JP2001241191A - 梁の補強部材およびこれを用いた梁の補強方法 - Google Patents

梁の補強部材およびこれを用いた梁の補強方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FRP材を用いて梁の外側形状に沿うように
所定厚みをもった型材として構成することにより、梁の
曲げ剛性をも高めることができる梁の補強部材およびこ
れを用いた梁の補強方法を提供する。 【解決手段】 梁11の側面11a,11bに沿う方向
に配置されるウエブ10aと、梁11の下面11cに沿
う方向に配置される第1フランジ10bと、この第1フ
ランジ10bと所定間隔δを設けて平行に配置される第
2フランジ10cとを備えて、全体として断面F字状の
FRP材で一体に形成する。そしてこの補強部材10
を、梁11を挟んでその両側に対向配置するとともに、
それぞれのウエブ10aを梁11の両側面11a,11
bに、かつ、それぞれの第1フランジ10bを梁11の
下面11cに接着剤12を介して貼り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梁を補強するため
の補強部材およびこれを用いた梁の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既存建物の耐震対策として、柱や梁等の
構造部材の外側に補強部材を取り付ける方法がある。こ
の補強部材としては従来の鉄骨材等に代えて、近年では
軽量で高強度のFRP(繊維強化樹脂)材が注目されつ
つある。このFRPを用いた補強部材は、炭素繊維やガ
ラス繊維等の強化繊維をメッシュ状に編成し、このメッ
シュ状強化繊維に樹脂を含浸させて、シート状あるいは
薄板状として形成される。このようなシート状補強部材
を、例えば既存梁の外側に接着剤によって貼り付けるこ
とにより、梁強度を増大することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のFRPシートを用いた補強部材にあっては、メッ
シュ状に編成された強化繊維がその縦横方向に大きな引
張り強度を発揮するが、該補強部材がシート(薄板状)
であるためその剛性が低いものとなっている。従って、
上記FRPシートを既存梁に貼り付けた場合は、該既存
梁の強度(耐力)をある程度増加させることができるも
のの、該既存梁のたわみ変形に対しては曲げ剛性を高め
る顕著な効果を望むことはできないという課題があっ
た。
【0004】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、FRP材を用いて梁の外側形状に沿
うように所定厚みをもった型材として構成することによ
り、梁の曲げ剛性をも高めることができる梁の補強部材
およびこれを用いた梁の補強方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の梁の補強部材は、梁の側面に沿うウエブ
と、梁の下面に沿う第1フランジと、この第1フランジ
と所定間隔を設けて平行に配置される第2フランジとを
備えて、全体として断面F字状のFRP材で一体に形成
したことを特徴とする。
【0006】この構成では、補強部材が断面F字状の型
材となっており、ウエブを梁の側面に取り付けるととも
に、第1フランジを梁の下面に取り付けることにより、
上記補強部材を梁の外側形状に沿った状態で取付けるこ
とができる。このため、上記補強部材が梁から大きく突
出するのを防止でき、既存梁を補強した場合に本来の階
高の減少が最小限に抑制される。また、このように補強
部材が梁の外側形状に沿って取付けられるにもかかわら
ず、該梁の下面に対応する部分には第1フランジに加え
て第2フランジが設けられることにより、該補強部材の
曲げ剛性を決定する断面係数や断面2次モーメントなど
の断面性能を増大させることができる。更に、補強部材
が軽量なFRP材であるため、自重による既存構造物へ
の影響も少ない。
【0007】また、本発明の補強部材を用いた梁の補強
方法は、梁の側面に沿うウエブと、梁の下面に沿う第1
フランジと、この第1フランジと所定間隔を設けて平行
に配置される第2フランジとを備えて、全体として断面
F字状にFRP材で一体に形成された補強部材を、梁を
挟んでその両側に対向配置するとともに、それぞれのウ
エブを梁の両側面に、かつ、それぞれの第1フランジを
梁の下面に接着剤を介して貼り付けたことを特徴とす
る。
【0008】この方法は、請求項1に示す補強部材を梁
に取り付ける補強方法であって、該補強部材を梁の両側
に対を成して取り付けるようにして、第1フランジ同士
および第2フランジ同士によってほぼ梁の下面を覆うよ
うにしている。そして、ウエブおよび第1フランジがそ
れぞれ接着剤を介して梁に取付けられることにより、該
補強部材を、大きな接着面積を確保しつつその全体に亘
って一様に梁と一体化することができる。
【0009】更に、上記補強部材を梁の長さ方向に沿っ
て複数配列するとともに、これら補強部材の繋ぎ目位置
を梁の両側でずらすことが好ましい。成形性や運搬性の
関係上、補強部材は梁長より短い長さで通常形成される
が、この短尺となった補強部材は複数を梁の長さ方向に
沿って配列することにより、長尺の梁の全長を覆うよう
にして取り付けることができる。この場合、補強部材の
繋ぎ目部分の補強効果が懸念されるが、本方法では、該
繋ぎ目位置を梁の両側でずらすようにしていて、これに
より梁の一方の側の繋ぎ目の反対側に、梁の他方の側の
補強部材の一般部分を位置させることができる。
【0010】更にまた、上記ウエブを上記梁にボルト締
結するとともに、互いに対向する上記第1,第2フラン
ジ間にボルト締結力を作用させることが好ましい。この
方法では、補強部材は、ウエブと、第1,第2フランジ
との上下2箇所でボルトを介して締め付け固定されるた
め、梁の側面に接着されるウエブの接着性が高められ
る。
【0011】また、上記第1フランジと上記第2フラン
ジとの間に形成される空間部分に耐火被覆材を充填する
ことが好ましい。この方法では、火災が発生した場合
に、梁の曲げ、すなわちたわみ変形を受けるという意味
において梁の補強で最も重要な第1フランジに当該火災
の影響が及ぶことを防止して、補強性能が劣化すること
を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図3は本発明の
梁の補強部材およびこれを用いた梁の補強方法の一実施
形態を示し、図1は補強部材の斜視図、図2は補強部材
の取付け状態を示す縦断面図、図3は補強部材の取付け
状態を示す底面図である。
【0013】本発明の補強部材10は特に既存梁11に
取付けられて、階高の減少を抑制しつつ梁の曲げ剛性を
高めるようにしたもので、その基本とする構造は、梁1
1の側面11a,11bに沿う方向に配置されるウエブ
10aと、梁11の下面11cに沿う方向に配置される
第1フランジ10bと、この第1フランジ10bと所定
間隔δを設けて平行に配置される第2フランジ10cと
を備えて、全体として断面F字状のFRP材で一体に形
成されている。
【0014】また、その補強部材10を用いた基本的な
補強方法としては、該補強部材10の第1,第2フラン
ジ10b,10cのウエブ10aからの突出幅W1を梁
幅W2の半分以下とし、該補強部材10を梁11の両側
に突き合わせ状態で対向配置するとともに、それぞれの
ウエブ10aを梁11の両側面11a,11bに、か
つ、それぞれの第1フランジ10bを梁11の下面11
cに接着剤12を介して取り付けることにある。
【0015】即ち、本実施形態の補強部材10は図1に
示すように、例えば炭素繊維など一般周知のさまざまな
高強度繊維材が適用されるFRP(繊維強化樹脂)材に
よって形成され、該補強部材10は図2に示すように既
存梁11の両側を挟んで1対設けられ、それぞれの補強
部材10が対向配置される。上記補強部材10は、鉛直
方向に配置されるウエブ10aと、該ウエブ10aの下
端部の片側に水平方向を指向して平行配置される第1フ
ランジ10bおよび第2フランジ10cとを備える。こ
の場合、第1フランジ10bは上方に配置され、第2フ
ランジ10cは下方に配置され、両者間に所定の間隔δ
が設けられる。そして、これらウエブ10aおよび第
1,第2フランジ10b,10cはFRP材で形成され
る。また、これら補強部材10はそれぞれに所定の厚み
を持たせるために、強化繊維を複数層に積層しつつ樹脂
を含浸することなどにより厚肉化して形成され、該補強
部材10は全体として断面F字状の型材として形成され
る。
【0016】上記ウエブ10aは、図1,図2に示した
ようにこれの上端と第1フランジ10bとの間の高さH
1が、上記既存梁11の梁せいH2と略等しくなるように
形成される一方、上記第1,第2フランジ10b,10
cの突出幅W1が、上記既存梁11の幅W2の略半分(こ
の場合、半分以下であればよい。)となるように形成さ
れる。また、補強部材10は上記既存梁11の長さより
短い長さLを単位長さとして形成される。
【0017】そして、上記補強部材10は図2に示した
ように既存梁11の両側に1対配置され、それぞれの第
1,第2フランジ10b,10cの先端が相互に向かい
合うようにして配置され、それぞれのウエブ10aは既
存梁11の両側面11a,11bに接着剤12を介して
貼り付けられるとともに、第1フランジ10bは既存梁
11の下面11cに接着剤12を介して貼り付けられ
る。
【0018】また、上記補強部材10が貼り付けられる
際、既存梁11の両側面11a,11bの上端部にはア
ンカーボルト13が植設されており、ウエブ10aの上
端部がアンカーボルト13に挿通されてナット13aが
締め付けられるとともに、ウエブ10aの下端部間には
第1,第2フランジ10b,10c間の間隔δ部分に位
置してボルト14が挿通され、これにナット14aが締
め付けられる。従って、既存梁11の両側に配置された
補強部材10は、上記アンカーボルト13および上記ボ
ルト14によりウエブ10aが既存梁11の両側面11
a,11bに強く圧接されることになる。この場合、上
記アンカーボルト13に代えて既存梁11を貫通するボ
ルトを用いることもできる。
【0019】ところで、上記補強部材10は図3に示す
ように既存梁11の長さ方向に複数個が繋ぎ合わされ
て、該既存梁11の全長を覆うように取付けられる。こ
のとき、既存梁11の端部に、補強部材10の単位長さ
Lに不足する狭いスペース部分が形成された場合には、
該補強部材10を適宜長さに切断して取付けることにな
る。
【0020】ここで、上記補強部材10を既存梁11の
長さ方向に複数繋ぎ合わせた場合に、相互に隣接する補
強部材10間には繋ぎ目15が生じるが、既存梁11の
両側に生ずるそれぞれの繋ぎ目15の位置を、梁11の
長さ方向にずらす(オフセット量f)ようにしている。
【0021】本実施形態の作用を以下に述べると、上記
補強部材10はFRP材によって断面F字状の型材とし
て形成され、該補強部材10がFRPの特徴である軽量
化によって接着剤12による貼り付けが可能となる。そ
して、補強部材10のウエブ10aと第1フランジ10
bとを、既存梁11の側面11a,11bと下面11c
とに接着剤12を介して貼り付けて、既存梁11と一体
化するようになっている。このとき、補強部材10は第
1,第2の2つのフランジ10b,10cを設けて断面
F字状としたことにより、単に第1フランジ10bのみ
で断面L字状に形成した場合に比較して、第2フランジ
10cとウエブ10aの下端部とからなる小さなL字状
断面部分が第1フランジ10bの下方に付加されるた
め、この付加部分によって断面係数や断面2次モーメン
トなどの断面性能を増大することができる。つまり、既
存梁11はその耐力のみならず曲げ剛性も高められる。
また、補強部材10が軽量なFRP材であるため、自重
による既存構造物への影響を少なくして既存梁11の耐
力を大きく確保することができる。
【0022】また、上記補強部材10を既存梁11に貼
り付ける際、ウエブ10aの上端部はアンカーボルト1
3を介して既存梁11に締付け固定され、かつ、該ウエ
ブ10aの下端部は第1,第2フランジ10b,10c
間に挿通されるボルト14を介して締付け固定されるた
め、ウエブ10aをより高い圧着力で既存梁11に押し
付けることができるため、接着剤12を介して既存梁1
1の側面11a,11bに接着されるウエブ10aの接
着性を高め、ひいては補強部材10と既存梁11との結
合強度を更に増大することができる。
【0023】ところで、このように補強部材10を貼り
付けることにより、既存梁11の曲げ剛性を効果的に増
大できるにもかからわず、該既存梁11の下方には第
1,第2フランジ10b,10cが配置されるのみであ
るため、補強部材10が既存梁11から下方へ大きく突
出するのを防止して、本来の階高が減少されてしまうの
を抑制することができる。
【0024】また、上記第1フランジ10b,10cの
突出幅W1を既存梁11の梁幅W2の半分程度としたこと
により、補強部材10を既存梁11の両側に対を成して
取り付けることができる。このとき、既存梁11の下面
11cを、対向する第1,第2フランジ10b,10c
の突き合わせによってほぼ覆うことができる。従って、
対向されるそれぞれの補強部材10のウエブ10aおよ
び第1フランジ10bが、既存梁11の両側面11a,
11bおよび下面11cに貼り付けられることにより、
該補強部材10は大きな接着面積を確保しつつその全体
に亘って一様に既存梁11と一体化される。このため、
補強部材10は既存梁1の曲げ力を広い面積で均等に受
け持つことができるため、いずれかの補強部材11に部
分的に過大な応力が発生するのを防止して、該補強部材
10に剥離などが発生することを防止でき、その耐久性
を大幅に向上することができる。
【0025】そして、上記補強部材10は成形性や運搬
性を考慮して、既存梁11より短い単位長さLに形成さ
れる。そしてこれら補強部材10を既存梁11の長さ方
向に複数繋ぎ合わせて取付ける際に生じる繋ぎ目15
を、既存梁11の両側で相互にずらしたので、これによ
り既存梁11の一方の側の繋ぎ目15の反対側に、既存
梁11の他方の側の補強部材10の一般部分を位置させ
ることができる。従って、既存梁11全長にわたって適
切な補強を行うことができ、繋ぎ目15による曲げ剛性
の低下を抑えることができる。
【0026】図4は他の実施形態を示し、上記実施形態
と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略
して述べる。即ち、図4は補強部材の取付け状態の縦断
面図で、この実施形態では補強部材10を既存梁11の
両側に対向して取り付けた際に、互いに向かい合う第
1,第2フランジ10b,10c間に空間部Sが形成さ
れるが、該空間部Sに不燃材や難燃材からなる耐火被覆
材16を充填したものである。該耐火被覆材16として
は、例えばガラス繊維やセラミック繊維等が用いられ
る。
【0027】従って、この実施形態では万が一に火災が
発生した場合にも、該耐火被覆材16によって高熱が第
1フランジ10bに影響するのを遮断することができ
る。これにより、既存梁11に接着された第1フランジ
10bを保護することができるため、補強部材10の強
固な接着状態を保持して該補強部材10による既存梁1
1の補強効果を維持することができる。
【0028】ところで、上記各実施形態では補強部材1
0を既存梁11の両側に対向配置した場合を開示した
が、これに限ることなく第1,第2フランジ10b,1
0cの突出幅W1を梁幅W2と略等しくして、該補強部材
10を既存梁11の側面11a,11bの一方と底面1
1cとをL字状に覆うようにして取り付けることによっ
ても、階高の減少を抑えつつ既存梁11の曲げ剛性の増
大効果を図ることができる。また、上記各実施形態では
既存梁11を補強する場合を示したが、勿論、新築され
る梁に対して本発明の補強部材10を用いてもよいこと
はいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の梁の補強部
材は、FRP材によってウエブと、平行配置される第
1,第2フランジとによって断面F字状の型材として形
成されるので、ウエブを梁の側面に取り付けるととも
に、第1フランジを梁の下面に取り付けることにより、
該補強部材が梁から下方へ大きく突出するのを防止し
て、本来の階高が減少されることを抑制することができ
る。また、このように補強部材が梁の外側形状に沿って
取付けられるにもかかわらず、該梁の下面に対応する部
分には第1フランジに加えて第2フランジを設けたの
で、補強部材の断面性能を増大でき、梁の耐力のみなら
ず曲げ剛性をも十分に高めることができる。更に、補強
部材が軽量なFRP材であるため、自重による補強後の
重量増加が少なく梁の耐力を大きく保つことができる。
【0030】また、本発明の補強部材を用いた梁の補強
方法は、梁を挟んでその両側に1対の補強部材を対向配
置したので、向かい合う補強部材の第1フランジ同士お
よび第2フランジ同士によって、梁の下面を覆うことが
できる。そして、対向されるそれぞれの補強部材のウエ
ブおよび第1フランジを接着剤を介して梁に取付けるこ
とにより、該補強部材を、大きな接着面積を確保しつつ
その全体に亘って一様に梁と一体化することができるた
め、補強部材は梁の曲げ力を広い面積で均等に受け持つ
ことができる。
【0031】更に、梁の長さ方向に補強部材を複数配列
した場合の繋ぎ目の位置を、梁の両側でずらしたので、
これにより梁の一方の側の繋ぎ目の反対側に、梁の他方
の側の補強部材の一般部分を位置させることができる。
従って、梁全長にわたって適切な補強を行うことがで
き、繋ぎ目による曲げ剛性の低下を抑えることができ
る。
【0032】更にまた、上記ウエブを上記梁にボルト締
結するとともに、互いに対向する上記第1,第2フラン
ジ間にボルト締結力を作用させることにより、ウエブを
梁の側面に強く圧接することができ、接着されるウエブ
の接着性を高めて、補強部材と梁との結合強度を更に増
大することができる。
【0033】また、上記第1フランジと上記第2フラン
ジとの間に形成される空間部分に耐火被覆材を充填する
ことにより、火災が発生した場合に、梁の曲げ、すなわ
ちたわみ変形を受けるという意味において梁の補強で最
も重要な第1フランジに当該火災の影響が及ぶことを防
止して、補強部材による梁の補強効果を維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す補強部材の斜視図で
ある。
【図2】本発明の一実施形態を示す補強部材の取付け状
態の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す補強部材の取付け状
態の底面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す補強部材の取付け
状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 補強部材 10a ウエブ 10b 第1フランジ 10c 第2フランジ 11 梁 11a,11b 側面 11c 下面 12 接着剤 13 アンカーボルト 14 ボルト 15 繋ぎ目 16 耐火被覆材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梁の側面に沿うウエブと、梁の下面に沿
    う第1フランジと、この第1フランジと所定間隔を設け
    て平行に配置される第2フランジとを備えて、全体とし
    て断面F字状のFRP材で一体に形成したことを特徴と
    する梁の補強部材。
  2. 【請求項2】 梁の側面に沿うウエブと、梁の下面に沿
    う第1フランジと、この第1フランジと所定間隔を設け
    て平行に配置される第2フランジとを備えて、全体とし
    て断面F字状にFRP材で一体に形成された補強部材
    を、梁を挟んでその両側に対向配置するとともに、それ
    ぞれのウエブを梁の両側面に、かつ、それぞれの第1フ
    ランジを梁の下面に接着剤を介して貼り付けたことを特
    徴とする補強部材を用いた梁の補強方法。
  3. 【請求項3】 上記補強部材を梁の長さ方向に沿って複
    数配列するとともに、これら補強部材の繋ぎ目位置を梁
    の両側でずらすようにしたことを特徴とする請求項2に
    記載の補強部材を用いた梁の補強方法。
  4. 【請求項4】 上記ウエブを上記梁にボルト締結すると
    ともに、互いに対向する上記第1,第2フランジ間にボ
    ルト締結力を作用させるようにしたことを特徴とする請
    求項2または3に記載の補強部材を用いた梁の補強方
    法。
  5. 【請求項5】 上記第1フランジと上記第2フランジと
    の間に形成される空間部分に耐火被覆材を充填したこと
    を特徴とする請求項2〜4のいずれかの項に記載の補強
    部材を用いた梁の補強方法。
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