JP2003327715A - 成形品の保存方法 - Google Patents

成形品の保存方法

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JP2003327715A JP2002141431A JP2002141431A JP2003327715A JP 2003327715 A JP2003327715 A JP 2003327715A JP 2002141431 A JP2002141431 A JP 2002141431A JP 2002141431 A JP2002141431 A JP 2002141431A JP 2003327715 A JP2003327715 A JP 2003327715A
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Ryoji Otaki
良二 大滝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を利用してな
る各種成形品をさらに後加工するまでの期間、もしくは
食品等の被保存物を充填するまでの期間に成形品の酸素
吸収能力を低下させることなく、長期間にわたり該成形
品を保存する方法を提供する。 【解決手段】元素周期律表の第VIII族の遷移金属、マン
ガン、銅及び亜鉛から選択された一種以上の金属原子を
含む酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を利用してなる成
形品の保存方法であって、該成形品を金属箔または金属
板を利用してなる包装材料および/または包装容器を使
用して包装体とし、密封保存することを特徴とする成形
品の保存方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形品の保存方法
に関する。詳しくは、酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物
を利用してなる成形品の保存方法であり、長期間にわた
り該成形品の酸素吸収機能や機械物性を低下させること
なく、品質を保持することが可能な成形品の保存方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】外部からの酸素の侵入を遮断し、内容物
の保存性に優れる包装容器として従来使用されていた金
属缶やガラス瓶は、加工性やコストの面から酸素バリア
性熱可塑性樹脂を利用したプラスチック製の包装容器へ
の代替がすすめられている。酸素バリア性熱可塑性樹脂
としては、酸素や炭酸ガス等のガス状物質に対して低い
透過性を有し、かつ加工が容易であり、更に透明で機械
的な強度が十分であることから、特にエチレン−ビニル
アルコール共重合体やメタキシリレンジアミンを主成分
とするジアミン成分とアジピン酸を主成分とするジカル
ボン酸成分との重縮合反応から得られるポリアミド(以
下ナイロンMXD6と略する)が広く利用されている。
しかしながら金属やガラスで構成された包装容器が容器
外部から容器内部へのガス透過が実質的にゼロであるの
に対して、酸素バリア性熱可塑性樹脂を利用して構成さ
れた包装容器の場合は容器外部から容器内部へのガス透
過が無視できないレベルで生じ、かつ包装容器が保存さ
れる環境によってはガス透過量が増大する傾向があるた
め、従来の金属缶やガラス瓶と比較して内容物の長期保
存性については課題があった。
【0003】近年、ナイロンMXD6に少量の遷移金属
化合物を添加、混合してナイロンMXD6に酸素吸収機
能を付与し、これを容器や包装材料を構成する酸素バリ
ア材料として利用することで、容器外部から透過してく
る酸素をナイロンMXD6が吸収すると共に容器内部に
残存する酸素をもナイロンMXD6が吸収することによ
り、従来の酸素バリア性熱可塑性樹脂を利用した容器以
上に内容物の保存性を高める方法が実用化されつつあ
る。
【0004】酸素吸収機能を有するナイロンMXD6を
利用した成形品は、酸素が存在する雰囲気下、例えば空
気中に放置しておくと酸素を吸収し始め、その酸素吸収
能力は徐々に低下する。その後、後加工して利用する
際、または被保存物を充填、密封して利用する際には製
造直後の酸素吸収能力を発揮できない場合があったが、
これまでその酸素吸収能力の低下を防ぐ方法に関するこ
とについては知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の課題を解消し、酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を利
用してなる各種成形品をさらに後加工するまでの期間、
もしくは食品等の被保存物を充填するまでの期間に成形
品の酸素吸収能力を低下させることなく、長期間にわた
り該成形品を保存する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
の解決方法について鋭意検討した結果、特定の材質から
なる包装材料又は包装容器に酸素吸収性ポリアミド樹脂
組成物を利用してなる成形品を保存することで、長期間
にわたり、その酸素吸収機能を低下させることなく保存
することが可能であることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明は、元素周期律表の第VI
II族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛から選択された
一種以上の金属原子を含む酸素吸収性ポリアミド樹脂組
成物を利用してなる成形品の保存方法であって、該成形
品を金属箔または金属板を利用してなる包装材料および
/または包装容器を使用して包装体とし、密封保存する
ことを特徴とする成形品の保存方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明で保存される成形品を構成する材料である
酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物は、元素周期律表の第
VIII族の遷移金属、マンガン、銅及び亜鉛から選択され
た一種以上の金属原子を含むポリアミド樹脂組成物であ
る。
【0009】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を構成す
るポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
666、ナイロン610、ナイロン6T、ナイロンMX
D6等が挙げられるが、これらの中でもナイロンMXD
6を主成分とするポリアミドが酸素吸収能力に優れる。
ナイロンMXD6はメタキシリレンジアミンを主成分と
するジアミン成分と、アジピン酸を主成分とするジカル
ボン酸成分を重縮合させて得られたものであるが、その
他の成分として、パラキシリレンジアミン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等が共重合されているものでも良い。こ
こでジアミン成分としては、メタキシリレンジアミンを
70モル%以上含むものが好ましく、また、ジカルボン
酸成分としては、アジピン酸を50モル%以上含むもの
が好ましい。
【0010】また、酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を
構成するポリアミドは、ナイロンMXD6を含むもので
あれば他の熱可塑性樹脂がブレンドされたものでも良
く、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン66
6、ナイロン610、ナイロン6T等のポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等
のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、
熱可塑性エラストマー等のポリマーを例示することがで
きる。さらに、本発明において、酸素吸収性ポリアミド
樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で顔
料、染料、滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫
外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色
防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤、クレイ、マイカ、ガ
ラス繊維、ゼオライト等の充填剤を加えることもできる
が、以上に示したものに限定されることなく、種々の材
料を混合することができる。
【0011】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物に含まれ
る金属原子は、元素周期律表の第VIII族の遷移金属、マ
ンガン、銅及び亜鉛から選択された一種以上の金属原子
であり、ポリアミドの酸化反応を促進し、ポリアミドの
酸素吸収機能を発現させる。金属原子によって起こるポ
リアミドの酸化は、金属原子によるポリアミドのアリレ
ン基に隣接するメチレン鎖から水素原子の引き抜きに起
因するラジカルの発生、前記ラジカルに酸素分子が付加
することによるパーオキシラジカルの発生、パーオキシ
ラジカルによる水素原子の引き抜き、以上の各反応によ
り起こるものと考えられている。
【0012】金属原子を上述のポリアミドに添加、混合
するには金属原子を含有する化合物(以下、金属触媒化
合物と称する)を用いることが好ましい。金属触媒化合
物は上述の金属原子の低価数の無機酸塩、有機酸塩又は
錯塩の形で使用される。無機酸塩としては、塩化物や臭
化物等のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ケ
イ酸塩等が挙げられる。一方、有機酸塩としては、カル
ボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩等が挙げられ
る。また、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステル等と
の遷移金属錯体も利用することができる。特に本発明で
は酸素吸収機能が良好であることから、上記金属原子を
含むカルボン酸塩、ハロゲン化物、アセチルアセトネー
ト錯体を使用することが好ましく、さらに好ましくはス
テアリン酸塩、酢酸塩又はアセチルアセトネート錯体で
ある。本発明において、酸素吸収性ポリアミド樹脂組成
物には上記金属触媒化合物のうち一種以上を添加するこ
とができるが、コバルト金属原子を含むものが特に酸素
吸収機能に優れており、好ましく用いられる。
【0013】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物に含まれ
る前記金属原子の濃度は特に制限はないが、100乃至
10000ppmの範囲が好ましい。上記金属原子が1
00ppmより少ない場合、酸素吸収性ポリアミド樹脂
組成物を利用した成形品は酸素吸収機能が不足する場合
が多く、また本発明を適用してもその保存効果が小さ
い。また10000ppmより多い場合、ポリアミドの
酸化劣化が酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物の製造工程
で起こる場合があるため好ましくない。
【0014】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物の製造方
法は、上述のポリアミドと金属触媒化合物を、押出機等
を用いて溶融混合する方法、金属触媒化合物を溶媒と混
合して溶解又はスラリー状にした後、ポリアミドと混合
してから溶媒を除去してポリアミドに付着させる方法
等、公知の方法を用いることができるが、これらの中で
も均一に金属触媒化合物をポリアミド中に混合すること
が可能であることからポリアミドと金属触媒化合物を押
出機等の溶融混練装置を用いて溶融混合する方法が好ま
しく行われる。
【0015】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物は、一般
に金属触媒化合物を含まないものと成形加工性に差はな
く、各種包装材料や包装容器に代表される成形品に加工
することができる。包装材料としては、フィルム状、ま
たはシート状の成形体に加工することができ、さらに包
装容器としてはボトル、トレイ、カップ、チューブ、平
袋やスタンディングパウチ等の各種パウチ等の少なくと
も一部を構成する材料として使用することができる。さ
らに上記成形品の構成は酸素吸収性ポリアミド樹脂組成
物からなる単層であっても良く、他の熱可塑性樹脂と組
み合わせた多層構造であっても良い。また酸素吸収性ポ
リアミド樹脂組成物は、その性質を改善するためにナイ
ロン6やナイロン66等に代表されるポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート
等に代表されるポリエステル、ポリエチレンやポリプロ
ピレンに代表されるポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、エチレンビニルアルコール共重合体
等、各種熱可塑性樹脂と混合して使用することもでき
る。なお、酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を利用して
なる成形品において、該ポリアミドを利用してなる層の
厚みは、特に制限はないが、1μm以上の厚みを有する
ように層を形成することが好ましい。
【0016】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を利用し
た成形品の製造方法については、公知の方法を利用する
ことができる。例えば、フィルムやシート、またはチュ
ーブ状の包装材料の成形については、Tダイ、サーキュ
ラーダイ等を通して溶融させた酸素吸収性ポリアミド樹
脂組成物を付属した押出機から押し出して製造すること
ができる。なお、上述の方法で得たフィルム状の成形品
はこれを延伸することにより延伸フィルムに加工するこ
ともできる。ボトル形状の成形品については、射出成形
機から金型中に溶融した酸素吸収性ポリアミド樹脂組成
物を射出してプリフォームを製造後、延伸温度まで加熱
してブロー延伸することにより得ることができる。ま
た、トレイやカップ等の容器は射出成形機から金型中に
溶融した該ポリアミドを射出して製造する方法や、シー
ト状の包装材料を真空成形や圧空成形等の成形法によっ
て成形して得ることができる。酸素吸収性ポリアミド樹
脂組成物を利用してなる成形品は上述の製造方法によら
ず、様々な方法を経て製造することが可能である。
【0017】本発明の酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物
を利用した成形品の保存方法は、特定の材質からなる包
装材料又は包装容器に保存するものである。包装材料又
は包装容器は外部から酸素が進入することが無いよう、
酸素バリア性の高い材質が用いられ、特に金属を利用し
てなるものが好ましく用いられる。包装材料又は包装容
器の形状としては、フィルム状、袋形状、箱形状、缶形
状のものが挙げられ、フィルム状、袋形状、箱形状のも
のでは好ましくは金属箔、より好ましくはアルミ箔を利
用したものが用いられる。缶形状のものでは好ましくは
鉄、ステンレス、ブリキを利用した金属缶、より好まし
くは鉄またはブリキ缶が用いられる。フィルム形状及び
袋形状の包装材料及び包装容器の層構成としては、例え
ば、熱可塑性樹脂層/金属箔、又は熱可塑性樹脂層/ア
ルミ箔/熱可塑性樹脂層の構成等を有するものが挙げら
れ、フィルムで成形品をくるむ場合は、アルミ箔を積層
した粘着テープ等で端部をシールすることが好ましく、
袋内に成形品を保存する場合は開口部を熱シールで密封
できるものを選択することが好ましい。箱形状の包装容
器としては、例えば、アルミ箔を段ボールに積層したカ
ートンボックス等が挙げられる。金属缶としては、例え
ば、内面を亜鉛メッキ又は樹脂コーティングした金属缶
等が挙げられ、脱気又はガス置換が可能な装置を備えた
ものが好ましく用いられる。
【0018】本発明で利用される包装材料又は包装容器
内に酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を利用した成形品
を保存する際には、包装材料又は包装容器内にできるだ
け多くの成形品を入れて、包装材料又は包装容器内の酸
素量を低減することが好ましい。包装材料又は包装容器
で成形品を包装した包装体内の初期酸素量(ml)を、
包装体内に保存する酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を
利用してなる成形品全ての酸素吸収能力(ml)を10
0で除した値以下になるようにすることが好ましい。さ
らに包装材料又は包装容器が袋等のフレキシブルな容器
の場合は、空気をできるだけ抜いた後ヒートシールして
密封したり、脱気装置等を用いて空気を抜いた後にヒー
トシールして密封したり、或いは窒素等の不活性ガスを
袋内に流通させた後、ヒートシールして密封する方法が
好ましく行われる。また、金属缶のようにリジッドな容
器の場合は、窒素等の不活性ガスを袋内に流通させた後
に密封する方法や、蓋に配管を備え付け、この配管から
脱気装置等を用いて空気を抜いた後に密封する方法が好
ましく行われる。
【0019】包装材料又は包装容器内の酸素濃度を測定
する場合には、例えば、密封する前、あるいは密封した
後にシリンジで包装材料又は包装容器内部のガスをサン
プリングし、ガスクロマトグラフィーや酸素濃度計で測
定する方法が挙げられる。
【0020】
【実施例】以下に本発明をさらに詳しく説明する。ただ
し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
尚、本実施例及び比較例で採用した評価法は以下の通り
である。 (1)成形品の酸素吸収能力測定 成形品1個をアルミ箔を積層した四方シール袋に入れ、
袋内の空気が1000mlとなるようにしてヒートシー
ルにより密封し、40℃の恒温槽内に袋内の酸素濃度が
変化しなくなるまで保管した。その後、シリンジを用い
て保管容器内のガスをサンプリングし、東レ社製、ジル
コニア式酸素濃度計にて袋内の残存酸素濃度を測定し、
成形品1個当たりの酸素吸収能力を算出した。尚、成形
体がロールフィルムの場合は、外周部分のフィルムをサ
ンプリングし、上記方法で酸素吸収能力を求めた。
【0021】実施例1 アジピン酸とメタキシリレンジアミンを溶融重縮合して
得たポリアミドと、コバルト金属濃度が4000ppm
となるように秤量したステアリン酸コバルトをタンブラ
ーで混合した後、この混合物を30mmφの単軸押出機
で溶融混練し、ストランドダイからストランドを押し出
し、冷却水槽で冷却後、ペレタイザーでペレット化し
て、2.5mmL×2.5mmφのペレットを作製し
た。次に、3種5層多層フィルム製造装置を用いて、ポ
リエチレン(50μm)/接着性樹脂(10μm)/酸
素吸収性ポリアミド樹脂層(20μm)/接着性樹脂
(10μm)/ポリエチレン(50μm)の層構成を有
し、幅30cm、長さ100mの多層フィルムを製造
し、内径が75mmφの塩化ビニル製の管にロール状に
巻き取った。この多層フィルムを30cm×30cmに
裁断し、これをアルミ箔積層袋に入れ、袋内の空気量を
2000mlとしてヒートシールにより密封し、40℃
で保存して酸素吸収能力を調査した結果、120mlの
酸素吸収能力を有することを確認した。次に、上述のロ
ールをPET(12μm)/アルミ箔(9μm)/ポリ
エチレン(30μm)の層構成を有するアルミ箔積層フ
ィルムでくるみ、できるだけ梱包体内部の空気を抜きな
がらフィルムの端部にアルミ箔を利用した粘着テープを
張り付け、梱包体内部に酸素が漏れないようにした。梱
包体内部の空気量は計算上1325mlであり、酸素量
は276mlであった。これを室温下で6ヶ月間保存し
た後、上述の方法と同様にして多層フィルムの酸素吸収
能力を測定した結果、116mlの酸素吸収能力であ
り、製造直後の酸素吸収能力を維持していることを確認
した。
【0022】実施例2 実施例1で得た酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物からな
るペレットと3種5層多層フィルム製造装置を用いて、
ポリプロピレン(50μm)/接着性樹脂(10μm)
/酸素吸収性ポリアミド樹脂層(30μm)/接着性樹
脂(10μm)/ポリプロピレン(30μm)の層構成
を有する多層フィルムを作製し、フィルムのポリプロピ
レン(30μm)側をコロナ放電処理した。次いで、ラ
ミネーターを用いて、上記フィルムのコロナ放電処理面
とPET(12μm)/アルミ箔(9μm)からなるフ
ィルムのアルミ箔面を、ウレタン系接着剤を介してドラ
イラミネートし、ポリプロピレン(50μm)/接着性
樹脂(10μm)/酸素吸収性ポリアミド樹脂層(30
μm)/接着性樹脂(10μm)/ポリプロピレン(3
0μm)/アルミ箔(9μm)/PET(12μm)の
層構成を有する多層フィルムを作製した。次いでこのフ
ィルムから縦18cm×横11cmのスタンディングパ
ウチを製造した。なお、スタンディングパウチ1個の酸
素吸収能力を調査した結果、35mlの酸素吸収能力を
有することを確認した。次に、上述のスタンディングパ
ウチ300枚を、ポリエチレン(30μm)/アルミ箔
(9μm)/PET(12μm)の構成を有するフィル
ムから作成した四方シール袋に入れ、できるだけ空気を
抜きながらヒートシールして密封した。袋内の空気量は
ほぼ0mlであった。これを室温下で6ヶ月間保存した
後、上述の方法と同様にしてスタンディングパウチの酸
素吸収能力を測定した結果、34mlの酸素吸収能力で
あり、製造直後の酸素吸収能力を維持していることを確
認した。
【0023】比較例1 包装材料又は包装容器の材質が厚さ60μmのポリエチ
レンからなる四方シール袋を使用した以外は実施例1と
同様にしてロールを保存した。室温で6ヶ月保存後のフ
ィルムの酸素吸収能力を測定した結果、76ml/gで
あり、製造直後の酸素吸収能力から約37%の能力低下
が見られた。
【0024】 表1 実施例1 実施例2 比較例1 成形品を収納した アルミ箔 アルミ箔 ポリエチレン 容器の材料構成 フィルム※ フィルム※ 包装体内の酸素量(ml) 276 0 276 成形品の酸素吸収能力(ml) 120 35 120 6ヶ月間保存後の成形品の酸素吸収能力(ml) 116 34 76 ※ポリエチレン(30μm)/アルミ箔(9μm)/PET(12μm)
【0025】
【発明の効果】本発明の酸素吸収性ポリアミド樹脂組成
物を利用した成形品の保存方法は、製造直後の酸素吸収
能力を長期間にわたって保持することができ、その商品
価値は高く、工業的に優れたものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA54 AB15 AB24 AB25 AB26 AC07 AC09 AC14 AC15 AF01 AH04 AH05 BA01 BB05 BB06 BC01 BC04 BC05 BC07 4J002 AA015 CL031 DD076 DF036 DG046 DH046 DJ006 EE046 EG046 EH006 EV256 EW126 FD206 GG01 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】元素周期律表の第VIII族の遷移金属、マン
    ガン、銅及び亜鉛から選択された一種以上の金属原子を
    含む酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物を利用してなる成
    形品の保存方法であって、該成形品を金属箔または金属
    板を利用してなる包装材料および/または包装容器を使
    用して包装体とし、密封保存することを特徴とする成形
    品の保存方法。
  2. 【請求項2】前記包装体内の初期酸素量(ml)を、包
    装体内に保存する成形品全ての酸素吸収能力(ml)を
    100で除した値以下になるようにすることを特徴とす
    る請求項1記載の成形品の保存方法。
  3. 【請求項3】前記成形品が、フィルム状あるいはシート
    状の成形品、フィルム状あるいはシート状成形品を加工
    して得た容器または射出成形品、および該射出成形品を
    加工して得た容器のいずれかである請求項1記載の成形
    品の保存方法。
  4. 【請求項4】前記酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物が、
    メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン
    成分とアジピン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成
    分とを重縮合して得られるポリアミドを含むものである
    請求項1記載の成形品の保存方法。
  5. 【請求項5】酸素吸収性ポリアミド樹脂組成物中の前記
    金属原子の濃度が100乃至10000ppmである請
    求項1記載の成形品の保存方法。
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