JP2001137923A - 調質圧延設備及び金属鋼帯の製造方法 - Google Patents

調質圧延設備及び金属鋼帯の製造方法

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JP2001137923A
JP2001137923A JP32714199A JP32714199A JP2001137923A JP 2001137923 A JP2001137923 A JP 2001137923A JP 32714199 A JP32714199 A JP 32714199A JP 32714199 A JP32714199 A JP 32714199A JP 2001137923 A JP2001137923 A JP 2001137923A
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steel strip
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tension
mill
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Yukio Kimura
幸雄 木村
Masayasu Ueno
雅康 植野
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軟質から硬質までの広範囲の鋼種、およびサイ
ズに対して安定した形状矯正を実現する調質圧延設備お
よびこれを用いた金属鋼帯の製造方法を提供する。 【解決手段】スキンパスミル3とそのスキンパスミルの
下流側に配置し、金属鋼帯1をパスラインよりも他方側
に押し出して金属鋼帯パス角度を調整する補助ロール4
と、前記補助ロールの下流側に配置され、少なくとも一
対のワークロールから成るテンションレベラー6とを備
え、前記テンションレベラーのワークロールの直径DLに
対する補助ロールの直径DCの比率が3以上で13以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキンパスミルの
下流側にテンションレベラーを備える調質圧延設備に係
わり、広範囲のサイズおよび鋼種の金属鋼帯に対して、
良好な平坦度を付与することができる調質圧延設備およ
びそれを用いた金属鋼帯の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】通常の金属鋼帯、例えば冷延鋼帯は、冷
間圧延後、軟化焼鈍が行われたのちに、材質調整と平坦
度の改善のためにスキンパスミルあるいはテンションレ
ベラーといった調質圧延設備を経ることで製品となる。
スキンパスミルとしては、自動車用鋼帯などのシート材
に対しては、一般に1基の4段圧延機が使用され、プレ
ス加工時の降伏点伸びを回避するため、通常は0.2から1
%程度の伸びが冷延鋼帯に付与される。ところが、鋼帯
内部の残留応力が均一とはならないため、冷延鋼帯の進
行方向に対して斜めの波形状となって現れるクロスバッ
クル、あるいは反りが発生する。
【0003】このような形状不良が所定の水準以下とな
るように、スキンパスミル出側に、冷延鋼帯のパス角度
を調整することのできる補助ロールとして、例えばアン
チクロスロールが設けられている。このアンチクロスロ
ールはアンチクリンピングロールとも呼ばれることもあ
り、一般にロール径としては150mmから450mm程度のロー
ルが使用されている。スキンパスミルを経た冷延鋼帯の
クロスバックルあるいは反りを低減する方法としては、
例えば特開平11-123427号公報に開示されている。特開
平11-123427号公報では、圧延速度に応じてスキンパス
ミル出側張力を調整し、かつ圧延機出側張力に応じて鋼
帯のパス角度を調整することでクロスバックルおよび反
りを抑制するための設備と方法が開示されている。
【0004】また、冷延鋼帯の品質を一層高めるため
に、スキンパスミルとテンションレベラーを併用される
場合がある。主に、スキンパスミルでは材質調整および
適切な表面粗さの付与が行われると同時に、ある程度冷
延鋼板の平坦度を確保した後、テンションレベラーを通
過させることで、完全に平坦な冷延鋼帯を得ると共に、
反りの矯正が行われる。テンションレベラーは、張力を
付与した状態で曲げ変形を与えることで冷延鋼帯に塑性
伸びを与えるもので、0.2〜0.5%以上の伸びを付与する
ものである。テンションレベラーのワークロールの直径
は、矯正すべき鋼帯の降伏応力、板厚等によって最適値
が決定されるが、一般的には対象とする冷延鋼帯の中
で、最も硬質な材料をも矯正できるように比較的小径の
ワークロールが設定され、冷延鋼帯に対しては直径20mm
から50mmのワークロールが使用される。
【0005】なお、スキンパスミルとテンションレベラ
ーの相互干渉を抑制するために、一般に両者間にはブラ
イドルロールが配置されるが、全体のラインが長くな
り、設備コストが増加するという欠点がある。これに対
しては、スキンパスミルとテンションレベラーを連続的
に配置する調質圧延設備が特開平9-85341号公報に開示
されている。スキンパスミルとテンションレベラーとの
間にブライドルロールを配置せずに直結するものであ
り、設備をコンパクトに配置することが可能となる。特
に、既存のスキンパスミルを改造する場合に設備コスト
面で有利になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平11-123427号公
報に開示されたスミンパスミル出側に配置され、金属鋼
帯のパスラインを調整する補助ロール、例えばアンチク
ロスロールを用いて金属鋼帯の形状を制御する設備およ
び方法は、金属鋼帯のクロスバックルおよび反りを制御
するためのものであり、一般的に知られる耳波、中伸び
といった形状不良を矯正するものではない。最近の金属
鋼帯の形状に対するニーズの厳格化に伴って、耳波や中
伸びを含めて、クロスバックルや反りといった形状不良
をすべて含むものであり、これらすべてを所定の値以下
にする必要が生じており、特開平11-123427号による設
備および方法のみでは、こうしたニーズを満たすことが
できない。
【0007】一方、特開平9-85341号公報に開示された
技術では、スキンパスミルの出側にテンションレベラー
を配置した設備を用いることで、金属鋼帯の耳波、中伸
びとクロスバックルを含めた形状をフラット化すること
ができるものの、スキンパスミルとテンションレベラー
を連続的に配置した設備においては、以下に示すような
問題があるため、広範囲の鋼種およびサイズに対応した
形状矯正が困難となる。
【0008】例えば、軟質な金属鋼帯に対しては、テン
ションレベラーの入出側に付与される張力を降伏応力に
応じて低い値に設定することで、最適な伸び率を付与さ
せることができるが、スキンパスミルにおいてはミル絞
りという操業トラブルが発生してしまう。これは、金属
鋼帯がスキンパスミルのロール間に重ね合わさるように
噛込む現象であり、スキンパスミルの圧延ロールに疵が
発生すると共に、金属鋼帯の破断が生じることで、生産
性の大幅な低下を招くことになる。一方、このミル絞り
を避けるために、高い張力を付与した状態でテンション
レベラーを通過させる場合には、必要以上に大きな伸び
率が生じたり、材質の僅かな変動に対して大きく伸び率
が変動するという問題が生じる。さらに、その状態で伸
び率を小さな値に抑えるべくワークロールの押し込み量
を低下させると、金属鋼帯に対するロールの拘束力が弱
まることで、チャタリングと呼ばれる異常振動が発生
し、金属鋼帯表面に縞状の模様が発生するという問題が
生じる場合もある。
【0009】この問題について、具体的に図3を用いて
説明する。この図は、テンションレベラーのワークロー
ル径が40mmの場合での、ワークロールの押し込み量と伸
び率との関係を示している。テンションレベラーを用い
て金属鋼帯の形状矯正を行う場合、伸び率0.2%以上を確
保することによって、形状をほぼフラットにすることが
できる。一方、伸び率を大きくし過ぎた場合には、製品
の硬度が過大となって、機械的性質の悪化が生じるた
め、伸び率の目標範囲としては0.2から0.3%程度が適当
とされる。このとき、降伏応力650MPa程度の硬質な金属
鋼帯に対しては、張力として110MPa程度を負荷すること
で、伸び率を目標範囲に収めることができる。ところ
が、同一のワークロールを用いて降伏応力130MPa程度の
軟質な金属鋼帯の形状矯正を行う場合には、張力を50MP
a程度まで低下させることで目標とする伸び率を確保す
ることが可能であるものの、ワークロールの押し込み量
の僅かな設定誤差や操業中の張力変動に対して、伸び率
が敏感に変化してしまう。張力を低下させることで、こ
うした変動に対する伸び率の変化を抑制することが可能
であるが、張力35MPa以下まで下げると、ミル絞りが発
生するため、張力を低下させることは現実的ではない。
【0010】以上のように、スキンパスミルとテンショ
ンレベラーを連続的に配置した調質圧延設備は、優れた
形状制御能力と設備コストがかからないという利点を有
しているものの、ミル絞りを防止するためにスキンパス
ミルの張力を一定値以下に下げることや、硬質な金属鋼
帯を効果的に形状矯正に設計されたワークロール径のテ
ンションレベラーを用いたまま、軟質な金属鋼帯の調質
圧延の際に発生する伸び率不安定現象やチャタリングを
抑制するための効果的な対策が取れなかった。
【0011】本発明は、このような状況を鑑みてなされ
たもので、スキンパスミルとテンションレベラーを連続
的に配置することで設備のコンパクト化を図った調質圧
延設備において、軟質から硬質までの広範囲の鋼種、お
よびサイズに対して安定した形状矯正を実現する調質圧
延設備およびこれを用いた金属鋼帯の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、 スキンパスミルと、このスキ
ンパスミルの下流側に配置した金属鋼帯をパスラインよ
りも他方側に押し出して金属鋼帯パス角度を調整する補
助ロールと、前記補助ロールの下流側に配置され、少な
くとも一対のワークロールから成るテンションレベラー
とを具備し、前記テンションレベラーのワークロールの
直径DLに対する補助ロールの直径DCの比率が3以上で13
以下であることを特徴とする調質圧延設備である。
【0013】また、請求項2の発明は、スキンパスミル
と、そのスキンパスミルの下流側に配置した少なくとも
一対のワークロールから成るテンションレベラーと、前
記テンションレベラーの下流側に配置され、金属鋼帯を
パスラインよりも他方側に押し出して金属鋼帯パス角度
を調整する補助ロールとを具備し、前記テンションレベ
ラーのワークロールの直径DLに対する補助ロールの直径
DCの比率が3以上で13以下であることを特徴とする調質
圧延設備である。
【0014】また、請求項3の発明は、補助ロールは、
アンチクロスロールである請求項1又は2に記載の調質
圧延設備である。
【0015】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載の調質圧延設備を用いて調質圧延する際に、テ
ンションレベラーのワークロールの押し込み量が所定の
設定値以下となると予測される場合には、テンションレ
ベラーのワークロールを開放し、かつ金属鋼帯パス角度
を調整する補助ロールの押し込み量を調整して、鋼帯に
所定の伸長率を付与することを特徴とする金属鋼帯の製
造方法である。
【0016】請求項5の発明は、テンションレベラーの
ワークロールの押し込み量の設定値は、2mmであること
を特徴とする請求項4に記載の金属鋼帯の製造方法であ
る。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】まず、本発明者らは、図3で明らかにした
ミル絞りを防止するためにスキンパスミルの張力を一定
値以下に下げることや、硬質な金属鋼帯を効果的に形状
矯正に設計されたワークロール径のテンションレベラー
を用いたまま、軟質な金属鋼帯の調質圧延の際に発生す
る伸び率不安定現象やチャタリングを抑制するための効
果的な対策が取れないという問題点に対し、軟質な金属
鋼帯の調質圧延を行う際には、図4に示すように、テン
ションレベラーのワークロール径に対して大径の補助ロ
ールを昇降させることにより、安定的に目標伸び率範囲
に収めることができることを見出した。
【0019】これは、補助ロールの直径DCとテンション
レベラーのワークロールの直径DLの大きさの比が重要
で、小さ過ぎると安定的に目標伸び率範囲に収めること
ができなくなる。一方、大き過ぎると補助ロールによる
形状矯正能力が不足して、安定して形状矯正が行うこと
ができない鋼種やサイズが生じる。そのため、本発明で
は、補助ロールの直径DCをテンションレベラーのワーク
ロールの直径DLに対して、3以上13以下の範囲に限定し
ている。以下に限定した理由を述べる。
【0020】図5は、本発明による実施効果の例を図示
したもので、横軸に補助ロールの直径DCとテンションレ
ベラーのワークロールの直径DLの比を示している。縦軸
は制御自由度を示している。制御自由度とは、図6で示
される補助ロールとテンションレベラーのワークロール
で制御できる鋼種の範囲の占有率を示す。この図では、
横軸は鋼種の範囲を示すもので降伏応力で表し、120MPa
から660MPaとし、縦軸は金属鋼帯に加える張力で、35MP
aから110MPaとし、これで囲われる範囲を、所定の直径
の補助ロールとテンションレベラーのワークロールでそ
の押し込み量を変化させることで、どのくらいの範囲を
占有できるか検討した結果を図示したものである。ロー
ル径を変えることにより図7、図8の結果が得られそれを
まとめたのが、図5である。
【0021】図5で示す制御の自由度は50%以上であれ
ばどの降伏応力を示す鋼種でも調質圧延するにあたって
安定制御可能であることが分かっているが、DC/DLが3に
満たない場合は低降伏応力の軟質な金属鋼帯の制御が不
可能になることから、 DC/DLとしては3以上13以下が好
ましい。
【0022】なお、鋼種を降伏応力120MPaから660MPa
に、金属鋼帯にかける張力を35MPaから110MPaとしてい
るが、本発明はこの降伏応力に限定するものでなく、付
加する張力もこの範囲に止まるものではない。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態である冷
延鋼帯の調質圧延設備を表している。これは連続焼鈍炉
の出側に設置された調質圧延設備であり、ブライドルロ
ール2の上流側から、連続的に鋼帯1が供給される。入側
ブライドルロールの下流側には、調質圧延機3、押し込
み量可変の補助ロール4、テンションメータロール5、テ
ンションレベラー6、出側ブライドルロール9が配置され
る。テンションレベラー6は、鋼帯に伸びを与えて耳
波、中伸び等を矯正する伸長ユニット7および反りを矯
正する矯正ユニット8から構成されている。本発明にお
けるテンションレベラー6のワークロールは、主に伸長
ユニット7のワークロールを示す。
【0024】図1に示す調質圧延設備では、スキンパス
ミル3とテンションレベラー6との間にブライドルロール
を配置しないことで、設備をコンパクトにすることがで
きる。ただし、テンションレベラー6の入側張力を自由
に設定することはできず、スキンパスミル3におけるミ
ル絞りを発生させない程度の高い張力に設定せざるを得
ない。
【0025】一方、補助ロール4およびレベラー6のロー
ル押し込み量は、制御装置10によって設定が行われる。
補助ロール4については、補助ロール押し込み量の制御
装置11によって指定位置まで押し込みが行われ、テンシ
ョンレベラー6のワークロール7および8の設定は、押し
込み量の制御装置12によって行われる。制御装置10で
は、形状矯正すべき金属鋼帯の板厚、降伏応力、前記テ
ンションレベラーでの目標伸び率、および張力設定値の
うち、少なくとも一つの条件を用いて、テンションレベ
ラー6のワークロールの押し込み量を設定する。より具
体的には、テンションレベラー6の伸び率を予測するた
めの解析モデルとして、美坂による加工曲率の実験式を
用いた張力下の曲げ変形に関する弾塑性変形解析を行う
ことが知られている。このようなモデルを用いて、目標
伸び率、設定張力、板厚、降伏応力、テンションレベラ
ー6のワークロール径から、最適な押し込み量の設定を
行うことが可能である。このような伸び率の予測は、補
助ロール4の押し込み量を設定する場合にも適用するこ
とができ、補助ロール4の押し込み量に対して、スキン
パスミル3の出側から、テンションレベラー6の入側の間
での伸び率を予測することができる。したがって、補助
ロール4による目標伸び率に対しても、同様に最適な押
し込み量の設定を行うことができる。また、より簡易な
システムとして、例えば降伏応力レベルまたはサイズに
応じて、予めテンションレベラー6のみを使用する場
合、補助ロール4のみを使用する場合、あるいは両者を
併用する場合、というようにテーブルによって設定を行
ってもよい。
【0026】本発明の実施形態として、押し込み量の設
定を行う場合には、先ず目標伸び率と、板厚、降伏応
力、設定張力等の条件から予測されるテンションレベラ
ー6の押し込み量が、所定量、例えば2mm以下である場合
には、ロールによる鋼帯の拘束力が弱くなることで、チ
ャタリングが発生する可能性があると判断し、テンショ
ンレベラー6のワークロールを開放し、補助ロール4の押
し込み量の設定を行う。その際、補助ロール4での伸び
率が0.2〜0.3%の範囲となるように、補助ロール4の押し
込み量を決定する。
【0027】ところで、本発明の実施形態として、図2
に示すように、スキンパスミル3の下流側にテンション
レベラー6を配置して、さらにその下流側に補助ロール4
を配置しても同様な効果が得られる。また、補助ロール
4として、既設の調質圧延機の出側にアンチクロスロー
ルを備える場合には、これを補助ロール4として使用す
ることで、新たな設備を設置する必要がなく、設備コス
トを低減することができる。
【0028】一方、新たな調質圧延設備を設置する場合
には、以上のような設備配置を行うことで本発明の課題
を解決することが可能であるが、既設のスキンパスミル
3を改造して、スキンパスミル3の出側にテンションレベ
ラー6を設置する場合には、金属鋼帯をパスラインより
も他方側に押し出して金属鋼帯パス角度を調整する補助
ロールを、必ずしも新たに設置する必要はなく、既設の
スキンパスミル3の出側にアンチクロスロールを備える
場合には、そのロール径を変更するだけで、本発明の目
的を達成することが可能である。
【0029】上記のように、通常はテンションレベラー
による形状矯正を主体として行い、軟質な金属鋼帯に対
してはアンチクロスロール等の補助ロールを主として使
用することが可能な調質圧延設備において、その使い分
けに関しては、本発明による運転方法を用いればよい。
すなわち、テンションレベラーにおいて目標とする伸び
率に対して、金属鋼帯の板厚、降伏応力、張力設定値等
の条件から決定されるテンションレベラーのワークロー
ルの押し込み量が2mm以下となるように予測される場合
には、テンションレベラーの操業条件としては非常に不
安定な状態とならざるをえない。すなわち、テンション
レベラーのワークロールの押し込み量の微少な設定誤差
や張力の変動等によって、伸び率の不安定化あるいはチ
ャタリングが発生する可能性が高いものと判断される。
このような場合に、操業を不安定化させるテンションレ
ベラーのワークロールの押し込みを無理に行う必要はな
く、本発明による補助ロールのみを使用して、その押し
込み量を調整することで安定した操業を実現し得ること
になる。
【0030】
【実施例】本発明による実施例について、図1を用いて
説明する。この調質圧延設備は、連続焼鈍炉の出側に配
置されており、板厚0.3mmから3.2mm、板幅600mmから185
0mmの冷延鋼帯の調質圧延を行うものである。対象鋼種
の降伏応力レベルとしては、120MPaから650MPaまでの広
範囲な冷延鋼帯を製造している。
【0031】本設備におけるテンションレベラー6とし
ては、伸長ユニット7のワークロールの直径が40mmの伸
長ユニット一対と、反り強制ユニット8のワークロール
の直径が50mmの反り矯正ユニット一組から構成される。
また、スキンパスミル3とテンションレベラー6との間に
配置されている昇降式補助ロール4のロール径は350mmで
あり、伸長ユニット7のワークロール径に対する比は、
8.75となっている。
【0032】以上のような設備によって、板厚0.8mm、
板幅1550mmで、降伏応力650MPaの硬質な冷延鋼板、例え
ばハイテン材の調質圧延を行う場合には、スキンパスミ
ル3のみで、伸び率0.8%の調質圧延を行っただけでは、
形状を完全にフラットにすることができず、テンション
レベラー6を用いた形状矯正が行われる。テンションレ
ベラー6での目標伸び率としては、形状を完全にフラッ
トにするために0.2%以上が必要であり、かつ製品の伸び
を確保するためには0.3%以下とする必要がある。したが
って、図4に示すように、張力を110MPaに設定して、か
つ伸長ユニット7のワークロールの押し込み量を11mmと
すれば、その目標伸び率を確保することができる。
【0033】一方、同じ設備を用いて、板厚0.8mm、板
幅1550mmで、降伏応力130MPaの軟質材の調質圧延を行う
場合には、ミル絞りを防止するために張力を、35MPa以
上とする必要があり、操業中の張力変動を考慮すると、
望ましくは50MPa以上とする必要がある。例えば張力を5
0MPaに設定した場合には、テンションレベラー6での目
標伸び率0.2から0.3%に対して、伸長ユニット7のワー
クロールの押し込み量を1.5mm程度にする必要がある。
ただし、図から分かるように微少な押し込み量の設定誤
差や、操業中の張力変動によって伸び率が大きく変動す
るため、容易に伸び率の目標範囲から逸脱する。さらに
は、押し込み量が小さいことで冷延鋼帯に対するロール
の拘束力が小さく、チャタリングが発生することにな
る。
【0034】これに対して、本発明によれば、図3に示
すようにテンションレベラー6の伸長ユニット7のワーク
ロールを開放して、補助ロール4の押し込み量を、10mm
に設定することで、補助ロール4のみで目標とする伸び
率を達成することが可能となる。また、押し込み量の設
定誤差に対する伸び率の変動も小さく、安定した操業が
可能となる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、テンションレベラーの
ワークロールの直径DLに対する補助ロールの直径DCの比
率が3以上で13以下とすることによって、広範囲のサイ
ズおよび鋼種の鋼帯に対して、操業の安定性を確保しつ
つ、良好な平坦度を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷延鋼帯の調質圧延設備における
第一の実施形態を示す図。
【図2】本発明による冷延鋼帯の調質圧延設備における
第二の実施形態を示す図。
【図3】本発明による実施効果の例を示す図。
【図4】従来技術による実施効果の例を示す図。
【図5】本発明による実施効果の例を示す図。
【図6】本発明による実施による形状矯正可能範囲を示
す図。
【図7】本発明で限定した範囲外での別の実施例を示す
図。
【図8】本発明で限定した範囲外での別の実施例を示す
図。
【符号の説明】
1:鋼帯 2:入側ブライドルロール 3:調質圧延機 4:昇降式補助ロール 5:テンションメータロール 6:テンションレベラー 7:伸長ユニット 8:反り矯正ユニット 9:出側ブライドルロール 10:ロール押し込み量の設定制御装置 11:補助ロール押し込み量の制御装置 12:テンションレベラーのワークロールの押し込み量
の制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スキンパスミルと、このスキンパスミル
    の下流側に配置した金属鋼帯をパスラインよりも他方側
    に押し出して金属鋼帯パス角度を調整する補助ロール
    と、前記補助ロールの下流側に配置され、少なくとも一
    対のワークロールから成るテンションレベラーとを具備
    し、前記テンションレベラーのワークロールの直径DLに
    対する補助ロールの直径DCの比率が3以上で13以下であ
    ることを特徴とする調質圧延設備。
  2. 【請求項2】 スキンパスミルと、そのスキンパスミル
    の下流側に配置した少なくとも一対のワークロールから
    成るテンションレベラーと、前記テンションレベラーの
    下流側に配置され、金属鋼帯をパスラインよりも他方側
    に押し出して金属鋼帯パス角度を調整する補助ロールと
    を具備し、前記テンションレベラーのワークロールの直
    径DLに対する補助ロールの直径DCの比率が3以上で13以
    下であることを特徴とする調質圧延設備。
  3. 【請求項3】 補助ロールは、アンチクロスロールであ
    る請求項1又は2に記載の調質圧延設備。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の調質圧
    延設備を用いて調質圧延する際に、テンションレベラー
    のワークロールの押し込み量が所定の設定値以下となる
    と予測される場合には、テンションレベラーのワークロ
    ールを開放し、かつ金属鋼帯パス角度を調整する補助ロ
    ールの押し込み量を調整して、鋼帯に所定の伸長率を付
    与することを特徴とする金属鋼帯の製造方法。
  5. 【請求項5】 テンションレベラーのワークロールの押
    し込み量の設定値は、2mmであることを特徴とする請求
    項4に記載の金属鋼帯の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101658869B (zh) * 2008-08-25 2011-07-27 鞍钢股份有限公司 冷轧板连续平整焊缝轧制方法

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CN101658869B (zh) * 2008-08-25 2011-07-27 鞍钢股份有限公司 冷轧板连续平整焊缝轧制方法

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