JP2008261219A - 部材の補強構造、部材の補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】補強対象物に補強板を接着して補強するにあたり、補強板を定着するためのボルトやあと施工アンカーの本数を削減できるようにする。
【解決手段】梁10を、本発明の補強板としての一対の鋼板20により補強する。鋼板20は、本体部20aと屈曲部20bとからなるL型の断面形状を有しており、梁10の両側面から下面に沿うように接着剤で貼り付けられる。鋼板20の本体部20aの上端部は、貫通ボルト14とナット32により梁10に定着され、ナット32と梁10の側面との間に皿バネ90が介装される。
【選択図】図15

Description

本発明は、補強対象部材に補強板を貼り付けて補強する部材の補強構造及び補強方法に関する。
従来より、例えばコンクリート梁などの部材の補強構造として、梁の側面に鋼板を接着材で貼り付けると共に、鋼板の端部を貫通ボルトやあと施工アンカー等の定着部材で梁の表面に定着する補強構造が知られている。かかる補強構造によれば、梁に作用する荷重を定着部材を介して鋼板に伝達し、鋼板に荷重を負担させることにより、コンクリート梁の耐力を向上させることができる。
また、特許文献1には、開口部を有するコンクリート梁の補強構造が開示されている。この補強構造では、梁に設けられた開口部の両側から、筒状部とこの筒状部の端部に接合されたつば板とからなる補強体の前記筒状部を挿入し、つば板と既存梁の表面との間および筒状部と開口部の内周面との間に接着剤を充填すると共に、つば板をボルトで梁に締め付けて補強体を梁に固定している。
特開平5−311891号公報
上述のように、コンクリート梁に鋼板を貼り付ける従来の補強構造では、梁に作用する荷重を鋼板に伝達できるように、鋼板をボルトやあと施工アンカーでコンクリート梁に定着している。その場合、コンクリート梁から鋼板への上下両方向の荷重を伝達できるように、少なくとも、梁の上下両側の位置で定着することが必要である。このため、コンクリート梁へボルトを挿通するためのコア抜き加工、あるいは、あと施工アンカーを打設するための穿孔を多数箇所で行わねばならず、工事の手間や期間が掛かってしまう。また、コア抜き加工や穿孔の際には大きな騒音が発生するので、作業箇所が多いと騒音発生の時間が長くなって、特に建物を使用しながら行うリニューアル工事の場合に居住環境を悪化させるという問題もある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、補強対象部材に補強板を接着して補強するにあたり、高い補強性能を確保しつつ、補強板を定着するためのボルトの本数を削減できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、補強対象部材の両側から、その断面表面形状に沿って屈曲された補強板を貼り付けると共に、前記補強対象部材の前記両側の互いに対向する位置にて、前記補強板の端部近傍を前記補強対象部材の表面に定着部材によって定着した部材の補強構造であって、
前記定着部材は、前記補強対象部材の前記両側に亘って貫通する貫通ボルトであり、前記貫通ボルトに取り付けられるナットと前記補強対象部材の表面との間に皿バネを介装したことを特徴とする。
本発明によれば、補強対象部材に貼り付けられる補強板が、補強対象部材の表面形状に沿って屈曲されるので、この屈曲部分により、補強対象部材から補強板への荷重伝達を行える。このため、補強対象部材から補強板へ荷重を伝達するための定着部材の数を減らすことができる。
また、請求項2に記載された発明は、請求項1記載の部材の補強構造において、前記補強対象部材は前記両側に亘って貫通する開口部を有し、前記補強板は前記開口部の周辺に貼り付けられていることを特徴とする。
また、請求項に記載された発明は、請求項1又は2記載の部材の補強構造において、前記補強対象部材の両側から設けられる前記補強板は、前記第2の表面側の位置で互いに接続されていることを特徴とする。
また、請求項に記載された発明は、請求項3記載の部材の補強構造において、前記補強板は、前記第2の表面上で互いに重ね合わされて接合されていることを特徴とする。
また、請求項に記載された発明は、補強対象部材の両側から、その断面表面形状に沿って屈曲された補強板を貼り付けると共に、前記補強対象部材の前記両側の互いに対向する位置にて、前記補強板の端部近傍を前記補強対象部材の表面に定着部材によって定着する部材の補強方法であって、
前記定着部材として、前記補強対象部材の前記両側に亘って貫通する貫通ボルトを用い、前記貫通ボルトに取り付けるナットと前記補強対象部材の表面との間に皿バネを介装することを特徴とする
本発明によれば、補強対象物に補強板を接着して補強するにあたり、高い補強性能を確保しつつ、補強板を定着するための貫通ボルトの本数を削減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態及び参考例について説明する。なお、以下に示す各実施形態及び参考例において共通の構成部分には同一の符号を付して重複する説明は省略するものとする。
図1は、本発明の第1の参考例の補強構造を示す断面図である。また、図2は本参考例の補強構造を図1の矢印IIの向きから見た図である。図1および図2に示すように、本参考例では、鉄筋コンクリート(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)又は鉄骨コンクリート(SC)製の梁10を、本発明の補強板としての鋼板20により補強する。なお、本参考例及び以下に述べる各参考例及び実施形態の補強工事は、既設の梁10を補強する場合にも、梁10を新設する場合にも適用が可能である。
図1に示す如く、鋼板20は、本体部20aと屈曲部20bとからなる略L型の断面形状を有しており、梁10の両側面から下面に沿うように接着剤で貼り付けられている。なお、鋼板20は、鋼板材をL型に折り曲げて形成してもよいし、2枚の鋼板材をL型に溶接して形成してもよい。
図1及び図2に示す如く、梁10には、梁10を貫通する円形の開口部12が設けられており、鋼板20には、開口部12に対応する円形孔22が設けられている。また、梁10の、開口部12の上方の左右両側の位置には、梁10を貫通するボルト孔14が設けられており、鋼板20の上端部近傍には、ボルト孔14に対応してボルト孔24が設けられている。これらボルト孔24及びボルト孔14に貫通ボルト30が挿通され、ナット32が締め込まれることで、鋼板20が梁10に定着される。
以上の構成による補強の効果を図3によって説明する。梁10にせん断荷重が矢印Aの向きに作用した場合、せん断荷重が大きくなるにつれて、やがては側面の鋼板20の本体部20aの接着面が剥がれ、その後、概して図3に符号Bで示すような向きのひび割れが梁10に発生することとなるが、このとき梁10から貫通ボルト30を介して矢印Cの向きの応力が鋼板20に伝達され、また、鋼板20の屈曲部20bを介して矢印Dの向きの応力が梁10から鋼板20に伝達されるため、ひび割れBの発生及び進展が拘束・抑制される。このように、本参考例では、鋼板20をL型形状とすることで、梁10の下部にボルトを設けることなく、梁10に作用するせん断荷重を鋼板20へ着実に伝達することができ、これにより、鋼板20による高い補強性能を得ることができる。
すなわち、鋼板20として、屈曲部20bを有しない平板上の鋼板を用いた場合、鋼板20の本体部20aの接着面の剥離後には、梁10のひび割れBより図中右下側に作用する下向き応力が鋼板に円滑に伝達されず補強性能が低下してしまうおそれがある。そこで、矢印Dの向きの応力を鋼板20に伝達するために、梁10の下側の部位にもボルトを設けることが必要になるが、その場合、ボルト孔の施工箇所が多くなって、工事の手間や工期の増大を招くことは上記解決課題の項で述べた通りである。
これに対して、本参考例では、L型に形成された鋼板20の屈曲部20bにより上記のような梁10から鋼板20への荷重伝達を行えるので、梁10の下側にボルトを設けることが不要となる。これにより、コンクリートへの孔の加工本数を少なくして工事の手間の軽減及び工期短縮を図ることができるのである。
図4は、本発明の第2の参考例の補強構造を示す断面図であり、図5は、本参考例の補強構造を図4の矢印IVの向きから見た図である。図4及び図5に示すように、本参考例では、梁10にボルト孔14に代えて両側面にアンカー孔40を穿孔し、このアンカー孔40にあと施工アンカー42を打設してナット44を締め込んでいる。この参考例は、例えば、梁10が鉄骨鉄筋コンクリート製であって、梁中央部に鉄骨が設けられている場合のように、梁を貫通するボルト孔を加工できない場合に好適である。
図6は、本発明の第3の参考例の補強構造を示す断面図であり、図7は、本参考例の補強構造を図6の矢印VIの向きから見た図である。同図に示すように、本参考例では、上記第1の参考例の鋼板20の屈曲部20bの下面にブラケット48を溶接している。ブラケット48にはボルト孔49が設けられており、両側のブラケット48のボルト孔49を貫通するように貫通ボルト50が挿通され、ナット52が締め込まれている。
図8は、本発明の第4の参考例の補強構造を示す断面図であり、図9は、本参考例の補強構造を図8の矢印VIIIの向きから見た図である。本参考例では、上記第3の参考例において、上記第2の参考例のように、貫通ボルト30に代えてあと施工アンカー42で鋼板20を定着した構成としている。
上記第3及び第4の参考例によれば、鋼板20の下端部が貫通ボルト50によって接続され、両側から締め付けられることで、鋼板20による拘束効果を高めて、梁10の補強性能を向上させることができる。
図10は、本発明の第5の参考例の補強構造を示す断面図である。本参考例では、上記第1の参考例における両側の鋼板20を一体化した構成のU型断面を有する鋼板60を、梁10を下側から跨ぐように貼り付けている。本参考例では、梁10の両側の鋼板を下面で接続した構成となるので、鋼板60による拘束効果を高めて、梁10の補強性能を向上させることができる。
図11は、本発明の第6の参考例の補強構造を示す断面図である。本参考例では、上記第1の参考例における両側の鋼板20の屈曲部20bを延長して、梁10の下面において互いに重なり合うように構成し、屈曲部20bどうしも接着剤で接合している。
参考例によれば、上記第5の参考例と同様に、両側の鋼板20を梁10の下面で接続することにより補強性能を向上させることができる。さらに、梁10の幅に合わせて鋼板20を重ね合わせればよいので、鋼板20に必要とされる寸法精度を緩和できるので、その製作コストを低減できる。
図12は、本発明の第7の参考例の補強構造を示す断面図である。本参考例では、上記第1の参考例における両側の鋼板20の屈曲部20bの先端を互いに突き合わせて溶接部65において溶接している。なお、新築工事の場合のように、現場溶接が可能であれば、鋼板20どうしの溶接を現場で行うことで、上記第6の参考例の場合と同様に、鋼板20に必要な寸法精度を緩和できる。
図13は、本発明の第8の参考例の補強構造を示す断面図である。同図に示すように、本参考例では、上記第1の参考例の鋼板20において屈曲部20bの先端から下方に屈曲して延びる第2屈曲部20cを備える構成の鋼板20Aを用いている。第2屈曲部20cにはボルト孔20dが設けられており、両側の鋼板20Aのボルト孔20dを貫通するように貫通ボルト70が挿通され、ナット72が締め込まれている。なお、施工精度を考慮して、両側の鋼板20Aの第2屈曲部20cの間には若干の隙間を設けておくことが好ましい。
参考例でも、上記第3及び第4の参考例と同様に、鋼板20Aの下端部が貫通ボルト70で接続されて両側から締め付けられることで、鋼板20Aによる拘束効果を高めて、梁10の補強性能を向上させることができる。
図14は、本発明の第9の参考例の補強構造を示す断面図である。同図に示すように、本参考例では、両側の鋼板20B(請求項13の第1の補強板に対応),鋼板20C(請求項13の第2の補強板に対応)どうしの接続位置を、梁10の片側(図14では、図中右側)の側面上に寄せて貫通ボルト80及びナット82により締め付けている。この場合も、施工誤差等を考慮して、鋼板20B,20Cの締付け部の間に隙間を設けてくことが好ましい。
参考例によれば、鋼板20B,20Cのボルトによる接続部分が梁10の側方に突出する構成となるため、梁下に突出物を設けたくない場合に好適である。
図15は、本発明の実施形態の補強構造を示す断面図である。本実施形態の補強構造は、上記第3の参考例(図6,図7)において、貫通ボルト30,50を緊張材としてナット32,52で締め付けることで梁10の両側から圧縮力を導入し、これにより、圧着による鋼板20と梁10との接着強度の向上や、コンクリートの拘束効果による補強性能の向上を図っている。さらに、本実施形態では、貫通ボルト30,50を締め付けるナット32,52と梁10の表面との間に、弾性部材としての皿バネである弾性バネ90,92を介装することにより、コンクリートがクリープ現象等により変形した場合にも、長期にわたって安定した圧縮荷重を導入できるようにしている。
図16は、本発明の第10の参考例の補強構造を示す断面図である。同図に示す如く、本参考例では、鋼管100を、その両端部が梁10の側面から突出するように開口部12に挿入し、鋼管100の外周面と鋼板20の円形孔22の内周面とを接着剤で接合している。ただし、現場溶接が可能な場合は、溶接してもよい。
参考例によれば、鋼板20による補強効果が得られると共に、梁10に作用したアーチ荷重を鋼管100に負担させることで、開口部12周辺の補強性能をより向上させることができる。また、鋼板20が鋼板100のつばとなって鋼管100の剛性及び耐力が高まると共に、鋼板20も鋼板100に接合されることで、梁10への固定強度も向上する。なお、鋼管100が十分な荷重を負担できる場合には、貫通ボルト30を省略することも考えられる。
図17は、本発明の第11の参考例の補強構造を示す断面図である。同図に示す如く、本参考例では、梁10の両側に接合した鋼板20の間に亘るように、一対のL型のCFRP(炭素繊維強化樹脂)板110をU型に組み合わせて梁10の下側から接着剤で接合している。
参考例によれば、梁10の下面において、両側の鋼板20どうしがCFRP板110で接続固定されるので、鋼板20による梁10の補強性能を向上させることができる。なお、L型のCFRP板110に代えて、CFRP製のシートをL型に接着してもよい。あるいは、図18に示すように、CFRP製の平板状あるいは棒状の接続部材112を、両側の鋼板20の屈曲部20bの間に亘るように接着してもよい。
図19は、本発明の第12の参考例の補強構造を示す断面図である。同図に示す如く、本参考例では、梁10の両側に接合した鋼板20の屈曲部20bの間に亘るように鋼製のフラットバー120を配設し、このフラットバー120及び鋼板20の屈曲部20bにボルト122を貫通させてナット124で締め込んでいる。また、梁10の下面に、主筋のかぶり厚を損なわない程度の凹部126を形成し、この凹部126に内側のナット124を収めるようにすることで、内側のナット124と梁10との干渉を防止している。なお、ボルト122及びナット124の締め付け後、凹部126にエポキシ樹脂などを充填することにより、コンクリートの断面欠損による強度低下を防止できる。
参考例によれば、梁10の下面において、両側の鋼板20どうしをフラットバー120で接続固定することで、鋼板20による梁10の補強性能を向上させることができる。
図20は、本発明の第13の参考例の補強構造を示す断面図である。本参考例では、上記第12の参考例において、鋼板20の屈曲部20bにネジ孔20dを設け、このネジ孔20dにフラットバー120を貫通するボルト122を締めこんでいる。このようにすれば、内側にナット124を設けずに済むので、上記第12の参考例のように、内側のナット124が梁10と干渉するのを防止するために凹部126を設けることが不要となる。
図21は、本発明の第14の参考例の補強構造を示す断面図であり、図22は、本参考例の補強構造を図21の矢印XXIの向きから見た図である。本参考例では、鋼板20の屈曲部20bの下面に、鋼製のアングル材130を梁10の幅方向に延びる向きに予め溶接しておき、両側のアングル材130の間にフラットバー132をボルト134及びナット136で取り付けている。
図23は、本発明の第15の参考例の補強構造を示す断面図である。本参考例では、鋼板20の本体部20aの側面端部に、鋼製のアングル材140を梁10の長手方向に延びる向きに予め溶接しておき、両側のアングル材140の間にフラットバー142をボルト144及びナット146で取り付けている。
上記第14及び第15の参考例によれば、梁10の下面において、両側の鋼板20どうしがアングル材130又は140を介してフラットバー132又は142により接続されるので、鋼板20による梁10の補強性能を向上させることができる。
図24は、本発明の第16の参考例の補強構造を示す断面図である。同図に示すように、本参考例では、L型の鋼板20に代えて平板上の鋼板150を用い、この鋼板150の下端部にアングル材152を予め溶接しておいたものを梁10の両側面に接着材で接合している。そして、両側のアングル材150の間に亘るようにフラットバー154をボルト156及びナット158で取り付けている。
参考例によれば、梁10の下面において、両側の鋼板150どうしがアングル材152を介してフラットバー154により接続されることにより鋼板150による補強性能を向上させることができると共に、L型鋼板に比べて加工の手間が掛からず低コストな平板状の鋼板150を用いているので、施工コストを抑えることもできる。
図25は、本発明の第17の参考例の補強構造を梁10の側面から見た図である。同図に示すように、本参考例では、補強部材としての鋼板160に、梁10の開口部12に対応して切込162を設け、この開口部12が切込162内に収まるように、鋼板160を梁10の側面に接着剤で貼り付けている。なお、この補強構造の断面構成としては、上記した様々な参考例の構成を用いることができる 。
参考例によれば、梁10の開口部12を通して配管や配線等が行われてしまった後でも、その配管等を切込162で避けながら鋼板160を図25に示す所定位置まで移動させることにより、鋼板160による補強を行うことができる。
なお、図25では、鋼板160が開口部12を上側から跨ぐように配置されるものとしたが、上下を反転して、開口部12を下側から跨ぐ構成とすることもできる。例えば、上記第8の参考例(図13)や実施形態(図15)のように、鋼板160の下端部同士がボルトで締付けられる構成であれば、図25のように、開口部12を上側から跨ぐ(つまり、下端側に切り欠きが存在する)ように構成しても、鋼板160の下端部における強度上の問題は生じない。一方、第1の第10の(図1,図2)のように、鋼板下端部での補強がなされない場合には、開口部12を下側から跨ぐ(つまり、下端側に切り欠きが存在しない)構成の方が好ましいといえる。鋼板160の向きは、このような鋼板160の強度と、施工のし易さを勘案して決めればよい。
図26は、本発明の第18の参考例の補強構造の断面図であり、図27は、本参考例の補強構造を図26の矢印XXVIの向きから見た図である。これらの図面に示す如く、本参考例では、鋼板20にボルト孔を設けるのではなく、現場にて鋼板20にアングル材170を接着し、貫通ボルト30を、アングル材170のボルト孔172を通して梁10のボルト孔14に挿通してナット32を締め込んでいる。また、アングル材170の下端部でも両側のアングル材170のボルト孔174に貫通ボルト176を挿通してナット178を締め込んでいる。
このような構成の利点は以下の通りである。すなわち、上記各参考例及び実施形態のように、鋼板20に、梁10の開口部12に対応した円形孔22と、貫通ボルト30を挿通させるためのボルト孔24の双方を設ける場合には、それら円形孔22及びボルト孔24を、梁10側の開口部12とボルト孔14との位置関係に合わせて正確に位置決めして加工しておくことが必要である。これに対して、本参考例では、ボルト孔174を備えるアングル材170を現場で鋼板20に接着するので、その接着の際に、円形孔22とボルト孔172の位置関係を調整できる。したがって、本参考例によれば、鋼板20に要求される加工精度を緩和して、鋼板20の製作コストを低減することができる。
なお、上記図10〜図26では、鋼板を貫通ボルト30で定着した場合を示しているが、第2の参考例のように、鋼板をあと施工アンカー42で定着する構成も本発明の参考例として考えられる。
また、上述した各参考例及び実施形態では、開口部12を有するコンクリート梁10を補強する場合について説明したが、本発明は、これに限らず、開口部12を有しないコンクリート梁に適用することもできる。また、コンクリート梁に限らず、コンクリート柱の補強にも適用することができ、柱や梁に限らず、各種のコンクリート部材にも適用することができる。さらに、コンクリート部材に限らず、木造建物の柱や梁の補強にも適用が可能である。また、補強対象物が梁のように矩形断面を有する場合に限らず、例えば図28に示すように、曲面状の表面形状を有する補強対象物200についても、その表面に沿って屈曲した鋼板202を補強対象物200の両側から貼り付けて、その端部をボルトやあと施工アンカー等の定着部材206で定着することにより適用が可能である。
更に、上記各参考例及び実施形態では、本発明の補強板として鋼板を用いるものとして説明したが、補強板としてCFRP板等の繊維強化樹脂板や、プレキャストコンクリート板あるいはプレキャストモルタル板等を用いることも可能である。
本発明の第1の参考例の補強構造を示す断面図である。 参考例の補強構造を図1の矢印IIの向きから見た図である。 参考例における補強の効果を説明するための図である。 本発明の第2の参考例の補強構造を示す断面図である。 参考例の補強構造を図4の矢印IVの向きから見た図である。 本発明の第3の参考例の補強構造を示す断面図である。 参考例の補強構造を図6の矢印VIの向きから見た図である。 本発明の第4の参考例の補強構造を示す断面図である。 参考例の補強構造を図8の矢印VIIIの向きから見た図である。 本発明の第5の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第6の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第7の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第8の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第9の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の実施形態の補強構造を示す断面図である。 本発明の第10の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第11参考例の補強構造を示す断面図である。 図17の参考例の変形例を示す図である。 本発明の第12の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第13の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第14の参考例の補強構造を示す断面図である。 参考例の補強構造を図21の矢印XXIの向きから見た図である。 本発明の第15の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第16の参考例の補強構造を示す断面図である。 本発明の第17の参考例の補強構造を梁10の側面から見た図である。 本発明の第18の参考例の補強構造の断面図である。 参考例の補強構造を図26の矢印XXVIの向きから見た図である。 曲面状の表面形状を有する補強対象物を補強する場合の参考例を示す断面図である。
符号の説明
10 梁
12 開口部
14 ボルト孔
20,20A,20B,20C 鋼板
20a 本体部
20b 屈曲部
20c 第2屈曲部
22 円形孔
24 ボルト孔
30 貫通ボルト
32 ナット
40 アンカー孔
42 あと施工アンカー
44 ナット
50,70,80,176 貫通ボルト
52,72,82,178 ナット
60 鋼板
65 溶接部
90,92 バネ
100 鋼管
110 CFRP板
112 接続部材
120,132,142 フラットバー
150,160 鋼板
200 補強対象物
202 鋼板
206 定着部材

Claims (6)

  1. 補強対象部材の両側から、その断面表面形状に沿って屈曲された補強板を貼り付けると共に、前記補強対象部材の前記両側の互いに対向する位置にて、前記補強板の端部近傍を前記補強対象部材の表面に定着部材によって定着した部材の補強構造であって、
    前記定着部材は、前記補強対象部材の前記両側に亘って貫通する貫通ボルトであり、前記貫通ボルトに取り付けられるナットと前記補強対象部材の表面との間に皿バネを介装したことを特徴とする部材の補強構造。
  2. 前記補強対象部材は前記両側に亘って貫通する開口部を有し、前記補強板は前記開口部の周辺に貼り付けられていることを特徴とする請求項1記載の部材の補強構造。
  3. 前記補強対象部材の両側から設けられる前記補強板は、前記第2の表面側の位置で互いに接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の部材の補強構造。
  4. 前記補強板は、前記第2の表面上で互いに重ね合わされて接合されていることを特徴とする請求項3記載の部材の補強構造。
  5. 前記両側から設けられる補強板は一体化されて略U型の断面形状を有することを特徴とする請求項3記載の部材の補強構造。
  6. 補強対象部材の両側から、その断面表面形状に沿って屈曲された補強板を貼り付けると共に、前記補強対象部材の前記両側の互いに対向する位置にて、前記補強板の端部近傍を前記補強対象部材の表面に定着部材によって定着する部材の補強方法であって、
    前記定着部材として、前記補強対象部材の前記両側に亘って貫通する貫通ボルトを用い、前記貫通ボルトに取り付けるナットと前記補強対象部材の表面との間に皿バネを介装することを特徴とする部材の補強方法
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