JP3185810B2 - 酸素捕獲材 - Google Patents

酸素捕獲材

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JP3185810B2 JP08282892A JP8282892A JP3185810B2 JP 3185810 B2 JP3185810 B2 JP 3185810B2 JP 08282892 A JP08282892 A JP 08282892A JP 8282892 A JP8282892 A JP 8282892A JP 3185810 B2 JP3185810 B2 JP 3185810B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた酸素捕獲性を有
する酸素捕獲材に関するものである。さらに、詳しく
は、包装体の一部または、全体を構成する事によって、
あるいは、包装体内に封入することによって包装体に優
れた耐酸素透過性を付与したり、包装体内の空隙中の酸
素濃度を効果的に減少させることを可能にする酸素捕獲
材に関するものである。
【従来の技術】酸素敏感性物質とくに食品や飲料などの
プラスチック包装体において、包装体壁を通して外部か
ら内部へ透過する酸素により、食品や飲料成分が酸化さ
れて変味することが知られている。食品や飲料の酸化に
よる変味を防ぐ手段としては、食品や飲料の包装体内へ
の充填を窒素ガスなど不活性ガス雰囲気下で行う方法の
他、(1)プラスチック包装体の一部または全部に酸素
透過性の小さなプラスチックポリマーを用いたり、
(2)プラスチックフイルム表面にガラスなどの無機薄
膜を蒸着したり、(3)遷移金属化合物を含む酸素捕獲
性ポリマーを用いたり、さらには、(4)密封された包
装体内部に酸素捕獲性の金属微粒子を入れた小袋を封入
するなどの方法がある。(1)では、エチレン/ビニル
アルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル、メタキシリレンシアミン−6−ナイロンな
どの酸素拡散透過性の小さなポリマーを包装体に使用す
るのであるが、耐酸素透過性が使用目的によっては不十
分であったり、温度、湿度などの環境の変化により耐酸
素透過性能が低下するなどの問題があった。
【0002】(2)では、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートフイルムの表面にガラスなどの無機薄膜を蒸着
することによって酸素透過性を1cc/m2 ・atm・
24hr以下にすることが出来るが、真空下で蒸着が行
われるため経済的には、優れた方法とは言えない。また
(3)では、例えば、WO/89/12119で開示さ
れた方法によると、鉄やコバルトと脂肪族アミン、複素
環アミン類及びポリフィリンなどの含窒素塩基性配位子
との金属錯体をシリカ粒子やポリマー粒子に担持したも
のをポリマーフイルムやシートに分散させ、酸素捕獲材
とするのであるが、錯体化合物1分子が1分子の酸素と
結合することによって酸素を捕獲するため、効率的でな
く、また、錯体を構成している含窒素塩基性化合物が耐
熱性や安全性の点で問題がある。公表特許公報平2−5
00846号公報及び特開平3−762号公報では、包
装体の1部または全部に少量の遷移金属化合物の酸化触
媒を含んだ被酸化性ポリマーを用いて酸素酸化反応によ
って酸素分子を捕獲するのであるが、被酸化性ポリマー
が例えばメタキシリレンジアミン(MXD)とアジピン
酸との重縮合ポリマー等の特殊なポリアミドであるため
経済的でなく、また、その酸素捕獲性能は室温やそれ以
下の低温では、著しく不十分である。このような被酸化
性ポリマーの自動酸化を応用した酸素捕獲材は、一般
に、製造から使用するまでの間、酸素と遮断した雰囲気
下で保存されるが、該酸素捕獲材が酸素に曝された時点
から酸素吸収を開始するまでの誘導期間が長く、且つ、
不規則であるため、迅速な酸素捕獲を必要とする食品へ
の応用が困難である。
【0003】(4)については、金属鉄粒子を水蒸気及
び酸素ガス透過性の小袋に入れ包装体内部へ封入し包装
体内部に存在する酸素を鉄の酸素酸化反応によって捕獲
する方法で、現在、酸素敏感性物質の包装体へ汎用され
ている。しかし、水と直接接触すると激しく反応するた
め、水性食品や飲料への使用は制限されており、乳児や
幼児が誤って口に入れた場合の危険性が問題視されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の実状に
鑑み、本発明では、酸素敏感性物質(食品、飲料、医薬
品、精密電子部品など)の保存安定化に利用でき、とく
に食品や飲料の包装体用に利用して、食品や飲料の酸素
酸化反応による変味を防止することができ、経済性に優
れ、且つ室温以下の低温においても効率的な酸素捕獲能
を有する酸素捕獲材(保存安定化材)を提供せんとする
ものである。
【0005】すなわち本発明は、遷移金属化合物の少な
くとも1種、3級水素を有する一般式(1)で示される
ポリマーの少なくとも1種及び燐化合物の少なくとも1
種とを含有する酸素捕獲材。 一般式(1):
【化2】 (式中、R1 は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリ
ール基、アルキルアリール基、アルコキシ基のいずれか
少なくとも1種を示し、R2およびR3は水素原子、炭素
原子数1〜10のアルキル基、置換アリール基、非置換
アリール基、−COOR1 、−OCOR1、シアノ基、
塩素原子のいずれか少なくとも1種を示す。但し、k、
m、nはk≧1、m≧0、n≧1のいずれかの整数を採
ることができるポリマーである。)
【0006】本発明に用いられる遷移金属化合物の金属
で好ましいものは、原子番号23から29までの遷移金
属とロジウム(Rh)であり、遷移金属化合物として
は、これら遷移金属イオンの有機酸塩、アセチルアセト
ネート錯体、フタロシアニン錯体、モノアルキルリン酸
エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、アリールリ
ン酸エステル塩、などが挙げられる。とくに、これら遷
移金属化合物としては、一般式(1)のポリマーと相溶
性が良好なものがとくに望ましい。具体的には、ポリプ
ロピレンの場合には、ステアリン酸、パルミチン酸、ラ
ウリン酸、デカン酸、オクタン酸、ヘキサノイック酸、
プロピオン酸、ナフテン酸などの塩アセチルアセトネー
ト錯体、ジヘキサデシルリン酸エステル塩、ジデシルリ
ン酸エステル塩、ジ−ブチルリン酸エステル塩、モノド
デシルリン酸エステル塩、1−ナフチルリン酸エステル
塩などが挙げられる。勿論、本発明に用いられる原子番
号23から29までの遷移金属及びロジウムの化合物
は、上記のものに限定されるものではない。
【0007】一般式(1)で示されるポリマーとして
は、以下のものが挙げられる。即ち、分子内に3級水素
を有するポリオレフィン、アイソタクチックポリプロピ
レン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレンプ
ロピレン共重合体、プロピレンブテン共重合体、プロピ
レンスチレン共重合体、ポリイソブテン、エチレンイソ
ブテン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1、メチ
ルペンテンエイレン共重合体、ポリプロピレンメチルペ
ンテン共重合体、低密度ポリエチレン、ポリスチレンな
どが挙げられるが、これらの3級水素を含むポリオレフ
ィン類のブレンド物、これらの3級水素を含むポリオレ
フィン類と他のポリマー即ち、3級水素を含まないポリ
オレフィン類、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリル
酸エチル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリアクリニトリル、ビスフェノールA系ポリカ
ーボネート、ポリシリキサン、セルロース誘導体、アイ
マー、ポリウレタンなどとのブレンド物も含まれ
る。
【0008】ここでポリエステルとはジカルボン酸とグ
リコールの重縮合物を指し、ポリアミドとしては、例え
ばナイロン6、ナイロン66、ナイロン−612、メタ
キシリレンジアミン/アジピン酸系ポリアミド(MXD
−6)などが挙げられる。
【0009】本発明における助触媒である燐化合物と
は、燐酸系化合物、亜燐酸系化合物、ホスフィン酸系化
合物等の化合物であり、たとえば、燐酸、亜燐酸、ホス
フィン酸、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水
素二アンモニウム、燐酸水素二カリウム、燐酸水素二ナ
トリウム、燐酸トリエチル、燐酸トリオクチル、燐酸ト
リクレジル、燐酸トリフェニル、燐酸トリ−n−ブチ
ル、燐酸トリメチル、燐酸二アンモニウム、燐酸二水素
カルシウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二ナトリウ
ム、亜燐酸エチル、亜燐酸カルシウム、亜燐酸ジイソプ
ロピル、亜燐酸ジエチル、亜燐酸ジフェニル、亜燐酸ジ
フェニルイソデシル、亜燐酸ジブチル、亜燐酸ジベンジ
ル、亜燐酸ジラウリルフェニル、亜燐酸n−デシルジフ
ェニル、亜燐酸トリエチル、亜燐酸トリデシル、亜燐酸
トリフェニル、亜燐酸トリ−n−ブチル、亜燐酸トリメ
チル、亜燐酸二ナトリウム、亜燐酸ジオレイル、ホスフ
ィン酸ナトリウム、ホスフィン酸カリウム等が挙げら
れ、また、これらの燐化合物の内少なくとも1種を含む
混合物も含まれる。本発明における助触媒は、勿論、上
記の燐化合物に限定されるものではない。
【0010】本発明における遷移金属化合物は、一般式
(1)のポリマー中に単独若しくは、混合して添加され
るが、その添加量は、金属としてポリマーに対し、0.
001重量%から20重量%が好ましく、より好ましく
は0.005重量%から10重量%である。添加量が少
ないと有効な酸素捕獲性能が得られないし、20重量%
を越えると酸素捕獲性能の改善が得られない他、成型加
工上の問題が発生する。
【0011】本発明における助触媒の添加量は、遷移金
属化合物1モル当量に対し、0.01〜3モル当量、好
ましくは、0.1〜1モル当量、さらに好ましくは0.
5〜0.8モル当量である。添加量が少ないと酸素捕獲
材が酸素に曝された時点から酸素吸収を開始するまでの
誘導期間が長くなり、3モル当量を越えると酸素吸収性
能が低下する。
【0012】以上のように、3級水素を有する一般式
(1)で表されるポリマーへの遷移金属化合物と助触媒
との添加量を上記範囲に維持することによって、遷移金
属化合物が効果的に酸化触媒作用し、酸素捕獲材が酸素
に曝された時点から酸素吸収を開始するまでの誘導期間
が短く、室温以下の低い温度においても酸素捕獲性の優
れた酸素捕獲材が得られるのである。例えば、ポリプロ
ピレンとステアリン酸コバルト及びホスフィン酸ナトリ
ウムからなる系において、コバルト濃度がポリプロピレ
ンに対し0.1重量%、ホスフィン酸ナトリウムがコバ
ルト1モルに対して0.5モル当量添加された場合、2
5℃で、酸素に曝された時点から酸素吸収を開始するま
での誘導期間が2日以内で、その後1カ月間でコバルト
の50倍モル当量の酸素を捕獲することができるのであ
る。
【0013】一般式(1)のポリマーと遷移金属化合物
との配合は、ポリマーの重合前、重合中、重合後のいず
れの段階でも両者が混合できればどんな方法でもよい
が、不活性ガス雰囲気下、溶融させたポリマー中に遷移
金属化合物を加える方法が好ましい。
【0014】本発明の酸素捕獲材の形態は、粉末状、粒
子状、フイルム状、繊維状など、その使用目的によって
適宜選択することができる。本発明によれば、室温以下
の低温においても優れた酸素捕獲能を有する酸素捕獲材
を提供することができる。
【0015】本発明の酸素捕獲材を酸素敏感性物質とく
に、食品や飲料を充填包装した包装体の一部または全部
に用いた場合に優れた酸素捕獲作用により、包装体内部
の酸素濃度及び包装体の外部から内部へ透過してくる酸
素濃度を極めて小さくすることができる。また、包装体
内部へ本発明の酸素捕獲材を粒子状、フイルム状、シー
ト状、繊維状等の形態にして入れて密封した場合、包装
体内部の酸素濃度を効率的に減少させる事が出来る。
【0016】本発明で用いられる酸素捕獲材の3級水素
を有するポリマー成分は一般式(1)で表される少なく
とも1種のポリマーと他のポリマーとの混合物あるいは
積層体を形成していても良い。一般式(1)で表される
ポリマーと混合されたり、積層体を形成する他のポリマ
ーとは、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン系共重合体、ポリエチレン、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル
系共重合体、ビスフェノールA系カーボネート、セルロ
ース及びセルロース誘導体、イオン架橋オレフィン共重
合体(アノオノマー)などが挙げられる。
【0017】ここでポリエステルとは、テレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5
−ナトリウムスルホネートイソフタル酸、アジピン酸あ
るいはセバシン酸などのジカルボン酸成分とエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリア
ルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物など
のジオール成分とからなる重縮合物であって、これらの
ホモポリエステルあるいは共重合ポリエステルであって
よい。
【0018】ポリアミドとしては、例えばナイロン6、
ナイロン66、ナイロン612、ナイロンMXD−6な
どが挙げられる。ポリ塩化ビニリデン系共重合体として
は、塩化ビニリデンと塩化ビニル、アクリル酸エステ
ル、あるいはメタクリル酸エステルとの共重合体が挙げ
られる。ポリアクリロニトリル共重合体としては、アク
リロニトリルとアクリル酸、アクリル酸エステル、スチ
レン、あるいはブタジエンとの共重合体等が挙げられ
る。一方、本発明で用いられる酸素捕獲材が積層体に使
用される場合には、他のポリマーは、遷移金属化合物を
含まない前記一般式(1)で表されるポリマーも用いる
ことが出来る。
【0019】本発明において、酸素捕獲材が包装体の一
部または全体を構成する場合、包装体の一部を構成する
方法としては、酸素捕獲性ポリマーと他のポリマーとを
混合したり、積層する方法があるが、酸素捕獲性ポリマ
ーと他のポリマーとの相溶性が良好でない場合には、相
溶性を向上させるために相溶化剤を用いることが出来
る。例えば酸素捕獲性ポリマーがポリプロピレンで他の
ポリマーがエチレン−ビニル共重合体の場合、相溶化剤
としては、エチレン−無水マレイン酸共重合体を一方、
他のポリマーがポリ塩化ビニリデン系共重合体である場
合には、相溶化剤として塩素化ポリプロピレンあるい
は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることによ
って酸素捕獲材の酸素捕獲性を一段と向上させる事が出
来る。また、本発明の酸素捕獲材中には、活性炭、酸化
チタン、ゼオライト、雲母、大谷石、顔料、炭酸カルシ
ウム、酸化ケイ素などの無機物をブレンドすることもで
きる。特に活性炭、ゼオライトなど脱臭剤の添加は効果
的である。
【0020】一方、酸素捕獲材を包装体内部に封入し密
封することによって包装体内部に存在する酸素を捕獲す
る方法によっても本発明の目的を達成することが出来
る。包装体に封入する酸素捕獲材の形態は、粒子、フイ
ルム、シート、あるいは繊維状であるが、粒子で用いる
場合には、包装体内の飲料あるいは食品への接触を避け
るために、ポリエチレン等高酸素透過性フイルムの小袋
に入れて用いる事が出来る。
【0021】
【発明の効果】本発明によると3級水素を有する一般式
(1)で表されるポリマーに原子番号23から29の遷
移金属化合物およびロジウムの少なくとも1種及び燐化
合物の少なくとも1種からなる助触媒を少量添加するこ
とによって遷移金属化合物が効果的に触媒作用して誘導
期間が短く、かつ室温以下の温度で優れた酸素捕獲能を
有する優れた酸素捕獲材を提供することが出来る。
【0022】
【実施例】以下本発明の詳細な内容をさらに実施例で説
明する。 実施例1 酸素捕獲材は次の通り調製した。 酸素捕獲材(A):メルトインデックス(MI)2.5
g/10min(230℃)、融点158℃のポリプロ
ピレン100部にステアリン酸コバルト1.06部(C
oとして0.1部)ホスフィン酸カリウム0.1部を添
加し、窒素雰囲気下260℃で溶融押出しを行って得た
ペレットを粉砕し、平均粒径40μmの粉体を調製し
た。この酸素捕獲材を室温でかつ真空アルミパック包装
で酸素と完全に遮断された環境下で4週間保存した。 酸素捕獲材(B);ステアリン酸コバルトの替りにステ
アリン酸銅0.98部(Cuとして0.1部)、ホスフ
ィン酸ナトリウムの替わりに燐酸0.15部を用いた以
外は、酸素捕獲材(A)と同様にして調製し、同様に保
存した。
【0023】酸素捕獲材(C);ステアリン酸コバルト
の替りにステアリン酸マンガン1.14部(Mnとして
0.1部)、ホスフィン酸ナトリウムの替わりに亜燐酸
ジオレイル0.55部を用いた以外は酸素捕獲材(A)
と同様にして調製し、同様に保存した。 酸素捕獲材(D);ステアリン酸コバルトの替りにナフ
テン酸コバルト1.25部(コバルトとして0.1
部)、ホスフィン酸ナトリウムの替わりに亜燐酸0.1
5部を用いた以外は、酸素捕獲材(A)と同様にして調
製し、同様に保存した。 酸素捕獲材(E);ポリプロピレンの替わりにポリ−4
−メチルペンテン−1を100部用いた以外は、酸素捕
獲材(A)と同様にして調製し、同様に保存した。 酸素捕獲材(F);ポリプロピレンの替わりにエチレン
/ポリプロピレン共重合(50/50当量比)100
部を用いた以外は、酸素捕獲材(A)と同様にして調製
し、同様に保存した。
【0024】酸素捕獲材(G);酸素捕獲材(A)と同
じポリプロピレンに対し、ステアリン酸コバルト5.3
部(Coとして0.5部)、ホスフィン酸ナトリウム
0.5部を用いた以外は、酸素捕獲材(A)と同様に調
製し、同様に保存をした。 酸素捕獲材(H);酸素捕獲(A)と同じポリプロピ
レンに対し、ステアリン酸コバルト0.05部(Coと
して0.005部)、ホスフィン酸ナトリウム0.01
部を用いた以外は、酸素捕獲材(A)と同様にして調製
し、同様に保存した。
【0025】比較試料A;ステアリン酸コバルトとホス
フィン酸ナトリウムを用いなかった以外は、酸素捕獲材
(A)と同様に調製し、同様に保存した。 比較試料B;ホスフィン酸ナトリウムを用いなかった以
外は、酸素捕獲材(A)と同様に調製し、同様に保存し
た。
【0026】比較試料C;燐酸を用いなかった以外は、
酸素捕獲材(B)と同様に調製し、同様に保存した。 比較試料D;亜燐酸ジオレイルを用いなかった以外は、
酸素捕獲材(C)と同様に調製し、同様に保存した。
【0027】比較試料E;亜燐酸0.15部を用いなか
った以外は、酸素捕獲材(D)と同様に調製し、同様に
保存した。
【0028】比較試料F;ポリプロピレン100部の替
りに東洋紡績(株)製のMXD−6ナイロン100部、
ステアリン酸コバルトの替りに酢酸コバルト0.42部
(Coとして0.1部)を用いた以外は、酸素捕獲材
(A)と同様にして調製し、同様に保存した。
【0029】前記各試料を真空パックから取り出し、各
試料1gをそれぞれ約120ml容量のバイアル瓶に空
気とともに封入し、アルミキャップ付きシリコン栓で密
栓し一定温度下(25℃)に放置した。バイアル瓶空隙
中の空気を経時的に採取し、TCD検出器付きガスクロ
マトグラフで酸素濃度を測定した。各試料とも試料数を
10個とした。表1及び表2に誘導期間と誘導期間の1
0日後のバイアル瓶空隙中の酸素濃度(容量%)を示
す。なお、誘導期間は、試料が真空パックから出されて
いて空気に曝されてから酸素吸収を開始するまでの日数
である(ただし、酸素濃度低下が0.2%/日以下の場
合は誘導期間内とした。)。表1及び表2から明らかな
ように本発明に従って調製した酸素捕獲材は、誘導期間
が短く、優れた酸素捕獲性能を示す。
【0030】実施例2 メルトインデックス0.5g/10min(230℃)
のポリプロピレン100部とステアリン酸コバルト1.
06部(Coとして0.1部)、ホスフィン酸ナトリウ
ム0.1部を高速撹拌翼を備えた混合機でよく混合し
た。次に40mm径のスクリューを内蔵する押出機、ス
トランドダイ、ブローワー冷却槽及びカッターからなる
ペレタイザーにて粒径3〜5mmのペレットを得た。こ
のペレットを樹脂温度240〜250℃にて溶融し、押
出機及びTダイを用いてシート状に押出し、エアーナイ
フで表面温度20〜30℃のチルロールに密着させ、厚
み60μmの未延伸フイルムを成型した。このフイルム
1gを120ml容のバイアル瓶に入れ空気とともに封
入し、実施例1と同じ方法にてバイアル瓶内空隙中の空
気を経時的に採取し、酸素濃度(容量%)を測定した
(酸素捕獲材(I))。
【0031】比較例2 実施例3で、ホスフィン酸ナトリウムを添加しない他
は、同様にして厚さ60μmの未延伸フイルムを成型
し、実施例2と同じ方法にてバイアル瓶内空隙中の酸素
濃度を経時的に測定した(比較試料G)。表2に実施例
2と比較例2の酸素濃度の測定の結果を示す。
【0032】実施例2および比較例3 実施例2の酸素捕獲性を有するポリプロピレン未延伸フ
イルムの両側を接着剤として塩素化ポリプロピレン(東
洋化成製)を介して厚さ20μmのポリ塩化ビニリデン
フイルム(呉羽化学製)を貼り合わせ、厚さ104μm
の積層フイルムを得た。得られた積層フイルムを15c
m四方のシート状にカットし、酸素透過度をASTM−
D−1434−75に準拠し、供給ガスを25℃、80
%の相対温度にコントロールしながら測定した(酸素捕
獲材(J))。
【0033】また、上記酸素捕獲性ポリプロピレンフイ
ルムの替りに、敦賀フイルム(株)製未延伸ポリプロピ
レンフイルム(厚さ60μm)を用いた以外は同様にし
て得た積層フイルムについて同様にして測定した酸素透
過度を測定した(比較試料H)。表3に実施例3と比較
例3の酸素濃度の測定結果を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表中の略号は以下のとおりである。 St−Co:ステアリン酸コバルト、St−Cu:ステ
アリン酸銅、 St−Mn:ステアリン酸マンガン、Co:コバルト、 Na:ナトリウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/49 C08K 5/49 (56)参考文献 特開 昭54−128995(JP,A) 特開 昭63−198962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 A23L 3/3436 B65D 81/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属化合物の少なくとも1種、3級
    水素を有する一般式(1)で示されるポリマーの少なく
    とも1種及び燐化合物の少なくとも1種とを含有する酸
    素捕獲材。 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は炭素原子数1〜10のアルキル基、アリ
    ール基、アルキルアリール基、アルコキシ基のいずれか
    少なくとも1種を示し、R2およびR3は水素原子、炭素
    原子数1〜10のアルキル基、置換アリール基、非置換
    アリール基、−COOR1 、−OCOR1、シアノ基、
    塩素原子のいずれか少なくとも1種を示す。但し、k、
    m、nはk≧1、m≧0、n≧1のいずれかの整数を採
    ることができるポリマーである。)
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