JP4132497B2 - レールの矯正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レールの矯正置、特に、レールの反りや曲がりを、簡略な工程で適正に矯正することができるレールの矯正置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間成形加工を終えたレールは、その後、大気中で冷却されるが、その冷却においては、通常、レールの形状に合わせた均等な冷却がなされず、冷却後のレールには、反りや曲がりが生じている。この反りや曲がりは、主に、上下方向に、特に、下(足部)に凸になる方向に生じることが多い。
【0003】
従来は、この上下方向の凸形状を有するレールを、千鳥状に配置した水平ロールに通し、この凸形状を矯正するが、この矯正方法では、レールの頭頂部と足裏部に、長手方向の引張残留応力が生じてしまう。また、熱処理したレールの矯正において、極度に強い曲げを与えると、レールの頭頂部に大きな塑性歪みが蓄積されてしまうことがある。
【0004】
そして、上記引張残留応力によって、レールの頭部は上へ、該足部は下へと、逆方向に反り返ろうとするので、腹部に脆性亀裂(腹部脆性亀裂)ができた場合、この亀裂の伝播が著しく促進される危険性がある。
かって、米国で、実際に腹部脆性亀裂の伝播によりレールが破損するという事故があり、大きな問題となったが、この破損の原因の一つに、残留応力が考えられていた。
【0005】
そこで、このような引張残留応力を冶金的にもしくは機械的に緩和する方法が幾つか提案された。冶金的に残留応力を制御する方法としては、例えば、特開2−282426号公報に、「パーライト変態を利用し、脆性亀裂が頭頂側へ抜けないことを目的とした方法」が開示されている。しかし、この方法では、腹部脆性亀裂をそれほど短くできていない。
【0006】
また、機械的に残留応力を制御する方法としては、例えば、特開平7−185660号公報に、「ローラー矯正での塑性変形を軽くすることによって残留応力を軽減する方法」が、さらに、特開平6−312216号公報に、「ローラー矯正後段で小径ロールで軽く圧延する方法」が開示されている。しかし、これらの方法では、垂直方向のローラー矯正を強化したり、新たに設備を付与したりすることになるので、コスト増加を招く恐れがある。
【0007】
圧延後のレールが、下(足部)に凸になる方向に反ることは分かっているのであるから、矯正すべき方向は、上に凸の方向にほぼ決まっているが、これまでのところ、レールの上下方向の曲がりや反りを冷間で矯正するに際し、水平方向に複数個の大きなローラーを配置した大きな装置を用いる矯正方法以外の他の矯正方法は考えられていない。
【0008】
レールを、何回も逆方向に曲げたり曲げ戻したりすることは、レールに対し、余計な塑性変形量を増やすことになり、このことは、高い硬度を必要とするレールの頭部において、加工軟化を起こす原因となる。また、水平ローラーによる矯正で生じる引張残留応力の増加は、何度も曲げや曲げ戻しを繰り返すうちに生じており、この点でも、余計な塑性変形をレールに付与することは望ましくない。
【0009】
したがって、レールにおける上下方向の曲がりや反りの矯正においては、1回の曲げで、できるだけ精度よく、真っ直ぐになるように伸ばすことが望ましい。また、水平ローラーによる矯正では、レールの端部に、隣接するローラーの間隔に相当する未矯正部分ができてしまい、レールの定常部では真っ直ぐであっても、該両端には、矯正前の曲がったままの状態の領域(未矯正部分)ができていた。
【0010】
したがって、レールにおける上下方向の曲がりや反りの矯正においては、レールの両端まで真っ直ぐになるように伸ばすことが必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、従来の水平ローラーによる矯正工程を簡略化して安価に行い、かつ、レールの両端まで真っ直ぐに伸ばすとともに、繰り返し曲げによるレールに対する塑性変形量を少なくして、頭部と足部における引張残留応力の発生を抑制することができる正装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、軽圧下圧延により、被圧延材表面へ伸びを付与することが、レールの矯正においても有効に作用し、曲げによるローラー矯正よりも、残留応力や加工軟化の問題を回避できると考え、レールの上下方向を軽く圧下する軽圧下圧延実験を数多く試みた。その結果、以下1)〜4)の知見を得た。
【0013】
1)凸側のロールの幅方向曲率が小さいと、これに接するレールは、接した部分を外側にするように曲がる。これは、ロールの幅方向の形状が凸になることにより、レールとロールが接触する面圧が高くなり、塑性変形が大きくなるためである。即ち、凸のロールが接するほうが塑性変形が大きくなるので、レールの長手方向に伸びが生じ、レール上下の伸び差で曲がったり、曲がっているものが直ったりする。
【0014】
インライン熱処理レールの場合、実験によれば、上ロールとレール頭頂部とにおける幅方向の曲率半径の逆数の差が、1.6から4.6(1/m)で、下ロールとレール足裏部とにおける幅方向の曲率半径の逆数の差が、0.6から1.0(1/m)のとき、上下反りの発生が少ない。このとき、上ロールの幅方向の曲率を凸側に変化させると、レールは下反りになり、凹側に変化させると上反りになる。同様に、下ロールでも、幅方向の曲率を凸側へ変化させると、レールは上反りになり、凹側へ変化させると下反りになる。
【0015】
圧延ままの普通炭素鋼レール(以下「圧延ままレール」という。)の場合、実験によれば、上ロールとレール頭頂部とにおける幅方向の曲率半径が等しく、下ロールとレール足裏部とにおける幅方向の曲率半径の逆数の差が、0.6から1.0(1/m)のとき、レールには、荷重に比例した下反りが生じる。このとき、上ロールの幅方向の曲率を凸側に、または、下ロールの幅方向の曲率を凹側に変化させると、上記下反りが助長される傾向がある。
【0016】
即ち、レールの矯正において、レールの反った内側に凸ロールを当てれば、反りの直る方向へ曲がりが生じるのである。
したがって、熱処理レールであっても、圧延ままレールであっても、レ−ルとロールの接触する部分の曲率の差を利用すれば、レールの上下に異なる伸びを付与することができ、このレール上下の伸び差によって、レールの反った形状を矯正することが可能となる。
【0017】
2)レールを軽圧下圧延しているとき、レールに曲げモーメントを加えると、レールは非常に簡単に曲がる。この現象は、軽圧下圧延により、圧延されている部分が塑性域に達していて、この状態に、曲げモーメントにより加えたひずみが、そのまま、該塑性域のひずみに加算されることによって生じる。
このことにより、レールの上下に異なる伸びを付与することができ、このレール上下の伸び差によって、レールに曲がりが生じたり、曲がっているレールを真っ直ぐにしたりすることができる。
【0018】
熱処理レールについては、30tf以上の圧延荷重に対して圧延中に20kNm程度の軽い上下方向のモーメントを付与することにより、上下方向に10mあたりの反りが14mm程度変化する。
同様に、圧延ままレールについては、20tf以上の圧延荷重に対して13kNm程度のモーメントを付与することにより、上下方向に10mあたりの反りが13mm程度変化する。そして、このモーメントの付与で曲げ得る曲率は、単なる3点曲げで曲げ得る曲率よりもはるかに大きい。
【0019】
したがって、軽圧下圧延している部分の曲がりに対しては、この曲がりを矯正する方向に、軽い曲げモーメントを付与することによって、レールの曲がりを矯正することが可能となる。
3)軽圧下圧延を行うロールの径を上下で変えると、レールに曲がりを付与することができる。ロール径を小さくすれば、塑性変形が集中するので、これを外にするようにレールが曲がり、一方、ロール径を大きくすれば、逆に、これを内側にするようにレールが曲がる。
【0020】
即ち、レールの曲がっている外側に接する側のロール径を大きくすれば、曲がりを矯正することが可能となる。
このように、(1)レールと接するロールの幅方向の曲率を変えること、(2)軽圧下圧延している部分に曲げモーメントを付与すること、および/または、(3)上下ロールの径を変えること、によりレールの上下に伸び差を付与することができ、これらを、矯正の原理とすることができる。
【0021】
4)一方、放冷後のレールにおいて、曲がりは、曲率半径50〜800mの範囲で、鋼種と規格形状によって変化するものの、ほぼ一定している。
本発明は、これらの知見を総合してなされたレールの矯正装置であり、その要旨は下記のとおりである。
(1)レールの頭頂部と足裏部を軽圧下する上下一対のロールを交換可能に設けるとともに、前記上下一対のロールにおける中央部に凸部を有する下ロールが、中央で幅方向に分割されており、ロール軸方向に左右対称に変位可能なスリーブロールであることを特徴とするレールの矯正装置。
(2)前記上下一対のロールの入側および出側の上下に、該レールの頭部と足部の両側面をガイドする縦ガイドロールを設け、さらに、該縦ガイドロールの入側および出側の上下に、レールに曲げモーメントを付与するピンチロールを設けたことを特徴とする前記(1)に記載のレールの矯正装置。
(3)前記上下一対のロールにおける下ロールの径が、該上ロールの径より大きいことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のレールの矯正装置。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について、詳細に説明する。
図1に、本発明の矯正装置の側面概略構造を示す。
本発明の矯正装置において、上ロール2は、レール1の頭部を包むようなカリバー形状をしている。レール1は、上ロール2および下ロール3によって、上下方向に軽圧下される。このとき、上下ロール2、3は、ともに、反りが矯正されるような幅方向曲率、および/または、ロール径の組み合わせを持ち、レールがこの上下ロール2、3で、単に軽圧下圧延されることにより、ほとんどの上下反りが矯正される。
【0023】
上ロール2の径は、レール1の頭部における残留応力を「引張り」にさせないためには、大きくないほうが望ましく、ロール寿命を延ばすためには、大きいほうが望ましい。そこで、上ロールの直径は、100mm以上600mm以下が望ましい。下ロール3でも、この点で、上ロール2位の径が望ましい。
また、ロール径は、普通の圧延では、上下ロールの両方を駆動するので同径にするのが一般的であるが、本発明では、下ロールの径を、上ロールの径に比べて大きくすることにより、上ロール側の伸び(レール頭頂部の伸び)を、レールの長手方向に大きくすることができる。そして、このように、上下ロールの径に径差を与えるときは、上下ロールのどちらか一方のみを駆動することになる。
【0024】
圧延ままレールの場合、熱間圧延後の冷却中に、頭部を内側にして曲がる。この曲がりを真っ直ぐにするためには、上ロール側(レール頭頂部)を伸ばす必要がある。
一方、熱処理レールの場合、頭部を内側にして曲がる量は、圧延ままレールに比べ小さく、硬度は、足部より頭部が硬いが、やはり、上ロール側(レール頭頂部)を、レールの長手方向に伸ばす必要がある。
【0025】
そして、これら両方の場合に係る実験結果より、上ロールと下ロールとの径比が、1:1.10〜1.30程度で、下ロールの方が大きいことが望ましいことが分かった。
即ち、圧延ままレールの場合でも、熱処理レールの場合でも、上記径比が1:1.10未満では、頭部を内側にした曲がりが助長され、1:1.30超では、上ロール側(レール頭頂部)の伸びが大きすぎて、足部を内側にした曲がりが生じてしまう。
【0026】
なお、このように、上下ロールに径差を与えた場合、熱処理レールでは、上ロール側(レール頭頂部)のレール幅方向曲率と上ロールの幅方向曲率を等しくしても、曲がりが矯正され、真っ直ぐなレールを得ることができる。
また、圧延ままレールでは、下ロールの幅方向曲率半径を400mmに相当する程度にまで集中させても、曲がりが矯正され、真っ直ぐなレールを得ることができる。
【0027】
ただし、冷却後に生じる反りには、「ばらつき」があるので、この「ばらつき」に応じ、矯正の調整を行わなければならない。
そこで、本発明の矯正装置においては、上下ロール2、3の前後に、ピンチロール4、5、6および7を設け、これらのピンチロールにより、レールに、上下方向の曲げモーメントを付与する。これらのピンチロールは、上下方向の適当な位置に、レールの高さに合わせて固定される。ピンチロールをこのように固定しておけば、冷却後のレールのなかでも反りの大きいもの程、反りが生じている分強くピンチロールに接触し、レールにモーメントが強く付与されることになる。即ち、これらのピンチロールは、レールの矯正を自動的に調節する役割を果たしていることになる。
【0028】
熱処理レールを軽圧下圧延する場合、上ロールの溝底の幅方向の曲率半径が、凹側に50mmから凸側に50mmの範囲であり、圧延荷重が、15tfから120tfの範囲であるとき、レールは、軽圧下圧延のみで平坦の方向へ曲げられる。
上ロールの上記曲率半径を、50mmを超えて凹側にすると、下(足部)に凸の方向へ曲がり、50mmを超えて凸側にすると、頭頂部が陥没してしまう。
【0029】
また、圧延荷重を、15tf未満にすると、軽圧下圧延の前後でレールの形状が変わらず、一方、120tf超にすると、矯正装置の柱が座屈する恐れが生じる。
圧延ままレールを軽圧下圧延する場合、上ロールの溝底の幅方向の曲率半径が、凹側に300mmから凸側に500mmの範囲であり、圧延荷重が、10tfから100tfの範囲であるとき、レールは、軽圧下圧延のみで平坦の方向へ曲げられる。
【0030】
したがって、圧延荷重は、熱処理レールで、15tfから120tfの範囲、圧延ままレールで、10tfから100tfの範囲であることが望ましい。
図2および図3に、本発明の矯正装置の圧延方向の概略構造を示す。
この図示される矯正装置において、下ロールは、中央で幅方向に2つに分割されたスリーブロール8、9から構成されている。図2は、このスリーブロール8、9が中央で密着した状態を示し、図3は、左右に離れた状態を示す。
【0031】
スリーブロールが密着した状態にあると(図2、参照)、下ロールによる圧下は足裏部の中央に集中するので、軽圧下圧延は上反りへ制御されることになり、一方、スリーブロールが左右に離れた状態にあると(図3、参照)、圧下は足裏部で分散するので、軽圧下圧延は下反りへ制御されることになる。
スリーブロール8、9は、図2および図3に示すように、スリーブロール8および9に、それぞれ引っ掛かる移動金具11および12により、圧延中でも幅方向に可動になっている。このスリーブロール8、9からなる下ロールにおいても、スリーブ中央のロール径は、強度や残留応力の観点から、100mm以上600mmの範囲が望ましい。
【0032】
なお、スリーブロール8、9の間隔が、40mm以上開くと、レールの足先が跳ね上がってしまうので、該間隔を40mm以上開くことは避けたほうがよい。
本発明の矯正装置において、ピンチロール4、5、6および7は、縦ガイドロール13、14、15および16の外側に設けたので、上下ロール2、3から少し離れているが、できるだけ上下ロール2、3に近づけて設けるほうが、レールの端曲がりを矯正する点で好ましい。
【0033】
ただし、本発明の矯正装置においては、軽圧下圧延が、レールの端から端まで施されるので、レールの端部でも大部分の曲がりは矯正されている。
なお、軽圧下圧延において、左右のバランスが悪いと、横曲がりだけでなく、予期せぬ上下方向の曲がりが生じてしまうことがあるので、本発明の矯正装置においては、上下ロール2、3の入側と出側に縦ガイドロール13、14、15および16を設け、頭頂部と足裏部の中央に上下ロール2、3が当たるように配慮している。
【0034】
【実施例】
本発明の矯正装置の詳細と矯正条件を次に示す。
カリバー付き上ロールの溝底径は、250mmである。中央で2つに分割されたスリーブロール(下ロール)の径は、上ロールの径(250mm)より大きい方が望ましいので、300mmとした。
【0035】
熱処理レールに係る基本的な矯正条件は、下ロールのスリーブ間隔が20mm、圧延荷重が40tfである。軽圧下圧延されるレールは、136lbレ−ルで、高さの規格が185.73mmであるので、出側ピンチロールおよび入側ピンチロールの間隔を185.8mmに設定した。
一方、圧延ままレールに係る基本的な矯正条件は、下ロールのスリーブ間隔が20mm、圧延荷重が20tfである。軽圧下圧延されるレールは、JIS60kレールで、高さの規格が174mmであるので、出側ピンチロールおよび入側ピンチロールの間隔を、そのまま174mmに設定した。
【0036】
出側ピンチロールおよび入側のピンチロールは、上下ロールから0.7mのところに設置した。
ここで矯正されるレールは、矯正前には、熱処理レールで、曲率半径350m(35.7mm/10m)の上下曲がりを、また、圧延ままレールで、曲率半径150m(83.3mm/10m)の上下曲がりを持っていた。
【0037】
なお、ここで矯正されるレール長さは、10mとした。
図4(a)に、熱処理レールにおける軽圧下圧延矯正前後の形状を示し、図4(b)に、圧延ままレールにおける軽圧下圧延矯正前後の形状を示す。熱処理レールにおいては、曲率半径14000m(0.9mm/10m)のところまで真っ直ぐになり(図4(a)、参照)、圧延ままレールにおいては、曲率半径10000m(1.25mm/10m)のところまで真っ直ぐになっている(図4(b)、参照)。
【0038】
このように、熱処理レールでも、圧延ままレールでも、軽圧下圧延により、反りがほとんどなくなっていて、レールを充分に矯正できることが分かる。
このとき、両方のレールにおいては、矯正後、ねじり、うねり等もなく、レールの形状は良好であった。
なお、図4(a)および図4(b)に示す形状は、対称軸が水平になるようにレールを横倒しにし、頭頂部側に糸を張り、頭頂部が何mm隙いたか測ったものである。
【0039】
図5に、本発明で矯正したレール(図中、発明レール)と、従来の水平ローラーで矯正したレール(図中、従来レール)とにおける長手方向の残留応力分布を示す。水平ローラーで矯正した従来レールでは、頭頂部と足裏部において強い引張残留応力がみられるから、耐腹部亀裂伝播特性が劣っていると考えられる。
一方、本発明で矯正した発明レールでは、頭頂部で圧縮残留応力があり、足裏部では低い引張残留応力があるだけであるから、耐腹部亀裂伝播特性が優れていると考えられる。
【0040】
図6に、本発明で矯正したレール(図中、発明レール)と、従来の水平ローラーで矯正したレール(図中、従来レール)とにおける熱処理レール頭部対称軸上の垂直方向耐力分布を示す。水平ローラーで矯正した従来レールでは、繰り返し曲げによって耐力が若干下がっているが、本発明で矯正した発明レールでは、耐力は下がっていないことが分かる。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、従来の水平ローラー矯正装置のような大きな設備を、小さい軽圧下圧延設備(本発明の矯正装置)にまで縮小できた。このように、設備を縮小化しても、本発明の矯正装置は、レール形状の精度が落ちることなく、また、端曲がりも小さく、良好なものである。そして、本発明によるレールにおいては、材質的にも、従来の水平ローラー矯正レールの頭頂部と足裏部に存在するような高い引張残留応力がなく、耐腹部亀裂伝播特性も良好である。
【0042】
さらに、本発明においては、従来の水平ローラー矯正に比べて、頭部に付与される塑性ひずみが少なく、このひずみによる硬度低下を避けることができる。したがって、本発明は、コストを抑えつつ、従来の水平ローラー矯正によるよりも良好な材質のレールを得ることができる優れた正装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の矯正装置の側面概略構造を示す図である。
【図2】本発明の矯正装置の圧延方向の概略構造(スリーブロール:閉)を示す図である。
【図3】本発明の矯正装置の圧延方向の概略構造(スリーブロール:開)を示す図である。
【図4】熱処理レールと圧延ままレールにおける軽圧下圧延矯正前後の形状を示す図である((a):熱処理レール、(b):圧延ままレール)。
【図5】本発明で矯正したレールと、従来の水平ローラーで矯正したレールとにおける長手方向の残留応力分布を示す図である。
【図6】本発明で矯正したレールと、従来の水平ローラーで矯正したレールとにおける熱処理レール頭部対称軸上の垂直方向耐力分布を示す。
【符号の説明】
1…レール
2…上ロール
3…下ロール
4…出側上ピンチロール
5…出側下ピンチロール
6…入側上ピンチロール
7…入側下ピンチロール
8、9…スリーブロール
10…下ロールの軸
11、12…スリーブロールの移動金具
13…出側上縦ガイドロール
14…出側下縦ガイドロール
15…入側上縦ガイドロール
16…入側下縦ガイドロール

Claims (3)

  1. レールの頭頂部と足裏部を軽圧下する上下一対のロールを交換可能に設けるとともに、前記上下一対のロールにおける中央部に凸部を有する下ロールが、中央で幅方向に分割されており、ロール軸方向に左右対称に変位可能なスリーブロールであることを特徴とするレールの矯正装置。
  2. 前記上下一対のロールの入側および出側の上下に、該レールの頭部と足部の両側面をガイドする縦ガイドロールを設け、さらに、該縦ガイドロールの入側および出側の上下に、レールに曲げモーメントを付与するピンチロールを設けたことを特徴とする請求項1に記載のレールの矯正装置。
  3. 前記上下一対のロールにおける下ロールの径が、該上ロールの径より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のレールの矯正装置。
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