JP2001226585A - 酸素捕捉性組成物 - Google Patents
酸素捕捉性組成物Info
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- JP2001226585A JP2001226585A JP2000330302A JP2000330302A JP2001226585A JP 2001226585 A JP2001226585 A JP 2001226585A JP 2000330302 A JP2000330302 A JP 2000330302A JP 2000330302 A JP2000330302 A JP 2000330302A JP 2001226585 A JP2001226585 A JP 2001226585A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 特定のポリアミドと遷移金属化合物に特定割
合のリン化合物を配合した酸素捕捉性に優れている樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属
化合物、及びリン化合物から成る樹脂組成物であって、
当該キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配
合割合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍで
あることを特徴とする酸素捕捉性樹脂組成物。
合のリン化合物を配合した酸素捕捉性に優れている樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属
化合物、及びリン化合物から成る樹脂組成物であって、
当該キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配
合割合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍで
あることを特徴とする酸素捕捉性樹脂組成物。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は酸素捕捉性組成物、及び
酸素捕捉性シートに関するものであり、有機物の酸化防
止、あるいは腐敗防止、包装材等、種々の分野で利用で
きる。
酸素捕捉性シートに関するものであり、有機物の酸化防
止、あるいは腐敗防止、包装材等、種々の分野で利用で
きる。
【０００２】
【従来の技術】空気中に存在する酸素が金属を酸化した
り、有機物を酸化、劣化させることは良く知られてい
る。これらの障害を防ぐ手段としては、例えば、有機物
の場合であれば、フェノール化合物、アミン化合物、硫
黄化合物などのいわゆる、酸化防止剤を添加する方法が
よく知られている。一方、金属の酸化を防ぐ方法として
は、金属表面を酸化され難い他の金属、有機高分子材
料、例えば、塗料、プラスチックスフィルムなどで被覆
することによって、物理的に水や酸素を遮断する方法、
よりイオン化傾向の大きい金属で被覆して保護する方法
などがとられている。
り、有機物を酸化、劣化させることは良く知られてい
る。これらの障害を防ぐ手段としては、例えば、有機物
の場合であれば、フェノール化合物、アミン化合物、硫
黄化合物などのいわゆる、酸化防止剤を添加する方法が
よく知られている。一方、金属の酸化を防ぐ方法として
は、金属表面を酸化され難い他の金属、有機高分子材
料、例えば、塗料、プラスチックスフィルムなどで被覆
することによって、物理的に水や酸素を遮断する方法、
よりイオン化傾向の大きい金属で被覆して保護する方法
などがとられている。
【０００３】上記目的のため使用されているプラスチッ
クスフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ塩化ビニールなどがそれぞれ、単独あるいは組合せで
用いられている。また、特開平２−５００８４６号公報
において、酸素を遮蔽するための高分子材料、特に酸化
を受けやすい高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮蔽
効果を高める方法も提案されている。一方、特定の金属
が酸素によって酸化されやすいことを利用して、これら
金属を粉末状にして酸素透過性の低い材料でつくられた
容器に入れて食品の保存、防虫、防黴などの目的に利用
されている。また、同様な目的に、特定のグリコ−ルと
アルカリ性化合物および遷移金属化合物からなる脱酸素
剤も提案されている。
クスフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ塩化ビニールなどがそれぞれ、単独あるいは組合せで
用いられている。また、特開平２−５００８４６号公報
において、酸素を遮蔽するための高分子材料、特に酸化
を受けやすい高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮蔽
効果を高める方法も提案されている。一方、特定の金属
が酸素によって酸化されやすいことを利用して、これら
金属を粉末状にして酸素透過性の低い材料でつくられた
容器に入れて食品の保存、防虫、防黴などの目的に利用
されている。また、同様な目的に、特定のグリコ−ルと
アルカリ性化合物および遷移金属化合物からなる脱酸素
剤も提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、種々の
産業分野における、酸素によってもたらされる障害を防
ぐ数多くの手段が実用化され、提案されているが、それ
ぞれ、解決すべき課題を有する。
産業分野における、酸素によってもたらされる障害を防
ぐ数多くの手段が実用化され、提案されているが、それ
ぞれ、解決すべき課題を有する。
【０００５】一方、食品を中心とする酸化劣化や細菌、
黴などの発生を防ぐ目的で酸素バリヤー性容器に鉄粉を
主剤にした脱酸素剤を存在させて容器内を無酸素状態に
する方法も知られているが、バリヤー材の酸素遮蔽効果
が充分でないとか、脱酸素剤については水の併用が不可
欠であるほか鉄粉による内容物の汚染が問題になる場合
がある。特開平２−５００８４６号公報における特に酸
化を受けやすい高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮
蔽効果を高める方法は使用目的によっては、酸素の捕捉
性能が十分でないという問題点がある。本発明は上記従
来技術の課題を解決することのできる酸素吸収能に優れ
た組成物を提供するものである。
黴などの発生を防ぐ目的で酸素バリヤー性容器に鉄粉を
主剤にした脱酸素剤を存在させて容器内を無酸素状態に
する方法も知られているが、バリヤー材の酸素遮蔽効果
が充分でないとか、脱酸素剤については水の併用が不可
欠であるほか鉄粉による内容物の汚染が問題になる場合
がある。特開平２−５００８４６号公報における特に酸
化を受けやすい高分子材料に金属触媒を添加して酸素遮
蔽効果を高める方法は使用目的によっては、酸素の捕捉
性能が十分でないという問題点がある。本発明は上記従
来技術の課題を解決することのできる酸素吸収能に優れ
た組成物を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の如き
課題を解決すべく酸素捕捉性樹脂組成物について鋭意研
究した結果、特定のポリアミドと遷移金属化合物に特定
割合のリン化合物を配合した樹脂組成物が著しく酸素捕
捉性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
課題を解決すべく酸素捕捉性樹脂組成物について鋭意研
究した結果、特定のポリアミドと遷移金属化合物に特定
割合のリン化合物を配合した樹脂組成物が著しく酸素捕
捉性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
【０００７】すなわち、本発明は、キシリレン基含有ポ
リアミド、遷移金属化合物、及びリン化合物から成る樹
脂組成物であって、当該キシリレン基含有ポリアミドに
対しリン化合物の配合割合がリンとして１５０〜１０，
０００質量ｐｐｍであることを特徴とする酸素捕捉性樹
脂組成物、当該樹脂組成物を成形して得たシート状成形
物、及び当該樹脂組成物を成形して得た酸素バリヤー性
容器並びに、キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属化
合物、及びリン化合物からなる樹脂組成物であって、当
該キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配合
割合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍであ
る組成物をシール袋内にいれて袋内の酸素を吸収する酸
素吸収方法に関するものである。
リアミド、遷移金属化合物、及びリン化合物から成る樹
脂組成物であって、当該キシリレン基含有ポリアミドに
対しリン化合物の配合割合がリンとして１５０〜１０，
０００質量ｐｐｍであることを特徴とする酸素捕捉性樹
脂組成物、当該樹脂組成物を成形して得たシート状成形
物、及び当該樹脂組成物を成形して得た酸素バリヤー性
容器並びに、キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属化
合物、及びリン化合物からなる樹脂組成物であって、当
該キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配合
割合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍであ
る組成物をシール袋内にいれて袋内の酸素を吸収する酸
素吸収方法に関するものである。
【０００８】本発明で用いられるキシリレン基含有ポリ
アミドとは、メタキシリレンジアミン又はパラキシリレ
ンジアミンと有機ジカルボン酸、例えば、アジピン酸、
セバシン酸、ダイマー酸などを重縮合して得られるポリ
アミドである。
アミドとは、メタキシリレンジアミン又はパラキシリレ
ンジアミンと有機ジカルボン酸、例えば、アジピン酸、
セバシン酸、ダイマー酸などを重縮合して得られるポリ
アミドである。
【０００９】本発明で用いられる遷移金属化合物として
は、コバルト、マンガン、銅、鉄、ニッケル、ロジウム
等の遷移金属の酢酸塩、ステアリン酸塩、ナフテン酸塩
等のモノカルボン酸、ジカルボン酸、及びキレート化合
物などが挙げられる。上記の中でも好ましい遷移金属化
合物は、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト、アセチ
ルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、酢酸マンガ
ンである。これらの遷移金属化合物は一種もしくは二種
以上併用することができ、全樹脂組成物に対して金属成
分として１〜１０，０００質量ｐｐｍの範囲、好ましく
は、１０〜１，０００質量ｐｐｍの範囲で添加される。
は、コバルト、マンガン、銅、鉄、ニッケル、ロジウム
等の遷移金属の酢酸塩、ステアリン酸塩、ナフテン酸塩
等のモノカルボン酸、ジカルボン酸、及びキレート化合
物などが挙げられる。上記の中でも好ましい遷移金属化
合物は、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト、アセチ
ルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、酢酸マンガ
ンである。これらの遷移金属化合物は一種もしくは二種
以上併用することができ、全樹脂組成物に対して金属成
分として１〜１０，０００質量ｐｐｍの範囲、好ましく
は、１０〜１，０００質量ｐｐｍの範囲で添加される。
【００１０】本発明で用いられるリン化合物としては、
リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩が挙げられる。具
体例としてはリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン
酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜リン酸
ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウ
ム、次亜リン酸カリウム、リン酸鉄などが挙げられる。
これらリン化合物はそれぞれ一種もしくは二種以上併用
することが出来、全樹脂組成物に対してリン成分として
１５０〜１０，０００質量ｐｐｍ、好ましくは１５０〜
１，０００質量ｐｐｍの範囲で添加される。
リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩が挙げられる。具
体例としてはリン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン
酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜リン酸
ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウ
ム、次亜リン酸カリウム、リン酸鉄などが挙げられる。
これらリン化合物はそれぞれ一種もしくは二種以上併用
することが出来、全樹脂組成物に対してリン成分として
１５０〜１０，０００質量ｐｐｍ、好ましくは１５０〜
１，０００質量ｐｐｍの範囲で添加される。
【００１１】本発明の酸素捕捉性樹脂組成物をポリプロ
ピレン、ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレ
ン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリ−４−メチルペ
ンテン−１等のポリオレフィン、ナイロン６、ナイロン
６６等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ール、ポリビニルアセテート等の熱可塑性樹脂、又は、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不法和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂に配
合して使用することもでき、更に本発明の組成物中に酸
素との接触性、流動性の向上を図るため、及び液体の担
体として種々の無機・有機化合物を配合して使用するこ
とができる。
ピレン、ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレ
ン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリ−４−メチルペ
ンテン−１等のポリオレフィン、ナイロン６、ナイロン
６６等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ール、ポリビニルアセテート等の熱可塑性樹脂、又は、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不法和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂に配
合して使用することもでき、更に本発明の組成物中に酸
素との接触性、流動性の向上を図るため、及び液体の担
体として種々の無機・有機化合物を配合して使用するこ
とができる。
【００１２】本発明において使用される遷移金属化合物
およびリン化合物はキシリレン基含有ポリアミドに混合
して共存させることが必要であり、以下にその製造方法
を例示するがこれらの方法に限定されるものではない。
本発明における組成物の調製方法は組成物の性状によっ
て若干異なるが、基本的には、遷移金属化合物およびり
ん化合物の添加は別々であっても、それぞれ単独であっ
ても良く、また、その添加順序も任意に選べる。例え
ば、キシリレン基含有ポリアミドに遷移金属化合物およ
びリン化合物を両樹脂の溶融温度以下で混合（ドライブ
レンド）した後、押出機、ニーダー等により溶融混合す
ることも可能である。但し、遷移金属化合物および／も
しくはリン化合物をキシリレン基含有ポリアミド以外の
他の熱可塑性樹脂に予め溶融混練した後、キシリレン基
含有ポリアミドと溶融混練することは両樹脂が十分に混
合し難いため適当ではない。
およびリン化合物はキシリレン基含有ポリアミドに混合
して共存させることが必要であり、以下にその製造方法
を例示するがこれらの方法に限定されるものではない。
本発明における組成物の調製方法は組成物の性状によっ
て若干異なるが、基本的には、遷移金属化合物およびり
ん化合物の添加は別々であっても、それぞれ単独であっ
ても良く、また、その添加順序も任意に選べる。例え
ば、キシリレン基含有ポリアミドに遷移金属化合物およ
びリン化合物を両樹脂の溶融温度以下で混合（ドライブ
レンド）した後、押出機、ニーダー等により溶融混合す
ることも可能である。但し、遷移金属化合物および／も
しくはリン化合物をキシリレン基含有ポリアミド以外の
他の熱可塑性樹脂に予め溶融混練した後、キシリレン基
含有ポリアミドと溶融混練することは両樹脂が十分に混
合し難いため適当ではない。
【００１３】本発明の酸素捕捉性組成物は、シート状に
成形して使用することができ、同様に種々の成形方法に
より酸素バリヤー性容器に成形して使用することもでき
る。又、本発明は、本発明の酸素捕捉性組成物をシール
袋内にいれて袋内の酸素を吸収する方法にも使用するこ
とができる。この場合、当該組成物をシート状に成形し
て使用することもできる。以下に本発明の特徴および効
果を実施例をもって示す。
成形して使用することができ、同様に種々の成形方法に
より酸素バリヤー性容器に成形して使用することもでき
る。又、本発明は、本発明の酸素捕捉性組成物をシール
袋内にいれて袋内の酸素を吸収する方法にも使用するこ
とができる。この場合、当該組成物をシート状に成形し
て使用することもできる。以下に本発明の特徴および効
果を実施例をもって示す。
【００１４】実施例 1 ポリメタキシリレンアジパミド（以下、ＮＭＸＤ６とい
う、相対粘度：２．０）のペレットと次亜リン酸ナトリ
ウム１水和物をＮＭＸＤ６中のリン濃度で２３０ｐｐｍ
になるように混合、溶融し、２６０〜２７０℃の温度条
件下で押出しを行うことにより再度ペレット化した。次
いで、リンを含むＮＭＸＤ６のペレット２５質量部とス
テアリン酸コバルト、および低密度ポリエチレン( 日本
石油化学（株）製、商品名 :三井日石ポリエチレン、グ
レードＦ４１）７５質量部を、全樹脂量（以下、シート
中という）を基準にしたコバルトの濃度が２００質量ｐ
ｐｍになるような割合で混合し、押出し機（東洋精機
（株) 製、型式：ラボプラストミル、シリンダー直径：
２０ｍｍ、スクリュウ形状: フルフライト、単軸）を用
いて、２６０〜２７０℃の温度でシート化した。
う、相対粘度：２．０）のペレットと次亜リン酸ナトリ
ウム１水和物をＮＭＸＤ６中のリン濃度で２３０ｐｐｍ
になるように混合、溶融し、２６０〜２７０℃の温度条
件下で押出しを行うことにより再度ペレット化した。次
いで、リンを含むＮＭＸＤ６のペレット２５質量部とス
テアリン酸コバルト、および低密度ポリエチレン( 日本
石油化学（株）製、商品名 :三井日石ポリエチレン、グ
レードＦ４１）７５質量部を、全樹脂量（以下、シート
中という）を基準にしたコバルトの濃度が２００質量ｐ
ｐｍになるような割合で混合し、押出し機（東洋精機
（株) 製、型式：ラボプラストミル、シリンダー直径：
２０ｍｍ、スクリュウ形状: フルフライト、単軸）を用
いて、２６０〜２７０℃の温度でシート化した。
【００１５】得られたＮＭＸＤ６、リン化合物、コバル
ト化合物およびポリエチレンからなる厚さ４００μｍの
シートを、幅１２０ｍｍ、長さ１５０ｍｍに切り取っ
た。上記切り取った５枚のシートをヒートシール層を有
する長さ２５０ｍｍ、幅２００ｍｍの３方シール袋（内
層：ポリエチレン、外層：アルミ箔）に入れ、袋内の空
気量を２５０ｍｌに調整した後、袋の一方をシールし
た。２３℃の温度条件下で３０日経過後に袋内の気体を
注射器でサンプリングし、酸素濃度計（東レエンジニア
リング（株）製、型式：ＬＣ−７００Ｆ）で袋内の酸素
濃度を測定した。尚、酸素吸収量（ｍｌ／ｍ2 ）の計算
は、以下の方法によった。 酸素吸収量＝〔Ｖ1 ×（Ｃ1 −Ｃ2 ）〕／〔（１−
Ｃ2 ）×Ｓ〕 但し、Ｖ1 ：初期空気量（ｍｌ） Ｃ1 ：初期酸素濃度（０．２０５ｍｌ／ｍｌ） Ｃ2 ：一定時間後の酸素濃度（ｍｌ／ｍｌ） Ｓ ：シート表面積（ｍ2 ） 表１に３０日後の酸素濃度とシートの酸素吸収量を示
す。
ト化合物およびポリエチレンからなる厚さ４００μｍの
シートを、幅１２０ｍｍ、長さ１５０ｍｍに切り取っ
た。上記切り取った５枚のシートをヒートシール層を有
する長さ２５０ｍｍ、幅２００ｍｍの３方シール袋（内
層：ポリエチレン、外層：アルミ箔）に入れ、袋内の空
気量を２５０ｍｌに調整した後、袋の一方をシールし
た。２３℃の温度条件下で３０日経過後に袋内の気体を
注射器でサンプリングし、酸素濃度計（東レエンジニア
リング（株）製、型式：ＬＣ−７００Ｆ）で袋内の酸素
濃度を測定した。尚、酸素吸収量（ｍｌ／ｍ2 ）の計算
は、以下の方法によった。 酸素吸収量＝〔Ｖ1 ×（Ｃ1 −Ｃ2 ）〕／〔（１−
Ｃ2 ）×Ｓ〕 但し、Ｖ1 ：初期空気量（ｍｌ） Ｃ1 ：初期酸素濃度（０．２０５ｍｌ／ｍｌ） Ｃ2 ：一定時間後の酸素濃度（ｍｌ／ｍｌ） Ｓ ：シート表面積（ｍ2 ） 表１に３０日後の酸素濃度とシートの酸素吸収量を示
す。
【００１６】実施例２ 次亜リン酸ナトリウム１水和物をＮＭＸＤ６中のリン濃
度で２３０質量ｐｐｍ含むＮＭＸＤ６のペレット５０質
量部とアセチルアセトン鉄、および低密度ポリエチレン
( 日本石油化学（株）製、商品名 :三井日石ポリエチレ
ン、グレードＦ４１）５０質量部を、シート中の鉄濃度
が１９０質量ｐｐｍになるような割合で配合し、押出し
機を用いて、実施例１と同様な方法で２６０〜２７０℃
の温度条件でシート化した。得られたＮＭＸＤ６、リン
化合物、鉄化合物およびポリエチレンからなるシートに
ついて、実施例１と同様な方法によりシートの酸素吸収
性を調べた。測定結果を表2 に示す。
度で２３０質量ｐｐｍ含むＮＭＸＤ６のペレット５０質
量部とアセチルアセトン鉄、および低密度ポリエチレン
( 日本石油化学（株）製、商品名 :三井日石ポリエチレ
ン、グレードＦ４１）５０質量部を、シート中の鉄濃度
が１９０質量ｐｐｍになるような割合で配合し、押出し
機を用いて、実施例１と同様な方法で２６０〜２７０℃
の温度条件でシート化した。得られたＮＭＸＤ６、リン
化合物、鉄化合物およびポリエチレンからなるシートに
ついて、実施例１と同様な方法によりシートの酸素吸収
性を調べた。測定結果を表2 に示す。
【００１７】比較例１ 実施例１で得られたリン化合物を混合する前のＮＭＸＤ
６のペレット２５重量部とステアリン酸コバルトおよび
低密度ポリエチレン( 日本石油化学（株）製、商品名 :
三井日石ポリエチレン、グレードＦ４１）７５重量部
を、シート中のコバルトの濃度が２００質量ｐｐｍにな
るような割合で混合し、実施例１と同様の方法で、２６
０〜２７０℃の温度条件でシート化した。得られたＮＭ
ＸＤ６、コバルト化合物およびポリエチレンからなる厚
さ４００μｍのシートを幅１２０ｍｍ、長さ１５０ｍｍ
のサイズに切り取った。上記シートを、ヒートシール層
を有する長さ２５０ｍｍ、幅２００ｍｍの３方シール袋
（内層：ポリエチレン、外層：アルミ箔）に入れ、袋内
の空気量を２５０ｍｌに調整した後、袋の一方をシール
した。３０日後に袋内の気体を注射器でサンプリング
し、酸素濃度計で酸素濃度を測定した。表１に３０日後
の袋内の酸素濃度とシートの酸素吸収量を示す。表１か
ら、このシートは酸素の吸収量が極めて少ないことがわ
かる。
６のペレット２５重量部とステアリン酸コバルトおよび
低密度ポリエチレン( 日本石油化学（株）製、商品名 :
三井日石ポリエチレン、グレードＦ４１）７５重量部
を、シート中のコバルトの濃度が２００質量ｐｐｍにな
るような割合で混合し、実施例１と同様の方法で、２６
０〜２７０℃の温度条件でシート化した。得られたＮＭ
ＸＤ６、コバルト化合物およびポリエチレンからなる厚
さ４００μｍのシートを幅１２０ｍｍ、長さ１５０ｍｍ
のサイズに切り取った。上記シートを、ヒートシール層
を有する長さ２５０ｍｍ、幅２００ｍｍの３方シール袋
（内層：ポリエチレン、外層：アルミ箔）に入れ、袋内
の空気量を２５０ｍｌに調整した後、袋の一方をシール
した。３０日後に袋内の気体を注射器でサンプリング
し、酸素濃度計で酸素濃度を測定した。表１に３０日後
の袋内の酸素濃度とシートの酸素吸収量を示す。表１か
ら、このシートは酸素の吸収量が極めて少ないことがわ
かる。
【００１８】
【本発明の効果】本発明のキシリレン基含有ポリアミ
ド、遷移金属化合物、及びリン化合物からなる酸素捕捉
性樹脂組成物を使用することにより、従来知られていた
酸素捕捉性樹脂組成物の酸素捕捉性能を大幅に増加させ
ることができ、酸素による金属の発錆防止、有機物の酸
化防止、あるいは腐敗防止、防虫、防黴などを必要とす
る広い分野で利用可能となった。
ド、遷移金属化合物、及びリン化合物からなる酸素捕捉
性樹脂組成物を使用することにより、従来知られていた
酸素捕捉性樹脂組成物の酸素捕捉性能を大幅に増加させ
ることができ、酸素による金属の発錆防止、有機物の酸
化防止、あるいは腐敗防止、防虫、防黴などを必要とす
る広い分野で利用可能となった。
【００１９】 表１実施例・比較例番号 実施例１ 実施例２ 比較例１ シート中の遷移金属濃度 コバルト濃度（質量ｐｐｍ） ２００ − ２００ 鉄濃度（質量ｐｐｍ） − １９０ − ＮＭＸＤ６中のリン濃度（質量ｐｐｍ） ２３０ ２３０ − 袋内酸素濃度（％） ２．１ １１．２ ２０．３ シートの酸素吸収量（ｍｌ／ｍ 2 ） ２６０ １４３ ３
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０８Ｋ 3/32 Ｃ０８Ｋ 5/098 5/098 Ｂ０１Ｊ 20/26 Ａ // Ｂ０１Ｊ 20/26 Ｂ６５Ｄ 1/00 Ａ (72)発明者 関 喜位郎 東京都千代田区丸の内二丁目５番２号 三 菱瓦斯化学株式会社内 (72)発明者 西村 敏秋 神奈川県平塚市東八幡５丁目６番２号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内
Claims (9)
- 【請求項１】 キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属
化合物、及びリン化合物から成る樹脂組成物であって、
当該キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配
合割合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍで
あることを特徴とする酸素捕捉性樹脂組成物。 - 【請求項２】 キシリレン基含有ポリアミドがポリメタ
キシリレンアジパドである請求項１記載の酸素捕捉性樹
脂組成物。 - 【請求項３】 リン化合物が次亜リン酸塩、亜リン酸
塩、リン酸塩の少なくとも１種以上である請求項１又は
２に記載の酸素捕捉性樹脂組成物。 - 【請求項４】 遷移金属化合物の少なくとも１種がコバ
ルト化合物又は鉄化合物である請求項１又は２のいずれ
かに記載の酸素捕捉性樹脂組成物。 - 【請求項５】 遷移金属化合物の配合割合が樹脂組成物
中の遷移金属成分として１〜１０，０００質量ｐｐｍで
ある請求項１又は２に記載の酸素捕捉性樹脂組成物。 - 【請求項６】 キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属
化合物、及びリン化合物から成る組成物であって、当該
キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配合割
合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍである
酸素捕捉性樹脂組成物を成形して得たシート状成形物。 - 【請求項７】 キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属
化合物、及びリン化合物から成る組成物であって、当該
キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配合割
合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍである
酸素捕捉性樹脂組成物を成形した得た酸素バリヤー性容
器。 - 【請求項８】 キシリレン基含有ポリアミド、遷移金属
化合物、及びリン化合物からなる樹脂組成物であって、
当該キシリレン基含有ポリアミドに対しリン化合物の配
合割合がリンとして１５０〜１０，０００質量ｐｐｍで
ある組成物をシール袋内にいれて袋内の酸素を吸収する
酸素吸収方法。 - 【請求項９】 樹脂組成物がシート状に成形したもので
ある請求項８に記載の酸素吸収方法。
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