JP2001240733A - 黒色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents
黒色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物Info
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Abstract
れ、成形品の強度に異方性がなく、熱時寸法安定性に優
れると共に伸び特性の良好で、絶縁性が高い。 【解決手段】 ポリブチレンテレフタレート樹脂中に着
色剤としてニグロシン系染料及びペリノン系化合物を含
有する黒色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
Description
に優れ、黒色の色相が良好で、絶縁性の高い黒色ポリブ
チレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
チレンテレフタレート樹脂は、優れた寸法安定性及び絶
縁性を示すと共に、耐熱性、耐薬品性、耐光性、耐酸
性、耐油性、耐疲労性、耐衝撃性、剛性等が良好である
ため、各種成形部品、繊維状物、シート状物、管状物、
容器状物等に加工され、広範囲な物品の成型品として使
用されている。また、繊維強化したポリブチレンテレフ
タレート樹脂は成形材料として、熱硬化性樹脂に匹敵す
る強靱な物性をもつことから、広く使用されている。こ
のようなポリブチレンテレフタレート樹脂の着色は、遮
光性、装飾、色分け、プラスチックの耐光性向上、内容
物の保護や隠蔽等の目的で行われ、産業界では黒色の着
色成形物が最も一般的で重要である。
色は、従来から、カーボンブラックに代表される黒色顔
料により行われている。その例としては、ポリエチレン
テレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂
(PBT)との混合樹脂にカーボンブラックを分散した
特開平5−194825号公報記載の黒色ポリエステル
着色剤;熱可塑性樹脂(PBT)とマイカ粉体からなる
樹脂組成物100重量部に対して、混合により黒色系と
なる二種以上有機染顔料の混合物を0.01−10重量
部配合された特開平5−230278号公報記載の着色
樹脂組成物;ポリエステル樹脂(PBT)に、熱可塑性
エラストマー及び/又はポリオレフィンによりあらかじ
め処理された変性カーボンブラックを配合された特開平
6−57110号公報記載のポリエステル樹脂組成物;
熱可塑性有機ポリマー(PBT)、鉱物性黒色顔料、及
び、無機系顔料及び/又は有機系顔料及び/又はポリマ
ー可溶性染料からなる着色剤を配合された特開平7−1
65979号公報記載の合成樹脂成形材料;ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂又
はポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系化合物
で処理された無機充填材、カーボンブラック等からなる
着色剤を配合された特開平9−104812号公報記載
の強化ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられ
る。
ブラック、フタロシアニンブラック等)のポリブチレン
テレフタレート樹脂着色では、長時間混練しても樹脂中
に微細に分散しないといった問題や、元のポリブチレン
テレフタレート樹脂着色と比較して物性の低下が生じる
ことがある。またガラス繊維強化ポリブチレンテレフタ
レート樹脂において、成形中に熱変化によるそり変形が
増大したり、流動性や成型品表面の光沢等が著しく低下
することがある。更に、上記従来の黒色ポリブチレンテ
レフタレート樹脂組成物は、外観、表面光沢、機械的特
性、耐光性等について十分に満足し得るものではなかっ
た。
性や耐熱性)を示す黒色ポリブチレンテレフタレート樹
脂組成物が市場から強く要望されている。特に、電気製
品や自動車製品の部品用として、細部にわたり精度及び
絶縁性の高い成形品が得られる黒色ポリブチレンテレフ
タレート樹脂組成物が強く望まれている。
課題に鑑み行なわれたものであって、その目的とすると
ころは、外観、表面光沢、黒色の色相及び耐候性に優
れ、成形品の強度に異方性がなく、熱時寸法安定性に優
れると共に伸び特性の良好で、絶縁性の高い、繊維補強
された又は繊維補強されない黒色ポリブチレンテレフタ
レート樹脂組成物を提供することにある。
レンテレフタレート樹脂に対するニグロシン系染料及び
ペリノン化合物の分散性及び溶解性が良好であり、ニグ
ロシン系染料及びペリノン系化合物により着色した黒色
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の成形物が、外
観、表面光沢、黒色の色相、耐候性の何れにも優れるこ
とを見出し、本発明を完成した。
レンテレフタレート樹脂組成物は、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂中に着色剤としてニグロシン系染料及びペ
リノン系化合物を含有することを特徴とする。
れる化合物とすることができる。
びBは、下記式(2)又は式(3)で示されるベンゼン
環又はナフタレン環を示し、AとBは同じでも異なって
いてもよい。
R10は、それぞれ独立的に、H、ハロゲン、炭素数1
乃至18のアルキル基、炭素数1乃至18のアルコキシ
基、アラルキル基、又はアリール基を示す。〕]
組成物における着色剤であるニグロシン系染料及びペリ
ノン系化合物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂との
分散性及び相溶性が良好なため、カーボンブラック等の
黒色顔料のみを着色剤とした場合に比し、短時間でより
均一な黒色にポリブチレンテレフタレート樹脂を着色す
ることができる。この点はドライカラー法においても同
様である。
剤とした場合、十分な黒色とならないが、本発明のポリ
ブチレンテレフタレート樹脂組成物による成形物は、優
れた色相の漆黒色を呈する。
フタレート樹脂組成物は繊維状補強材の影響を受けるた
め着色剤が著しく分散しにくいが、本発明における黒色
着色効果は、特に、このような繊維状補強材を含有する
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の場合に顕著で
ある。
樹脂組成物は、元のポリブチレンテレフタレート樹脂組
成物や黒色顔料(例えばカーボンブラック等)により着
色されたポりブチレンテレフタレート樹脂組成物よりも
結晶化温度が低い(例えば5℃以上)。そのため、金型
を用いてポリブチレンテレフタレート樹脂を成形する場
合に、そのポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化速
度が良好に調節され、黒色ポリブチレンテレフタレート
樹脂組成物が金型内の隅々まで広がるので、成形の精度
が向上すると共に、成形物の表面に細かい凹凸ができに
くいため外観及び光沢の良好な成形物が得られる。而
も、ポリブチレンテレフタレート樹脂の成形時の温度変
化に伴う体積変化が低減される。
レート樹脂組成物は、カーボンブラック等の黒色顔料の
みを着色剤とした場合に比し、成形物の絶縁性が高い。
そのため、絶縁性の要求される部品の多い電気・電子製
品や自動車等の分野の部品の材料として最適である。
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物と繊維補強され
たポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とを区別して
いる場合を除き、両者に共通する。
は、COLOUR INDEXにC.I.SOLVEN
T BLACK 5又はC.I.SOLVENT BL
ACK7として記載されているような黒色アジン系縮合
混合物を用いることができる。その合成は、例えば、ア
ニリン、アニリン塩酸塩及びニトロベンゼンを、塩化鉄
の存在下、反応温度160乃至180℃で酸化及び脱水
縮合することにより行い得る。ニグロシン系染料は、反
応条件、仕込み原料及び仕込比等の如何によって、種々
の異なる化合物の混合物として生成するが、例えば次の
式(I)又は(II)に表されるような各種のトリフェ
ナジンオキサジン及び式(III)乃至(VI)で表さ
れるようなフェナジンアジン系化合物の混合物と推定さ
れている。
OHを示す。]
は、スピリットブラックSB、スピリットブラックSS
BB、スピリットブラックAB(以上、C.I.SOL
VENT BLACK 5);ニグロシンベースSA、
ニグロシンベースSAP、ニグロシンベースEE、ニグ
ロシンベースEX、ニグロシンベースEX−BP(以
上、C.I.SOLVENT BLACK 7)等を例
示することができる[何れもオリヱント化学工業社製の
ニグロシン系染料の商品名]。
しては、各種の加工又は変性ニグロシン染料を用いるこ
とができ、これらと前記ニグロシン系染料のうち2種以
上のものの混合物を用いることもできる。このような加
工又は変性ニグロシン染料としては、例えばニグロシン
と高級脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸塩、オレイン酸
塩等)から得られる黒色染料、ニグロシンと各種界面活
性剤(例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性
剤等)から得られる黒色染料、ニグロシンと各種樹脂
(例えば、カルボキシ基等を有する変性樹脂等)から得
られる黒色染料等が挙げられる。
樹脂組成物におけるニグロシン系染料は、絶縁性を重視
する用途においてはC.I.SOLVENT BLAC
K7が好ましい。より好ましくは、前記ニグロシン系染
料のpH(すなわちニグロシン系染料の製品pH)が6
乃至9であるもの、更に好ましくはpHが7乃至9であ
るものである。また、高ベース化されたニグロシン系染
料を用いると絶縁性が良好になる。高ベース化されるこ
とによって、ニグロシン系染料中のCl分が減少すると
共にイオン性の不純物が取り除かれ、本発明の黒色ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂組成物を用いた成形物の体
積抵抗値が高くなる。
は、式(4)の構造を分子内に有する化合物であれば特
に限定はない。公知の各種構造のペリノン化合物を使用
し得る。また、2種以上のペリノン化合物の混合物であ
ってもよい。
する相溶性及び分散性を考慮すると、本発明におけるペ
リノン系化合物は式(1)で表される化合物であること
が好ましい。
びBは、下記式(2)又は式(3)で示されるベンゼン
環又はナフタレン環を示し、AとBは同じでも異なって
いてもよい。
R10は、それぞれ独立的に、H(水素);Cl、Br
等のハロゲン;炭素数1乃至18のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ウンデシル、ド
デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル
等);炭素数1乃至18のアルコキシ基(例えば、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ等);アラルキル基(例えば、ベン
ジル、フェニルエチル、メチルベンジル、ナフチルメチ
ル等);又はアリール基(例えば、フェニル、ナフチル
等)を示す。〕]
は、COLOUR INDEXに記載されている次のよ
うな染顔料を挙げることができる。C.I.SOLVE
NT ORANGE 60及び同78等の赤味黄色(橙
色)染料;C.I.SOLVENT RED 135、
同162、同178、及び同179等の赤色染料;C.
I.SOLVENT VIOLET 29等の紫色染
料;C.I.PIGMENT ORANGE 43等の
赤味黄色(橙色)顔料;C.I.PIGMENT RE
D 194等の赤色顔料等が挙げられる。
相溶性及び分散性を考慮すると、このようなペリノン化
合物中、染料の方がより好ましい。
配合比(ニグロシン/ペリノン系化合物)は、成形物が
良好な黒色色相を示す上で、1/1乃至3/1とするこ
とが好ましい。より好ましくは、1.5/1乃至2.5
/1である。
色濃度成形物)の場合、ポリブチレンテレフタレート樹
脂に対し例えば0.01乃至15重量%とすることがで
きる。好ましくは0.01乃至5重量%、より好ましく
は0.01乃至3重量%である。また、マスターバッチ
(高着色濃度成形物)の場合の着色剤の使用量は、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂に対し例えば15乃至50
重量%とすることができる。好ましくは20乃至35重
量%である。
ート樹脂は、芳香族ジカルボン酸類(主にテレフタル
酸)又はそのエステルとグリコール類(主に1,4−ブ
タンジオール)を主な原料として得られるポリエステル
樹脂であり、分子内に多数のブチレンテレフタレート単
位の繰り返しが存在する。本発明において適したもの
は、樹脂中にブチレンテレフタレート単位の繰り返しを
少なくとも60モル%以上有するポリブチレンテレフタ
レート樹脂、好ましくは80モル%以上、より好ましく
は90モル%以上有するポリブチレンテレフタレート樹
脂である。ポリブチレンテレフタレート樹脂と他の合成
樹脂とのポリマーアロイを用いることもできる。そのよ
うなポリマーアロイの例としては、ポリブチレンテレフ
タレート/ポリカーボネートアロイ、ポリブチレンテレ
フタレート/ポリアミドアロイ、ポリブチレンテレフタ
レート/ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合樹脂)アロイ、ポリブチレンテレフタレート
/ポリプロピレンアロイ、ポリブチレンテレフタレート
/ポリフェニレンエーテルアロイ等を挙げることができ
る。これらのポリブチレンテレフタレート樹脂(ポリマ
ーアロイを含む)は、単独で、或は2種類以上を混合し
て用いることができる。
は、合成樹脂の補強材として通常用い得るものを、樹脂
成形物の用途及び目的に応じ適宜使用し得、特に限定さ
れない。このような繊維状補強材の例としては、ガラス
繊維、炭素繊維、及び各種有機繊維を挙げることができ
る。例えばガラス繊維の場合、その含有量は、ポりブチ
レンテレフタレート樹脂に対し5乃至120重量%とす
ることが好ましい。5重量%未満の場合、十分なガラス
繊維補強効果が得られ難く、120重量%を超えると成
形性が低下することとなり易い。好ましくは10乃至6
0重量%、より好ましくは20乃至50重量%である。
樹脂組成物及び繊維強化黒色ポりブチレンテレフタレー
ト樹脂成形物は、その目的に応じ所望の特性を付与する
ために、種々の添加剤が配合されてもよい。このような
添加剤としては、例えば助色剤、分散剤、充填剤、安定
剤、可塑剤、結晶核剤、改質剤、紫外線吸収剤又は光安
定剤、酸化防止剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、難燃
剤、無機充填剤及び耐衝撃性改良用のエラストマー等が
挙げられる。
耐熱性や耐光性の向上、又は色調の調整等のため、本発
明の目的を損なわない範囲で、無機顔料(例えば、カー
ボンブラック等)、有機顔料又は有機染料等を用いるこ
とができる。
オイル及びアルキル変性シリコンオイル等のケイ素化合
物、WAX等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、サリシレート系化合物、シアノアクリレート系化合
物、ベンゾエート系化合物、オギザアリド系化合物、ヒ
ンダードアミン系化合物及びニッケル錯塩等が挙げられ
る。
合物、リン系化合物、イオウ系化合物及びチオエーテル
系化合物等が挙げられる。
−チアゾリル)ベンズイミダゾール、10,10’−オ
キシビスフェノキシアルシン、N−(フルオロジクロロ
メチルチオ)フタルイミド及びビス(2−ピリジルチオ
−1−オキシド)亜鉛等が挙げられる。
ェノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニールエーテル
及びテトラブロモ無水フタル酸等のハロゲン含有化合
物;トリフェニールホスフェート、トリフェニールホス
ファイト、赤リン及びポリリン酸アンモニウム等のリン
含有化合物;尿素及びグアニジン等の窒素含有化合物;
シリコンオイル、有機シラン及びケイ酸アルミニウム等
のケイ素含有化合物;三酸化アンチモン及びリン酸アン
チモン等のアンチモン化合物等が挙げられる。
ク、ガラスビーズ、シリカ、石英、無定形ケイ酸、タル
ク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、金
属粉、カオリン、ケイ酸カルシウム、雲母及び珪灰石等
が挙げられる。
樹脂組成物の調製は、任意の方法により行い得る。例え
ば、ポリブチレンテレフタレート樹脂のペレット又は粉
末と、着色剤(粉砕されたニグロシン系染料及びペリノ
ン化合物)と(繊維強化の場合には、繊維状補強材を加
える)必要に応じ各種添加物を適量加え、適当なミキサ
ー中で混合することにより行い得る。本発明の黒色ポり
ブチレンテレフタレート樹脂組成物は、原材料を任意の
配合方法により配合することによって得ることができ
る。これらの配合成分は、通常、できるだけ均質化させ
ることが好ましい。具体的には、例えば、全ての原材料
をブレンダー、ニーダー、バンバリーミキサー、ロー
ル、押出機等の混合機で混合して均質化させることによ
り黒色ポりブチレンテレフタレート樹脂組成物を得た
り、或いは、一部の原材料を混合機で混合した後、残り
の成分を加えて更に混合して均質化させることにより黒
色ポりブチレンテレフタレート樹脂組成物を得ることも
できる。また、予めドライブレンドされた原材料を、加
熱した押出機で溶融混練して均質化した後、針金状に押
出し、それを所望の長さに切断して黒色粒状物(黒色ペ
レット)とすることもできる。
レート樹脂組成物のマスターバッチは、任意の方法によ
り得られる。例えば、マスターバッチのベースとなるポ
りブチレンテレフタレート樹脂の粉末又はペレットと着
色剤(粉砕されたニグロシン系染料及びペリノン化合
物)をタンブラーやスーパーミキサー等の混合機で混合
した後、押出機、バッチ式混練機又はロール式混練機等
により加熱溶融してペレット化又は粗粒子化することに
より得ることができる。また例えば、合成後未だ溶融状
態にあるマスターバッチ用ポりブチレンテレフタレート
樹脂に着色剤を添加後、溶媒を除いてマスターバッチを
得ることもできる。
樹脂組成物の成形は、通常行われる種々の手順により行
い得る。例えば、着色ペレットを用いて、押出機、射出
成形機、ロールミル等の加工機により成形することによ
り行うことができる。また、ポりブチレンテレフタレー
ト樹脂のペレット又は粉末、着色剤(粉砕されたニグロ
シン系染料及びペリノン化合物)、及び必要に応じ各種
の添加物を、適当なミキサー中で混合し、この混合物を
加工機を用いて成形することにより行うこともできる。
また例えば、適当な重合触媒を含有するモノマーに着色
剤を加え、この混合物を重合により所望のポりブチレン
テレフタレート樹脂とし、これを適当な方法で成形する
こともできる。成形方法としては、例えば、射出成形、
押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、インジェ
クションブロー成形、回転成形、カレンダー成形、溶液
流延等、一般に行われる何れの成形方法を採用すること
も可能である。
レート樹脂組成物は、本質的に、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂並びに着色剤としてのニグロシン系染料及び
ペリノン系化合物からなるもの、或いは、本質的に、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、着色剤としてのニグロ
シン系染料及びペリノン系化合物、並びに繊維状補強材
からなるものとすることができる。何れの場合も、本発
明の基本的な特性に影響を及ぼすことのない適量の物
質、例えば上記のような添加剤等の1又は2以上を含ん
でもよい。
有しない黒色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の
成形物は、均一に着色され、外観及び表面光沢に優れ、
特に、良好な黒色の色相を示す。また特に、耐候性及び
耐熱性に優れ、退色の速度が緩やかであり、退色中の色
相変化がほとんどなく、成形物の表面及び外形の変形が
ほとんど生じない。而も、成形品の強度に異方性がな
く、優れた熱時寸法安定性を示し、精度良く成形するこ
とができる。
ート樹脂組成物は、絶縁性が高いので、自動車や電気・
電子製品等の分野の部品の材料として最適であり、広く
用いることができる。
レート樹脂組成物におけるニグロシン系染料及びペリノ
ン化合物は、成形のための熱溶融によって変退色せず、
ポリブチレンテレフタレート樹脂の流動性に支障を与え
ず、絶縁性を高める。
するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものでは
ない。
0g (ポリブチレンテレフタレート樹脂:ガラス繊維=10
0:30の重量混合比のガラス繊維強化ポリブチレンテ
レフタレート樹脂[ポリプラスチックス社製 商品名:
ジュラネックス3405]) ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースSAP[C.I.SOLVENT B
LACK 7])・・・2.0g ペリノン系化合物(C.I.Solvent Oran
ge 60の染料)・・・1.0g
れ、1時間撹拌混合した。
商品名:KM50−C)を用いて、260℃で通常の
方法で射出成形したところ、外観及び表面光沢が良好
で、色むらがない均一な黒色の試験片[48×86×3
(mm)]が得られた。
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
用いて、成形板の60度入射角での光沢値を測定した。
一般に、光沢値の高いものの方が、表面の平滑性が高
く、表面光沢が豊富であると判断される。 色味(明度、青味) 分光色差計(JUKI社 JP7100F)を用いて、
明度(L*)と青味(b*)を測定した。一般に、明度
(L*)は指標として黒(0)〜白(100)で表され
るので、L*値が低い方がより黒色に近い。また、青味
(b*)は指標として黄(+)〜青(−)で表されるの
で、b*が負の値として低い方が青味であると判断され
る。
200A)を用い、表1の試験条件のサイクル[下記条
件のフェーズ1とフェーズ2の繰り返し]で、200時
間照射した。
キセノンテスターに入れる前の成形板との色差である△
Eを、上記の分光色差計を用いて測定した。
260℃の条件にて、通常射出成形の(材料を投入して
1分後に射出成形された)成形板と材料投入後シリンダ
ー内で10分間滞留させた後に射出成形した成形板との
色差△Eを上記の分光色差計を用いて測定した。
置させた成形板と、乾燥機に入れる前の成形板との色差
△Eを上記の分光色差計を用いて測定した。
ント化学工業社製 商品名:ニグロシンベースSAP
[C.I.SOLVENT BLACK 7])とペリ
ノン系化合物(C.I.Solvent Orange
60の染料)を、下記の2つの着色剤に変更したこと
以外は実施例1と同様の方法で射出成形して、外観及び
表面光沢が良好で、色むらがない均一な黒色の試験片を
得た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースEX−BP[C.I.SOLVENT
BLACK 7])・・・2.0g ペリノン系化合物(C.I.Solvent Oran
ge 60の染料) ・・・1.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
は実施例1と同様の方法で射出成形して、外観及び表面
光沢が良好で、色むらがない均一な黒色の試験片を得
た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースSAP[C.I.SOLVENT B
LACK 7])・・・2.0g ペリノン系化合物(C.I.Solvent Oran
ge 78の染料)・・・1.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
は実施例1と同様の方法で射出成形して、外観及び表面
光沢が良好で、色むらがない均一な黒色の試験片を得
た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースSAP[C.I.SOLVENT B
LACK 7])・・・2.0g ペリノン系化合物(C.I.Solvent RED
135の染料)・・・1.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
例1と同様の方法で射出成形したところ、表面光沢は問
題ないが青っぽい色味の試験片を得た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースSAP[C.I.SOLVENT B
LACK 7])・・・3.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
例1と同様の方法で射出成形したところ、表面光沢がや
や少なく青っぽい色味の試験片を得た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースEX−BP[C.I.SOLVENT
BLACK 7])・・・3.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
例1と同様の方法で射出成形したところ、表面光沢は問
題ないが青っぽい色味の試験片を得た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースSB[C.I.SOLVENT BL
ACK 5])・・・3.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
は実施例1と同様の方法で射出成形したところ、表面光
沢がやや少なく灰色っぽい色味の試験片を得た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースSAP[C.I.SOLVENT B
LACK 7])・・・2.0g 黄色油溶性染料(C.I.Solvent Yello
w 163の染料)・・・1.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
は実施例1と同様の方法で射出成形したところ、表面光
沢がやや少なく灰色っぽい色味の試験片を得た。 ニグロシン系染料(オリヱント化学工業社製 商品名:
ニグロシンベースEX−BP[C.I.SOLVENT
BLACK 7])・・・2.0g 黄色油溶性染料(C.I.Solvent Yello
w 163の染料)・・・1.0g
び熱安定性に関する測定結果を、後記表2に示す。
Claims (7)
- 【請求項1】ポリブチレンテレフタレート樹脂中に着色
剤としてニグロシン系染料及びペリノン系化合物を含有
することを特徴とする黒色ポリブチレンテレフタレート
樹脂組成物。 - 【請求項2】上記ペリノン系化合物が式(1)で表され
る化合物である請求項1記載の黒色ポリブチレンテレフ
タレート樹脂組成物。 【化1】 [式(1)中、mは1又は2を示し、A及びBは、下記
式(2)又は式(3)で示されるベンゼン環又はナフタ
レン環を示し、AとBは同じでも異なっていてもよい。 【化2】 〔式(2)及び式(3)におけるR1乃至R10は、そ
れぞれ独立的に、H、ハロゲン、炭素数1乃至18のア
ルキル基、炭素数1乃至18のアルコキシ基、アラルキ
ル基、又はアリール基を示す。〕] - 【請求項3】上記ニグロシン系染料がC.I.SOLV
ENT BLACK 7である請求項1又は2記載の黒
色ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。 - 【請求項4】ニグロシン系染料のpHが6乃至9である
請求項1、2又は3記載の黒色ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂組成物。 - 【請求項5】上記ポリブチレンテレフタレート樹脂にお
けるブチレンテレフタレート単位の繰り返しが90モル
%以上である請求項1、2、3又は4記載の黒色ポリブ
チレンテレフタレート樹脂組成物。 - 【請求項6】繊維状補強材を含有する請求項1、2、
3、4又は5記載の黒色ポりブチレンテレフタレート樹
脂組成物。 - 【請求項7】上記ニグロシン系染料を含有しない元のポ
りブチレンテレフタレート樹脂に比し結晶化温度が5℃
以上低い請求項1、2、3、4、5又は6記載の黒色ポ
りブチレンテレフタレート樹脂組成物。
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