JP2007090286A - エアフィルター及びそれを用いた空気処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウコギ科人参から抽出されたエキス成分が担持されたことを特徴とするエアフィルター及びそれを用いた空気処理装置である。
【選択図】 なし
Description
(1)本発明は、通気性基材にウコギ科人参から抽出されたエキス成分(ウコギ科人参エキス)が含有されたことを特徴とするエアフィルターに関する。
(2)より好ましくは、エアフィルター中のジンセノサイド類含有量が、0.1g/m2以上、5.0g/m2以下であるエアフィルターに関する。
(3)本発明は、また、上記(1)または(2)のいずれかに記載のエアフィルターが装着されたことを特徴とする空気処理装置に関する。
(1)脂溶性成分
パナキシノール(パナセン)、ステロール、脂肪酸類が挙げられる。
(2)サポニン類
サポニン(ジンセノサイド類)やサポニゲンである。含まれるサポニンの多くはダマラン骨格を有する4環性トリテルペンである。サポニゲンとしては5環性トリテルペンのオレアノール酸等がある。サポニゲンは酸により加水分解し、パナキサジオールやパナキサトリオールの形で存在する事もある。
(3)その他
糖類、炭水化物、アミノ酸、ペプチド、アルカロイド、アスコルビン酸等が挙げられる。
また、各種の植物抽出エキスを扱うなどの製造現場において、ウコギ科人参エキスと他の素材との取り違え防止のためには、エキスないしそれを含有するエアフィルターから、例えば、前記サポニン類等のウコギ科人参エキスに特有の含有成分を検出する事によりウコギ科人参エキスと確認出来る。
また、必要に応じて、ウコギ科人参エキスの基材への担持をより安定にし、抗菌性、抗ウィルス性の効果をより長時間一定して持続させ、かつ、ウコギ科人参エキス臭を緩和するため、多孔質の粉末(例えば、活性炭やゼオライトの粉末など)を通気性基材中に含有させてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本実施例に限定されるものではない。
通気性基材として、40g/m2のポリエステルスパンボンド不織布を用い、該不織布に上記のウコギ科人参エキス水溶液をスプレー法にて均一塗布し、120℃で乾燥することにより、各実施例のエアフィルターを作製した。なお、エキスとしての含有量としては、4.0g/m2(実施例1)、2.0g/m2(実施例2)、8.0g/m2(実施例3)、12.0g/m2(実施例4)、0.4g/m2(実施例5)、20.0g/m2(実施例6)の6水準とした。
これらのエキスの含有量は、ジンセノサイド類含有量としては、1.0g/m2(実施例1)、0.5g/m2(実施例2)、2.0g/m2(実施例3)、3.0g/m2(実施例4)、0.1g/m2(実施例5)、5.0g/m2(実施例6)である。
実施例で用いたポリエステルスパンボンド不織布に、エキスを塗布せず比較例1のエアフィルターとした。
実施例1で用いたウコギ科人参エキス水溶液に替えて、茶葉から抽出した市販のカテキンエキス(伊藤園社製、商品名テアフラン)を水溶液として使用する点を除いて、実施例1と同様の方法により、比較例2のエアフィルターを作製した。(実施例2と、比較例2のエアフィルター中のエキス含有量は対応しているが、比較例2で用いたエキスにはジンセノサイド類が含まれていない。)
実施例1及び比較例2で得たエアフィルターをそれぞれ3cm×3cmの大きさに裁断して検体とし個々に試験した。検体に、インフルエンザウィルス浮遊液を滴下し、室温にて保存し、24時間後のウィルス感染価を測定した。詳細は以下の通りである。
1.試験ウィルス
インフルエンザウィルスA型(H1N1)を使用した。
2.使用細胞
MDCK(NBL−2)細胞 ATCC CCL−34株(大日本製薬社製)を使用した。
3.使用培地
3−1.細胞増殖培地
Eagle MEM(0.06mg/mlカナマイシン含有)に新生コウシ血清を10%加えたものを使用した。
3−2.細胞維持培地
Eagle MEM=1000ml、10%炭酸水素ナトリウム水溶液=34ml、L−グルタミン(30g/l)=9.8ml、100×MEM用ビタミン液=30ml、10%−アルブミン=20ml、トリプシン(5mg/ml)=2mlの組成の培地を使用した。
4.ウィルス浮遊菌の調整
4−1.細胞の培養
細胞増殖培地を用い、MDCK細胞を組織培養フラスコ内に単層培養した。
4−2.ウィルスの接種
単層培養後にフラスコ内から細胞増殖培地を除き、試験ウィルスを接種した。次に、細胞維持培地を加えて37℃の炭酸ガスインキュベーター(炭酸ガス濃度:5%)内で2〜5日間培養した。
4−3.ウィルス浮遊液の調製
培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し、細胞に形態変化(細胞変性効果)が起こっていることを確認した。次に、培養液を遠心分離(3000rpm×10分間)し、得られた上澄み液をウイスル浮遊液とした。
5.試料の調製
実施例1及び比較例2で得たエアフィルターをそれぞれ3cm×3cmの大きさに裁断した検体を湿熱滅菌(121℃×15分間)したものを試料とした。
6.試験操作
試料にウィルス浮遊液0.2mlを滴下し、室温にて保存した。また、プラスチックシャーレを対照試料として、同様に試験した。
7.ウィルスの洗い出し
24時間保存した後、試料中のウィルス浮遊液を細胞維持培地2mlで洗い出した。
8.ウィルス感染価の測定
細胞増殖培地を用い、MDCK細胞を組織培養用マイクロプレート(96穴)内で単層培養した後、細胞増殖培地を除き細胞維持培地を0.1mlずつ加えた。次に、洗い出し液およびその希釈液0.1mlを4穴ずつに接種し、37℃の炭酸ガスインキュベーター(炭酸ガス濃度:5%)内で4〜7日間培養した。培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変性効果)の有無を観察し、Reed−Muench法により50%組織培養感染量(TCID50)を算出して洗い出し液1ml当たりのウィルス感染価に換算した。ウィルス接種直後(対照)および24時間保存後(試料)の洗い出し液1ml当たりのTCID50の対数値(logTCID50/ml)を比較し、ウィルス不活性化性能の指標とした。なお、logTCID50/ml<1.5を検出限界とした。
JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」5.2プラスチック製品などの試験方法に準拠して、実施例1〜6及び比較例1〜2で得たエアフィルターより得た各検体の抗菌力試験を行った。試験菌種は、大腸菌および黄色ぶどう球菌を用いた。抗菌力は抗菌活性値を指標とした。
例えば、各実施例のエアフィルターを市販の空気清浄機のフィルターに替えて運転してしばらくしても室内で臭気を感じた者はいなかった。
Claims (3)
- 通気性基材にウコギ科人参から抽出されたエキス成分が含有されてなることを特徴とするエアフィルター。
- エアフィルター中のジンセノサイド類含有量が、0.1g/m2以上、5.0g/m2以下である請求項1に記載のエアフィルター。
- 請求項1又は請求項2のいずれかに記載のエアフィルターが装着されたことを特徴とする空気処理装置。
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JP2005285572A JP2007090286A (ja) | 2005-09-29 | 2005-09-29 | エアフィルター及びそれを用いた空気処理装置 |
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