JP6661319B2 - リポソーム - Google Patents

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Description

本発明は、簡便に形成でき、優れた安定性を備えるリポソームに関する。また、本発明は、当該リポソームを使用した外用組成物に関する。
リポソームは、生体膜の主要成分であるリン脂質の二分子膜からなるナノサイズの小胞体であり、皮膚浸透機能があるため、香粧学的活性や薬理活性を有する成分を内包するキャリアーとして、種々の外用組成物において使用されている。
従来、外用組成物に使用されるリポソームについては、安定性や使用感等の点から種々の製剤処方が報告されている。例えば、特許文献1では、ホスファチジルコリン含量90重量%以上でヨウ素価0.1以下の水素添加大豆リン脂質を使用し、平均粒径を100〜500nmに調整した化粧料用リポソームは、経時的に安定で、べたつき感がなく、肌のなめらかさを持続できることが報告されている。また、特許文献2には、ホスファチジルコリン含量90質量%以上である水素添加大豆リン脂質、コレステロール、N-アシルアミノ酸塩、及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとブチルメタクリレートの共重合体を使用して、平均粒径を50〜500nmに調整した化粧料用リポソームは、べたつき感がなく、なめらかな感触が得られ、安定性、保湿性、他の成分の配合性に優れることが報告されている。
一方、従来、リポソームの形成には、水相と油相を混合した状態で、均質高圧処理、超音波処理、高速撹拌、高速切削液体処理等の工程によって高いエネルギーをかける必要があるため、製造コストが高い、製造規模を拡大することが困難等の欠点がある。更に、リポソームには、安定性が悪いという欠点があり、リポソームを含む外用組成物を実用化する上で、リポソームの安定性の向上を図る処方設計が必要とされる。
そこで、均質高圧処理等の工程を経ることなく、簡便な方法で、しかも優れた安定性を備えるリポソームを形成することができれば、リポソームの製剤技術の飛躍的進歩に寄与できると期待される。
特開2006−124378号公報 特開2012−184182号公報
本発明の目的は、簡便に形成でき、優れた安定性を備えるリポソームを提供することである。また、本発明の他の目的は、当該リポソームを使用した外用組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、レシチンとコレステロールとトリグリセライドをそれぞれ1:0.05〜0.3:0.1〜0.8の重量比で含むリポソームは、均質高圧処理等の工程を行わなくても、一般的な混合に要する撹拌のみで形成でき、しかも優れた安定性を備えることを見出した。更に、前記組成のリポソームにおいて、トリグリセライドとして不飽和脂肪酸鎖を含むものを使用すると、皮膚への塗布後の肌馴染みが向上し、肌に良好なツヤを与え得ることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. レシチン、コレステロール、及びトリグリセライドを含み、
レシチン:コレステロール:トリグリセライドの重量比が1:0.05〜0.3:0.1〜0.8であることを特徴とする、リポソーム。
項2. 前記トリグリセライドの構成脂肪酸として、不飽和脂肪酸を含む、項1に記載のリポソーム。
項3. 前記不飽和脂肪酸の炭素数が16〜18である、項2に記載のリポソーム。
項4. トリグリセライドの全構成脂肪酸に対して不飽和脂肪酸が占める割合が50〜100%である、項2又は3に記載のリポソーム。
項5. 更に、ヒアルロン酸、その加水分解物、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、項1〜4のいずれかに記載のリポソーム。
項6. 項1〜5のいずれかに記載のリポソームを含有する、外用組成物。
項7. 化粧料である、項6に記載の外用組成物。
項8. レシチン、コレステロール、及びトリグリセライドを、それぞれ1:0.05〜0.3:0.1〜0.8の重量比で含む混合液を水性溶液に添加して撹拌する工程を含む、リポソームの製造方法。
本発明のリポソームは、均質高圧処理等の工程を行わなくても、一般的な混合に要する撹拌のみで形成できるので、製造効率化、製造コストの低減等を図ることができる。また、本発明のリポソームは、安定性に優れており、長期間保存してもリポソーム形態を安定に維持することが可能になっている。
更に、本発明のリポソームにおいて、構成脂肪酸として不飽和脂肪酸鎖を含むトリグリセライドを使用すると、肌馴染みが向上し、肌に良好なツヤを付与することが可能になり、良好な使用感を得ることもできる。
本発明のリポソームは、レシチン、コレステロール、及びトリグリセライドを含み、レシチン:コレステロール:トリグリセライドの重量比が1:0.05〜0.3:0.1〜0.8であることを特徴とする。以下、本発明のリポソームについて詳述する。
レシチン
本発明のリポソームは、レシチンを含む。本発明のリポソームにおいて、レシチンは、リポソームの膜構成成分としての機能を果たすと考えられる。
本発明に使用されるレシチンとしては、具体的には、動物又は植物から得られ、脂肪酸鎖として不飽和脂肪酸鎖を含む天然レシチンが挙げられる。レシチンは、不飽和二重結合を多く含んでおり、ヨウ素価は通常20以上である。このような不飽和二重結合を多く含む天然レシチンを使用することによって、簡便なリポソームの形成、優れた安定性の付与が可能になる。リポソームの形成容易性や安定性をより一層向上させるという観点から、レシチンのヨウ素価として、好ましくは25以上、更に好ましくは30以上が挙げられる。レシチンのヨウ素価の上限としては、通常120以下、好ましくは100以下、更に好ましくは95以下が挙げられる。
レシチンに含まれるリン脂質の種類については、特に制限されず、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸等が挙げられる。本発明で使用されるレシチンは、これらのリン脂質の内の1種単独で構成されていてもよく、また2種以上の組み合わせによって構成されていてもよい。本発明で使用されるレシチンとして、リポソームの形成容易性、安定性、及び肌馴染みをより一層向上させるという観点から、ホスファチジルコリン含量が、10重量%以上、好ましくは15重量%以上、更に好ましくは20重量%以上であるレシチンが挙げられる。ホスファチジルコリン含量の上限としては、特に制限されないが、95重量%以下が挙げられる。
本発明で使用されるレシチンの由来については、特に制限されず、動物由来又は植物由来のいずれであってもよい。
動物由来のレシチンとしては、具体的には、卵黄レシチン、魚介類由来のレシチン等が挙げられる。これらの動物由来のレシチンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、植物由来のレシチンとしては、具体的には、大豆レシチン、ゴマレシチン、とうもろこしレシチン、アマニレシチン、オリーブレシチン、米レシチン、なたねレシチン、ひまわりレシチン、サフラワーレシチン、綿実レシチン、キリレシチン、グレープレシチン、アボガドレシチン、ヤシレシチン、パームレシチン等が挙げられる。これらの植物由来のレシチンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のリポソームにおいて、レシチンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明で使用されるレシチンとして、リポソームの形成容易性、安定性、及び肌馴染みをより一層向上させるという観点から、好ましくは、卵黄レシチン、大豆レシチン、更に好ましくは卵黄レシチンが挙げられる。
また、本発明に使用されるレシチンは、精製物を使用してもよいが、レシチンが含まれていることを限度として他の成分が含まれていてもよい。特に、卵黄レシチンを使用する場合であれば、卵黄の低級アルコール抽出物を使用することが好ましい。
しかしながら、卵黄の低級アルコール抽出物は、卵黄を、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールでレシチン等の脂質、その他の油脂成分を抽出したものであることから、卵黄レシチン以外にも、コレステロール及びトリグリセライドが多く含まれ、本発明のリポソームが特徴とするレシチン:コレステロール:トリグリセライドの重量比の上限(1:0.3:0.8)を超えることになる。卵黄の低級アルコール抽出物を使用する場合には、当該抽出物を必要に応じて乾燥・固化させ、更に低級アルコールでの抽出処理に供するなど、レシチン以外の脂質や油脂成分を低減又は除去することで使用できる。卵黄の低級アルコール抽出物は、卵黄レシチンが15重量%以上含まれていることが好ましく、20重量%以上含まれていることが好ましく、25重量%以上含まれていることが更に好ましい。
レシチンは商業的に入手可能であり、本発明では商業的に入手可能なレシチンを使用することができる。商業的に入手可能なレシチンとしては、例えば、大豆レシチンとして、日油株式会社(商品名:COATSOME NC−20(SPC))、Lipoid社(商品名:LIPOID P100)等が挙げられ、卵黄レシチンとして、日油株式会社(商品名:COATSOME NC−50(EPC))、Lipoid社(商品名:LIPOID E PC S)、キユーピー株式会社(商品名:卵黄レシチンPL−30S)等が挙げられる。
コレステロール
本発明のリポソームは、更にコレステロールを含む。本発明のリポソームにおいて、コレステロールは、リポソームの膜構成成分となり、所定の比率で含まれることによって、リポソームの形成容易性及び安定性の向上に寄与する。
本発明で使用されるコレステロールについては、動物又は植物から得られたものを使用してもよく、また微生物培養、化学合成、酵素反応等によって生成したものを使用してもよい。
コレステロールは商業的に入手可能であり、本発明では商業的に入手可能なコレステロールを使用することができる。商業的に入手可能なコレステロールとしては、例えば、クローダジャパン株式会社(商品名:COLESTEROL NF)、日本精化株式会社(商品名:コレステロールJSQI、日本薬局方コレステロール)、日本水産株式会社(商品名:ニッスイマリンコレステロール)等が挙げられる。
トリグリセライド
本発明のリポソームは、更にトリグリセライドを含む。本発明のリポソームにおいて、トリグリセライドは、リポソームの膜構成成分となり、所定の比率で含まれることによって、リポソームの形成容易性及び安定性の向上に寄与する。
本発明で使用されるトリグリセライドの構成脂肪酸は、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
トリグリセライドの構成脂肪酸の炭素数(脂肪酸残基1つ当たりの炭素数)については、特に制限されないが、例えば12〜20、好ましくは14〜20が挙げられる。より具体的には、リポソームの形成容易性及び安定性をより一層向上させるという観点から、トリグリセライドの構成脂肪酸の炭素数(脂肪酸残基1つ当たりの炭素数)として、トリグリセライドの構成脂肪酸が不飽和脂肪酸の場合であれば、更に好ましくは16〜18;トリグリセライドの構成脂肪酸が飽和脂肪酸の場合であれば、更に好ましくは14〜18が挙げられる。
トリグリセライドの構成脂肪酸の内、不飽和脂肪酸としては、具体的には、パルミトイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、αリノレイン酸、γリノレイン酸、アラキドン酸等が挙げられる。これらの不飽和脂肪酸の中でも、リポソームの形成容易性、安定性、肌馴染み、及び肌に与えるツヤをより一層向上させるという観点から、好ましくはパルミトイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、αリノレイン酸、γリノレイン酸、更に好ましくはオレイン酸が挙げられる。
トリグリセライドの構成脂肪酸の内、飽和脂肪酸としては、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸等が挙げられる。これらの飽和脂肪酸の中でも、リポソームの形成容易性、及び安定性をより一層向上させるという観点から、好ましくはミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、更に好ましくはステアリン酸が挙げられる。
また、トリグリセライド1分子に含まれる構成脂肪酸は、3つとも不飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸であってもよく、1又は2つが不飽和脂肪酸であり且つ2又は1つが飽和脂肪酸であってもよい。トリグリセライドの中でも、構成脂肪酸として不飽和脂肪酸が少なくとも1つ含まれているトリグリセライドは、リポソームの形成容易性及び安定性をより一層向上できると共に、肌馴染みを向上させつつ良好なツヤを肌に付与することが可能になるため、好適である。リポソームの形成容易性、安定性、肌馴染み、及び肌に与えるツヤをより一層向上させるという観点から、3つの構成脂肪酸の内、少なくとも2つが不飽和脂肪酸であるトリグリセライドが更に好ましく、3つの構成脂肪酸の全てが不飽和脂肪酸であるトリグリセライドがより好ましく、3つの構成脂肪酸の全てが炭素数16〜18不飽和脂肪酸であるトリグリセライドが特に好ましく、3つの構成脂肪酸の全てがオレイン酸であるトリグリセライド(トリオレイン)が最も好ましい。
本発明のリポソームにおいて、トリグリセライドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明で使用されるトリグリセライドとして、リポソームの形成容易性及び安定性を高めつつ、肌馴染み及び肌に与えるツヤを向上させるという観点から、本発明のリポソームに含まれるトリグリセライドの全構成脂肪酸に対して不飽和脂肪酸が占める割合として、好ましくは50〜100%、更に好ましくは55〜100%、より好ましくは60〜100%が挙げられる。ここで、「トリグリセライドの全構成脂肪酸に対して不飽和脂肪酸が占める割合」とは、全トリグリセライド1分子当たりの構成脂肪酸の鎖数を3として、本発明のリポソームに含まれる全トリグリセライドの構成脂肪酸の鎖数の総量に対する不飽和脂肪酸の鎖数の割合である。
レシチン、コレステロール、及びトリグリセライドの比率
本発明のリポソームでは、レシチン:コレステロール:トリグリセライドの重量比が、1:0.05〜0.3:0.1〜0.8を満たすように設定される。このような比率を満たすことによって、リポソームを簡便に形成することが可能になると共に、優れた安定性を備えさせることができる。
リポソームの形成容易性及び安定性をより一層向上させるという観点から、レシチン:コレステロール:トリグリセライドの重量比として、好ましくは1:0.1〜0.3:0.1〜0.8、更に好ましくは1:0.1〜0.2:0.1〜0.6が挙げられる。また、このような比率を充足しつつ、トリグリセライドとして、不飽和脂肪酸を含むトリグリセリドを使用する場合には、肌馴染み及び肌に与えるツヤをより一層効果的に向上させることも可能になる。
その他の膜構成成分
本発明のリポソームは、前述する成分以外に、本発明の効果を妨げないことを限度として、必要に応じて、その他の膜構成成分が含まれていてもよい。このような膜構成成分としては、例えば、リン脂質重合体、コレステロール以外のステロール類、荷電物質、アシルアミノ酸系界面活性剤等が挙げられる。
リン脂質重合体としては、例えば、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ナトリウム共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体等が挙げられる。これらのリン脂質重合体の中でも、好ましくは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体が挙げられる。これらのリン脂質重合体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ステロール類としては、例えば、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、ステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、パルミトレイン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等が挙げられる。これらのステロール類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
荷電物質としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エレオステアリン酸、2,4−オクタデカジエン酸等の脂肪酸;これらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等の脂肪酸塩;ホスファチジン酸、ジセチルホスフェート等が挙げられる。また、リン脂質成分としてホスファチジルグリセロール又はその塩を用いた場合、それ自身が荷電物質としても作用する。これらの荷電物質は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アシルアミノ酸系界面活性剤としては、例えば、サルコシン、グルタミン酸、タウリン、グリシン等のアミノ酸の脂肪酸アミド塩が挙げられる。これらのアシルアミノ酸系界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その他の含有成分
本発明のリポソームには、必要に応じて、香粧学的活性又は薬理活性を示す活性成分が含まれていてもよい。このような活性成分としては、特に制限されないが、例えば、水溶性のビタミン及びその誘導体、油溶性のビタミン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アスタキサンチン、コエンザイムQ10、α−リポ酸、セラミド又はその類似物質、リノール酸、アルブチン、トラネキサム酸、コウジ酸、酵素、ペプチド、ホルモン、各種サイトカイン、ヒアルロン酸、これらの塩等のグリコサミノグリカン類及びその塩類或いはその誘導体、ヒアルロン酸加水分解物又はその塩、コラーゲン又はその加水分解物、エラスチン又はその加水分解物、糖類等の生理活性物質、各種動植物抽出物、微生物による発酵で得られる物質、ステロイド剤、抗ヒスタミン、局所麻酔剤、抗炎症剤、抗菌剤、抗菌剤、鎮痒剤、皮膚保護剤、血行促進剤、ステロール類等が挙げられる。これらの活性成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、ヒアルロン酸、その加水分解物、及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等)は、従来技術では肌への肌馴染みを満足させることが困難な活性成分であるが、本発明のリポソームによれば、ヒアルロン酸、その加水分解物及び/又はそれらの塩の肌馴染みを効果的に向上させることができる。更に、トリグリセリドとして、不飽和脂肪酸を含むトリグリセリドを使用する場合にはヒアルロン酸、その加水分解物及び/又はそれらの塩を含む場合には、肌に与えるツヤをより一層向上させることもできる。かかる本発明の効果に鑑みれば、活性成分として、好ましくはヒアルロン酸、その加水分解物、及び/又はそれらの塩、更に好ましくはヒアルロン酸の加水分解物及び/又はその塩が挙げられる。ヒアルロン酸の加水分解物の平均分子量については、特に制限されないが、例えば、1万以下が挙げられる。
本発明のリポソームにおいて、前記活性成分は、内水相(リポソームの内相)、外水相(リポソームの外相)、及び膜内部(リポソーム膜内)のいずれか1つに含まれていればよい。活性成分の肌への浸透感及び肌馴染みをより一層向上させるという観点から、好ましくは、少なくとも内水相に活性成分が含まれている態様が挙げられる。
本発明のリポソームにおける前記活性成分の含有量については、使用する活性成分の種類に応じて適宜設定されるが、例えば、リポソームの膜構成成分の総量100重量部当たり、活性成分が0.01〜35重量部、好ましくは0.1〜25重量部、更に好ましくは0.5〜20重量部が挙げられる。
また、本発明のリポソームには、内水相及び外水相を形成する水以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、皮膚外用組成物に配合される添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール;スクワラン、ワセリン等の油剤;ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩等の酸化防止剤;フェノキエタノール、オクトキシグリセリン、パラベン等の防腐剤;顔料、パール化剤、増粘剤、界面活性剤、安定化剤、キレート剤、着色料、香料、緩衝剤、pH調整剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、本発明のリポソームにおける内水相(リポソームの内相)、外水相(リポソームの外相)、及び膜内部(リポソーム膜内)のいずれに含まれていてもよい。
製造方法・形態
本発明のリポソームの製造方法については、特に制限されないが、簡便な製造方法として、以下の方法が挙げられる。所定量のレシチン、コレステロール、及びトリグリセライドと共に、必要に応じて添加される活性成分や添加剤の内、脂溶性の成分を混合し、混合液を調製する。別途、水に、必要に応じて添加される活性成分や添加剤の内、水溶性の成分を混合し、水性溶液を調製する。得られた水性溶液に前記混合液を添加して撹拌することによって、リポソームが形成される。ここで、水性溶液に油性溶液を添加して行われる撹拌は、均質高圧処理や高速撹拌等ではなく、一般的な混合処理のために採用されている撹拌で十分である。このように、本発明のリポソームは、従来のリポソームの形成に必要とされる均質高圧処理等の工程を経ることなく、リポソームを形成することができる。
また、前記方法で形成されたリポソームは、必要に応じて、公知のサイジング処理に供して、粒子径を調製してもよい。サイジング処理としては、特に制限されないが、例えば、所定の孔径のフィルターを通過させる方法、ゲル濾過等が挙げられる。
本発明のリポソームの平均粒径については、特に制限されないが、例えば50〜500nm程度が挙げられる。
また、本発明のリポソームは、前記方法で得られたリポソームをそのまま使用してもよく、また公知の粉末化処理に供して粉末リポソームとして使用してもよい。
用途
本発明のリポソームは、化粧料、外用医薬品等の皮膚外用組成物に添加される原料として使用される。本発明のリポソームを外用組成物に添加することによって、本発明のリポソームがその形態を保持したまま分散した外用組成物を得ることができる。
本発明のリポソームが添加される外用組成物は、液状、固形状、クリーム状、ジェル状等のいずれの剤型であってもよい。また、本発明のリポソームが添加される外用組成物は、油中水型乳化組成物、水中油型乳化組成物等の乳化形態であってもよい。
本発明のリポソームが添加される外用組成物の製剤形態として、例えば、クリーム、化粧水、美容液、乳液、ジェル、口紅、ファンデーション等の化粧料;液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、及び乳液剤を含む)、フォーム剤、軟膏剤、クリーム剤、ジェル剤、貼付剤等の外用医薬品が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、肌への浸透感、肌馴染みをより一層向上させるという観点から、好ましくは化粧料、更に好ましくは、クリーム、化粧水、美容液、及び乳液が挙げられる。
外用組成物において、本発明のリポソームの含有量については、その製剤形態等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、外用組成物中で、レシチン含有量換算で、0.00005〜5重量%、好ましくは0.00005〜3重量%、更に好ましくは0.00005〜2重量%となる範囲が挙げられる。
また、本発明のリポソームが添加される皮膚外用組成物は、その製剤形態に応じて、香粧学的活性又は薬理活性を示す活性成分、所定の製剤形態に調製するための添加剤、水等が含まれていてもよい。このような活性成分や添加剤の種類については、本発明のリポソームの内水相、外水相又は膜内部に含有させ得る成分として例示したものと同様である。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
1.リポソーム組成物の製造
レシチン(日油株式会社製「COATSOME NC−50(EPC)」、ヨウ素価66、ホスファチジルコリン含量95重量%)、コレステロール(日本精化株式会社製「コレステロールJSQI」)、トリステアリン(ナショナル美松株式会社製「エステライドG−S」、構成脂肪酸の80%以上がステアリン酸であるトリグリセリド)及び/又はトリオレイン(和光純薬工業株式会社製「トリオレイン」、構成脂肪酸の60%以上がオレイン酸であるトリグリセリド)を用いてリポソームの製造を行った。具体的には、レシチン、コレステロール、トリステアリン及び/又はトリオレインを表1及び2に示す所定量混合して85℃で加熱分散させた混合液に、85℃の精製水を添加して、500rpmで30秒間撹拌を行った後、室温まで冷却させることによってリポソーム組成物を得た。
2.リポソームの形成及び安定性の評価
リポソームは、リオトロピック液晶を形成するので、リオトロピック液晶の形成は偏光顕微鏡でマルテーゼクロスと呼ばれる十字模様によって確認できることが知られている。そこで、本試験では、マルテーゼクロス像を確認することによって、上記で得られた各リポソームの形成の有無、及び安定性について評価した。具体的には、調製直後の各リポソーム組成物を25℃にて24時間暗所で保存した後に、保存前後でリポソーム組成物において認められるマルテーゼクロス像の数を、偏光顕微鏡を用いて計測し、下記の判定基準に従って、リポソームの安定性を評価した。
<リポソームの形成及び安定性の判定基準>
◎:保存前(調製直後)にマルテーゼクロス像が観察され、保存後のマルテーゼクロス像の数の減少率が10%未満である。
○:保存前(調製直後)にマルテーゼクロス像が観察され、保存後のマルテーゼクロス像の数の減少率が10%以上40%未満である。
△:保存前(調製直後)にマルテーゼクロス像が観察され、保存後のマルテーゼクロス像の数の減少率が40%以上である。
×:保存前(調製直後)にマルテーゼクロス像が観察され、保存後ではマルテーゼクロス像が観察されない。
3.評価結果
得られた結果を表1及び2に示す。この結果、レシチンとコレステロールとトリグリセライドをそれぞれ1:0.05〜0.3:0.1〜0.8の重量比で使用した場合には、均質高圧処理等の工程を行わなくても、通常の混合撹拌のみでリポソームの形成が認められ、しかもリポソーム安定性の点でも優れていた(実施例1〜11)。特に、実施例3と10の対比から明らかなように、構成脂肪酸として不飽和脂肪酸を含むトリグリセライドを使用した場合には、リポソームの安定性が格段に優れていた。これに対して、レシチン単独、レシチンとコレステロールの組み合わせ、並びにレシチンとコレステロールとトリグリセライドをそれぞれ1:0.05〜0.3:0.1〜0.8の範囲外で組み合わせた場合には、リポソームの安定性が悪かった(比較例1〜5)。
Figure 0006661319
Figure 0006661319
試験例2
評価モニター10名によって、前記試験例1で得られたリポソーム組成物(実施例2〜5、7、10、及び比較例1〜3)の肌馴染み、及び肌に与えるツヤについて評価した。具体的には、各リポソーム組成物約0.8gを顔に塗布し、感じられる肌馴染み及び肌のツヤについて評価した。各評価は、肌馴染みが悪いと感じるを「1」、肌馴染みが良いと感じるを「10」;皮膚のツヤ感が悪いと感じるを「1」、皮膚のツヤ感が良いと感じるを「10」として、Visual Analogue Scale(以下、VASと記載する)によるアンケートを実施することにより行った。アンケート結果を平均し、比較例1のリポソーム組成物を使用した場合の結果を100として、各リポソーム組成物の評価結果の相対値を算出した。
得られた結果を表3に示す。この結果から、レシチンとコレステロールとトリグリセライドをそれぞれ1:0.05〜0.3:0.1〜0.8の重量比で使用してリポソームを形成した場合において、トリグリセライドとして、構成脂肪酸として不飽和脂肪酸を含むトリグリセライドを使用した場合には、肌馴染み及び肌に与えるツヤが格段に向上することが確認された(実施例2〜5及び7)。
Figure 0006661319
試験例3
1.リポソーム組成物の製造
表4に示す組成のリポソーム組成物(実施例12及び13)を製造した。具体的な製造方法は以下の通りである。先ず、レシチン(日油株式会社製「COATSOME NC−50(EPC)」、ヨウ素価66、ホスファチジルコリン含量95重量%)、コレステロール(日本精化株式会社製「コレステロールJSQI」)及びトリオレイン(和光純薬工業株式会社製「トリオレイン」、構成脂肪酸の60%以上がオレイン酸であるトリグリセリド)を表4に示す所定量混合して85℃で加熱分散させた混合液に、ヒアルロン酸ナトリウム(キッコーマンバイオケミファ株式会社製「FCH−120」、分子量100万〜140万)又はヒアルロン酸加水分解物(キッコーマンバイオケミファ株式会社製「マイクロヒアルロン酸FCH」、平均分子量5千以下)を85℃で精製水に加熱溶解させた液を添加し、500rpmで30秒間撹拌を行った。その後、室温まで冷却させることによってリポソーム組成物を得た。
2.リポソームの性能の評価
得られたリポソーム組成物について、前記試験例1と同様の方法でリポソームの形成及び安定性を評価し、更に前記試験例1と同様の方法で肌馴染み、及び肌に与えるツヤについて評価した。
3.評価結果
得られた結果を表4に示す。なお、表4には、参考のため、前記試験例1で得られた実施例3及び比較例1のリポソーム組成物の評価結果についても示す。この結果、ヒアルロン酸又はその加水分解物が含まれていても、レシチンとコレステロールとトリグリセライドをそれぞれ1:0.05〜0.3:0.1〜0.8の重量比で使用することにより、安定性が優れたリポソームを簡便に形成できることが確認された。また、ヒアルロン酸又はその加水分解物を含有させることにより、肌に与えるツヤがより一層向上することも確認された。
Figure 0006661319
処方例1〜20
表5及び6に記載の処方に従い、前記試験例3と同様の方法でリポソーム組成物を調製した。得られたリポソーム組成物は、安定性に優れていた。また、構成脂肪酸として不飽和脂肪酸を含むトリグリセライドが配合されているリポソーム組成物では、肌馴染み、肌に与えるツヤの点でも、優れていた。
Figure 0006661319
Figure 0006661319
処方例21〜23
表7に記載の処方に従い、化粧水を調製した。具体的には、表7に示す(A)の各成分と(B)の各成分をそれぞれ撹拌溶解し、混合液(A)及び(B)を得た。得られた混合液(B)に混合液(A)を加えて撹拌し、その後、(C)の成分を添加し、更に撹拌することにより、化粧水を調製した。得られた化粧水において、リポソームは安定性に優れていた。また、ヒアルロン酸又はその加水分解物を含有するリポソーム組成物を加えることにより、肌に与えるツヤが向上することも確認された。
Figure 0006661319
処方例24〜26
表8に記載の処方に従い、化粧水を調製した。具体的には、前記試験例3と同様の方法により、リポソームを含有する化粧水を調製した。得られた化粧水はリポソームの安定性に優れており、かつ、肌馴染み、肌に与えるツヤの点でも優れていた。
Figure 0006661319

Claims (3)

  1. リポソームを含有する化粧料であって、
    前記リポソームが、レシチン、コレステロール、及びトリオレインを含み、レシチン:コレステロール:トリオレインの重量比が1:0.05〜0.150.2〜0.6である、化粧料
  2. 更に、前記リポソームが、ヒアルロン酸、その加水分解物、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の化粧料
  3. 化粧料に使用されるリポソームの製造方法であって、
    レシチン、コレステロール、及びトリオレインを、それぞれ1:0.05〜0.150.2〜0.6の重量比で含む混合液を水性溶液に添加して撹拌する工程を含む、リポソームの製造方法。
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