JP2001241134A - 耐火床 - Google Patents

耐火床

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JP2001241134A
JP2001241134A JP2000047831A JP2000047831A JP2001241134A JP 2001241134 A JP2001241134 A JP 2001241134A JP 2000047831 A JP2000047831 A JP 2000047831A JP 2000047831 A JP2000047831 A JP 2000047831A JP 2001241134 A JP2001241134 A JP 2001241134A
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floor
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concrete
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Masaki Tono
正樹 戸野
Kazuhiro Okada
和廣 岡田
Hitomi Muraoka
仁美 村岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デッキプレートとコンクリートとから構成さ
れるデッキプレートコンクリート床において、コンクリ
ートの打設厚みを薄くすることができ、かつ、クリーン
な施工が可能な耐火床を提供する。 【解決手段】 耐火床が、デッキプレート2とコンクリ
ート1から構成されるデッキプレートコンクリート床の
デッキプレート2側に、熱膨張性シート層4が積層され
た積層体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐火建築物に用いら
れる耐火床に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築材料に対する耐火性が益々重
要視されている。耐火性としては、それ自体が燃え難く
断熱性に優れるばかりでなく、火炎が裏面に回るのを阻
止する性能が要求される。床に対する耐火性の試験方法
としては、裏面側を925〜1010℃に加熱した場合
の表面温度を測定する方法があり、表面温度が260℃
を超えないことが要求されている。さらに、長期許容応
力度の1.2倍に相当する荷重を試験体に載荷し加熱し
ながら撓みを測定し、その撓みが試験体の支点間距離
(cm)を2乗したものの1/10,000を超えない
ことも要求されている。
【0003】耐火床としては、主にデッキプレートコン
クリート床、ALC床、PC床等が広く用いられている
が、これらは厚みが厚く、厚みの増加に伴って重量も増
加するため施工性を含めた取扱い性に問題があった。ま
た、重量が増加するということは、それを支える構造体
(梁、柱)の鉄骨も、それに伴って大きなものにしなけ
ればならず、コストが増大するという問題があった。い
ずれにしても、軽量化することが重要な課題である。
【0004】デッキプレートを用いた耐火床として、例
えば、建設大臣指定の耐火被覆工法、耐火(通)F10
02が挙げられるが、この構成では1時間耐火で、コン
クリート打設厚みがデッキプレートの山上から80mm
以上と規定されている。
【0005】これに対して、例えば、建設大臣指定の耐
火被覆工法、耐火(通)F1111では、デッキプレー
トとコンクリートとから構成され、さらに、デッキプレ
ートの下面にロックウールを吹き付けることにより、コ
ンクリートの打設厚みが40mm以上と規定され、軽量
化が図られている。しかしながら、ロックウールの吹き
付けは、その作業中にロックウール繊維が空気中に飛散
して環境を汚染し、作業者の健康を損なう恐れがあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に鑑み、デッキプレートとコンクリートとから構成され
るデッキプレートコンクリート床において、コンクリー
トの打設厚みを薄くすることができ、かつ、クリーンな
施工が可能な耐火床を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、第1発明という)である耐火床は、デッキプレート
とコンクリートから構成されるデッキプレートコンクリ
ート床のデッキプレート側に、熱膨張性シート層が積層
されていることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明(以下、第2発明とい
う)である耐火床は、デッキプレートとコンクリートか
ら構成されるデッキプレートコンクリート床のデッキプ
レート側に熱膨張性シート層が積層され、該熱膨張性シ
ート層上に不燃材及び/又は金属板が積層されているこ
とを特徴とする。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。第1発明
の耐火床は、デッキプレートコンクリート床のデッキプ
レート側に、熱膨張性シート層が積層されている。
【0010】上記デッキプレートコンクリート床として
は、デッキプレートとコンクリートから構成されるもの
であれば特に制限はなく、デッキプレートの片側にコン
クリートを打設したもの、又は、デッキプレートの溝に
発泡樹脂を充填させた後、その上にコンクリート板(A
LC板)を重ね合わせたものであってもよい。
【0011】上記デッキプレートの種類、板厚について
は特に制限はないが、板厚は1.2mm以上が好まし
い。また、デッキプレートの代わりに、キーストンプレ
ートを用いてもよい。
【0012】上記コンクリートについては、通常のデッ
キプレートコンクリート床に用いられるコンクリートで
あれば、特に制限はない。
【0013】上記熱膨張性シートは、ブチルゴムを主成
分とする樹脂分、リン化合物、中和処理された熱膨張性
黒鉛及び無機充填剤を含有する樹脂組成物(I)、又
は、エポキシ樹脂、リン化合物、中和処理された熱膨張
性黒鉛及び無機充填剤を含有する樹脂組成物(II)から
形成されるものが好ましい。
【0014】以下、樹脂組成物(I)について説明す
る。上記樹脂分としては、ブチルゴムを主成分とするも
のが用いられるが、ブチルゴムに他の樹脂を添加したも
のが好ましい。他の樹脂としては、例えば、例えば、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ(1
−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフ
ィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブ
テン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブ
チレン、ニトリルゴム、塩素化ゴムなどが挙げられる。
【0015】これらの中でも、ポリクロロプレン、塩素
化ゴム等のハロゲン化された樹脂は、それ自体難燃性が
高く、さらに熱による脱ハロゲン化反応によって架橋が
起こり、加熱後の燃焼残渣の強度が向上するので好まし
い。上記樹脂分として例示したものは、非常に柔軟でゴ
ム的性質を持っていることから、無機充填剤を高充填す
ることが可能であり、得られる樹脂組成物(I)が柔軟
でフレキシブルなものとなる。より柔軟でフレキシブル
な樹脂組成物(I)を得るためには、非加硫ゴムやポリ
エチレン系樹脂が好適に用いられる。
【0016】上記樹脂分は、単独で用いられてもよく、
2種以上が併用されてもよい。また、樹脂の溶融粘度、
柔軟性、粘着性等を調節するために、2種以上が併用さ
れてもよい。
【0017】上記樹脂分には、耐火性能を阻害しない範
囲で、架橋や変性が施されてもよい。樹脂分の架橋や変
性を行う場合は、予め樹脂分に架橋や変性を施してもよ
く、後述のリン化合物や無機充填剤等の他の成分の配合
時又は配合した後で架橋や変性を施してもよい。上記架
橋方法については、特に限定されず、上記樹脂分につい
て通常行われる架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化
物等を使用する架橋方法;電子線照射による架橋方法な
どが挙げられる。
【0018】上記熱膨張性シートは施工性の点から粘着
性を有するものが好ましく、粘着性を付与するために、
樹脂分に水添石油樹脂等の粘着付与剤を添加してもよ
い。
【0019】上記リン化合物としては特に限定されず、
例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で
表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性
の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及
び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性
能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウ
ム類がより好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】式中、R1 及びR3 は、水素、炭素数1〜
16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素
数6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素
数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素
数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、
炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16の
アリールオキシ基を表す。
【0022】上記赤リンは少量の添加で難燃効果が向上
する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いること
ができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全
性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングし
たもの等が好適に用いられる。
【0023】上記ポリリン酸アンモニウム類としては特
に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラ
ミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取
扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用い
られる。市販品としては、例えば、クラリアント社製
「AP422」、「AP462」、住友化学工業社製
「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」、
「テラージュC70」、「テラージュC80」等が挙げ
られる。
【0024】上記一般式(1)で表される化合物として
は特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチル
ホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチ
ルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。なかでも、t−ブチルホスホン酸
は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
【0025】上記リン化合物は、単独で用いても、2種
以上を併用してもよい。
【0026】上記中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従
来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したもので
ある。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱
分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、
濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
【0027】上述のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、中和処理された熱膨張性黒鉛とする。
【0028】上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定
されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物及
びアルカリ土類金属化合物としては、特に限定されず、
例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、有機酸塩等が挙げられる。
【0029】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メ
ッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定
の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大き
くなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、
樹脂バインダーと混練する際に分散性が悪くなり、物性
の低下が避けられない。
【0030】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品
としては、例えば、東ソー社製「フレームカットGRE
P−EG」、UCAR CARBON社製「GRAFG
UARD#160」、「GRAFGUARD#220」
等が挙げられる。
【0031】上記無機充填剤としては、例えば、シリ
カ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化ア
ンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、
炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシ
ウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベ
ントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、
セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バル
ン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カー
ボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、
木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネ
シウム(商品名:MOS)、チタン酸ジルコン酸鉛、ア
ルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ス
テンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、
フライアッシュ等が挙げられる。これらは単独で用いら
れてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0032】一般的に、無機充填剤は骨材的役割を働き
をすることから、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に大
きく寄与すると考えられる。
【0033】上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜
200μmが好ましく、より好ましくは、1〜50μm
である。無機充填剤の添加量が少ないときは、分散性が
性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好まし
いが、粒径0.5μm未満では二次凝集が起こり、分散
性が悪くなる。また、無機充填剤の添加量が多いとき
は、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くな
り成形性が低下するが、粒径を大きくすることによって
樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、上
記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。しかし、
粒径が200μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組
成物の力学的物性が低下する。
【0034】上記無機充填剤の中でも、特に骨材的役割
を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;骨
材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物が好まし
い。上記含水無機物及び金属炭酸塩を併用は、燃焼残渣
の強度向上や熱容量増大に大きく寄与すると考えられ
る。
【0035】上記無機充填剤の中で、特に水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物は、加熱時
の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、
温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、
燃焼残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働
くことで燃焼残渣の強度が向上する点で好ましい。ま
た、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水
効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水
効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度
上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ま
しい。
【0036】上記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩
が大きくなって高充填化が困難となるので、脱水効果を
高めるために高充填するには粒径の大きなものが好まし
い。具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒
径に比べて充填限界量が約1.5倍程度向上することが
知られている。さらに、粒径の大きいものと小さいもの
とを組み合わせることによって、より高充填化が可能と
なる。
【0037】上記含水無機物の市販品としては、例え
ば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「ハイジ
ライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの
「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げら
れる。
【0038】さらに、上記炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等
の金属炭酸塩は、リン化合物との反応で膨張を促すと考
えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニ
ウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。ま
た、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い
残渣を形成する。
【0039】上記炭酸カルシウムの市販品としては、例
えば、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カ
ルシウム社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉
化社製)等が挙げられる。粒径の大きいものと小さいも
のとを組み合わせることによって、より高充填化が可能
となる。
【0040】上記樹脂組成物(I)におけるリン化合物
及び中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量は、少なくな
ると燃焼後の残渣量が不十分となって十分な耐火性能が
得られず、多くなると機械的物性の低下が大きくなり、
使用に耐えられなくなるので、樹脂分100重量部に対
して両者の合計量で20〜200重量部が好ましい。
【0041】上記リン化合物と中和処理された熱膨張性
黒鉛との重量比(熱膨張性黒鉛/リン化合物)は、0.
09〜9が好ましい。中和処理された熱膨張性黒鉛の配
合比率が多くなると、燃焼時に膨張した黒鉛が飛散して
燃焼残渣による十分な耐火断熱層が形成されず、リン化
合物の配合比率が多くなると、燃焼残渣による十分な耐
火断熱層が形成されないため、十分な耐火性能が得られ
ない。
【0042】上記樹脂組成物(I)における無機充填剤
の配合量は、少なくなると燃焼後の残渣量が不十分とな
って十分な耐火性能が得られず、多くなると機械的物性
の低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、樹
脂分100重量部に対して50〜500重量部が好まし
い。
【0043】上記樹脂組成物(I)は、上記各成分を押
出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー等公知の
混練装置を用いて、溶融混練することにより得ることが
でき、得られた樹脂組成物は、例えば、プレス成形、押
出成形、カレンダー成形等の従来公知の成形方法によ
り、熱膨張性シートに成形することができる。
【0044】次に、上記樹脂組成物(II)について説明
する。上記樹脂組成物(II)で用いられるエポキシ樹脂
は、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつ
モノマーと硬化剤とを反応させることにより得られる。
上記エポキシ基をもつモノマーとしては、例えば、2官
能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、多
官能のグリシジルエーテル型等のモノマーが例示され
る。
【0045】上記2官能のグリシジルエーテル型のモノ
マーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポ
リプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール
型、1、6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロ
パン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、
水添ビスフェノールA型等のモノマーが挙げられる。
【0046】上記グリシジルエステル型のモノマーとし
ては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒ
ドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香
酸型等のモノマーが挙げられる。
【0047】上記多官能のグリシジルエーテル型のモノ
マーとしては、例えば、フェノールノボラック型、オル
ソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシ
クロペンタジエン・フェノール型等のモノマーが挙げら
れる。
【0048】これらのエポキシ基をもつモノマーは、単
独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0049】上記硬化剤としては、重付加型又は触媒型
のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例え
ば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメル
カプタン等が例示される。また、上記触媒型の硬化剤と
しては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス
酸錯体等が例示される。
【0050】上記エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定
されず、公知の方法によって行うことができる。
【0051】上記エポキシ樹脂を使用することにより、
燃焼後の断熱膨張層が架橋構造をとるため形状保持性が
優れ、断熱膨張層の厚みを薄くすることできるので好ま
しい。
【0052】上記樹脂組成物(II)において、リン化合
物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤は、上
記樹脂組成物(I)と同様の成分が用いられる。
【0053】上記樹脂組成物(II)におけるリン化合物
の配合量は、少なくなると十分な形状保持性が得られ
ず、多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に
耐えられなくなるので、エポキシ樹脂100重量部に対
して50〜150重量部が好ましい。
【0054】上記樹脂組成物(II)における中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛の配合量は、少なくなると十分な熱膨
張性が得られず、多くなると機械的物性の低下が大きく
なり、使用に耐えられなくなるので、エポキシ樹脂10
0重量部に対して15〜40重量部が好ましい。
【0055】上記樹脂組成物(II)における無機充填剤
の配合量は、少なくなると十分な耐火性能が得られず、
多くなると機械的物性の低下が大きくなり、使用に耐え
られなくなるので、エポキシ樹脂100重量部に対して
30〜500重量部が好ましい。
【0056】上記樹脂組成物(II)におけるリン化合
物、中和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の合計
配合量は、少なくなると燃焼後の残渣量が不十分となっ
て十分な耐火性能が得られず、多くなると機械的物性の
低下が大きくなり、使用に耐えられなくなるので、エポ
キシ樹脂100重量部に対して三者の合計量で200〜
600重量部が好ましい。
【0057】上記リン化合物と中和処理された熱膨張性
黒鉛とを組み合わせることによって、燃焼時の熱膨張性
黒鉛の飛散を抑え、燃焼残渣の形状保持性の向上を図る
ことができる。上記樹脂組成物(II)において、熱膨張
性黒鉛の量が多くなると、燃焼時に熱膨張性黒鉛が飛散
して十分な断熱膨張層が得られず、逆にリン化合物の量
が多くなっても燃焼時に十分な断熱膨張層が得られない
ため、熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比は、9:1
〜1:100が好ましい。
【0058】上記樹脂組成物(II)を、例えば、金属板
に塗布後加熱硬化させることにより、熱膨張性シートと
することができる。
【0059】上記記樹脂組成物(I)及び(II)には、
その物性を損なわない範囲で、フェノール系、アミン
系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電
防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料などが添
加されてもよい。
【0060】第2発明の耐火床は、第1発明の耐火床の
熱膨張性シート層上に、不燃材及び/又は金属板が積層
されている。
【0061】上記不燃材としては、例えば、石膏ボー
ド、ガラスウール、ロックウール、セラミックウール、
ALC、ケイ酸カルシウム板、パーライトセメント板、
スレート板等が挙げられる。上記金属板としては、例え
ば、鉄板、ステンレス板、アルミニウム板、アルミ・亜
鉛合金メッキ鋼板、表面処理鋼板、チタン板、ホーロー
板、クラッド鋼板、銅板等が挙げられる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例について
説明する。
【0063】(実施例1)板厚1.6mmのデッキプレ
ート(川鉄建材社製「QLデッキ#QL99−50」)
に「JASS 5 鉄筋コンクリート工事」(日本建築
学会)に準拠して鉄筋(図示しない)を配し、図1に示
したように、普通コンクリート1をデッキプレート2の
山上より40mm厚(図1のt)となるように打設し
た。次いで、0.3mm厚の亜鉛鋼板3に3mm厚の熱
膨張性シート4を積層した積層体の熱膨張性シート4側
をデッキプレート2に貼付けて、耐火床を作製した。
尚、熱膨張性シートは、ブチルゴム(エクソンケミカル
社製「#052」)42重量部、ポリブテン(出光石油
化学社製「#100R」)50重量部、水添石油樹脂
(粘着付与剤、トーネックス社製「エスコレッツ#53
20」)8重量部、ポリリン酸アンモニウム(チッソ社
製「テラージュC80」)100重量部、中和処理され
た熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP
−EG」)20重量部、水酸化アルミニウム(昭和電工
社製「ハイジライトH−31」)75重量部、及び、炭
酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF−30
0」)75重量部を含有する樹脂組成物(I)を、ロー
ル混練によりシート状に成形したものを使用した。
【0064】上記耐火床につき、JIS A 1304
に準拠して、耐火1時間の試験を行ったところ、表面温
度が260℃以下で耐火1時間に合格することが判明し
た。
【0065】(実施例2)図2に示したように、実施例
1と同様のデッキプレート2の溝部に沿ってスチレン発
泡体5を充填し、スチレン発泡体5の上に50mm厚の
ALC板6を留め付けた。次いで、0.3mm厚の亜鉛
鋼板3に、実施例1と同様の3mm厚の熱膨張性シート
4を積層した積層体の熱膨張性シート4側をデッキプレ
ート2に貼付けて、耐火床を作製した。上記耐火床につ
き、JIS A 1304に準拠して、耐火1時間の試
験を行ったところ、表面温度が260℃以下で耐火1時
間に合格することが判明した。
【0066】(実施例3)図3に示したように、実施例
1と同様のデッキプレート2に予め3mm厚の熱膨張性
シート4を積層した後、デッキプレート2の非積層側に
実施例1と同様に普通コンクリート1(t=40mm)
を打設して、耐火床を作製した。尚、熱膨張性シート
は、エポキシ樹脂(油化シェル社製「E807」)40
重量部、ジアミン系硬化剤(油化シェル社製「EFKF
L052」)60重量部、赤リン90重量部、中和処理
された熱膨張性黒鉛40重量部、及び、水酸化アルミニ
ウム200重量部を含有する樹脂組成物(II)をデッキ
プレートに塗布した後、加熱硬化させたものを使用し
た。
【0067】上記耐火床につき、JIS A 1304
に準拠して、耐火1時間の試験を行ったところ、表面温
度が260℃以下で耐火1時間に合格することが判明し
た。
【0068】(比較例1)図4に示したように、実施例
1と同様のデッキプレート12に普通コンクリート11
(t=40mm)をデッキプレート12の山上より40
mm厚となるように打設したものを耐火床として用い
た。上記耐火床につき、JIS A 1304に準拠し
て、耐火1時間の試験を行ったところ、表面温度が26
0℃を超え、耐火1時間に合格しないことが判明した。
【0069】
【発明の効果】本発明の耐火床は、上述の構成であり、
デッキプレートとコンクリートとから構成される床材に
おいて、コンクリートの打設厚みを薄くしても、耐火1
時間以上の耐火性能を有し、しかも軽量なので施工性に
優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の耐火床を示す模式断面図である。
【図2】実施例2の耐火床を示す模式断面図である。
【図3】実施例3の耐火床を示す模式断面図である。
【図4】比較例1の耐火床を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1,11 普通コンクリート 2,12 デッキプレート 3 亜鉛鋼板 4 熱膨張性シート 5 スチレン発泡体 6 ALC板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 15/08 E04F 15/08 A // B32B 13/06 B32B 13/06 Fターム(参考) 2E001 DE01 FA11 FA18 GA07 GA12 GA15 GA24 GA42 GA82 HA04 HB02 HD01 HE01 HF12 JA06 2E162 CA11 CA13 CB02 CE01 DA09 FA00 FD04 4F100 AA01C AA04C AA08H AA19H AB01B AB01D AB03 AB18 AD11C AE01A AK08C AK53C AN02C AR00C AR00D AT00B BA04 BA10A BA10D CA08C CA23C DJ01 GB07 JA02C JJ07 JJ07D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デッキプレートとコンクリートから構成
    されるデッキプレートコンクリート床のデッキプレート
    側に、熱膨張性シート層が積層されていることを特徴と
    する耐火床。
  2. 【請求項2】 デッキプレートとコンクリートから構成
    されるデッキプレートコンクリート床のデッキプレート
    側に熱膨張性シート層が積層され、該熱膨張性シート層
    上に不燃材及び/又は金属板が積層されていることを特
    徴とする耐火床。
  3. 【請求項3】 上記熱膨張性シート層が、ブチルゴムを
    主成分とする樹脂分100重量部、リン化合物及び中和
    処理された熱膨張性黒鉛の合計量20〜200重量部、
    並びに、無機充填剤50〜500重量部を含有する樹脂
    組成物(I)より形成されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の耐火床。
  4. 【請求項4】 上記熱膨張性シート層が、エポキシ樹脂
    100重量部、リン化合物50〜150重量部、中和処
    理された熱膨張性黒鉛15〜40重量部、及び、無機充
    填剤30〜500重量部を含有し、前記リン化合物、中
    和処理された熱膨張性黒鉛及び無機充填剤の合計量が2
    00〜600重量部である樹脂組成物(II)より形成さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の耐火
    床。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007321509A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Ohbayashi Corp 防水床スラブ
WO2012127533A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 川崎重工業株式会社 耐熱床を備えた鉄道車両
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