JPH05222614A - 芯鞘型消臭性繊維 - Google Patents
芯鞘型消臭性繊維Info
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- JPH05222614A JPH05222614A JP4019946A JP1994692A JPH05222614A JP H05222614 A JPH05222614 A JP H05222614A JP 4019946 A JP4019946 A JP 4019946A JP 1994692 A JP1994692 A JP 1994692A JP H05222614 A JPH05222614 A JP H05222614A
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- sheath
- core
- deodorant
- fiber
- particles
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- Pending
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、優れた消臭性、抗菌性を有
し、かつ高い洗濯耐久性を有する繊維を提供することに
ある。 【構成】 芯部が融点200℃以上の熱可塑性ポリマ
ー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系ポ
リマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性微粒
子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比率
が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜3
0nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合粒
子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子含
有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が30:
70〜70:30であることを特徴とする芯鞘型消臭性
繊維。
し、かつ高い洗濯耐久性を有する繊維を提供することに
ある。 【構成】 芯部が融点200℃以上の熱可塑性ポリマ
ー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系ポ
リマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性微粒
子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比率
が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜3
0nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合粒
子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子含
有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が30:
70〜70:30であることを特徴とする芯鞘型消臭性
繊維。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消臭、抗菌効果の耐久
性に優れ、詰物分野やカーテン、カーペット等のインテ
リア分野、各種抄紙分野及び各種フィルター等の産業分
野など悪臭を嫌う用途に使用するのに適した、優れた消
臭性能と抗菌性能との両性能を有する芯鞘型消臭性繊維
に関するものである。
性に優れ、詰物分野やカーテン、カーペット等のインテ
リア分野、各種抄紙分野及び各種フィルター等の産業分
野など悪臭を嫌う用途に使用するのに適した、優れた消
臭性能と抗菌性能との両性能を有する芯鞘型消臭性繊維
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維の中で、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維等は、その優れた寸法安定性、耐候性、機
械的特性、耐久性などの点から、衣料、詰物素材として
不可欠のものとなっている。しかしながら使用、用途に
よっては、更に特殊機能の付与が望まれていた。例え
ば、病院用布団、シーツ、カーペット等、悪臭を嫌う用
途では、できるだけ原因となる悪臭を軽減させる性能を
有する繊維製品が望まれていた。
リアミド繊維等は、その優れた寸法安定性、耐候性、機
械的特性、耐久性などの点から、衣料、詰物素材として
不可欠のものとなっている。しかしながら使用、用途に
よっては、更に特殊機能の付与が望まれていた。例え
ば、病院用布団、シーツ、カーペット等、悪臭を嫌う用
途では、できるだけ原因となる悪臭を軽減させる性能を
有する繊維製品が望まれていた。
【0003】従来のものは、天然の針葉樹、広葉樹から
の抽出物、あるいは緑茶からの抽出物などを後加工法な
どにより繊維製品表面に付着させたものなどが知られて
いるが(特開昭62―15388号公報、特開昭62―
250283号公報)、耐久性が不十分である欠点があ
った。特に、繰返し洗濯などを実施した場合、あるいは
繊維製品を染色処理した場合などに消臭性能が極端に低
下してしまう問題点があった。
の抽出物、あるいは緑茶からの抽出物などを後加工法な
どにより繊維製品表面に付着させたものなどが知られて
いるが(特開昭62―15388号公報、特開昭62―
250283号公報)、耐久性が不十分である欠点があ
った。特に、繰返し洗濯などを実施した場合、あるいは
繊維製品を染色処理した場合などに消臭性能が極端に低
下してしまう問題点があった。
【0004】また、耐久性を向上させる目的で樹脂中に
消臭剤を練込むタイプとしてポリエステル樹脂に鉄の二
価イオン化合物とL―アスコルビン酸とを配合させたも
の等があるが(特開昭60―66753号公報、特開昭
62―215010号公報)、耐熱性が不十分であった
り、あるいは繊維製品から悪臭物質を脱臭した後に変色
するため特定の用途にしか使用できないなどの問題点が
あった。
消臭剤を練込むタイプとしてポリエステル樹脂に鉄の二
価イオン化合物とL―アスコルビン酸とを配合させたも
の等があるが(特開昭60―66753号公報、特開昭
62―215010号公報)、耐熱性が不十分であった
り、あるいは繊維製品から悪臭物質を脱臭した後に変色
するため特定の用途にしか使用できないなどの問題点が
あった。
【0005】一方、我々の生活環境中には、さまざまな
細菌、カビが存在しており、媒介物を経て人体や繊維に
付着して繁殖し、皮膚障害を与えたり、繊維の変質、劣
化現象を起こしたり、悪臭を放って不快感を与えたりす
る。特に合成繊維は、汗を吸収することが少いため、該
繊維を身につける場合、汗の付着した皮膚、衣料、詰物
等に微生物が繁殖して、腐敗現象を起し、汗くさい臭い
を生ずる。従って、より清潔で悪臭を漂わすことがな
く、快適で安全なポリエステル繊維製品あるいはポリア
ミド繊維製品の開発が望まれていた。
細菌、カビが存在しており、媒介物を経て人体や繊維に
付着して繁殖し、皮膚障害を与えたり、繊維の変質、劣
化現象を起こしたり、悪臭を放って不快感を与えたりす
る。特に合成繊維は、汗を吸収することが少いため、該
繊維を身につける場合、汗の付着した皮膚、衣料、詰物
等に微生物が繁殖して、腐敗現象を起し、汗くさい臭い
を生ずる。従って、より清潔で悪臭を漂わすことがな
く、快適で安全なポリエステル繊維製品あるいはポリア
ミド繊維製品の開発が望まれていた。
【0006】繊維に抗菌性を付与する方法として、繊維
に有機錫、有機水銀化合物を適用する方法が使用されて
いた時期があるが、これらの化合物の毒性が問題視さ
れ、現在ではそれらのほとんど大部分が使用中止になっ
ている。
に有機錫、有機水銀化合物を適用する方法が使用されて
いた時期があるが、これらの化合物の毒性が問題視さ
れ、現在ではそれらのほとんど大部分が使用中止になっ
ている。
【0007】後加工方法で用いる剤としては、従来より
特に安全性の高い抗菌防カビ材として、シリコーン第4
級アンモニウム塩などが用いられている。例えば、特開
昭57―51874号公報には、オルガノシリコーン第
4級アンモニウム塩を吸着させたカーペット及びその製
造方法が開示されている。しかしながら、シリコーン系
第4級アンモニウム塩は、セルロース系繊維に対しては
反応性を有するので洗濯耐久性の抗菌効果を示すが、合
成繊維に対しては一時的な抗菌効果を示すものしか得ら
れていない。
特に安全性の高い抗菌防カビ材として、シリコーン第4
級アンモニウム塩などが用いられている。例えば、特開
昭57―51874号公報には、オルガノシリコーン第
4級アンモニウム塩を吸着させたカーペット及びその製
造方法が開示されている。しかしながら、シリコーン系
第4級アンモニウム塩は、セルロース系繊維に対しては
反応性を有するので洗濯耐久性の抗菌効果を示すが、合
成繊維に対しては一時的な抗菌効果を示すものしか得ら
れていない。
【0008】また、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンを
溶出する銀、銅、亜鉛等の化合物が抗菌性を有すること
は古くから知られており、例えば硝酸銀の水溶液は、消
毒剤や殺菌剤として広く利用されてきた。しかしなが
ら、溶液状では取扱いの点で不便であり、また用途の点
でも限定される欠点がある。そこで、銀、銅、亜鉛等の
イオン又は塩を高分子体内に保持させるならば、かかる
欠点が克服され広い分野での利用を期待することができ
る。例えば、銀、銅、亜鉛等の金属化合物を重合体中に
混合し繊維とする方法が特開昭54―147220号公
報などに提案されている。また、銀イオン、銅イオンで
イオン交換したゼオライト系固体粒子を有機高分子体に
添加混合する方法が、特開昭59―133235号公報
に提案されている。
溶出する銀、銅、亜鉛等の化合物が抗菌性を有すること
は古くから知られており、例えば硝酸銀の水溶液は、消
毒剤や殺菌剤として広く利用されてきた。しかしなが
ら、溶液状では取扱いの点で不便であり、また用途の点
でも限定される欠点がある。そこで、銀、銅、亜鉛等の
イオン又は塩を高分子体内に保持させるならば、かかる
欠点が克服され広い分野での利用を期待することができ
る。例えば、銀、銅、亜鉛等の金属化合物を重合体中に
混合し繊維とする方法が特開昭54―147220号公
報などに提案されている。また、銀イオン、銅イオンで
イオン交換したゼオライト系固体粒子を有機高分子体に
添加混合する方法が、特開昭59―133235号公報
に提案されている。
【0009】しかし、これらの方法では、金属化合物
が、高分子へ及ぼす影響が大きくて、利用できる範囲が
著しく限定されたり、繊維化工程での生産性、特に紡糸
時の単糸切れ、パックフィルター詰りによるパック寿命
の低下などのトラブルが多くなる問題が発生する。そう
でない場合でも、金属イオンが高分子中に単に含有され
ているだけでは、金属イオンの徐放性が不十分となるた
め、抗菌効果の水準が低く、充分な効果が期待できな
い。
が、高分子へ及ぼす影響が大きくて、利用できる範囲が
著しく限定されたり、繊維化工程での生産性、特に紡糸
時の単糸切れ、パックフィルター詰りによるパック寿命
の低下などのトラブルが多くなる問題が発生する。そう
でない場合でも、金属イオンが高分子中に単に含有され
ているだけでは、金属イオンの徐放性が不十分となるた
め、抗菌効果の水準が低く、充分な効果が期待できな
い。
【0010】また、特開平2―99606号公報で酸化
亜鉛と二酸化ケイ素からなりアモルファス構造であるケ
イ酸亜鉛をポリエステルあるいはポリアミド等に練込む
方法が提案されているが、ポリエステルあるいはポリア
ミドは、臭気透過性が低いので充分な消臭機能効果が期
待できない。更に、糸断面全体に消臭剤を練込んだ場
合、糸中心部の消臭剤は表層部と比較して消臭効果を十
分に発揮できない問題点があった。
亜鉛と二酸化ケイ素からなりアモルファス構造であるケ
イ酸亜鉛をポリエステルあるいはポリアミド等に練込む
方法が提案されているが、ポリエステルあるいはポリア
ミドは、臭気透過性が低いので充分な消臭機能効果が期
待できない。更に、糸断面全体に消臭剤を練込んだ場
合、糸中心部の消臭剤は表層部と比較して消臭効果を十
分に発揮できない問題点があった。
【0011】このような状況から本発明者らは、この問
題の解決のために、鋭意検討した結果、本発明に至った
ものである。
題の解決のために、鋭意検討した結果、本発明に至った
ものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術にお
ける上記の課題を解決したものである。即ち、消臭剤及
び抗菌剤を繊維に添加したときに優れた消臭・抗菌効果
を有し、その洗濯耐久性を維持すると共に繊維の素材特
性を低下させない消臭性繊維を提供することにある。
ける上記の課題を解決したものである。即ち、消臭剤及
び抗菌剤を繊維に添加したときに優れた消臭・抗菌効果
を有し、その洗濯耐久性を維持すると共に繊維の素材特
性を低下させない消臭性繊維を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】ここに本発明は 「(請求項1)芯部が融点200℃以上の熱可塑性ポリ
マー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系
ポリマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性微
粒子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比
率が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜
30nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合
粒子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子
含有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が3
0:70〜70:30であることを特徴とする芯鞘型消
臭性繊維。 (請求項2)芯部が融点200℃以上の熱可塑性ポリマ
ー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系ポ
リマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性微粒
子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比率
が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜3
0nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合粒
子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子含
有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が30:
70〜70:30である芯鞘型消臭性繊維に対し、N―
ポリオキシアルキレン―N,N,N―トリアルキルアン
モニウム塩及びメラミン樹脂を繊維重量に対しそれぞれ
0.01〜1.0重量%被覆せしめてなることを特徴と
する芯鞘型消臭性繊維。」である。
マー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系
ポリマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性微
粒子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比
率が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜
30nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合
粒子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子
含有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が3
0:70〜70:30であることを特徴とする芯鞘型消
臭性繊維。 (請求項2)芯部が融点200℃以上の熱可塑性ポリマ
ー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系ポ
リマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性微粒
子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比率
が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜3
0nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合粒
子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子含
有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が30:
70〜70:30である芯鞘型消臭性繊維に対し、N―
ポリオキシアルキレン―N,N,N―トリアルキルアン
モニウム塩及びメラミン樹脂を繊維重量に対しそれぞれ
0.01〜1.0重量%被覆せしめてなることを特徴と
する芯鞘型消臭性繊維。」である。
【0014】消臭性微粒子とは、酸化亜鉛と二酸化ケイ
素の重量比が1:3〜3:1からなる緊密混合粒子であ
る。好ましくは1:2〜2:1の範囲が望ましい。緊密
混合粒子は、実施的には透過型電子顕微鏡観察による
と、平均一次粒子径が5〜30nm、好ましくは10〜
20nm、凝集平均粒子径は3ミクロン以下、好ましく
は1.0ミクロン以下である。凝集平均粒子径が3ミク
ロンを超えると、溶融紡糸時のパック圧上昇や、断糸の
原因となり好ましくない。
素の重量比が1:3〜3:1からなる緊密混合粒子であ
る。好ましくは1:2〜2:1の範囲が望ましい。緊密
混合粒子は、実施的には透過型電子顕微鏡観察による
と、平均一次粒子径が5〜30nm、好ましくは10〜
20nm、凝集平均粒子径は3ミクロン以下、好ましく
は1.0ミクロン以下である。凝集平均粒子径が3ミク
ロンを超えると、溶融紡糸時のパック圧上昇や、断糸の
原因となり好ましくない。
【0015】本発明の緊密混合粒子が、消臭性能を有す
るメカニズムについては、現時点では不明であるが、塩
基性ガスあるいは酸性ガスに対して、ある種の錯体形成
反応が生じて消臭効果を発揮すると共に、無機微粉末の
表面積増大による物理的吸着効果も発現して、より高度
の消臭性能が発現するものと思われる。
るメカニズムについては、現時点では不明であるが、塩
基性ガスあるいは酸性ガスに対して、ある種の錯体形成
反応が生じて消臭効果を発揮すると共に、無機微粉末の
表面積増大による物理的吸着効果も発現して、より高度
の消臭性能が発現するものと思われる。
【0016】芯鞘型消臭性繊維の鞘部を構成するポリマ
ーは、ポリオレフィン系ポリマーである。例えば、低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの各種ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン―1、ポリ4―メ
チルペンテン―1、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が
挙げられるが、特にポリプロピレンが好適である。
ーは、ポリオレフィン系ポリマーである。例えば、低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの各種ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン―1、ポリ4―メ
チルペンテン―1、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が
挙げられるが、特にポリプロピレンが好適である。
【0017】更に大きな特徴は、芯鞘型消臭性繊維の鞘
部構成ポリマー、つまりポリオレフィン系ポリマー中
に、該緊密混合粒子を含有、分散させ溶融紡糸した糸
を、延伸により分子配向性をアップさせ強度アップをは
かるが、このとき、含有された緊密混合粒子がポリオレ
フィンの分子配向性をミクロ的に阻害し表層のポリマー
内部構造を乱すことにより、消臭機能をより発揮しやす
くすると共に、繊維表層部に消臭剤を集中化させること
により、総合的に優れた消臭性能を発現せしめている点
にある。
部構成ポリマー、つまりポリオレフィン系ポリマー中
に、該緊密混合粒子を含有、分散させ溶融紡糸した糸
を、延伸により分子配向性をアップさせ強度アップをは
かるが、このとき、含有された緊密混合粒子がポリオレ
フィンの分子配向性をミクロ的に阻害し表層のポリマー
内部構造を乱すことにより、消臭機能をより発揮しやす
くすると共に、繊維表層部に消臭剤を集中化させること
により、総合的に優れた消臭性能を発現せしめている点
にある。
【0018】なお、鞘部構成ポリマーに対する緊密混合
粒子の混合比率は、重量比で5〜20重量%である。好
ましくは10〜15重量%である。5重量%未満では十
分な消臭効果を得ることが困難となる。また、20重量
%を越えて添加すると、消臭性能がアップする以上に、
紡糸生産性が悪化するためコストアップとなる。
粒子の混合比率は、重量比で5〜20重量%である。好
ましくは10〜15重量%である。5重量%未満では十
分な消臭効果を得ることが困難となる。また、20重量
%を越えて添加すると、消臭性能がアップする以上に、
紡糸生産性が悪化するためコストアップとなる。
【0019】芯鞘型消臭繊維の芯部を構成する融点20
0℃以上の熱可塑性ポリマーとは、ポリエチレンテレフ
タレート又はポリブチレンテレフタレートを主成分とす
るポリエステル、ナイロン6、ナイロン66又はメタキ
シレンジアミンナイロンを主成分とするポリアミドなど
であり、少量の第3成分を含む共重合ポリアミドでもよ
い。
0℃以上の熱可塑性ポリマーとは、ポリエチレンテレフ
タレート又はポリブチレンテレフタレートを主成分とす
るポリエステル、ナイロン6、ナイロン66又はメタキ
シレンジアミンナイロンを主成分とするポリアミドなど
であり、少量の第3成分を含む共重合ポリアミドでもよ
い。
【0020】芯部と鞘部との構成比は、芯部/鞘部(重
量比)が30/70〜70/30である。好ましくは4
5/55〜55/45である。70/30を越えると鞘
部構成ポリマーの破断が発生しやすくなり、紡糸生産性
が低下する。一方30/70未満では芯部ポリマーが有
する本来の繊維性能が低下する。
量比)が30/70〜70/30である。好ましくは4
5/55〜55/45である。70/30を越えると鞘
部構成ポリマーの破断が発生しやすくなり、紡糸生産性
が低下する。一方30/70未満では芯部ポリマーが有
する本来の繊維性能が低下する。
【0021】更に、当該芯鞘型消臭性繊維に、N―ポリ
オキシアルキレン―N,N,N―トリアルキルアンモニ
ウム塩及びメラミン樹脂を繊維重量に対し、それぞれ
0.01〜1.0重量%被覆せしめる。
オキシアルキレン―N,N,N―トリアルキルアンモニ
ウム塩及びメラミン樹脂を繊維重量に対し、それぞれ
0.01〜1.0重量%被覆せしめる。
【0022】N―ポリオキシアルキレン―N,N,N―
トリアルキルアンモニウム塩(以下第4級アンモニウム
塩化合物という)とは、下記一般式で表わされる化合物
であり、
トリアルキルアンモニウム塩(以下第4級アンモニウム
塩化合物という)とは、下記一般式で表わされる化合物
であり、
【0023】
【化1】
【0024】(式中、R1 は炭素数8〜22のアルキル
基又はアルケニル基、R2 及びR3 は炭素数1〜5のア
ルキル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜
5の整数、Xは対アニオン、mは対アニオンの価数を示
す。)なかでも、対アニオンがアルキルリン酸エステル
アニオン(1価又は2価)のものは耐熱性の低下が少
く、またアニオン界面活性剤との不溶性コンプレックス
を生成することもないので特に好ましく、例えばβ―ヒ
ドロキシエトキシエチルドデシルジメチルアンモニウム
―ジブトキシホスフェート、β―ヒドロキシエトキシエ
チルステアリルジメチルアンモニウム―ビス(2―エチ
ルヘキシル)ホスフェート等が好ましく用いられる。
基又はアルケニル基、R2 及びR3 は炭素数1〜5のア
ルキル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜
5の整数、Xは対アニオン、mは対アニオンの価数を示
す。)なかでも、対アニオンがアルキルリン酸エステル
アニオン(1価又は2価)のものは耐熱性の低下が少
く、またアニオン界面活性剤との不溶性コンプレックス
を生成することもないので特に好ましく、例えばβ―ヒ
ドロキシエトキシエチルドデシルジメチルアンモニウム
―ジブトキシホスフェート、β―ヒドロキシエトキシエ
チルステアリルジメチルアンモニウム―ビス(2―エチ
ルヘキシル)ホスフェート等が好ましく用いられる。
【0025】かかる第4級アンモニウム塩化合物は、従
来多用されている塩化ベンザルコニウムとは異なって、
第4級アンモニウム塩化された置換基中に水酸基を有し
ており、それが併用されるメラミン樹脂と一部反応して
固着作用を奏すると考えられ、その結果抗菌効果の耐久
性が極めて大巾に向上する。また、ベンジルアミノ基を
有していないためと考えられるが、加熱又は光による黄
変といった問題も著しく改善される。しかも本剤は、人
体に対する薬害も小さく、焼却時に有害物質を発生する
こともなく、安全性も極めて高いものである。
来多用されている塩化ベンザルコニウムとは異なって、
第4級アンモニウム塩化された置換基中に水酸基を有し
ており、それが併用されるメラミン樹脂と一部反応して
固着作用を奏すると考えられ、その結果抗菌効果の耐久
性が極めて大巾に向上する。また、ベンジルアミノ基を
有していないためと考えられるが、加熱又は光による黄
変といった問題も著しく改善される。しかも本剤は、人
体に対する薬害も小さく、焼却時に有害物質を発生する
こともなく、安全性も極めて高いものである。
【0026】一方、この第4級アンモニウム塩化合物と
併用されるメラミン樹脂は、通常メラミンとホルマリン
とを反応させることにより製造されるが、本発明におい
ては、繊維に処理した後、加熱することによって皮膜を
形成するものであれば、メラミンとホルマリンとの反応
比率は特に限定する必要はない。
併用されるメラミン樹脂は、通常メラミンとホルマリン
とを反応させることにより製造されるが、本発明におい
ては、繊維に処理した後、加熱することによって皮膜を
形成するものであれば、メラミンとホルマリンとの反応
比率は特に限定する必要はない。
【0027】本発明においては、上記第4級アンモニウ
ム塩化合物とメラミン樹脂とを含有する処理剤を合成繊
維に付与するわけであるが、その際、処理剤中には他の
成分、例えば、乳化剤、平滑剤、帯電防止剤等任意の配
合剤を添加してもよい。
ム塩化合物とメラミン樹脂とを含有する処理剤を合成繊
維に付与するわけであるが、その際、処理剤中には他の
成分、例えば、乳化剤、平滑剤、帯電防止剤等任意の配
合剤を添加してもよい。
【0028】かかる処理剤を付与するには、任意の方法
が採用でき、その時期も繊維形成後であれば任意であ
る。なかでも、製糸・製綿工程で付与する方法が、短繊
維になってから付与するよりも均一付与が可能であり、
工程も簡略化されるので好ましい。特に延伸以降熱処理
前に付与する方法は、温水延伸が可能となるのでより好
ましい。通常は、処理剤を1〜15重量%のエマルジョ
ンとなし、延伸後の繊維に浸漬法、オイリングローラー
法、スプレー法等によって付与する。その付与量は、繊
維重量に対して第4級アンモニウム塩化合物を0.01
〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.10重量%
とする必要がある。この付与量が0.01重量%未満の
場合には、充分な抗菌効果が得られず実用に供すること
ができない。逆に1.0重量%を越える場合では、抗菌
性は十分に達成されるが、付与量を増加する意味がな
く、逆にコストを上昇させたり、繊維の後加工特性を低
下させたりするので好ましくない。
が採用でき、その時期も繊維形成後であれば任意であ
る。なかでも、製糸・製綿工程で付与する方法が、短繊
維になってから付与するよりも均一付与が可能であり、
工程も簡略化されるので好ましい。特に延伸以降熱処理
前に付与する方法は、温水延伸が可能となるのでより好
ましい。通常は、処理剤を1〜15重量%のエマルジョ
ンとなし、延伸後の繊維に浸漬法、オイリングローラー
法、スプレー法等によって付与する。その付与量は、繊
維重量に対して第4級アンモニウム塩化合物を0.01
〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.10重量%
とする必要がある。この付与量が0.01重量%未満の
場合には、充分な抗菌効果が得られず実用に供すること
ができない。逆に1.0重量%を越える場合では、抗菌
性は十分に達成されるが、付与量を増加する意味がな
く、逆にコストを上昇させたり、繊維の後加工特性を低
下させたりするので好ましくない。
【0029】一方反応性メラミン樹脂の付与量は、0.
01〜1.0重量%とする必要があり、この範囲未満で
は、洗濯により抗菌防臭効果の低下が発生するといった
耐久性の問題が発生するし、この範囲を越える場合で
は、得られる繊維の風合が堅くなりすぎて製品用途が制
限されるため好ましくない。
01〜1.0重量%とする必要があり、この範囲未満で
は、洗濯により抗菌防臭効果の低下が発生するといった
耐久性の問題が発生するし、この範囲を越える場合で
は、得られる繊維の風合が堅くなりすぎて製品用途が制
限されるため好ましくない。
【0030】なお、前記第4級アンモニウム塩化合物と
メラミン樹脂との付与量の割合は、前者の量があまりに
少ないと充分な抗菌防臭性能が発現され難く、逆に多い
と皮膜の形成が不充分となって耐久性が低減される傾向
がある。したがって、前者1重量部に対して後者を1〜
5重量部とするのが望ましい。
メラミン樹脂との付与量の割合は、前者の量があまりに
少ないと充分な抗菌防臭性能が発現され難く、逆に多い
と皮膜の形成が不充分となって耐久性が低減される傾向
がある。したがって、前者1重量部に対して後者を1〜
5重量部とするのが望ましい。
【0031】上記の処理剤を付与した後、繊維を熱処理
することによって、処理剤中のメラミン樹脂を繊維上で
皮膜状、ミクロ的には網目状の硬度の大きな皮膜とする
ことができる。かくすることによって、繊維表面上に抗
菌剤成分が固着せしめられる結果、極めて優れた耐久性
を有する抗菌防臭性能が得られるのである。
することによって、処理剤中のメラミン樹脂を繊維上で
皮膜状、ミクロ的には網目状の硬度の大きな皮膜とする
ことができる。かくすることによって、繊維表面上に抗
菌剤成分が固着せしめられる結果、極めて優れた耐久性
を有する抗菌防臭性能が得られるのである。
【0032】かかる熱処理条件は、用いるメラミン樹脂
の種類、反応促進剤の使用の有無、処理する繊維の種類
等によって異なり、一概に特定することはできないが、
あまり低温では長時間を要する上に、皮膜状化も不充分
となって耐久性向上の効果が充分に得られなくなり、逆
にあまりに高温にすると繊維の物性が劣化したり、黄変
が発生したりするので、下記の如き条件が好ましい。す
なわち本発明の場合、鞘部構成ポリマーがポリオレフィ
ン系ポリマーであり、処理温度は100〜140℃、処
理時間は10〜60分間程度とするのが好ましい。最適
熱処理時間は熱処理温度に依存するので、130℃では
20〜25分間程度とするのが、繊維表面上の皮膜形成
状態、及び生産効率の面から望ましい。
の種類、反応促進剤の使用の有無、処理する繊維の種類
等によって異なり、一概に特定することはできないが、
あまり低温では長時間を要する上に、皮膜状化も不充分
となって耐久性向上の効果が充分に得られなくなり、逆
にあまりに高温にすると繊維の物性が劣化したり、黄変
が発生したりするので、下記の如き条件が好ましい。す
なわち本発明の場合、鞘部構成ポリマーがポリオレフィ
ン系ポリマーであり、処理温度は100〜140℃、処
理時間は10〜60分間程度とするのが好ましい。最適
熱処理時間は熱処理温度に依存するので、130℃では
20〜25分間程度とするのが、繊維表面上の皮膜形成
状態、及び生産効率の面から望ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明の芯鞘型消臭性繊維は、優れた消
臭性、抗菌性を有し、かつ高い洗濯耐久性を有する。
臭性、抗菌性を有し、かつ高い洗濯耐久性を有する。
【0034】以下実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中の性能評価は、下記方法に従っ
て測定したものである。
明する。なお、実施例中の性能評価は、下記方法に従っ
て測定したものである。
【0035】(1)抗菌性の測定 供試試料を黄色ブドウ球菌を植種した寒天培地上に置
き、37℃で24時間、菌の培養をおこない、試料周辺
の黄色ブドウ球菌の成育の有無により抗菌効果を判定し
た。 (判定) ○:試料周辺での細菌の生育が認められず、ハローが発
生する。 ×:試料周辺に、ハローが発生しない。
き、37℃で24時間、菌の培養をおこない、試料周辺
の黄色ブドウ球菌の成育の有無により抗菌効果を判定し
た。 (判定) ○:試料周辺での細菌の生育が認められず、ハローが発
生する。 ×:試料周辺に、ハローが発生しない。
【0036】(2)消臭性の測定 消臭性能の測定装置を図1に示す。アンモニアの場合、
アンモニアセンサー1(東亜電波(株)製AE―23
5)とイオンメーター3(東亜電波(株)製IM―I
E)と記録計4を接続し、容器5中のアンモニアガス濃
度の経時変化を読みとる。容器5中に500ppm となる
ようにアンモニアガスを注射器で所定量入れ、その後測
定試料2をセットし、容器中のアンモニア濃度を2時間
放置後測定する方法によった。
アンモニアセンサー1(東亜電波(株)製AE―23
5)とイオンメーター3(東亜電波(株)製IM―I
E)と記録計4を接続し、容器5中のアンモニアガス濃
度の経時変化を読みとる。容器5中に500ppm となる
ようにアンモニアガスを注射器で所定量入れ、その後測
定試料2をセットし、容器中のアンモニア濃度を2時間
放置後測定する方法によった。
【0037】硫化水素の場合、所定容器に、水硫化ナト
リウム、蒸留水、高濃度塩酸を所定量加え、一定量の硫
化水素ガスを発生させ、測定試料を容器中につるし、2
5℃に保存後、フラスコ内のヘッドスペースを北川式ガ
ス検知管を用いて、24時間放置後測定した。
リウム、蒸留水、高濃度塩酸を所定量加え、一定量の硫
化水素ガスを発生させ、測定試料を容器中につるし、2
5℃に保存後、フラスコ内のヘッドスペースを北川式ガ
ス検知管を用いて、24時間放置後測定した。
【0038】(3)洗濯方法 家庭用電気洗濯機を用い、中性洗剤ニュービーズ(花王
株式会社製)2g/lを含有する40℃の水溶液中で5
分間洗濯した後、流水洗を2分間行い、脱水し、さらに
流水洗を2分行い、脱水し、乾燥する。繰返し洗濯は、
上記操作を繰返し行うことにより実施する。
株式会社製)2g/lを含有する40℃の水溶液中で5
分間洗濯した後、流水洗を2分間行い、脱水し、さらに
流水洗を2分行い、脱水し、乾燥する。繰返し洗濯は、
上記操作を繰返し行うことにより実施する。
【0039】(4)熱黄変 供試試料の色調を測色色差計(日本電色(株)製カラー
マシーンΣ80―5Z)を用いて測定し、その黄変度
(b値)を測定した。b値が5未満のものを良(○)、
5以上のものを不可(×)とした。
マシーンΣ80―5Z)を用いて測定し、その黄変度
(b値)を測定した。b値が5未満のものを良(○)、
5以上のものを不可(×)とした。
【0040】
【実施例1〜3、比較例1〜7】酸化亜鉛と二酸化ケイ
素との混合比率が重量比で2:1の緊密混合粒子(SZ
―100;製造元、鈴木総業(株)平均一次粒子径15
nm、凝集平均粒子径1.0μm)を用いて、日本製鋼
所(株)社製の二軸練押出機で、ポリプロピレン系ポリ
マーTG―810(メルトインデックス30、融点15
0℃;昭和電工(株)製)をベースに、混率20重量%
のSZ―100マスターチップを作成した。
素との混合比率が重量比で2:1の緊密混合粒子(SZ
―100;製造元、鈴木総業(株)平均一次粒子径15
nm、凝集平均粒子径1.0μm)を用いて、日本製鋼
所(株)社製の二軸練押出機で、ポリプロピレン系ポリ
マーTG―810(メルトインデックス30、融点15
0℃;昭和電工(株)製)をベースに、混率20重量%
のSZ―100マスターチップを作成した。
【0041】次いで、上記SZ―100マスターチップ
とポリプロピレン系ポリマーTG―180を表1記載の
割合で混合し、鞘部構成ポリマーとした。
とポリプロピレン系ポリマーTG―180を表1記載の
割合で混合し、鞘部構成ポリマーとした。
【0042】芯部構成ポリマーは、極限粘度0.64の
ポリエステルを表1記載の割合で用い、ノズル孔径0.
5mmφ、孔数450ホールの紡糸口金を用い、紡糸温度
(芯/鞘)=300℃/250℃、吐出量400g/mi
n 、引取り速度900m/min で溶融複合紡糸した。
ポリエステルを表1記載の割合で用い、ノズル孔径0.
5mmφ、孔数450ホールの紡糸口金を用い、紡糸温度
(芯/鞘)=300℃/250℃、吐出量400g/mi
n 、引取り速度900m/min で溶融複合紡糸した。
【0043】得られた未延伸糸を70℃温水中で、2.
5倍に延伸した後、125℃で約20分間熱セットした
後、51mmにカット、約4デニールの芯鞘型消臭性繊維
を得た。結果を表1に併せて示す。
5倍に延伸した後、125℃で約20分間熱セットした
後、51mmにカット、約4デニールの芯鞘型消臭性繊維
を得た。結果を表1に併せて示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例1〜3、比較例1〜2は、消臭剤の
添加量と性能との関係を示す。比較例3〜4は、芯部:
鞘部の重量比率と性能との関係を示す。比較例5は、消
臭剤(SZ―100)の粒径と性能との関係、比較例6
はベースポリマーをポリエステルとした場合、比較例7
は芯鞘構造でなく、繊維全体に消臭剤を配合した場合で
ある。
添加量と性能との関係を示す。比較例3〜4は、芯部:
鞘部の重量比率と性能との関係を示す。比較例5は、消
臭剤(SZ―100)の粒径と性能との関係、比較例6
はベースポリマーをポリエステルとした場合、比較例7
は芯鞘構造でなく、繊維全体に消臭剤を配合した場合で
ある。
【0046】
【実施例4】実施例4は抄紙の実施例である。表1に示
す4デニールの芯鞘型消臭性繊維を5mmにカットし、こ
の原綿70部に対し結合材としてのゴムラテックス(日
本ゼオン(株)製:商品名ユニポールLX204)を固
型分として15部、抄紙用助剤としての木材パルプ(山
陽国策パルプ(株)製:NBSP)を15部の割合で水
中で混合した。この混合スラリーに、ラテックス定着剤
として硫酸アルミニウム0.5部を添加し、pHを4.
5にした後、角型抄紙機に送り、通常の方法で目付25
g/m2 の紙を得た。結果を表1に示す(抄紙の消臭性
能)。
す4デニールの芯鞘型消臭性繊維を5mmにカットし、こ
の原綿70部に対し結合材としてのゴムラテックス(日
本ゼオン(株)製:商品名ユニポールLX204)を固
型分として15部、抄紙用助剤としての木材パルプ(山
陽国策パルプ(株)製:NBSP)を15部の割合で水
中で混合した。この混合スラリーに、ラテックス定着剤
として硫酸アルミニウム0.5部を添加し、pHを4.
5にした後、角型抄紙機に送り、通常の方法で目付25
g/m2 の紙を得た。結果を表1に示す(抄紙の消臭性
能)。
【0047】
【実施例5〜11、比較例8〜17】実施例1におい
て、溶融複合紡糸して得られた未延伸糸を70℃の温水
中で2.5倍に延伸した後、第4級アンモニウム塩化合
物として、
て、溶融複合紡糸して得られた未延伸糸を70℃の温水
中で2.5倍に延伸した後、第4級アンモニウム塩化合
物として、
【0048】
【化2】
【0049】メラミン樹脂として三井東圧(株)製メラ
ミン樹脂(ユラミンT―33)を用い、表2記載の割合
で第4級アンモニウム塩化合物とメラミン樹脂とを混合
した処理液の浴に浸漬処理し、全付着量が0.20重量
%となるようにクリンパーで絞ると同時に捲縮を付与し
た。次いで表2記載の条件で熱処理を施し、51mmの長
さにカットしてポリエステル短繊維(単繊維繊度4デニ
ール)を得た。その際のポリマー構成、芯鞘断面比率、
処理剤付与量及び熱処理条件について表2に示す。
ミン樹脂(ユラミンT―33)を用い、表2記載の割合
で第4級アンモニウム塩化合物とメラミン樹脂とを混合
した処理液の浴に浸漬処理し、全付着量が0.20重量
%となるようにクリンパーで絞ると同時に捲縮を付与し
た。次いで表2記載の条件で熱処理を施し、51mmの長
さにカットしてポリエステル短繊維(単繊維繊度4デニ
ール)を得た。その際のポリマー構成、芯鞘断面比率、
処理剤付与量及び熱処理条件について表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】得られた短繊維をカードに通し、目付10
0g/m2 のウェブを作成し、ニードルパンチ加工を施
して不織布を得た。この不織布を前記の方法に従って評
価した。結果を表3に示す。
0g/m2 のウェブを作成し、ニードルパンチ加工を施
して不織布を得た。この不織布を前記の方法に従って評
価した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】なお、第4級アンモニウム塩化合物とし
て、本発明外の塩化ベンザルコニウム(A)あるいは下
記の第4級アンモニウム塩化されたトリメトキシシラン
(シリコン系第4級アンモニウム塩;(B))を用いた
場合(比較例11〜12)の結果もあわせて表3に示
す。
て、本発明外の塩化ベンザルコニウム(A)あるいは下
記の第4級アンモニウム塩化されたトリメトキシシラン
(シリコン系第4級アンモニウム塩;(B))を用いた
場合(比較例11〜12)の結果もあわせて表3に示
す。
【0054】
【化3】
【0055】以下、実施例5〜11、比較例8〜19を
表2、表3に示す。実施例5〜9及び比較例8〜12
は、抗菌剤及びメラミン樹脂の処理条件と抗菌洗濯耐久
性の関係を示す。
表2、表3に示す。実施例5〜9及び比較例8〜12
は、抗菌剤及びメラミン樹脂の処理条件と抗菌洗濯耐久
性の関係を示す。
【0056】実施例5,10,11及び比較例13〜1
7は、消臭剤の添加量及び芯鞘比率と消臭性能及び生産
性等との関係を示す。
7は、消臭剤の添加量及び芯鞘比率と消臭性能及び生産
性等との関係を示す。
【0057】比較例17は、ポリエステルをベースポリ
マーとして鞘部に消臭剤を練り込んだ場合、比較例18
は全体に消臭剤を同じ量練り込んだときの消臭性能を示
す。
マーとして鞘部に消臭剤を練り込んだ場合、比較例18
は全体に消臭剤を同じ量練り込んだときの消臭性能を示
す。
【図1】消臭性能測定装置の概略図(側面図)
1 センサー 2 測定試料(消臭繊維構造物) 3 イオンメーター 4 記録計 5 容器
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/14 Z 7199−3B D06M 13/463 D21H 15/10 27/00 // D06M 101:18 7199−3B D21H 5/22 C 7199−3B D
Claims (2)
- 【請求項1】 芯部が融点200℃以上の熱可塑性ポリ
マー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系
ポリマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性微
粒子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比
率が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜
30nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合
粒子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子
含有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が3
0:70〜70:30であることを特徴とする芯鞘型消
臭性繊維。 - 【請求項2】 芯部が融点200℃以上の熱可塑性ポリ
マー、鞘部が消臭性微粒子を含有するポリオレフィン系
ポリマーからなる芯鞘型消臭性繊維において、消臭性部
粒子が酸化亜鉛と二酸化ケイ素とからなり、その混合比
率が1:3〜3:1、混合粒子の平均一次粒子径が5〜
30nm、凝集平均粒子径が3μm以下である緊密混合
粒子であり、ポリオレフィン系ポリマーの緊密混合粒子
含有率が5〜20重量%、鞘部:芯部の重量比率が3
0:70〜70:30である芯鞘型消臭性繊維に対し、
N―ポリオキシアルキレン―N,N,N―トリアルキル
アンモニウム塩及びメラミン樹脂を繊維重量に対しそれ
ぞれ0.01〜1.0重量%被覆せしめてなることを特
徴とする芯鞘型消臭性繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4019946A JPH05222614A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 芯鞘型消臭性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4019946A JPH05222614A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 芯鞘型消臭性繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05222614A true JPH05222614A (ja) | 1993-08-31 |
Family
ID=12013375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4019946A Pending JPH05222614A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 芯鞘型消臭性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05222614A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10219520A (ja) * | 1997-02-06 | 1998-08-18 | Kuraray Co Ltd | 消臭性能に優れた繊維 |
CN100436668C (zh) * | 2005-06-01 | 2008-11-26 | 张洪泽 | 除臭纤维及其制备方法 |
CN104499089A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-04-08 | 滨州东方地毯有限公司 | 一种改性丙纶纤维及其制备方法 |
KR20150043608A (ko) * | 2013-10-11 | 2015-04-23 | 재단법인대구경북과학기술원 | 항균 기능과 자외선 차단 기능을 가지는 섬유 및 이의 제조방법 |
CN108138375A (zh) * | 2015-10-14 | 2018-06-08 | 株式会社普利司通 | 橡胶加强用纤维、橡胶-纤维复合体和使用其的充气轮胎 |
JP2021512228A (ja) * | 2018-02-05 | 2021-05-13 | ザ・ボード・オブ・トラスティーズ・オブ・ザ・リーランド・スタンフォード・ジュニア・ユニバーシティ | 受動的放射性屋外個人冷却用のスペクトル選択的織物 |
JP2021535964A (ja) * | 2018-08-31 | 2021-12-23 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 臭気制御成分を有する繊維 |
-
1992
- 1992-02-05 JP JP4019946A patent/JPH05222614A/ja active Pending
Cited By (9)
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US11925226B2 (en) | 2018-02-05 | 2024-03-12 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Spectrally selective textile for passive radiative outdoor personal cooling |
JP2021535964A (ja) * | 2018-08-31 | 2021-12-23 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 臭気制御成分を有する繊維 |
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