JP2001226827A - 複合成形物およびその製造法 - Google Patents
複合成形物およびその製造法Info
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Abstract
制され、かつその機能性成分が本来有するすぐれた機能
性(消臭性、抗微生物性等)が最大限に発揮される上、
水と接触するような使い方をしてもその機能性が長期に
わたり持続するので耐久性があり、さらには人体に接触
するような使い方をしても安全性の高い接合型の複合成
形物およびその製造法を提供する。 【解決手段】 内側成分Xと外側成分Yとで構成された
接合型(芯鞘接合型やバイメタル接合型)の複合成形物
である。内側成分Xは第1樹脂(H) で形成される。外側
成分Yは、カテキン類、サポニン類、茶葉粉末、茶葉抽
出物およびタンニン(酸)よりなる群から選ばれた少な
くとも1種の機能性成分(A) とセラミックス成分(C) と
が配合された第2樹脂(L) で形成される。そして、第1
樹脂(H) と第2樹脂(L) とは互いに異種の樹脂である。
Description
装材、衣類、敷物類、衛生用品、空調機や空気清浄機の
フィルタをはじめとする種々の用途に有用な機能性(消
臭性、抗微生物性等)、成形性(溶融紡糸性等)、後加
工性(延伸性等)、物性(強度、寸法安定性等)、およ
び経済性(コスト)にすぐれた芯鞘接合型やバイメタル
接合型の複合成形物(殊にフィラメントやシート)およ
びその製造法に関するものである。
や空気清浄機に組み込むフィルタとして、コスト的に有
利でかつ成形性、機械的強度、耐水性、耐薬品性などの
特性がすぐれているポリプロピレン線条でできたフィル
タが汎用されている。このフィルタ用のポリプロピレン
に、合成系の抗菌剤を練り込んだり、茶の抽出成分であ
るカテキン類を外的に付着担持または内添により担持さ
せたりすることも知られている。
は、 0.1%以上の抗菌剤を練り込んだポリプロピレン繊
維からなる抗菌エレクトレットフィルタにつき言及があ
る。ただしこの公報の実施例で使用している抗菌剤は、
合成系の抗菌剤であるチアベンダゾールである。
抽出成分を有効成分とするウィルス不活性剤をフィルタ
に含浸またはフィルタ素材に練り込んだ抗ウィルスフィ
ルタが示されている。茶の抽出成分とは、カテキン類な
どの茶ポリフェノールである。その実施例には、(イ)
茶の抽出成分を水に溶解して水溶液としてからエレクト
レットフィルタに含浸付着させた例、(ロ)茶の抽出成
分をポリプロピレンに混合して溶融してフィルム状に成
形し、カッティングし、不織布化を行った例、があげら
れている。
フィルタと茶の抽出成分を添着したフィルタとからなる
抗ウィルスフィルタが示されている。茶の抽出成分と
は、カテキン類などの茶ポリフェノールである。茶の抽
出成分を添着したフィルタとは、エレクトレットフィル
タ、HEPAフィルタ、高性能フィルタ、中性能フィル
タ、バグフィルタなどである。
ト〉一般に、芯鞘接合型またはバイメタル接合型の複合
フィラメント自体は知られている。たとえば特公昭63
−3969号公報(特許第1456233号)には、高
融点ポリプロピレンを芯成分とし、低融点ポリオレフィ
ンを鞘成分とする複合モノフィラメントが示されてお
り、そのモノフィラメントをネット状物とすることにつ
いても言及がある。ただし、抗菌剤などの有効成分を担
持させることについては記載がない。このモノフィラメ
ントは、芯成分により必要な強度が得られ、かつ鞘成分
により熱融着性が得られるので、ネット状や不織布状に
することが容易である。
解して水溶液としてからフィルタに外的に含浸担持させ
た場合、つまり含浸による付着担持方法にあっては、茶
の抽出成分が水になじみがあるため抽出成分の固着性も
耐水性も不足し、水分と接触する使い方をしたり時々水
洗を行うような使い方をしたときには、付着成分である
茶の抽出成分が容易に失われてしまうという問題点があ
る。
素材としてのポリプロピレンに内添して(練り込んで)
溶融成形する方法にあっては、本来水溶性であるカテキ
ン類などの茶の抽出成分が非極性の樹脂であるポリプロ
ピレンに馴染みがないため、フィラメント表面にブリー
ドして汚れを生じやすく、またそのフィラメントを水中
に浸漬したり水洗したりしたときは、抽出成分の大部分
が溶出して効果が激減してしまう。ブリードを見込んで
内添量を多くしても、依然として水と接触したときの溶
出量が大きい上、コスト高になり、また紡糸性、延伸
性、強度が低下することを免れない。加えてこの内添法
にあっては、溶融成形に際して、茶の抽出成分のうち有
効な部分の相当量が揮散してしまい、比較的高価な有効
成分が目減りすることを免れない。
添した機能性成分のブリードが効果的に抑制され、また
内添した機能性成分が成形性(溶融紡糸性等)、後加工
性(延伸性等)、物性(強度、寸法安定性等)に悪影響
を与えることがなく、しかもその機能性成分の内添量を
大きく減ずることができるのでコスト的にも有利であ
り、かつその機能性成分が本来有するすぐれた機能性
(消臭性、抗微生物性等)が最大限に発揮される上、水
と接触するような使い方をしてもその機能性が長期にわ
たり持続するので耐久性があり、さらには人体に接触す
るような使い方をしても安全性の高い接合型(芯鞘接合
型やバイメタル接合型)の複合成形物およびその製造法
を提供することを目的とするものである。
内側成分Xと外側成分Yとで構成された接合型の複合成
形物であって、前記内側成分Xが第1樹脂(H) で形成さ
れていること、前記外側成分Yが、カテキン類、サポニ
ン類、茶葉粉末、茶葉抽出物およびタンニン(酸)より
なる群から選ばれた少なくとも1種の機能性成分(A) と
セラミックス成分(C) とが配合された第2樹脂(L) で形
成されていること、および、前記の第1樹脂(H) と第2
樹脂(L) とは互いに異種の樹脂であること、を特徴とす
るものである。
1樹脂(H) と第2樹脂(L) とが異種の樹脂であるとする
とき、第1樹脂(H) と、カテキン類、サポニン類、茶葉
粉末、茶葉抽出物およびタンニン(酸)よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の機能性成分(A) とセラミック
ス成分(C) とが配合された第2樹脂(L) とを、第1樹脂
(H) が内側成分X、機能性成分(A) とセラミックス成分
(C) とが配合された第2樹脂(L) が外側成分Yとなるよ
うに、それぞれの溶融温度以上の温度で共押出成形し
て、内側成分Xと外側成分Yとで構成された接合型の複
合成形物を得ることを特徴とするものである。
側成分Xと外側成分Yとで構成された接合型の複合成形
物である。内側成分Xは第1樹脂(H) で形成され、外側
成分Yは機能性成分(A) とセラミックス成分(C) とが配
合された第2樹脂(L) で形成される。そして第1樹脂
(H) と第2樹脂(L) とは、互いに異種の樹脂であること
が必要である。「接合型」の代表例は、芯鞘接合型とバ
イメタル接合型である。
うに、第1樹脂(H) と第2樹脂(L) とは互いに異種の樹
脂であることが必要である。第1樹脂(H) と第2樹脂
(L) は、実用性の観点からは、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂またはアクリル系樹脂から選ばれ
た互いに異種の樹脂であることが好ましく、特に、ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂またはポリオレフィ
ン系樹脂から選ばれた互いに異種の樹脂であることが好
ましい。しかしながら、ポリスチレン系樹脂(ABS樹
脂やAS樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体系樹脂、各種耐熱性樹
脂、各種高強度樹脂など、他の種々の成形用樹脂も使用
可能である。樹脂には熱可塑性エラストマーも含まれ
る。なお、上記のうちポリオレフィン系樹脂の範疇の中
での樹脂の相違は、先願との関係で、異種の樹脂とは見
ないことにする。
としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−6
6、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、
ナイロン12、ナイロン46、ナイロンMXD6、ポリ
アミド系熱可塑性エラストマーなどがあげられる。ポリ
エステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどがあ
げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレンや
プロピレンを主体とするオレフィンのホモポリマーやコ
ポリマー、たとえば、低密度ポリエチレン、リニア低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ−アクリ
レート共重合体、アイオノマー、エチレンを主体とする
プロピレン、1−ブテン等との共重合体、エチレン−1
−ブテン共重合体、ポリプロピレン、プロピレンを主体
とするエチレン、ブテン−1等のα−オレフィンとの共
重合体プロピレン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーなどがあげられる。ポリウレタン系樹脂と
しては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどがあ
げられる。アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリレ
ートや(メタ)アクリロニトリルを主体とするホモポリ
マーやコポリマーがあげられる。
Yとなる第2樹脂(L) の融点については、内側成分Xで
強度や延伸性を確保し、外側成分Yで機能性をもたせる
ことが多いから、第1樹脂(H) の融点を第2樹脂(L) の
融点よりも高く(たとえば5℃以上とか10℃以上とい
うように)することができる。特に、外側成分Yの樹脂
としてその融点が低くても溶融成形できるものを使用す
るときは、外側成分Yに熱融着性をもたせることができ
る上、溶融成形時の機能性成分(A) 中の有効成分の揮散
が抑制されるという利点もある。ただし、第1樹脂(H)
の融点を第2樹脂(L) の融点と同等としたり低くしたり
しても、機能性成分(A) を外側成分Yに含有させるの
で、その使用量を少なくすることができるという大きな
利点がある。従って、第1樹脂(H) の融点と第2樹脂
(L) の融点とをどのように設定するかは自由であり、目
的に応じて任意に決めることができる。
は、カテキン類、サポニン類、茶葉粉末、茶葉抽出物お
よびタンニン(酸)よりなる群から選ばれた少なくとも
1種が用いられ、特にカテキン類が重要である。これら
は、消臭性(脱臭性、悪臭消去性、有害ガス成分除去性
等)、抗微生物性(抗菌性、殺菌性、静菌性、抗カビ
性、抗ウイルス性等)、生理活性(抗アレルギー性
等)、抗酸化性などの機能性を有する成分である。
のものやオリゴマー状のものが用いられる(テアフラビ
ンも含まれる)。本発明において用いるカテキン類とし
て特に重要性の高いものは、カテキン類の濃度を高めた
茶由来のカテキン製剤である。茶カテキンの主たる成分
は、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エ
ピカテキン、エピカテキンガレートなどであるが、個々
の成分に単離する必要はないので、これらの混合物から
なる茶カテキンを濃厚に含む製剤(殊に20%以上、好
ましくは25%以上含むもの)をそのまま好適に用いる
ことができる。市販の茶由来のカテキン製剤には30%
品、50%品、60%品、70%品、80%品、90%
品などがあるので、その入手は容易である。なおカテキ
ン類は、阿仙薬をはじめ茶以外の多種の植物にも含まれ
ているので、それらの植物由来のカテキン類を用いるこ
ともできる。
や水を用いて茶葉や茶の種子からサポニンを含む成分を
抽出し、ついでカラムクロマトなどの手段を用いて繰り
返し精製を行うことにより取得できる。茶サポニンに
は、ステロイド系サポニン、トリテルペノイド系サポニ
ンなどがあるが、本発明の目的にはこれらをいずれも使
用することができる。サポニン類は、茶以外の多種の植
物、たとえば、ニンジン、チクセツニンジン、ダイズ、
サイコ、アマチャヅル、ヘチマ、オンジ、キキョウ、セ
ネガ、バクモンドウ、モクツウ、チモ、ゴシツ、カンゾ
ウ、サンキライなどにも含まれているので、そのような
植物からのサポニン類を用いることもできる。
茶・二番茶・三番茶・深むし、かぶせなどの茶の粉末ま
たは抽出物を用いることができる。
たタンニン酸を用いることができ、また五倍子、没食子
などタンニン酸含有天然植物の抽出物またはその半精製
物をそのまま用いることもできる。
分(C) としては、種々のセラミックスが用いられる。こ
の場合、以下に詳述するように、含水ケイ酸ゲルを経て
得られるシリカゲル、無機質焼結助剤−無機質凝集剤を
組み合わせたもの、または、セラミックス粒子−無機質
焼結助剤−無機質凝集剤を組み合わせたものが好適に用
いられる。これらを用いれば、凝集力を利用して機能性
成分(A) との複合化を図ることができる。
て得られるシリカゲルが好適に用いられる。このときに
は、ケイ酸塩の水溶液を酸と混合することによりpHを
調整して含水ゲルとなし、さらにこの含水ゲルを水洗し
てイオンを除去してから乾燥することによりシリカゲル
を得る。ケイ酸塩としては、Na2O・n SiO2で表わされる
ケイ酸ナトリウムや、 K2O・n SiO2で表わされるケイ酸
カリウムが用いられ、特に前者のケイ酸ナトリウムが重
要である。ケイ酸塩の濃厚水溶液は一般に水ガラスと呼
ばれ、市販の代表的な水ガラスのSiO2含有量は22〜3
8重量%、Na2O含有量は5〜19重量%である。
硝酸、炭酸などの無機酸の多価金属塩、アルカリ金属や
アルカリ土(類)金属のフッ化物やケイフッ化物があげ
られる。多価金属塩としては、アルミニウム、亜鉛、マ
グネシウム、カルシウム、マンガンなどが好適に用いら
れ、これらは通常は含水塩ないし水和物を水に溶解した
形で使用に供される。
状の無機質凝集剤、殊に、ゾル状の無水ケイ酸または溶
液状のケイ酸塩(ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム)
が好適に用いられる。ゾル状の無水ケイ酸には、水を媒
体とする通常のコロイダルシリカのほか、アルコール等
の有機溶媒を媒体とするオルガノシリカゾルがある。
質凝集剤におけるセラミックス粒子としては、各種の粘
土鉱物、酸化物、水酸化物、複合酸化物、窒化物、炭化
物、ケイ化物、ホウ化物、ゼオライト、クリストバライ
ト、ケイ藻土、ケイ酸の多価金属塩などがあげられる。
粘土鉱物としては、カオリン、ろう石、セリサイト、ベ
ントナイトなどがあげられる。酸化物としては、アルミ
ナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、マグネシア、酸化
亜鉛などがあげられる。水酸化物としては、アルミニウ
ム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガンの水酸
化物などがあげられる。複合酸化物の例はミョウバンで
ある。窒化物の例は、窒化ケイ素、窒化ホウ素などであ
る。炭化物の例は、炭化ケイ素、炭化ホウ素などであ
る。ケイ酸の多価金属塩としては、アルミニウム塩、亜
鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩など
があげられる。
凝集剤の組み合わせにあっては、無機質焼結助剤の固形
分100重量部に対し、無機質凝集剤が固形分で100
〜300重量部程度あるいはそれ以上とすることが多
い。セラミックス粒子−無機質焼結助剤−無機質凝集剤
の組み合わせにあっては、セラミックス粒子を主体と
し、無機質焼結助剤および無機質凝集剤はそれぞれの役
割を発揮する量とするが、セラミックス粒子100重量
部に対し、無機質焼結助剤が固形分で 0.5〜20重量部
程度、無機質凝集剤が固形分で 0.5〜25重量部程度と
することが多い。
か、水を吸って膨潤する性質を有する粘土鉱物、たとえ
ば、セピオライト、バーミキュライト、ベントナイト、
セリサイト粘土、水膨潤性グレードのマイカなどを用い
ることも好ましい。これらの中では、特異な繊維状構造
を有するセピオライトが特に重要である。
リカ、アルミナ、チタニアなどのセラミックス粒子の微
粉をそのまま用いることもできる。
との複合体粒子〉先にも述べたように、内側成分Xは第
1樹脂(H) で形成され、外側成分Yは機能性成分(A) と
セラミックス成分(C) とが配合された第2樹脂(L) で形
成される。このうち外側成分Yにおいては、機能性成分
(A) とセラミックス成分(C) とを第2樹脂(L) にそれぞ
れ配合してもよいが、予め機能性成分(A) とセラミック
ス成分(C) の複合体粒子を製造しておいてから、その複
合体粒子を第2樹脂(L) に配合することが好ましい。
成分(C) が含水ケイ酸ゲルを経て得られるシリカゲルで
あるときは、ケイ酸塩水溶液と酸との混合前、混合時ま
たは混合後のゲル化反応完了前に機能性成分(A) を添加
して、その機能性成分(A) をシリカゲル中に含有させる
ことが望ましい。このようにすると、機能性成分(A)を
含有する状態でセラミックスを凝集させることができ
る。
無機質凝集剤を組み合わせたものである場合、機能性成
分(A) を含有する状態でセラミックスを凝集させること
が好ましい。例をあげると、無機質焼結助剤の一例とし
てのリン酸アルミニウムの水溶液に機能性成分(A) を粉
末であるいは水溶液またはアルコール溶液として混合
し、pHを3〜4に調整して、無機質凝集剤の一例とし
てのコロイダルシリカのコロイド液を混合して系のpH
を中性程度にもっていくと、凝集が起こるので、その凝
集物をルツボや蒸発皿に移し、乾燥器または電気炉にて
乾燥するまで加熱処理する。
−無機質焼結助剤−無機質凝集剤を組み合わせたもので
あるときも、機能性成分(A) を含有する状態でセラミッ
クスを凝集させることが好ましい。例をあげると、ケイ
酸アルミニウム、アルミナ、チタニア等のセラミックス
粒子に無機質焼結助剤の一例としてのリン酸アルミニウ
ムの水溶液を硬練りペースト程度の粘度になるように加
えて混練し、続いて機能性成分(A) を粉末であるいは水
溶液またはアルコール溶液として混合し(あるいはセラ
ミックス粒子に機能性成分(A) を混合しておいてから無
機質焼結助剤を混練し)、また必要に応じてリン酸アル
ミニウムの水溶液を追加混合し、pHを3〜4に調整し
て、無機質凝集剤の一例としてのコロイダルシリカのコ
ロイド液を混合して系のpHを中性程度にもっていく
と、凝集が起こるので、その凝集物をルツボや蒸発皿に
移し、乾燥器または電気炉にて乾燥するまで加熱処理す
る。
成分Yに占める第2樹脂(L) 、機能性成分(A) 、セラミ
ックス成分(C) の割合は、第2樹脂(L) 100重量部に
対して機能性成分(A) およびセラミックス成分(C) の合
計量が1〜40重量部(好ましくは2〜30重量部)と
なるようにすることが望ましい。後者の合計量が余りに
少ないときは所期の消臭性、抗微生物性、生理活性、抗
酸化性などの機能性が充分には発揮されず、一方後者の
合計量が余りに多くしても、機能性は一定以上には上が
らないばかりでなく、フィラメントやフィルムなどの形
状の複合成形物の生産性が低下したり、強度や風合が低
下したりするというマイナス面が目立つようになる。
(C) との間の関係においては、セラミックス成分(C) 1
00重量部に対し機能性成分(A) を1〜300重量部
(好ましくは2〜200重量部、さらに好ましくは3〜
150重量部)とすることが望ましい。機能性成分(A)
の割合が余りに少ないときには所期の消臭性、抗微生物
性、生理活性、抗酸化性などの機能性が不足し、機能性
成分(A) の割合が余りに多いときには、セラミックス成
分(C) に対するバランスを崩し、コスト的にも不利とな
る。
は、内側成分Xと外側成分Yとで構成された接合型の複
合成形物であり、このときの接合型としては、芯鞘接合
型とバイメタル(サイドバイサイド)接合型があげられ
る。芯鞘接合型の場合は、内側成分Xが芯成分、外側成
分Yが鞘成分となり、このときの構造は、同心円芯鞘
型、偏心芯鞘型、多心芯鞘型、中空芯鞘型などのいずれ
であってもよい。芯鞘接合型の場合、内側成分Xである
第1樹脂(H) と外側成分Yに用いる第2樹脂(L) との密
着性がたとえ不足するときでも、第2樹脂(L) として第
1樹脂(H) よりも成形時の収縮率の大きいものを選択す
るなどの工夫を講じることにより、内外層間の密着性を
確保することができる。バイメタル接合型の場合は、Y
/X、Y/X/Y状となる(Y/Xのときは、片方を内
側成分X、他方を外側成分Yとする)。
成形物が芯鞘接合型であるとき、芯成分である内側成分
Xと鞘成分である外側成分Yとの重量比は、30:70
〜80:20、殊に35:65〜75:25とすること
が好ましい。鞘成分の割合が余りに少ないときには、機
能性成分(A) の割合が過小となるので所期の機能性が充
分には奏されず、また得られる成形物に熱接着性が要求
されるときは熱接着性が不足するようになる。一方、鞘
成分の割合が余りに多いときには、相対的に芯成分の割
合が過小になるため、成形性(紡糸性等)、延伸性、強
度、寸法安定性などの点で不満足となりやすい。
は、内側成分Xと外側成分Yとの重量比(Y/X/Y状
の場合はXと片方のYとの重量比)は、30:70〜9
5:5、殊に35:65〜90:10というように、芯
鞘接合型の場合よりは内側成分Xの割合を多目にするこ
とができる。
合型であるときの代表的な形状はフィラメント状であ
り、その断面は円形のみならず非円形とすることもでき
る。場合により、中空状とすることもできる。フィラメ
ントの太さは、極細の繊維状からモノフィラメント状ま
で(極細デニールから極太デニールまで)、あるいはさ
らに太い棒状に近いものまで任意である。
の代表的な形状は、フィルムまたはシートである。それ
らを細巾にスリットして線条とすることもできる。フィ
ルムまたはシートをスプリット(割繊)することもでき
る。そのほか、容器状、板状、各種部品形状などとする
こともできる。
は、第1樹脂(H) と第2樹脂(L) とが異種の樹脂である
とするとき、好適には次のようにして製造することがで
きる。
サポニン類、茶葉粉末、茶葉抽出物およびタンニン
(酸)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の機能性
成分(A)とセラミックス成分(C) とが配合された第2樹
脂(L) とを、第1樹脂(H) が内側成分X、機能性成分
(A) とセラミックス成分(C) とが配合された第2樹脂
(L) が外側成分Yとなるように、それぞれの溶融温度以
上の温度で共押出成形するのである。これにより、内側
成分Xと外側成分Yとで構成された接合型の複合成形物
を得ることができる。なお、内側成分Xとなる第1樹脂
(H) 側にも、機能性成分(A) を内添しても差し支えな
い。
機を用い、複合ダイから線状やシート状に吐出すること
により達成できる。場合によっては、回転ダイを用いて
ネット状に成形することもできる。なお第2樹脂(L) 側
は、予め内添する材料の濃度の濃いマスターバッチを作
製しておいて、そのマスターバッチを第2樹脂(L) と混
合して成形に供することもできる。
し必要なら、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑
剤、帯電防止剤、艶消し剤、流動性改善剤、可塑剤、難
燃剤などの助剤を内添しておくことができる。特に機能
性成分(A) とセラミックス成分(C) とを配合した第2樹
脂(L) の側には、酸化防止剤等の安定剤と共に、金属石
鹸をはじめとする凝集防止性ないし分散性の向上に有効
な成形助剤を併用配合して、機能性成分(A) およびセラ
ミックス成分(C) (殊にこれら両者からなる複合体粒
子)の均一分散を確保することが好ましく、また機能性
成分(A) の担持性を向上させるため、銅塩、鉄塩、カル
シウム塩、チタン塩、アルミニウム塩、銀塩、スズ塩、
亜鉛塩、クロム塩、コバルト塩などの金属イオン源を適
当量共存させておくこともできる。
成形後は延伸を行うことが多い。延伸倍率に特に限定は
ないものの、倍率が余りに小さいときは、用途によって
は強度が不足する傾向があるので、延伸倍率は3倍以
上、殊に4倍以上とするのが通常である。一方、延伸倍
率を余りに大きくすると、芯鞘間において層間剥離を起
こしやすくなるなどのトラブルを生ずることがあるの
で、延伸倍率の上限は一般には10倍程度までである。
なお、延伸を必要としない用途もあるので、延伸は必須
ではない。フィルムまたはシート状のものを得るとき
も、必要に応じ共押出成形後に延伸を行うことができ
る。
ラメント状であるときは、その複合フィラメントから、
糸、パイル、綿(ワタ)状物、ネット、ロープ、ベル
ト、織布、不織布、編布などの二次製品を得ることも自
在である。この複合フィラメントまたはその二次製品
を、天然繊維(木綿、麻、絹、羊毛等)、合成樹脂(ポ
リエステル、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ナイロン、ビニロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル、ポリウレタン等)系の繊維やモノフィラメン
ト、半合成繊維(アセテート等)、再生繊維(レーヨン
等)、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)などの繊維
やモノフィラメントあるいはそれらの二次製品と組み合
わせて用いることもできる。本発明の複合成形物がフィ
ルム、シート、容器などであるときは、それを積層した
りするなどして、二次製品を得ることもできる。
用途の例は、乗り物の内装材(シートクロス、天井材、
床材)、室内の内装材(壁用シート、床材等)、室内や
乗り物の敷物材(マット、カーペット等)、フィルタ
(空調機、空気清浄機、真空掃除機等のフィルタ)、履
物材料、産業資材、衣料材料、寝具、衛生材料、医療用
品、日用品、台所用品、トイレタリー用品、包装材料な
どである。
分Yに、第2樹脂(L) の種類や内添物の量を選択または
制御して熱融着性を持たせるようにすれば、熱融着品を
得ることができる。たとえば、芯鞘接合型の複合フィラ
メントや、バイメタル接合型のフィルムを細巾にスリッ
トした線条を用いて、編織物(ネット、織布、編布)や
不織布を製造したとき、熱融着によりフィラメントや線
条の交叉点を融着することができるので実用時や二次加
工時における目ずれを防止することができ、あるいはそ
のような編織物や不織布を枠体などに熱融着により固定
することができる。
る。「部」、「%」とあるのは重量基準で表わしたもの
である。
のを準備した。 ・(H1): ポリプロピレン(PP)(融点163℃、比重
0.91)
265℃、比重 1.4)
として、次のものを準備した。 ・(A1): 茶カテキン30%品(エピガロカテキン、エピ
ガロカテキンガレート、エピカテキンおよびエピカテキ
ンガレートの合計量が約30%の茶由来のカテキン製
剤) ・(A2): 純度70%の茶サポニン ・(A3): 緑茶粉末 ・(A4): 緑茶の熱水抽出物を乾燥した粉末 ・(A5): 純度85%のタンニン酸
分(C) の原料として、次のものを準備した。 ・(C1): ケイ酸塩(水ガラス) ・(C2): リン酸アルミニウムおよびコロイダルシリカ ・(C3): シリカ、リン酸アルミニウムおよびコロイダル
シリカ
複合体粒子の準備〉次のようにして、機能性成分(A) と
セラミックス成分(C) との複合体粒子を製造した。
うち(C1)については、0℃に保った1N硫酸溶液に機能
性成分(A) を添加し、また別途1N水ガラス号溶液を調
製した。ついで、機能性成分(A) を含有する1N硫酸溶
液を激しく撹拌しながら、数分かけて1N水ガラス号溶
液を滴下した。このときの反応液は5〜7℃となった。
混合液を流水にて1日洗浄してから、水分をよく切り、
ついで細かく砕き、50〜60℃の温度をかけながら乾
燥器中で真空乾燥し、粉末状の複合物を得た。
うち(C2)については、濃度25%のリン酸アルミニウム
水溶液200部に機能性成分(A) を混合し、pHを3〜
4に調整して、コロイダルシリカのコロイド液(固形分
40%)の130部を加えて混合し、pHを中性にもっ
ていった。スラリーは徐々に凝集していったので、ハン
ドリングが可能なうちに蒸発皿(またはルツボ)に移
し、恒温乾燥器または電気炉で加熱し、100〜300
℃で乾燥し、加熱処理した。これにより硬い不定形の凝
集体が得られたので、それを自動乳鉢(またはボールミ
ル)で微粉砕し、篩で分級して100〜325メッシュ
の粒度のものを取得した。ついでこの凝集体の粒子を恒
温乾燥器または電気炉で加熱処理した。
うち(C3)については、平均粒径325メッシュアンダー
のシリカ400部と、機能性成分(A) 130部とを乾式
混合した後、濃度25%のリン酸アルミニウム水溶液2
00部を添加しながら硬めに混練してペーストを得、こ
のペーストにコロイダルシリカのコロイド液(固形分4
0%)50部を混合して、pHを中性にもっていった。
この時点で徐々に凝集が起きてくるので、ハンドリング
できるうちにルツボに移し、乾燥後、100〜300℃
で脱水、加水分解させた。これを微粉砕した。
(分散剤)と共に上記(その1)、(その2)、(その
3)の方法で得た機能性成分(A) 担持セラミックス成分
(C) を混合して溶融押出すると共にペレット化した。こ
のようにして得たペレットを外側成分(鞘成分)Y、上
記の第2樹脂(H) のペレットを内側成分(芯成分)Xと
して用いて、複合ダイを備えた2台の押出機により、外
側成分(鞘成分)Yについては第2樹脂(L) の融点より
70〜90℃高い温度条件、内側成分(芯成分)Xにつ
いては第1樹脂(H) の融点より60〜90℃高い温度条
件をそれぞれ使用して共押出成形し、ついで約6倍に延
伸することにより、複合フィラメント(複合成形物)を
得た。次に、この複合フィラメントから不織布を製造し
た。条件を表1に示す。
脂(L) の融点より70〜90℃高い温度で押出成形し、
ついで約6倍に延伸することにより、フィラメントを
得、さらに不織布を製造した。条件を表1に併せて示
す。
たほかは、上述の実施例と同様にして共押出し、ついで
約6倍に延伸することにより、フィラメント(複合フィ
ラメント)を得、ついで不織布を製造した。条件を表1
に併せて示す。
施例1で得られた複合成形物(複合フィラメント)およ
び比較例1で得られたフィラメントのモデル的な断面図
を示す。
中に3時間浸漬してから一旦取り出して自然乾燥した
後、もう一度水中に3時間浸漬してから取り出して自然
乾燥し、最初の水浸漬の前および2回目の水浸漬の後の
機能性成分(A) の量を示差熱重量分析計による熱分析
(電気炉中で5℃/minの速度で昇温し、加熱過程におけ
る試料の熱収支(吸熱/発熱)とそれに伴う重量の増減
を解析)により測定した。そして、水洗前および後の不
織布につき、消臭試験および抗微生物性試験を下記の条
件にて行った。結果を表2および表3に分けて示す。
作できる空気清浄機、内部には上記で作製した不織布を
設置し、容器の中でタバコ5本を吸煙機に装着して着火
し、最初の1本が燃え尽きた時点で吸煙機を停止し、最
後のタバコが燃え尽きた時点で空気清浄機の運転を開始
し、運転5分後および30分後にガス検知管を用いてア
ンモニア濃度を測定し、5分後の濃度(初期濃度)に比
し30分後の濃度がどの程度減少しているかで脱臭率を
求めた。
試料の抗菌性を調べた。 ・試験項目:菌数減少率試験 ・試験菌: Staphylococcus aureus ATCC 6538P ・試験方法:統一試験方法による。 ・試験結果: 植菌数[A] 1.0×105 log A = 5.0 無加工布菌数[B] 1.6×107 log B = 7.2 (無加工布は標準綿布を使用) log B - log A = 2.2 > 1.5 (試験は有効) 増減値 = log C - log A 増減値差 = (log B - log A) - (log C - log A)
は機能性成分(A) の内添量を6部としているにもかかわ
らず、水浸漬後の機能性が不充分であることがわかる。
複合フィラメントとした比較例3〜4にあっては、外側
層である鞘成分Y側に機能性成分(A) が内添されている
ので、水浸漬後の機能性がなおさら不充分となってい
る。なお、機能性成分(A) を内添していない第2樹脂(L
1)のみのフィラメントの延伸品を用いたときのNH3 脱臭
率は約40%であり、「測定値−40%」が実質的な脱
臭率となる。また比較例3〜4においてはセラミックス
成分(C) を共存させていないので、実施例と比較すると
押出成形時に機能性成分(A) の相当量が揮散しているこ
とがわかる。さらに、実施例においては芯に比重の小さ
いPP、表面となる鞘にPETを用いているので、全体
の比重が大きくなるのを防ぎながら、表面にPETの持
つ好ましい張り、腰、感触(しゃり感)、耐熱性、洗濯
時の耐伸縮性を持たせることができるというメリットが
ある。
得た複合フィラメント、および第1樹脂(H1)と第2樹脂
(L 1)との重量比で1:1の複合フィラメント(Control)
を用いて、空調機用のフィルタからなる検体(3cm×3
cm)を作製し、その検体にインフルエンザウィルス浮遊
液 0.2mlを滴下し、25℃に保存した。保存24時間後
に検体上のウィルスを洗い出し、洗い出し液中のウィル
ス感染価(1ml当りの50%組織培養感染量(TCID50)の
対数値を測定した。結果を表4に示す。
のを準備した。 ・(H1): ポリプロピレン(PP)(融点163℃、比重
0.91) ・(H2): ナイロン6(Ny6)(融点220℃、比重1.
13) ・(H3): ポリエチレンテレフタレート(PET)(融点
265℃、比重 1.4)
265℃、比重 1.4) ・(L2): ポリプロピレン(PP)(融点128℃、比重
0.91) ・(L3): ナイロン6(Ny6)(融点220℃、比重1.
13)
として、次のものを準備した。 ・(A1): 茶カテキン30%品(エピガロカテキン、エピ
ガロカテキンガレート、エピカテキンおよびエピカテキ
ンガレートの合計量が約30%の茶由来のカテキン製
剤)
分(C) の原料として、次のものを準備した。 ・(C3): シリカ、リン酸アルミニウムおよびコロイダル
シリカ ・(C4): セピオライト
〉(C3)については、先に述べた(その3)に従って、
(A1)との複合体粒子を製造した。(C4)については、(A1)
を水に溶解ないし分散させ、そこに(C4)を投入して混合
してから、乾燥させた((その4)とする)。
(分散剤)と共に、上記(その3)または(その4)の
方法で得た機能性成分(A) 担持セラミックス成分(C) を
混合して溶融押出すると共にペレット化した。このよう
にして得たペレットを外側成分(鞘成分)Y、上記の第
2樹脂(H) のペレットを内側成分(芯成分)Xとして用
いて、複合ダイを備えた2台の押出機により、外側成分
(鞘成分)Yについては第2樹脂(L) の融点より70〜
90℃高い温度条件、内側成分(芯成分)Xについては
第1樹脂(H) の融点より60〜90℃高い温度条件をそ
れぞれ使用して共押出成形し、ついで約6倍に延伸する
ことにより、複合フィラメント(複合成形物)を得た。
次に、この複合フィラメントから不織布を製造した。条
件を表5に示す。
脂(L) の融点より70〜90℃高い温度で押出成形し、
ついで約6倍に延伸することにより、フィラメントを
得、さらに不織布を製造した。条件を表5に併せて示
す。
たほかは、上述の実施例と同様にして共押出し、ついで
約6倍に延伸することにより、フィラメント(複合フィ
ラメント)を得、ついで不織布を製造した。条件を表5
に併せて示す。
の試験を行った。結果を表6および表7に示す。
る機能性成分(A) 、第2樹脂(L) 側に内添するセラミッ
クス成分(C) の原料として、次のものを準備した。ま
た、先に述べた(その1)の手順にて機能性成分(A) に
セラミックス成分(C) が担持された複合体粒子を得た。 ・(H1): ポリプロピレン(PP)(融点163℃、比重
0.91) ・(L1): ポリエチレンテレフタレート(PET)(融点
265℃、比重 1.4) ・(A1): 茶カテキン30%品 ・(C1): ケイ酸塩(水ガラス)
凝集防止剤(分散剤)と共に上記(その1)の方法で得
た機能性成分(A) 担持セラミックス成分(C) を混合して
溶融押出すると共にペレット化した。このようにして得
たペレットを外側成分(鞘成分)Y、上記の第2樹脂
(H) のペレットを内側成分(芯成分)Xとして用いて、
複合ダイを備えた2台の押出機により、外側成分(鞘成
分)Yについては第2樹脂(L) の融点より約80℃高い
温度条件、内側成分(芯成分)Xについては第1樹脂
(H) の融点より約80℃高い温度条件をそれぞれ使用し
て共押出成形し、Y/X/Yの層構成のバイメタル接合
型のフィルム状の複合成形物を得た。ついでこのフィル
ム状の複合成形物を細巾にスリットした。このようにし
て得た糸状の成形物からクロスを作製したが、このクロ
スは実施例1の場合と同様の脱臭性および抗微生物性を
有していた。
て内側成分Xにより必要な成形性(溶融紡糸性等)、後
加工性(延伸性等)、物性(強度、寸法安定性等)が得
られ、外側成分Yによって表面特性および消臭性、抗微
生物性、生理活性、抗酸化性などの機能性が得られる。
第2樹脂(L) の種類や内添物の量を選択または制御すれ
ば、好ましい熱融着性が得られる。
分(A) がセラミックス成分(C) と共存して定着および耐
水化固定がなされている状態にあるため、内添した機能
性成分(A) のブリードが効果的に抑制される。そして外
側成分Yに存在する機能性成分(A) により、該成分が本
来有する消臭性、抗微生物性などのすぐれた機能性が最
大限に発揮される。しかも水と接触したり水洗するよう
な使い方をしても、機能性成分(A) が容易には溶出しな
いので、その機能性が長期にわたり持続する。セラミッ
クス成分(C) の存在は、温湿度変化などの環境変化に対
するフィラメントの寸法安定性や耐熱性の向上にも貢献
する。
が存在するだけでよいので、機能性成分(A) の内添量を
大きく減ずることができ、経済的にも有利となる。
成分Yに用いる第2樹脂(L) が互いに異種の樹脂からな
るので、ニーズに適合した機械的特性、熱的性質、表面
性質を有する複合成形物を得ることができる。
れる成分であるので、人体に接触するような使い方をし
ても安全である。
ント)および比較例1で得られたフィラメントのモデル
的な断面図である。
分(鞘成分)、(L) …第2樹脂、(A) …機能性成分、
(C) …セラミックス成分
Claims (7)
- 【請求項1】内側成分Xと外側成分Yとで構成された接
合型の複合成形物であって、 前記内側成分Xが第1樹脂(H) で形成されていること、 前記外側成分Yが、カテキン類、サポニン類、茶葉粉
末、茶葉抽出物およびタンニン(酸)よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の機能性成分(A) とセラミックス
成分(C) とが配合された第2樹脂(L) で形成されている
こと、および、 前記の第1樹脂(H) と第2樹脂(L) とは互いに異種の樹
脂であること、を特徴とする複合成形物。 - 【請求項2】第1樹脂(H) と第2樹脂(L) とが、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂またはアクリル系樹脂から選ばれ
た互いに異種の樹脂である請求項1記載の複合成形物。 - 【請求項3】外側成分Yが、機能性成分(A) とセラミッ
クス成分(C) とが両者の複合体粒子の形態で配合された
第2樹脂(L) で形成されていることを特徴とする請求項
1記載の複合成形物。 - 【請求項4】芯成分である内側成分Xと、鞘成分である
外側成分Yとからなる芯鞘接合型の複合成形物である請
求項1記載の複合成形物。 - 【請求項5】内側成分Xと外側成分Yとで構成されたY
/XまたはY/X/Y状のバイメタル接合型の複合成形
物である請求項1記載の複合成形物。 - 【請求項6】セラミックス成分(C) が、含水ケイ酸ゲル
を経て得られるシリカゲル、無機質焼結助剤−無機質凝
集剤を組み合わせたもの、セラミックス粒子−無機質焼
結助剤−無機質凝集剤を組み合わせたもの、または水膨
潤性粘土鉱物である請求項1記載の複合成形物。 - 【請求項7】下記の第1樹脂(H) と第2樹脂(L) とが異
種の樹脂であるとするとき、 第1樹脂(1) と、カテキン類、サポニン類、茶葉粉末、
茶葉抽出物およびタンニン(酸)よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の機能性成分(A) とセラミックス成分
(C) とが配合された第2樹脂(L) とを、第1樹脂(H) が
内側成分X、機能性成分(A) とセラミックス成分(C) と
が配合された第2樹脂(L) が外側成分Yとなるように、
それぞれの溶融温度以上の温度で共押出成形して、内側
成分Xと外側成分Yとで構成された接合型の複合成形物
を得ることを特徴とする複合成形物の製造法。
Priority Applications (1)
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JP2000364283A JP2001226827A (ja) | 1999-11-30 | 2000-11-30 | 複合成形物およびその製造法 |
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JP34084999 | 1999-11-30 | ||
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