JP2005112748A - 抗ウイルス剤とその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】かぜの病原ウイルスであるインフルエンザウイルスは、空気感染あるいは飛沫感染によって流行をもたらしており、このウイルスを除去する方法が求められている。抗ウイルス剤としては、茶の抽出物などの水溶性材料が知られているが、近年、商品の長寿命化や利便性の面から洗浄に耐えられる抗ウイルス剤が求められている。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、耐水性を保持した長期間使用可能な抗ウイルス剤とその用途を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の抗ウイルス剤は、少なくとも一箇所にフェノール性水酸基を有する、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物を有効成分とすることを特徴としたものである。本発明のウイルス除去方法は、抗ウイルス剤を噴霧あるいは塗布させた抗ウイルスフィルタを、空気の吸込口と吹出口の間に配してなることを特徴としたものである。
【選択図】図1
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、耐水性を保持した長期間使用可能な抗ウイルス剤とその用途を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の抗ウイルス剤は、少なくとも一箇所にフェノール性水酸基を有する、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物を有効成分とすることを特徴としたものである。本発明のウイルス除去方法は、抗ウイルス剤を噴霧あるいは塗布させた抗ウイルスフィルタを、空気の吸込口と吹出口の間に配してなることを特徴としたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、ウイルスの有害性を抑制することができる抗ウイルス剤と、その用途に関する。
ウイルスの中でもかぜの病原ウイルスであるインフルエンザウイルスは、空気感染あるいは飛沫感染によって流行をもたらしており、このウイルスを除去する方法が求められている。
従来、この種の抗ウイルス剤として、茶抽出物などの水溶性材料より構成されたものが知られている。これらの抗ウイルス剤を応用した例として、特許文献1には抗ウイルス剤を空気清浄機のフィルターに適用した例が示されている、また、特許文献2には抗ウイルス剤をマスクに適用した例が示されている。
また、近年住宅環境の機密性向上に伴い、アレルギー性疾患が問題となっている。アルルギー性疾患の原因物質であるアレルゲンについても徐々に明らかにされつつあり、これらアレルゲンと人の接触を有効に防ぐ方法が求められている。これらの要望に対し、特許文献3には、ある種の高分子化合物およびアルカリ金属塩・リン酸塩などに、室内主要アレルゲンのひとつであるダニアレルゲン低減化効果があることが開示されている。
特開平8−266828号公報
特開平8−333271号公報
特開2003−81727号公報
しかしながら、近年、商品の長寿命化や利便性の面から洗浄に耐えられる抗ウイルス剤が求められており、従来の水溶性抗ウイルス剤を応用した装置では必ずしも満足できる結果は得られなかった。
また、室内のアレルギー発症に関わる物質には細菌・カビ・ウイルスなど様々な物質が考えられるため、上記アレルゲン低減化剤を単独で用いても十分な効果は得られなかった。本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、耐水性を保持した長期間使用可能な抗ウイルス剤とその用途を提供することを目的としている。
本発明の抗ウイルス剤は、少なくとも一箇所にフェノール性水酸基を有する、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物を有効成分とすることを特徴としたものである。これにより、耐水性を保持した抗ウイルス剤を得ることができる。
また、本発明の抗ウイルス剤は、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物がポリ−4−ビニルフェノールおよび/またはポリ−L−チロシンであることを特徴としたものである。これにより、これにより、耐水性を保持した抗ウイルス剤を得ることができる。
また、本発明の抗ウイルス剤は、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物を、アルコール類、またはアルコール類と水との混合溶媒に溶解させてなることを特徴としたものである。これにより、用途に合わせて液の粘性や表面張力を制御することができ、また、任意の有効成分量を含む抗ウイルス剤を得ることができる。また、アルコールの除菌作用と抗ウイルス剤の抗ウイルス作用を同時に発揮させることができる。
また、本発明のウイルス除去方法は、抗ウイルス剤を噴霧あるいは塗布し、必要に応じて乾燥させることを特徴としたものである。これにより、空気中の浮遊細菌やウイルスを手軽に除去することができる。また、噴霧あるいは塗布した物品をアルコールの蒸発促進作用で手早く乾燥することができる。
また、本発明の物品は、抗ウイルス剤を塗布あるいは混合させてなることを特徴としたものである。これにより、物品に耐水性を保持した長期間使用可能な抗ウイルス効果を与えることができる。
また、本発明の抗ウイルス処理物は、棒/繊維/シート/板/網/箱のいずれか、あるいは複合化された形状であることを特徴としたものである。これにより、用途にあわせた形状で抗ウイルス作用を発揮させることができる。
また、本発明の抗ウイルス処理物は、衣服であることを特徴としたものである。これにより、衣類に付着したウイルスを効果的に除去することができる。
また、本発明の抗ウイルス処理物は、マスクであることを特徴としたものである。これにより、空気中の浮遊ウイルスをマスクに捕集した後、ウイルスの活動を抑制することができるので、使用者がウイルスを吸入することを防ぐことができる。
また、本発明の抗ウイルス処理物は、抗ウイルス処理物が、通過物質をろ過・捕集可能な開口構造を有するフィルターであることを特徴としたものである。これにより、フィルターにろ過・捕集されたウイルスは、フィルター上で活動を抑制されるので、フィルターの下流側を清浄な状態に保つことができる。
また、本発明の装置は、抗ウイルスフィルターを空気の吸込口と吹出口の間に配してなることを特徴としたものである。これにより、吸込口から入ったウイルスをフィルターで除去し、吹出口から清浄な空気を排出することができる。
また、本発明の装置は、抗ウイルスフィルターと集塵フィルタを設けてなることを特徴としたものである。これにより、抗ウイルスフィルターのみを洗浄したり、交換することが可能となる。
また、本発明の装置は、抗ウイルスフィルター上流側に荷電部を設けてなることを特徴としたものである。これにより、帯電させた空気中のほこりおよび混在しているウイルスを効率的にフィルターに捕集することが可能となる。
また、本発明の装置は、空気清浄装置、換気装置、加湿装置、加温装置、除湿装置、布団乾燥機、エアコン、掃除機、浴室乾燥機、洗濯乾燥機のいずれかであることを特徴としたものである。これにより、各装置に抗ウイルス作用を付与することができる。
また、本発明の装置は、抗ウイルスフィルターの少なくとも一部を水に浸漬したことを特徴としたものである。これにより、フィルターを適度に湿らせることができ、フィルターを通過する空気への加湿効果や水に含ませた芳香成分を放出する効果を得ることができる。
また、本発明のろ過装置は、抗ウイルスフィルターを水の流入口と流出口の間に配してなることを特徴としたものである。これにより、水に含まれるウイルスをフィルターで除去し、流出口から清浄な水を排出することができる。
また、本発明の装置は、抗ウイルス処理物を装置の表示部/作動ボタン/枠体のいずれか一つ以上に設けたことを特徴としたものである。これにより、装置に付着したウイルスを効果的に除去することができ、使用者がウイルスに感染することを未然に防ぐことができる装置を得ることができる。
本発明によれば、耐水性を保持した抗ウイルス剤を提供できる。
また、本発明によれば、除菌作用と抗ウイルス作用を同時に発揮できる抗ウイルス剤を提供できる。
また、本発明の抗ウイルス剤を噴霧あるいは塗布し、必要に応じて乾燥させることにより、細菌やウイルスを手軽に除去することができるウイルス除去方法を提供できる。
また、本発明の抗ウイルス剤を塗布することにより、耐水性を保持した長期間使用可能な物品を提供できる。
また、本発明によれば、ウイルスを除去し、清浄な空気あるいは水を得ることができる装置が提供できる。
本発明の抗ウイルス剤は、少なくとも一箇所にフェノール性水酸基を有する、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物
を有効成分とすることを特徴としたものである。
芳香族ヒドロキシ化合物のフェノール性水酸基はオルト位、メタ位、パラ位のいずれであっても良く、さらに、複数の水酸基が存在しても良い。
また、本発明の抗ウイルス剤は、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物がポリ−4−ビニルフェノールおよび/またはポリ−L−チロシン
であることを特徴としたものである。
ポリマーの構造としては直鎖状だけでなく、枝分かれのある構造であっても良い。さらに、芳香族ヒドロキシ化合物のホモポリマーだけではなく、その他モノマーとのコポリマーであっても良い。コポリマーの種類としては、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどが考えられ、コポリマーの構造としては、直鎖状だけでなく、枝分かれのある構造であっても良い。
また、本発明の抗ウイルス剤は、抗ウイルス性を有する非水溶性ポリマーを、アルコール類、またはアルコール類と水との混合溶媒に溶解させてなることを特徴とする。アルコール類と水の容量比は、ポリマーに沈殿を生じさせない割合であることが望ましく、アルコール類が40〜100%であることが好ましい。アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノールなど低級アルコール類、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコール類を単独あるいは複数種類を組み合わせて使用することができる。これらの溶媒は、液の粘性や表面張力の制御のために、任意の割合で調整することができる。また、種類と割合を調整することにより、噴霧あるいは塗布した時の乾燥速度を調節することが可能である。
また、アルコール類を含むことにより、アルコールの持つ除菌作用を同時に発揮させることができる。これらの成分と抗ウイルス成分の濃度を制御することにより、ウイルスや細菌の存在量に応じた設計が可能となり、使用目的に合わせて抗ウイルス作用と除菌作用を調節することができる。
また、本発明の物品は、上記抗ウイルス剤を塗布あるいは混合させてなることを特徴とする。ここに示す物品とは、金属、樹脂、天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、紙、セラミック、セメント、塗料などの材料、さらにはそれら材料からなる製品など、上記抗ウイルス剤を塗布あるいは混合することができるあらゆるものをいう。
本発明の物品は、棒/繊維/シート/板/網/箱のいずれか、あるいは複合化された形状に加工することができる。用途にあわせて一部分にだけ上記抗ウイルス剤を塗布したり、塗布量を多くすることができる。たとえば、シートの端面を貼り合わせて袋状に加工し、内面に抗ウイルス剤を塗布することにより、袋にいれた器具をウイルスの感染から防ぐことのできる保管容器ができる。
本発明の物品を加工することにより、カーテン、じゅうたん、カーペット、布団カバー、枕カバーなどの繊維製品を得ることができる。加工済みの繊維製品に上記抗ウイルス剤を塗布・乾燥することも可能である。本発明の物品で構成される衣服は、空気中あるいは他の物品から付着したウイルスの活動を繊維上で抑制することができるので、使用者が衣類からウイルスに2次感染することを防ぐことができる。
また、本発明の繊維で構成されるマスクは、空気中の浮遊ウイルスをマスクに捕集した後、ウイルスの活動を抑制することができるので、使用者がウイルスを吸入することを防ぐことができる。マスクは全体に抗ウイルス剤が塗布されていても良いし、一部に塗布してその部分を着脱可能とし、洗浄あるいは交換できるようにしても良い。
また、本発明の抗ウイルス処理物は、通過物質をろ過・捕集可能な開口構造を有するフィルターであるため、抗ウイルス処理物にろ過・捕集されると同時にウイルスは活動を抑制される。これにより、抗ウイルスフィルターの下流側を清浄な状態に保つことができる。
また、本発明の装置は、上記抗ウイルス剤で処理した抗ウイルスフィルターを空気の吸込口と吹出口の間に配してなることを特徴としたものである。これにより、吸込口から入ったウイルスをフィルターで除去し、吹出口から清浄な空気を排出する装置を得ることができる。
また、本発明の抗ウイルスフィルターは単独で設けても、複数に重ねて設けてもよい。圧力損失を低減させるため、折り曲げてプリーツ状にして使用してもよい。集塵効率を上げるため、フィルターにあらかじめ放電処理を行ってエレクトレット化したり、使用時に電荷をかけてフィルター面を帯電させて使用することも可能である。この場合、フィルター上流部に、電極に高電圧をかけて通過する気体および粉塵を帯電させる荷電部を設けてもよい。
また、抗ウイルスフィルターとは別に集塵フィルターを設けることもできる。これにより、抗ウイルスフィルターのみを洗浄したり、交換することが可能である。
また、本発明の抗ウイルスフィルターの一部を水に浸漬することも可能である。これにより、フィルターを適度に湿らせることができ、加湿効果や水に含ませた芳香成分を放出する効果を得ることができる。
また、本発明の抗ウイルスフィルターを水の流入口と流出口の間に配して、水中のウイルスを除去することも可能である。抗ウイルス剤は非水溶性であるため、水溶液中に溶解することなく、効果を長時間発揮することができる。
以上のような抗ウイルスフィルターは、例えば空気清浄装置、換気装置、加湿装置、加温装置、除湿装置、布団乾燥機、エアコン、掃除機、浴室乾燥機、洗濯乾燥機などに用いることができる。
また、本発明の装置の表示部/作動ボタン/枠体のいずれか一つ以上に抗ウイルス処理物を使用することにより、装置に付着したウイルスを効果的に除去することができ、使用者がウイルスに感染することを未然に防ぐことができる装置を得ることができる。
ここで示す装置の表示部とは、本体の動作状態を示す電源ランプや温度・湿度を示すライトあるいは使用方法を記したラベルなど、使用者に視覚的に装置に関する情報を与えるあらゆる部分をいう。また、作動ボタンとは、装置のON/OFFや能力の切り替えを行うあらゆるスイッチ類のことを指し、本体から分離されて使用されるリモコン類も含まれる。また、枠体とは装置を構成している外部構造物を指し、装置外周部、フィルター、フィルターを保持する枠、ファン、装置を移動するための取っ手など、使用者が通常の使用方法で手で触れる可能性のあるあらゆる部分が含まれる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明は、以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
まず、ポリ-4-ビニルフェノール(分子量8000:アルドリッチ社製)20wt%、エタノール65wt%、水15wt%の割合で混合し、抗ウイルス剤を調製した。作成した抗ウイルス剤を50mm×50mmに切ったガラス繊維製フィルターにスプレーで塗布し、自然乾燥させた。
まず、ポリ-4-ビニルフェノール(分子量8000:アルドリッチ社製)20wt%、エタノール65wt%、水15wt%の割合で混合し、抗ウイルス剤を調製した。作成した抗ウイルス剤を50mm×50mmに切ったガラス繊維製フィルターにスプレーで塗布し、自然乾燥させた。
作成したフィルターをシャーレに置き、その上から約105PFU/mlのインフルエンザウイルス液0.5mlを滴下した。同じ大きさのフィルターをその上に重ねることによりフィルターとウイルス液の均一な接触を確保した状態でシャーレにふたをして、室温で6時間静置した。抗ウイルス剤を塗布していないフィルター(無処理フィルター)を同様の条件で静置し、比較対照とした。
それぞれのフィルターから洗い出した試験液をリン酸緩衝液で10倍段階希釈して細胞に接種した。所定時間後、Plaque法によってウイルス量を定量した。
結果を表1に示す。無処理フィルターのウイルス数を100として計算した、抗ウイルス剤を塗布したフィルターの不活化率は72.5%であった。
(実施例2)
ポリ−4−ビニルフェノールの、イソプロピルアルコール(IPA)と水との混合溶媒への溶解試験を行った。溶媒に対し、ポリ−4−ビニルフェノールを重量比15%で混合した後、ミキサーで1分間撹拌を行い、撹拌後の溶液の状態を目視にて観察した。表2に示すように、IPA容量比40%以下では沈殿と思われる白色成分の沈降が見られた。
ポリ−4−ビニルフェノールの、イソプロピルアルコール(IPA)と水との混合溶媒への溶解試験を行った。溶媒に対し、ポリ−4−ビニルフェノールを重量比15%で混合した後、ミキサーで1分間撹拌を行い、撹拌後の溶液の状態を目視にて観察した。表2に示すように、IPA容量比40%以下では沈殿と思われる白色成分の沈降が見られた。
次に各容量比の溶解液をフィルターに塗布し、自然乾燥を行った。沈殿の発生した状態の混合液では、フィルターに乾燥後に塗りむらが発生し、また、塗布時にスプレーガンの目詰まりが発生するため、実用には適さなかった。
(実施例3)
約102cfu/mlの黄色ブドウ球菌を含む液0.1mlを滴下したメンブレンフィルター上に、実施例1で作成した抗ウイルス剤をスプレーで3回噴霧した。その後、メンブレンフィルターを標準寒天培地上に置き、37℃で48時間培養した。噴霧後のメンブレンフィルター上からは、菌は検出されなかった。比較対照である噴霧なしのフィルタ−からは100個以上の菌が検出された。なお、アルコールの含まれていないポリ-4-ビニルフェノールのみの溶液は、粘性が高すぎるためスプレー噴霧することはできなかった。
約102cfu/mlの黄色ブドウ球菌を含む液0.1mlを滴下したメンブレンフィルター上に、実施例1で作成した抗ウイルス剤をスプレーで3回噴霧した。その後、メンブレンフィルターを標準寒天培地上に置き、37℃で48時間培養した。噴霧後のメンブレンフィルター上からは、菌は検出されなかった。比較対照である噴霧なしのフィルタ−からは100個以上の菌が検出された。なお、アルコールの含まれていないポリ-4-ビニルフェノールのみの溶液は、粘性が高すぎるためスプレー噴霧することはできなかった。
一方、実施例1で作成した抗ウイルス剤を塗布して80℃で乾燥させたメンブレンフィルタ−上に、上記菌液を0.1ml滴下し、同様の手順で48時間後の菌数を測定したところ、80個の菌が検出された。
(実施例4)
図1に示すように、空気清浄装置1は、枠体2内に抗ウイルスフィルター3、ファン4、吸い込み口5、吹き出し口6、外枠7を備えている。
図1に示すように、空気清浄装置1は、枠体2内に抗ウイルスフィルター3、ファン4、吸い込み口5、吹き出し口6、外枠7を備えている。
有害汚染物質が混入している汚れた空気は、空気清浄装置1の吸い込み口5から、ファン4により吸引され、抗ウイルスフィルター3に送られ、有害汚染物質がフィルター濾過、浄化され、きれいな空気となって、吹き出し口6から排出、供給される。
上記構成において、抗ウイルスフィルター3は、ウイルスを濾過、吸着捕集除去し、かつウイルスを不活化する。抗ウイルス剤がフィルターに添着されていることにより、効率の良い吸着除去と不活化が行われ、吹き出し口から清浄な空気を排出する空気清浄機を提供することができる。
また、枠体2、ファン4、外枠7に抗ウイルス剤が塗布されているため、空気中の浮遊ウイルスが空気清浄装置1に付着しても、その付着面においてウイルスの活動が抑制される。そのため使用者が日常使用において、掃除や装置の移動を行うために手を触れてもウイルスに感染することがないという効果をもつ、空気清浄装置を提供することができる。
(実施例5)
図2に示すように、換気装置8は、ダクト9内に抗ウイルスフィルター3、送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、外枠7を備えている。
図2に示すように、換気装置8は、ダクト9内に抗ウイルスフィルター3、送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、外枠7を備えている。
有害汚染物質が混入している汚れた空気は、換気装置8の吸い込み口5から、送風機10により吸引され、抗ウイルスフィルター3に送られ、有害汚染物質がフィルター濾過、浄化され、きれいな空気となって、吹き出し口6から排出、供給される。
上記構成において、抗ウイルスフィルター3は、ウイルスを濾過、吸着捕集除去し、かつウイルスを不活化する。抗ウイルス剤がフィルターに添着されていることにより、効率の良い吸着除去と不活化が行われ、吹き出し口から清浄な空気を排出する換気装置を提供することができる。
(実施例6)
図3に示すように、加湿装置11はダクト9または枠体2内に抗ウイルスフィルター3、送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、水供給部12、外枠7を備えている。
図3に示すように、加湿装置11はダクト9または枠体2内に抗ウイルスフィルター3、送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、水供給部12、外枠7を備えている。
有害汚染物質が混入している汚れた空気は、加湿装置11の抗ウイルスフィルター3により、加湿されると共に有害汚染物質がフィルター濾過、浄化される。
上記構成において、抗ウイルスフィルター3は、吸水性基材で構成されたフィルターの一部を水中に浸漬するか、上部から水を供給することにより、フィルターを通過する空気を加湿すると共に、ウイルス濾過、吸着捕集除去し、かつウイルス不活化する。抗ウイルス剤がフィルターに添着されていることにより、効率の良い吸着除去と不活化が行われ、加湿しながら、吹き出し口から清浄な空気を排出する加湿装置を提供することができる。
(実施例7)
図4に示すように、加温装置または布団乾燥機13は、枠体2内に送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、抗ウイルスフィルター3、熱源14、外枠7を備えている。
図4に示すように、加温装置または布団乾燥機13は、枠体2内に送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、抗ウイルスフィルター3、熱源14、外枠7を備えている。
有害汚染物質が混入している汚れた空気は、加温装置または布団乾燥機13の吸い込み口5から、送風機10により吸引され、抗ウイルスフィルター3に送られ、有害汚染物質がフィルター濾過、浄化され、きれいな空気となった後、熱源14で温風となり吹き出し口6から排出、供給される。ここで吹き出し口6に温風をためる袋を設け、それを使って布団を乾燥する装置が布団乾燥機である。
上記構成において、抗ウイルスフィルター3は、ウイルスを濾過、吸着捕集除去し、かつウイルスを不活化する。抗ウイルス剤がフィルターに添着されていることにより、効率の良い吸着除去と不活化が行われ、吹き出し口から清浄な空気を排出する加温装置または布団乾燥機を提供することができる。
(実施例8)
図5に示すように、エアコン15は、枠体2内に送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、抗ウイルスフィルター3、熱交換器16、外枠7を備えている。
図5に示すように、エアコン15は、枠体2内に送風機10、吸い込み口5、吹き出し口6、抗ウイルスフィルター3、熱交換器16、外枠7を備えている。
有害汚染物質が混入している汚れた空気は、エアコン15の吸い込み口5から、送風機10により吸引され、抗ウイルスフィルター3に送られ、有害汚染物質がフィルター濾過、浄化され、きれいな空気となった後、熱交換器16で熱交換して温風または冷風となり吹き出し口6から排出、供給される。
上記構成において、抗ウイルスフィルター3は、ウイルスを濾過、吸着捕集除去し、かつウイルスを不活化する。抗ウイルス剤がフィルターに添着されていることにより、効率の良い吸着除去と不活化が行われ、吹き出し口から清浄な空気を排出するエアコンを提供することができる。
(実施例9)
図6に示すように、マスク17は、抗ウイルスフィルター3、マスク補強部18a、18b、およびバンド19a、19bを備えている。
図6に示すように、マスク17は、抗ウイルスフィルター3、マスク補強部18a、18b、およびバンド19a、19bを備えている。
有害汚染物質が混入している汚れた 空気は、マスク17の抗ウイルスフィルター3により、有害汚染物質がフィルター濾過、浄化される。
上記構成において、抗ウイルスフィルター3は、ウイルスを濾過、吸着捕集除去し、かつウイルスを不活化する。抗ウイルス剤がフィルターに添着されていることにより、効率の良い吸着除去と不活化が行われ、使用者が清浄な空気を吸い込むことができるマスクを提供することができる。
本発明の抗ウイルス剤は、除菌作用と抗ウイルス作用を同時に発揮でき、清浄な空気あるいは水を得ることができるという効果を有し、空気清浄装置や加湿装置等に応用することができ、有用である。
1 空気清浄装置
2 枠体
3 抗ウイルスフィルター
4 ファン
5 吸い込み口
6 吹き出し口
7 外枠
8 換気装置
9 ダクト
10 送風機
11 加湿装置
12 水供給部
13 加温装置または布団乾燥機
14 熱源
15 エアコン
16 熱交換器
17 マスク
18 マスク補強部
19 バンド
2 枠体
3 抗ウイルスフィルター
4 ファン
5 吸い込み口
6 吹き出し口
7 外枠
8 換気装置
9 ダクト
10 送風機
11 加湿装置
12 水供給部
13 加温装置または布団乾燥機
14 熱源
15 エアコン
16 熱交換器
17 マスク
18 マスク補強部
19 バンド
Claims (16)
- 少なくとも一箇所にフェノール性水酸基を有する、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物を有効成分とすることを特徴とする抗ウイルス剤。
- 非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物がポリ−4−ビニルフェノールおよび/またはポリ−L−チロシンであることを特徴とする抗ウイルス剤。
- 請求項1または2記載の非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物を、アルコール類、またはアルコール類と水との混合溶媒に溶解させてなることを特徴とする抗ウイルス剤。
- 請求項1乃至3記載の抗ウイルス剤を噴霧あるいは塗布し、必要に応じて乾燥させることを特徴とするウイルス除去方法。
- 請求項1乃至3記載の抗ウイルス剤を塗布あるいは混合させてなることを特徴とする物品。
- 物品が棒/繊維/シート/板/網/箱のいずれか、あるいは複合化された形状であることを特徴とする請求項5記載の抗ウイルス処理物。
- 抗ウイルス処理物が衣服であることを特徴とする請求項6記載の繊維製品。
- 抗ウイルス処理物がマスクであることを特徴とする請求項6記載の繊維製品。
- 抗ウイルス処理物が、通過物質をろ過・捕集可能な開口構造を有するフィルターであることを特徴とする抗ウイルスフィルター。
- 請求項9記載の抗ウイルスフィルターを空気の吸込口と吹出口の間に配してなることを特徴とする装置。
- 請求項9記載の抗ウイルスフィルターと集塵フィルタを設けてなることを特徴とする請求項10記載の装置。
- 請求項10または11記載の抗ウイルスフィルター上流側に荷電部を設けてなることを特徴とする装置。
- 装置が空気清浄装置、換気装置、加湿装置、加温装置、除湿装置、布団乾燥機、エアコン、掃除機、浴室乾燥機、洗濯乾燥機のいずれかであることを特徴とする請求項10乃至12記載の装置。
- 請求項9記載の抗ウイルスフィルターの少なくとも一部を水に浸漬したことを特徴とする装置。
- 請求項9記載の抗ウイルスフィルターを水の流入口と流出口の間に配してなることを特徴とするろ過装置。
- 抗ウイルス処理物を装置の表示部/作動ボタン/枠体のいずれか一つ以上に設けたことを特徴とする請求項10乃至15いずれかに記載の装置。
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- 2003-10-06 JP JP2003346826A patent/JP2005112748A/ja not_active Withdrawn
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