JP2001129611A - レールの矯正方法及び装置 - Google Patents

レールの矯正方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 矯正工程を簡略化して安価に行い、かつ、レ
ールの両端まで真っ直ぐに伸ばすとともに、頭部と足部
における引張残留応力の発生を抑制する。 【解決手段】 上下一対のロールによりレールを軽圧下
圧延し、反りまたは曲がりを矯正するに足る伸びの差を
レールに付与する。このとき、上下一対のロールにおい
て、ロール径の組み合わせおよび/または一方のロール
の幅方向曲率を変え、レールに付与する伸びの差を予め
調整してもよい。また、軽圧下圧延中、レールに曲げモ
ーメントを付与してもよい。この付与は、レールの頭頂
部と足裏部を軽圧下する上下一対のロールを交換可能に
設けるとともに、該ロールの入側および出側の上下に、
該レールの頭部と足部の両側面をガイドする縦ガイドロ
ールを設け、さらに、該縦ガイドロールの入側および出
側の上下に、レールに曲げモーメントを付与するピンチ
ロールを設けた矯正装置により行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レールの矯正方法
および装置、特に、レールの反りや曲がりを、簡略な工
程で適正に矯正することができるレールの矯正方法およ
び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間成形加工を終えたレールは、その
後、大気中で冷却されるが、その冷却においては、通
常、レールの形状に合わせた均等な冷却がなされず、冷
却後のレールには、反りや曲がりが生じている。この反
りや曲がりは、主に、上下方向に、特に、下(足部)に
凸になる方向に生じることが多い。
【0003】従来は、この上下方向の凸形状を有するレ
ールを、千鳥状に配置した水平ロールに通し、この凸形
状を矯正するが、この矯正方法では、レールの頭頂部と
足裏部に、長手方向の引張残留応力が生じてしまう。ま
た、熱処理したレールの矯正において、極度に強い曲げ
を与えると、レールの頭頂部に大きな塑性歪みが蓄積さ
れてしまうことがある。
【0004】そして、上記引張残留応力によって、レー
ルの頭部は上へ、該足部は下へと、逆方向に反り返ろう
とするので、腹部に脆性亀裂(腹部脆性亀裂)ができた
場合、この亀裂の伝播が著しく促進される危険性があ
る。かって、米国で、実際に腹部脆性亀裂の伝播により
レールが破損するという事故があり、大きな問題となっ
たが、この破損の原因の一つに、残留応力が考えられて
いた。
【0005】そこで、このような引張残留応力を冶金的
にもしくは機械的に緩和する方法が幾つか提案された。
冶金的に残留応力を制御する方法としては、例えば、特
開昭2−282426号公報に、「パーライト変態を利
用し、脆性亀裂が頭頂側へ抜けないことを目的とした方
法」が開示されている。しかし、この方法では、腹部脆
性亀裂をそれほど短くできていない。
【0006】また、機械的に残留応力を制御する方法と
しては、例えば、特開平7−185660号公報に、
「ローラー矯正での塑性変形を軽くすることによって残
留応力を軽減する方法」が、さらに、特開平6−312
216号公報に、「ローラー矯正後段で小径ロールで軽
く圧延する方法」が開示されている。しかし、これらの
方法では、垂直方向のローラー矯正を強化したり、新た
に設備を付与したりすることになるので、コスト増加を
招く恐れがある。
【0007】圧延後のレールが、下(足部)に凸になる
方向に反ることは分かっているのであるから、矯正すべ
き方向は、上に凸の方向にほぼ決まっているが、これま
でのところ、レールの上下方向の曲がりや反りを冷間で
矯正するに際し、水平方向に複数個の大きなローラーを
配置した大きな装置を用いる矯正方法以外の他の矯正方
法は考えられていない。
【0008】レールを、何回も逆方向に曲げたり曲げ戻
したりすることは、レールに対し、余計な塑性変形量を
増やすことになり、このことは、高い硬度を必要とする
レールの頭部において、加工軟化を起こす原因となる。
また、水平ローラーによる矯正で生じる引張残留応力の
増加は、何度も曲げや曲げ戻しを繰り返すうちに生じて
おり、この点でも、余計な塑性変形をレールに付与する
ことは望ましくない。
【0009】したがって、レールにおける上下方向の曲
がりや反りの矯正においては、1回の曲げで、できるだ
け精度よく、真っ直ぐになるように伸ばすことが望まし
い。また、水平ローラーによる矯正では、レールの端部
に、隣接するローラーの間隔に相当する未矯正部分がで
きてしまい、レールの定常部では真っ直ぐであっても、
該両端には、矯正前の曲がったままの状態の領域(未矯
正部分)ができていた。
【0010】したがって、レールにおける上下方向の曲
がりや反りの矯正においては、レールの両端まで真っ直
ぐになるように伸ばすことが必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、従来の水平ローラーによる矯正工程を簡略化し
て安価に行い、かつ、レールの両端まで真っ直ぐに伸ば
すとともに、繰り返し曲げによるレールに対する塑性変
形量を少なくして、頭部と足部における引張残留応力の
発生を抑制することができる矯正方法と、その方法を実
施する矯正装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軽圧下圧
延により、被圧延材表面へ伸びを付与することが、レー
ルの矯正においても有効に作用し、曲げによるローラー
矯正よりも、残留応力や加工軟化の問題を回避できると
考え、レールの上下方向を軽く圧下する軽圧下圧延実験
を数多く試みた。その結果、以下1)〜4)の知見を得
た。
【0013】1)凸側のロールの幅方向曲率が小さい
と、これに接するレールは、接した部分を外側にするよ
うに曲がる。これは、ロールの幅方向の形状が凸になる
ことにより、レールとロールが接触する面圧が高くな
り、塑性変形が大きくなるためである。即ち、凸のロー
ルが接するほうが塑性変形が大きくなるので、レールの
長手方向に伸びが生じ、レール上下の伸び差で曲がった
り、曲がっているものが直ったりする。
【0014】インライン熱処理レールの場合、実験によ
れば、上ロールとレール頭頂部とにおける幅方向の曲率
半径の逆数の差が、1.6から4.6(1/m)で、下
ロールとレール足裏部とにおける幅方向の曲率半径の逆
数の差が、0.6から1.0(1/m)のとき、上下反
りの発生が少ない。このとき、上ロールの幅方向の曲率
を凸側に変化させると、レールは下反りになり、凹側に
変化させると上反りになる。同様に、下ロールでも、幅
方向の曲率を凸側へ変化させると、レールは上反りにな
り、凹側へ変化させると下反りになる。
【0015】圧延ままの普通炭素鋼レール(以下「圧延
ままレール」という。)の場合、実験によれば、上ロー
ルとレール頭頂部とにおける幅方向の曲率半径が等し
く、下ロールとレール足裏部とにおける幅方向の曲率半
径の逆数の差が、0.6から1.0(1/m)のとき、
レールには、荷重に比例した下反りが生じる。このと
き、上ロールの幅方向の曲率を凸側に、または、下ロー
ルの幅方向の曲率を凹側に変化させると、上記下反りが
助長される傾向がある。
【0016】即ち、レールの矯正において、レールの反
った内側に凸ロールを当てれば、反りの直る方向へ曲が
りが生じるのである。したがって、熱処理レールであっ
ても、圧延ままレールであっても、レ−ルとロールの接
触する部分の曲率の差を利用すれば、レールの上下に異
なる伸びを付与することができ、このレール上下の伸び
差によって、レールの反った形状を矯正することが可能
となる。
【0017】2)レールを軽圧下圧延しているとき、レ
ールに曲げモーメントを加えると、レールは非常に簡単
に曲がる。この現象は、軽圧下圧延により、圧延されて
いる部分が塑性域に達していて、この状態に、曲げモー
メントにより加えたひずみが、そのまま、該塑性域のひ
ずみに加算されることによって生じる。このことによ
り、レールの上下に異なる伸びを付与することができ、
このレール上下の伸び差によって、レールに曲がりが生
じたり、曲がっているレールを真っ直ぐにしたりするこ
とができる。
【0018】熱処理レールについては、30tf以上の
圧延荷重に対して圧延中に20kNm程度の軽い上下方
向のモーメントを付与することにより、上下方向に10
mあたりの反りが14mm程度変化する。同様に、圧延
ままレールについては、20tf以上の圧延荷重に対し
て13kNm程度のモーメントを付与することにより、
上下方向に10mあたりの反りが13mm程度変化す
る。そして、このモーメントの付与で曲げ得る曲率は、
単なる3点曲げで曲げ得る曲率よりもはるかに大きい。
【0019】したがって、軽圧下圧延している部分の曲
がりに対しては、この曲がりを矯正する方向に、軽い曲
げモーメントを付与することによって、レールの曲がり
を矯正することが可能となる。3)軽圧下圧延を行うロ
ールの径を上下で変えると、レールに曲がりを付与する
ことができる。ロール径を小さくすれば、塑性変形が集
中するので、これを外にするようにレールが曲がり、一
方、ロール径を大きくすれば、逆に、これを内側にする
ようにレールが曲がる。
【0020】即ち、レールの曲がっている外側に接する
側のロール径を大きくすれば、曲がりを矯正することが
可能となる。このように、レールと接するロールの幅
方向の曲率を変えること、軽圧下圧延している部分に
曲げモーメントを付与すること、および/または、上
下ロールの径を変えること、によりレールの上下に伸び
差を付与することができ、これらを、矯正の原理とする
ことができる。
【0021】4)一方、放冷後のレールにおいて、曲が
りは、曲率半径50〜800mの範囲で、鋼種と規格形
状によって変化するものの、ほぼ一定している。本発明
は、これらの知見を総合してなされたレールの矯正方法
と矯正装置であり、その要旨は下記のとおりである。 (1)上下一対のロールによりレールを軽圧下圧延し、
反りまたは曲がりを矯正するに足る伸びの差を、レール
に付与することを特徴とするレールの矯正方法。 (2)前記上下一対のロールにおいて、ロール径の組み
合わせ、および/または、少なくとも一方のロールの幅
方向曲率を変え、レールに付与する伸びの差を、予め調
整することを特徴とする前記(1)記載のレールの矯正
方法。 (3)前記軽圧下圧延において、レールに曲げモーメン
トを付与することを特徴とする前記(1)または(2)
記載のレールの矯正方法。 (4)レールの頭頂部と足裏部を軽圧下する上下一対の
ロールを交換可能に設けるとともに、該ロールの入側お
よび出側の上下に、該レールの頭部と足部の両側面をガ
イドする縦ガイドロールを設け、さらに、該縦ガイドロ
ールの入側および出側の上下に、レールに曲げモーメン
トを付与するピンチロールを設けたことを特徴とするレ
ールの矯正装置。 (5)前記上下一対のロールにおける下ロールの径が、
該上ロールの径より大きいことを特徴とする前記(4)
記載のレールの矯正装置。 (6)前記上下一対のロールにおける下ロールが、中央
で幅方向に分割されていて、かつ、ロール軸方向に左右
対称に変位可能なスリーブロールであることを特徴とす
る前記(4)または(5)記載のレールの矯正装置。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明について、詳細に説
明する。図1に、本発明の矯正装置の側面概略構造を示
す。本発明の矯正装置において、上ロール2は、レール
1の頭部を包むようなカリバー形状をしている。レール
1は、上ロール2および下ロール3によって、上下方向
に軽圧下される。このとき、上下ロール2、3は、とも
に、反りが矯正されるような幅方向曲率、および/また
は、ロール径の組み合わせを持ち、レールがこの上下ロ
ール2、3で、単に軽圧下圧延されることにより、ほと
んどの上下反りが矯正される。
【0023】上ロール2の径は、レール1の頭部におけ
る残留応力を「引張り」にさせないためには、大きくな
いほうが望ましく、ロール寿命を延ばすためには、大き
いほうが望ましい。そこで、上ロールの直径は、100
mm以上600mm以下が望ましい。下ロール3でも、
この点で、上ロール2位の径が望ましい。また、ロール
径は、普通の圧延では、上下ロールの両方を駆動するの
で同径にするのが一般的であるが、本発明では、下ロー
ルの径を、上ロールの径に比べて大きくすることによ
り、上ロール側の伸び(レール頭頂部の伸び)を、レー
ルの長手方向に大きくすることができる。そして、この
ように、上下ロールの径に径差を与えるときは、上下ロ
ールのどちらか一方のみを駆動することになる。
【0024】圧延ままレールの場合、熱間圧延後の冷却
中に、頭部を内側にして曲がる。この曲がりを真っ直ぐ
にするためには、上ロール側(レール頭頂部)を伸ばす
必要がある。一方、熱処理レールの場合、頭部を内側に
して曲がる量は、圧延ままレールに比べ小さく、硬度
は、足部より頭部が硬いが、やはり、上ロール側(レー
ル頭頂部)を、レールの長手方向に伸ばす必要がある。
【0025】そして、これら両方の場合に係る実験結果
より、上ロールと下ロールとの径比が、1:1.10〜
1.30程度で、下ロールの方が大きいことが望ましい
ことが分かった。即ち、圧延ままレールの場合でも、熱
処理レールの場合でも、上記径比が1:1.10未満で
は、頭部を内側にした曲がりが助長され、1:1.30
超では、上ロール側(レール頭頂部)の伸びが大きすぎ
て、足部を内側にした曲がりが生じてしまう。
【0026】なお、このように、上下ロールに径差を与
えた場合、熱処理レールでは、上ロール側(レール頭頂
部)のレール幅方向曲率と上ロールの幅方向曲率を等し
くしても、曲がりが矯正され、真っ直ぐなレールを得る
ことができる。また、圧延ままレールでは、下ロールの
幅方向曲率半径を400mmに相当する程度にまで集中
させても、曲がりが矯正され、真っ直ぐなレールを得る
ことができる。
【0027】ただし、冷却後に生じる反りには、「ばら
つき」があるので、この「ばらつき」に応じ、矯正の調
整を行わなければならない。そこで、本発明の矯正装置
においては、上下ロール2、3の前後に、ピンチロール
4、5、6および7を設け、これらのピンチロールによ
り、レールに、上下方向の曲げモーメントを付与する。
これらのピンチロールは、上下方向の適当な位置に、レ
ールの高さに合わせて固定される。ピンチロールをこの
ように固定しておけば、冷却後のレールのなかでも反り
の大きいもの程、反りが生じている分強くピンチロール
に接触し、レールにモーメントが強く付与されることに
なる。即ち、これらのピンチロールは、レールの矯正を
自動的に調節する役割を果たしていることになる。
【0028】熱処理レールを軽圧下圧延する場合、上ロ
ールの溝底の幅方向の曲率半径が、凹側に50mmから
凸側に50mmの範囲であり、圧延荷重が、15tfか
ら120tfの範囲であるとき、レールは、軽圧下圧延
のみで平坦の方向へ曲げられる。上ロールの上記曲率半
径を、50mmを超えて凹側にすると、下(足部)に凸
の方向へ曲がり、50mmを超えて凸側にすると、頭頂
部が陥没してしまう。
【0029】また、圧延荷重を、15tf未満にする
と、軽圧下圧延の前後でレールの形状が変わらず、一
方、120tf超にすると、矯正装置の柱が座屈する恐
れが生じる。圧延ままレールを軽圧下圧延する場合、上
ロールの溝底の幅方向の曲率半径が、凹側に300mm
から凸側に500mmの範囲であり、圧延荷重が、10
tfから100tfの範囲であるとき、レールは、軽圧
下圧延のみで平坦の方向へ曲げられる。
【0030】したがって、圧延荷重は、熱処理レール
で、15tfから120tfの範囲、圧延ままレール
で、10tfから100tfの範囲であることが望まし
い。図2および図3に、本発明の矯正装置の圧延方向の
概略構造を示す。この図示される矯正装置において、下
ロールは、中央で幅方向に2つに分割されたスリーブロ
ール8、9から構成されている。図2は、このスリーブ
ロール8、9が中央で密着した状態を示し、図3は、左
右に離れた状態を示す。
【0031】スリーブロールが密着した状態にあると
(図2、参照)、下ロールによる圧下は足裏部の中央に
集中するので、軽圧下圧延は上反りへ制御されることに
なり、一方、スリーブロールが左右に離れた状態にある
と(図3、参照)、圧下は足裏部で分散するので、軽圧
下圧延は下反りへ制御されることになる。スリーブロー
ル8、9は、図2および図3に示すように、スリーブロ
ール8および9に、それぞれ引っ掛かる移動金具11お
よび12により、圧延中でも幅方向に可動になってい
る。このスリーブロール8、9からなる下ロールにおい
ても、スリーブ中央のロール径は、強度や残留応力の観
点から、100mm以上600mmの範囲が望ましい。
【0032】なお、スリーブロール8、9の間隔が、4
0mm以上開くと、レールの足先が跳ね上がってしまう
ので、該間隔を40mm以上開くことは避けたほうがよ
い。本発明の矯正装置において、ピンチロール4、5、
6および7は、縦ガイドロール13、14、15および
16の外側に設けたので、上下ロール2、3から少し離
れているが、できるだけ上下ロール2、3に近づけて設
けるほうが、レールの端曲がりを矯正する点で好まし
い。
【0033】ただし、本発明の矯正装置においては、軽
圧下圧延が、レールの端から端まで施されるので、レー
ルの端部でも大部分の曲がりは矯正されている。なお、
軽圧下圧延において、左右のバランスが悪いと、横曲が
りだけでなく、予期せぬ上下方向の曲がりが生じてしま
うことがあるので、本発明の矯正装置においては、上下
ロール2、3の入側と出側に縦ガイドロール13、1
4、15および16を設け、頭頂部と足裏部の中央に上
下ロール2、3が当たるように配慮している。
【0034】
【実施例】本発明の矯正装置の詳細と矯正条件を次に示
す。カリバー付き上ロールの溝底径は、250mmであ
る。中央で2つに分割されたスリーブロール(下ロー
ル)の径は、上ロールの径(250mm)より大きい方
が望ましいので、300mmとした。
【0035】熱処理レールに係る基本的な矯正条件は、
下ロールのスリーブ間隔が20mm、圧延荷重が40t
fである。軽圧下圧延されるレールは、136lbレ−
ルで、高さの規格が185.73mmであるので、出側
ピンチロールおよび入側ピンチロールの間隔を185.
8mmに設定した。一方、圧延ままレールに係る基本的
な矯正条件は、下ロールのスリーブ間隔が20mm、圧
延荷重が20tfである。軽圧下圧延されるレールは、
JIS60kレールで、高さの規格が174mmである
ので、出側ピンチロールおよび入側ピンチロールの間隔
を、そのまま174mmに設定した。
【0036】出側ピンチロールおよび入側のピンチロー
ルは、上下ロールから0.7mのところに設置した。こ
こで矯正されるレールは、矯正前には、熱処理レール
で、曲率半径350m(35.7mm/10m)の上下
曲がりを、また、圧延ままレールで、曲率半径150m
(83.3mm/10m)の上下曲がりを持っていた。
【0037】なお、ここで矯正されるレール長さは、1
0mとした。図4(a)に、熱処理レールにおける軽圧
下圧延矯正前後の形状を示し、図4(b)に、圧延まま
レールにおける軽圧下圧延矯正前後の形状を示す。熱処
理レールにおいては、曲率半径14000m(0.9m
m/10m)のところまで真っ直ぐになり(図4
(a)、参照)、圧延ままレールにおいては、曲率半径
10000m(1.25mm/10m)のところまで真
っ直ぐになっている(図4(b)、参照)。
【0038】このように、熱処理レールでも、圧延まま
レールでも、軽圧下圧延により、反りがほとんどなくな
っていて、レールを充分に矯正できることが分かる。こ
のとき、両方のレールにおいては、矯正後、ねじり、う
ねり等もなく、レールの形状は良好であった。なお、図
4(a)および図4(b)に示す形状は、対称軸が水平
になるようにレールを横倒しにし、頭頂部側に糸を張
り、頭頂部が何mm隙いたか測ったものである。
【0039】図5に、本発明で矯正したレール(図中、
発明レール)と、従来の水平ローラーで矯正したレール
(図中、従来レール)とにおける長手方向の残留応力分
布を示す。水平ローラーで矯正した従来レールでは、頭
頂部と足裏部において強い引張残留応力がみられるか
ら、耐腹部亀裂伝播特性が劣っていると考えられる。一
方、本発明で矯正した発明レールでは、頭頂部で圧縮残
留応力があり、足裏部では低い引張残留応力があるだけ
であるから、耐腹部亀裂伝播特性が優れていると考えら
れる。
【0040】図6に、本発明で矯正したレール(図中、
発明レール)と、従来の水平ローラーで矯正したレール
(図中、従来レール)とにおける熱処理レール頭部対称
軸上の垂直方向耐力分布を示す。水平ローラーで矯正し
た従来レールでは、繰り返し曲げによって耐力が若干下
がっているが、本発明で矯正した発明レールでは、耐力
は下がっていないことが分かる。
【0041】
【発明の効果】本発明により、従来の水平ローラー矯正
装置のような大きな設備を、小さい軽圧下圧延設備(本
発明の矯正装置)にまで縮小できた。このように、設備
を縮小化しても、本発明の矯正装置は、レール形状の精
度が落ちることなく、また、端曲がりも小さく、良好な
ものである。そして、本発明によるレールにおいては、
材質的にも、従来の水平ローラー矯正レールの頭頂部と
足裏部に存在するような高い引張残留応力がなく、耐腹
部亀裂伝播特性も良好である。
【0042】さらに、本発明においては、従来の水平ロ
ーラー矯正に比べて、頭部に付与される塑性ひずみが少
なく、このひずみによる硬度低下を避けることができ
る。したがって、本発明は、コストを抑えつつ、従来の
水平ローラー矯正によるよりも良好な材質のレールを得
ることができる優れた矯正方法および矯正装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の矯正装置の側面概略構造を示す図であ
る。
【図2】本発明の矯正装置の圧延方向の概略構造(スリ
ーブロール:閉)を示す図である。
【図3】本発明の矯正装置の圧延方向の概略構造(スリ
ーブロール:開)を示す図である。
【図4】熱処理レールと圧延ままレールにおける軽圧下
圧延矯正前後の形状を示す図である((a):熱処理レ
ール、(b):圧延ままレール)。
【図5】本発明で矯正したレールと、従来の水平ローラ
ーで矯正したレールとにおける長手方向の残留応力分布
を示す図である。
【図6】本発明で矯正したレールと、従来の水平ローラ
ーで矯正したレールとにおける熱処理レール頭部対称軸
上の垂直方向耐力分布を示す。
【符号の説明】
1…レール 2…上ロール 3…下ロール 4…出側上ピンチロール 5…出側下ピンチロール 6…入側上ピンチロール 7…入側下ピンチロール 8、9…スリーブロール 10…下ロールの軸 11、12…スリーブロールの移動金具 13…出側上縦ガイドロール 14…出側下縦ガイドロール 15…入側上縦ガイドロール 16…入側下縦ガイドロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下一対のロールによりレールを軽圧下
    圧延し、反りまたは曲がりを矯正するに足る伸びの差
    を、レールに付与することを特徴とするレールの矯正方
    法。
  2. 【請求項2】 前記上下一対のロールにおいて、ロール
    径の組み合わせ、および/または、少なくとも一方のロ
    ールの幅方向曲率を変え、レールに付与する伸びの差
    を、予め調整することを特徴とする請求項1記載のレー
    ルの矯正方法。
  3. 【請求項3】 前記軽圧下圧延において、レールに曲げ
    モーメントを付与することを特徴とする請求項1または
    2記載のレールの矯正方法。
  4. 【請求項4】 レールの頭頂部と足裏部を軽圧下する上
    下一対のロールを交換可能に設けるとともに、該ロール
    の入側および出側の上下に、該レールの頭部と足部の両
    側面をガイドする縦ガイドロールを設け、さらに、該縦
    ガイドロールの入側および出側の上下に、レールに曲げ
    モーメントを付与するピンチロールを設けたことを特徴
    とするレールの矯正装置。
  5. 【請求項5】 前記上下一対のロールにおける下ロール
    の径が、該上ロールの径より大きいことを特徴とする請
    求項4記載のレールの矯正装置。
  6. 【請求項6】 前記上下一対のロールにおける下ロール
    が、中央で幅方向に分割されていて、かつ、ロール軸方
    向に左右対称に変位可能なスリーブロールであることを
    特徴とする請求項4または5記載のレールの矯正装置。
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