JP2002069901A - 耐脆性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレールおよびその製造方法 - Google Patents

耐脆性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレールおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レール頭部と底部の引張り残留応力を軽減
し、耐脆性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイト
レールを提供する。 【解決手段】 レール頭部およびレール底部のいずれも
引張り残留応力250MPa以下であるか、もしくは圧
縮残留応力が0MPa以上であり、好ましくは頭部表面
の硬度がビッカース硬度番号320以上であるベイナイ
トレール。その製法としては、レール表面温度300℃
以下で、レール頭頂面およびレール底面を直径100〜
600mmのローラーにより圧延荷重が600kN以上
で軽圧下冷間圧延を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐脆性き裂進展特
性と疲労特性に優れたベイナイトレールおよびその製造
方法に関するものである。本明細書で用いるレールは図
1に示す端面形状をしており、以下その各部位の呼称
は、車輪とレールが接触するレール最上面1を頭頂面、
レール上部2を頭部、枕木への設置面3を底面、レール
下部4を底部、頭部と底部の間5を腹部と呼ぶ。
【0002】
【従来の技術】近年、新幹線に限らず在来線においても
鉄道列車の高速化が進められており、レールの使用環境
はますます苛酷になっている。曲線軌道では車輪とレー
ルのすべり摩擦による摩耗が問題となるが、熱処理によ
り硬化させた高強度レールの導入により実用上問題ない
レベルまで改善されている。
【0003】一方、直線軌道では摩耗はほとんど問題に
ならないが、近年、ダークスポット損傷、もしくは頭頂
面シェリングと呼ばれるころがり疲労損傷が散見される
ようになってきた。この損傷は車輪との接触面直下の加
工変質層が摩耗で除去されないことや、水の存在の影響
により、列車通過により疲労き裂を生じ、徐々に進展し
て顕在化するものと考えられている。この損傷は最終的
にレール折損を引き起こすケースがあり、安全運行を阻
害する要因となる。
【0004】ダークスポット損傷は、従来から使用され
てきたパーライト組織を有するレール鋼や、焼戻しマル
テンサイト組織を有するレール鋼に生じている。このダ
ークスポット損傷への対策として、レール材を多く摩耗
させることにより、疲労き裂の起点となる加工変質層を
自己除去させる方法が探索され、この特性を有する鋼材
としてベイナイト鋼レールが開発された。
【0005】本明細書では、金属組織がパーライトであ
るレールをパーライトレール、ベイナイトであるレール
をベイナイトレールと呼ぶ。ベイナイトレールは、例え
ば特開平8−92696号公報に示されているように、
質量%でC:0.15〜0.45%,Si:0.15〜
2.0%,Mn:0.3〜2%,Cr:0.5〜3%、
必要に応じてMo,Ni,Nb,V,Ti,Cuを含有
している。
【0006】一方、海外の鉱山鉄道などの重荷重軌道で
は、ころがり疲労損傷に加えて耐摩耗性も無視できない
ため、高強度化、高硬度化が必要となる。ベイナイト鋼
の硬度は高温のオーステナイト温度域から冷却される際
の変態反応の起こる温度によって左右され、より低温で
変態するほど高い硬度が得られる。変態温度を下げて高
硬度化するには、加速冷却により過冷状態を促進する
か、変態を遅延させる合金が添加される。
【0007】ところで、レールは熱間圧延後の冷却の際
に熱変形により頭部側に反り上がるため、冷却後に真っ
直ぐに矯正する必要がある。通常、レールの矯正はロー
ラー矯正により行われる。ローラー矯正は千鳥形に配列
されたローラーの間にレールを通すことによりレールに
曲げ加工を加えて、レールを真っ直ぐにする加工であ
る。この加工の際にレール頭部と底部に引張り残留応力
が生じる。残留応力は部材に荷重が負荷された際に、局
所的に応力が降伏点(耐力)を超え、塑性変形が生じる
ことによって発生する。残留応力の大きさは降伏点(耐
力)が高い鋼材ほど大きくなる。
【0008】そして、レール頭部と底部に強い引張り残
留応力が存在する場合には、特開平6−279846号
公報に説明されているように、何らかの理由でレール腹
部に脆性き裂が生じた場合、頭部は上方に反ろうとし、
底部は下方に反ろうとするモーメントが作用し、き裂を
開口させる応力状態となる。その結果、き裂は停止し難
くなり、レール頭部へき裂が進展する危険性が高まって
くる。また列車通過により、レール底部には繰り返し曲
げ応力が作用するが、これにレール底部の引張り残留応
力が重畳すると実質的な作用応力が高まり、疲労強度が
低下することが懸念される。
【0009】以上、腹部脆性き裂の進展特性と、繰り返
し曲げに対する疲労特性の点から、レール頭部と底部の
引張り残留応力は小さいこと、もしくは圧縮応力となっ
ていることが好ましい。
【0010】疲労特性を向上させる方法として、特開平
6−312216号公報にはローラー矯正の後、比較的
小径のロールにより頭頂と底面から軽圧下の冷間圧延を
行い、引張り残留応力を改善する方法が示されている。
この方法は、ローラーと接触するレール表面層にレール
内部より強い塑性変形を与え、表層直下に圧縮の残留応
力を付与するもので、生産性を損なうことなく、簡単な
装置で残留応力を改善できる利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ベイナイト鋼とパーラ
イト鋼を比較すると、図2に示すようにベイナイト鋼は
同一強度レベルのパーライト鋼に比較して耐力が高く、
伸びが大きいという特徴を持っている。このため材料を
塑性変形させるには、より大きい荷重が必要で、矯正の
際にも大きい荷重が必要になる。
【0012】また鋼材の強度、硬度が高くなるに従って
耐力も高くなる。一般的なレールの硬度はビッカース硬
度番号で300未満であるが、硬度がビッカース番号で
320以上という高強度ベイナイトレールは矯正時に高
い荷重が必要であり、矯正後のレール頭部、底部の引張
り残留応力が大きくなる。このため、腹部に溶接欠陥な
ど、何らかの理由で脆性き裂が生じた場合、き裂は進展
しやすくなる。また、列車通過の際の繰り返し応力に対
する疲労特性が低下することが推定される。
【0013】従来の残留応力制御を目的とした冷間圧延
法はパーライトレールを対象に考えられたものであり、
引張り残留応力の大きいベイナイトレールに対する適正
な加工条件を提供するものではなかった。本発明の目的
とするところは、レール頭部と底部の引張り残留応力を
軽減し、耐脆性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナ
イトレールを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
消するために開発したものであり、その要旨は次の通り
である。 (1) レール頭部およびレール底部のいずれも引張り
残留応力250MPa以下であるか、もしくは圧縮残留
応力が0MPa以上であることを特徴とする耐脆性き裂
進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレール。 (2) レール頭部表面の硬度がビッカース硬度番号3
20以上であることを特徴とする前記(1)に記載の耐
脆性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレー
ル。 (3) レール表面温度300℃以下で、レール頭頂面
およびレール底面を直径100〜600mmのローラー
により軽圧下冷間圧延することを特徴とする耐脆性き裂
進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレールの製造方
法。 (4) 軽圧下冷間圧延の圧延荷重を600kN以上と
することを特徴とする前記(3)に記載の耐脆性き裂進
展特性と疲労特性に優れたベイナイトレールの製造方
法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の限定理由について
説明する。レール頭部と底部に250MPa超の引張り
残留応力があると、何らかの理由でレール腹部に脆性き
裂が生じた時に、き裂進展が止まらず、き裂が頭部に分
岐し、レール頭部が脱落する危険性が生じる。また、列
車通過に伴うレール底部の繰り返し曲げ応力に対して
も、引張り残留応力が大きいため疲労強度が低下する。
従って、上記引張り残留応力をを250MPa以下とし
た。圧縮側残留応力についてはその上限を設けていない
が、それは圧縮残留応力による悪影響が考えられないた
めである。
【0016】また、硬度がビッカース番号で320以上
という高強度ベイナイトレールは矯正時に高い荷重が必
要であり、矯正後のレール頭部、底部の引張り残留応力
が大きくなる。このため、ビッカース硬度番号320以
上の場合には本発明の残留応力の制御が必須となり、そ
の効果も顕著となる。なおレール硬度の上限は特に規定
しないが、加速冷却や合金添加などにより、ビッカース
硬度番号470程度までは硬化させることが可能と考え
られる。
【0017】次に本発明の製造方法について説明する。
加工温度はレール頭頂面温度300℃超では、熱変形が
完全に終了していない可能性があること、鋼材の強度が
低く圧延による断面変形が大きいこと、レール部位によ
っては変態が完了していない可能性があること、などの
ため好ましくない。一方、極低温では鋼材が脆化し、低
い荷重でも鋼材が破損することがあるが、一般的なレー
ル製造での温度環境では特に問題が無いため、低温側の
温度限界については特に規定しない。好ましい加工温度
は熱変形、変態が終了し、材料強度が安定した室温範
囲、すなわち0℃〜100℃の範囲であることが望まし
い。
【0018】次に軽圧下冷間圧延の概略を図3に示す。
レール7は熱間圧延後、レール頭頂面温度300℃以下
まで冷却された後、ガイドローラー9で冷間圧延ローラ
ー8a,8bに案内され、ここで図4に示すように、レ
ール頭頂面1と、レール底面3に圧延加工が加えられ
る。冷間圧延ローラー8の直径を100〜600mmと
いう比較的小さいサイズに限定する理由は、ローラーと
接触するレール表面層にレール内部より強い塑性変形を
与えるためである。レール表面層にレール内部より強い
塑性変形を与える理由は、表面層に圧縮残留応力を付与
するためである。
【0019】ローラーの直径が100mmより小さい場
合、表面層に強い塑性変形を与えることは可能である
が、ローラー軸が細くなり、圧延荷重に耐えられなくな
るためである。この対策として冷間圧延ローラーの背面
にバックアップローラーを配備することにより、圧下荷
重の問題を解決できたとしても、設備的に高価になるわ
りには、効果はさほど変わらない。一方、ローラー径が
600mmを超えると、レール表面層よりもレール内部
に強い塑性変形が発生し、レール表面には逆に引張り残
留応力が発生してしまうため好ましくない。
【0020】レールと接触するローラー面の形状は特に
規定しないが、レールの形状とかけ離れたものは好まし
くない。圧延によりレール表面に傷を付ける危険性があ
るためである。なおロール径、ローラー面の形状は、頭
部側と底部側で同じ値を採用する必要性はなく、むしろ
加工によるレールの反りなどの作業状況に応じて変更す
ることが望ましい。
【0021】圧延荷重を増加させると、表面層の塑性加
工量は増大し、残留応力の改善効果は大きくなる。ビッ
カース硬度番号320以上の高強度ベイナイトレールは
パーライトレールに比較して耐力が高いことが影響し、
600kN未満ではレール表面層に有効な塑性変形を付
与することができず、残留応力を改善する効果は得られ
ない。荷重の上限は特に規定していないが、2000k
N以上の圧延荷重ではレールの形状変化が大きいため、
レール規格に規定された寸法公差を外れる可能性が高く
なり、実用的ではない。
【0022】冷間圧延を行う工程はローラー矯正の前、
後、もしくは途中である。ローラー矯正後に圧延する場
合、ローラー矯正によって生じた引張り残留応力を低減
する。矯正前に冷間圧延する場合、あらかじめ冷間圧延
により圧縮の残留応力を付与しておき、矯正により生じ
る残留応力を軽減する。ローラー矯正の途中で圧延する
のは、千鳥形に配置された矯正ローラーに圧延用小型ロ
ーラーを組み込む方法であるが、その作用、効果はロー
ラー矯正前の圧延と同じである。
【0023】
【実施例】以下、本発明による実施例について説明す
る。使用したレール鋼材の化学組成は質量%で、C:
0.35%、Si:0.17%、Mn:1.23%、C
r:1.05%、Mo:0.11%、残部がFeおよび
不可避不純物からなり、金属組織がベイナイトを呈す
る。圧延後の高温域からの冷却速度を変えることによ
り、レール頭頂面下5mmにおける硬度がビッカース番
号で、A材は290、B材は350に作り別けた2鋼種
を使った。レールのサイズはJIS60レールとした。
【0024】冷間圧延加工は図5に示すように、ローラ
ー矯正の後面で行った。冷間圧延ロールの直径Dは上下
とも300mmφとした。頭部側圧延ロールの曲率半径
H はフラットとした。一方、レール底面形状は規格に
より凸状が許されておらず、圧延によりフラットないし
凹状に作られる。この底面を確実に圧下するために、底
部側圧延ロールには600mmの曲率半径RB を設け
た。
【0025】圧延加工による残留応力改善効果の評価
は、ソーカット試験法と呼ばれるロシアGOST規格で
提案された残留応力試験法を用いた。この試験法は、矯
正済みのレール腹部に3mm厚の鋸歯により、レール端
からレール長手方向に450mmの水平スリットを加工
し、レール端部における開口量を測定する方法である。
ソーカット試験において、頭部と底部の残留応力が引張
りであると、頭部は上方に、底部は下方に反ろうとする
ため、スリット端の開口量は増加する。このような残留
応力分布を持つレールの腹部に、何らかの理由で脆性き
裂が発生すると、き裂を開こうとするモーメントが作用
するため、き裂は長く進展する。
【0026】逆に頭部と底部に圧縮残留応力があるレー
ルにソーカット試験を行うと、頭部は下方に、底部は上
方に反ろうとするためレール端での開口量は減少する。
このような残留応力分布を持つレールの場合、腹部に何
らかの理由で脆性き裂が発生しても、き裂を閉じようと
するモーメントが作用するため、き裂は進展し難い。ソ
ーカット試験における開口量は小さいほど腹部に脆性き
裂が生じた場合の進展は少なく、レールとしての安全性
が高い。ソーカット試験における開口量は3mm以下が
好ましいとされている。
【0027】表1にソーカット試験の結果を示す。実施
例1は鋼材Bに対し圧延荷重120t、加工温度20℃
で行った結果であり、ソーカット試験における開口量は
−2.2mmと良好であった。実施例2は鋼材Bに対し
圧延荷重100t、加工温度20℃で行った結果であ
り、ソーカット試験における開口量は−1.6mmと良
好であった。実施例3は鋼材Bに対し圧延荷重60t、
加工温度20℃で行った結果であり、ソーカット試験に
おける開口量は2.6mmと良好であった。実施例4は
鋼材Bに対し圧延荷重80t、加工温度280℃で行っ
た結果であり、ソーカット試験における開口量は2.9
mmと良好であった。ただしレール断面の変形が増加
し、レール高さの寸法公差範囲内ではあるが下限値に達
しており、これ以上の高温域での加工は寸法不合格の生
じる危険性が推察された。
【0028】実施例5は鋼材Aに対し圧延荷重100
t、加工温度20℃で行った結果であり、ソーカット試
験における開口量は−2.9mmと良好であった。実施
例6は鋼材Aに対し圧延荷重80t、加工温度20℃で
行った結果であり、ソーカット試験における開口量は−
1.4mmと良好であった。実施例7は鋼材Aに対し圧
延荷重60t、加工温度20℃で行った結果であり、ソ
ーカット試験における開口量は−0.1mmと良好であ
った。実施例8は鋼材Aに対し圧延荷重40t、加工温
度20℃で行った結果であり、ソーカット試験における
開口量は2.5mmと良好であった。
【0029】比較例1は鋼材Bを矯正ままで評価した結
果であり、ソーカット試験における開口量は7.7mm
と大きい。比較例2は強度の高い鋼材Bに対し圧延荷重
10t、加工温度20℃で行った結果であり、ソーカッ
ト試験における開口量は5.9mmと大きい。圧延荷重
が低く十分に表面層に塑性加工が入らず、引張り残量応
力が改善されていない。比較例3は強度の高い鋼材Bに
対し圧延荷重30t、加工温度20℃で行った結果であ
り、ソーカット試験における開口量は4.2mmと大き
い。圧延荷重が低く十分に表面層に塑性加工が入らず、
引張り残量応力が改善されていない。比較例4は強度の
高い鋼材Bに対し圧延荷重80t、加工温度350℃で
行った結果であり、ソーカット試験における開口量は
1.1mmと良好であったが、レール高さ寸法が公差下
限以下となり、形状不合格となった。これは加工温度が
高すぎるため、圧延による加工量が大きかったためであ
る。比較例5は鋼材Aを矯正ままで評価した結果であ
り、ソーカット試験における開口量は6.2mmと大き
い。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上の通り、本発明はレール頭部と底部
の引張り残留応力の軽減により、耐脆性き裂進展特性と
疲労特性に優れたベイナイトレールを提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レール各部の名称を示す図である。
【図2】レールの伸びに対する荷重を示す図である。
【図3】本発明の軽圧下冷間圧延工程の概略を示す側面
図である。
【図4】図3の冷間圧延ロール8a,8b部位における
正面図である。
【図5】本発明の軽圧下冷間圧延工程の実施例を示す側
面図である。
【符号の説明】
1:レール頭頂面 2:レール頭部 3:レール底面 4:レール底部 5:レール腹部 6:レール首部 7:レール 8:冷間圧延ロール 8a:頭部冷間圧延ロール 8b:底部冷間圧延ロール 9:ガイドローラー 10:矯正ローラー RH :頭部側ロールの曲率半径 RB :底部側ロールの曲率半径 D :ロール径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒木 俊哉 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4E002 AC06 BC06 BC07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール頭部およびレール底部のいずれも
    引張り残留応力250MPa以下であるか、もしくは圧
    縮残留応力が0MPa以上であることを特徴とする耐脆
    性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレール。
  2. 【請求項2】 レール頭部表面の硬度がビッカース硬度
    番号320以上であることを特徴とする請求項1に記載
    の耐脆性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレ
    ール。
  3. 【請求項3】 レール表面温度300℃以下で、レール
    頭頂面およびレール底面を直径100〜600mmのロ
    ーラーにより軽圧下冷間圧延することを特徴とする耐脆
    性き裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレールの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 軽圧下冷間圧延の圧延荷重を600kN
    以上とすることを特徴とする請求項3に記載の耐脆性き
    裂進展特性と疲労特性に優れたベイナイトレールの製造
    方法。
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