JP2001240322A - エレベーターの制御装置 - Google Patents

エレベーターの制御装置

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JP2001240322A JP2000051943A JP2000051943A JP2001240322A JP 2001240322 A JP2001240322 A JP 2001240322A JP 2000051943 A JP2000051943 A JP 2000051943A JP 2000051943 A JP2000051943 A JP 2000051943A JP 2001240322 A JP2001240322 A JP 2001240322A
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仁 田島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、常に商用電源から電力を供給して消費
するので、商用電源が停電するとエレベーターの運転が
不可能になる等の問題点があった。 【解決手段】 直流電力を貯蔵する電力蓄積装置21
と、電力蓄積装置の充電状態を管理するとともに、コン
トローラからの運転情報に基づきエレベーターの停止期
間中に直流電力を電力蓄積装置へ充電するときは駆動信
号を出力し、電力蓄積装置の電圧が予め設定された所定
電圧に達して充電を停止するときには停止信号を出力す
る充放電制御回路23と、駆動信号に従って電力蓄積装
置への直流電力の充電を開始し、停止信号に従って充電
を停止する充放電回路22とを備えた。 【効果】 停電時の着床運転が可能な状態を保証し、電
力使用のピークカットができ、かつエレベーターの回生
時に発生する電力を有効に利用する省エネルギー化が可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力蓄積装置を
利用したエレベーターの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエレベーターの制御装置について
図面を参照しながら説明する。図8は、例えば『三菱電
機技報「中低速乗用エレベーター“グランディ”のモデ
ルチェンジ」(安藤、木村、森著、Vol.70、No.11、199
6年発行)の9頁』に示された従来のエレベーターの制
御装置の構成を示す図である。
【0003】図8において、1は商用の三相交流電源、
2はインダクションモータIM等の電動機、3は巻上
機、4はロープ、5はエレベーターのかご、6は釣合い
錘である。また、7はエンコーダ、8はコントローラ、
9はダイオード等で構成されたコンバータ、10はコン
デンサ、11はカレントトランス(CT)などの電流検
出器、12はインバータ、13はインバータ制御回路、
14はゲートドライブ回路である。さらに、15は回生
抵抗、16はIGBTなどのスイッチング手段である。
【0004】つぎに、前述した従来のエレベーターの制
御装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0005】電動機2で、巻上機3を回転することによ
り、ロープ4の両端に接続されたエレベーターのかご5
および釣合い錘6を移動させ、かご内の乗客を所定の階
に運ぶ。
【0006】コンバータ9は、商用電源1から供給され
た交流電力を整流して直流電力に変換し、コンデンサ1
0に蓄電する。この直流電力をインバータ12で可変電
圧可変周波数の交流電力に変換する。
【0007】コントローラ8は、エレベーターの起動・
停止を決定するとともに、その位置・速度指令を作成す
る。インバータ制御回路13は、コントローラ8の速度
指令に基づいて、電流検出器11からの電流帰還と、巻
上機3に搭載したエンコーダ7からの速度帰還により、
電動機2を回転駆動して、エレベーターの位置・速度制
御を実現する。この際、インバータ制御回路13は、ゲ
ートドライブ回路14を介してインバータ12の出力電
圧・周波数を制御する。
【0008】エレベーターの釣合い錘6は、かご5に適
度の人間が乗車している時に釣合うように設定されてい
る。例えば、釣合い状態でエレベーターが走行する場
合、加速時は電力を消費しながら速度を上げ、逆に減速
時は蓄積された速度エネルギーを電力に戻すことが可能
である。しかし、一般的なエレベーターでは、この回生
電力は、スイッチング手段16を制御することにより、
回生抵抗15で熱エネルギーに変換して消費される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
エレベーターの制御装置では、エレベーターの運転と同
期して、常に商用電源から電力を供給して消費するの
で、商用電源が停電するとエレベーターの運転が不可能
になると共に、電力使用のピーク時間帯であっても、消
費電力は低減できないという問題点があった。
【0010】また、エレベーターの回生時に発生する電
力は、回生抵抗で熱消費され、有効に使用されていない
という問題点があった。
【0011】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、停電時の着床運転が可能で、電力
使用のピークカットができ、かつエレベーターの回生時
に発生する電力を有効に利用する省エネルギー化が可能
なエレベーターの制御装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るエレベーターの制御装置は、交流電力を整流して直流
電力に変換するコンバータと、前記直流電力を可変電圧
可変周波数の交流電力に変換するインバータと、前記可
変電圧可変周波数の交流電力に基づき電動機を制御して
エレベーターを運転するコントローラとを備えたエレベ
ーターの制御装置において、前記直流電力を貯蔵する電
力蓄積装置と、前記電力蓄積装置の充電状態を管理する
とともに、前記コントローラからのエレベーターの運転
情報に基づきエレベーターの停止期間中に前記直流電力
を前記電力蓄積装置へ充電するときは駆動信号を出力
し、前記電力蓄積装置の電圧が予め設定された所定電圧
に達して充電を停止するときには停止信号を出力する充
放電制御回路と、前記駆動信号に従って前記電力蓄積装
置への前記直流電力の充電を開始し、前記停止信号に従
って前記充電を停止する充放電回路とを備えたものであ
る。
【0013】この発明の請求項2に係るエレベーターの
制御装置は、前記電力蓄積装置の温度を検出する温度検
出手段をさらに備え、前記充放電制御回路は、前記温度
検出手段が検出した前記電力蓄積装置の温度に基づいて
前記所定電圧を可変するものである。
【0014】この発明の請求項3に係るエレベーターの
制御装置は、前記充放電制御回路が、前記電力蓄積装置
の電圧が前記所定電圧に達したときには、前記電力蓄積
装置の充電状態を補正するものである。
【0015】この発明の請求項4に係るエレベーターの
制御装置は、交流電力を整流して直流電力に変換するコ
ンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交流
電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波数
の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを運
転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装置
において、前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、駆
動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記電
力蓄積装置から放電をする充放電回路と、前記電力蓄積
装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装置へ充電する
とき、又は前記電力蓄積装置から放電するときは駆動信
号を出力するとともに、前記電力蓄積装置からのエレベ
ーター運転のための放電終了後から、予め設定された所
定時間が経過した後の前記電力蓄積装置の開放電圧に基
づいて、前記充電状態の補正を行う充放電制御回路とを
備えたものである。
【0016】この発明の請求項5に係るエレベーターの
制御装置は、交流電力を整流して直流電力に変換するコ
ンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交流
電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波数
の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを運
転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装置
において、前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、駆
動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記電
力蓄積装置から放電をする充放電回路と、前記電力蓄積
装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装置へ充電する
とき、又は前記電力蓄積装置から放電するときは駆動信
号を出力するとともに、前記電力蓄積装置への充電終了
後から、予め設定された所定時間が経過した後の前記電
力蓄積装置の開放電圧に基づいて、前記充電状態の補正
を行う充放電制御回路とを備えたものである。
【0017】この発明の請求項6に係るエレベーターの
制御装置は、前記電力蓄積装置の温度を検出する温度検
出手段をさらに備え、前記充放電制御回路は、前記温度
検出手段が検出した前記電力蓄積装置の温度と前記開放
電圧に基づいて前記充電状態の補正を行うものである。
【0018】この発明の請求項7に係るエレベーターの
制御装置は、交流電力を整流して直流電力に変換するコ
ンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交流
電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波数
の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを運
転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装置
において、前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、駆
動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記電
力蓄積装置から放電をする充放電回路と、前記電力蓄積
装置の充電目標値を指示する充電目標指示手段と、前記
電力蓄積装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装置へ
充電するとき、又は前記電力蓄積装置から放電するとき
は駆動信号を出力するとともに、前記充電状態が前記充
電目標値より高い状態にあるときには、前記電力蓄積装
置から放電させてエレベーター運転以外で使用するよう
に前記充放電回路を制御する充放電制御回路とを備えた
ものである。
【0019】この発明の請求項8に係るエレベーターの
制御装置は、交流電力を整流して直流電力に変換するコ
ンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交流
電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波数
の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを運
転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装置
において、前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、駆
動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記電
力蓄積装置から放電をする充放電回路と、前記電力蓄積
装置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装置から放電す
るときは駆動信号を出力するとともに、前記電力蓄積装
置の充電状態を伝送する充放電制御回路と、遠隔地に設
置され、前記伝送されてきた電力蓄積装置の充電状態を
管理する遠隔点検装置とを備えたものである。
【0020】この発明の請求項9に係るエレベーターの
制御装置は、前記遠隔点検装置が、遠隔点検時に、前記
電力蓄積装置の放電量に対応する予め設定された電圧ま
での充電量を測定して充電電流量効率を計算し、前記計
算した充電電流量効率に基づき前記電力蓄積装置の寿命
を予測するものである。
【0021】この発明の請求項10に係るエレベーター
の制御装置は、交流電力を整流して直流電力に変換する
コンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交
流電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波
数の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを
運転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装
置において、前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、
駆動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記
電力蓄積装置から放電をする充放電回路と、前記電力蓄
積装置の充電状態を外部に表示する表示手段と、前記電
力蓄積装置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装置から
放電するときは駆動信号を出力するとともに、前記電力
蓄積装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装置の充電
状態を表示させるために前記表示手段を駆動する充放電
制御回路とを備えたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係るエレベーターの制御装置について図面を参
照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1
に係るエレベーターの制御装置の構成を示す図である。
なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0023】図1において、商用の三相交流電源1〜ゲ
ートドライブ回路14は上記従来例に示した図8の構成
要素と同等のものである。
【0024】また、同図において、21はバッテリや電
気二重層コンデンサなどの大容量コンデンサ等で構成さ
れた電力蓄積装置、22は双方向のDC/DCコンバー
タ等で構成された充放電回路、23は充放電回路22の
充放電電力を制御する充放電制御回路、24はカレント
トランス(CT)等で構成された電力蓄積装置21の入
出力電流を検出するための電流検出器、50はエレベー
ターの所要電力を演算する所要電力演算回路、51は所
要電力演算回路50で演算した所要電力信号を伝送する
ための通信ケーブル、52はエレベーターの起動・停止
信号を伝送するための通信ケーブルである。
【0025】図2は、図1に示す実施の形態1に係るエ
レベーターの制御装置の充放電回路22の構成を示す回
路図である。
【0026】図2において、25はリアクトル、26、
27はIGBT等のスイッチング素子、28、29は逆
並列に接続されたダイオードである。
【0027】電力蓄積装置21への充電は、スイッチン
グ素子26とダイオード29の降圧型チョッパ回路で行
われる。また、電力蓄積装置21からの放電は、スイッ
チング素子27とダイオード28の昇圧型チョッパ回路
で行われる。
【0028】図3は、図1に示す実施の形態1に係るエ
レベーターの制御装置の充放電制御回路23の構成を示
すブロック図である。
【0029】図3において、53、57はゲートドライ
ブ回路、54、58はPWM変調信号を作成するPWM
信号回路、55は充電電流指令値Iccと電流検出器2
4で検出した充電電流検出値Icとの差を例えば比例積
分演算して充電電流指令値に制御する充電電流コントロ
ーラ、56は充放電回路22の入力端の直流電圧を、電
圧指令値Vc*とその実際値Vcとの差を例えば比例積
分演算して、電圧指令値に制御する電圧コントローラ、
59は放電電流指令値Idcと電流検出器24で検出し
た放電電流検出値Icとの差を例えば比例積分演算して
放電電流指令値に制御する放電電流コントローラであ
る。
【0030】また、同図において、60、61、62は
減算器、63は除算器である。なお同図の上段の、ゲー
トドライブ回路53、PWM信号回路54、充電電流コ
ントローラ55、電圧コントローラ56、減算器60、
及び減算器62は充電電力用の制御回路を構成し、同図
の下段の、ゲートドライブ回路57、PWM信号回路5
8、放電電流コントローラ59、減算器61、及び除算
器63は放電電力用の制御回路を構成する。
【0031】つぎに、この実施の形態1に係るエレベー
ターの制御装置の動作について図面を参照しながら説明
する。
【0032】図1に示す三相交流電源1が停電すると、
コントローラ8は、図示していないが、母線電圧、即ち
PN間の電圧Vc、もしくは三相交流電源1の電圧を直
接検出して、停電を検知する。コントローラ8は、停電
検知を所要電力演算回路50へ伝達する。
【0033】所要電力演算回路50は、停電を検知する
と、エレベーターを最寄りの階に着床するための所要電
力を放電電力指令Pd*として充放電制御回路23へ出
力する。充放電制御回路23は、図3に示すブロック図
に従い、ゲートドライブ回路57からゲートドライブ信
号を充放電回路22へ出力する。
【0034】このゲートドライブ信号により、充放電回
路22の放電回路(リアクトル25、スイッチング素子
27、ダイオード28)が動作し、電力蓄積装置21か
ら電力をインバータ12に供給し、電動機2を回転さ
せ、巻上機3を動作させる。これにより、エレベーター
のかご5が最寄り階に着床できる。なお、かご5の乗車
人数によっては、充放電回路22の充電回路(リアクト
ル25、スイッチング素子26、ダイオード29)が動
作し、電動機2からの回生電力を電力蓄積装置21へ充
電しながら、かご5が最寄り階に着床することもある。
【0035】また、電力使用のピーク時間帯である13
時から16時においては、エレベーターの力行運転時に
必要な全電力、あるいは電力の一部を電力蓄積装置21
から上記停電着床時とほぼ同様に、充放電回路22の放
電回路を制御することにより供給する。
【0036】図4は、エレベーターの力行運転時の消費
電力の例を示した図である。エレベーターの力行運転時
において、加速時に消費電力のピークが図4に示すよう
に発生する。この消費電力のピーク部分、例えば図4の
斜線部分を電力蓄積装置21から充放電回路22の放電
回路を制御することにより供給すれば、電力のピークが
カットでき、契約電力が低減できる。
【0037】一方、エレベーターの回生運転時には、例
えば図3の充放電制御回路23のブロック図に示すよう
に、ゲートドライブ回路53から母線電圧Vcを所定の
電圧に制御するためのゲートドライブ信号を出力し、充
放電回路22の充電回路が動作し、電動機2からの回生
電力を電力蓄積装置21に充電する。
【0038】また、充放電制御回路23は、図3に示し
たブロック図とは別に、電流検出器24で検出した電力
蓄積装置21の充放電電流値Icや電力蓄積装置21の
電圧Vbから充電電流量、または充電電力量などを演算
し、充電状態を把握する機能を持っている。
【0039】この充電状態は、停電時に着床するために
必要な状態を常に保証するように管理し、エレベーター
の回生電力の充電だけで不足する場合は、エレベーター
の停止期間中に、コンバータ9、コンデンサ10を通じ
て商用電源1から所定の定電流で電力蓄積装置21を充
電する。
【0040】また、電力使用のピーク時間帯である13
時から16時の間の消費電力を低減するために、13時
までに電力蓄積装置21の充電状態を高くするように、
エレベーターの回生電力の充電とエレベーターの停止期
間中の商用電源1からの所定の定電流での充電を行い、
管理しておく。エレベーターの停止期間中の充電は、上
記図3に示した充放電制御回路23のブロック図におい
て、電圧コントローラ56以降が動作し、所定の定電流
で充電が行われる。
【0041】電力蓄積装置21の充電状態が高くなりす
ぎると、例えば充電状態が100%の場合には、エレベ
ーターの回生電力を充電しても有効に利用できない上
に、電力蓄積装置21がバッテリの時には、バッテリ電
圧が急上昇し、バッテリ内部にガスが発生したりし、バ
ッテリの劣化や寿命の低下が起こることがある。また、
電力蓄積装置21が電気二重層コンデンサの場合には、
耐圧を超えることになるため、劣化や寿命の低下、ひい
ては破壊などの恐れがある。
【0042】充電状態が100%未満の場合であって
も、電力蓄積装置21がバッテリの場合には、電圧が上
昇しやすくなり、充電効率が低下し、ハイレートの充電
となるエレベーターの回生電力の受け入れ性が悪くな
る。そこで、電力蓄積装置21の充電状態が高くなりす
ぎないように、エレベーターの停止期間中の商用電源1
からの充電は予め設定した電圧で充電を停止することに
より、つまり、充放電制御回路23が、充電を停止させ
るためのゲートドライブ信号を出力し、充放電回路22
の充電回路(リアクトル25、スイッチング素子26、
ダイオード29)をオフ(OFF)にすることにより、
電力蓄積装置21の充電状態をエレベーターの回生電力
の受け入れ性が良い状態にしておくことができる。
【0043】以上のように、エレベーターの停止時に電
力蓄積装置21を充電することにより、停電時の着床を
保証するようにすると共に、エレベーターの停止期間中
の商用電源1からの充電を予め設定した電圧で停止する
ことにより、電力蓄積装置21の充電状態を管理して、
エレベーターの回生電力の受け入れ性が良い状態にして
おき、回生電力を効率良く充電し、電力蓄積装置21の
劣化、寿命の低下、破壊を防止する効果がある。
【0044】また、電力蓄積装置21に充電した回生電
力を電力蓄積装置21を管理しながら有効に放電するこ
とにより、省エネ化が図れ、電力使用ピーク時間帯の消
費電力の低減による電力ピークカット、エレベーターの
ピーク電力の低減による契約電力低減が図れ、電気料金
の低減ができる効果がある。
【0045】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係るエレベーターの制御装置について図面を参照しなが
ら説明する。なお、この発明の実施の形態2に係るエレ
ベーターの制御装置の基本構成は、上記実施の形態1と
同様である。また、後述する実施の形態3以降の各実施
の形態の基本構成も、上記実施の形態1と同様である。
【0046】上記実施の形態1では、電力蓄積装置21
の温度にかかわらず、エレベーターの停止期間中の商用
電源1からの定電流での充電を予め設定した電圧で停止
するものについて示したが、この実施の形態2では、電
力蓄積装置21の温度により、エレベーターの停止期間
中の商用電源1からの充電を停止する電圧を可変するも
ので、同様の効果を奏すると共に、充電状態がほぼ同じ
状態で商用電源1からの充電を停止することができた
め、特に低温での回生電力の受け入れ性をよりよくする
効果がある。
【0047】図5は、この発明の実施の形態2に係るエ
レベーターの制御装置の電力蓄積装置21の温度と充電
停止電圧の関係を示す図である。
【0048】電力蓄積装置21に例えばサーミスタなど
の温度計を取り付け、図5に示すように、電力蓄積装置
21の温度により、エレベーターの停止期間中の商用電
源1からの充電を停止する電圧を変えると、電力蓄積装
置21がバッテリの場合には、充電状態をより正確に管
理できる。
【0049】例えば、シール形鉛電池の場合には、電力
蓄積装置21の温度25℃での充電停止電圧をV25と
し、温度係数Kを設けた図5に示す1次関数式(1)で
温度TBに応じた充電停止電圧Vstopを可変する
と、充電状態がほぼ同じ状態で商用電源1からの充電を
停止することができる。
【0050】 Vstop=V25+K(25−TB) ・・・(1)
【0051】これにより、電力蓄積装置21の温度によ
らず、回生電力の受け入れ性を良い状態にしておくこと
ができる。
【0052】実施の形態3.上記実施の形態1では、電
力蓄積装置21の充電状態を把握するために、充放電電
流の検出値Icをもとに充電状態を演算するものについ
て示したが、この実施の形態3では、その充電状態値の
補正をエレベーターの停止期間中の商用電源1からの定
電流充電時の所定の充電停止電圧到達時に行うもので、
電力蓄積装置21の充電状態をより正確に管理すること
ができる効果がある。なお、補正動作については、後述
する実施の形態4等と同様である。
【0053】充放電電流Icの検出誤差や充電時間の誤
差などのために、充放電電流量(単位Ah:アンペアア
ワー)の誤差が累積すると、正確な充電状態の把握がで
きなくなり、停電時に必要な電力が供給できなくなった
り、回生電力の受け入れ性が悪くなったり、電力蓄積装
置21の劣化や寿命の低下、あるいは破壊を招く恐れが
ある。充電状態値の補正をエレベーターの停止期間中の
商用電源1からの定電流での充電時に、所定の停止電圧
到達時点に所定の充電状態値に補正を行うことにより、
より正確な充電状態値に戻すことができる。
【0054】実施の形態4.上記実施の形態3では、電
力蓄積装置21の充電状態値の補正をエレベーター停止
期間中における商用電源1からの定電流充電時の所定の
充電停止電圧到達時に行うものについて示したが、この
実施の形態4では、エレベーター運転のために、電力蓄
積装置21から放電が行われた直後から、予め設定され
た時間が経過した後の電力蓄積装置21の開放電圧によ
り、充電状態値の補正を行うもので、上記実施の形態3
と同様の効果を奏すると共に、充電状態値の補正の頻度
を増やすことができ、より正確な充電状態に管理するこ
とができる効果がある。
【0055】図6は、電力蓄積装置21の放電後、所定
時間経過後の電力蓄積装置21の開放電圧と充電状態の
関係を示す図である。
【0056】エレベーターの運転のために、電力蓄積装
置21から所要の放電が行われた直後から、予め設定さ
れた時間、例えば数十秒以上が経過した後の電力蓄積装
置21の開放電圧は、図6に示すように、電力蓄積装置
21の充電状態とほぼ1次関数の関係にある。
【0057】特に、停電時着床に必要な放電容量を保証
し、回生電力の受け入れ性を良くするための充電状態の
上下限値以内の通常使用する充電状態範囲では、1次関
数に近似できる。
【0058】この特性を用いて、エレベーター運転のた
めの放電後のエレベーターの停止期間中に、電力蓄積装
置21の開放電圧Vbを検出し、この開放電圧から電力
蓄積装置21の充電状態を図6に基づき補正する。つま
り、電力蓄積装置21の充電状態を、新たに開放電圧に
対応する充電状態に設定する。なお、補正の頻度は、毎
回でもあっても、所定の回数でも良いことは言うまでも
ない。また、補正の条件として、充電状態の演算値と図
6に基づく充電状態値が所定の誤差以上の場合にのみ補
正しても良い。
【0059】なお、放電後の所定時間経過後の開放電圧
と、充電状態の関係を予めテーブルにしておき、このテ
ーブルを基に充電状態値の補正を行っても良い。
【0060】実施の形態5.上記実施の形態4では、エ
レベーター運転のために、電力蓄積装置21から放電が
行われた直後から、予め設定された時間が経過した後の
電力蓄積装置21の開放電圧により、充電状態値の補正
を行うものについて示したが、この実施の形態5では、
電力蓄積装置21から充電が行われた直後から、予め設
定された時間が経過した後の電力蓄積装置21の開放電
圧により、充電状態値の補正を行うもので、上記実施の
形態例4と同様の効果を奏する。
【0061】エレベーターの停止期間中の充電、あるい
はエレベーターの回生運転時の回生電力の充電が行われ
た直後から、予め設定された時間、例えば数十秒以上が
経過した後の電力蓄積装置21の開放電圧は、上記実施
の形態4で示した図6とほぼ同様に電力蓄積装置21の
充電状態とほぼ1次関数の関係にある。
【0062】特に、停電時着床に必要な放電容量を保証
し、回生電力の受け入れ性を良くするための充電状態の
上下限値以内の通常使用する充電状態範囲では、1次関
数に近似できる。
【0063】この特性を用いて、充電後のエレベーター
の停止期間中に、電力蓄積装置21の開放電圧Vbを検
出し、この開放電圧から電力蓄積装置21の充電状態を
開放電圧・充電状態特性に基づき補正する。なお、補正
の頻度は、毎回でもあっても、所定の回数でも良いこと
は言うまでもない。また、補正の条件としては、充電状
態の演算値と開放電圧・充電状態特性に基づく充電状態
値が所定の誤差以上の場合にのみ補正しても良い。
【0064】なお、充電後の所定時間経過後の開放電圧
と、充電状態の関係を予めテーブルにしておき、このテ
ーブルを基に充電状態値の補正を行っても良い。
【0065】また、電力蓄積装置21の温度をサーミス
タなどの温度計を用いて検出し、電力蓄積装置21の温
度と電力蓄積装置21の開放電圧Vbとから、電力蓄積
装置21の充電状態値を補正しても良い。
【0066】特に、電力蓄積装置21が5℃前後以下の
低温時は充電後の開放電圧が高くなる特性があるため、
電力蓄積装置21の温度に対する開放電圧・充電状態特
性を用いることにより、低温時においてより正確に電力
蓄積装置21の充電状態値を補正することができる。な
お、補正の頻度は、毎回でもあっても、所定の回数でも
良いことは言うまでもない。また、補正の条件として
は、充電状態の演算値と開放電圧・充電状態特性に基づ
く充電状態値が所定の誤差以上の場合にのみ補正しても
良い。
【0067】なお、電力蓄積装置21の温度と、充電後
の所定時間経過後の開放電圧と、充電状態の関係を予め
テーブルにしておき、このテーブルを基に充電状態値の
補正を行っても良い。
【0068】実施の形態6.上記実施の形態例1では、
回生電力の受け入れ性を良くするために、エレベーター
停止期間中の充電時に所定電圧に到達すると充電を停止
するものについて示したが、この実施の形態6では、電
力蓄積装置21の充電目標値を指示する、充放電制御回
路23やコントローラ8に設けた充電目標指示手段、あ
るいは独立に設けた充電目標指示装置(図示しない)
と、電力蓄積装置21の充電状態を把握する手段(充放
電制御回路23内のソフトの一部等)を備えて、充電状
態が充電目標値より高い状態にある場合に、高い分のエ
ネルギーを電力蓄積装置21からエレベーターかご内の
照明、あるいはインバータ制御回路13、もしくは充放
電制御回路23へ電力を供給するように放電して、回生
電力の受け入れ性を良くするものである。
【0069】図7は、この発明の実施の形態6に係るエ
レベーターの制御装置において、時刻と充電目標指示装
置から指示される充電目標値の一例(実線)、電力蓄積
装置21の充電状態の例(点線)を示す図である。
【0070】充電目標指示装置から指示される図7の実
線に示す充電目標値に従い、エレベーターの停止期間中
に充放電回路22の充電回路によって充電し、充電状態
を制御する。
【0071】エレベーターの回生運転時には、電力蓄積
装置21に回生電力が充電目標値に関係なく充放電回路
22の充電回路によって充電される。従って、充電目標
値に対して図7の点線に示すように実際の充電状態値が
大幅に高くなる場合が生じる。
【0072】充電目標値に対して、充電状態値が所定以
上上回ると、図7の斜線で示す充電エネルギーを電力蓄
積装置21からエレベーターかご内の照明、あるいはイ
ンバータ制御回路13、もしくは充放電制御回路23へ
供給することにより、充電目標値に近づけて、常に回生
電力の受け入れ性が良い状態に保つことができる。
【0073】実施の形態7.上記実施の形態6では、電
力蓄積装置21の充電目標値を指示する充電目標指示装
置と電力蓄積装置21の充電状態を把握する手段を備え
て、充電状態を制御するものについて示したが、この実
施の形態7では、充電状態を有線の通信回線や無線を利
用して、パソコン等の遠隔点検装置により、電力蓄積装
置21の充電状態を管理するもので、異常の検知がで
き、電力蓄積装置21の交換時期の把握もできる効果が
ある。
【0074】電力蓄積装置21の充電状態値を、有線の
通信回線や無線を利用して、例えばエレベーターのメン
テナンス会社やエレベーターの管理室などに設置した遠
隔点検装置にデータ送信する。受信した電力蓄積装置2
1の充電状態データが所定の充電状態より低かったり、
高かったりした場合は、電力蓄積装置21や充放電回路
22、充放電制御回路23の異常と判断し、至急点検修
理が必要なことを把握することができる。
【0075】また、電力蓄積装置21の充電目標値に従
い充電しても、上記実施の形態例4や5のように電力蓄
積装置21の開放電圧によって充電状態の補正を実施し
た結果が、低い充電状態を持続する場合に、遠隔点検装
置に送信された充電状態データが、所定の充電状態より
所定期間低い状態が続いた場合に、電力蓄積装置21や
充放電回路22、充放電制御回路23の異常、または電
力蓄積装置21の寿命と判断し、至急点検修理、または
電力蓄積装置21の交換が必要なことを把握することが
できる。
【0076】また、遠隔点検装置から遠隔点検を実施
し、電力蓄積装置21の所定の放電量に対応する予め設
定された電圧までの充電量を測定して、充電電流量効率
を計算し、標準の充電電流量効率と比較することで、充
電電流量効率の低下状態で電力蓄積装置21の寿命を予
測し、電力蓄積装置21の交換時期を把握できる。
【0077】更に、電力蓄積装置21の充電状態を外部
に表示する手段を制御盤や昇降路等に設け、充放電制御
回路23に駆動される、例えば液晶表示装置や発光ダイ
オード等を用いて、所定以下の低い充電状態になったこ
とや、低い充電状態が継続したことをサービスマンのメ
ンテナンス時に知らせ、容易に電力蓄積装置21の交換
要否の判断を可能とすることができる。
【0078】
【発明の効果】この発明の請求項1に係るエレベーター
の制御装置は、以上説明したとおり、交流電力を整流し
て直流電力に変換するコンバータと、前記直流電力を可
変電圧可変周波数の交流電力に変換するインバータと、
前記可変電圧可変周波数の交流電力に基づき電動機を制
御してエレベーターを運転するコントローラとを備えた
エレベーターの制御装置において、前記直流電力を貯蔵
する電力蓄積装置と、前記電力蓄積装置の充電状態を管
理するとともに、前記コントローラからのエレベーター
の運転情報に基づきエレベーターの停止期間中に前記直
流電力を前記電力蓄積装置へ充電するときは駆動信号を
出力し、前記電力蓄積装置の電圧が予め設定された所定
電圧に達して充電を停止するときには停止信号を出力す
る充放電制御回路と、前記駆動信号に従って前記電力蓄
積装置への前記直流電力の充電を開始し、前記停止信号
に従って前記充電を停止する充放電回路とを備えたの
で、停電時の着床運転が可能な状態を保証し、電力使用
のピークカットができ、かつエレベーターの回生時に発
生する電力を有効に利用する省エネルギー化が可能とな
るという効果を奏する。
【0079】この発明の請求項2に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、前記電力蓄積装置の
温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記充放電
制御回路は、前記温度検出手段が検出した前記電力蓄積
装置の温度に基づいて前記所定電圧を可変するので、停
電時の着床運転が可能な状態を保証し、電力使用のピー
クカットができ、かつエレベーターの回生時に発生する
電力を有効に利用する省エネルギー化が可能となるとい
う効果を奏する。
【0080】この発明の請求項3に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、前記充放電制御回路
が、前記電力蓄積装置の電圧が前記所定電圧に達したと
きには、前記電力蓄積装置の充電状態を補正するので、
エレベーターの回生電力の受け入れ性が良い状態を保
ち、回生電力を効率良く充電すると共に、電力蓄積装置
の劣化、寿命の低下、破壊を防止することができるとい
う効果を奏する。
【0081】この発明の請求項4に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、交流電力を整流して
直流電力に変換するコンバータと、前記直流電力を可変
電圧可変周波数の交流電力に変換するインバータと、前
記可変電圧可変周波数の交流電力に基づき電動機を制御
してエレベーターを運転するコントローラとを備えたエ
レベーターの制御装置において、前記直流電力を貯蔵す
る電力蓄積装置と、駆動信号に従って、前記電力蓄積装
置へ充電をし、前記電力蓄積装置から放電をする充放電
回路と、前記電力蓄積装置の充電状態を管理して前記電
力蓄積装置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装置から
放電するときは駆動信号を出力するとともに、前記電力
蓄積装置からのエレベーター運転のための放電終了後か
ら、予め設定された所定時間が経過した後の前記電力蓄
積装置の開放電圧に基づいて、前記充電状態の補正を行
う充放電制御回路とを備えたので、エレベーターの回生
電力の受け入れ性が良い状態を保ち、回生電力を効率良
く充電すると共に、電力蓄積装置の劣化、寿命の低下、
破壊を防止することができるという効果を奏する。
【0082】この発明の請求項5に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、交流電力を整流して
直流電力に変換するコンバータと、前記直流電力を可変
電圧可変周波数の交流電力に変換するインバータと、前
記可変電圧可変周波数の交流電力に基づき電動機を制御
してエレベーターを運転するコントローラとを備えたエ
レベーターの制御装置において、前記直流電力を貯蔵す
る電力蓄積装置と、駆動信号に従って、前記電力蓄積装
置へ充電をし、前記電力蓄積装置から放電をする充放電
回路と、前記電力蓄積装置の充電状態を管理して前記電
力蓄積装置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装置から
放電するときは駆動信号を出力するとともに、前記電力
蓄積装置への充電終了後から、予め設定された所定時間
が経過した後の前記電力蓄積装置の開放電圧に基づい
て、前記充電状態の補正を行う充放電制御回路とを備え
たので、エレベーターの回生電力の受け入れ性が良い状
態を保ち、回生電力を効率良く充電すると共に、電力蓄
積装置の劣化、寿命の低下、破壊を防止することができ
るという効果を奏する。
【0083】この発明の請求項6に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、前記電力蓄積装置の
温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記充放電
制御回路は、前記温度検出手段が検出した前記電力蓄積
装置の温度と前記開放電圧に基づいて前記充電状態の補
正を行うので、エレベーターの回生電力の受け入れ性が
良い状態を保ち、回生電力を効率良く充電すると共に、
電力蓄積装置の劣化、寿命の低下、破壊を防止すること
ができるという効果を奏する。
【0084】この発明の請求項7に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、交流電力を整流して
直流電力に変換するコンバータと、前記直流電力を可変
電圧可変周波数の交流電力に変換するインバータと、前
記可変電圧可変周波数の交流電力に基づき電動機を制御
してエレベーターを運転するコントローラとを備えたエ
レベーターの制御装置において、前記直流電力を貯蔵す
る電力蓄積装置と、駆動信号に従って、前記電力蓄積装
置へ充電をし、前記電力蓄積装置から放電をする充放電
回路と、前記電力蓄積装置の充電目標値を指示する充電
目標指示手段と、前記電力蓄積装置の充電状態を管理し
て前記電力蓄積装置へ充電するとき、又は前記電力蓄積
装置から放電するときは駆動信号を出力するとともに、
前記充電状態が前記充電目標値より高い状態にあるとき
には、前記電力蓄積装置から放電させてエレベーター運
転以外で使用するように前記充放電回路を制御する充放
電制御回路とを備えたので、エレベーターの回生電力の
受け入れ性が良い状態を保ち、回生電力を効率良く充電
すると共に、電力蓄積装置の劣化、寿命の低下、破壊を
防止することができるという効果を奏する。
【0085】この発明の請求項8に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、交流電力を整流して
直流電力に変換するコンバータと、前記直流電力を可変
電圧可変周波数の交流電力に変換するインバータと、前
記可変電圧可変周波数の交流電力に基づき電動機を制御
してエレベーターを運転するコントローラとを備えたエ
レベーターの制御装置において、前記直流電力を貯蔵す
る電力蓄積装置と、駆動信号に従って、前記電力蓄積装
置へ充電をし、前記電力蓄積装置から放電をする充放電
回路と、前記電力蓄積装置へ充電するとき、又は前記電
力蓄積装置から放電するときは駆動信号を出力するとと
もに、前記電力蓄積装置の充電状態を伝送する充放電制
御回路と、遠隔地に設置され、前記伝送されてきた電力
蓄積装置の充電状態を管理する遠隔点検装置とを備えた
ので、遠隔地で異常の検知ができ、電力蓄積装置の交換
時期の把握ができるという効果を奏する。
【0086】この発明の請求項9に係るエレベーターの
制御装置は、以上説明したとおり、前記遠隔点検装置
が、遠隔点検時に、前記電力蓄積装置の放電量に対応す
る予め設定された電圧までの充電量を測定して充電電流
量効率を計算し、前記計算した充電電流量効率に基づき
前記電力蓄積装置の寿命を予測するので、遠隔地で異常
の検知ができ、電力蓄積装置の交換時期の把握ができる
という効果を奏する。
【0087】この発明の請求項10に係るエレベーター
の制御装置は、以上説明したとおり、交流電力を整流し
て直流電力に変換するコンバータと、前記直流電力を可
変電圧可変周波数の交流電力に変換するインバータと、
前記可変電圧可変周波数の交流電力に基づき電動機を制
御してエレベーターを運転するコントローラとを備えた
エレベーターの制御装置において、前記直流電力を貯蔵
する電力蓄積装置と、駆動信号に従って、前記電力蓄積
装置へ充電をし、前記電力蓄積装置から放電をする充放
電回路と、前記電力蓄積装置の充電状態を外部に表示す
る表示手段と、前記電力蓄積装置へ充電するとき、又は
前記電力蓄積装置から放電するときは駆動信号を出力す
るとともに、前記電力蓄積装置の充電状態を管理して前
記電力蓄積装置の充電状態を表示させるために前記表示
手段を駆動する充放電制御回路とを備えたので、エレベ
ーターのメンテナンス時に電力蓄積装置の交換要否の判
断を容易にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るエレベーター
の制御装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るエレベーター
の制御装置の充放電回路の構成を示す回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るエレベーター
の制御装置の充放電制御回路の構成を示す回路図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るエレベーター
の制御装置の力行運転時の消費電力を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係るエレベーター
の制御装置の電力蓄積装置の温度と充電停止電圧の関係
を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に係るエレベーター
の制御装置の電力蓄積装置の開放電圧と充電状態の関係
を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態6に係るエレベーター
の制御装置の時刻と充電目標値と充電状態を示す図であ
る。
【図8】 従来のエレベーターの制御装置の構成を示す
図である。
【符号の説明】
1 三相商用交流電源、2 電動機、3 巻上機、4
ロープ、5 かご、6釣合い錘、7 エンコーダ、8
コントローラ、9 コンバータ、10 コンデンサ、1
1、24 電流検出器、12 インバータ、13 イン
バータ制御回路、14、53、57 ゲートドライブ回
路、21 電力蓄積装置、22 充放電回路、23 充
放電制御回路、50 所要電力演算回路、51、52
通信ケーブル、54、58 PWM信号回路、55 充
電電流コントローラ、56 電圧コントローラ、59
放電電流コントローラ、60、61、62 減算器、6
3 乗算器。
フロントページの続き (72)発明者 荒木 博司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 田島 仁 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小林 和幸 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 Fターム(参考) 3F002 CA06 CA07 CA08 EA08 GA03 GA06 GA07 GB01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電力を整流して直流電力に変換する
    コンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交
    流電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波
    数の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを
    運転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装
    置において、 前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、 前記電力蓄積装置の充電状態を管理するとともに、前記
    コントローラからのエレベーターの運転情報に基づきエ
    レベーターの停止期間中に前記直流電力を前記電力蓄積
    装置へ充電するときは駆動信号を出力し、前記電力蓄積
    装置の電圧が予め設定された所定電圧に達して充電を停
    止するときには停止信号を出力する充放電制御回路と、 前記駆動信号に従って前記電力蓄積装置への前記直流電
    力の充電を開始し、前記停止信号に従って前記充電を停
    止する充放電回路とを備えたことを特徴とするエレベー
    ターの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記電力蓄積装置の温度を検出する温度
    検出手段をさらに備え、 前記充放電制御回路は、前記温度検出手段が検出した前
    記電力蓄積装置の温度に基づいて前記所定電圧を可変す
    ることを特徴とする請求項1記載のエレベーターの制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記充放電制御回路は、前記電力蓄積装
    置の電圧が前記所定電圧に達したときには、前記電力蓄
    積装置の充電状態を補正することを特徴とする請求項1
    又は2記載のエレベーターの制御装置。
  4. 【請求項4】 交流電力を整流して直流電力に変換する
    コンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交
    流電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波
    数の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを
    運転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装
    置において、 前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、 駆動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記
    電力蓄積装置から放電をする充放電回路と、 前記電力蓄積装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装
    置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装置から放電する
    ときは駆動信号を出力するとともに、前記電力蓄積装置
    からのエレベーター運転のための放電終了後から、予め
    設定された所定時間が経過した後の前記電力蓄積装置の
    開放電圧に基づいて、前記充電状態の補正を行う充放電
    制御回路とを備えたことを特徴とするエレベーターの制
    御装置。
  5. 【請求項5】 交流電力を整流して直流電力に変換する
    コンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交
    流電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波
    数の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを
    運転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装
    置において、 前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、 駆動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記
    電力蓄積装置から放電をする充放電回路と、 前記電力蓄積装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装
    置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装置から放電する
    ときは駆動信号を出力するとともに、前記電力蓄積装置
    への充電終了後から、予め設定された所定時間が経過し
    た後の前記電力蓄積装置の開放電圧に基づいて、前記充
    電状態の補正を行う充放電制御回路とを備えたことを特
    徴とするエレベーターの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記電力蓄積装置の温度を検出する温度
    検出手段をさらに備え、 前記充放電制御回路は、前記温度検出手段が検出した前
    記電力蓄積装置の温度と前記開放電圧に基づいて前記充
    電状態の補正を行うことを特徴とする請求項5記載のエ
    レベーターの制御装置。
  7. 【請求項7】 交流電力を整流して直流電力に変換する
    コンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交
    流電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波
    数の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを
    運転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装
    置において、 前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、 駆動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記
    電力蓄積装置から放電をする充放電回路と、 前記電力蓄積装置の充電目標値を指示する充電目標指示
    手段と、 前記電力蓄積装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装
    置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装置から放電する
    ときは駆動信号を出力するとともに、前記充電状態が前
    記充電目標値より高い状態にあるときには、前記電力蓄
    積装置から放電させてエレベーター運転以外で使用する
    ように前記充放電回路を制御する充放電制御回路とを備
    えたことを特徴とするエレベーターの制御装置。
  8. 【請求項8】 交流電力を整流して直流電力に変換する
    コンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の交
    流電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周波
    数の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーターを
    運転するコントローラとを備えたエレベーターの制御装
    置において、 前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、 駆動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記
    電力蓄積装置から放電をする充放電回路と、 前記電力蓄積装置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装
    置から放電するときは駆動信号を出力するとともに、前
    記電力蓄積装置の充電状態を伝送する充放電制御回路
    と、 遠隔地に設置され、前記伝送されてきた電力蓄積装置の
    充電状態を管理する遠隔点検装置とを備えたことを特徴
    とするエレベーターの制御装置。
  9. 【請求項9】 前記遠隔点検装置は、遠隔点検時に、前
    記電力蓄積装置の放電量に対応する予め設定された電圧
    までの充電量を測定して充電電流量効率を計算し、前記
    計算した充電電流量効率に基づき前記電力蓄積装置の寿
    命を予測することを特徴とする請求項8記載のエレベー
    ターの制御装置。
  10. 【請求項10】 交流電力を整流して直流電力に変換す
    るコンバータと、前記直流電力を可変電圧可変周波数の
    交流電力に変換するインバータと、前記可変電圧可変周
    波数の交流電力に基づき電動機を制御してエレベーター
    を運転するコントローラとを備えたエレベーターの制御
    装置において、 前記直流電力を貯蔵する電力蓄積装置と、 駆動信号に従って、前記電力蓄積装置へ充電をし、前記
    電力蓄積装置から放電をする充放電回路と、 前記電力蓄積装置の充電状態を外部に表示する表示手段
    と、 前記電力蓄積装置へ充電するとき、又は前記電力蓄積装
    置から放電するときは駆動信号を出力するとともに、前
    記電力蓄積装置の充電状態を管理して前記電力蓄積装置
    の充電状態を表示させるために前記表示手段を駆動する
    充放電制御回路とを備えたことを特徴とするエレベータ
    ーの制御装置。
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