JP3071594B2 - 芯鞘型消臭抗菌性複合繊維 - Google Patents

芯鞘型消臭抗菌性複合繊維

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JP3071594B2
JP3071594B2 JP5013591A JP1359193A JP3071594B2 JP 3071594 B2 JP3071594 B2 JP 3071594B2 JP 5013591 A JP5013591 A JP 5013591A JP 1359193 A JP1359193 A JP 1359193A JP 3071594 B2 JP3071594 B2 JP 3071594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消臭、抗菌効果及びそ
の耐久性に優れ、詰物分野やカーテン、カーペット等の
インテリア分野、各種抄紙分野及び各種フィルター等の
産業資材分野など悪臭を嫌う用途に使用するのに適し
た、芯鞘型消臭抗菌性繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維、特にポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維等は、その優れた寸法安定性、耐候性、機械
的特性、耐久性などの点から、衣料、詰物素材、産業資
材として不可欠のものとなっている。しかしながらその
使用用途によっては、更に特殊機能の付与が望まれてい
た。例えば、病院用布団、シーツ、カーペット等、悪臭
を嫌う用途では、できるだけ原因となる悪臭を軽減させ
る性能を有する繊維製品が望まれていた。
【0003】従来、消臭性能を付与した繊維としては、
天然の針葉樹、広葉樹からの抽出物、あるいは緑茶から
の抽出物などを、後加工法などにより繊維製品表面に付
着させたものなどが知られている(特開昭62−153
88号公報、特開昭62−250283号公報)が、耐
久性が不十分であるという欠点があった。特に、繰返し
洗濯などを実施した場合、あるいは繊維製品を染色処理
した場合などに、消臭性能が極端に低下してしまうとい
う問題点があった。
【0004】また、耐久性を向上させる目的で、樹脂中
に消臭剤を練込むことも提案されており、ポリエステル
樹脂に鉄の二価イオン化合物とL―アスコルビン酸とを
配合したもの(特開昭60−66753号公報、特開昭
62−215010号公報)等が知られているが、耐熱
性が不十分であったり、あるいは繊維製品から悪臭物質
を脱臭した後に変色するため、特定の用途にしか使用で
きないなどの問題点があった。
【0005】更に、特開平2−99606号公報では、
酸化亜鉛と二酸化ケイ素からなるアモルファス構造のケ
イ酸亜鉛をポリエステルあるいはポリアミド等に練込む
方法が提案されているが、ポリエステルあるいはポリア
ミドは、臭気透過性が低いので、充分な消臭効果が期待
できない。特に、糸断面全体に消臭剤を練込んだ場合、
糸中心部の消臭剤は表層部と比較して消臭効果を十分に
発揮できないという問題点があった。
【0006】一方、我々の生活環境中には、さまざまな
細菌、カビが存在しており、媒介物を経て人体や繊維に
付着して繁殖し、皮膚障害を与えたり、繊維の変質、劣
化現象を起こしたり、悪臭を放って不快感を与えたりす
る。特に合成繊維は、汗を吸収することが少ないため、
該繊維を身につける場合、汗の付着した皮膚、衣料、詰
物等に微生物が繁殖して腐敗現象起こし、汗くさい臭い
を生ずる。従って、より清潔で悪臭を漂わすことがな
く、快適で衛生的な合成繊維製品の開発も望まれてい
た。
【0007】かかる観点から、繊維に抗菌性を付与する
ために、繊維に有機錫、有機水銀化合物を適用する方法
が使用されていた時期があるが、これらの化合物の毒性
が問題視され、現在ではそれらのほとんど大部分が使用
中止になっている。
【0008】後加工方法により繊維に付与する特に安全
性の高い抗菌防カビ剤として、従来よりシリコーン第4
級アンモニウム塩などが用いられている。例えば、特開
昭57−51874号公報には、オルガノシリコーン第
4級アンモニウム塩を吸着させたカーペット及びその製
造方法が開示されている。しかしながら、シリコーン系
第4級アンモニウム塩は、セルロース系繊維に対しては
反応性を有するので洗濯耐久性のある抗菌効果を示す
が、合成繊維に対しては一時的な抗菌効果を示すものし
か得られていない。
【0009】また、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等
を溶出する銀、銅、亜鉛等の化合物が抗菌性を有するこ
とは古くから知られており、例えば硝酸銀の水溶性は、
消毒剤や殺菌剤として広く利用されてきた。しかしなが
ら、溶液状では取扱いの点で不便であり、また用途の点
でも限定される欠点がある。そこで、銀、銅、亜鉛等の
イオン又は塩を高分子体内に保持させるならば、かかる
欠点が克服され広い分野での利用を期待することができ
る。例えば、銀、銅、亜鉛等の金属化合物を重合体中に
混合し繊維とする方法が、特開昭54−147220号
公報などに提案されている。また、銀イオン、銅イオン
でイオン交換したゼオライト系固体粒子を有機高分子体
に添加混合する方法が、特開昭59−133235号公
報に提案されている。
【0010】しかし、これらの方法では、金属化合物
が、高分子の特性へ及ぼす影響が大きくて、利用できる
範囲が著しく限定されたり、繊維化工程での生産性、特
に紡糸時の単糸切れ、パックフィルター詰りによるパッ
ク寿命の低下などのトラブルが多くなるという問題が発
生する。更に、金属イオンが高分子中に単に含有されて
いるだけでは、金属イオンの外部細菌に対する作用が不
十分となるため、抗菌効果の水準が低く、充分な効果が
期待できない。
【0011】本発明者等は、かかる従来技術の問題点を
解消するために、酸化亜鉛と二酸化ケイ素を含有するポ
リオレフィン系ポリマーを鞘部とし、融点200℃以上
の熱可塑性ポリマーを芯部とする芯鞘型複合繊維の表面
を、N―ポリオキシアルキレン―N、N、N―トリアル
キルアンモニウム塩とメラニン樹脂で被覆した消臭性複
合繊維について、先に出願を行った(特願平4−199
46号)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記消
臭性複合繊維は、消臭性、抗菌性に優れているものの、
洗濯を繰り返しているうちに、繊維表面に付与したアン
モニウム塩が脱落して、抗菌効果が低下するという問題
があることがわかってきた。
【0013】従って、本発明の目的は、更に優れた消
臭、抗菌効果を示すと共に、洗濯を繰り返しても消臭、
抗菌性能が低下しない、耐洗濯性に優れた消臭抗菌性繊
維を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、抗菌剤を繊維表面に被覆させるので
はなく、消臭剤と共に繊維内に練り込むことを考え、種
々検討を重ねていく過程で、消臭剤と抗菌剤を混合して
繊維内に練り込むと、耐洗濯性はもとより、消臭性も大
幅に向上することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0015】すなわち、本発明は、熱可塑性ポリマーか
らなる芯成分と、消臭剤を複合繊維全体に対して3重量
%以上、抗菌剤を複合繊維全体に対して0.1重量%以
上混合含有するポリプロピレンからなる鞘成分とを有す
ることを特徴とする芯鞘型消臭抗菌性複合繊維である。
【0016】本発明の複合繊維の芯成分を構成する熱可
塑性ポリマーとしては、溶融紡糸可能であれば、任意の
ものを用いることができるが、機械的特性、耐熱性を初
めとして、各種繊維用途に要求される特性を満足するう
えで、融点が200℃以上の熱可塑性ポリマーが好まし
く用いられる。その好ましい例としては、ポリエチレン
テレフタレート又はポリブチレンテレフタレートを主成
分とするポリエステル、ナイロン6、ナイロン66又は
メタキシレンジアミンナイロンを主成分とするポリアミ
ドなどを挙げることができる。
【0017】一方、本発明の複合繊維の鞘成分を構成す
るポリマーは、ポリプロピレンとする必要がある。
【0018】鞘成分を構成するポリプロピレンは、この
中に含有される消臭剤及び抗菌剤により、延伸時に分子
配向がミクロ的に阻害され、鞘部の内部構造が乱され
て、外部の臭気、細菌が吸着され易くなり、消臭剤及び
抗菌剤が作用し易くなって、総合的に特に優れた消臭、
抗菌性能を発現するのである。
【0019】本発明の複合繊維においては、この鞘成分
を構成するポリプロピレンに、複合繊維全体に対して3
重量%以上、好ましくは3〜10重量%、更に好ましく
は5〜8重量%の消臭剤と複合繊維全体に対して0.1
重量%以上、好ましくは0.1〜7重量%、更に好まし
くは1〜3重量%の抗菌剤とを混合添加する。
【0020】消臭剤の含有量が3重量%未満では、十分
な消臭効果を得ることが困難となる。また、消臭剤を多
量に添加しても、その含有量に見合うだけの消臭性能の
向上が期待できず、かえってコスト高となり、更には、
繊維性能、紡糸生産性の悪化につながるため、10重量
%以下とするのが望ましい。
【0021】また、抗菌剤の含有量が0.1重量%未満
では、十分な抗菌効果が得られず、更には消臭性能を向
上させる効果が認められない。一方、抗菌剤を多量に添
加しても、抗菌性がほぼ飽和状態に達し、含有量を多く
する意味がなく、コスト高となり、経済的に不利となる
ため、7重量%以下とするのが望ましい。
【0022】本発明において用いる消臭剤、抗菌剤には
特に制限はなく、従来、繊維に添加混合して用いられて
いる消臭剤、抗菌剤を用いることができる。
【0023】なかでも、消臭剤としては、酸化亜鉛と二
酸化ケイ素の重量比が1:3〜3:1、好ましくは1:
2〜2:1の緊密混合微粒子が好ましく用いられる。こ
の緊密混合微粒子は、透過型電子顕微鏡観察によると、
平均一次粒子径が5〜30nm、好ましくは10〜20
nm、凝集平均粒子径は3μm以下、好ましくは1μm
以下である。凝集平均粒子径が3μmを超えると、溶融
紡糸時のパック圧上昇や、断糸の原因となり好ましくな
い。
【0024】また、抗菌剤としては、銀イオンを有効成
分とする、粒子径が3μm以下、好ましくは1μm以下
の抗菌性微粒子が好ましく用いられる。
【0025】かかる抗菌性微粒子は、銀イオンを固体粒
子に担持せしめたもので、該銀イオンの他に、銅、亜
鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、タ
リウム等のイオンを含有していてもよい。また、固体粒
子としては、リン酸ジルコニウム〔NaZr2 (PO4
)3 〕のようなジルコニウム類、A―型ゼオライト、
X―型ゼオライト、Y―型ゼオライト、T―型ゼオライ
ト、高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナイ
ト、アナルサイム、クリノプロライト、イヤバサイト、
リオナイトなどのようなゼオライト類、ハイドロキシア
パタイト〔Ca10(PO4 )6 (OH)2 〕のようなア
パタイト類等の無機イオン交換体が挙げられる。なかで
も、抗菌性、耐変色性、耐洗濯性、銀イオン溶出性など
の観点から、リン酸ジルコニウムが好ましい。この抗菌
性微粒子の粒子径は、3μm以下、好ましくは1μm以
下であり、3μmを越えると、溶融紡糸時のパック圧上
昇や断糸の原因となり好ましくない。
【0026】上記芯成分と鞘成分との構成比は、芯成分
/鞘成分(重量比)が30/70〜70/30であるこ
とが好ましく、特に、45/55〜55/45であるこ
とが好ましい。70/30を越えると鞘成分構成ポリマ
ーの破断が発生しやすくなり、紡糸生産性が低下する。
一方30/70未満では芯成分ポリマーが有する本来の
繊維性能が低下する。
【0027】本発明の複合繊維は、上記芯成分と鞘成分
を用いて、通常用いられる芯鞘型複合紡糸装置により芯
鞘型複合繊維を溶融紡糸し、次いで常法により延伸、熱
処理することにより製造することができる。
【0028】本発明の芯鞘型消臭抗菌性複合繊維は、長
繊維、紡績糸などの形で織編物として、あるいは短繊維
の形で不織布、詰綿、紙などとして、消臭、抗菌性が要
求される分野に用いることができる。
【0029】特に、本発明の芯鞘型複合繊維において、
芯成分を融点200℃以上の熱可塑性ポリマーで構成し
た場合は、鞘成分のポリプロピレンの融点よりも高く、
芯成分の融点よりも低い温度で加熱すれば、バインダ繊
維を混合することなく、繊維を融着させることができる
ため、抄紙、フィルター用途などには極めて有用であ
る。
【0030】
【作用】本発明の芯鞘型消臭抗菌性複合繊維は、繊維性
能を維持するための熱可塑性ポリマーを芯成分に配し、
消臭剤と抗菌剤を含有するポリプロピレンで鞘成分を構
成している。従って、複合繊維の表層部に消臭剤と抗菌
剤が集中しているため、外部の臭気、細菌に対して、消
臭、抗菌効果が有効に発現される。
【0031】更に、鞘成分がポリプロピレンであるの
で、溶融紡糸した糸を、延伸により分子配向性を高め
て、強度向上をはかる際に、含有される消臭剤及び抗菌
剤、特に消臭性微粒子及び抗菌性微粒子がポリプロピレ
ンの分子配向性をミクロ的に阻害し、表層のポリプロピ
レンの内部構造を乱すことにより、外部の臭気、細菌が
吸着され易くなり、消臭剤及び抗菌剤が作用し易くなっ
て、消臭機能及び抗菌機能をより発揮し易くする。
【0032】また、本発明の消臭抗菌性複合繊維では、
消臭剤、抗菌剤が共に鞘成分のポリプロピレン中に練り
込まれているので、洗濯によって脱落することがなく、
耐洗濯性にも優れている。
【0033】消臭剤と抗菌剤とを混合含有することによ
って、消臭効果が著しく向上する理由は、未だ解明され
ていないが、抗菌剤の添加によって、鞘成分のポリプロ
ピレンの分子配向性が更に阻害され、内部構造の乱れが
より大きくなり、消臭機能をより一層高めること、及び
抗菌剤による抗菌作用により臭いの原因となる細菌の繁
殖が抑制されることなどが考えられる。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお、実施例中の性能評価は、下記方法に従って
測定したものである。
【0035】(1)抗菌性の測定 供試試料を黄色ブドウ球菌を植種した寒天培地上に置
き、37℃で24時間、菌の培養をおこない、試料周辺
の黄色ブドウ球菌の成育の有無により抗菌効果を判定し
た。 (判定) 〇:試料周辺での細菌の生育が認められず、ハローが発
生する。 △:試料周辺で若干の細菌の生育が認められると共に、
部分的にハローが発生する。 ×:試料周辺で細菌の生育が認められ、ハローが発生し
ない。
【0036】(2)消臭剤の判定 アンモニアの場合、図1に示す装置を用いてアンモニア
濃度を測定することにより消臭率を求めた。すなわち、
アンモニアセンサ1〔AE―235;東亜電波(株)
製〕とイオンメータ3〔IM―IE;東亜電波(株)
製〕と記録計4を接続し、密閉した容器5にアンモニア
センサ1を取り付け、容器5内に500ppmとなるよ
うにアンモニアガスを注射器で注入し、その後、測定試
料2を容器5内にセットし、2時間放置後、容器5内の
アンモニア濃度を測定した。アンモニア濃度の低下率を
もって消臭率とした。
【0037】硫化水素の場合、所定容器に、硫化ナトリ
ウム、蒸留水、高濃度塩酸を所定量加え、一定量の硫化
水素ガスを発生させ、測定試料を容器中につるし、25
℃で24時間放置した後、北川式ガス検知管を用いて容
器内の硫化水素ガス濃度を測定した。硫化水素ガス濃度
の低下率をもって消臭率とした。
【0038】なお、上記抗菌性、消臭性の測定を洗濯後
の試料について行う際の洗濯は、下記の方法により行っ
た。
【0039】すなわち、家庭用電気洗濯機を用い、中性
洗剤ニュービーズ(商品名、花王株式会社製)2g/リ
ットルを含有する40℃の水溶液中で5分間洗濯した
後、流水洗を2分間行い、脱水し、さらに流水洗を2分
行い、脱水し、乾燥した。繰返し洗濯は、上記操作を繰
返し行うことにより実施した。
【0040】[実施例1〜7、比較例1〜2] 酸化亜鉛と二酸化ケイ素との混合比率が重量比で2:1
の緊密混合微粒子〔SZ―100;鈴木総業(株)製、
平均一次粒子径15nm、凝集平均粒子径1μm〕を、
(株)日本製鋼所製の二軸練押出機で、ポリプロピレン
系ポリマー〔TG―810;昭和電工(株)製、メルト
インデックス30、融点150℃〕に混練し、SZ―1
00のマスターチップを作成した。
【0041】同様にして、銀イオンと無機イオン交換体
(リン酸ジルコニウム)とが結合した銀系無機抗菌剤
〔ノバロンAG―300;東亜合成化学工業(株)製、
平均粒子径1μm〕を上記ポリプロピレン系ポリマーT
G―810に混練し、ノバロンAG―300のマスター
チップを作成した。
【0042】この両マスターチップを、消臭剤と抗菌剤
が表1に示す含有量となるようにポリプロピレン系ポリ
マーTG―810と混合して、鞘成分構成ポリマーとし
た。
【0043】一方、芯成分構成ポリマーとしては、極限
粘度0.64のポリエチレンテレフタレートを使用し、
鞘成分構成ポリマーと共に、表1に示す割合で、ノズル
孔径0.5mm、孔数450個の芯鞘型複合紡糸用口金
から、紡糸温度(芯/鞘=300℃/250℃)、吐出
量400g/分、引取速度900m/分で溶融複合紡糸
した。
【0044】得られた未延伸糸を、70℃の温水中で
2.5倍に延伸した後、125℃で約20分間熱処理
し、次いで、51mmの長さに切断して、約4デニール
の芯鞘型消臭抗菌性複合短繊維を得た。得られた各繊維
の消臭性及び抗菌性を評価した結果を表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表2の結果から明らかなように、本発明の
芯鞘型複合繊維(実施例1〜5)は消臭性、抗菌性共に
良好で、それらの耐洗濯性も優れているが、消臭剤の含
有量が少ない場合(比較例1)は、消臭性能が不十分で
あり、また、抗菌剤を含まない場合(比較例2)も、消
臭性が向上せず、抗菌性がない。
【0048】なお、芯成分と鞘成分の重量比(芯成分:
鞘成分)が30:70未満の場合(実施例6)は、繊維
性能がやや劣り、紡糸中の断糸も若干多くなり、70:
30を越える場合(実施例7)は、紡糸中の断糸がやや
多くなる。
【0049】[比較例3] 鞘成分のポリプロピレン系ポリマーTG―810を使用
せず、極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレート
に、SZ―100を6重量%、ノバロンAG―300を
1重量%添加混合し、ノズル孔径0.5mm、孔数45
0個の紡糸口金から、紡糸温度300℃、吐出量400
g/分、引取速度900m/分で溶融紡糸した。次い
で、実施例2と同じ条件で延伸、熱処理、切断して、S
Z―100とノバロンAG―300とが繊維全体に練り
込まれた、芯鞘構造をとらない繊維を得た。 結果は表
3に示す通りであり、消臭性が特に不良であった。
【0050】[実施例8] 実施例2において、平均粒子径1μmのSZ―100及
びノバロンAG―300に代えて平均粒子径4μmのも
のを使用し、その他の条件は実施例2と同じにして芯鞘
型複合繊維を得た。結果は表3に示す通りであり、消臭
性、抗菌性共に良好で、耐洗濯性も優れていたが、紡糸
時の断糸がやや多かった。
【0051】[実施例9] 実施例2で得た芯鞘型複合繊維を5mmの長さに切断
し、この原綿70部に対し、結合剤としてのゴムラテッ
クス〔ユニポールLX204(商品名);日本ゼオン
(株)製〕を固型分として15部、抄紙用助剤としての
木材パルプ〔NBSP;山陽国策パルプ(株)製〕を1
5部の割合で水中で混合した。この混合スラリーに、ラ
テックス定着剤として硫酸アルミニウム0.5部を添加
し、pHを4.5にした後、角型抄紙機に送り、通常の
方法で、目付25g/m2の紙を得た。得られた紙の評
価結果は、表3に示す通りであり、消臭性、抗菌性共に
優れていた。
【0052】[実施例10] 実施例2で得た芯鞘型複合短繊維をローラカードにか
け、常法により目付200g/m2のウエブを作成し、
熱風乾燥機により170℃で20分間熱処理して融着さ
せ、バインダ加工されたフィルタを得た。得られたフィ
ルタの評価結果は表3に示す通りであり、消臭性、抗菌
性共に優れていた。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】本発明の芯鞘型消臭性繊維は、優れた消
臭性、抗菌性を有し、かつ高い洗濯耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明繊維の評価に使用する消臭性能測定装置
を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 センサ 2 測定試料 3 イオンメータ 4 記録計 5 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−99606(JP,A) 特開 昭63−175117(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 1/10 D01F 8/00 - 8/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリマーからなる芯成分と、消
    臭剤を複合繊維全体に対して3重量%以上、抗菌剤を複
    合繊維全体に対して0.1重量%以上混合含有するポリ
    プロピレンからなる鞘成分とを有することを特徴とする
    芯鞘型消臭抗菌性複合繊維。
  2. 【請求項2】 消臭剤が、酸化亜鉛と二酸化ケイ素とか
    らなる緊密混合微粒子であり、その混合比率が1:3〜
    3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜30nm,凝
    集平均粒子径が3μm以下である請求項記載の芯鞘型
    消臭抗菌性複合繊維。
  3. 【請求項3】 抗菌剤が、銀イオンを有効成分とする粒
    子径が3μm以下の抗菌性微粒子である請求項1又は2
    記載の芯鞘型消臭抗菌性複合繊維。
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