JP3687219B2 - 抗菌性繊維及びそれを用いた繊維製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抗菌性繊維に関する。さらに詳しくは、医療衛生材、生活関連材、一般衣料材、寝装材、及びフィルタ−材等の用途として適した抗菌性繊維または抗菌性繊維製品に関するものである。
【0002】
【背景技術】
われわれの生活空間には、さまざまな細菌やかびが存在している。特に日本のような高温多湿の環境下では、細菌やかびが増殖し易い。その結果、皮膚障害を起こしたり、さらには繊維の変質、変色、劣化、あるいは悪臭を放って不快感を与えたりする。特に合成繊維は、汗を吸収することが少ないため、該繊維を身につけた場合、汗の付着により、微生物が繁殖して腐敗現象を起こし悪臭を生ずる。また食品容器や水濾過材への細菌の増殖による食中毒の発生、さらには院内感染によるMRSA感染症患者の急増など、快適かつ衛生的な抗菌性繊維製品の開発が望まれていた。
【0003】
このような観点から繊維に抗菌性を付与させるために、有機錫、有機水銀化合物が使用された時期があったが、現在ではその毒性のためにこのような化合物の大部分が使用禁止になっている。
【0004】
それに代わるものとして、安全性の高いシリコーン4級アンモニウム塩をカーペット等の繊維製品に施す方法が提案されている。しかし、シリコーン4級アンモニウム塩は、セルロース繊維には反応性を有し、耐洗濯性のある抗菌性を示すが、合成繊維には一時的な抗菌効果しか得られていない。
【0005】
また、銀、銅、亜鉛等の化合物が抗菌性を有することは古くから知られており、これまで銀、銅、亜鉛を高分子中に添加し、抗菌性を付与する試みが、例えば特開昭54−147220号公報など数多く提案されている。また、銀イオン、銅イオンでイオン交換したゼオライト系固体粒子を高分子重合体に添加する試みが、例えば特開昭59−133235号公報などに提案されている。
【0006】
しかしこれらの方法では、金属化合物により高分子が変色する。また、これらの方法によって得られた繊維や繊維製品は、使用する用途によっては、人体特に皮膚の弱い乳幼児などに対して衛生上問題となる場合がある。
【0007】
近年、人体に対する毒性が低く、安全性の高いキチン、キトサン誘導体を抗菌剤として繊維製品に適用しようという試みがなされている。例えば、特開平5−5274号公報等でキチンの脱アセチル化物とセルロース微粉体からなる複合体を固着した抗菌性短繊維不織布について提案している。これらの繊維製品では、高い抗菌性、耐久性が実現されているが、セルロースが親水性を示すため、親水性不織布しか得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、人体に対する毒性が極めて低く、優れた抗菌性を有し、医療衛生材、生活関連材、一般衣料材、寝装材、及びフィルター材として好適に使用できる抗菌性繊維、および抗菌性繊維製品を提供しようとするものである。
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、ポリリジンまたはその塩を抗菌剤として繊維に含ませることにより、人体に対する毒性が極めて低く、優れた抗菌性を有する繊維または繊維製品を提供できることを知り、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するために以下の構成を有する。
(1)平均粒径が5μm以下のポリリジンまたはその塩が、繊維の外層部が高密度ポリエチレンまたは高結晶性ポリプロピレンからなる繊維に、該繊維重量に対して、純分換算で0.01〜5重量%繊維内に練り込む方法により含有された繊維であって、該繊維は4倍以上に延伸され高配向されており、該繊維における前記ポリリジンまたはその塩の存在量が該繊維の内層部より外層部に多いことを特徴とする抗菌性繊維。
)ポリリジンの塩が、塩酸、硫酸、リン酸および臭化水素酸から選ばれた少なくとも一種の無機酸である前記(1)項記載の抗菌性繊維。
)ポリリジンの塩が、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれた少なくとも一種の有機酸である前記(1)項記載の抗菌性繊維。
)前記(1)〜()項のいずれかに記載の抗菌性繊維を用いた不織布。
)前記(1)〜()項のいずれかに記載の抗菌性繊維を用いた編織物。
)前記(1)〜()項のいずれかに記載の抗菌性繊維を用いた繊維成形物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
ポリリジンは、例えば特開昭59−20359号公報に記載のε−L−ポリリジン生産菌であるストレプトマイセス族に属するポリリジン生産菌であるストレプトマイセス・アルブラスサブスピ−シ−ズ・リジノポリメラスを培地に培養し、得られた培養物からε−L−ポリリジンを分離・採取することによって得られる。
リジンは1分子中に2つのアミノ基を有するアミノ酸であり、これから構成されるポリリジンは一般にα位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合したα−ポリリジンと、ε位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合したε−ポリリジンとの2種類が存在するが、前記の製造法により得られるε−ポリリジンを用いたほうが安全性の面で望ましい。さらにε−ポリリジンは厚生省がまとめた化学的合成以外食品添加物のリストにも記載されている物質であり、食品保存剤などに利用されている。
ε−ポリリジンは、下記の一般式で表される。
【0012】
【化1】
Figure 0003687219
【0013】
本発明にあっては、ポリリジンは遊離の形で用いることができるが、塩酸、硫酸、リン酸および臭化水素酸から選ばれた少なくとも1種の無機酸、または酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれた少なくとも1種の有機酸の塩の形で用いることもできる。ポリリジンは遊離の形であれ、塩の形であれ、抗菌剤としての効果は本質的に差異はない。ポリリジン塩は常法により製造される。例えば含水メタノール溶液に前記ポリリジンを溶解させ、これに前記酸を加える。溶液が中和点を過ぎたところで、冷アセトンを加えて塩を沈澱させ、これを乾燥させる。ポリリジンまたはその塩を繊維に練り込む方法を採用する場合は、これを乳鉢もしくはボールミル等で粉砕して用いる。
【0014】
本発明の抗菌性繊維に用いられる繊維素材としては、ポリリジンまたはその塩と親和性を持たない熱可塑性樹脂が用いられる
【0015】
本発明の抗菌性繊維が、2種以上の樹脂からなる複合繊維の場合、鞘芯型、並列型、偏芯鞘芯型、多層型あるいは海島型等の複合形式による繊維が例示できるが、特に鞘芯型、偏芯鞘芯型、鞘リッチの並列型が好ましい。さらに、ポリリジンまたはその塩を添加する鞘成分が高密度ポリエチレンまたは高結晶性ポリプロピレンであるときに本願の効果は大きく、このとき、該抗菌性繊維は、芯成分がポリエステルまたはポリアミドで構成されていてもよい。複合繊維の鞘/芯の組合せとして、高密度ポリエチレン/ポリプロピレンプロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレンポリプロピレン/熱可塑性ポリエステルポリプロピレン/ナイロン6 、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ナイロン6 などの繊維を挙げることができる。
【0016】
本発明の抗菌性繊維の単糸繊度は、特に限定されるものではないが、繊維の表面積を出来るだけ広くし,抗菌剤を繊維表層に位置させるためには,できるだけ小さい繊度が望まれる。医療衛材用途などに使用する場合、優れた柔軟性が要求されるため、5デニール以下とくに2デニール以下とするのが好ましい。
【0017】
抗菌性繊維の断面形状は円形または異形形状とすることができる。異形断面の場合には、例えば偏平形、三角形〜八角形等の多角形、T字形、多葉形、楕円形、中空断面形等任意の形状とすることができ、特に限定されるものではない。
さらに本発明の抗菌性繊維は、通常繊維に使用される界面活性剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲において、必要に応じて使用することができる。
【0018】
抗菌性繊維を製造する方法の一例として、繊維表面にポリリジンまたはその塩を付着させる方法について説明する。まず通常の溶融紡糸機を用いて前記樹脂からなる長繊維を紡出し延伸する。紡糸に際し、引き取り速度は100〜1500m/min程度とするのがよい。延伸は必要に応じて多段延伸を行ってもよく、延伸倍率は、通常1.5〜7.0倍程度とするのがよい。さらに得られたトウに必要に応じて捲縮を付与した後、所定長に切断して短繊維とする。以上に短繊維の製造工程の一例を開示したが、その後は必要に応じて高次加工工程を経て、不織布、紡績糸、編織物、繊維成形品などに形成される。
【0019】
かかる工程において、繊維を紡出後、ポリリジンまたはその塩の水溶液あるいはアルコール溶液を繊維に付着させる。この水溶液またはアルコール溶液のポリリジン濃度は純分換算で0.1〜25重量%が好ましく、適宜調整して用いる。付着の方法としては、ローラ法、浸漬法、噴霧法、パットドライ法などを用いることができる。付着は紡糸工程、延伸工程、捲縮工程のいずれの行程で付着させても差し支えないが、通常紡糸工程、延伸工程で用いる各種繊維油剤中に混ぜて使用するのが、均一付着ができ、かつ簡便であり好ましい。
繊維へのポリリジンの付着量は、繊維重量に対して純分換算で0.01〜5重量%である。0.01重量%未満だと抗菌効果が弱く、5重量%を越えると、抗菌性がほぼ飽和状態に達し、含有量を多くする意味がなく、経済的にも好ましくない。
また長繊維のままで使用する場合の抗菌性繊維も同様に、紡糸工程、延伸工程でポリリジンまたはその塩の水溶液あるいはアルコール溶液を付着させればよい。さらに短繊維、長繊維を問わず紡糸工程、延伸工程、捲縮工程以外の工程、例えば一次、二次繊維製品(不織布、紡績糸、フィラメント糸、編織物、繊維成形品)形成後に前記付着方法を用いて付着させることもできる。
【0020】
なお、繊維素材が、高密度ポリエチレンまたは高結晶性ポリプロピレンの如くポリリジンまたはその塩と親和性を有する官能基を持たない重合体は、例えば界面活性剤の練り込み、あるいは繊維表面のボイド形成など繊維の表面を改質することによって、ポリリジンまたはその塩を表面に付着させる場合の付着力を大幅に向上させることができる。
【0021】
次に、本発明の抗菌性繊維を得る最も好ましい方法として、ポリリジンまたはその塩を繊維内に練り込む方法について説明する。繊維重量全体に対して純分換算で0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜3重量%のポリリジンまたはその塩を高密度ポリエチレンまたは高結晶性ポリプロピレンに混合添加する。ポリリジンの含有量が0.01重量%未満では、十分な抗菌効果を得ることは困難である。また5重量%を超えると、抗菌性がほぼ飽和状態に達し、含有量を多くする意味がなく、コスト高になりさらには紡糸安定性も不利になることから好ましくない。
【0022】
繊維素材が、ポリオレフィン系などの如くポリリジンまたはその塩と親和性を有する官能基を持たない重合体などにポリリジンまたはその塩を練り込むと、練り込まれたポリリジンまたはその塩は、ブリードアウトし易く、内層部に比べ外層部でポリリジンまたはその塩の濃度が高くなり、優れた抗菌効果を持つ抗菌性繊維とすることができる。さらに、オレフィン系樹脂のなかでも高密度ポリエチレン、高結晶性ポリプロピレンのような高密度、高結晶性樹脂を使用したり、少なくとも4倍以上に延伸して高配向させたり、ポリリジンまたはその塩を練り込んだ抗菌性繊維を高温多湿下に置くなどの方法を取ると、ポリリジンまたはその塩の繊維外層部へのブリードアウトをより促進させることができる。ポリリジンまたはその塩をポリオレフィン系繊維内に練り込むことにより得られた繊維は、特に洗濯性に優れ、抗菌効果の持続性が高いという特に好ましい効果を奏する。
【0023】
本発明に用いるポリリジンまたはその塩は、平均粒子径が5μm以下が好ましい。粒径が5μmを超えると溶融紡糸時にフィルター詰まりや断糸を起こし易く使用困難である。特に医療衛生材への応用を考えた場合、単繊維デニールが2デニール前後の糸も必要とされ、粒径が大きくなると糸切れおよびパック圧の上昇が激しくなり好ましくない。従って本発明に用いるポリリジンの平均粒径は5μm以下、さらに好ましくは2μm以下のものが望ましい。
【0024】
本発明において繊維に練り込む抗菌剤は、ポリリジンまたはその塩のどちらでも構わないが、溶融紡糸する際の熱安定性を考えると、ポリリジン塩が好ましい。またポリリジン塩を用いた場合でも、添加工程及び紡糸温度は260℃以下に設定することが望ましい。260℃を超えると抗菌効果は維持されるが、徐々に着色が起こるためである。
【0025】
さらに、ポリリジンまたはその塩を練り込む場合、繊維は鞘芯型複合繊維とし、鞘成分の高密度ポリエチレンまたは高結晶性ポリプロピレンにのみ前記ポリリジンを含有させることが、機械的特性、紡糸安定性、コストの面からさらに望ましい。芯成分と鞘成分の重合体の種類が異なる場合の複合比は、芯成分/鞘成分(重量比)が20/80〜80/20であることが好ましく、特に40/60〜60/40であることがより好ましい。80/20を超えると鞘成分の破断が発生しやすくなり、生産性が低下する。一方、20/80未満では芯成分が有する本来の繊維性能が低下する。
【0026】
また鞘、芯とも同一の重合体を用いて、鞘部分にのみポリリジンまたはその塩を練り込み添加することにより、鞘成分と芯成分の境界もなく抗菌性、機械的特性、紡糸安定性、コストの面から望ましい単一重合体よりなる抗菌性繊維とすることができる。
【0027】
本発明の抗菌性繊維からなる不織布の製造方法としては、例えば、前記抗菌性繊維の短繊維を用いてカーディング法、エアーレイド法を用いて必要な目付けのウェブを作成する。またメルトブロー法、スパンボンド法などで直接ウェブを作成してもよい。前記方法で作成したウェブを、ニードルパンチ法、サクションドライヤー法、高圧水流法、熱風乾燥装置、超音波融着装置あるいは熱ロール法等の公知の方法で加工して不織布を得ることができる。この不織布の目付けは、特に限定されるものではないが、10g/m2以上200g/m2以下のものが好ましい。目付けが10g/m2未満であると、目付けが低すぎて均一な不織布を製造することが困難であるばかりでなく、不織布としての利用価値が乏しい。一方、目付けが200g/m2を超えると、目付けが高すぎて不織布が厚くなるとともに硬くなり、特に医療衛生用不織布の素材として使用するには好ましくない。
【0028】
前記の不織布は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて本発明の抗菌性繊維に他の繊維を混合して製造することができる。この他の繊維としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリルなどの合成繊維、綿、羊毛、麻、などの天然繊維、レーヨン、キュプラ、アセテートなどの再生繊維、半合成繊維が挙げられる。
【0029】
また本発明で得られた抗菌性不織布は、そのもの単体で使用してもよいし、他の不織布、編織物あるいはメッシュ状物、フィルム、成形品などと積層あるいは一体化した状態で使用してもよい。また不織布は短繊維あるいは、長繊維からなるものでもよく、長繊維の場合、メルトブロー法、スパンボンド法など直接不織布化してもよい。
また抗菌性不織布以外にも本発明の抗菌性繊維と他の繊維とを、混綿、混紡、混繊、交撚、交編、交繊などの方法により、編織物、繊維成形品の如き一次繊維製品とすることができる。さらに必要に応じてこれら不織布等を二次加工し、肌着、シャツ、ブラウス、靴下、足袋、パンストなどの衣料分野、中入綿、ふとん側地、シーツ、ベットカバー、マクラカバー、座布団などの寝装寝具分野、手術用マスク、手術着、キャップ、診察着、ガーゼ、ベットシーツ、包帯、眼帯などの医療資材分野、生理用品、おむつ、失禁用パッド、などの衛生材料分野、カーペット、カーテン、家具緩衝剤、壁紙などの家具インテリア分野、靴の内張り材、中敷、履物素材などの分野、果実保護材、食害防止材などの農園芸用資材、菓子包装材、食品包装材、風呂敷、タオル、おしぼり、たわし、テーブルクロス、エプロン、キッチンふきん、キッチン手袋、化粧用パフ、ティーバッグ、ワイピングクロス、などの生活関連資材、フィルター材などの産業資材分野等の広範な分野で利用できる。
【0030】
【作用】
本発明の抗菌性繊維は、練り込まれているポリリジン及びその塩により抗菌性が発現される。ポリリジンの抗菌作用についてはカビの増殖抑制作用や大腸菌(Escherichia coil)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、枯草菌(Bacillus subtilis)などのグラム陽性菌、グラム陰性菌に対する増殖抑制作用がある。これらの抗菌作用の詳細は不明であるが、ポリリジンのα位のカチオン性アミノ基によって菌の細胞壁中の陰イオン構成物質が吸着され、その結果、細胞壁の生合成が阻害あるいは壁の内外の物質の能動輸送が阻止されるため抗菌作用が発現されるものと推定される。本発明の抗菌性繊維は優れた抗菌効果を発現する。さらに身の周りに存在する多くのカビや細菌が、肌着に吸着した汗で増殖し、臭いの原因となるが、本発明の抗菌性繊維はこれらのカビ、細菌の増殖を抑制し、臭いの発生を抑えることもでき、防臭、防かび性も有している。
【0031】
【実施例】
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例中の性能評価は、下記方法に従った。
【0032】
抗菌性試験(抗菌数増減値差測定)
“抗菌防臭加工製品の加工効果評価試験マニュアル・菌数測定法”(繊維製品衛生加工協会、昭和63年)に従って、下記の方法により測定した。滅菌した寒天培地にクレブシエラ ニュ−モンアニ[K.pneumoniae(IF013277)]を懸濁させた菌液を試験片(0.2g)上に0.2ml接種し(菌数約6×105個/ml)、温度37℃で18時間培養する。培養後、試験片上の菌をリン酸緩衝液で抽出し、試験片上の生産菌を標準寒天培地法により測定し、下記の計算式により菌数の増減値差を算出した。
無加工試料
[A]接種直後の生菌数
[B]18時間培養後の生菌数
抗菌加工試料
[C]18時間培養後の生菌数
菌数増減値差 = log10(B/A) − log10(C/A)
上記式により得られる菌数増減値差が目安として1.6以上であれば、抗菌性能としては充分機能する。一方、菌数増減値差が1.6未満になると抗菌性能が不充分となり、微生物が繁殖する。
【0033】
Figure 0003687219
【0034】
Figure 0003687219
【0035】
ポリリジン分布状況:繊維断面にニンヒドリンを滴下しポリリジンまたはその塩と反応させ呈色させた後、表層部と内部の色の濃さにより次の3段階で評価した。
○:外層部と内層部の呈色に大きな差が認められた時。
△:外層部と内層部の呈色に差が認められた時。
×:外層部と内層部の呈色に差が認められない時。
【0036】
洗濯試験:JIS L0217−103に準じて評価した。家庭用電気洗濯機を用い、中性洗剤2g/lを含有する40℃の水溶液中で5分間洗濯した後、流水を2分間行い、脱水し、さらに流水洗いを2分行い、脱水し、乾燥した。
これを3回繰り返し、上記抗菌性試験により抗菌性を評価した。
【0037】
参考例1〜6
ポリプロピレン(MFR:16g/10分、230℃)を芯成分とし、高密度ポリエチレン(MFR:16g/10分、190℃)を鞘成分として、孔径0.6mm、孔数350の鞘芯型口金を用い、鞘芯比50/50、単糸デニール約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸した。引き取り工程において、ε−ポリ−L−リジンを添加した繊維油剤をタッチロールにより付着させた。得られた未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、機械捲縮をかけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理を施した後、所定長に切断して短繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数約15個/25mmインチ、カット長51mm、単糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得られた短繊維をカード機にてウェブとし、サクションバンドドライヤ−を用いて、140℃で熱処理して、目付け約30g/mの不織布を得た。
【0038】
比較例1
ε−ポリ−L−リジンを繊維油剤に添加せず、繊維油剤のみをタッチロール付着させた以外は参考例1〜6と同様な工程で不織布を得た。
【0039】
参考例1〜6、比較例1で得た短繊維の繊維重量に対するε−ポリ−L−リジン付着量、および不織布の菌数増減値差、ε−ポリ−L−リジン分布状況、および洗濯試験の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003687219
【0041】
表1からも明らかなように、本発明の参考例1〜6のε−ポリ−L−リジンが一定以上付着された繊維は、抗菌性に優れていることがわかる。しかし、ε−ポリ−L−リジンが親和性のない樹脂よりなる繊維表面に付着しているだけであるため、繊維中に前記ポリリジンを練り込んだタイプの後述の繊維に比べれば、洗濯試験後の抗菌効果は持続しにくい。
【0042】
実施例7〜11、比較例2,3
高密度ポリエチレン(MFR:16g/10分、190℃)に表2に示した量のε−ポリ−L−リジンの塩酸塩パウダーを添加し、200℃で山口製作所製の単軸ベント付押出機を用いて混練し、ペレットとした。
ポリプロピレン(MFR:16g/10分、230℃)を芯成分とし、前記ε−ポリ−L−リジンの塩酸塩を練り込んだ高密度ポリエチレンを鞘成分として、230℃で孔径0.6mm、孔数350の鞘芯型口金を用いて、鞘芯比50/50、単糸デニール約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸した。得られた未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、機械捲縮をかけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理を施した後、所定長に切断して短繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数約15個/25mm、カット長51mm、単糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得られた短繊維をカード機にてウェブとし、サクションバンドドライヤ−を用いて、140℃で熱処理して、目付け約30g/m2の不織布を得た。
実施例7〜11、比較例2,3で得た繊維の短繊維重量に対するε−ポリ−L−リジンの添加量、曳糸性、延伸性、菌数増減値差、ε−ポリ−L−リジン塩酸塩の分布状況、および洗濯試験の結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003687219
【0044】
表2からも明らかなように、本発明の実施例7〜11もε−ポリ−L−リジンを一定量含有した短繊維は、抗菌性の他、曳糸性、延伸性に優れていることがわかる。しかし、比較例2ではε−ポリ−L−リジンの塩酸塩含有量が少なく、抗菌性が低い。また、比較例3は優れた抗菌性を示すが、練り込み量が多いため曳糸性、延伸性が悪く、生産性、コスト面で問題がある。また、ε−ポリ−L−リジン塩酸塩を繊維中に練り込んでいるため、参考例1〜6に比べて、洗濯試験後の抗菌性も良好な結果を示した。
【0045】
参考例7
ポリプロピレン(MFR:16g/10分、230℃)を芯成分とし、高密度ポリエチレン(MFR:16g/10分、190℃)を鞘成分として、孔径0.6mm、孔数350の鞘芯型口金を用い、鞘芯比50/50、単糸デニール約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸した。引き取り工程において、ε−ポリ−L−リジンの塩酸塩を添加した繊維油剤をタッチロールにより付着させた。得られた未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、機械捲縮をかけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理を施した後、所定長に切断して短繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数約15個/インチ、カット長51mm、単糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得られた短繊維をカード機にてウエブとし、サクションバンドドライヤーを用いて、140℃で熱処理して、目付け約30g/mの不織布を得た。
以上、実施例7〜12に挙げたポリリジンの塩酸塩は、無機塩の代表例であって、他の硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩を用いても同様に本発明の効果が得られる。
【0046】
参考例8
ε−ポリ−L−リジンの塩酸塩の代わりにε−ポリ−L−リジンのプロピオン酸塩を繊維油剤に添加した以外は参考例7と同様な工程で不織布を得た。参考例8で挙げたポリリジンのプロピオン酸塩は、有機酸の代表例であって、他の酢酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸を用いても同様に本発明の効果が得られる。
【0047】
参考例7、8で得た不織布中の繊維に対するε−ポリ−L−リジン塩の付着量、菌数増減値差、ε−ポリ−L−リジン塩の分布状況、および洗濯試験の結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0003687219
【0049】
表3からも明らかなように、本発明の参考例7,8のε−ポリ−L−リジンの塩が一定量含有された短繊維は、抗菌性に優れている。しかし、ε−ポリ−L−リジン塩が親和性のない樹脂よりなる繊維表面に付着しているだけであるため、洗濯後の抗菌効果は実施例7〜14に比べて小さい値を示した。
【0050】
実施例14
実施例8で作成した抗菌性不織布を90℃,RH80%の高温多湿下に1時間放置した。この抗菌性不織布の菌数増減値差、およびε−ポリ−L−リジン塩酸塩の分布状況の結果を表2に示す。表2からも明らかなように高温多湿下に置くことにより、外層部へのブリードアウトが促進され、実施例8に比べて抗菌性が向上した。
【0051】
【発明の効果】
本発明の抗菌性繊維は、優れた抗菌性を有する。しかも食品用保存剤として使用されているポリリジンまたはその塩を抗菌剤として用いているので、使用に際して人体への影響も極めて低く、非常に安全である。このため、抗菌性繊維製品として、種々の広い分野に利用できる。

Claims (6)

  1. 平均粒径が5μm以下のポリリジンまたはその塩が、繊維の外層部が高密度ポリエチレンまたは高結晶性ポリプロピレンからなる繊維に、該繊維重量に対して、純分換算で0.01〜5重量%繊維内に練り込む方法により含有された繊維であって、該繊維は4倍以上に延伸され高配向されており、該繊維における前記ポリリジンまたはその塩の存在量が該繊維の内層部より外層部に多いことを特徴とする抗菌性繊維。
  2. ポリリジンの塩が、塩酸、硫酸、リン酸および臭化水素酸から選ばれた少なくとも一種の無機酸である請求項記載の抗菌性繊維。
  3. ポリリジンの塩が、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれた少なくとも一種の有機酸である請求項記載の抗菌性繊維。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の抗菌性繊維を用いた不織布。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の抗菌性繊維を用いた編織物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の抗菌性繊維を用いた繊維成形物。
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