JP2001241307A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

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JP2001241307A
JP2001241307A JP2000391282A JP2000391282A JP2001241307A JP 2001241307 A JP2001241307 A JP 2001241307A JP 2000391282 A JP2000391282 A JP 2000391282A JP 2000391282 A JP2000391282 A JP 2000391282A JP 2001241307 A JP2001241307 A JP 2001241307A
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Kazumi Ogawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の始動時におけるベーンによる打音
の発生及び始動不良を確実に防止しつつ、その可変制御
領域を拡大させることができる弁開閉時期制御装置を提
供すること。 【解決手段】 ベーン70が遅角用室R2の容積を最小
とする最大進角位置から進角用室R1の容積を最小とす
る最大遅角位置への回転部材(内部ロータ20)と回転
伝達部材(外部ロータ30等)の相対回転を、流体圧室
R0の略中間にベーンが位置する内燃機関の始動時対応
位置にて規制すると共に、遅角用室へ印加される流体圧
によってその規制を解除する第1相対回転規制手段(第
1ロックピン82)と、最大遅角位置から最大進角位置
への回転部材と回転伝達部材の相対回転を始動時対応位
置にて規制すると共に、進角用室へ印加される流体圧に
よってその規制を解除する第2相対回転規制手段(第2
ロックピン80)を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁装
置において吸排気弁の開閉時期を制御するために使用さ
れる弁開閉時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の弁開閉時期制御装置の1つとし
て、カムシャフトと共に回転する回転部材に所定範囲で
相対回転可能に外装されクランクシャフトのクランクス
プロケット又はプーリからの回転動力が伝達されると共
に内周部に凹部を有する回転伝達部材と、回転部材に設
けられた複数のベーンと、凹部と回転部材との間に形成
されベーンによって進角用室と遅角用室とに二分される
複数の流体圧室と、進角用室に流体を給排する第1流体
通路と、遅角用室に流体を給排する第2流体通路と、回
転部材と回転伝達部材の相対位相が所定の位相である時
に回転部材と回転伝達部材の相対位相を規制する相対位
相規制機構とを備えたものがあり、例えば特開平1−9
2504号公報や特開平9−250310号公報に開示
されている。
【0003】上記した各公報に開示されている弁開閉時
期制御装置においては、第1流体通路を介して進角用室
へ作動流体を供給すると共に第2流体通路を介して遅角
用室から作動油を排出することにより、回転部材が回転
伝達部材に対してベーンが凹部の進角側の周方向端面に
当接する最大進角位置までの任意な位置に進角方向へ回
転して弁開閉時期が進角され、第2流体通路を介して遅
角用室へ作動流体を供給すると共に第1流体通路を介し
て進角用室から作動油を排出することにより、回転部材
が回転伝達部材に対してベーンが凹部の遅角側の周方向
端面に当接する最大遅角位置までの任意な位置に遅角方
向へ回転して弁開閉時期が遅角される。
【0004】また、上記した各公報に開示されている弁
開閉時期制御装置においては、内燃機関の運転中、カム
シャフトに作用する変動トルクにより回転部材には常に
遅角方向への力が作用しており、内燃機関の停止時に流
体圧室への作動油の供給が停止されると、流体圧室の油
圧によってベーンを保持できなくなり、回転部材は回転
伝達部材に対して遅角方向へ回転し(クランクシャフト
が完全に停止するまでの間)、回転部材と回転伝達部材
は停止直前の両者の相対位相に応じた相対位相で停止す
る。この状態にて内燃機関が始動されると、上記した遅
角方向への力により回転部材は回転伝達部材に対して遅
角方向へ回転し、ベーンが凹部の遅角側の周方向端面に
当接する最大遅角位置での位相となる。この状態にて内
燃機関が始動されると、流体圧室の油圧が上昇し該油圧
によりベーンを保持することができるようになるまでは
不安定な状態となり、カムシャフトに作用する変動トル
クによってベーンが振動し、凹部の周方向端面と繰り返
して衝突して打音が生じたりするので、これを回避する
ために、相対位相規制機構により回転部材と回転伝達部
材との相対位相が最大遅角位置にて規制されるようにな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関の
高速回転域では、ピストンが上死点に向かい始めても、
吸気が慣性により更にシリンダ内へ入り込もうとするた
め、吸気弁の閉時期を遅らせることにより体積効率が向
上して内燃機関の出力向上を図ることができることが知
られている。
【0006】しかしながら、上記した各公報に開示され
る弁開閉時期制御装置を吸気弁の開閉時期を制御するた
めに用いる場合には、最大遅角位置での弁開閉時期は、
上記したように内燃機関の始動時に吸気が可能な時期に
設定される必要があるため、高速回転域において吸気弁
の閉時期を遅らせて吸気の慣性による体積効率の向上を
図ることができない。これは、最大遅角位置での弁開閉
時期を吸気の慣性による体積効率の向上が可能な時期に
設定すると、最大遅角位置での内燃機関の始動時に、ピ
ストンが下死点を過ぎ上死点に向かい始めても吸気弁が
開いていて、また吸気に慣性がないため、一度吸入した
吸気が逆流して排出してしまい、圧縮比が上がらずに、
燃焼ができない状態が発生し、内燃機関の始動が困難と
なるからである。尚、この問題は、最大遅角位置での弁
開閉時期を吸気の慣性による体積効率の向上が可能な時
期に設定しなくても、上記した各公報に開示される弁開
閉時期制御装置のように、最大遅角位置での弁開閉時期
を始動時に吸気が可能な時期に設定した場合であって
も、吸気弁の閉時期がピストンの下死点後に設定されて
いると、気圧の低い高所等では発生しやすい。
【0007】また、上記した各公報に開示される弁開閉
時期制御装置を排気弁の開閉時期を制御するために用い
る場合にも、排気弁の閉時期を同様に遅らせると、吸気
弁と排気弁のオーバーラップ期間が長くなり、内部EG
R量(排気ガス再循環量)が増大して内燃機関の始動性
の低下を招く。
【0008】これら問題を解消すべく、回転部材と回転
伝達部材との相対位相が吸気の慣性による体積効率の向
上が可能な弁開閉時期に対応する最大遅角位置よりも所
定角度だけ進角した中間位置にて相対位相規制機構によ
り規制されるようにした装置が特開平9−324613
号公報に提案されている。しかしながら、この装置にお
いては、内燃機関の停止時に上記したように回転部材が
回転伝達部材に対して遅角方向へ回転する際、回転部材
と回転伝達部材の相対位相が所定の中間位置になるのは
一瞬であるため、相対位相規制機構により所定の中間位
置に回転部材と回転伝達部材の相対位相を規制すること
ができない場合があり、内燃機関の始動不良及び内燃機
関の始動時におけるベーンと回転伝達部材の凹部の周方
向端面との衝突による打音の発生を確実に防止すること
はできない。
【0009】それゆえ、本発明は、内燃機関の始動時に
おけるベーンによる打音の発生及び始動不良を確実に防
止しつつ、その可変制御領域を拡大させることができる
弁開閉時期制御装置を提供することを、その課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の技術的手段は、内燃機関のクランクシ
ャフト又はカムシャフトの一方と共に回転する回転部材
と、該回転部材に所定範囲で相対回転可能に外装され前
記クランクシャフト又は前記カムシャフトの他方と共に
回転する回転伝達部材と、前記回転部材に設けられたベ
ーンと、前記回転部材と前記回転伝達部材との間に形成
され前記ベーンによって進角用室と遅角用室とに二分さ
れる流体圧室とを備え、前記進角用室及び前記遅角用室
へ印加される流体圧によって前記回転部材と前記回転伝
達部材が相対回転し、前記クランクシャフトの回転位相
に対する前記カムシャフトの回転位相が変更させられる
ことによって前記カムシャフトにより駆動される弁の開
閉時期を変更する弁開閉時期制御装置において、前記回
転部材と前記回転伝達部材の相対回転を、前記遅角用室
の容積を最小とする最大進角位置と前記進角用室の容積
を最小とする最大遅角位置との間の略中間に前記ベーン
が位置する前記内燃機関の始動時対応位置から前記最大
遅角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回
転を規制する第1相対回転規制手段と、前記始動時対応
位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前記回転
伝達部材の相対回転を規制する第2相対回転規制手段と
を設けたことである。
【0011】上記した手段によれば、内燃機関の停止時
に流体圧室への作動流体の供給が停止されると、流体圧
室の流体圧によってベーンを保持できなくなり、回転部
材は回転伝達部材に対して遅角方向へ回転するものの、
内燃機関の始動時には第1及び第2相対回転規制手段に
より回転部材と回転伝達部材の相対位相がベーンが流体
圧室の略中間に位置される始動時対応位置にあるときの
相対位相に保持される。これにより、内燃機関の始動時
にベーンが流体圧室の周方向端面に衝突して打音が発生
するのが的確に防止される。
【0012】また、内燃機関の始動時の弁開閉時期がベ
ーンの始動時対応位置における回転部材と回転伝達部材
の相対位相時に得られるので、最大遅角位置では始動時
対応位置での相対位相時よりも更に弁の開閉時期を遅ら
せることができ、吸気の慣性を利用して体積効率の向上
を図ることが可能となると共に、始動時の弁開閉時期を
進角させることができ、圧縮比低下による内燃機関の始
動不良を防止することが可能となる。
【0013】また、上記した手段においては、前記第1
相対回転規制手段は前記最大進角位置から前記最大遅角
位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転
を、前記流体圧室の略中間に前記ベーンが位置する前記
内燃機関の始動時対応位置にて規制すると共に、前記遅
角用室へ印加される流体圧によってその規制が解除さ
れ、第2相対回転規制手段は前記最大遅角位置から前記
最大進角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相
対回転を前記始動時対応位置にて規制すると共に、前記
進角用室へ印加される流体圧によってその規制を解除す
るように構成することができる。
【0014】また、上記した手段においては、前記第1
相対回転規制手段は前記最大進角位置から前記最大遅角
位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転
を、前記流体圧室の略中間に前記ベーンが位置する前記
内燃機関の始動時対応位置にて規制すると共に、前記遅
角用室と前記進角室とに印加される流体圧によってその
規制が解除され、第2相対回転規制手段は前記最大遅角
位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前記回転
伝達部材の相対回転を前記始動時対応位置にて規制する
と共に、前記進角用室と前記遅角室とに印加される流体
圧によってその規制を解除するように構成することもで
きる。
【0015】また、上記した手段においては、前記第1
相対回転規制手段は前記最大進角位置から前記最大遅角
位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転
を、前記流体圧室の略中間に前記ベーンが位置する前記
内燃機関の始動時対応位置にて規制すると共に、前記遅
角用室と前記進角室とに印加される流体圧によってその
規制が解除され、第2相対回転規制手段は前記最大遅角
位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前記回転
伝達部材の相対回転を前記始動時対応位置にて規制する
と共に、前記進角用室と前記遅角室とに印加される流体
圧によってその規制を解除されること、前記第1相対回
転規制手段は、前記回転部材または前記回転伝達部材の
一方にばね付勢されて収容される第1規制部材と、前記
回転部材または前記回転伝達部材の他方に形成されて前
記第1規制部材が嵌入することで前記回転部材と前記回
転伝達部材の前記始動時対応位置から前記最大進角位置
への相対回転を許容し、前記始動時対応位置から前記最
大遅角位置への相対回転を規制する第1規制溝とを有
し、前記第2相対回転規制手段は、前記回転部材または
前記回転伝達部材の一方にばね付勢されて収容される第
2規制部材と、前記回転部材または前記回転伝達部材の
他方に形成されて前記第2規制部材が嵌入することで前
記回転部材と前記回転伝達部材の前記始動時対応位置か
ら前記最大進角位置への相対回転を規制し、前記始動時
対応位置から前記最大遅角位置への相対回転を許容する
第2規制溝とを有することが望ましい。
【0016】更に、上記した手段においては、前記回転
部材を前記回転伝達部材に対して進角側に所定の付勢力
で常時付勢する付勢部材を更に備えることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従った弁開閉時期
制御装置の第1実施形態を図面に基づき、説明する。
【0018】図1乃至図4において、弁開閉時期制御装
置は、内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に支持され
たカムシャフト10の先端部(図1の左端)に一体的に
組付けた内部ロータ20からなる回転部材と、カムシャ
フト10及び内部ロータ20に所定範囲で相対回転可能
に外装された外部ロータ30、フロントプレート40、
リアプレート50及び外部ロータ30の外周に一体的に
設けたタイミングスプロケット31から成る回転伝達部
材と、内部ロータ20に組付けた4枚のベーン80と、
フロントプレート40に組付られる第1ロックピン82
等からなる第1相対回転規制手段と、フロントプレート
40に組付けられる第2ロックピン80等からなる第2
相対回転規制手段と、回転部材と回転伝達部材間に介装
されて回転伝達部材に対して回転部材を進角側に付勢す
るトーションスプリング60(付勢部材)等によって構
成されている。尚、タイミングスプロケット31には、
周知のように、図示省略したクランクシャフトからクラ
ンクスプロケットとタイミングチェーンを介して図2の
時計方向に回転動力が伝達されるように構成されてい
る。
【0019】カムシャフト10は、吸気弁を開閉する図
示しない周知のカムを有していて、内部にはカムシャフ
ト10の軸方向に延びる進角通路11及び遅角通路12
が設けられている。進角通路11は、カムシャフト10
に設けた取付ボルト91用の取付孔内に形成されてい
て、カムシャフト10に設けた径方向の通路及び環状溝
14とシリンダヘッドに設けた接続通路16を通して制
御弁100の接続ポート101に接続されている。遅角
通路12は、カムシャフト10に設けた径方向の通路及
び環状溝13とシリンダヘッドに設けた接続通路15を
介して制御弁100の接続ポート102に接続されてい
る。
【0020】制御弁100は、ソレノイド103へ通電
することによりハウジング内に軸方向に移動可能に嵌挿
されたスプール104をスプリング105に抗して図1
の左方向へ移動できるものであり、非通電時には当該内
燃機関によって駆動されるオイルポンプ110に接続さ
れた供給ポート106が接続ポート102に連通すると
共に、接続ポート101が排出ポート107に連通する
ように、また通電時には供給ポート106が接続ポート
101に連通すると共に、接続ポート102が排出ポー
ト107に連通するように構成されている。このため、
制御弁100のソレノイド103の非通電時には遅角通
路12に作動油が供給され、ソレノイド103の通電時
には進角通路11に作動油が供給され、ソレノイド10
3への通電が図示しない制御装置によりデューティ制御
される。
【0021】内部ロータ20は、単一の取付ボルト91
によってスペーサ90を介してカムシャフト10に一体
的に固着されていて、4枚の各ベーン70を夫々径方向
に移動可能に取り付けるためのベーン溝21を有すると
共に、各ベーン70によって区画された進角用室R1
(図2において左上のものを除く)に進角通路11から
作動油を給排するように進角通路11と各進角用室R1
を内部ロータ20の内孔とボルト91間に形成される通
路を介して連通する通路24と、カムシャフト10の先
端面に対向する側の一端面に形成され遅角通路12に連
通する環状溝20aと、該環状溝20aから軸方向に他
端面側に延びる4つの通路25と、各ベーン70によっ
て区画された遅角用室R2に遅角通路12から作動油を
環状溝20a及び通路25を通して給排するように各通
路25と各遅角用室R2(図2において左下のものを除
く)を連通する通路27とを有している。尚、各ベーン
70は、ベーン溝21の底部に収容したベーンスプリン
グ71によって径方向外方に付勢されている。
【0022】また、内部ロータ20の他端面側には、内
部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が後述する内
燃機関の始動時に対応する相対位相から後述する最大進
角位置に対応する相対位相の間にある時に第2ロックピ
ン80の頭部が所定量嵌入されるように周方向に延びる
第2規制溝23c(図3参照)と、内部ロータ20と外
部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する
相対位相から後述する最大遅角位置に対応する相対位相
の間にある時に第1ロックピン82の頭部が所定量嵌入
されるように周方向に延びる第1規制溝26c(図7参
照)とが形成されている。内部ロータ20の回転方向側
(進角側)の第2規制溝23cの端部は、内部ロータ2
0の外周面に開口されており、また内部ロータ20の反
回転方向側の端部は、内部ロータ20の外周面に開口さ
れている。
【0023】更に、内部ロータ20には、内部ロータ2
0の内孔とボルト91間に形成される通路から径方向外
方に延び、内部ロータ20の外周面に開口する通路23
aと、該通路23aと第2規制溝23cを連通する通路
23bと、図2において左下の通路25から径方向外方
に延び、内部ロータの外周面に開口する通路26aと、
該通路26aと第1規制溝26cを連通する通路26b
とが形成されている。尚、通路23bは、内部ロータ2
0の反回転方向側の第2規制溝23cの端部の底部に開
口するように形成されており、通路26bは、内部ロー
タ20の回転方向側の第1規制溝26cの端部の底部に
開口するように形成されている。また、第2規制溝23
cの底部には、内部ロータ20の反回転方向側にて通路
23bに連通され、周方向に延びる溝23dが形成され
ており、第1規制溝26cの底部には、内部ロータ20
の回転方向側にて通路26bに連通され、周方向に延び
る溝26dが形成されている。
【0024】外部ロータ30は、内部ロータ20の外周
に所定範囲で相対回転可能に組付けられていて、その両
側にはフロントプレート40とリアプレート50が接合
され、5本の連結ボルト92によって一体的に連結され
ている。また、外部ロータ30の内周には所定の周方向
間隔で4個の突部32が径方向内方に向けて夫々突出形
成されていて、これら突部32の内周面が内部ロータ2
0の外周面に摺接する構成で外部ロータ30が内部ロー
タ20に回転自在に支承されている。フロントプレート
40には、第2ロックピン80と第2スプリング81を
収容する第2退避孔42と、第1ロックピン82と第1
スプリング83を収容する第1退避孔43とが、外部ロ
ータ30の軸方向に形成されている。第2退避孔42
は、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が後述
する内燃機関の始動時に対応する相対位相から後述する
最大遅角位置に対応する相対位相の間にある時に、内部
ロータ20の第2規制溝23cに対向するように位置さ
れており、第1退避孔43は、内部ロータ20と外部ロ
ータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する相対
位相から後述する最大進角位置に対応する相対位相の間
にある時に、内部ロータ20の第1規制溝26cに対向
するように位置されている。
【0025】各ベーン70は、先端の断面形状が円弧形
状であり、両プレート40、50間にて内部ロータ20
のベーン溝21に径方向に移動可能に取り付けられてい
て、外部ロータ30と、外部ロータ30の各突部32
と、内部ロータ20と、フロントプレート40と、リア
プレート50との間に形成される流体圧室R0を進角用
室R1と遅角用室R2とに二分しており、外部ロータ3
0に形成した突部32の周方向端面に1つのベーン70
が当接することにより、当該弁開閉時期制御装置により
調整される位相(内部ロータ20と外部ロータ30の所
定の相対回転範囲)が制限されるようになっている。即
ち、図11に示すように、図示左下のベーン70が突部
32の遅角側の周方向端面に当接する(最大進角位置)
ことで内部ロータ20の外部ロータ30に対する進角側
への相対回転が制限され、図14に示すように図示左上
のベーン70が突部32の進角側の周方向端面に当接す
る(最大遅角位置)ことで内部ロータ20の外部ロータ
30に対する遅角側への相対回転が制限される。
【0026】第2ロックピン80は、第2退避孔42内
に軸方向へ摺動可能に組み付けられていて、第2ロック
ピン80と第2退避孔42の底部間に介装される第1ス
プリング81によって内部ロータ20の他側面に向けて
付勢されている。また、第1ロックピン82は、第1退
避孔43内に軸方向へ摺動可能に組み付けられていて、
第1ロックピン82と第1退避孔43の底部間に介装さ
れる第2スプリング84によって内部ロータ20の他側
面に向けて付勢されている。これにより、内部ロータ2
0と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対
応する相対位相から最大遅角位置にある時の相対位相の
間になると、第2ロックピン80の頭部が第2規制溝2
3c内に嵌入し、始動時に対応する位置から最大遅角位
置への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が許
容されると共に、始動時に対応する位置から最大進角位
置への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が規
制される。また、内部ロータ20と外部ロータ30の相
対位相が内燃機関の始動時に対応する相対位相から最大
進角位置にある時の相対位相の間になると、第1ロック
ピン82の頭部が第1規制溝26c内に嵌入し、始動時
に対応する位置から最大進角位置への内部ロータ20と
外部ロータ30の相対回転が許容されると共に、始動時
に対応する位置から最大遅角位置への内部ロータ20と
外部ロータ30の相対回転が規制される。尚、内部ロー
タ20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時
に対応する相対位相にある時には、第2ロックピン80
が第2規制溝23cに嵌入すると共に、第1ロックピン
82が第1規制溝26cに嵌入して、内部ロータ20と
外部ロータ30の相対位相が保持される。
【0027】本実施形態においては、内部ロータ20か
らなる回転部材は、外部ロータ30、フロントプレート
40及びリアプレート50からなる回転伝達部材に対し
て、トーションスプリング60により常時進角方向に付
勢されている。尚、トーションスプリング60の付勢力
は、内燃機関の運転中、カムシャフト10に作用する変
動トルクの平均値(カムシャフト10を遅角側へ回転さ
せるように作用する平均トルク)相当となるように設定
されている。トーションスプリング60は、フロントプ
レート40の円筒部41と、該円筒部41に連続するよ
うに内部ロータ20の他側面に形成される環状溝内に収
容されていて、一端を円筒部41の端部に形成されるフ
ランジ部46に係止されると共に、他端を環状溝の底部
に係止されている。
【0028】また、本実施形態においては、内部ロータ
20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に
対応する相対位相にあるときに、図示しない吸気弁の開
閉時期が内燃機関の始動が可能な時期になるように設定
されている。尚、本実施形態においては、この始動時に
対応する相対位相の時、各ベーン70は、流体圧室R0
の略中間に位置され、最大遅角位置(図14参照)から
内部ロータ20が外部ロータ30に対して所定角度θだ
け進角側に相対回転(図8参照)した状態にある。
【0029】上記のように構成した本実施形態の弁開閉
時期制御装置においては、内部ロータ20と外部ロータ
30の相対位相が図8乃至図10に示す内燃機関の始動
時に対応する相対位相にある時に、内燃機関が始動され
て内燃機関によって駆動されるオイルポンプ110から
制御弁100を介して進角通路11及び遅角通路12に
第1所定圧以上の作動流体が供給されるまでは、第2ロ
ックピン80及び第1ロックピン82の各頭部が夫々第
2規制溝23c及び第1規制溝26cに嵌入されている
(図9及び図10参照)。
【0030】したがって、図示しない吸気弁の駆動の際
にカムシャフト10に作用する変動トルクによって内部
ロータ20と外部ロータ30が相対回転することが第1
及び第2ロックピン80、82によって規制されて、相
対的な回転振動を発生することがなく、かかる回転振動
に伴う打音(ベーン70と突部32との衝接音)の発生
が防止される。
【0031】制御弁100が非通電状態にあり、内燃機
関が始動してから所定時間が経過してオイルポンプ11
0から制御弁100を介して遅角通路12に第1所定圧
以上の作動流体が供給されると、通路25、通路26a
及び通路26bを介して第1規制溝26cに作動油が供
給され、第1ロックピン82がスプリング83の付勢力
に抗して退避孔43内に移動し、頭部が第1規制溝26
cから退避孔43内に退避する。一方、進角通路11は
制御弁100を介してオイル溜め120に連通されてい
るため、第2ロックピン80はスプリング81の付勢力
により頭部が第2規制溝23cに嵌入した状態に維持さ
れる。したがって、内部ロータ20が外部ロータ30に
対して始動時対応位置から最大遅角位置側に相対回転す
ることが許容される。この状態にて、オイルポンプ11
0から制御弁100を介して遅角通路12に供給される
作動流体の圧力が第2所定圧以上(第1所定圧<第2所
定圧)になり、同作動流体が、遅角通路12から環状溝
20a、通路25、27及び通路26a、26b、第1
規制溝26cを通して各遅角用室R2に供給されると共
に、各進角用室R1から各通路24及び第2規制溝23
c、通路23b、23aと進角通路11と制御弁100
等を通して作動油が排出されると、内部ロータ20と各
ベーン70が外部ロータ30等に対して遅角側に相対回
転し、この相対回転量(最大遅角量)は、図8に示す始
動時対応位置から内部ロータ20が外部ロータ30に対
して所定角度θだけ遅角側に相対回転して図14に示す
ように1つのベーン(図示左上のベーン)70が突部3
2の進角側周方向端面に当接することにより制限され
る。尚、この時には、図15及び図16に示すように、
第2ロックピン80の頭部は第2規制溝23cに嵌入
し、第1ロックピン82の頭部は第1規制溝26cに嵌
入せず、内部ロータ20の他端面に摺接している。
【0032】また、制御弁100の通電状態(ソレノイ
ド103へ供給される電流のデューティ比を高くした)
には、第2所定圧以上の作動流体が進角通路11と各通
路24、23a、23b及び第2規制溝23cを通して
各進角用室R1に供給されると共に、各遅角用室R2か
ら各通路25、26a、26b、27と遅角通路12と
制御弁100等を通して作動油が排出されると、内部ロ
ータ20と各ベーン70が外部ロータ30等に対して進
角側に相対回転する。この相対回転量(最大遅角量)
は、図11に示すように、1つのベーン70(図示左下
のベーン)が突部32の遅角側周方向端面に当接するこ
とにより制限される。尚、この時には、図12及び図1
3に示すように、第1退避孔43が第1規制溝26cに
対向した時点でスプリング83により第1ロックピン8
2の頭部は第1規制溝26cに嵌入し、第2ロックピン
80の頭部は第2規制溝23cに嵌入せず、内部ロータ
20の他端面に摺接している。
【0033】本実施形態においては、上記したように各
ベーン70は、流体圧室R0の略中間に位置され、最大
遅角位置(図14参照)から内部ロータ20が外部ロー
タ30に対して所定角度θだけ進角側に相対回転(図8
参照)した状態にある、内部ロータ20と外部ロータ3
0の所定の相対位相の時に、図示しない吸気弁の開閉時
期が内燃機関の始動が可能な時期になるように設定され
ている。そのため、この始動時対応位置からベーン70
が突部32の進角側の周方向端面に当接する最大遅角位
置までは内燃機関が始動可能な弁開閉時期よりも更に弁
の開閉時期を遅らせることができ、内燃機関の高速回転
時に、上記したように制御弁100を制御して始動時対
応位置より遅角側へ位相変換し、内燃機関の始動が困難
な時期まで図示しない吸気弁の閉時期を遅らせること
で、吸気の慣性により体積効率が向上し、内燃機関の出
力向上を図ることができる。
【0034】内燃機関の停止時には、オイルポンプ10
0の駆動が停止されて流体圧室R0への作動油の供給が
停止されると共に、制御弁100が非通電状態とされ
る。これにより、進角用室R1内の進角油圧による押圧
力と遅角用室R2内の遅角油圧による押圧力がベーン7
0に作用しなくなり、内部ロータ20及びカムシャフト
10には、カムシャフト10に作用する変動トルクによ
る上記した遅角方向への力(内燃機関のクランク軸が完
全に停止するまでの間)のみが作用しており、停止直前
の内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相に応じて
停止時の内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が
決まることになる。内燃機関の停止時の相対位相が、上
記した始動時対応位置における相対位相となった場合に
は、スプリング82、84により第1及び第2ロックピ
ン80、82の頭部が夫々第1及び第2規制溝23c、
26cに嵌入し、内部ロータ20と外部ロータ30の相
対位相が保持(ロック)される。
【0035】内燃機関の停止時の内部ロータ20と外部
ロータ30の相対位相が、図5に示すように、始動時対
応位置よりも進角側にある場合には、図6及び図7に示
すように、第2ロックピン80の頭部は第2規制溝23
cに嵌入せず、第1ロックピン82の頭部のみが第1規
制溝26cに嵌入している。したがって、内部ロータ2
0と外部ロータ30との相対回転が、始動時対応位置と
最大進角位置との間のみに規制された状態にある。この
状態にて、内燃機関の始動の際に図示しないクランクシ
ャフトがスタータに回転駆動されると、カムシャフト1
0に作用する変動トルクにより内部ロータ20は外部ロ
ータ30に対して始動時対応位置と最大進角位置との間
でのみ相対回転し、内部ロータ20と外部ロータ30と
の相対位相が始動時対応位置になった時に第2ロックピ
ン80の頭部が第2規制溝23cに嵌入される。これに
より、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が保
持(ロック)される。
【0036】また、内燃機関の停止時の内部ロータ20
と外部ロータ30の相対位相が、図2に示すように、始
動時対応位置よりも遅角側にある場合には、図3及び図
4に示すように、第2ロックピン80の頭部が第2規制
溝23cに嵌入し、第1ロックピン82の頭部は第1規
制溝26cに嵌入していない。したがって、内部ロータ
20と外部ロータ30との相対回転が、始動時対応位置
と最大遅角位置との間のみに規制された状態にある。こ
の状態にて、内燃機関の始動の際に図示しないクランク
シャフトがスタータに回転駆動されると、カムシャフト
10に作用する変動トルクにより内部ロータ20は外部
ロータ30に対して始動時対応位置と最大遅角位置との
間でのみ相対回転し、内部ロータ20と外部ロータ30
との相対位相が始動時対応位置になった時に第1ロック
ピン82の頭部が第1規制溝26cに嵌入される。これ
により、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が
保持(ロック)される。尚、オイルポンプ110より供
給される作動流体の圧力が第1所定圧以上になるまでに
は内燃機関の始動後所定時間を要するため、上記したス
タータによる回転駆動には第1及び第2ロックピンは各
規制溝にスプリングにより嵌入される。
【0037】よって、内燃機関の始動時には、大きな回
転変動を伴うカムシャフト10、内部ロータ20及び各
ベーン70等から成る回転部材と、外部ロータ30、フ
ロントプレート40及びリアプレート50等から成る回
転伝達部材の不必要な相対回転が確実に規制され、回転
部材と回転伝達部材の不必要な相対回転に伴うベーン7
0による打音の発生を確実に防止することができる。
【0038】次に、本発明に従った弁開閉時期制御装置
の第2実施形態を図面に基づき、説明する。
【0039】図17から図19は本発明の第2実施形態
を示す図面である。本第2実施形態は、上記した第1実
施形態に対して第1、第2ロックピンに供給する作動油
の油圧経路が異なるだけでそれ以外の構成は同じである
ため、第1実施形態と同じ構成、作用を有するものには
第1実施形態の番号符号に200を付した番号符号を付
し、説明を省略する。
【0040】図17は、本発明の第2実施形態のフロン
トプレート240を取り除いた図面である。図17にお
いて内側ロータ220と外側ロータ230は始動時に対
応する位置にそれぞれ位置しており、第1ロックピン2
82と、第2ロックピン280はそれぞれ第1規制溝2
26c、第2規制溝223cに嵌入して内側ロータ22
0と外側ロータ230の相対回転を規制している。
【0041】図18は図17の18―18断面図であ
る。
【0042】図18において、第1退避孔243は第1
ロックピン282の移動方向に大径部243aと小径部
243bとを有する段付孔である。第1退避孔243の
内径が変化する部分には段部が形成されている。第1退
避孔243の大径部243aは第2ロックピン282の
移動方向に対して段部の反インナーロータ220側に、
小径部243bは第1ロックピン282の移動方向に対
して段部のインナーロータ220側にそれぞれ形成され
ている。第1退避孔243のインナーロータ220側の
底部は通路226aと通路226bとを介して通路25
と連通する。
【0043】第1ロックピン282は小径部と大径部と
を有する段付形状を有する。第1ロックピンの小径部は
第1退避孔243の小径部243b内を、第1ロックピ
ン282の大径部は第1退避孔243の大径部243a
内をそれぞれ摺動可能である。
【0044】また、フロントプレート240には通路2
03、204が形成され、第1退避孔243の段部と連
通している。
【0045】図19は図17の19―19断面図であ
る。
【0046】図19において、第2退避孔242は第2
ロックピン280の移動方向に大径部242aと小径部
242bとを有する段付孔である。第2退避孔242の
内径が変化する部分には段部が形成されている。大径部
は第2ロックピン280の移動方向に対して段部の反イ
ンナーロータ220側に、小径部242bは第2ロック
ピン280の移動方向に対して段部のインナーロータ2
20側にそれぞれ形成されている。第2退避孔242の
インナーロータ220側の底部は通路223aを介して
通路223aと連通する。
【0047】第2ロックピン280は小径部と大径部と
を有する段付の円筒形状を有する。第2ロックピンの小
径部は第2退避孔の小径部142b内を、第2ロックピ
ンの大径部は第2退避孔の大径部142a内をそれぞれ
摺動可能である。
【0048】また、フロントプレート240には通路2
01、202が形成され、第2退避孔242の段部と連
通している。これにより第2ロックピン280は通路2
3a,23bを介して第2ロックピン280の小径部に
作動油が供給されるとき、遅角室R2、通路201、2
02を介して第2ロックピン280の段部に作動油が供
給されるとき、あるいはその両方に作動油が供給された
ときに第2ロックピン280はスプリングの付勢力に逆
らって第2退避孔内に退避し、インナーロータ220と
アウターロータ230の相対回転が許容される。
【0049】これにより第1ロックピン282は通路2
5a、25bを介して第1ロックピン282の小径部に
作動油が供給されるときと、遅角室R2、通路203、
204を介して第1ロックピン282の段部に作動油が
供給されるとき、あるいはその両方に作動油が供給され
たときに第1ロックピン282はスプリングの付勢力に
逆らって第1退避孔243内に退避し、インナーロータ
220とアウターロータ230の相対回転を許容するよ
うに構成されている。
【0050】以上のように、第1、第2実施形態によれ
ば、内燃機関の始動時におけるベーン70、270と突
部32、232の周方向端面との衝突による打音の発生
及び内燃機関の始動不良を防止しつつ、内燃機関の高速
回転域において体積効率の向上を図ることができる。
【0051】上記実施形態においては、吸気用のカムシ
ャフトに組付けられる弁開閉時期制御装置に本発明を実
施したが、本発明は排気用のカムシャフトに組付けられ
る弁開閉時期制御装置にも同様に実施し得るものであ
る。
【0052】また、上記した第1実施形態においては、
第2ロックピン80の規制解除を進角用室への作動流体
で行ない、第1ロックピン82の規制解除を遅角用室へ
の作動流体で行うようにしたが、両ロックピンの規制解
除のための作動流体を進角用室及び遅角用室への通路と
は異なる通路を介して供給するようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、内燃機関
の停止時に流体圧室への作動流体の供給が停止される
と、流体圧室の流体圧によってベーンを保持できなくな
り、回転部材は回転伝達部材に対して遅角方向へ回転す
るものの、内燃機関の始動時には第1及び第2相対回転
規制手段により回転部材と回転伝達部材の相対位相がベ
ーンが流体圧室の略中間に位置される始動時対応位置に
あるときの相対位相に保持される。これにより、内燃機
関の始動時にベーンが流体圧室の周方向端面に衝突して
打音が発生するのを的確に防止することができる。
【0054】また、内燃機関の始動時の弁開閉時期がベ
ーンの始動時対応位置における回転部材と回転伝達部材
の相対位相時に得られるので、最大遅角位置では始動時
対応位置での相対位相時よりも更に弁の開閉時期を遅ら
せることができ、内燃機関の高速回転時に吸気の慣性を
利用して体積効率の向上を図ることで内燃機関の出力を
向上することができると共に、始動時の弁開閉時期を進
角させることができ、圧縮比低下による内燃機関の始動
不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った弁開閉時期制御装置の第1実施
形態を示す縦断側面図である。
【図2】フロントプレート等を外した状態における図1
に示す第1実施形態のロック位置よりも遅角側で内燃機
関が停止した状態を示す正面図である。
【図3】図2の3−3断面図である。
【図4】図2の4−4断面図である。
【図5】フロントプレート等を外した状態における図1
に示す第1実施形態のロック位置よりも進角側で内燃機
関が停止した状態を示す正面図である。
【図6】図5の6−6断面図である。
【図7】図5の7−7断面図である。
【図8】フロントプレート等を外した状態における図1
に示す第1実施形態のロック状態を示す正面図である。
【図9】図8の9−9断面図である。
【図10】図8の10−10断面図である。
【図11】フロントプレート等を外した状態における図
1に示す第1実施形態の進角作動状態を示す正面図であ
る。
【図12】図11の12−12断面図である。
【図13】図11の13−13断面図である。
【図14】フロントプレート等を外した状態における図
1に示す第1実施形態の遅角作動状態を示す正面図であ
る。
【図15】図14の15−15断面図である。
【図16】図14の16−16断面図である。
【図17】フロントプレート等を外した状態における第
2実施形態のロック状態を示す正面図である。
【図18】図17の18−18断面図である。
【図19】図17の19−19断面図である。
【符号の説明】
10、210 カムシャフト 11、211進角通路 12、212遅角通路 20、220 内部ロータ(回転部材) 23c、223c 第2規制溝(第2相対回転規制手
段) 26c、226c 第1規制溝(第1相対回転規制手
段) 30、230 外部ロータ(回転伝達部材) 40、240 フロントプレート(回転伝達部材) 42、242 第2退避孔 43、243 第1退避孔 50、250 リアプレート(回転伝達部材) 70、270 ベーン 80、280 第2ロックピン(第2相対回転規制手
段) 82、282 第1ロックピン(第1相対回転規制手
段) 100 制御弁 110 オイルポンプ R0 流体圧室 R1 進角用室 R2 遅角用室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフト又はカムシ
    ャフトの一方と共に回転する回転部材と、該回転部材に
    所定範囲で相対回転可能に外装され前記クランクシャフ
    ト又は前記カムシャフトの他方と共に回転する回転伝達
    部材と、前記回転部材に設けられたベーンと、前記回転
    部材と前記回転伝達部材との間に形成され前記ベーンに
    よって進角用室と遅角用室とに二分される流体圧室とを
    備え、前記進角用室及び前記遅角用室へ印加される流体
    圧によって前記回転部材と前記回転伝達部材が相対回転
    し、前記クランクシャフトの回転位相に対する前記カム
    シャフトの回転位相が変更させられることによって前記
    カムシャフトにより駆動される弁の開閉時期を変更する
    弁開閉時期制御装置において、前記回転部材と前記回転
    伝達部材の相対回転を、前記遅角用室の容積を最小とす
    る最大進角位置と前記進角用室の容積を最小とする最大
    遅角位置との間の略中間に前記ベーンが位置する前記内
    燃機関の始動時対応位置から前記最大遅角位置への前記
    回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を規制する第1
    相対回転規制手段と、前記始動時対応位置から前記最大
    進角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回
    転を規制する第2相対回転規制手段とを設けたことを特
    徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1相対回転規制手段は前記最大進
    角位置から前記最大遅角位置への前記回転部材と前記回
    転伝達部材の相対回転を、前記流体圧室の略中間に前記
    ベーンが位置する前記内燃機関の始動時対応位置にて規
    制すると共に、前記遅角用室へ印加される流体圧によっ
    てその規制が解除され、第2相対回転規制手段は前記最
    大遅角位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前
    記回転伝達部材の相対回転を前記始動時対応位置にて規
    制すると共に、前記進角用室へ印加される流体圧によっ
    てその規制を解除されることを特徴とする請求項1に記
    載の弁開閉時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1相対回転規制手段は前記最大進
    角位置から前記最大遅角位置への前記回転部材と前記回
    転伝達部材の相対回転を、前記流体圧室の略中間に前記
    ベーンが位置する前記内燃機関の始動時対応位置にて規
    制すると共に、前記遅角用室と前記進角室とに印加され
    る流体圧によってその規制が解除され、第2相対回転規
    制手段は前記最大遅角位置から前記最大進角位置への前
    記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を前記始動時
    対応位置にて規制すると共に、前記進角用室と前記遅角
    室とに印加される流体圧によってその規制を解除される
    ことを特徴とする請求項1に記載の弁開閉時期制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1相対回転規制手段は、前記回転
    部材または前記回転伝達部材の一方にばね付勢されて収
    容される第1規制部材と、前記回転部材または前記回転
    伝達部材の他方に形成されて前記第1規制部材が嵌入す
    ることで前記回転部材と前記回転伝達部材の前記始動時
    対応位置から前記最大進角位置への相対回転を許容し、
    前記始動時対応位置から前記最大遅角位置への相対回転
    を規制する第1規制溝とを有し、前記第2相対回転規制
    手段は、前記回転部材または前記回転伝達部材の一方に
    ばね付勢されて収容される第2規制部材と、前記回転部
    材または前記回転伝達部材の他方に形成されて前記第2
    規制部材が嵌入することで前記回転部材と前記回転伝達
    部材の前記始動時対応位置から前記最大進角位置への相
    対回転を規制し、前記始動時対応位置から前記最大遅角
    位置への相対回転を許容する第2規制溝とを有すること
    を特徴とする請求項2または3に記載の弁開閉時期制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記回転部材を前記回転伝達部材に対し
    て進角側に所定の付勢力で常時付勢する付勢部材を更に
    備えることを特徴とする請求項1乃至4に記載の弁開閉
    時期制御装置。
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