JP2001220345A - 表皮セラミド生成促進剤、及びこれを含有する表皮保湿機能改善剤 - Google Patents
表皮セラミド生成促進剤、及びこれを含有する表皮保湿機能改善剤Info
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Abstract
進して表皮の保湿機能自体を改善することのできる、表
皮セラミド生成促進剤及び表皮保湿機能改善剤を得る。 【解決手段】 脂肪酸及びその塩並びに誘導体よ
り成る群から選択した1種又は2種以上と、L-カルニチ
ン及びDL-カルニチン、並びにこれらの塩及び誘導体よ
り成る群から選択した1種又は2種以上を併用して担体
や基剤に含有させて表皮セラミド生成促進剤を得、さら
に前記表皮セラミド生成促進剤より1種又は2種以上を
選択して基剤等に含有させて、表皮保湿機能改善剤とす
る。
Description
成を促進し得る表皮セラミド生成促進剤、及びこれを含
有して成る、表皮セラミドの充実を図り、表皮保湿機能
を正常化し得る、表皮保湿機能改善剤に関する。
として表皮の保護機能及び保湿機能に関与し、加齢や紫
外線曝露,有機溶媒や界面活性剤との接触といった物理
的及び化学的ストレスによりセラミドの減少や構造の乱
れが生じることにより、表皮の前記機能が損なわれるこ
とが明らかになるにつれ、これを外用により補う試みが
なされ(特開昭61−260008,同63−1927
03)、さらには保湿機能,安定性,安全性等に優れ、
コスト的にも安価なセラミド類似のアミド誘導体の使用
も多く開示されるに至っている(特開昭63−2168
12,同63−218609,同63−222107
等)。
合物を外用しても、これらが効率よく経皮吸収され、表
皮内で細胞間脂質の再構築に利用されるとはいい難い状
況であった。また本来であれば、表皮内のセラミドの生
成自体を活性化することが好ましいのであるが、これま
で有効なセラミド生成促進剤はあまり報告されていな
い。
は、表皮のセラミドの生成を有効に促進して表皮の保湿
機能自体を改善することのできる、表皮セラミド生成促
進剤及び表皮保湿機能改善剤を得ることを目的とした。
く、表皮セラミドの生成を促進し得る物質を検索したと
ころ、脂肪酸及びその塩並びに誘導体より成る群から選
択した1種又は2種以上と、L-カルニチン及びDL-カル
ニチン、並びにこれらの塩及び誘導体より成る群から選
択した1種又は2種以上を併用して担体や基剤に含有さ
せることにより、良好な結果が得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
しては、炭素数6〜32程度の直鎖もしくは分岐鎖を有
する飽和又は不飽和脂肪酸が好ましいものとして挙げら
れる。直鎖飽和脂肪酸としては、ヘキサン酸(カプロン
酸),オクタン酸(カプリル酸),デカン酸(カプリン
酸),ウンデカン酸,ドデカン酸(ラウリン酸),テト
ラデカン酸(ミリスチン酸),ペンタデカン酸,ヘキサ
デカン酸(パルミチン酸),オクタデカン酸(ステアリ
ン酸),エイコサン酸(アラキン酸),ドコサン酸(ベ
ヘン酸)等が、直鎖モノエン酸としては、9-デセン酸
(カプロレイン酸),9-ウンデセン酸(9-ウンデシレン
酸),10-ウンデセン酸(10-ウンデシレン酸),2-ドデ
セン酸(2-ラウロレイン酸),5-ドデセン酸(5-ラウロ
レイン酸),11-ドデセン酸(11-ラウロレイン酸),5-
テトラデセン酸(5-ミリストレイン酸),9-テトラデセ
ン酸(9-ミリストレイン酸),2-ヘキサデセン酸(2-パ
ルミトレイン酸),7-ヘキサデセン酸(7-パルミトレイ
ン酸),cis-6-オクタデセン酸(ペトロセリン酸),tr
ans-6-オクタデセン酸(ペトロセエライジン酸),cis-
9-オクタデセン酸(オレイン酸),trans-9-オクタデセ
ン酸(エライジン酸),cis-11-エイコセン酸(ゴンド
イン酸),cis-13-ドコセン酸(エルカ酸)等が、ジエ
ン酸としては、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸),ci
s-9,cis-12-オクタデカジエン酸(リノール酸),cis-
9,trans-12-オクタデカジエン酸(リノエライジン酸)
等が、トリエン酸としては、cis-9,trans-11,trans-13-
オクタデカトリエン酸(α-エレオステアリン酸),tra
ns-9,trans-11,trans-13-オクタデカトリエン酸(β-エ
レオステアリン酸),cis-9,cis-12,cis-15-オクタデカ
トリエン酸(リノレン酸),trans-9,trans-12,trans-1
5-オクタデカトリエン酸(リノエライジン酸)等が、テ
トラエン酸としては、5,8,11,14-エイコサテトラエン酸
(アラキドン酸)等が例示される。また、分岐鎖を有す
る飽和脂肪酸としては、2-エチルブタン酸,2-メチルペ
ンタン酸,2-エチルヘキサン酸,2,2-ジメチルオクタン
酸,14-メチルペンタデカン酸(イソパルミチン酸),1
6-メチルヘプタデカン酸(イソステアリン酸)等が例示
される。さらに、12-ヒドロキシステアリン酸等のヒド
ロキシ脂肪酸や、ヤシ油脂肪酸,ラノリン脂肪酸等の天
然混合脂肪酸も使用できる。
カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン
塩等のアミン塩等が、また誘導体としては、上記脂肪酸
のアルキルエステル,アルケニルエステル,グリセリル
エステル等各種エステル、及びアミドが挙げられる。本
発明においては、これら脂肪酸及びその塩並びに誘導体
より1種又は2種以上を選択して用いる。本発明に係る
表皮セラミド生成促進剤においては、0.0001〜
5.0重量%程度担体等に含有させるのが適切である。
種又は2種以上と併用するカルニチンは、4-トリメチル
アミノ-3-ヒドロキシ酪酸のことであり、公知の物質で
ある。カルニチン及びその塩並びに誘導体の皮膚化粧料
への配合についてもすでに開示されており(特開昭51
−14802)、また塩化カルニチンが表皮の透過バリ
ア強度を強化させることも知られている(特開平11−
302143)が、本発明におけるように、脂肪酸類の
1種又は2種以上と併用することにより、表皮のセラミ
ドの生成を促進することはこれまで全く示されていな
い。
カルニチン及びこれらの塩並びに誘導体より1種又は2
種以上を選択して用いる。これらの塩としては、塩酸
塩,酢酸塩,硫酸塩等が挙げられ、誘導体としては、ア
ルキルエステル,アルケニルエステル,グリセリルエス
テル等の各種エステル、及びアミド等が挙げられる。本
発明に係る表皮セラミド生成促進剤においては、担体等
に0.0001〜5.0重量%程度含有させるのが適切
である。
上記脂肪酸及びその塩並びに誘導体より選択した1種又
は2種以上と、L-カルニチン及びDL-カルニチン及びこ
れらの塩並びに誘導体より選択した1種又は2種以上と
を、水,生理食塩水,リン酸緩衝生理食塩水といった水
性担体や、ローション基剤,乳剤,ゲル剤,クリーム基
剤,軟膏基剤等の皮膚外用剤用基剤に可溶化もしくは分
散させて調製することができる。また、マイクロカプセ
ルやリポソーム等に内包させてもよい。なお本発明に係
る表皮セラミド生成促進剤には、製剤の安定化を図るた
め、界面活性剤,抗酸化剤,防菌防黴剤等を添加するこ
とができる。
ド生成促進剤の1種又は2種以上をそのまま、もしくは
各種基剤に含有させて、表皮保湿機能改善剤とすること
ができる。かかる表皮保湿機能改善剤には、さらに保湿
剤,皮膚細胞賦活剤,抗酸化剤,防菌防黴剤,香料等を
添加することができる。
詳細に説明する。
(4)で全体を1.0リットルとする。本実施例中のアラ
キドン酸濃度は5.0×10-4M,L-カルニチン濃度は
0.01Mである。
生成促進作用を評価した。その際、実施例1においてア
ラキドン酸を添加しないで同様に調製したものを比較例
1、L-カルニチンを添加しないでアラキドン酸を倍量添
加して同様に調製したものを比較例2として、同時に評
価を行った。
表皮ケラチノサイトを用いて次のようにして評価した。
まず、35mm径のディッシュに正常ヒト表皮ケラチノ
サイトを5,000個/ディッシュとなるように播種
し、正常ヒト表皮角化細胞増殖用無血清液体培地(クラ
ボウ社製)にて37℃で90%コンフルエントに達する
まで培養する。次いで培地を上記実施例及び比較例のそ
れぞれを1.0ml添加し、全量を100mlとして調
製した細胞分化用培地(10容量%ウシ胎仔血清,10
μg/mlインシュリン,0.4μg/mlハイドロコ
ルチゾンを添加したダルベッコ修正基礎培地(日研生物
医学研究所製)と、Ham’s F-12培地(極東製薬
工業製)の3:1混合培地)に交換し、2日ごとに培地
を交換しながら培養して、10日目にディッシュより回
収したケラチノサイトよりクロロホルム・メタノール混
合溶媒(容量比=2:1)で脂質を抽出した。抽出した
脂質は乾固した後前記混合溶媒200μlに溶解し、薄
層クロマトグラフィーによりセラミドの定量を行った。
なお、実施例及び比較例を添加せず、細胞分化用培地に
て同様に培地交換した系を対照とした。実験はそれぞれ
の系について2回ずつ行い、平均値を算出して表1に示
した。
1を添加した系では、対照に比べて有意にセラミド含有
量が上昇しており、セラミド生成の促進が認められてい
た。これに対し、L-カルニチンのみを含有する比較例1
を添加した系では、対照に比べてセラミド含有量の上昇
は認められず、アラキドン酸のみを倍量含有する比較例
2を添加した系では、わずかなセラミド含有量の上昇が
見られたのみであり、脂肪酸又はL-カルニチンのみで
は、有効なセラミド生成の促進効果が得られないことが
示された。
進剤についての他の実施例を示す。
後、全量を100mlとする。
し、70℃とする。一方、(7)〜(11)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に
前記油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化し、冷
却する。
溶解して添加し、次いで(4)を加えて増粘させ、(7)を添
加,溶解する。
る。一方、(8)〜(11)の水相成分を混合,溶解して75
℃に加熱する。次いで、この水相成分に前記油相成分を
添加して予備乳化した後ホモミキサーにて均一に乳化
し、冷却する。
し、75℃とする。一方、(7),(8)の水相成分を混合,
加熱して均一とし、75℃とする。この水相成分に前記
油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却し
た後40℃にて(9),(10)を添加,溶解する。
〜(4)を添加,混合して添加し、65℃で懸濁した後超
音波処理してリポソームを調製し、遠心分離により回収
する。
て溶解した水溶液に撹拌しながら添加,分散する。この
分散液を撹拌しながら20重量%の塩化カルシウム水溶
液中に滴下し、生じたマイクロカプセルを遠心分離にて
回収する。
ついての実施例を示す。
とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合,加熱溶解して
75℃とし、これに前記油相を撹拌しながら徐々に添加
した後、ホモミキサーにて乳化し、冷却する。
らかじめ50℃に加温した(4)に撹拌しながら徐々に添
加する。これをあらかじめ混合し、70℃に加熱溶解し
た(1)〜(3)に均一に分散し、次いで(7)〜(9)を(10)の残
部に溶解して70℃に加熱したものを撹拌しながら添加
し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、50℃にて(1
1)を添加,混合する。
添加して均一に混合し、これに(8)を加えて分散する。
て添加し、次いで(3)を加えて増粘させ、(6)を添加,分
散する。
て使用試験を行い、表皮保湿機能の改善状況を評価し
た。その際、実施例9,実施例11において、表皮セラ
ミド生成促進剤1及び表皮セラミド生成促進剤7につい
て脂肪酸を添加せずに同様に調製したものを添加して比
較例3,比較例5とし、実施例10,実施例12におい
て、表皮セラミド生成促進剤2及び表皮セラミド生成促
進剤8についてL-カルニチン又はその塩を添加せずに同
様に調製したものを添加して比較例4,比較例6とし、
同時に使用試験に供した。
0才代〜60才代の男女パネラー20名を1群とし、各
群に実施例9〜実施例12及び比較例3〜比較例6のそ
れぞれをブラインドにて1日2回、2週間使用させ、使
用試験開始前と使用試験終了後の各パネラーの皮膚の状
態を観察し、同時に皮膚表面のコンダクタンスを測定し
て行った。皮膚の状態は、表2に示す評価基準に従って
評価して点数化した。皮膚の状態及び皮膚表面コンダク
タンスの測定値について20名の平均値を求め、使用試
験開始前と使用試験終了後を比較して表3に示した。
9〜実施例12使用群では皮膚の状態はほぼ良好な状態
まで改善しており、表皮水分量を示す皮膚表面のコンダ
クタンス値は有意に上昇していた。これに対し比較例3
〜比較例6使用群では、皮膚の状態の改善は不十分で、
皮膚表面のコンダクタンス値の上昇も、使用試験開始前
に比べて認められるものの、その程度は各対応する実施
例使用群に比べてはるかに小さいものであった。
のセラミドの生成を有効に促進して表皮の保湿機能を改
善することのできる、表皮セラミド生成促進剤及び表皮
保湿機能改善剤を得ることができた。
Claims (2)
- 【請求項1】 脂肪酸及びその塩並びに誘導体より成る
群から選択した1種又は2種以上と、L-カルニチン及び
DL-カルニチン、並びにこれらの塩及び誘導体より成る
群から選択した1種又は2種以上を含有して成る、表皮
セラミド生成促進剤。 - 【請求項2】 請求項1に記載の表皮セラミド生成促進
剤の1種又は2種以上を含有して成る、表皮保湿機能改
善剤。
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