JP2005279657A - U型鋼矢板の矯正方法、u型鋼矢板の矯正装置 - Google Patents

U型鋼矢板の矯正方法、u型鋼矢板の矯正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハット型鋼矢板の前後端についても、曲がりを簡単に矯正することができる。
【解決手段】曲がり矯正装置は、ハット型鋼矢板100の継手支持部103を圧下する上下ローラ21,22,21´,22´と、ハット型鋼矢板100の曲がり方向に基づいて上下ローラ21,22,21´,22´による継手支持部103,103´の圧下量を圧下調整部23,23´により制御する継手支持部圧下制御部34とを備える。また、ハット型鋼矢板100の通板方向において上下ローラ21,22,21´,22´の上流側及び下流側に配置され、ウェブ部101を圧下する上下ローラと、この上下ローラによるウェブ部101の圧下量を制御するウェブ部圧下制御部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、主に土木用に用いられるU型鋼矢板で、特にフランジ部と継手部との間に継手支持部或いは腕部を有するハット型鋼矢板の曲がりを矯正するU型鋼矢板の矯正方法及びU型鋼矢板の矯正装置に関する。
図8に示すように、ハット型鋼矢板100は、ウェブ部101、フランジ部102、継手部104及びフランジ部102と継手部103との間の継手支持部(腕部)103からなる。
このようなハット型鋼矢板100は、熱間圧延される時又はその後、鋸断されるが、その鋸断後に冷却が進むにつれ、図9に示すように長手方向に対して左右いずれかの継手支持部103側に曲がる(反り)等の形状不良を生じる。
この曲がりを矯正するものとして、特許文献1には、治具を用いてプレスにより矯正する方法が開示されている。この方法では、3個のローラを用いた矯正方法がハット型鋼矢板の前後端の矯正が困難であることに鑑み、プレスにより矯正することを前提として、所定形状の治具を用いた矯正を行っている。この方法では、ハット型鋼矢板の幅を一定に保ちつつ、フランジ部のへこみを防止して、ハット型鋼矢板の曲がり矯正を実現している。
特開平9−182916号公報
前記治具は、ハット型鋼矢板の形状に合わせて所定形状にする必要があることから、曲がりを矯正するのに手間がかかってしまう。
その一方で、従来から問題となっている、3点支持が必須であることに起因するハット型鋼矢板の前後端での曲がりの矯正の困難性、さらにはハット型鋼矢板の形状に影響を与えることなく曲がりを矯正する、といった課題を解決する必要がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、ハット型鋼矢板の前後端についても、曲がりを簡単に矯正することができるU型鋼矢板の矯正方法及びU型鋼矢板の矯正装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明に係るU型鋼矢板の矯正方法は、ウェブ部、フランジ部、継手部及び前記フランジ部から延びて前記継手部を支持する継手支持部を有するU型鋼矢板に圧延工程及びその後の冷却過程で生じる前記継手支持部側への曲がりを矯正するU型鋼矢板の矯正方法において、前記U型鋼矢板の前記曲がりが発生している側の継手支持部を上下ローラで圧下して、前記長手方向に伸張させることで、前記曲がりを矯正することを特徴とする。
また、請求項2記載の発明に係るU型鋼矢板の矯正方法は、請求項1記載の発明に係るU型鋼矢板の矯正方法において、前記曲がりが発生している区間のウェブ部を上下ローラで圧下して、前記長手方向に伸張させながら、前記継手支持部を前記長手方向に伸張させることを特徴とする。
また、請求項3の発明に係るU型鋼矢板の矯正方法は、請求項1又は2記載の発明に係るU型鋼矢板の矯正方法において、前記圧延工程で、その出側で前記継手支持部の板厚を前記フランジ部の板厚よりも厚くする圧延を行うことで、前記圧延工程の出側で前記継手支持部の温度を前記フランジ部の温度よりも高くし、その温度差に起因して発生する前記フランジ部と前記継手支持部との熱収縮差を利用して、前記継手支持部に引張り応力を残留させることを特徴とする。
また、請求項4記載の発明に係るU型鋼矢板の矯正装置は、ウェブ部、フランジ部、継手部及び前記フランジ部から延びて前記継手部を支持する継手支持部を有するU型鋼矢板に圧延工程及びその後の冷却過程で生じる前記継手支持部側への曲がりを矯正するU型鋼矢板の矯正装置において、前記U型鋼矢板の両側の各継手支持部を圧下する第1及び第2上下ローラと、前記曲がり方向に基づいて前記第1及び第2上下ローラによる前記継手支持部の圧下量を制御する継手支持部圧下量制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項5記載の発明に係るU型鋼矢板の矯正装置は、請求項4記載の発明に係るU型鋼矢板の矯正装置において、前記U型鋼矢板の通板方向において前記第1及び第2上下ローラの上流側及び下流側に配置され、前記ウェブ部を圧下する第3及び第4上下ローラと、前記第3及び第4上下ローラによる前記ウェブ部の圧下量を制御するウェブ部圧下量制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、継手支持部を上下ローラで圧下するだけで曲がりを矯正できる。これにより、上下ローラで継手支持部を圧下する際にU型鋼矢板を支持するのに特別な手段も必要ないので、U型鋼矢板の前後端についても、曲がりを簡単に矯正することができる。
また、請求項2及び5記載の発明によれば、ウェブ部を圧下し、U型鋼矢板の長手方向に伸張させることで、上下ローラにより継手支持部がU型鋼矢板の長手方向に伸張するのを促進させることができ、効果的に曲がり矯正を行うことができる。
また、請求項3及び6記載の発明によれば、継手支持部に引っ張り応力を残留させておくことで、上下ローラにより継手支持部がU型鋼矢板の長手方向に伸張するのを促進させることができ、効果的に曲がり矯正を行うことができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態は、フランジ部と継手部との間に継手支持部或いは腕部を有するU型鋼矢板、すなわちハット型鋼矢板(前記図8参照)の製造設備に適用したものである。
図1は、その製造設備の構成を示す。この図1に示すように、ハット型鋼矢板の製造設備は、熱間圧延機1、熱間鋸断機2、冷却床3、ローラ矯正機10、検査床4及び曲がり矯正装置11を備えている。このハット型鋼矢板の製造設備では、熱間圧延機1でハット型鋼矢板が熱間圧延されて、その熱間圧延されたハット型鋼矢板を熱間鋸断機2で鋸断し、その鋸断したハット型鋼矢板を冷却床3で冷却し、その冷却したハット型鋼矢板の反りをローラ矯正機10で矯正して、その矯正をしたハット型鋼矢板を検査床4で検査する。検査した結果、左右曲がりが許容範囲を外れるものについて、曲がり矯正装置11により曲がりを是正する。
先ず熱間圧延機1について詳しく説明する。
熱間圧延機1では、出側でのハット型鋼矢板100を次のように管理している。
フランジ部102の厚さをtf、継手支持部(腕部)103の厚さをtbとしたとき、これら各部の厚さを下記(1)式が成り立つように管理している。
tb>tf ・・・(1)
これにより、熱間圧延機1の出側において、フランジ部102の温度をTf、継手支持部(腕部)103の温度をTbとしたとき、これら各部の温度、すなわち冷却床3の搬入前の温度は、下記(2)式のような関係になる。
Tb>Tf ・・・(2)
このような温度状態で、ハット型鋼矢板は熱間鋸断機2で鋸断され、冷却床3に搬送される。
ハット型鋼矢板は、前記(2)式に示したように継手支持部103の温度Tbがフランジ部102の温度Tfよりも高くなっていることから、この温度差により、冷却床3での冷却過程でフランジ部102と継手支持部103とに熱収縮差が発生する。すなわち、冷却過程で、継手支持部103の方が、フランジ部102よりも多く縮むようになる。このような熱収縮差に起因して、フランジ部102には圧縮応力が残留し、継手支持部103には引張り応力が残留するようになる。さらに、ハット型鋼矢板100は、熱間圧延時或いはその後の冷却過程で前記図9に示したように長手方向に曲がりが発生することがある。
ハット型鋼矢板100は、この冷却床3を経てローラ矯正機10に搬送される。ローラ矯正機10では、冷却過程で発生した上下方向の反りををローラ矯正するように構成されている。
基本的に、このローラ矯正機10は、曲がりを是正する機能を有していない。その後、検査床4にて、前記曲がりを検査する。曲がりが許容範囲を外れるものは、オフラインの曲がり矯正装置11に送られる。
曲がり矯正装置11は、単独で曲がりを是正する装置であって、図2及び図3は、この曲がり矯正装置11の構成を示す。図2は正面図であり、図3は平面図である。
この図2及び図3に示すように、曲がり矯正装置11は、ハット型鋼矢板100の継手支持部103を圧下する継手支持部圧下部20と、この継手支持部圧下部20に対してハット型鋼矢板100の通板方向で上流側及び下流側に配置され、ハット型鋼矢板100のウェブ部101を圧下するウェブ部圧下部30,30とを備えている。
継手支持部圧下部20は、図4に明示するように、ハット型鋼矢板の両側の各継手支持部103,103´を圧下する上下ローラ21,22,21´,22´と、上下ローラ21,22,21´,22´による圧下量を調整する圧下調整部23,23´と、圧下調整部23,23´を制御する継手支持部圧下制御部24とから構成されている。
ハット型鋼矢板100の両側の各継手支持部103,103´に対応して配置されている上下ローラ21,22,21´,22´は、それぞれ同様な構成をなしている。下側ローラ21,21´は、ハット型鋼矢板100の内側面に対して、フランジ部102の中間部から継手支持部103,103´の端部(継手形成部付近)までを拘束可能な形成をなしている。一方、上側ローラ22,22´は、ハット型鋼矢板100の外側面に対して、フランジ部102の端部から継手104の形成部に至る継手支持部103,103´だけを拘束可能な形状をなしている。すなわち、上下ローラ21,22,21´,22´は、少なくとも継手支持部103 ,103´を圧下可能な形状になっている。
圧下調整部23,23´は、このような上下ローラ21,22,21´,22´によるハット型鋼矢板100、特に継手支持部103の圧下量を調整するように構成されている。例えば、油圧機構により、上下ローラ21,22,21´,22´による圧下量を左右個別に調整可能に構成されている。そして、この圧下調整部23,23´は、上下ローラ21,22,21´,22´による圧下量が所定量になるように継手支持部圧下制御部24により制御されている。
このような構成をなす継手支持部圧下部20は、継手支持部圧下制御部24により圧下調整部23,23´を左右個別に制御し、上下ローラ21,22,21´,22´により所定の圧下量でハット型鋼矢板100、特に継手支持部103,103´を圧下している。これにより、継手支持部103,103´は、減厚され伸張される。その伸張方向は、ハット型鋼矢板100の長手方向となる。
その際、継手支持部圧下制御部24は、各圧下調整部23,23´、すなわちハット型鋼矢板100の両側の継手支持部103,103´に対応して配置されている上下ローラ21,22,21´,22´それぞれの圧下量を個別に制御して、ハット型鋼矢板100に発生している曲がりを矯正する。これについては、後で詳述する。
ハット型鋼矢板100の通板方向でこの継手支持部圧下部20を挟むように配置されているウェブ部圧下部30,30は、図5に明示するように、ハット型鋼矢板のウェブ部101を圧下する上下ローラ31,32と、上下ローラ31,32による圧下量を調整する圧下調整部33と、圧下調整部33を制御するウェブ部圧下制御部34とから構成されている。
下側ローラ31は、ハット型鋼矢板100の内側面に対して、ウェブ部101の中間部からフランジ部102のほぼ中間部までを拘束可能な形成をなしている。一方、上側ローラ32は、ハット型鋼矢板100の外側面に対して、ウェブ部101の中間部からフランジ部102の上端近傍までを拘束可能な形状をなしている。すなわち、上下ローラ31,32は、少なくともウェブ部101を圧下可能な形状になっている。
また、この上下ローラ31,32の両側に、外側ローラ(壁ローラ)33,33が配置されている。各外側ローラ33,33間の距離は、ハット型鋼矢板100の略全幅(継手間距離)w(図8参照)と略同じになっている。
圧下調整部34は、上下ローラ31,32によるハット型鋼矢板100、特にウェブ部101の圧下量を調整するように構成されている。例えば、油圧機構により、上下ローラ31,32による圧下量を調整可能に構成されている。そして、この圧下調整部34は、上下ローラ31,32による圧下量が所定量になるように継手支持部圧下制御部35により制御されている。
このような構成をなすウェブ部圧下部30は、ウェブ部圧下制御部34により圧下調整部34を制御し、上下ローラ31,32により所定の圧下量でハット型鋼矢板100、特にウェブ部101を圧下している。これにより、ハット型鋼矢板100は、誘導案内され、継手支持部圧下部20に正しく誘導される。
図6を用いて、継手支持部圧下部20とウェブ部圧下部30,30とを協働させて行うハット型鋼矢板100の曲がりの矯正を説明する。ここでは、特にハット型鋼矢板100の前端部に発生している曲がりの矯正を説明する。
曲がり矯正装置11に搬送されてきたハット型鋼矢板100の前端部は、図6に示すように、入側に配置されているウェブ部圧下部30を通板されて、その後、継手支持部圧下部20に通板される。そして、継手支持部圧下制御部24は、ハット型鋼矢板100の曲がり方向に応じて、ハット型鋼矢板100の両側に配置されている各上下ローラ21,22の圧下量を制御する。具体的には、ハット型鋼矢板100の曲がっている側の継手支持部103だけを上下ローラ21,22で所定の圧下量で圧下する。すなわち、図6に示すように、ハット型鋼矢板100が通板方向に対して左側に曲がっている場合には、左側に配置されている上下ローラ21,22により継手支持部103を圧下する。このとき、継手支持部103が塑性変形するまで圧下する。
この圧下により継手支持部103の板厚が減厚され、これにより、当該継手支持部103が長手方向に伸張される。このように曲がっている側の継手支持部103が長手方向に伸張されることで、当該曲がりが矯正される。すなわち、ハット型鋼矢板100の曲がりは、ハット型鋼矢板100の左右の継手支持部103でその長手方向の長さが異なることで発生しているともいえるので、短い方の継手支持部103を上下ローラ21,22で伸張することで、左右の継手支持部103の長さを等しくし、これにより、ハット型鋼矢板100の曲がりが矯正される。
これにより、従来のように曲がりが発生している部分を3点支持の押し曲げすることなく、継手支持部圧下部20で継手支持部103を圧下することで曲がりを矯正できるので、ハット型鋼矢板100の端部に発生している曲がりも矯正することができるようになる。また、当然、ハット型鋼矢板100にて端部以外の中間部に発生している曲がりも矯正できる。この場合、同時に継手支持部圧下部20で継手支持部103が圧下されているハット型鋼矢板100の両側を各ウェブ部圧下部30,30で支持しながら、当該継手支持部圧下部20で曲がりを矯正できる。このように、ウェブ部圧下部30,30でハット型鋼矢板100を支持することで、継手支持部圧下部20では、位置ずれなどなく、継手支持部103を圧下することができ、適切に曲がりを矯正できるようになる。
なお、以上のように継手支持部圧下部20にハット型鋼矢板100を通板して、継手支持部103を圧下してハット型鋼矢板100の曲がりを矯正しているが、一度の通板でその曲がりを矯正できない場合もある。このような場合には、継手支持部圧下部20においてハット型鋼矢板100を数回進退させて、連続して継手支持部103を圧下することで、完全に曲がりを矯正できるようになる。また、最初からこのように数回進退させることを予定して、継手支持部圧下部20による圧下量又は圧下力を徐々に大きくしてもよい。
また、ウェブ部圧下部30でも、曲がりが発生している区間のウェブ部101を圧下することで、ウェブ部101がハット型鋼矢板100の長手方向に伸張するので、この結果、ハット型鋼矢板100自体に長手方向に張力が付与される。このようにハット型鋼矢板100に張力を付与することで、継手支持部圧下部20の上下ローラ21,22の圧下による継手支持部103の長手方向への伸張が促進し、これにより、曲がりの矯正が効果的に行われる。
また、前述したように熱間圧延機1でフランジ部102の厚さtfと継手支持部103の厚さtbとを管理して、熱間圧延機1の出側でフランジ部102と継手支持部103とで温度差を発生させて、その後の冷却過程の熱収縮差を利用してフランジ部102には圧縮応力を残留させ、継手支持部103には引張り応力を残留させている。
このように曲がり矯正装置11に通板されるハット型鋼矢板100の継手支持部103に予め引張り応力を残留させておくことで、継手支持部圧下部20の上下ローラ21,22で継手支持部103に塑性変形に至る程度、圧下したとき、長手方向への伸張が促進して起こるようになる。すなわち、継手支持部圧下部20の上下ローラ21,22で継手支持部103を微圧下するだけで、前記引張り応力が開放され、前記長手方向への伸張が容易になされるようになる。これにより、曲がり矯正がさらに効果的に行われる。
また、ウェブ部圧下部30では、上下ローラ31,32の両側に外側ローラ33,33を配置しているので、上下ローラ31,32によりウェブ部101を圧下した際にハット型鋼矢板100の全幅wが広がってしまうことを防止できる。
次に実施例を説明する。
実施例では、有効幅が900mmのハット型鋼矢板を使用している。ここで、有効幅が900mmの場合、継手支持部間の中央部についての距離は約750mmになる。そして、実施例では、このようなハット型鋼矢板に2mm/1000mmの曲がりが発生している。図7は、ハット型鋼矢板100におけるそのような曲がり区間を示す。図7に示す寸法は、曲がりの曲率半径Rが25001mm、この曲率半径Rの中心からみて曲がり区間(サンプル区間)を示す角度θが0.2292°、ハット型鋼矢板100において曲がっている側の継手支持部の長さ(中央部での長さ)である短辺の長さL1が997.077mm、その反対側の継手支持部の長さ(中央部での長さ)である長辺の長さL2が1000.078mm、前記角度θ区間における曲がり量ΔBが2.0mmである。また、継手支持部の厚さは、12.4mmである。
また、継手支持部圧下部20の上下ローラ21,22による圧下条件として、当該上下ローラ21,22に対してハット型鋼矢板100を数回往復させることを前提に、圧下開始時の初期圧下力を0.1tonとした。そして、圧下開始後の圧下力を5〜20tonで可変としている。
また、上下ローラ21,22で継手支持部を圧下して、継手支持部の厚さを減少させたとき、継手支持部は前後左右に伸張するようになる。ここで、前後左右それぞれの方向に同等(50%ずつ)な分だけ伸張すると仮定し、継手支持部の厚さを12.4mmから0.05mm減少させたときに、継手支持部がハット型鋼矢板の長手方向で1000mmあたり2mm伸張するものとする。
このような条件の下、上下ローラ21,22で圧下力を調整しながら、継手支持部を複数回圧下すると、ハット型鋼矢板は1000mmあたり前記曲がり量ΔBを1mm以下に是正することができた。例えば、複数回に分けて付与した圧下したその圧下力を13tonにすることでそのような矯正が実現できた。
以上、本発明の実施形態を説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施形態では、継手支持部圧下部20やウェブ部圧下部30の上下ローラの形状を具体的に示した。しかし、これに限定されるものではない。例えば、前記ウェブ部圧下部30では、主にウェブ部101の圧下を目的としている。その一方で、ウェブ部圧下部30の上下ローラ31,32は、ウェブ部101の中間部からフランジ部102の上端近傍までを拘束可能な形状をなしている。これらを踏まえて、ウェブ部圧下部30の上下ローラ31,32をフランジ部102への負荷を小さくするような形状にしてもよい。例えば、上側ローラ32の直径を小さい径にする。
なお、前述の実施形態の説明において、継手支持部圧下部20の2組の上下ローラ21,22は、第1及び第2上下ローラを実現しており、ウェブ部圧下部30の2組の上下ローラ31,32は第3及び第4上下ローラを実現しており、圧下調整部23、継手支持部圧下制御部24は、曲がり方向に基づいて第1及び第2上下ローラによる継手支持部の圧下量を制御する継手支持部圧下量制御手段を実現しており、圧下調整部34、ウェブ部圧下制御部35は、第3及び第4上下ローラによるウェブ部の圧下量を制御するウェブ部圧下量制御手段を実現している。
本発明の実施形態の製造設備の構成を示すブロック図である。 前記製造設備の曲がり矯正装置の構成を示す正面図である。 前記製造設備の曲がり矯正装置の構成を示す平面図である。 前記曲がり矯正装置の継手支持部圧下部の構成を示す図である。 前記曲がり矯正装置のウェブ部圧下部の構成を示す図である。 前記曲がり矯正装置にハット型鋼矢板が通板され、かつ曲がりが矯正されている様子を示す平面図である。 実施例で用いたハット型鋼矢板の諸寸法を示す図である。 ハット型鋼矢板の形状を示す図である。 曲がりが発生しているハット型鋼矢板を示す図である。
符号の説明
1 熱間圧延機
2 熱間鋸断機
3 冷却床
4 検査床
10 ローラ矯正機
11 曲がり矯正装置
20 継手支持部圧下部
21,22,21´,22´ 上下ローラ
23,23´,34 圧下調整部
24 継手支持部圧下制御部
30 ウェブ部圧下部
31,32 上下ローラ
35 ウェブ部圧下制御部

Claims (5)

  1. ウェブ部、フランジ部、継手部及び前記フランジ部から延びて前記継手部を支持する継手支持部を有するU型鋼矢板に圧延工程及びその後の冷却過程で生じる前記継手支持部側への曲がりを矯正するU型鋼矢板の矯正方法において、
    前記U型鋼矢板の前記曲がりが発生している側の継手支持部を上下ローラで圧下して、前記長手方向に伸張させることで、前記曲がりを矯正することを特徴とするU型鋼矢板の矯正方法。
  2. 前記曲がりが発生している区間のウェブ部を上下ローラで圧下して、前記長手方向に伸張させながら、前記継手支持部を前記長手方向に伸張させることを特徴とする請求項1記載のU型鋼矢板の矯正方法。
  3. 前記圧延工程で、その出側で前記継手支持部の板厚を前記フランジ部の板厚よりも厚くする圧延を行うことで、前記圧延工程の出側で前記継手支持部の温度を前記フランジ部の温度よりも高くし、その温度差に起因して発生する前記フランジ部と前記継手支持部との熱収縮差を利用して、前記継手支持部に引張り応力を残留させることを特徴とする請求項1又は2記載のU型鋼矢板の矯正方法。
  4. ウェブ部、フランジ部、継手部及び前記フランジ部から延びて前記継手部を支持する継手支持部を有するU型鋼矢板に圧延工程及びその後の冷却過程で生じる前記継手支持部側への曲がりを矯正するU型鋼矢板の矯正装置において、
    前記U型鋼矢板の両側の各継手支持部を圧下する第1及び第2上下ローラと、
    前記曲がり方向に基づいて前記第1及び第2上下ローラによる前記継手支持部の圧下量を制御する継手支持部圧下量制御手段と、
    を備えることを特徴とするU型鋼矢板の矯正装置。
  5. 前記U型鋼矢板の通板方向において前記第1及び第2上下ローラの上流側及び下流側に配置され、前記ウェブ部を圧下する第3及び第4上下ローラと、
    前記第3及び第4上下ローラによる前記ウェブ部の圧下量を制御するウェブ部圧下量制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4記載のU型鋼矢板の矯正装置。
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