JP2001228289A - 原子力発電プラントおよびその運転方法 - Google Patents

原子力発電プラントおよびその運転方法

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JP2001228289A JP2000037130A JP2000037130A JP2001228289A JP 2001228289 A JP2001228289 A JP 2001228289A JP 2000037130 A JP2000037130 A JP 2000037130A JP 2000037130 A JP2000037130 A JP 2000037130A JP 2001228289 A JP2001228289 A JP 2001228289A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉構造材料表面に腐食を抑制する物質を付
与して水質制御により腐食電位を低減して原子炉構造材
料の長寿命化を図るとともに、腐食環境緩和の難しい炉
心上部においても腐食電位を低減し、炉内構造材料全体
の腐食低減を図れる原子力発電プラントおよびその運転
方法を得る。 【解決手段】原子炉設備2と発電設備3とを備える原子
力発電プラント1において、原子炉設備2の原子炉内表
面、炉内構造物表面、一次系配管内表面および一次系機
器の内表面に光半導体および助剤が付着されたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉設備の原子
炉内表面、炉内構造物表面、一次系配管内表面などの原
子炉構造部材の腐食を低減した原子力発電プラントおよ
びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電プラントでは、主た
る構成材料としてステンレス鋼またはニッケル基合金を
用い、原子炉冷却材として水(原子炉水)を使用してい
る。
【0003】原子炉特有の放射線場においては、冷却材
としての水が放射線分解して、酸素や過酸化水素などの
酸化性化学種が生成する。生成した酸化性化学種は、原
子炉運転中の高温において原子炉水中に溶存し、原子炉
の構成材料であるステンレス鋼やニッケル基合金のIG
SCC(粒界応力腐食割れ)などの応力腐食割れを引き
起こす一因となっている。
【0004】原子炉構成材料の応力腐食割れを予防する
ための方策の一つとして、原子炉水中に水素を注入し
て、原子炉水中の酸化性化学種生成を抑制し、材料の電
気化学的腐食電位を低減して応力腐食割れの発生および
進展を抑制する技術が実用化されている。
【0005】しかしながら、応力腐食割れを抑制するた
めには、多量の水素を原子炉水中に注入することが要求
される。一般に、高温水中でのステンレス鋼の応力腐食
割れを抑制するためには、腐食電位を−230mV(S
HE)まで低減する必要があるが、このために原子炉水
中に多量の水素を注入する必要がある。
【0006】一方、原子炉水中に多量の水素を注入する
と、腐食電位の低減を図れるものの、原子炉からタービ
ン発電機までの配管及び機器の放射線量が上昇するとい
う事象があり、原子力発電プラントでの従事者の被ばく
量増加を招いてしまうという恐れがあった。このため、
現状の水素注入を実施している国内プラントでは、水素
注入量を少量にとどめており、応力腐食割れが完全には
抑制できなかった。
【0007】そこで、近年、水素注入による弊害を極力
少なくし、かつ構造材の腐食電位を低下させるため、原
子炉水へ貴金属を添加して構造材に貴金属を付着させ
て、腐食電位を低下させる方法が提案されている。すな
わち、この方法は、白金等の貴金属が電位の低い水素の
可逆反応を選択的に捕らえる性質を利用したものであ
り、貴金属を構造材に付着させて少量の水素注入により
腐食電位の低減を図るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原子炉
水に貴金属を注入する方法を実プラントで実施する場合
には、貴金属が燃料のジルコニウム酸化皮膜上にも付着
するため、燃料材料の酸化および水素化が増大してしま
うなどの問題があった。
【0009】貴金属注入による燃料材料の酸化および水
素化は、燃料の燃焼度を高めることに負の作用を及ぼ
し、原子力発電プラント自体の運転効率を低下させてし
まうという問題を有していた。
【0010】また、白金などの高価な貴金属を注入した
場合であっても、従来においては、原子炉圧力容器内の
上部構造材の電位低減効果は小さく、腐食環境を緩和す
ることは難しいという問題を有していた。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、原子炉水中への貴金属注入を低
減して大幅なタービン系への放射能移行の増大を防止す
るとともに、貴金属にかわる物質を腐食抑制する原子炉
構造材料表面に付与して水質制御により腐食電位を低減
して原子炉構造材料の長寿命化を図った原子力発電プラ
ントおよびその運転方法を提供することを目的とする。
【0012】また、既存の水素注入または貴金属注入で
腐食環境緩和の難しい炉心上部においても腐食電位を低
減でき、炉内構造材料全体の腐食低減を図れる原子力発
電プラントおよびその運転方法を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な知見に基づき、高価な貴金属の使用量低減を図り、あ
るいは貴金属に替わる物質について検討した。貴金属に
替わる物質の条件として、高温、高圧および放射線環境
で安定であり、タービン系への放射能移行の増大を防止
する物質であることが要求される。また、燃料材料の酸
化および水素化の影響が少ない物質で、水質制御により
原子炉一次系材料の腐食電位を制御する物質であること
が要求され、さらには、燃料材料や物質そのものによる
放射化により生成する放射能が少ない物質であることが
条件となる。このような知見に基づき、本発明者らは本
願発明を完成させたものである。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明は、原子炉
設備と発電設備とを備える原子力発電プラントにおい
て、前記原子炉設備の原子炉内表面、炉内構造物表面、
一次系配管内表面および一次系機器の内表面に光半導体
および助剤が付着されたことを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の原
子力発電プラントにおいて、光半導体は、TiO、P
bO、Bi、ZnO、ZrO、WO、Fe
、SrTiO、BaTiO、FeTiO、M
nTiO、KTaO、SnOからなる化合物群の
1つまたは複数であることを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1記載の原
子力発電プラントにおいて、助剤は、Pt、Rh、P
d、Ru、Ir、Osからなる元素群を含む化合物の1
つまたは複数であることを特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれかに記載の原子力発電プラントにおいて、光半
導体または高温高圧条件下で光半導体に変性する化合物
のいずれか、および助剤の添加を行う化合物添加装置
が、一次系配管に接続されたことを特徴とする。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の原
子力発電プラントにおいて、化合物添加装置が接続され
る一次系配管は、原子炉冷却材浄化系配管及びその枝
管、再循環系配管及びその枝管、残留熱除去系配管及び
その枝管、原子炉冷却材浄化系出口水サンプリングライ
ン、給水系配管及びその枝管、復水系配管及びその枝
管、給水サンプリングライン、復水浄化系出口水サンプ
リングライン、制御棒駆動水系配管、非常用炉心冷却系
配管のいずれかまたは複数であることを特徴とする。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれかに記載の原子力発電プラントにおいて、原子
炉圧力容器内を自由に移動可能であり、光半導体または
高温高圧条件下で光半導体に変性する化合物のいずれ
か、および助剤の添加を行うロボットと、このロボット
に接続された駆動用ケーブルを介して前記ロボットを遠
隔操作するロボット制御装置とを原子炉圧力容器内に設
けたことを特徴とする。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項4、5また
は6のいずれかに記載の原子力発電プラントにおいて、
一次系構造材料の腐食環境を観測する腐食環境モニタリ
ング装置と、この腐食環境モニタリング装置により得ら
れた情報に基づき、光半導体または高温高圧条件下で光
半導体に変性する化合物のいずれか、および助剤の添加
量を制御する制御装置とを設けたことを特徴とする。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項7記載の原
子力発電プラントにおいて、一次系構造材料の腐食環境
モニタリング装置は、腐食電位センサ、亀裂進展セン
サ、導電率計、光センサ、放射能付着量測定試験片のい
ずれか、または複数からなることを特徴とする。
【0022】請求項9記載の発明は、原子力発電プラン
トの運転方法において、原子炉水抜き時、原子炉水張り
時、または原子炉水抜き時および原子炉水張り時の両時
期に、原子炉設備の原子炉内表面、炉内構造物表面、一
次系配管内表面および一次系機器の内表面に光半導体お
よび助剤を付着させることを特徴とする。
【0023】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
原子力発電プラントの運転方法において、光半導体また
は高温高圧条件下で光半導体に変性する化合物のいずれ
か、および助剤を、一次系配管から添加して、光半導体
および助剤を付着させることを特徴とする。
【0024】請求項11記載の発明は、請求項9記載の
原子力発電プラントの運転方法において、原子炉水抜き
時に、ミスト乾燥処理、化学蒸着(CVD)、プラズマ
溶射、レーザー溶射、高温焼き付け、スプレー塗布、刷
毛塗りのいずれか、または複数を用いて光半導体および
助剤を付着させることを特徴とする。
【0025】請求項12記載の発明は、請求項9記載の
原子力発電プラントの運転方法において、原子炉水張り
時に、プラズマ溶射、レーザー溶射、非常用炉心冷却系
配管からの化合物添加、炉内化学除染後洗浄時の化合物
添加のいずれか、または複数を用いて光半導体および助
剤を付着させることを特徴とする。
【0026】請求項13記載の発明は、請求項9記載の
原子力発電プラントの運転方法において、原子炉水張り
時に、遠隔操作可能なロボットの使用により光半導体お
よび助剤を付着させることを特徴とする。
【0027】請求項14記載の発明は、請求11ないし
13のいずれかに記載の原子力発電プラントの運転方法
において、原子炉冷温停止時の化合物添加、原子炉起動
時の化合物添加、原子炉高温待機時の化合物添加、原子
炉出力運転時の化合物添加、炉内取り替え部品表面に付
着させた化合物の原子炉水への放出、原子炉水浄化系ろ
過脱塩装置内に付着させた化合物の原子炉水への放出の
いずれかあるいは複数を用いて、光半導体および助剤を
付着させることを特徴とする。
【0028】本発明において、貴金属にかわる物質とし
てTiO光半導体を選定した。また、285℃、70
atmの高圧水条件下でTiOおよびTiO表面に
一部貴金属と付着させたTiOになるTi水和物、T
i金属、Ti金属表面に部分的にPt、RuおよびPd
のうち、少なくとも1つの貴金属を付着させたTi金属
を用いても良い。このような物質を選定することで、水
素注入の停止や水素注入量の低減を図ることができる。
【0029】これらの光半導体物質を腐食抑制対象とす
る材料部位に安定に付与させる方法としては、定格運転
中、起動時、停止操作時、燃料は装荷されているがプラ
ントの熱出力をともなわない停止時または燃料をとりだ
した場合などに冷却水中に導入し冷却水を循環させるこ
とで、光半導体物質を付与することができる。また、定
期検査時などに燃料を取り出し除染を実施した後、ロボ
ットなどにより光半導体またはこれらの物質を材料表面
に吹きかけ付着させることができる。これらの物質を含
む液体の噴霧乾燥、溶射、物理蒸着法(PVD:phy
sical vapor deposition)およ
び化学蒸着法(CVD:chemical vapor
deposition)のいずれかを用いることによ
り所定の厚みを持つ光半導体を材料表面に生成できる。
なお、TiO酸化物およびTi金属の表面を親水化な
いしTiOにバインダ物質を混合させることで、材料
の酸化膜への初期的な付着親和性を高めると良い。
【0030】BWRプラントの炉底部には、腐食上重要
なNi基合金の溶接金属が使用されている。炉底部より
最大5.3mの水深があるが、光触媒となるチェレンコ
フ光の大部分の紫外線は、10%程度到達する。従っ
て、炉心部を臨める材料では光触媒である光半導体の励
起に必要な光子は充分供給される。
【0031】また、炉水中には水分子の(n、p)反応
で生成するN−16が存在するため、N−16崩壊時に
放出される高エネルギーのγ線からチェレンコフ光が放
射され、このチェレンコフ光が光源となり、炉心部が臨
めない部分でも光触媒励起に必要な光子は供給される。
【0032】n型半導体であるTiO光触媒の水中で
の電気化学的性質は、ZrO同様光触媒効果によりア
ノード反応を増加させて、その浸漬電位は低下すること
が知られている(参考文献JAERI−memo 88
58)。一方、Ni基合金の溶接金属表面上に形成され
る腐食酸化膜であるCrおよびNiOは、p型半
導体ではその浸漬電位は上昇することが知られている。
IGSCC腐食抑制を行う場合には材料の電位を下げる
必要があるが、Ni基合金の溶接金属表面の腐食酸化膜
にn型半導体であるTiO光触媒を付与することで、
p型半導体である腐食酸化膜のチェレンコフ光から被覆
し電位の上昇を抑制するとともに、n型半導体であるT
iO光触媒自身の浸漬電位の低下効果によりNi基合
金の電位を低減できる。また、一般にステンレス鋼のよ
うに外層にn型半導体であるFe が形成される鉄
基合金の場合であっても、光触媒効果はTiO光触媒
の方が大きいことより浸漬電位は低下に有効である。
【0033】また、ステンレス鋼のように内層であるp
型半導体の外層にn型半導体の酸化物を形成する鉄基合
金の場合でも、水中の水素濃度を高めることで外層のn
型半導体の酸化物を不安定化し、p型半導体酸化物を接
触界面に露出させることができる。また、除染により外
層のn型半導体の酸化物を取り除くことができる。この
ように、p型半導体の酸化物と強力な光触媒であるn型
半導体のTiOを接触させることにより材料の浸漬電
位をより下げることが可能となる。
【0034】TiO光触媒による鉄基およびNi基合
金の腐食電位を低減しIGSCCを抑制する場合でも炉
水中の水素濃度を高めると効果的である。この理由は、
溶存酸素の方が水素イオンより電子を受け取りやすいた
めで、水中の水素濃度を高めて溶存酸素を低減する必要
がある。なお、この場合においても通常の水素注入の場
合と同様に、蒸気系以降に水素注入量のモル数の約2分
の1に相当する量の酸素を注入して、過剰な水素を反応
させる必要がある。
【0035】実プラントの水質制御模擬条件において、
Ni基合金の溶接金属に、1μmの表面一部にPtを付
着させたTiOおよびTiOの光触媒を付与した場
合それぞれ0.2ppmおよび0.4ppmの給水水素
濃度で、それぞれIGSCCを抑制できる−230mV
にできることがわかった。また、この水素濃度の範囲で
は、タービン系への放射能の移行増大は起きない。
【0036】光触媒を腐食抑制対象とする原子炉構造材
料部位に付与する場合、燃料材料に付着させないこと、
および光触媒の厚みの制御および材料への熱影響を極力
抑制することが重要である。このため、適応時期として
は、燃料は装荷されているがプラントの熱出力をともな
わない停止時や燃料をとりだした場合に冷却水中に導入
し、冷却水を循環させ付与すると良い。また、定期検査
時などに燃料を取り出し除染を実施した後、ロボットな
どを用いて光触媒またはこれらの物質を材料表面に吹き
かけて付着すると良い。さらには、これらの物質を含む
液体の噴霧乾燥、溶射、CVD、ミスト乾燥処理、刷毛
塗りのいずれかを用いることにより、所定の厚みを持つ
光半導体を材料に熱影響を与えることがなく材料表面に
生成することができる。また、TiO光半導体の親水
化およびSiOをバインダとして添加すると材料表面
への初期付着性を増すことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の原子力発電プラン
トおよびその運転方法について、沸騰水系原子力発電プ
ラント(以下、BWRプラントとする。)を例として、
図1および図6を用いて説明する。なお、以下に示す実
施形態においては、光半導体としてTiOを、助剤と
してPtを使用した。
【0038】第1実施形態(図1) 本実施形態は、BWRプラントにおける原子力設備の原
子炉圧力容器内の水抜き時に、炉内構造物全面にTiO
およびPtを付着させたものである。
【0039】図1は、BWRプラントの構成を概略的に
示す図である。
【0040】図1に示すように、BWRプラント1は原
子炉設備2および発電設備3を備える。なお、以下の実
施形態においては、発電設備3の説明は省略する。
【0041】原子炉設備2は、原子炉圧力容器4と、こ
の原子炉圧力容器4の周囲に設けられた図示しない原子
炉補助系と、非常用炉心冷却系とを有する。
【0042】原子炉圧力容器4内には、核燃料が配列さ
れた炉心を囲む円筒状の炉心シュラウド5を備え、この
炉心シュラウド5上部に、図示しないシュラウドヘッド
に取り付けられた多数の気水分離器6を備える。炉心シ
ュラウド5と原子力圧力容器4内壁との間の環状部分
(ダウンカマ部)にはジェットポンプ7が複数基設置さ
れ、2基1組として対称的に配置される。
【0043】また、原子炉圧力容器4内の上部位置に
は、非常用炉心冷却系の配管8が挿入され、この非常用
冷却配管8には、冷却水を導入するノズルと同時にTi
およびPtの化合物からなるミストaを散布する化
合物ミスト散布ノズル9と、原子炉圧力容器4内に暖気
bを供給する暖気供給ノズル10とを有する。
【0044】発電設備3は、原子炉設備2と主蒸気系の
主蒸気配管11を介して接続された低圧タービンおよび
高圧タービン(高低圧タービン)12と、この高低圧タ
ービン12に接続された発電機13と、高低圧タービン
12の後流側に設けられた復水器14と、この復水器1
4に接続された復水ポンプ15とを備える。発電設備3
には、原子炉設備2の炉心で生成した蒸気cが主蒸気系
の主蒸気配管16を介して導入され、この蒸気cは高低
圧タービン12にて仕事をした後復水器14に導かれ、
冷却凝縮され水に戻る。そして、この復水dは復水ポン
プ15、また腹水ポンプ15の後段に設けられた図示し
ない給水加熱器および給水ポンプによって昇温加圧さ
れ、給水配管17を介して原子炉圧力容器4に戻され原
子炉設備2で再使用される。
【0045】原子力発電プラント1の運転方法は、ま
ず、原子力炉圧力容器4内の水を抜いた後、炉水の完全
なドレンまたは脱気運転等により、原子炉内構造部内表
面に付着している水分を可能な限り除去した。次に、原
子炉圧力容器4内上部に設置された非常用炉心冷却配管
8の化合物ミスト散布ノズル9からTiOおよびPt
からなる化合物のミストaを散布した。ミストa散布
後、非常用炉心冷却配管8の暖気供給ノズル10から暖
気bを原子炉圧力容器4内に導入して乾燥処理を行い、
原子炉圧力容器4の内面、炉心シュラウド5、ジェット
ポンプ7、気水分離器6等の炉内構造物表面にTiO
およびPtを気中処理で付着させた。
【0046】本実施形態によれば、化合物のミストaを
散布するミスト散布ノズル9と暖気供給ノズル10との
両者を非常用炉心冷却系配管8に設けることで、効率的
に炉内構造物表面に酸化物を付着することができる。な
お、本実施形態において、暖気の供給は非常用炉心冷却
系配管8から行ったが、本発明はこのような形態に限定
されるものではなく、図1に示す主蒸気配管11に設置
されたノズルから暖気bを供給しても良い。
【0047】また、化合物ミストa供給前に原子炉内構
造部内表面に付着している水分を可能な限り除去するこ
とで、暖気供給時の原子炉内の湿度を抑制でき、効率的
にTiOおよびPtを炉内構造物内表面に付着でき
る。一方、化合物ミストa供給後に、速やかに暖気bを
供給することで、炉内構造物表面での付着反応が加速さ
れ、その後のプラント水張りおよび昇温工程において、
炉内構造物表面にTiO およびPtを一層密着させて
付着できる。
【0048】第2実施形態(図2) 本実施形態においては、原子力発電プラントの熱出力を
伴わない原子炉停止時に、原子炉内の化学除染および洗
浄を行い、この炉内化学除染後の洗浄工程時に、TiO
およびPtを炉内構造物全面に付着させた。
【0049】図2は、原子力発電プラント1における原
子炉圧力容器4の構造を概略的に示す図である。なお、
第1実施形態における図1と同一箇所については同一の
符号を用い、その説明については省略する。
【0050】図2に示すように、原子炉圧力容器4に
は、原子炉補助系としての原子炉再循環系18と、この
原子炉再循環系18に分岐して接続された残留熱除去系
19とを備える。
【0051】原子炉再循環系18は、原子炉圧力容器4
内に設置されたジェットポンプ7と、図示しない格納容
器内に配置された外部ループとにより構成され、外部ル
ープは、原子炉圧力容器4に接続されて炉水eを循環さ
せる再循環配管20と、この再循環配管20に設けられ
た再循環ポンプ21とを備える。
【0052】再循環配管20から分岐して接続された残
留熱除去系19は、原子炉圧力容器4内の上部位置に接
続された残留熱除去系配管22を備え、残留熱除去系配
管22の先端部、すなわち、圧力容器4内への導入部に
炉内スプレーノズル23を有する。また、残留熱除去系
配管22には、図示しない残留熱除去ポンプおよび残留
熱除去熱交換器を備え、また、TiOおよびPtの化
合物を添加する化合物添加装置24と、この化合物添加
装置24に接続された供給ポンプ25とを備える。さら
に、この配管22には、原子炉内の化学除洗時に除洗液
を供給する除洗液供給槽26と、この系統19内の循環
液を昇温するためのヒータ27とが接続される。
【0053】このような構成を有する原子力発電プラン
ト1の運転方法は、まず、除染液供給槽26から残留熱
除去系配管22に除洗液fを添加し、原子炉圧力容器4
内を除染液fで満たした。添加された除染液fは再循環
系配管20および残留熱除去系配管22を介して循環さ
れ、除洗液fはヒータ27により昇温されている。
【0054】化学除染工程終了後、原子炉圧力容器4内
から除洗液fをドレンした後、純水により炉内を洗浄し
た。この炉内洗浄工程にて、化合物添加装置24に接続
された供給ポンプ25の駆動により、TiOおよびP
tの化合物が残留熱除去系統29内に導入され、この化
合物が、原子炉圧力容器4内上部の炉内スプレーノズル
23から炉内に導入される。
【0055】本実施形態によれば、燃料は装荷されてい
るがプラントの熱出力を伴わない原子炉停止時や燃料を
とりだした場合に、炉水e中に化合物を導入し、炉水e
を循環させて炉内構造物の応力腐食を低減できる。
【0056】また、本実施形態では、ヒータ27により
循環水を昇温しているため、化合物と炉内構造物との付
着反応を活性化し、効率良く付着工程を行える。なお、
ヒータ27の設置以外に、再循環ポンプ21を起動して
ジュール熱により昇温を行い、付着反応を活性化しても
良い。
【0057】第3実施形態(図3) 本実施形態においては、原子力発電プラントの水張りさ
れている原子炉で水中ロボットを用い、レーザー溶射に
よりTiOおよびPtを目標とする炉内構造物表面に
付着させた。
【0058】図3は、原子力発電プラントの原子炉圧力
容器内の構造を示す図である。なお、図1と同一箇所に
は同一の符号を用いて、その説明は省略する。
【0059】図3に示すように、原子炉圧力容器4内に
は、水中ロボット28が設けられ、この水中ロボット2
8は、ロボット駆動用ケーブル29を介して、原子炉圧
力容器4内上部に設置された水中ロボット制御装置30
に接続され、水中ロボット制御装置30の遠隔操作によ
り、水中ロボット28は自由に移動できる。水中ロボッ
ト28の先端部には、TiOおよびPtの化合物gを
噴射する化合物供給ノズル31と、レーザー光gを照射
するレーザー光照射ノズル32が設けられる。化合物供
給ノズル31は、原子炉圧力容器4の上部に配置された
化合物供給槽33に化合物供給ライン34を介して接続
され、レーザー光照射ノズル32は、水中ロボット制御
装置30にレーザー光電送ケーブル35を介して接続さ
れる。
【0060】なお、本実施形態では、化合物であるTi
の原料液として、チタニウムアルコキシドを用い
た。チタニウムアルコキシドは、加水分解により水酸化
物を経て加熱されTiOに変性する化合物である。ま
た、光触媒作用を有する結晶性のTiOは原子炉起動
後の炉水温度条件で成長することが期待される。
【0061】このような構成の原子炉発電プラントで
は、まず、化合物供給ノズル31を炉内構造物材料表面
に近づけて化合物を噴射する。化合物を噴射しながら、
レーザー光照射ノズル32からレーザー光gを照射し、
光半導体および助剤を原子炉内構造材料表面に付着させ
た。
【0062】本実施形態によれば、原子炉圧力容器4内
に水張りされている場合においても、原子炉内構造材料
表面に光半導体および助剤を添加できることから、定期
検査時などに燃料を取り出して除洗を実施した後、光触
媒膜および助剤を炉内構造物に付着でき、炉内構造材料
の応力腐食を低減できる。
【0063】第4実施形態(図4、図5、図6) 本実施形態においては、TiOおよびPtの化合物を
添加する化合物添加装置とともに、炉内構造物または一
次配管機器などの腐食状況を観測する腐食環境モニタリ
ング装置を設け、腐食環境に応じて化合物の添加を行う
原子力発電プラントおよびその連続運転方法について説
明する。
【0064】図4は、腐食環境モニタリング装置および
化合物添加装置を設けた原子力発電プラントの構成を示
す。なお、図2と同一箇所には同一の符号を用いて、そ
の説明は省略する。
【0065】図4に示すように、原子炉圧力容器4に
は、原子炉水eを強制循環させる原子炉再循環系18を
備え、この原子炉再循環系18に分岐して原子炉水浄化
系36が接続される。原子炉水浄化系36では、炉心で
発生した核分裂生成物および原子炉内の腐食生成物が除
去される。
【0066】原子炉水浄化系36には、再循環系配管2
0のバイパスにより原子炉水浄化系配管37が接続さ
れ、この原子炉水浄化系36は、図示しない濾過脱塩装
置および再生熱交換器を備える。原子炉圧力容器4の底
部には、原子炉水eを排出するボトムドレンライン38
を有し、ボトムドレンライン38は原子炉水浄化系配管
37に接続される。原子炉水浄化系配管37の後流側に
は、TiOおよびPtの化合物を添加する化合物添加
装置39と、供給ポンプ40とが接続される。
【0067】また、原子炉再循環系配管20の除染座4
1、原子炉水浄化系36のサンプリングライン42、ボ
トムドレンライン38、炉内出力モニタハウジング43
内には、それぞれセンサ44が設置され、各センサ44
は信号ケーブル45を介して、腐食環境モニタリング制
御装置46に接続される。この腐食環境モニタリング制
御装置46には、さらに信号ケーブルを介して制御装置
47が接続され、制御装置47に接続された信号ケーブ
ル48は化合物を供給する供給ポンプ40に接続されて
いる。
【0068】なお、腐食環境をモニタリングする方法と
しては、腐食電位測定、亀裂進展速度測定、導電率測
定、放射能付着量測定、照度測定または金属濃度測定等
を用いることができる。原子炉設備2に設置された各セ
ンサ44からの信号は、信号ケーブル45を介して腐食
環境モニタリング制御装置46に送られ、収集、解析さ
れた後、信号ケーブルを介して制御装置47に信号が送
られる。この信号に基づき供給ポンプ40が制御され化
合物の添加量が調整される。
【0069】例えば、モニタリング方法として、腐食電
位の測定を行い、腐食環境モニタリング制御装置46で
腐食電位を観測しながら、化合物の添加量を制御する方
法を説明する。
【0070】図5は、腐食環境モニタリング制御装置で
観測される腐食電位と、化合物添加装置による化合物添
加量と、原子炉圧力容器内の炉水濃度との関係を示す図
である。
【0071】図5に示すように、化合物添加量49を初
期の添加量で維持している期間に炉水中金属濃度50が
低下する、あるいは測定している腐食電位51が上昇傾
向を見せた場合には、腐食電位51が事前に設定した腐
食電位設定値52レベルを超えた時点において、化合物
添加量49を増やし炉水中金属濃度を上昇させて腐食電
位51を低下させる。そして、化合物添加により腐食電
位51が腐食電位設定値52のレベルを下回った時点
で、化合物添加量49を低下させる。このように腐食電
位51の測定を行い、腐食環境モニタリング制御装置4
6で腐食電位51を観測しながら、化合物添加量50を
制御することで、腐食環境緩和効果を維持できる。
【0072】また、原子力発電プラント起動時にTiO
およびPtを炉内構造物全面に付着させる際には、炉
水温度の変化に応じて、光半導体および助剤の付着状況
が異なる。これを図6により説明する。
【0073】プラント起動時には、炉水温度は40℃付
近から定格出力運転時温度の288℃まで昇温される。
その過程で80℃、180℃または240℃付近で一定
温度を維持することにより、温度一定条件での化合物添
加が可能となる。80℃の状態では炉水は高溶存酸素濃
度にあるため、TiOおよびPtが付着しやすい皮膜
成長を得ることができる。また、TiOの原材料とな
るチタンアルコキシドの多くは200℃近傍までは安定
な液体状で存在し、炉水温度に昇温する過程でTiO
に加水分解されるため、180℃、240℃といった一
定温度維持期間にチタンアルコキシドとPt錯体を添加
する運転方法が効果的である。
【0074】また、起動時の化合物添加を行う注入点と
しては、原子炉水浄化系出口、原子炉水浄化系サンプリ
ングライン等が好適である。
【0075】本実施形態によれば、原子炉構造材料の腐
食環境を観測しながら化合物の添加を行うことにより、
原子炉水抜き時、原子炉水張り時などの時期に応じて腐
食環境に見合った化合物添加をプラント運転中に連続し
て行える。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の原子力発
電プラントおよびその運転方法によれば、原子炉水中へ
の貴金属の注入の低減により燃料材料表面への貴金属の
付着を低減し、プラントの運転効率を向上させるととも
に、水素注入を実施することなく、または少量の水素注
入量であっても原子炉構造材の腐食電位の低下が可能
で、応力腐食を防止し原子炉構造材の長寿命化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する図で、TiO
およびPtからなる化合物のミスト散布後の乾燥処理
を行う原子力発電プラントの概要を示す図。
【図2】本発明の第2実施形態を説明する図で、原子炉
内化学除染後の付着を行う原子力発電プラントの発電設
備を概略的に示す図。
【図3】本発明の第3実施形態を説明する図で、原子炉
圧力容器内に水中ロボットを備えた原子炉圧力容器内の
構造を示す図。
【図4】本発明の第4実施形態を説明する図で、腐食環
境モニタリング制御装置と化合物添加装置を設置した原
子力発電プラントの発電設備を概略的に示す図。
【図5】本発明の第4実施形態を説明する図で、腐食環
境モニタリング装置と化合物添加装置を用いた連続運転
方法の原理を説明する図。
【図6】本発明の第4実施形態を説明する図で、原子炉
起動時に化合物を添加する運転方法の原理を説明する
図。
【符号の説明】
1 沸騰水系原子力発電プラント 2 原子炉設備 3 発電設備 4 原子炉圧力容器 5 炉心シュラウド 6 気水分離器 7 ジェットポンプ 8 非常用炉心冷却系配管 9 化合物ミスト散布ノズル 10 暖気供給ノズル 11 主蒸気配管 12 高圧・低圧タービン 13 発電機 14 復水器 15 復水ポンプ 16 主蒸気配管 17 給水配管 18 原子炉再循環系 19 残留熱除去系 20 再循環配管 21 再循環ポンプ 22 残留熱除去系配管 23 炉内スプレーノズル 24 化合物添加装置 25 供給ポンプ 26 除洗液供給配管 27 ヒータ 28 水中ロボット 29 ロボット駆動用ケーブル 30 水中ロボット制御装置 31 化合物供給ノズル 32 レーザー光照射ノズル 33 化合物供給槽 34 化合物供給ライン 35 レーザー光電送ケーブル 36 原子炉水浄化系 37 原子炉水浄化系配管 38 ボトムドレンライン 39 化合物添加装置 40 供給ポンプ 41 除洗座 42 サンプリングライン 43 炉内出力モニタリングハウジング 44 センサ 45 信号ケーブル 46 腐食環境モニタリング制御装置 47 制御装置 48 信号ケーブル 49 化合物添加装置 50 炉水濃度 51 腐食電位 52 腐食電位設定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 健治 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 大里 哲夫 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 市川 長佳 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 2G075 AA03 BA03 CA40 DA02 DA08 FA11 GA37

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉設備と発電設備とを備える原子力
    発電プラントにおいて、前記原子炉設備の原子炉内表
    面、炉内構造物表面、一次系配管内表面および一次系機
    器の内表面に光半導体および助剤が付着されたことを特
    徴とする原子力発電プラント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原子力発電プラントにお
    いて、光半導体は、TiO、PbO、Bi、Z
    nO、ZrO、WO、Fe、SrTiO
    BaTiO、FeTiO、MnTiO、KTaO
    、SnOからなる化合物群の1つまたは複数である
    ことを特徴とする原子力発電プラント。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の原子力発電プラントにお
    いて、助剤は、Pt、Rh、Pd、Ru、Ir、Osか
    らなる元素群を含む化合物の1つまたは複数であること
    を特徴とする原子力発電プラント。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の原
    子力発電プラントにおいて、光半導体または高温高圧条
    件下で光半導体に変性する化合物のいずれか、および助
    剤の添加を行う化合物添加装置が、一次系配管に接続さ
    れたことを特徴とする原子力発電プラント。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の原子力発電プラントにお
    いて、化合物添加装置が接続される一次系配管は、原子
    炉冷却材浄化系配管及びその枝管、再循環系配管及びそ
    の枝管、残留熱除去系配管及びその枝管、原子炉冷却材
    浄化系出口水サンプリングライン、給水系配管及びその
    枝管、復水系配管及びその枝管、給水サンプリングライ
    ン、復水浄化系出口水サンプリングライン、制御棒駆動
    水系配管、非常用炉心冷却系配管のいずれかまたは複数
    であることを特徴とする原子力発電プラント。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載の原
    子力発電プラントにおいて、原子炉圧力容器内を自由に
    移動可能であり、光半導体または高温高圧条件下で光半
    導体に変性する化合物のいずれか、および助剤の添加を
    行うロボットと、このロボットに接続された駆動用ケー
    ブルを介して前記ロボットを遠隔操作するロボット制御
    装置とを原子炉圧力容器内に設けたことを特徴とする原
    子力発電プラント。
  7. 【請求項7】 請求項4、5または6のいずれかに記載
    の原子力発電プラントにおいて、一次系構造材料の腐食
    環境を観測する腐食環境モニタリング装置と、この腐食
    環境モニタリング装置により得られた情報に基づき、光
    半導体または高温高圧条件下で光半導体に変性する化合
    物のいずれか、および助剤の添加量を制御する制御装置
    とを設けたことを特徴とする原子力発電プラント。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の原子力発電プラントにお
    いて、一次系構造材料の腐食環境モニタリング装置は、
    腐食電位センサ、亀裂進展センサ、導電率計、光セン
    サ、放射能付着量測定試験片のいずれか、または複数か
    らなることを特徴とする原子力発電プラント。
  9. 【請求項9】 原子力発電プラントの運転方法におい
    て、原子炉水抜き時、原子炉水張り時、または原子炉水
    抜き時および原子炉水張り時の両時期に、原子炉設備の
    原子炉内表面、炉内構造物表面、一次系配管内表面およ
    び一次系機器の内表面に光半導体および助剤を付着させ
    ることを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の原子力発電プラントの
    運転方法において、光半導体または高温高圧条件下で光
    半導体に変性する化合物のいずれか、および助剤を、一
    次系配管から添加して、光半導体および助剤を付着させ
    ることを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の原子力発電プラントの
    運転方法において、原子炉水抜き時に、ミスト乾燥処
    理、化学蒸着(CVD)、プラズマ溶射、レーザー溶
    射、高温焼き付け、スプレー塗布、刷毛塗りのいずれ
    か、または複数を用いて光半導体および助剤を付着させ
    ることを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の原子力発電プラントの
    運転方法において、原子炉水張り時に、プラズマ溶射、
    レーザー溶射、非常用炉心冷却系配管からの化合物添
    加、炉内化学除染後洗浄時の化合物添加のいずれか、ま
    たは複数を用いて光半導体および助剤を付着させること
    を特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の原子力発電プラントの
    運転方法において、原子炉水張り時に、遠隔操作可能な
    ロボットの使用により光半導体および助剤を付着させる
    ことを特徴とする原子力発電プラントの運転方法。
  14. 【請求項14】 請求11ないし13のいずれかに記載
    の原子力発電プラントの運転方法において、原子炉冷温
    停止時の化合物添加、原子炉起動時の化合物添加、原子
    炉高温待機時の化合物添加、原子炉出力運転時の化合物
    添加、炉内取り替え部品表面に付着させた化合物の原子
    炉水への放出、原子炉水浄化系ろ過脱塩装置内に付着さ
    せた化合物の原子炉水への放出のいずれかあるいは複数
    を用いて、光半導体および助剤を付着させることを特徴
    とする原子力発電プラントの運転方法。
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