JP6278774B2 - フマル酸含有不織布およびこれを用いた吸収性物品 - Google Patents

フマル酸含有不織布およびこれを用いた吸収性物品 Download PDF

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Description

本発明は、固体状のフマル酸を含有した不織布およびこの不織布を備えた吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品は、通常、これらのトップシートが使用者の肌に直接触れ得る状態で使用される。そのため、排尿、排経血などの体液によりトップシートがアルカリ性になると、使用者の皮膚の皮脂、タンパク質、アミノ酸の膜が流れ出しやすい環境となり、皮膚のかぶれが生じやすくなる。
従来、このようなかぶれを防止する吸収性物品が提案されている。例えば、特許文献1には、おむつかぶれも防止または減少しながら排泄された体液を吸収するのに有用な使い捨て吸収物品であって、(A)液体不透過性裏張りシート、(B)尿素の存在下に皮膚pHを約3.0〜5.5の範囲内に維持するのに好適な1又はそれ以上のpH調節剤をその中またはその上に配合している比較的疎水性の液体透過性トップシート、および、(C)前記裏張りシートと前記トップシートとの間に位置決めされる可撓性吸収芯(この可撓性吸収芯は、本質上親水性繊維材料と、その酸性官能基の少なくとも50%が塩生成陽イオンで中和されている実質上水不溶性の高度に中和されたヒドロゲル物質の粒子とからなる)を具備することを特徴とする使い捨て吸収物品が記載されている。また、pH調節剤として、クエン酸、アジピン酸、フマル酸などの有機酸が例示されている(特許文献1(請求項7、第9頁左下欄第18行〜右下欄第3行)参照)。
特許文献2には、プロピレンポリマーまたはコポリマーが遊離基開始剤をその中に分配して含んでいるプロピレンポリマーおよび/またはコポリマー0.5〜25wt%(ポリオレフィンおよびモノマーの全重量を基準とする)の存在下で、ポリオレフィンをモノマーと遊離基グラフト化することによって得られる官能化ポリオレフィンを含む衛生吸収性製品が記載されている。そして、ポリオレフィンにグラフト化されるべきモノマーとしてフマル酸が記載されている(特許文献2(請求項19、段落[0027])参照)。
特許文献3には、高融点ポリエチレン系重合体と、該高融点ポリエチレン系重合体の融点より2℃以上低い融点を有する低融点ポリエチレン系重合体とからなり、少なくとも繊維表面の一部に低融点ポリエチレン系重合体が露出してなる複合長繊維にて構成された不織布であり、構成繊維同士は、低融点ポリエチレン系重合体の融点または軟化により熱接着されていることを特徴とするポリエチレン系複合長繊維不織布が記載されている。また、ポリエチレン系重合体に無水フマル酸等を添加できることが記載されている(特許文献3(請求項1、段落[0012])参照)。
特開昭62−28402号公報 特表2007−530712号公報 特開2002−138359号公報
しかしながら、特許文献1のようにトップシートの表面にpH調整剤を担持させた場合、pH調整剤がトップシートから容易に脱落してしまう。そのため、使用者に接触する体液排出部分を弱酸性に維持することができず、かぶれ防止の効果が発揮されない。特許文献2ではフマル酸をモノマーとして使用することが記載されているが、フマル酸を重合させても、得られる重合体にはフマル酸のpH調整機能は付与されない。特許文献3には無水フマル酸を添加することが記載されている。しかしながら、無水フマル酸は安全性に問題があり、吸収性物品に用いる不織布には使用できない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、フマル酸粒子を含有する不織布であって、フマル酸粒子の脱落を抑制した不織布を提供することを目的とする。また、本発明は、繰り返しの排泄後にも、使用者と接触する部分、排尿部分などを弱酸性に維持できる吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明のフマル酸含有不織布は、樹脂繊維から構成された不織布であって、前記樹脂繊維が、基材樹脂と固体状のフマル酸とを含有するフマル酸含有繊維を含有し、前記固体状のフマル酸が前記基材樹脂に内在し、かつ、前記固体状のフマル酸の少なくとも一部が繊維表面に露出していることを特徴とする。水難溶性であるフマル酸は、体液等に接触しても、直ちに溶解せず徐々に体液等に溶解する。また、固体状のフマル酸が基材樹脂に内在していることにより、フマル酸の脱落が抑制される。そのため、フマル酸含有繊維を含有すれば、不織布が体液等によりアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。
前記フマル酸含有繊維は、基材樹脂とフマル酸粒子とを含有する樹脂組成物を溶融紡糸することで得られたものであり、前記フマル酸粒子の体積平均粒子径が1μm未満が好ましく、前記フマル酸含有繊維のフマル酸粒子の含有率が0.01質量%〜10質量%が好ましい。前記フマル酸含有繊維の繊度は、0.5dtex〜20dtexが好ましい。前記フマル酸含有繊維は、芯部および鞘部から構成された芯鞘型繊維であることが好ましく、前記鞘部が固体状のフマル酸粒子を含有し、前記芯部がフマル酸を含有しないことがより好ましい。
前記フマル酸含有不織布は、その表面のpHが5.0〜6.5であることが好ましい。また前記フマル酸含有不織布は、エアスルー不織布であることが好ましい。本発明には、前記フマル酸含有不織布を用いた吸収性物品も含まれる。前記吸収性物品としては、肌面側に配置された透液性のトップシートと、外面側に配置された不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体とを有し、前記トップシートの少なくとも一部が、前記フマル酸含有不織布であるものが好ましい。
本発明のフマル酸含有不織布によれば、固体状のフマル酸の脱落を抑制でき、吸収性物品に使用した場合、不織布が体液等によりアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。また、本発明の吸収性物品は、繰り返しの排泄後にも、トップシートの少なくとも一部を弱酸性に維持できる。
本発明の吸収性物品の一例の平面図(展開図)。 図1のI−I線の模式的断面図。 図1のII−II線の模式的断面図。 本発明の吸収性物品の別例の模式的断面図。 フマル酸含有繊維の走査型電子顕微鏡写真。
本発明のフマル酸含有不織布は、樹脂繊維から構成される不織布であって、前記樹脂繊維が、基材樹脂と固体状のフマル酸とを含有するフマル酸含有繊維を含有する。そして、前記固体状のフマル酸は、前記基材樹脂に内在し、かつ、前記固体状のフマル酸の少なくとも一部が繊維表面に露出している。フマル酸は、水に対する溶解度(25℃)が0.63g/100gであり、水難溶性である。このようなフマル酸は、体液等に接触しても、直ちに溶解せず徐々に溶解する。また、フマル酸は、分子内にカルボキシル基を2つ有しており、液中では酸性を呈する。さらに、固体状のフマル酸が基材樹脂に内在されていることにより、フマル酸が繊維から脱落することが抑制される。そのため、本発明のフマル酸含有不織布は、吸収性物品に使用した場合、不織布が体液等によりアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。
本発明のフマル酸含有不織布に使用されるフマル酸含有繊維は、基材樹脂と固体状のフマル酸とを含有する。固体状のフマル酸とは、一定の体積、形状を有するフマル酸である。そして、前記固体状のフマル酸は、前記基材樹脂に内在し、かつ、前記固体状のフマル酸の少なくとも一部が繊維表面に露出している。すなわち、前記フマル酸含有繊維は、体積の一部が基材樹脂に内包され、体積の一部が繊維表面に露出している固体状のフマル酸を有する。なお、前記フマル酸含有繊維は、体積の全部が基材樹脂に内包された固体状のフマル酸を含有していてもよい。前記固体状のフマル酸は、固体状であれば、その形状は特に限定されない。前記固体状のフマル酸の形状としては、球状、板状、針状、不定形状などが挙げられる。
フマル酸含有繊維の基材樹脂としては、固体状のフマル酸を内在し得るものであれば特に限定されず、従来不織布を構成する繊維に使用されるものが挙げられる。前記基材樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、オレフィン樹脂が好ましく、ポリプロピレン樹脂がより好ましい。
前記フマル酸含有繊維中の固体状のフマル酸の含有率は、0.010質量%以上が好ましく、より好ましくは0.020質量%以上、さらに好ましくは0.030質量%以上であり、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。フマル酸の含有率が0.010質量%〜10質量%の範囲であればフマル酸含有不織布のpHを適切な範囲(弱酸性)に維持できる。
前記フマル酸含有繊維の繊度は、0.5dtex以上が好ましく、より好ましくは1.0dtex以上、さらに好ましくは1.2dtex以上であり、20dtex以下が好ましく、より好ましくは12dtex以下、さらに好ましくは7dtex以下である。フマル酸含有繊維の繊度が20dtex以下であればフマル酸含有不織布の風合いがより良好となる。フマル酸含有繊維の繊度は、紡糸条件を変更することで調整できる。
前記フマル酸含有繊維を、基材樹脂とフマル酸粒子とを含有する樹脂組成物を溶融紡糸して作製する場合、前記フマル酸粒子の体積平均粒子径は、1μm未満が好ましく、より好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.6μm以下である。フマル酸粒子の体積平均粒子径が1μm未満であれば、繊維の成形性に優れるとともに繊維の風合いを損ねることがない。フマル酸は、粒子状であればその体積平均粒子径の下限は特に限定されないが、操作性の観点から0.1μm程度が好ましい。また、前記フマル酸含有繊維に含まれるフマル酸粒子において、粒子径が2μm以上の粒子の含有率は5体積%以下が好ましく、より好ましくは3体積%以下、さらに好ましくは1体積%以下であり、粒子径が2μm以上の粒子を含まないことが最も好ましい。なお、本発明において、フマル酸粒子の体積平均粒子径や粒子径2μm以上の粒子の含有率は、基材樹脂と混合する前に、レーザー回折・散乱式粒度分析計により測定する。
また、フマル酸含有繊維に内在されるフマル酸粒子の体積平均粒子径は、繊維の繊度に合わせて調整することが好ましい。具体的には、フマル酸粒子の体積平均粒子径(μm)と繊度(dtex)との比(体積平均粒子径/繊度)が、0.5以下が好ましく、より好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.2以下である。比(体積平均粒子径/繊度)が上記範囲内であれば、紡糸する際の糸切れが抑制され、より風合いの良い不織布が得られる。
前記フマル酸含有繊維は、単層構造でもよいし、2層以上の多層構造を有していてもよい。これらの中でも前記フマル酸含有繊維は、第1成分からなる芯部および第2成分からなる鞘部から構成される芯鞘型繊維であることが好ましい。第1成分と第2成分との組合せとしては、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド/ポリウレタン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどが挙げられる。これらの中でも、繊維の風合いを良くできることから、鞘部にポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートを用いたものが好ましい。
前記フマル酸含有繊維が、芯部および鞘部から構成された芯鞘型繊維である場合、前記鞘部が固体状のフマル酸粒子を含有し、前記芯部はフマル酸粒子を含有しないことが好ましい。このような構成とすることで、フマル酸含有繊維における体積の全部が基材樹脂に内包された固体状のフマル酸(繊維表面に露出しないフマル酸)の量が少なくなり、繊維表面を弱酸性にするために必要となるフマル酸の使用量を低減できる。
また、前記フマル酸含有繊維は捲縮繊維が好ましい。捲縮繊維を使用することで、不織布が嵩高くなり、風合いが良好となる。また、前記フマル酸含有繊維が、第1成分からなる芯部および第2成分からなる鞘部から構成された偏芯芯鞘型の自発捲縮繊維であることも好ましい。自発捲縮繊維は、第1成分と第2成分とが異なる熱収縮を有しており、熱処理を施すことで熱収縮差により捲縮が発現する。
前記フマル酸含有繊維の製造方法としては、例えば、基材樹脂とフマル酸粒子とを含有する樹脂組成物を溶融紡糸する方法;基材樹脂とフマル酸溶液とを混合し、溶媒を除去した後、この混合物を溶融紡糸する方法;が挙げられる。基材樹脂とフマル酸粒子とを混合する方法は特に限定されず、例えば押出機を用いて混合できる。繊維の紡糸方法は特に限定されず公知の方法を採用できる。フマル酸溶液としては、フマル酸をエタノールや温水に溶解させたものが挙げられる。
本発明のフマル酸含有不織布は、樹脂繊維から構成される不織布であって、前記樹脂繊維が、フマル酸含有繊維を含有する。前記フマル酸含有不織布は、樹脂繊維として前記フマル酸含有繊維以外の他の樹脂繊維を含有してもよい。この場合、樹脂繊維中のフマル酸含有繊維の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。また、前記樹脂繊維として、フマル酸含有繊維のみを用いることも好ましい。前記他の樹脂繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、セルロース系繊維などが挙げられる。
前記フマル酸含有不織布は、その表面のpHが5.0以上であることが好ましく、より好ましくは5.1以上、さらに好ましくは5.2以上であり、6.5以下が好ましく、より好ましくは6.4以下、さらに好ましくは6.3以下である。表面のpHが5.0以上6.5以下の範囲であれば不織布が弱酸性であり、体液によって生じる皮膚かぶれを効果的に抑制できる。
前記フマル酸含有不織布の目付けは、10g/m以上が好ましく、より好ましくは12g/m以上、さらに好ましくは15g/m以上であり、50g/m以下が好ましく、より好ましくは45g/m以下、さらに好ましくは40g/m以下である。目付けが10g/m以上であれば不織布の機械的強度がより向上し、50g/m以下であれば不織布の風合いがより良好となる。
フマル酸含有不織布の種類としては、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、エアレイド不織布が挙げられる。また、フマル酸含有不織布を構成する樹脂繊維は、短繊維(200mm以下)でも、長繊維(200mm超)でもよいが、短繊維が好ましい。短繊維から構成されたフマル酸含有不織布は風合いが良好となる。前記短繊維の繊維長は、2mm以上が好ましく、より好ましくは10mm以上、さらに好ましくは25mm以上であり、200mm以下が好ましく、より好ましくは190mm以下、さらに好ましくは180mm以下である。
前記フマル酸含有不織布の種類としては、エアスルー不織布が好ましく、特に短繊維から構成されたエアスルー不織布が好ましい。短繊維から構成されたエアスルー不織布は、例えば、エアレイ法によりウェブを形成した後、サーマルボンド法(スルーエア法)により繊維を融着させることで得られる。
前記フマル酸含有不織布は、樹脂繊維のみから構成されていてもよいし、樹脂繊維以外の成分を含有してもよい。例えば、樹脂繊維と吸水性樹脂粉末とを含有し、吸水性を有する不織布としてもよい。このような吸水性を有する不織布は、例えば、フマル酸含有繊維の短繊維を吸水性樹脂粉末とともにスクリーンコンベア上に堆積させてウェブを作製し、このウェブに熱処理を行い、繊維同士を融着させることで作製できる。なお、フマル酸含有不織布を吸水性物品のトップシートなどに使用する場合、フマル酸含有不織布は吸水性樹脂粉末を含まないことが好ましい。
本発明の吸収性物品は、前記フマル酸含有不織布を用いたことを特徴とする。本発明の吸収性物品は、肌面側に配置された透液性のトップシートと、外面側に配置された不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体とを有し、前記トップシートの少なくとも一部が前記フマル酸含有不織布であることが好ましい。前記フマル酸含有不織布は、固体状のフマル酸の脱落を抑制でき、不織布が体液等によりアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。よって、このようなフマル酸含有不織布を用いることで、繰り返しの排泄後にも、トップシートの所望とする部分を弱酸性に維持できる。
前記トップシートは、吸収性物品の最も着用者側に配置されるものであり、着用者の体液を速やかに捕捉して吸収体へと移動させる。前記トップシートは、透液性のシート材料、例えば、親水性繊維により形成された不織布が使用できる。トップシートとして利用される不織布は、例えば、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布であり、これらの不織布を形成する親水性繊維としては通常、セルロースやレーヨン、コットン等が用いられる。なお、トップシートとして、表面を界面活性剤により親水化処理した疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された透液性の不織布が用いられてもよい。
本発明の吸収性物品は、前記トップシートの少なくとも一部に前記フマル酸含有不織布が使用されている。フマル酸含有不織布を使用する部分は特に限定されないが、装着時に使用者の肌に接触する部分、装着時に使用者の排尿部分に対応する部分などが挙げられる。また、前記トップシート全体が前記フマル酸含有不織布である態様も好ましい。
前記吸収体は、体液を吸収し得る。前記吸収体は、少なくとも一層の吸収層から構成される。吸収層は、吸水性材料として、前記吸水性樹脂粉末を含有するものが好ましい。前記吸収層は、吸水性材料として、さらに、吸水性繊維を含有してもよい。前記吸水性樹脂粉末としては、従来吸収性物品に使用されているものが使用できる。前記吸水性樹脂粉末には、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、無機質粉末及び有機質繊維状物などの添加剤を含むことができる。前記吸水性繊維としては、例えば、パルプ繊維、セルロース繊維、レーヨン、アセテート繊維が挙げられる。前記吸収層は、吸水性樹脂粉末に加えて、繊維基材を含有してもよい。前記繊維基材としては、熱融着繊維などを挙げることができる。熱融着性繊維は、保形性を高めるために使用される。熱融着繊維の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維や複合繊維などが用いられる。吸水性材料として、吸水性樹脂粉末のみを含有する吸収層は、薄型化が可能である。繊維基材を含有する吸収層は、体液の分散性に優れる。
前記吸収層は、例えば、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維集合層に粒状の吸水性樹脂粉末を混合したものを、ティッシュペーパーなどの紙シートまたは液透過性不織布シートに固定する、あるいはこれらの液透過性不織布シートで包み、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等の所定形状に成形することにより得られる。
前記吸水層および吸収体の平面視形状は特に限定されず、例えば、長方形型、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型などが挙げられる。また、吸収体は、前記吸水層の他に、吸水性樹脂粉末を固定するための接着剤層を有していてもよい。
バックシートは、吸収性物品の最も外面側に配置されるものであり、体液等が外部に漏れ出すことを防止する。バックシートに使用される不透液性シートとしては、例えば、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用され、不透液性シートに到達した体液が、吸収性物品の外側にしみ出すのを防止する。不透液性シートにプラスチックフィルムが利用される場合、ムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。また、さらなる拡散性付与、形状安定性のために、プラスチックフィルムと、吸収体との間に紙シートを配置してもよい。
次に、本発明の吸収性物品の具体的な適用例について説明する。本発明の吸収性物品としては、例えば、失禁パッド、使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品が挙げられる。
以下、本発明の吸収性物品について、使い捨ておむつの態様に基づいて説明する。本発明の使い捨ておむつの一態様としては、透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記透液性トップシートと不透液性のバックシートとの間に吸収体を有し、前記トップシートの少なくとも一部が前記フマル酸含有不織布である態様が挙げられる。前記不透液性のバックシートは、透湿性を有することが好ましい。必要に応じて、前記透液性のトップシートの幅方向両側にサイドシートが設けられていてもよい。サイドシートは、トップシートの幅方向両側縁部の上部に接合され、接合点より内方のサイドシートは、吸収体の両側縁に沿って一対の立ち上がりフラップを形成する。
本発明の吸収性物品の別の態様としては、内側シートと外側シートからなる積層体と、前記積層体の肌面側に、透液性トップシート、不透液性バックシート、および、これらの間に吸収体を有し、前記トップシートの少なくとも一部が前記フマル酸含有不織布である態様を挙げることができる。この場合、内側シートと外側シートからなる積層体は外装シート材に相当する。透液性トップシートの幅方向両側縁部の上部には、吸収体の両側縁に沿って一対の立ち上がりフラップを形成してもよい。
使い捨ておむつの各部の名称については、おむつを着用の際に、着用者の腹側に当てる部分を前腹部と称し、着用者の臀部側に当てる部分を後背部と称し、前腹部と後背部との間に位置し着用者の股間に当てる部分を股部と称する。股部とは、おむつ本体の前腹部と後背部との接合を解いて平面に展開した状態で、おむつ前後方向に3分割した中間に位置する部分であり、パンツ型に組み立てた場合におむつ幅方向両側縁が接合されない部分を意味する。おむつ前後方向とは、おむつの前腹部から後背部にかけての方向を意味し、おむつ幅方向とは、おむつの前腹部と後背部との接合を解いて平面に展開した状態で、おむつと同一面上にあり、前記前後方向に直交する方向を意味する。
前記使い捨ておむつ(吸収性物品)としては、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とから構成され、前腹部と後背部とが側縁で接合されることによりウエスト開口部と一対の脚開口部とが形成されるパンツ型、あるいは、止着テープなどで前腹部と後背部とを貼り合わせて使用する展開型のいずれであってもよい。
外装シート材を構成するシート材料としては、漏れ防止の点から、不透液性または撥水性不織布が好ましく、例えば、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムを挙げることができる。これらの不透液性または撥水性不織布は、透湿性を有している。外装シート材にプラスチックフィルムが利用される場合、ムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
使い捨ておむつ(吸収性物品)には、前腹部や後背部のウエスト開口縁に沿ってウエスト用弾性部材が設けられることが好ましい。ウエスト用弾性部材により、着用者が寝ている状態でも、背中側や腹部側からの尿等の排泄物の漏れが起こりにくくなる。ウエスト用弾性部材は、複数本設けられてもよい。
使い捨ておむつ(吸収性物品)には、脚開口縁に沿って脚用弾性部材が設けられることが好ましい。脚用弾性部材により、脚開口縁からの尿等の排泄物の漏れが防止される。なお、脚開口縁とは、使い捨ておむつの脚開口部周りの縁を意味する。脚用弾性部材は、複数本設けられてもよい。
使い捨ておむつ(吸収性物品)には、前腹部および/または後背部に複数の胴周り用弾性部材がおむつ本体幅方向に設けられることが好ましい。胴周り用弾性部材により、おむつの下腹部と臀部周りのフィット性が向上する。
各弾性部材は、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常使い捨ておむつに用いられる弾性伸縮材料を用いることができる。各弾性部材は、伸張状態で、ホットメルト接着剤で外装シート材および/または表面シート材に固定することが好ましい。ホットメルト接着材としては、ゴム系ホットメルト接着剤が好ましい。
前記透液性トップシートの幅方向両側縁部には、不透液性のサイドシートが設けられてもよい。不透液性のサイドシートは、立ち上がりフラップを構成することが好ましい。立ち上がりフラップは、尿などの横漏れを防止して、排泄物の水分を速やかに吸収体へと移動させる。
立ち上がりフラップの端部(着用者側の端部)には、起立用弾性部材が設けられていることが好ましい。起立用弾性部材の収縮力により、着用者側に立ち上がる立ち上がりフラップが形成され、尿等の横漏れが防止される。
以下、本発明の吸収性物品について、図面を参照しながら説明するが、本発明は、図面に示された態様に限定されるものではない。
図1は本発明の吸収性物品の一例の平面図(展開図)、図2は図1のI−I線の模式的断面図、図3は図1のII−II線の模式的断面図、図4は本発明の吸収性物品の別例の模式的断面図である。図1〜4において、矢印Aは吸収性物品の長さ方向、矢印Bは吸収性物品の幅方向を示し、紙面のC方向の上側が肌面側であり、下側が外面側である。
図1には、本発明のパンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)の一例を示した(展開図)。パンツ型使い捨ておむつ1は、長さ方向Aに前腹部2と後背部3とを有し、前腹部2と後背部3との間に股部4を有する。前腹部2は、着用者の腹側に当接し、後背部3は着用者の臀部側に当接する。股部4には、着用者の脚周りに沿うように切欠き5が設けられている。図1のパンツ型使い捨ておむつ1では、前腹部2の側縁2aと後背部3の側縁3aとを接合して、ウエスト開口部と一対の脚開口部を有するパンツ型使い捨ておむつ1となる。
パンツ型使い捨ておむつ1は、外装シート材6の肌面側に吸収性本体20が貼り付けられている。吸収性本体20は股部4の中央より長さ方向Aに沿って延びている。
パンツ型使い捨ておむつ1には、外装シート材6の端縁7に沿って、前側ウエスト用弾性部材8と後側ウエスト用弾性部材9が幅方向Bに伸張された状態で取り付けられている。また、切欠き5に沿って、前側脚用弾性部材10と後側脚用弾性部材11とが伸張された状態で取り付けられている。前腹部2と後背部3のそれぞれにおいて、ウエスト用弾性部材と脚用弾性部材との間に、前側胴周り用弾性部材12と後側胴周り用弾性部材13が幅方向Bに伸張された状態で取り付けられている。各弾性部材の収縮によりパンツ型使い捨ておむつ1が着用者にフィットする。
図2は、図1のパンツ型使い捨ておむつのI−I線における断面を模式的に説明する図である。図2を参照して、パンツ型使い捨ておむつ1の構造について説明する。外装シート材6は、外側シート6aと内側シート6bとで構成され、両シート間に、ウエスト用弾性部材8,9、脚用弾性部材10,11、胴周り用弾性部材12,13が伸張状態で取り付けられている。外側シート6aは内側シート6bよりも長さ方向において長くなっており、端縁7において内面側(肌面側)に折り返されて折返し部14を形成している。
外装シート材6の肌面側には、吸収性本体20が取り付けられている。吸収性本体20は、吸収体21と、吸収体21の肌面側に配置された不織布材料からなるトップシート22と、吸収体21の外面側に設けられた不透液性のバックシート23を有する。そして、前記トップシート22の少なくとも一部がフマル酸含有不織布から構成されている。吸収体21は、吸水性樹脂粉末24と、繊維基材25とを含有する吸収層から構成されている。パンツ型使い捨ておむつ1では、内側シート6bの内面の前腹部2と後背部3において吸収性本体20の長さ方向端部を覆うように前側エンド押さえシート15と後側エンド押さえシート16が設けられている。
図3は、図1のパンツ型使い捨ておむつのII−II線における断面を模式的に説明する図である。図3に示すように不織布材料からなるトップシート22の幅方向の両側縁部の上部には、不織布材料からなるサイドシート17が接合されている。サイドシート17は、長さ方向に伸張状態で取り付けられた弾性部材18の収縮力によって着用者の肌に向かって起立する立ち上がりフラップを形成し、尿等の横漏れを防ぐバリヤーとしての役割を果たす。
図4は、使い捨ておむつ1の別の好ましい態様を説明する模式的断面図である。パンツ型使い捨ておむつ1は、透液性のトップシート22と、不透液性のバックシート23と、前記透液性トップシート22と不透液性のバックシート23との間に吸収体21を有する。そして、前記トップシート22の少なくとも一部がフマル酸含有不織布から構成されている。透液性のトップシート22の両側縁部の上部に不透液性のサイドシート17が接合されている。接合点19より内方のサイドシート17は、着用者の肌に向かって起立する立ち上がりフラップを形成する。接合点19より外方のサイドシートは、吸収体21の側縁より外方に延出してバックシート23と接合している。表面シート材は、透液性のトップシート22と不透液性のサイドシート17を含む。外装シート材は、不透液性のバックシート23を含む。図2〜図4において、図1と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明を省略する。
本発明の吸収性物品の具体例としては、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッドなどの人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
体積平均粒子径
フマル酸粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布計(島津製作所製、型式「SALD−2300」)を用いて測定した。
不織布の初期pH
不織布に霧吹きを用いて水(不織布1m当たり水0.1g)を吹き付けた後、スキンpHテスター(ハンナ インスツルメンツ・ジャパン社製、「HI98109」)を用いて不織布表面のpH(初期pH)を測定した。
不織布の耐久性
不織布を幅20mm、長さ20mmに切り出し、これを試験片とした。100mLの水を入れたビーカーを準備し、ここに前記試験片を浸漬し、引き揚げる操作を10回行った。その後、試験片に付着した水を除去し、スキンpHテスター(ハンナ インスツルメンツ・ジャパン社製、「HI98109」)を用いて不織布表面のpH(10回浸漬後のpH)を測定した。続いて、新たに100mLの水を入れたビーカーを準備し、ここに10回浸漬後のpHの測定に使用した試験片を浸漬し、引き揚げる操作を10回行った。その後、試験片に付着した水を除去し、不織布表面のpH(20回浸漬後のpH)を測定した。初期pHと20回浸漬後のpHとの差(20回浸漬後のpH−初期pH)を下記の3段階で評価した。
○:差が+0.5以下
△:差が+0.5超、+1.0以下
×:差が+1.0超
不織布の風合い
不織布について、目視にて風合いを評価した。風合いは、不織布No.10を基準とし、下記の4段階で評価した。
◎:不織布No.10と同じ風合いを有する。
○:不織布No.10よりも僅かに劣るが、大差はない。
△:不織布No.10よりもやや劣る。
×:不織布No.10よりも明らかに劣る。
[フマル酸粒子の調製]
室温の蒸留水47.5gと、分散剤としてのキャリボン(登録商標)B(ポリカルボン酸(塩)型分散剤、固形分濃度40質量%、三洋化成工業社製)12.5gとを含む混合液を調製した。ここに、フマル酸40gを投入し、ホモジナイザー(日本精機製作所製、バイオミキサーBM−2)を用いてフマル酸を粉砕した。得られたフマル酸粒子分散液から水分を除去し、フマル酸粒子の粉末を得た。得られたフマル酸粒子の粉末は、体積平均粒子径が0.6μmであり、粒子径が2μm以上の粒子を含まなかった。
[不織布の作製]
不織布1
基材樹脂としてのポリエチレン/ポリプロピレン樹脂(以下、「PE/PP樹脂」)に、フマル酸粒子(体積平均粒子径:0.6μm)を含有率が0.005質量%となるように添加し、混合して樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を用いて溶融紡糸し、細断してフマル酸含有繊維(繊度;2.2dtex、繊維長;50mm)を作製した。この繊維をスクリーンコンベア上に堆積させて、ウェブを作製した。このウェブにエアスルー方式で熱処理を行い、繊維同士を融着させて、フマル酸含有不織布(エアスルー不織布)を作製した。
不織布2〜7、11
フマル酸含有繊維中のフマル酸粒子含有率を表1に示す値に変更したこと以外は、上記不織布1と同様にしてフマル酸含有不織布を作製した。
不織布8
基材樹脂としてのPE/PP樹脂に、クエン酸粒子を含有率が0.010質量%となるように添加し、混合して樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を用いて溶融紡糸し、細断してクエン酸含有繊維(繊度;2.2dtex、繊維長;50mm)を作製した。この繊維をスクリーンコンベア上に堆積させて、ウェブを作製した。このウェブにエアスルー方式で熱処理を行い、繊維同士を融着させて、クエン酸含有不織布(エアスルー不織布)を作製した。
不織布9
クエン酸含有繊維中のクエン酸粒子含有率を表1に示す値に変更したこと以外は、上記不織布8と同様にしてクエン酸含有不織布を作製した。
不織布10
PE/PP樹脂を用いて繊維を溶融紡糸し、この長繊維をスクリーンコンベア上に堆積させて、ウェブを作製した。このウェブにエアスルー方式で熱処理を行い、繊維同士を融着させて、不織布(エアスルー不織布)を作製した。
不織布12
前記フマル酸を温水(50℃)に溶解させ、フマル酸水溶液を得た。エアスルー不織布上に、スプレーを用いて前記フマル酸水溶液を塗布し、乾燥させてフマル酸担持不織布を作製した。
不織布1〜12について、評価を行い、結果を表1に示した。また、図5に、不織布1を構成するフマル酸含有繊維の走査型電子顕微鏡写真を示した。
表1に示すように、基材樹脂にフマル酸粒子が練り込まれたフマル酸含有繊維を含有する不織布1〜7、11では、初期pHと20回浸漬後のpHとの差が小さく、フマル酸の作用によって不織布が弱酸性に維持されている。これに対して、基材樹脂にクエン酸粒子が練り込まれたクエン酸含有繊維を含有する不織布8,9では、クエン酸が容易に溶解し流出してしまうため、初期pHと20回浸漬後のpHとの差が大きい。不織布10は繊維が酸性化合物を含有しない場合であるが、初期pHと1回目pHとの差が大きい。不織布を構成する繊維の表面にフマル酸を担持させた不織布12では、フマル酸が容易に脱落してしまうため、初期pHと20回浸漬後のpHとの差が大きい。
本発明の不織布は、例えば、人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品に好適に使用でき、特に失禁パッド、使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの吸収性物品として好適に利用できる。
1:使い捨ておむつ(吸収性物品)、2:前腹部、3:後背部、4:股部、5:切欠き、10:液透過性不織布シート、6:外装シート材、7:端縁、8:前側ウエスト用弾性部材、9:後側ウエスト用弾性部材、10:前側脚用弾性部材、11:後側脚用弾性部材、12:前側胴周り用弾性部材、13:後側胴周り用弾性部材、15:前側エンド押さえシート、16:後側エンド押さえシート、17:サイドシート、18:弾性部材、19:接合部、20:吸水性本体、21:吸収体、22:透液性トップシート、23:不透液性バックシート、25:吸水性樹脂粉末、26:繊維基材

Claims (9)

  1. 樹脂繊維から構成された不織布であって、
    前記樹脂繊維が、基材樹脂と固体状のフマル酸とを含有するフマル酸含有繊維を含有し、
    前記固体状のフマル酸が前記基材樹脂に内在し、かつ、前記固体状のフマル酸の少なくとも一部が繊維表面に露出していることを特徴とするフマル酸含有不織布。
  2. 前記フマル酸含有繊維が、基材樹脂とフマル酸粒子とを含有する樹脂組成物を溶融紡糸することで得られたものであり、
    前記フマル酸粒子の体積平均粒子径が1μm未満であり、
    前記フマル酸含有繊維のフマル酸粒子の含有率が0.01質量%〜10質量%である請求項1に記載のフマル酸含有不織布。
  3. 前記フマル酸含有繊維の繊度が、0.5dtex〜20dtexである請求項1または2に記載のフマル酸含有不織布。
  4. 前記フマル酸含有繊維が、芯部および鞘部から構成された芯鞘型繊維である請求項1〜3のいずれか一項に記載のフマル酸含有不織布。
  5. 前記鞘部が固体状のフマル酸を含有し、前記芯部はフマル酸を含有しない請求項4に記載のフマル酸含有不織布。
  6. 前記フマル酸含有不織布の表面のpHが5.0〜6.5である請求項1〜5のいずれか一項に記載のフマル酸含有不織布。
  7. エアスルー不織布である請求項1〜6のいずれか一項に記載のフマル酸含有不織布。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のフマル酸含有不織布を用いたことを特徴とする吸収性物品。
  9. 肌面側に配置された透液性のトップシートと、外面側に配置された不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体とを有し、
    前記トップシートの少なくとも一部が、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフマル酸含有不織布であることを特徴とする吸収性物品。
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