JP3373766B2 - 反りの少ない残留応力制御レールの製造方法 - Google Patents
反りの少ない残留応力制御レールの製造方法Info
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Description
る残留応力を制御する冷間軽圧下圧延に際してこれに伴
う形状不良、特に反りを併せて解消する方法に関する。
で、水平ロールを用いて、垂直のローラー矯正を行って
いる。この矯正工程では残留応力として頭部と底部に長
手方向引張応力、柱部に圧縮応力が生じる。これらの残
留応力によって頭部は上へ、足部は下へと逆方向に反り
かえろうとするので、腹部に脆性亀裂ができた場合、亀
裂の伝播を著しく促進させる危険性がある。かつて、米
国で実際に腹部脆性亀裂の伝播によるレールの破損事故
があり、大きな問題となり、この原因の一つにこの残留
応力分布が考えられていた。
しくは機械的に緩和する方法が提案された。
平2−282426号開示での「パーライト変態を利用
した、脆性亀裂が頭頂側へ抜けないことを目的とした方
法」が知られているが、腹部脆性亀裂自体をそれほど短
くできていない。
7−185660号開示での「ローラー矯正での塑性変
形を軽くすることにより残留応力を軽減する方法」、特
開平6−312216号開示での「ローラー矯正後段で
小径ロールで軽く圧延する方法」が知られている。
と足裏の表層に圧縮応力を付加するので、腹部脆性亀裂
の伝播を抑制する残留応力分布が得られ、手段として比
較的簡単であり、抜本的に残留応力分布が改善される点
で、非常に有効である。特に小径ロールとした理由は塑
性変形を頭頂と足裏に限定するためであり、全体として
の形状をほとんど変えることなく残留応力が付与できる
からである。
となく、4億通トン以上の長寿命のレールが得られるこ
とがわかっている。
方法は、矯正後であるにも関わらず、特に上反り等の形
状不良が生じることがある。この上反りは最大で12m
あたり60mm(曲率半径で300m、二階微分係数換
算の曲率で1.67×10-3m-1)にも達し、AREA
(American Railway Enginee
ring Association)の規格である12
mあたり19mmの反り量を遥かに上回る。このような
場合、仕上げにプレス矯正を行ったり、再度曲げ矯正を
負荷する等の対応が必要になる。特に、再度の曲げ矯正
を与えることは残留応力制御の効果がなくなるので、好
ましくない。
ーラー矯正した後、冷間軽圧下圧延を行って残留応力を
制御する方法において、副次的に生じるレールの上下方
向の反りを、この冷間軽圧下圧延を適正に操作すること
で解消させ、通常行われている軽圧下圧延後のプレス矯
正や曲げ矯正を省略することを目的としている。
ーラー矯正機で真直に矯正されたレールについてロール
との摩擦条件を変えた軽圧下圧延実験と圧延解析を数多
く試み、低コストでの反りの発生しない残留応力制御方
法を検討した。
での非対称圧延による制御方法が考えられた。これがで
きれば発生する上反りに合わせて周速を設定すればよい
ので、簡単に反りの制御ができると思われた。
ルからレールへのマーキングの転写で先進率を測定した
ところ、反りの曲率よりも先進率の方が大きく測定さ
れ、レールとロールの間に既に滑りが存在することが判
明した。また、反りで生じるひずみ差より十分大きい2
%までの上側の周速の速い異周速圧延を行ったところ、
上反りのなくなる条件を発見できず、わずかな差では改
善に向かうが、1%以上の異周速ではかえって反りを大
きくしてしまった。さらに、異周速圧延では、レールに
不安定な挙動が生じ、圧延自体が不安定となった。
御可能であるが、異周速圧延のみで反りを制御すること
はほとんど不可能であることがわかった。
するレール頭部の幅方向の曲率は、略同一であるのが通
例であり、例えば、曲率半径の大きいレール用のロール
で、曲率半径の小さい頭部形状をもつレールの圧延はし
ない。
これを試験したところ、非常に小さい反りしか発生しな
いとの知見を得た。
方向曲率が反り発生に対して及ぼす影響について詳細に
検討した結果、以下のような知見が得られた。
レール頭部とロールの幅方向における曲率半径の逆数の
差(1/Rrail−1/Rroll)が絶対値で1.
6(1/m)から4.6(1/m)の範囲であれば、軽
圧下圧延で生じる上下方向の反りは10mあたり±5m
mの範囲に収まる。このとき、ロール曲率半径の逆数が
負になった場合、弧は逆向き(凸)になる。
きでも、同様に曲率半径の逆数の差(1/Rrail−
1/Rroll)が絶対値で1.6(1/m)から4.
6(1/m)の範囲であれば、軽圧下圧延で生じる上下
方向の反りは10mあたり±3mmの範囲に収まる。
l−1/Rroll)が絶対値で1.6(1/m)から
4.6(1/m)の範囲であれば、接触幅は頭部幅の1
/4(25%)〜3/5(60%)程度になり、反りが
小さく、かつ、蛇行や頭頂表面割れ等が生ぜず、最適と
なる。
の曲率、 Rroll:ロールの幅方向の曲率、 kN:キロ・ニュートン を意味する。) このメカニズムは次のとおりと考えられる。
形するが、柱部が変形せず、この拘束によって、足部は
上に曲がる。一方、レール頭頂とロールの幅方向曲率を
合わせるとレール頭頂はゲージコーナーにかけて全体的
に塑性変形域ができる。レール頭頂部は、この足部の反
り上がりに対して、全体的に変形するので追随する。逆
に、頭頂部に非塑性変形域を残してやれば頭部が足の反
り上がりに追随しなくなり、反りを防止することができ
る。
域ができると、塑性ひずみは頭側部へ逃げていく。こう
なると長手方向の塑性ひずみが足裏に対して相対的に少
なくなり、上反りが生じる。逆に、頭頂に塑性変形域を
限定すると、塑性ひずみが長手方向に生じるので上反り
が生じにくくなる。さらに狭く限定しすぎると頭部の長
手方向の塑性ひずみが多すぎて下反りすることになる。
れ、その要旨は、レールの製造におけるローラー矯正後
のレールを上下方向に圧下する軽圧下圧延において、上
ロールとレール頭頂の接触する部分の幅方向曲率半径の
逆数の差を絶対値で1.6(1/m)から4.6(1/
m)の範囲とすることを特徴とする残留応力制御レール
の製造方法である。
に説明する。
手方向から見た図を示す。既にローラー矯正を施して真
直になったレール1は上下ロール2、3によって軽圧下
圧延され、残留応力が制御される。
の例、図3の5に従来でのロール形状の例を示す。この
ときの対称となるレールは1361b−REタイプであ
る。従来法でのロール形状は、図3に示すように、ロー
ル曲率半径と製品曲率半径が等しくしてあり、全体に一
様に圧力が加わるようになっている。これに対し、本発
明でのロール形状は、図2に示すように、ロール曲率半
径が製品の頭頂と異なり、ロールが頭頂中心に強く食い
込む形状になっている。
部の塑性変形域を示す。本発明の方法では頭頂の直下に
塑性変形域6が集まるが、従来の方法では塑性変形域7
は幅方向に分散していることがわかる。つまり、従来の
方法では頭頂部に図5に示すように非塑性変形域は存在
しないが、本発明の方法では、図4に示すように非塑性
変形域8が両コーナー部に残っているので、このコーナ
ー部の拘束によって本発明の条件で製造されたレールは
上反りが出にくい。
の違いの例を示す。この時の軽圧下圧延荷重は800k
Nである。
と足裏で300MPaに及ぶ引張が存在するが、本発明
の残留応力も従来条件の残留応力も頭頂と足裏で圧縮と
なっている。これはどちらも好ましい残留応力分布であ
ることを示している。
応力が存在しているが、これ以外は従来の残留応力制御
レールと同様な分布である。コーナー部はフランジが接
触すると次第に圧縮側へ変化するので、特に問題ではな
いと考えられる。
になると制御できなくなることがあるので、荷重の上限
は1000kNであることが望ましい。一方、200M
Pa以上で残留応力制御の効果が出始める。また、30
0kN以上の荷重の場合では、腹部に切れ込みを入れた
試験で閉じる方向になる。
限は200kNであり、残留応力制御を十分するには3
00kN以上の荷重であることが望ましい。
00〜300kNの範囲では頭頂のロールとレールの幅
方向曲率半径の逆数の差が小さくても荷重が軽いので、
反りは10mあたり10mm以下の規格内に収まる。
頭頂側のロールとレールとの幅方向曲率半径の逆数の差
が1.6(1/m)以下になると足側の反り上がりに抵
抗する拘束が弱くなり、反りが生じてしまう。
(1/m)以上になると接触した範囲としなかった範囲
とでメタルフローの差が大きくなりすぎるので、表面に
傷ができることがある。また、頭頂が陥没した形状とな
ってしまうこともある。したがって、頭頂側のロールと
レールとの幅方向曲率半径の逆数の差は1.6(1/
m)以上4.6(1/m)以下でなければならない。
の幅方向曲率を変えて、ローラー矯正されたレールの軽
圧下圧延を数多く行った。本発明は出願人のレール軽圧
下圧延機において実験および検証された。
1361bREレール、熱処理無し普通炭素鋼−JIS
50Nレールで、これらの頭幅はそれぞれ74.6m
m、65mmである。反り評価は10m当たりの反りで
評価し、10mm以下ならば良好◎、10mm以上であ
れば不合格とした。−は下反りを示す。
施例3〜4は荷重800MPaでの幅方向ロール曲率の
最適値と思われる辺りのデータである。どのレールでも
反りの発生は大したことはなく、非常に良好である。
較例3〜4は荷重800MPaでの幅方向ロール曲率が
頭頂に近いまたは等しい場合でのデータである。ロール
形状と頭頂の曲率が等しいので、頭頂の断面形状は良好
である。しかし、荷重が低いと小さいが、反りは発生す
る。
率をより凹面にすることにより曲率半径の逆数の差を小
さくした場合の例であり、このうち5〜6は荷重600
MPa、7〜8は荷重800MPaの例である。レール
とロールが広めに接触するのでやはり少し上反りが出て
くる。
して狭めに接触したものである。頭頂がかなり平坦に近
くなっているが、形状は公差内に収まっている。
定した範囲である4.6(1/m)以上に大きくした例
である。ここまで差を大きくすると頭頂が陥没してしま
い、形状不良となる危険がある。
大きく取り、かつ請求項で規定した範囲である1.6
(1/m)以下より小さくした例である。ロール曲率が
請求項で規定した範囲に入っていないので、反りが出て
いたが、このほかに柱が座屈するなど断面形状に不良が
出ていた。
ルの幅方向の曲率の調整で形状制御できるようになり、
低コストの上で、残留応力制御されて、かつ、反りを制
御した形状のよいレールの製造ができるようになった。
である。
である。
を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 レールの製造におけるローラー矯正後の
レールを、上下方向に圧下する軽圧下圧延方法におい
て、レール頭頂と上ロールが接触する部分のレール頭頂
と上ロールの幅方向の曲率半径の逆数の差を絶対値で
1.6(1/m)から4.6(1/m)の範囲とするこ
とを特徴とする残留応力制御レールの製造方法。 - 【請求項2】 残留応力制御荷重が300〜1000k
Nであることを特徴とする請求項1記載の残留応力制御
レールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25260797A JP3373766B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 反りの少ない残留応力制御レールの製造方法 |
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JPH1177105A JPH1177105A (ja) | 1999-03-23 |
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1997
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