓinよりも大きく、該被矯正材が噛み込むと判定された
場合には、そのまま該被矯正材を噛み込ませればよい
が、式（１）を満足する、つまり噛み込み限界入側ロー
ル押し込み量Ｓin lim のほうが所望の入側ロール押し込
み量Ｓinよりも小さく、該被矯正材が噛み込まないと判
定された場合には、式（２）を満足するように、つまり
噛み込み限界入側ロール押し込み量Ｓin lim のほうが所
望の入側ロール押し込み量Ｓinよりも大きくなるよう
に、入側押し込み装置４または出側押し込み装置５の少
なくとも一方を開放してから、該被矯正材を噛み込ませ
る。該被矯正材が噛み込んだのを確認して、所望の入出
側ロール押し込み量Ｓin、Ｓout となるまで入側押し込
み装置４または出側押し込み装置５の少なくとも一方を
押し下げる。矯正に伴う反力が大きい場合には、入出側
押し込み装置として油圧押し込み装置を用いることが好
ましい。 Ｓin＞Ｓin lim （１） Ｓin0 ＜Ｓin lim （２）
Ｓout とした場合の入側ロール押し込み量の噛み込み限
界Ｓin lim を求め、前記した所望の入側ロール押し込み
量Ｓ inと照らし合わせる。該被矯正材を出側ロール押し
込み量Ｓout で矯正する場合の入側ロール押し込み量の
噛み込み限界値Ｓin lim は、ローラレベラの仕様や剛
性、被矯正材の寸法や材料定数、出側ロール押し込み量
などをパラメータとして、実験データおよび操業データ
を蓄積しておくことにより求めることができる。式
（１）を満足しない、つまり噛み込み限界入側ロール押
し込み量Ｓin lim のほうが所望の入側ロール押し込み量
Ｓinよりも大きく、該被矯正材が噛み込むと判定された
場合には、そのまま該被矯正材を噛み込ませればよい
が、式（１）を満足する、つまり噛み込み限界入側ロー
ル押し込み量Ｓin lim のほうが所望の入側ロール押し込
み量Ｓinよりも小さく、該被矯正材が噛み込まないと判
定された場合には、式（２）を満足するように、つまり
噛み込み限界入側ロール押し込み量Ｓin lim のほうが所
望の入側ロール押し込み量Ｓinよりも大きくなるよう
に、入側押し込み装置４または出側押し込み装置５の少
なくとも一方を開放してから、該被矯正材を噛み込ませ
る。該被矯正材が噛み込んだのを確認して、所望の入出
側ロール押し込み量Ｓin、Ｓout となるまで入側押し込
み装置４または出側押し込み装置５の少なくとも一方を
押し下げる。矯正に伴う反力が大きい場合には、入出側
押し込み装置として油圧押し込み装置を用いることが好
ましい。 Ｓin＞Ｓin lim （１） Ｓin0 ＜Ｓin lim （２）
【００１０】なお、先端がローラレベラに噛み込むに連
れて、被矯正材とローラレベラのロールとの接触箇所が
増加し、さらに、通常は、出側に近いロールほどロール
押し込み量を小さくするので被矯正材とロールとの接触
点のロール直上（直下）からのずれは小さくなり、被矯
正材先端が噛み込めば噛み込むほど、被矯正材の噛み止
まりは発生しなくなる。
れて、被矯正材とローラレベラのロールとの接触箇所が
増加し、さらに、通常は、出側に近いロールほどロール
押し込み量を小さくするので被矯正材とロールとの接触
点のロール直上（直下）からのずれは小さくなり、被矯
正材先端が噛み込めば噛み込むほど、被矯正材の噛み止
まりは発生しなくなる。
【００１１】このようにして、被矯正材のローラレベラ
への噛み込み性を確保した上で、所望のロール押し込み
を被矯正材に与えることにより、被矯正材に対し十分な
曲げを与えることができるので、十分な矯正効果を得る
ことができる。
への噛み込み性を確保した上で、所望のロール押し込み
を被矯正材に与えることにより、被矯正材に対し十分な
曲げを与えることができるので、十分な矯正効果を得る
ことができる。
【００１２】なお、本発明は上述した実施の態様に限定
するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変更することもできる。
するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変更することもできる。
【００１３】
【実施例】（実施例１）本方法を用いて、板厚６．０m
m、板幅３５００mmの普通鋼板を被矯正材としてローラ
矯正を行った。図１は、本実施例に用いたローラレベラ
の概略側面図である。本ローラレベラは上ロール５本、
下ロール６本の計１１本のロール１からなり、下ロール
群２はその位置が固定され、上ロール群３はハウジング
６との間にある入側押し込み装置４と出側押し込み装置
５との押し込み量を制御することにより、傾動押し込み
が可能となっている。なお、入側押し込み装置４および
出側押し込み装置５として、ここでは油圧押し込み装置
を用いているので、被矯正材の通材中であってもロール
押し込み量を変化させることが可能となっている。
m、板幅３５００mmの普通鋼板を被矯正材としてローラ
矯正を行った。図１は、本実施例に用いたローラレベラ
の概略側面図である。本ローラレベラは上ロール５本、
下ロール６本の計１１本のロール１からなり、下ロール
群２はその位置が固定され、上ロール群３はハウジング
６との間にある入側押し込み装置４と出側押し込み装置
５との押し込み量を制御することにより、傾動押し込み
が可能となっている。なお、入側押し込み装置４および
出側押し込み装置５として、ここでは油圧押し込み装置
を用いているので、被矯正材の通材中であってもロール
押し込み量を変化させることが可能となっている。
【００１４】この被矯正材をローラ矯正するために必要
な入出側ロール押し込み量Ｓin、Ｓ out は、Ｓinが８．
０mm、Ｓout が０．３mmと求められた。ところがこの被
矯正材に対し、出側ロール押し込み量Ｓout が０．３mm
の場合は入側ロール押し込み量の噛み込み限界値Ｓin
lim が６．５mmであり、被矯正材が噛み込まないと判定
された。確認のため入側ロール押し込み量Ｓinを８．０
mm、出側ロール押し込み量Ｓout を０．３mmとして被矯
正材を噛み込ませてみたが、被矯正材がスリップして噛
み込まないことも確認した。そこで、入側ロール押し込
み量Ｓinを６．５mm、出側ロール押し込み量Ｓout を
０．３mmとして被矯正材を噛み込ませ、被矯正材が噛み
込んだのを目視で確認してから入側ロール押し込み量Ｓ
inが８．０mmとなるまで入側押し込み装置４を作動させ
て押し込んだ。このとき、出側押し込み装置５は作動さ
せず、出側ロール押し込み量Ｓout は０．３mmで固定し
た。被矯正材はスリップせず、被矯正材の後端まで安定
して通板させることができた。
な入出側ロール押し込み量Ｓin、Ｓ out は、Ｓinが８．
０mm、Ｓout が０．３mmと求められた。ところがこの被
矯正材に対し、出側ロール押し込み量Ｓout が０．３mm
の場合は入側ロール押し込み量の噛み込み限界値Ｓin
lim が６．５mmであり、被矯正材が噛み込まないと判定
された。確認のため入側ロール押し込み量Ｓinを８．０
mm、出側ロール押し込み量Ｓout を０．３mmとして被矯
正材を噛み込ませてみたが、被矯正材がスリップして噛
み込まないことも確認した。そこで、入側ロール押し込
み量Ｓinを６．５mm、出側ロール押し込み量Ｓout を
０．３mmとして被矯正材を噛み込ませ、被矯正材が噛み
込んだのを目視で確認してから入側ロール押し込み量Ｓ
inが８．０mmとなるまで入側押し込み装置４を作動させ
て押し込んだ。このとき、出側押し込み装置５は作動さ
せず、出側ロール押し込み量Ｓout は０．３mmで固定し
た。被矯正材はスリップせず、被矯正材の後端まで安定
して通板させることができた。
【００１５】（実施例２）本方法を用いて、板厚５．０
〜２０．０mm、板幅１８００〜４２００mmの普通鋼板を
被矯正材として、図１にその側面概念図を示した、ロー
ル径３００mm、ロールピッチ３２５mm、ロール本数１１
本のローラレベラを用いて矯正した。比較例として、入
出側ロール押し込み量をそれぞれの被矯正材を矯正する
ために必要な値に固定した場合、およびそれぞれの被矯
正材の噛み込み限界に固定した場合でも操業した。図２
に被矯正材の噛み止まり率（総矯正本数に対する被矯正
材が噛み止まった本数）を示す。入出側ロール押し込み
量をそれぞれの被矯正材を矯正するために必要な値に固
定した場合には噛み止まり率が高く、安定した通板が困
難なことがわかる。また、図３に被矯正材の矯正合格率
（総矯正本数に対する平坦度が許容基準を満足した本
数）を示す。入出側ロール押し込み量をそれぞれの被矯
正材の噛み込み限界に固定した場合には矯正合格率が低
いことがわかる。つまり、本方法により、安定した矯正
効果が得られることがわかる。
〜２０．０mm、板幅１８００〜４２００mmの普通鋼板を
被矯正材として、図１にその側面概念図を示した、ロー
ル径３００mm、ロールピッチ３２５mm、ロール本数１１
本のローラレベラを用いて矯正した。比較例として、入
出側ロール押し込み量をそれぞれの被矯正材を矯正する
ために必要な値に固定した場合、およびそれぞれの被矯
正材の噛み込み限界に固定した場合でも操業した。図２
に被矯正材の噛み止まり率（総矯正本数に対する被矯正
材が噛み止まった本数）を示す。入出側ロール押し込み
量をそれぞれの被矯正材を矯正するために必要な値に固
定した場合には噛み止まり率が高く、安定した通板が困
難なことがわかる。また、図３に被矯正材の矯正合格率
（総矯正本数に対する平坦度が許容基準を満足した本
数）を示す。入出側ロール押し込み量をそれぞれの被矯
正材の噛み込み限界に固定した場合には矯正合格率が低
いことがわかる。つまり、本方法により、安定した矯正
効果が得られることがわかる。
【００１６】
【発明の効果】本発明によれば、ローラレベラのロール
押し込み量を所望のロール押し込み量よりも小さくした
状態で被矯正材を噛み込ませ、その後、所望のロール押
し込み量までロール押し込み量を増加させることによ
り、被矯正材先端の噛み込み性と十分な矯正効果とを安
定的に得ることができる。そのため、再矯正率が低下す
るので、時間ロスならびにエネルギーロスを著しく減少
することができる。
押し込み量を所望のロール押し込み量よりも小さくした
状態で被矯正材を噛み込ませ、その後、所望のロール押
し込み量までロール押し込み量を増加させることによ
り、被矯正材先端の噛み込み性と十分な矯正効果とを安
定的に得ることができる。そのため、再矯正率が低下す
るので、時間ロスならびにエネルギーロスを著しく減少
することができる。
【図１】本発明の実施例１、２に用いたローラレベラの
概要を示す側面図。
概要を示す側面図。
【図２】本発明の実施例２および比較例での、被矯正材
の噛み止まり率を示す図。
の噛み止まり率を示す図。
【図３】本発明の実施例２および比較例での、被矯正材
の矯正合格率を示す図。
の矯正合格率を示す図。
１ ロール ２ 下ロール群 ３ 上ロール群 ４ 入側押し込み装置 ５ 出側押し込み装置 ６ ハウジング
フロントページの続き (72)発明者 小川 茂 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Ｆターム(参考） 4E003 AA01 BA13
Claims (3)
- 【請求項１】 複数本のロールを上下に千鳥状に配置
し、そのロール間に被矯正材を通して繰り返し曲げを与
えることによって、被矯正材の反りを平坦化し、あるい
は波形状を矯正するローラ矯正方法において、 被矯正材が噛み込む前に、矯正効果を発揮するに必要な
所望の入出側ロール押し込み量Ｓin、Ｓout を求め、つ
いで、該被矯正材に対して、出側ロール押し込み量をＳ
out としたときの入側ロール押し込み量の噛み込み限界
値Ｓin lim を求め、前記所望の入側ロール押し込み量Ｓ
inと入側ロール押し込み量の噛み込み限界値Ｓin lim と
を比較し、入側ロール押し込み量の噛み込み限界値Ｓin
lim と所望の入側ロール押し込み量Ｓinとの関係が式
（１）を満足する場合には、被矯正材を噛み込ませる時
の入側ロール押し込み量Ｓin0 が式（２）を満足するよ
うに、入側押し込み装置、または出側押し込み装置の少
なくとも一方を開放して該被矯正材を噛み込ませ、該被
矯正材が噛み込んだ後、所望の入出側ロール押し込み量
Ｓin、Ｓout となるまで入側押し込み装置、または出側
押し込み装置の少なくとも一方を押し込んで被矯正材の
反りを平坦化、あるいは波形状を矯正することを特徴と
するローラ矯正方法。 Ｓin＞Ｓin lim （１） Ｓin0 ＜Ｓin lim （２） - 【請求項２】 複数本のロールを上下に千鳥状に配置す
ると共に、被矯正材の入出側にロール押し込み装置を備
え、そのロール間に被矯正材を通して繰り返し曲げを与
えることによって、被矯正材の反りを平坦化し、あるい
は波形状を矯正するローラレベラにおいて、前記押し込
み装置として被矯正材の通材中にロール押し込み量を可
変とすることができる押し込み装置を備えることを特徴
とするローラ矯正設備。 - 【請求項３】 押し込み装置として油圧押し込み装置を
備えることを特徴とする請求項２記載のローラ矯正設
備。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000064590A JP2001252720A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | ローラ矯正方法とそのローラ矯正設備 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000064590A JP2001252720A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | ローラ矯正方法とそのローラ矯正設備 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001252720A true JP2001252720A (ja) | 2001-09-18 |
Family
ID=18584268
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000064590A Withdrawn JP2001252720A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | ローラ矯正方法とそのローラ矯正設備 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001252720A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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