JP2001220486A - リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂組成物および再生成形材料 - Google Patents

リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂組成物および再生成形材料

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JP2001220486A
JP2001220486A JP2000031279A JP2000031279A JP2001220486A JP 2001220486 A JP2001220486 A JP 2001220486A JP 2000031279 A JP2000031279 A JP 2000031279A JP 2000031279 A JP2000031279 A JP 2000031279A JP 2001220486 A JP2001220486 A JP 2001220486A
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JP2000031279A
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Masahiko Noro
雅彦 野呂
Kunio Matsuzaka
邦男 松坂
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Techno Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、耐光性、およびリサイクル性に優
れ、広範囲の用途に使用し得る熱可塑性樹脂組成物を提
供すること。 【解決手段】 (A)(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂
を必須成分とする熱可塑性樹脂組成物100重量部に対
し、(B)平均粒径0.1〜0.5μmの酸化チタン
0.5〜10重量部、(C)ヒンダードフェノール系酸
化防止剤0.1〜1重量部、(D)ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤、および(E)ヒンダードアミン系光安
定剤〔ただし、(D)/(E)=0.5〜2.0の範囲
であり、かつ、(D)+(E)=0.1〜2.0重量
部〕、を配合したリサイクル性に優れた熱可塑性樹脂組
成物。ここで、上記(A)熱可塑性樹脂組成物として、
上記(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂100重量部に対
し、さらに、(a−2)ハロゲン系難燃剤3〜30重量
部、(a−3)アンチモン化合物0〜10重量部、なら
びに(a−4)塩素化ポリエチレンおよび/またはポリ
テトラフルオロエチレン0〜5重量部を配合してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リサイクル性に優
れた熱可塑性樹脂組成物およびこの組成物からなる成形
品を用いた再生成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂は、成形加工性、機械的性質
などに優れているため、電気・電子分野、OA・家電分
野、車両分野、建材、サニタリー用品などの幅広い分野
に使用されている。しかしながら、近年、これらの製品
において、資源保護および環境保護の観点より、リサイ
クルの要求が増大している。
【0003】ABS樹脂のリサイクル性の重要な観点
は、リサイクルする際の物性保持と外観保持、特に、色
調保持である。ABS樹脂は、比較的、リサイクル性に
優れた樹脂であるが、従来、リサイクル性の観点から検
討された技術は無い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐衝撃性、耐光性、
およびリサイクル性に優れ、広範囲の用途に使用し得る
熱可塑性樹脂組成物、およびこれを用いた再生成形材料
を提供することを目的とする。本発明者らは、上記の現
状に鑑み、鋭意材料の開発について研究した結果、特定
の添加剤を特定量使用することで、リサイクル性に優れ
た熱可塑性樹脂組成物を提供できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ゴム質
重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物を主成分とする
単量体成分をグラフト重合して得られるゴム強化熱可塑
性樹脂(a−1)を必須成分とする熱可塑性樹脂組成物
100重量部に対し、(B)平均粒径0.1〜0.5μ
mの酸化チタン0.5〜10重量部、(C)ヒンダード
フェノール系酸化防止剤0.1〜1.0重量部、(D)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、および(E)ヒン
ダードアミン系光安定剤〔ただし、(D)/(E)(重
量比)=0.5〜2.0の範囲であり、かつ、(D)+
(E)=0.1〜2重量部〕、を配合したことを特徴と
するリサイクル性に優れた熱可塑性樹脂組成物(以下、
単に「熱可塑性樹脂組成物」ともいう)に関する。ここ
で、上記(A)熱可塑性樹脂組成物は、上記(a−1)
ゴム強化熱可塑性樹脂100重量部に対し、(a−2)
ハロゲン系難燃剤3〜30重量部、(a−3)アンチモ
ン化合物0〜10重量部、ならびに(a−4)塩素化ポ
リエチレンおよび/またはポリテトラフルオロエチレン
0〜5重量部を配合してなるものも挙げられる。次に、
本発明は、上記熱可塑性樹脂組成物の成形品の粉砕品を
5重量%以上含有する再生成形材料に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)熱可塑
性樹脂組成物は、ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニ
ル化合物を主成分とする単量体成分をグラフト重合して
得られるゴム強化熱可塑性樹脂(a−1)を必須成分と
する。なお、(A)熱可塑性樹脂組成物には、それぞれ
別途に調製した(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂を混合
して使用してもよいし、ゴム質重合体の非存在下に、別
途、上記単量体成分のみを(共)重合して得られる
(共)重合体(例えばスチレン−アクリロニトリル共重
合体など)をゴム強化熱可塑性樹脂(a−1)に配合し
てもよい。
【0007】本発明の(a−1)成分に使用されるゴム
質重合体としては、ジエン系ゴム質重合体として、例え
ばポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げ
られる。また、非ジエン系ゴム質重合体としては、例え
ばエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−
オレフィン−非共役ジエン共重合体などのエチレン−α
−オレフィン系ゴム質重合体;スチレン−ブタジエン
(ブロック)共重合体の水素添加物、スチレン−イソプ
レン(ブロック)共重合体の水素添加物、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体の水素添加物、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の水素添加物、そ
の他のブタジエン系(共)重合体の水素添加物、スチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物、などの
ジエン系重合体の水素添加物;シリコーン系ゴム、アク
リル系ゴムなどが挙げられる。
【0008】好ましい非ジエン系ゴム質重合体として
は、エチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体、ジエン
系重合体の水素添加物であり、これらを用いると一段と
優れた効果が得られる。なお、上記エチレン−α−オレ
フィン系ゴム質重合体のα−オレフィンとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、1−デセンが挙げられ、好ま
しくはプロピレン、1−ブテンである。また、上記非共
役ジエンとしては、シクロペンタジエン、エチリデンノ
ルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,4−シクロペ
ンタジエンなどが挙げられる。
【0009】さらに、上記ジエン系重合体の水素添加物
には、上記ブロック共重合体の水素添加物のほかに、ス
チレンブロックとスチレン−ブタジエンランダム共重合
体の水素添加物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結
合含量が20重量%以下のブロックと、1,2−ビニル
結合含量が20重量%を超えるポリブタジエンブロック
からなる重合体の水素添加物などが含まれる。本発明の
ゴム質重合体は、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。
【0010】本発明の(a−1)成分を、ゴム質重合体
存在下に、乳化重合で得る場合、使用されるゴム質重合
体の平均ゴム粒径は、成形品表面外観および耐衝撃性か
ら、好ましくは0.1〜1.0μm、特に好ましくは
0.1〜0.6μmである。なお、(a−1)成分中の
ゴム質重合体の含有量は、好ましくは5〜40重量%、
さらに好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10
〜30重量%である。ゴム質重合体の含有量が5重量%
未満では、成形品の耐衝撃性が低下し、一方、40重量
%を超えた場合は、成形品の剛性、燃焼性が劣る。
【0011】本発明の(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂
は、ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物を主
成分とする単量体成分をグラフト重合して得られる。単
量体成分は、芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル
化合物およびこれと共重合可能な他のビニル系単量体か
らなる単量体成分である。上記グラフト重合の際に用い
られる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、
t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニル
ピリジン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジク
ロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタ
レンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、単独で
あるいは2種以上混合して用いられる。(a−1)成分
中の芳香族ビニル化合物の含有量は、単量体成分中に、
好ましくは45〜100重量%、さらに好ましくは45
〜80重量%、特に好ましくは45〜70重量%であ
る。45重量%未満では、流動性および耐衝撃性が低下
する。
【0012】上記グラフト重合の際に用いられる、芳香
族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体とし
ては、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エス
テル化合物、その他のビニル系単量体が挙げられる。シ
アン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどが挙げられる。(a−1)成分中の
シアン化ビニル化合物の使用量は、単量体成分中に、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重
量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
【0013】(メタ)アクリル酸エステル化合物として
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、アミノアクリレ
ート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリ
レート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート
などのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート
などのメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0014】その他のビニル系単量体としては、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不
飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和
酸;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマ
レイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド
などのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グ
リシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルな
どのエポキシ基含有不飽和化合物;アクリルアミド、メ
タクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;アクリ
ルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸ア
ミノエーテル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノス
チレンなどのアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキ
シ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス
−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロ
キシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−
プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシスチレンな
どの水酸基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなど
のオキサゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0015】上記(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂のグ
ラフト率は、好ましくは30〜150%、さらに好まし
くは40〜100%である。グラフト率が30%未満で
は、ゴム質重合体の添加効果が充分発揮されず、充分な
耐衝撃強度が得られない。一方、150%を超えると、
成形加工性が低下する。上記グラフト率は、ゴム質重合
体、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などの種類や量、
さらに重合時間、重合温度などを変えることにより容易
に調整することができる。ここで、グラフト率(%)
は、ゴム強化熱可塑性樹脂1g中のゴム成分重量をx、
メチルエチルケトン不溶分重量をyとすると、次式によ
り求められた値である。 グラフト率(%)=〔(y−x)/x〕×100
【0016】また、本発明の(a−1)成分の分子量
は、マトリックス成分であるメチルエチルケトン可溶分
の極限粘度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中で測
定)が、0.1〜1.0dl/g、好ましくは0.2〜
0.8dl/g、さらに好ましくは0.3〜0.7dl
/gである。この極限粘度〔η〕が0.1dl/g未満
であると、耐衝撃性および燃焼性が劣り、一方1.0d
l/gを超えると、成形品表面外観が劣る。上記極限粘
度〔η〕は、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤な
どの種類や量、さらに重合時間、重合温度などを変える
ことにより、容易に制御することができる。
【0017】本発明の(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂
は、ゴム質重合体の存在下に、上記のような芳香族ビニ
ル化合物を主成分とする単量体成分を乳化重合、懸濁重
合、溶液重合、塊状重合などでラジカルグラフト重合を
行い、製造することができる。好ましくは、乳化重合で
ある。この際、乳化重合には、重合開始剤、連鎖移動剤
(分子量調節剤)、乳化剤、水などが用いられる。な
お、(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂を製造するのに用
いるゴム質重合体および単量体成分は、ゴム質重合体全
量の存在下に、単量体成分を一括添加して重合してもよ
く、分割もしくは連続添加して重合してもよい。また、
これらを組み合わせた方法で、重合してもよい。さら
に、ゴム質重合体の全量または一部を、重合途中で添加
して重合してもよい。
【0018】重合開始剤としては、クメンハイドロパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどで代
表される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリン
酸処方、スルホキシレート処方などで代表される還元剤
との組み合わせによるレドックス系、あるいは過硫酸
塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキ
サイドなどの過酸化物が使用される。好ましくは、油溶
性開始剤であり、クメンハイドロパーオキサイド、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメン
タンハイドロパーオキサイドなどで代表される有機ハイ
ドロパーオキサイド類と含糖ピロリン酸処方、スルホキ
シレート処方などで代表される還元剤との組み合わせに
よるレドックス系がよい。また、上記油溶性開始剤と水
溶性開始剤とを組み合わせてもよい。組み合わせる場合
の水溶性開始剤の添加比率は、全添加量の好ましくは5
0重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下であ
る。さらに、重合開始剤は、重合系に一括または連続的
に添加することができる。重合開始剤の使用量は、単量
体成分に対し、通常、0.1〜1.5重量%、好ましく
は0.2〜0.7重量%である。
【0019】また、連鎖移動剤としては、オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン
などのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィ
ド、四塩化炭素、臭化エチレンおよびペンタフェニルエ
タンなどの炭化水素類、またはアクロレイン、メタクロ
レイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグ
リコレート、α−メチルスチレンのダイマーなどが挙げ
られる。これらの連鎖移動剤は、単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の使
用方法は、一括添加、分割添加、または連続添加のいず
れの方法でも差し支えない。連鎖移動剤の使用量は、単
量体成分に対し、通常、0.05〜2.0重量%程度で
ある。
【0020】乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げら
れる。このうち、アニオン性界面活性剤としては、例え
ば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸塩、脂肪酸塩
などが挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤として
は、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル
型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型
などが用いられる。さらに、両性界面活性剤としては、
アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、ス
ルホン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン部分として
アミン塩、第4級アンモニウム塩などを持つものが挙げ
られる。乳化剤の使用量は、単量体成分に対し、通常、
0.3〜5.0重量%程度である。なお、(a−1)ゴ
ム強化熱可塑性樹脂は、重合温度10〜120℃、好ま
しくは30〜110℃の条件下で乳化重合することが望
ましい。
【0021】次に、本発明の(B)酸化チタンは、顔料
として使用される。(A)熱可塑性樹脂組成物100重
量部に対する、(B)酸化チタンの添加量は、0.5〜
10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
0.5重量部未満では、リサイクル後の耐光試験での変
色度(以下「耐光変色」という)が大きく、リサイクル
性に劣り、10重量部を超えると、成形品の耐衝撃性に
劣る。(B)酸化チタンの平均粒径は、0.1〜0.5
μmであり、好ましくは0.1〜0.3μmである。平
均粒径が、0.1μm未満では、顔料としての機能であ
る可視光の遮蔽性が不充分であり、顔料添加の効果が得
られず、一方、0.5μmを超えると、リサイクル後の
耐光変色が大きくなり、リサイクル性に劣る。
【0022】次に、本発明の(C)ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤としては、通常のヒンダードフェノール
系酸化防止剤を使用すれば、目的とする効果を発揮す
る。例えば、いわゆる多環式ヒンダードフェノール、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネートなどのモノエステル型
高分子ヒンダードフェノール、ペンタエリスリチル−テ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネートなどのテトラエステル型
高分子ヒンダードフェノールなどが使用される。(A)
熱可塑性樹脂組成物100重量部に対する、(C)ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤の添加量は、0.1〜
1.0重量部であり、好ましくは0.1〜0.5重量部
である。0.1重量部未満では、リサイクル後の耐衝撃
強度の保持が充分でなく、一方、1.0重量部を超えて
添加しても、添加による改良効果の増大は見られない。
【0023】次に、本発明の(D)ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−
ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げ
られる。好ましくは、2−(5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ールである。
【0024】次に、本発明の(E)ヒンダードアミン系
光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(3
−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス
〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,
5−トリアジン縮合物などが使用される。好ましくは、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケートである。本発明で使用される(D)ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤と(E)ヒンダードアミ
ン系光安定剤との重量比は、(D)/(E)=0.5〜
2.0、好ましくは0.5〜1.5の範囲であり、か
つ、(D)成分および(E)成分合計の添加量は、
(A)熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、0.
1〜2.0重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部で
ある。(D)成分および(E)成分の重量比ならびに添
加量が上記範囲外であると、リサイクル後の成形品に優
れた耐光性が得られないか、費用の面で問題が生じる。
【0025】本発明の(A)成分は、上記(a−1)ゴ
ム強化熱可塑性樹脂100重量部に対し、(a−2)ハ
ロゲン系難燃剤3〜30重量部、(a−3)アンチモン
化合物0〜10重量部、ならびに(a−4)塩素化ポリ
エチレンおよび/またはポリテトラフルオロエチレン0
〜5重量部、を配合してなるものである熱可塑性樹脂組
成物であってもよい。
【0026】上記(a−2)ハロゲン系難燃剤として
は、例えばテトラブロモビスフェノールAおよびその誘
導体などの含ハロゲンビスフェノールAおよび含ハロゲ
ンビスフェノールA型エポキシ樹脂;テトラブロモ無水
フタル酸などの芳香族ハロゲン化合物;臭素化ジフェニ
ルエーテルなどのハロゲン化ポリフェニルエーテル;臭
素化ポリカーボネートオリゴマーおよびその誘導体など
のハロゲン化ポリカーボネートおよびハロゲン化ポリカ
ーボネートオリゴマー;臭素化エポキシ樹脂およびその
末端変性品などのハロゲン化エポキシオリゴマーおよび
ハロゲン化エポキシポリマー;臭素化ポリスチレンなど
のハロゲン化ポリスチレン;臭素化フェノキシ樹脂など
のハロゲン化フェノキシ樹脂;塩素化ポリエチレンなど
のハロゲン化ポリエチレンなどが挙げられる。好ましく
は、テトラブロモビスフェノールA、臭素化エポキシ樹
脂およびその末端変性品である。これらの(a−2)ハ
ロゲン系難燃剤は、1種単独で、または2種以上混合し
て使用される。上記ハロゲン系難燃剤の臭素などのハロ
ゲン含有率は、好ましくは30〜70重量%、さらに好
ましくは40〜60重量%である。
【0027】上記(a−2)ハロゲン系難燃剤の使用量
は、(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂100重量部に対
し、3〜30重量部、好ましくは5〜20重量部であ
り、3重量部未満では、燃焼性の改良効果がなく、一
方、30重量部を超えると、耐熱性および耐衝撃性が劣
り、費用面でも好ましくない。
【0028】本発明の難燃助剤として使用される(a−
3)成分のアンチモン化合物としては、例えば三酸化ア
ンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが
挙げられ、好ましくは三酸化アンチモンである。これら
のアンチモン化合物は、1種単独で、または2種以上混
合して使用される。(a−3)アンチモン化合物の使用
量は、(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂100重量部に
対し、0〜10重量部、好ましくは0〜8重量部、さら
に好ましくは1〜8重量部であり、10重量部を超える
と、成形品表面外観、耐衝撃性が劣る。
【0029】本発明のドリッピング防止剤として使用さ
れる(a−4)成分の塩素化ポリエチレンの塩素含有量
は、15〜40重量%、好ましくは15〜35重量%、
特に好ましくは20〜30重量%である。塩素含有量が
15重量%未満では、スチレン系樹脂である(a−1)
成分との相溶性が低下し、成形品の耐衝撃強度が低下す
る。一方、40重量%を超えると、熱安定性が低下し、
成形品表面外観が劣る。本発明では、異なる塩素含有量
の塩素化ポリエチレンを組み合わせて配合して使用でき
る。本発明の(a−4)成分のポリテトラフルオロエチ
レンは、分子量が小さすぎるとドリッピング効果が発現
しないため、一定以上の分子量が必要となる。一般的
に、数平均分子量が100万以上のものが使用される。
ポリテトラフルオロエチレンの製造方法は、乳化重合法
が一般的であるが、懸濁重合法のポリテトラフルオロエ
チレンでも、一定以上の分子量があれば、ドリッピング
効果を示す。
【0030】本発明の(a−4)成分として用いられる
塩素化ポリエチレンとポリテトラフルオロエチレン配合
比(重量比)は、通常、0〜100/100〜0であ
り、任意の配合比を採用できる。(a−4)成分の塩素
化ポリエチレンおよび/またはポリテトラフルオロエチ
レンの添加量は、(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂10
0重量部に対し、0〜5重量部、好ましくは0〜4重量
部である。5重量部を超えると、流動性が低下する。な
お、(a−4)成分として、塩素化ポリエチレン単独で
使用する場合、(a−1)成分100重量部に対し、好
ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重
量部である。また、(a−4)成分として、ポリテトラ
フルオロエチレン単独で使用する場合、(a−1)成分
100重量部に対し、好ましくは0.1〜1重量部、さ
らに好ましくは0.1〜0.8重量部、特に好ましくは
0.1〜0.5重量部である。
【0031】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
機械的性質を向上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、金属フレーク、ガラスビーズ、ワラスト
ナイト、ガラスのミルドファイバー、ロックフィラー、
ガラスフレーク、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カ
オリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化
マグネシウム、酸化亜鉛、酸化亜鉛ウィスカー、チタン
酸カリウムウィスカー、ガラスバルーン、セラミックバ
ルーンなどの充填材を、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を混合して用いることもできる。これら
の充填材のうち、ガラス繊維、炭素繊維の形状として
は、6〜60μmの繊維径と30μm以上の繊維長を有
するものが好ましい。これらの充填材は、本発明の熱可
塑性樹脂組成物100重量部に対し、通常、1〜200
重量部の範囲で用いられる。
【0032】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
公知のカップリング剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化防止
剤、耐候(耐光)剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料な
ど)、滑剤、帯電防止剤、シリコーンオイルなどの添加
物を配合することができる。さらに、本発明の熱可塑性
樹脂組成物には、要求される性能に応じて、他の熱可塑
性重合体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
アミド樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリ
フッ化ビニリデンなどを適宜ブレンドすることもでき
る。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種押し
出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィ
ーダールーダーなどを用い、各成分を混練りすることに
より得られる。好ましい製造方法は、押し出し機、バン
バリーミキサーを用いる方法である。また、各成分を混
練りするに際しては、各成分を一括して混練りしてもよ
く、数回に分けて添加混練りしてもよい。混練りは、押
し出し機で多段添加式で混練りしてもよく、またバンバ
リーミキサー、ニーダーなどで混練りし、その後、押し
出し機でペレット化することもできる。
【0034】このようにして得られる本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、射出成形、シート押し出し、真空成形、
異形成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス
成形、ブロー成形などによって、各種成形品に成形する
ことができる。
【0035】上記成形法によって得られる各種成形品
は、その優れた性質を利用して、OA・家電分野、電気
・電子分野、雑貨分野、サニタリー分野、自動車分野な
どの各種パーツ、ハウジング、シャーシ、トレーなどに
使用することができる。
【0036】さらに、本発明では、本発明の熱可塑性樹
脂組成物から得られた成形品をリサイクルするため、さ
らにこれを粉砕した粉砕物を5重量%以上、好ましくは
10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上を、
バージン樹脂などと混ぜて、本発明の組成物と同様に成
形して、再生成形材料に供することができる。例えば、
本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品を回収
材料として、これを、粉砕、洗浄、異物除去し、必要に
応じて、バージン樹脂とともに原料とし、タンブリング
処理により均一化処理を行なう。ここで、原料中の回収
樹脂の比率は、5重量%以上、好ましくは10重量%以
上、さらに好ましくは20〜90重量%、特に好ましく
は30〜80重量%である。5重量%未満では、リサイ
クル効率が低下してしまう。一方、上記比率が100重
量%であれば、リサイクル効率としては、最も好まし
い。しかしながら、上記比率を大きくすればするほ、リ
サイクル材料としての性能、特に異物混入量の増大によ
る成形品外観の低下が見られ、材料の物性値は低下する
場合がある。回収樹脂は、上記のように、必要に応じ
て、バージン樹脂とともに、タンブラーでタンブリング
して均一化処理されたのち、ダイスヘッドに金網を設置
したベント付き押し出し機に投入され、ペレット化され
て、最終的な再生プラスチック材料とすることができ
る。このようにして得られる再生成形材料は、バージン
樹脂とほとんど変わらない物性を有するので、本発明の
熱可塑性樹脂組成物と同様の用途に用いることができ
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例になんら制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らない限り重量基準である。ま
た、実施例中の各種評価は、次のようにして測定したも
のである。
【0038】平均粒径 大塚電子(株)製、レーザー粒径解析システムLPA−
3100を用いて、平均粒径を測定した。グラフト率 本文中に記載 極限粘度〔η 〕 ゴム強化熱可塑性樹脂をメチルエチルケトンに投入し、
振とう機で6時間振とうする。これを、遠心分離機(回
転数23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶
分と可溶分とを分離する。この可溶分を真空乾燥機で充
分乾燥した。この可溶分をメチルエチルケトンに溶解さ
せ、濃度の異なるものを5点作った。ウベローデ粘度管
を用い、30℃で各濃度の還元粘度を測定した結果か
ら、極限粘度〔η〕を求めた。
【0039】ペレット化 配合原料をヘンシェルミキサーにより、3分間ミキシン
グした後、ナカタニ機械(株)製、NVC型50mmベ
ント押し出し機でシリンダー設定温度220℃で溶融混
練り押し出しし、ペレット化した。得られたペレット
は、充分に乾燥した。試験片の作成 日本製鋼株式会社製、射出成形機J100E−C5を用
い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃で射出成
形し、物性評価用試験片を成形した。リサイクル後の物性 下記耐光試験実施後の試験片を粉砕したものを、上記同
様に、ペレット化し、ペレットを使用して、試験片を作
成し、作成した試験片の物性を測定した。
【0040】耐衝撃性(アイゾット衝撃強度) JIS K7110に準じて、東洋精機(株)製、イン
パクトテスターを用いて、2号型試験片のノッチ付き破
壊エネルギーを測定した。熱変形温度 JIS K7207に準じて、安田精機(株)製、熱変
形試験機を用いて、幅6.4mm×高さ12.8mm×
長さ128mmの試験片について、曲げ応力18.5k
gf/cm2 で、熱変形温度を測定した。
【0041】耐光性 ATLAS社製、キセノンアーク耐光試験機C165D
MCを用い、300時間後の変色度を測定した。燃焼性 UL94規格に定められた方法により、長さ5″×幅1
/2″×厚み1/12″の試験片について垂直燃焼試験
を行った。
【0042】参考例1〔ゴム質重合体(イ)、(ロ)の
調製〕 本発明の(a−1)のゴム質重合体として用いられるエ
チレン−プロピレン系ゴム質重合体(イ)、およびジエ
ン系ゴム質重合体(ロ)を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】参考例2〔(a−1)成分の調製〕 ゴム質重合体(イ)または(ロ)の存在下に、乳化剤と
してロジン酸カリウム、重合開始剤としてクメンハイド
ロパーオキサイドを用い、単量体成分としてスチレンと
アクリロニトリルを重合した樹脂(a−1−1)および
(a−1−2)、ならびにスチレンとアクリロニトリル
だけで重合した樹脂(a−1−3)を得た。これらの樹
脂組成を表2に示す。なお、(a−1−1)は、溶液重
合で、(a−1−2)および(a−1−3)は、乳化重
合で得た。
【0045】
【表2】
【0046】参考例3〔(a−2)ハロゲン系難燃剤の
調製〕 下記(a−2−1)〜(a−2−2)を使用した。 a−2−1;大日本インキ化学工業(株)製、平均分子
量2,000のテトラブロモフェノールによる末端封止
型臭素化エポキシオリゴマー(商品名:プラサームEC
−20) a−2−2;大日本インキ化学工業(株)製、平均分子
量1,600の臭素化エポキシオリゴマー(商品名:プ
ラサームEP−16)
【0047】参考例4〔(a−3)難燃助剤の調製〕 下記(a−3)を使用した。 a−3;日本精鉱(株)製、三酸化アンチモン(商品
名:ATOX−S)
【0048】参考例5〔(a−4)ドリッピング防止剤
の調製〕 下記(a−4−1)〜(a−4−2)を使用した。 a−4−1;ダイソー(株)製、塩素含有量35%の塩
素化ポリエチレン(商品名:ダイソラックG−235) a−4−2;三井デュポンフロロケミカル(株)製、ポ
リテトラフルオロエチレン(商品名:6CJ)を用い
た。
【0049】参考例6〔(A)成分の調製〕 上記(a−1)〜(a−4)成分を、表3に示す配合割
合で、混合し、(A)成分(A−1)〜(A−3)とし
た。配合および混合は、実施例および比較例で熱可塑性
樹脂組成物を得る際に、同時に行なった。
【0050】
【表3】
【0051】参考例7〔(B)酸化チタンの調製〕 下記B−1〜3を使用した。 B−1;石原産業(株)製、平均粒径0.35〜0.4
5μm、アルミナ表面処理 B−2;石原産業(株)製、平均粒径0.15〜0.3
0μm、アルミナ表面処理 B−3;石原産業(株)製、平均粒径0.8〜1.2μ
m、表面処理なし
【0052】参考例8〔(C)ヒンダードフェノール系
酸化防止剤の調製〕 下記C−1〜2を使用した。 C−1;チバガイギー(株)製、ペンタエリスリチル−
テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート C−2;チバガイギー(株)製、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート
【0053】参考例9〔(D)ベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤の調製〕 下記D−1〜2を使用した。 D−1;チバガイギー(株)製、2−(5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール D−2;チバガイギー(株)製、2−(3,5−ジ−t
−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
【0054】参考例10〔(E)ヒンダードアミン系光
安定剤の調製〕 下記E−1〜2を使用した。 E−1;チバガイギー(株)製、ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート E−2;チバガイギー(株)製、N,N′−ビス(3−
アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N
−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−
トリアジン縮合物
【0055】実施例1〜7、比較例1〜6 上記各成分を、表4〜5に示す配合割合で、混合、ペレ
ット化し、物性評価用試験片を得た。これらの試験片を
用い、上記評価法で評価した。結果を表4〜5に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】表4の実施例1〜7より明らかなように、
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、リサイクル後も各種物
性の劣化がほとんど見られず、リサイクル性に優れた材
料となっている。一方、表5から明らかなように、比較
例1は、(B)酸化チタンが本発明の範囲外で少ない場
合であり、リサイクル後のアイゾット衝撃強度および耐
光性が劣る。比較例2は、(B)酸化チタンが本発明の
範囲外で多い場合であり、リサイクル前のアイゾット衝
撃強度が劣る。
【0059】比較例3は、(B)酸化チタンの平均粒径
が本発明の範囲外で大きい場合であり、リサイクル前の
アイゾット衝撃強度および耐光性が劣る。比較例4は、
(C)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の量が本発明
の範囲外で少ない場合であり、リサイクル後のアイゾッ
ト衝撃強度が劣る。比較例5は、(D)成分と(E)成
分の比が本発明の範囲外で小さい場合であり、リサイク
ル後のアイゾット衝撃強度および耐光性が劣る。比較例
6は、(D)成分と(E)成分の比が本発明の範囲外で
多い場合であり、リサイクル後のアイゾット衝撃強度が
劣る。
【0060】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性、耐光性、およびリサイクル性に優れており、広範囲
の用途、例えばOA・家電機器分野、電気・電子分野、
通信機器分野、サニタリー分野、自動車分野、雑貨分野
などの各パーツ、ハウジング、シャーシーなどに有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3492 C08K 5/3492 7/18 7/18 C08L 23/28 C08L 23/28 27/18 27/18 Fターム(参考) 4J002 BB242 BD152 BN061 BN121 BN141 BN231 DE120 DE136 EJ017 EN059 EU178 FA086 FD049 FD058 FD077 FD130 GB01 GM00 GN00 GQ00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム質重合体の存在下に、芳香族
    ビニル化合物を主成分とする単量体成分をグラフト重合
    して得られるゴム強化熱可塑性樹脂(a−1)を必須成
    分とする熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、 (B)平均粒径0.1〜0.5μmの酸化チタン0.5
    〜10重量部、 (C)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1〜1重
    量部、 (D)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、および (E)ヒンダードアミン系光安定剤〔ただし、(D)/
    (E)(重量比)=0.5〜2.0の範囲であり、か
    つ、(D)+(E)=0.1〜2重量部〕を配合したこ
    とを特徴とするリサイクル性に優れた熱可塑性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(A)熱可塑性樹脂組成
    物が、請求項1記載の(a−1)ゴム強化熱可塑性樹脂
    100重量部に対し、さらに、 (a−2)ハロゲン系難燃剤3〜30重量部、 (a−3)アンチモン化合物0〜10重量部、ならびに (a−4)塩素化ポリエチレンおよび/またはポリテト
    ラフルオロエチレン0〜5重量部、を配合してなる請求
    項1記載のリサイクル性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組
    成物の成形品の粉砕物を5重量%以上含有する再生成形
    材料。
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