JP2001302496A - リポソーム製剤 - Google Patents

リポソーム製剤

Info

Publication number
JP2001302496A
JP2001302496A JP2000118533A JP2000118533A JP2001302496A JP 2001302496 A JP2001302496 A JP 2001302496A JP 2000118533 A JP2000118533 A JP 2000118533A JP 2000118533 A JP2000118533 A JP 2000118533A JP 2001302496 A JP2001302496 A JP 2001302496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
agent according
liposome preparation
formula
lipid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000118533A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Iga
勝美 伊賀
Hiroya Muranishi
廣哉 村西
Akihiko Ono
彰彦 小野
Tetsuo Hoshino
哲夫 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000118533A priority Critical patent/JP2001302496A/ja
Publication of JP2001302496A publication Critical patent/JP2001302496A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】骨疾患または関節疾患等の疾患自体の原因を取
り除くことができる有効成分(薬物)を含有した、物理
的および/または化学的刺激が少なく、さらには物性的
に安定で長期保存性に優れた製剤の提供。 【解決手段】非ペプチド性軟骨形成促進物質、またはベ
ンゾチオピランもしくはベンゾチエピン誘導体を含有す
るリポソーム製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有効成分として、
非ペプチド性軟骨形成促進物質、またはベンゾチオピラ
ンまたはベンゾチエピン誘導体を含有する骨疾患または
関節疾患(とりわけ軟骨疾患)の予防治療に適したリポ
ソーム製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】骨疾患または関節疾患予防治療用物質、
とりわけ骨形成促進物質として、ペプチド性あるいは非
ペプチド性の化合物が報告されている。例えば、非ペプ
チド性の骨形成促進物質として、特開平3−23288
0号公報(ヨーロッパ特許出願公開公報第376197
号公報)、特開平4−364179号公報(ヨーロッパ
特許出願公開公報第460488号公報)および特開平
8−231569号公報(ヨーロッパ特許出願公開公報
第719782号公報)に、例えば、モノまたジアルコ
キシホスホリル基、モノまたジアルコキシホスホリルア
ルキル基、またはホスホノ基を有するベンゾチエピン誘
導体が記載されている。さらに、特開平9−26354
5号公報(WO96/19134号公報)には、前記ベ
ンゾチエピン誘導体に代表される化合物を徐放化した製
剤が記載されている。ジャーナル・オブ・ファーマコロ
ジイ・アンド・エクスペリメンタル・セラピュティク
ス、第290号、1054頁、(1999年)〔Journal of Pharma
cology andExperimental Therapeutics, 290, 1054 (19
99)〕には、前記ベンゾチエピン誘導体の1つである(2
R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリル
メチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4
−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3
−ベンゾチエピン−2−カルボキサミドをポリ乳酸グリ
コール酸からなるマイクロカプセルに包埋し、骨折した
部位に投与すると、その物質は徐々に放出され作用部位
に長時間作用し、骨折の治癒の加速化が促されることが
記載されている。軟骨疾患予防治療用物質に関して、前
記ベンゾチエピン誘導体に代表される化合物が軟骨形成
促進作用を有することが、特開平2000−72678
号公報(WO00/09100号公報)に記載されてい
る。さらに、バイオメディカル・アンド・バイオフィシ
カル・リサーチ・コミュニケーション、第261号、第131
-138頁〔Biochemical and Biophysical Research Commu
nication 261, 131-138(1999)〕には、(2R,4S)−
(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリルメチル)フェ
ニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチル−7,
8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベンゾチエピ
ン−2−カルボキサミドを含有するポリ乳酸グリコール
酸マイクロカプセルを、関節の軟骨を部分的に損傷させ
た家兎の関節内に投与すると、損傷部軟骨の修復が促進
されることが記載されている。また、ザ・ランセット,
6月23日,第1320頁,1979年〔The Lancet, June 23,132
0(1979)〕には、コルチゾールパルミテートを含有する
リポソームが; 米国特許公報第58118号には、プ
ロスタグランジンを含有するリポソームが;特表平3−
501250号公報(WO89/01777号公報)に
はヒアルロン酸と脂質とを含有する関節潤滑剤が; ダ
ウエント ドキュメンテーション・アブストラクツ・ジ
ャーナル B 1997年12月19日発行、プライマリー・ア
クセッション・ナンバー 97-510699/47(DERWENT DOCU
MENTATION ABSTRACTS JOURNALB, issued 19 DEC 97, Pr
imary Accession Number 97-510699/47)にはグルココ
ルチコイドを含有するリポソームが; WO98/25
595号公報にはリン脂質を含有するイブプロフェン製
剤が; 特開平10−226641号公報にはエスクレ
チンによる関節症の治療用非経口組成物が記載されてい
るが、抗炎症を目的とした治療は、骨疾患または関節疾
患等の疾患自体の原因を取り除くこととは異なり、対症
療法でしかないため疾患自体の原因を取り除くことはで
きない。WO99/02539号公報には、ジホスホン
酸のリポソーム製剤がそれぞれ記載されている。骨疾患
または関節疾患予防治療用物質等の有効成分を溶剤など
を用いて溶液として投与する場合、投与量および投与部
位によっては、例えば有効成分が難溶解性物質の場合に
は有効成分含有溶液が体液に接触した際に、有効成分が
析出して患者にいくらかの物理的刺激を、あるいは溶剤
の種類によっては溶剤自体が患者にいくらかの化学的刺
激を与える可能性が考えられる。骨疾患または関節疾患
予防治療用物質等の有効成分を含有するマイクロカプセ
ルは、骨疾患、または関節疾患(とりわけ軟骨疾患)の
予防治療に有効な製剤の1つであるが、さらに投与部位
での刺激の少ない製剤が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況から、
骨疾患または関節疾患等の疾患自体の原因を取り除くこ
とができる有効成分(薬物)を含有した、物理的および
/または化学的刺激が少なく、さらには物性的に安定で
長期保存性に優れた製剤が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決するために鋭意研究を進めたところ、骨また
は軟骨形成促進物質を含有するリポソーム製剤が、骨疾
患または関節疾患等の疾患自体の原因を取り除くことが
でき; 物理的および/または化学的刺激が少なく;
物性的に安定で長期保存性に優れていること; さらに
は軟骨形成促進物質、またはベンゾチオピランまたはベ
ンゾチエピン誘導体等の有効成分が投与部位で好ましい
速度で徐々に放出され、有効薬物濃度を長期間に亘り維
持できることを見出し、これらの知見に基づいてさらに
研究した結果、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、 (1)非ペプチド性軟骨形成促進物質を含有するリポソ
ーム製剤; (2)軟骨形成促進物質が、骨形成促進作用を併せ持つ
前記(1)記載の剤; (3)ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体を
含有するリポソーム製剤; (4)ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体
が、式(I):
【化3】 [式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、
Bはエステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシ基を、Xは−CH(OH)−または−CO−を、kは
0または1を、k'は0,1または2を示す。]で表わ
される化合物またはその塩である前記(3)記載の剤; (5)環Aが、ハロゲン原子,C1-10アルキル基、C
1-10アルコキシ基,式:−O−(CH2)n−O−(式中、
nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキレンジオキ
シ基およびC1-10アルキルチオ基から選ばれる1または
2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環であ
り、Rが、水素原子,C1-6アルキル基またはフェニル
基であり、Bは、式:−CON(R1)(R2)(式中、R1
は水素原子またはC1-10アルキル基を、R2はハロゲン
原子,C1-6アルコキシ基,モノ−またはジ−C1-6アル
コキシホスホリル基,モノ−またはジ−C1-6アルコキ
シホスホリル−C1-3アルキル基(ジ−C1-6アルコキシ
基におけるジアルキルは、一緒になってC1-6アルキレ
ン基となっていてもよい)もしくはC1-6アルコキシカ
ルボニル基で置換されていてもよいフェニルまたはフェ
ニル−C1-3アルキル基を、それぞれ示す。)で表わさ
れる基である前記(4)記載の剤; (6)式(I)で表される化合物が、式(II):
【化4】 〔式中、R3はC1-6アルキル基を示し、R4およびR5
それぞれC1-6アルキル基を示すか、または一緒になっ
てC1-6アルキレン基を示す。〕で表わされる光学活性
化合物である前記(4)記載の剤; (7)式(II)で表される化合物が、(2R,4S)
−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリルメチル)フ
ェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチル−
7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベンゾチ
エピン−2−カルボキサミドである前記(6)記載の
剤; (8)リポソーム製剤の原料脂質として、ホスファチジ
ルグリセロールまたはホスファチジルコリンの少なくと
も1種を含有する前記(1)または(3)記載の剤; (9)リポソーム製剤の原料脂質として、ホスファチジ
ルグリセロールおよびホスファチジルコリンを含有する
前記(8)記載の剤; (10)ホスファチジルグリセロール1重量部あたり、
ホスファチジルコリンを約1〜100重量部含有する前
記(9)記載のリポソーム製剤; (11)ホスファチジルグリセロールが、ジミリストイ
ルホスファチジルグリセロールまたはジパルミトイルホ
スファチジルグリセロールである前記(8)記載の剤; (12)ホスファチジルコリンが、ジオレオイルホスフ
ァチジルコリンまたはジミリストイルホスファチジルコ
リンである前記(8)記載の剤; (13)リポソーム製剤の乾燥重量100重量部に対し
て、軟骨形成促進物質を約0.1〜50重量部含有する
ことを特徴とする前記(1)記載の剤; (14)リポソーム製剤の乾燥重量100重量部に対し
て、ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体を約
0.1〜50重量部含有することを特徴とする前記
(3)記載の剤; (15)軟骨形成促進物質と脂質との複合体を原料とし
て製造される前記(1)記載の剤; (16)ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体
と脂質との複合体を原料として製造される前記(3)記
載の剤; (17)軟骨形成促進物質と脂質との複合体を水和させ
た後、強制篩過することにより製造される前記(1)記
載の剤; (18)ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体
と脂質との複合体を水和させた後、強制篩過することに
より製造される前記(3)記載の剤; (19)粉末媒体に分散させた前記(1)または(3)
記載の剤; (20)請求項19記載の剤を水性媒体に分散させた前
記(1)または(3)記載の剤; (21)水性媒体中の軟骨形成促進物質の濃度が約0.
1mg/mL以上である前記(20)記載の剤; (22)水性媒体中のベンゾチオピランまたはベンゾチ
エピン誘導体の濃度が約0.1mg/mL以上である前
記(20)記載の剤; (23)注射剤である前記(1)または(3)記載の
剤; (24)関節内投与剤である前記(1)または(3)記
載の剤;および (25)関節疾患治療剤である前記(1)または(3)
記載の剤;等に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のリポソーム製剤に用いら
れる有効成分は、非ペプチド性軟骨形成促進物質、また
はベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体などが
挙げられるが、骨疾患または関節疾患の予防治療剤とし
て用いることができるものであれば特に限定されない。
非ペプチド性軟骨形成促進物質、またはベンゾチオピラ
ンまたはベンゾチエピン誘導体は適宜の割合で組合わせ
て用いてもよい。
【0007】該非ペプチド性軟骨形成促進物質として
は、例えば、特開平2000−72678号公報(WO
00/09100号公報)に記載の化合物またはその塩
が挙げられる。該非ペプチド性軟骨形成促進物質として
は、とりわけ骨形成促進作用を併せ持つ軟骨形成促進物
質が好ましい。
【0008】一方、ベンゾチオピランまたはベンゾチエ
ピン誘導体としては、軟骨形成促進作用または骨形成促
進作用を有する物質、さらに好ましくは軟骨形成促進作
用および骨形成促進作用を有する物質が用いられ、例え
ば、特開平3−232880号公報(ヨーロッパ特許出
願公開公報第376197号公報)、特開平4−364
179号公報(ヨーロッパ特許出願公開公報第4604
88号公報)および特開平8−231569号公報(ヨ
ーロッパ特許出願公開公報第719782号公報)およ
び特開平2000−72678号公報(WO00/09
100号公報)等に記載の化合物またはその塩が挙げら
れるが、なかでも、前記した式(I)で示される化合物
〔化合物(I)〕またはその塩が好ましい。
【0009】前記式(I)において、環Aで示される置
換されていてもよいベンゼン環における置換基として
は、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていて
もよいアルキル基、置換されていてもよい水酸基、置換
されていてもよいメルカプト基、置換されていてもよい
アミノ基、アシル基、モノ−またはジ−アルコキシホス
ホリル基、ホスホノ基、置換されていてもよいアリール
基、置換されていてもよいアラルキル基または置換され
ていてもよい芳香族複素環基が用いられ、これらの置換
基は同一または異なって1ないし4個、好ましくは1な
いし2個、ベンゼン環上に置換していてもよい。
【0010】該「ハロゲン原子」としては、例えばフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等が用いられる。該「置換され
ていてもよいアルキル基」におけるアルキル基として
は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニルまたはデシル等)、炭素数3〜7のシクロア
ルキル基(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シク
ロヘキシルまたはシクロヘプチル等)等が用いられ、こ
れらは、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等)、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘ
キシルオキシ等)、モノ−またはジ−C1-6アルコキシホ
スホリル基(例えば、メトキシホスホリル、エトキシホ
スホリル、ジメトキシホスホリル、ジエトキシホスホリ
ルなど)、ホスホノ基等で1〜3個置換されていてもよ
い。置換されたアルキル基の具体例としては、例えばト
リフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリクロロメ
チル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、メト
キシエチル、1−メトキシエチル、2−メトキシエチ
ル、2,2−ジエトキシエチル、2−ジエトキシホスホ
リルエチル、ホスホノメチル等が挙げられる。
【0011】該「置換されていてもよい水酸基」におけ
る置換された水酸基としては、例えばアルコキシ基、ア
ルケニルオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ
基、アリールオキシ基等が用いられる。該「アルコキシ
基」としては、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ
基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、
tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘ
プチルオキシまたはノニルオキシ等)、炭素数4〜6の
シクロアルコキシ基(例、 シクロブトキシ、シクロペン
トキシまたはシクロヘキシルオキシ等)等が用いられ
る。該「アルケニルオキシ基」としては、好ましくは炭
素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えばアリルオキ
シ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキ
セニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシまたは2
−シクロヘキセニルメトキシ等が用いられる。該「アラ
ルキルオキシ基」としては、好ましくは炭素数6〜19
のアラルキルオキシ基、さらに好ましくは炭素数7〜1
4のアリール−炭素数1〜4のアルキルオキシ基(例、
ベンジルオキシ、 フェネチルオキシ等)が用いられ
る。該「アシルオキシ基」としては、好ましくはアルカ
ノイルオキシ基、例えば炭素数2〜10のアルカノイル
オキシ基(例、 アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、
n-ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ等)が用いられ
る。該「アリールオキシ基」としては、好ましくは炭素
数6〜14のアリールオキシ基(例、 フェノキシ、ビフ
ェニルオキシ等)が用いられる。これらの基はさらに、
例えば前記したと同様のハロゲン原子、水酸基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、モノ−またはジ−C1-6アルコ
キシホスホリル基、ホスホノ基等で1〜3個置換されて
いてもよい。置換された水酸基の具体例としては、例え
ばトリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエト
キシ、ジフルオロメトキシ、2−メトキシエトキシ、4
−クロロベンジルオキシ、2−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)エトキシ等が挙げられる。
【0012】該「置換されていてもよいメルカプト基」
における置換されたメルカプト基としては、例えばアル
キルチオ基、アラルキルチオ基、アシルチオ基等が用い
られる。該「アルキルチオ基」としては、好ましくは炭
素数1〜10のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘ
キシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ等)、炭素数4
〜6のシクロアルキルチオ基(例、 シクロブチルチオ、
シクロペンチルチオ、 シクロヘキシルチオ等)等が用
いられる。該「アラルキルチオ基」としては、好ましく
は炭素数7〜19のアラルキルチオ基、さらに好ましく
は炭素数6〜14のアリール−炭素数1〜4のアルキル
チオ基、例えばベンジルチオまたはフェネチルチオ等が
用いられる。該「アシルチオ基」としては、好ましくは
アルカノイルチオ基、例えば炭素数2〜10のアルカノ
イルチオ基(例、 アセチルチオ、プロピオニルチオ、n-
ブチリルチオ、ヘキサノルチオ等)が用いられる。これ
らの基はさらに例えば、前記したと同様のハロゲン原
子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、モノ−また
はジ−C1-6アルコキシホスホリル基、ホスホノ基等で
1〜3個置換されていてもよい。置換されたメルカプト
基の具体例としては、例えばトリフルオロメチルチオ、
2,2,2−トリフルオロエチルチオ、2−メトキシエチ
ルチオ、4−クロロベンジルチオ、3,4−ジクロロベ
ンジルチオ、4−フルオロベンジルチオ、2−(3,4−
ジメトキシフェニル)エチルチオ等が挙げられる。
【0013】該「置換されていてもよいアミノ基」にお
ける置換されたアミノ基の置換基としては、前記したと
同様の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10の
アルケニル基(例、アリル、ビニル、2−ペンテン−1
−イル、3−ペンテン−1−イル、2−ヘキセン−1−
イル、3−ヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセニ
ル、2−シクロペンテニル、2−メチル−2−プロペン
−1−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル等)、
炭素数6〜14のアリール基(例、フェニル、ナフチル
等)または炭素数7〜19のアラルキル基(例、ベンジ
ル、フェネチル等)が1個または、同一または異なって
2個用いられ、これらの置換基は前記したと同様のハロ
ゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、モノ−または
ジ−C1-6アルコキシホスホリル基、ホスホノ基等で置
換されていてもよい。置換されたアミノ基の具体例とし
ては、例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルア
ミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミ
ノ、シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノまたはN−
メチル−N−フェニルアミノ、N−メチル−N−(4−
クロロベンジル)アミノ、N,N−ジ(2−メトキシエチ
ル)アミノ等が挙げられる。
【0014】該「アシル基」としては、有機カルボン酸
アシル基または炭素数1〜6の炭化水素基[例、C1-6
アルキル(例、メチル、エチル、n-プロピル、ヘキシル
等)、フェニル等]を有するスルホン酸アシル基等が用
いられる。該「有機カルボン酸アシル基」としては、例
えばホルミル、炭素数1〜10のアルキル−カルボニル
基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリ
ル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、シクロ
ブタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロ
ヘプタンカルボニル等)、炭素数2〜10のアルケニル
−カルボニル基(例、クロトニル、2−シクロヘキセン
カルボニル等)、炭素数6〜14のアリール−カルボニ
ル基(例、ベンゾイル等)、炭素数7〜19のアラルキ
ル−カルボニル基(例、べンジルカルボニル、ベンズヒ
ドリルカルボニル等)、5または6員芳香族複素環カル
ボニル基(例、ニコチノイル、4−チアゾリルカルボニ
ル等)、5または6員芳香族複素環アセチル基(例、3
−ピリジルアセチル、 4−チアゾリルアセチル等)が
用いられる。該「炭素数1〜6の炭化水素基を有するス
ルホン酸アシル基」としては、例えばメタンスルホニ
ル、エタンスルホニル等が用いられる。これらの基はさ
らに置換基、例えば前記したと同様のハロゲン原子、水
酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基等で1〜
3個置換されていてもよい。アシル基の具体例として
は、例えばトリフルオロアセチル、トリクロロアセチ
ル、4−メトキシブチリル、3−シクロヘキシルオキシ
プロピオニル、4−クロロベンゾイル、3,4−ジメト
キシベンゾイル等が挙げられる。
【0015】該「モノ−またはジ−アルコキシホスホリ
ル基」としては、例えばメトキシホスホリル、エトキシ
ホスホリル、プロポキシホスホリル、イソプロポキシホ
スホリル、ブトキシホスホリル、ペンチルオキシホスホ
リル、ヘキシルオキシホスホリル等のモノ−C1-6アル
コキシホスホリル基、例えばジメトキシホスホリル、ジ
エトキシホスホリル、ジプロポキシホスホリル、ジイソ
プロポキシホスホリル、ジブトキシホスホリル、ジペン
チルオキシホスホリル、ジヘキシルオキシホスホリル等
のジ−C1-6アルコキシホスホリル基等が用いられる。
好ましくはジ−C1-6アルコキシ基、例えばジメトキシ
ホスホリル、ジエトキシホスホリル、ジプロポキシホス
ホリル、ジイソプロポキシホスホリル、エチレンジオキ
シホスホリル、ジブトキシホスホリル等が用いられる。
該「置換されていてもよいアリール基」におけるアリー
ル基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール
基、例えばフェニル、ナフチル、アントリル等が用いら
れ、これらは前記したと同様の炭素数1〜10のアルキ
ル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキ
シ基等で1〜3個置換されていてもよい。置換されたア
リール基の具体例としては、例えば4−クロロフェニ
ル、3,4−ジメトキシフェニル、4−シクロヘキシル
フェニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル
等が挙げられる。
【0016】該「置換されていてもよいアラルキル基」
におけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜
19のアラルキル基、例えばベンジル、ナフチルエチ
ル、トリチル等が用いられ、芳香環上に前記した炭素数
1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数
1〜6のアルコキシ基等で1〜3個置換されていてもよ
い。置換されたアラルキル基の具体例としては、例えば
4−クロロベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、4
−シクロヘキシルベンジル、5,6,7,8−テトラヒド
ロ−2−ナフチルエチル等が挙げられる。該「置換され
ていてもよい芳香族複素環基」における芳香族複素環基
としては、好ましくは窒素原子、酸素原子または/及び
硫黄原子を1〜4個有する5〜6員芳香族複素環基、例
えばフリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、オ
キサゾリル、チアジアゾリル等が用いられ、これらの基
は前記した炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原
子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ等で1〜3個置
換されていてもよい。
【0017】2個のアルキル基がベンゼン環A上で互い
に隣接して置換されている場合、互いに連結して式:−
(CH2)m−〔式中、mは3〜5の整数を示す〕で表わさ
れるアルキレン基(例、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン等)を形成してもよく、2個のアル
コキシ基が互いに隣接して置換されている場合、式:−
O−(CH2)n−O−〔式中、nは1〜3の整数を示す〕
で表されるアルキレンジオキシ基(例、メチレンジオキ
シ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシ等)を形
成してもよい。このような場合は、ベンゼン環の炭素原
子とともに5〜7員環が形成される。
【0018】前記式(I)において、Rは水素原子また
は置換されていてもよい炭化水素基を示す。Rで示され
る「置換されていてもよい炭化水素基」における炭化水
素基としては、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜1
0のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘ
キシル等が挙げられる。)、前記したと同様のアルケニ
ル基(好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基)、さ
らに、それぞれ前記したと同様の、アリール基(好まし
くは炭素数6〜14のアリール基)、アラルキル基(好
ましくは炭素数7〜19のアラルキル)等が用いられ
る。炭化水素基上の置換基としては、5〜6員芳香族複
素環基(例、フリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾ
リル、オキサゾリル、チアジアゾリル等)、前記したと
同様のハロゲン原子、前記したと同様のジ−C1-6アル
コキシホスホリル基、ホスホノ基等が用いられる。
【0019】前記式(I)において、Bはエステル化ま
たはアミド化されていてもよいカルボキシル基を示す。
Bで示される「エステル化されていてもよいカルボキシ
ル基」におけるエステル化されたカルボキシル基として
は、例えばアルコキシカルボニル基、好ましくはC1-10
アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカ
ルボニル等)、アリールオキシカルボニル基、好ましく
はC6-14アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシ
カルボニル等)、アラルキルオキシカルボニル基、好ま
しくはC7-19アラルキルオキシカルボニル基(例、ベン
ジルオキシカルボニル等)等が用いられる。
【0020】Bで示される「アミド化されていてもよい
カルボキシル基」におけるアミド化されたカルボキシル
基は、好ましくは、式:−CON(R1)(R2)〔式中、R
1、R2はそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化
水素基または置換されていてもよい5〜7員複素環基を
示す。〕で表される置換されていてもよいカルバモイル
基が挙げられる。R1、R2で示される「置換されていて
もよい炭化水素基」における炭化水素基としては、アル
キル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(例、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニル、デシル等)、アルケニル基、好ましくは炭
素数2〜10のアルケニル基(例、アリル、ビニル、2
−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−1−イル、2−
ヘキセン−1−イル、3−ヘキセン−1−イル、2−シ
クロヘキセニル、2−シクロペンテニル、2−メチル−
2−プロペン−1−イル、3−メチル−2−ブテン−1
−イル等)、アリール基、好ましくは炭素数6〜14の
アリール基(例、フェニル、ナフチル、アントリル
等)、アラルキル基、好ましくは炭素数7〜19のアラ
ルキル基(例、ベンジル、ナフチルエチル、トリチル
等)等が用いられ、これらの炭化水素基は、例えば(i)
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、
(ii)水酸基、(iii)炭素数1〜6のアルコキシ基(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、tert-ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、(iv)1
個または、同一または異なって2個の炭素数1〜6のア
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等)
で置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、メチル
アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ等)、(v)1個または、同一また
は異なって2個のアシル基(例、炭素数1〜10のアル
カノイル基等)で置換されたアミノ基(例、アセチルア
ミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、(v
i)1個または、同一または異なって2個の炭素数1〜6
のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基
(例、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジメチルカ
ルバモイル、ジエチルカルバモイル等)、(vii)C1-6
ルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、プロポキシカルボニル等)、(viii)モ
ノ−またはジ−アルコキシホスホリル基〔例、モノ−ま
たはジ−C1-6アルコキシホスホリル基(例えば、ジメ
トキシホスホリル、ジエトキシホスホリル、エチレンジ
オキシホスホリル等)等〕、(ix)モノ−またはジ−アル
コキシホスホリルアルキル基〔例、モノ−またはジ−C
1-6アルコキシホスホリル−C1-3アルキル基(例、メト
キシホスホリルメチル、エトキシホスホリルメチル、メ
トキシホスホリルエチル、エトキシホスホリルエチル、
ジメトキシホスホリルメチル、ジエトキシホスホリルメ
チル、ジメトキシホスホリルエチル、ジエトキシホスホ
リルエチル等)等〕、(x)式
【化5】 〔式中、pは2ないし4の整数を示す。〕、(xi)ホスホ
ノ基、(xii)芳香族複素環基(前記と同意義)等で1〜
3個置換されていてもよい。
【0021】R1、R2で示される「置換されていてもよ
い5〜7員複素環基」における5〜7員複素環基として
は、例えば1個の硫黄原子、窒素原子または酸素原子を
含む5〜7員複素環基、2〜4個の窒素原子を含む5〜
6員複素環基、1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原
子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が用いられ、
これらの複素環基は2個以下の窒素原子を含む6員環、
ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合し
ていてもよい。該「置換されていてもよい5〜7員複素
環基」が有していてもよい置換基としては、前記R1
よびR2で示される「置換されていてもよい炭化水素
基」の炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のも
のが1ないし4個用いられる。R1、R2で示される5〜
7員複素環基の好ましい例としては、例えば2−ピリジ
ル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリ
ル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラ
ゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、トリアジ
ニル、トリアゾリル、チエニル、ピロリル、ピロリニ
ル、フリル、ピロリジニル、ベンゾチエニル、インドリ
ル、イミダゾリジニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペ
ラジニル、モルホリニル、モルホリノ、ピリド[2,3−
d]ピリミジル、ベンゾピラニル、1,8−ナフチリジ
ル、キノリル、チエノ[2,3−b]ピリジル等が挙げら
れる。
【0022】R1とR2は、互いに連結して式:−N
(R1)(R2)が5〜7員環を形成していてもよく、この
ような環としては、例えばモルホリン、チオモルホリ
ン、ピペリジン、ホモピペラジン、ピペラジン、ピロリ
ジン、ピロリン、ピラゾリン、イミダゾリン、イミダゾ
リジン、チアゾリジン、アゼピン等が挙げられる。R1
およびR2で示される「置換されていてもよい炭化水素
基」の好ましい例である置換されたアルキル基の具体例
としては、例えばトリフルオロメチル、トリフルオロエ
チル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2−ヒド
ロキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチ
ル、2,2−ジメトキシエチル、2,2−ジエトキシエチ
ル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピ
リジルメチル、2−(2−チエニル)エチル、3−(3−
フリル)プロピル、2−モルホリノエチル、3−ピロリ
ルブチル、2−ピペリジノエチル、2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル、2−(N−メチル−N−エチルアミ
ノ)エチル、2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチ
ル、5−(N,N−ジメチルアミノ)ペンチル、N,N−ジ
メチルカルバモイルエチル、N,N−ジメチルカルバモ
イルペンチル、エトキシカルボニルメチル、イソプロポ
キシカルボニルエチル、tert−ブトキシカルボニルプロ
ピル、2−ジエトキシホスホリルエチル、3−ジプロポ
キシホスホリルプロピル、4−ジブトキシホスホリルブ
チル、エチレンジオキシホスホリルメチル、2−ホスホ
ノエチル、3−ホスホノプロピル等、置換されたアラル
キル基の具体例としては、例えば4−クロロベンジル、
3−(2−フルオロフェニル)プロピル、3−メトキシベ
ンジル、3,4−ジメトキシフェネチル、4−エチルベ
ンジル、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ブチ
ル、4−アセチルアミノベンジル、4−ジメチルアミノ
フェネチル、4−ジエトキシホスホリルベンジル、2−
(4−ジプロポキシホスホリルメチルフェニル)エチル
等、置換されたアリール基の具体例としては、例えば4
−クロロフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、3−トリフル
オロメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3,4,
5−トリメトキシフェニル、6−メトキシ−2−ナフチ
ル、4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル、3,4
−メチレンジオキシフェニル、4−(2,2,2−トリフ
ルオロエトキシ)フェニル、4−プロピオニルフェニ
ル、4−シクロヘキサンカルボニルフェニル、4−ジメ
チルアミノフェニル、4−ベンゾイルアミノフェニル、
4−ジエトキシカルバモイルフェニル、4−tert−ブト
キシカルボニルフェニル、4−ジエトキシホスホリルフ
ェニル、4−ジエトキシホスホリルメチルフェニル、4
−(2−ジエトキシホスホリルエチル)フェニル、2−ジ
エトキシホスホリルメチルフェニル、3−ジエトキシホ
スホリルメチルフェニル、4−ジプロポキシホスホリル
フェニル、4−(2−ホスホノエチル)フェニル、4−ホ
スホノメチルフェニル、4−ホスホノフェニル等、置換
された5〜7員複素環基の具体例としては、 例えば5−
クロロ−2−ピリジル、3−メトキシ−2−ピリジル、
5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5−メチル−4−
フェニル−2−チアゾリル、3−フェニル−5−イソオ
キサゾリル、4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−
2−オキサゾリル、3−フェニル−1,2,4−チアジア
ゾ−ル−5−イル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル、5−アセチルアミノ−2−ピリミジ
ル、3−メチル−2−チエニル、4,5−ジメチル−2
−フラニル、4−メチル−2−モルホリニル等が挙げら
れる。
【0023】前記のうち、環Aは好ましくは同一または
異なって、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキ
ル基、置換されていてもよい水酸基、置換されていても
よいメルカプト基または/および置換されていてもよい
アミノ基の1またはそれ以上、より好ましくは1または
2個で置換されていてもよいベンゼン環である。より好
ましい環Aとしては、同一または異なって、ハロゲン原
子、炭素数1〜10(さらに好ましくは炭素数1〜5)
のアルキル基、炭素数1〜10(さらに好ましくは炭素
数1〜5)のアルコキシ基、式:−O−(CH2)n−O−
〔式中、nは1〜3の整数を示す〕で表されるアルキレ
ンジオキシ基または/および炭素数1〜10(さらに好
ましくは炭素数1〜5)のアルキルチオ基の1または2
個で置換されていてもよいベンゼン環である。環Aの特
に好ましい例としては、式:−O−(CH2)n−O−〔式
中、nは1〜3の整数を示す〕で表されるアルキレンジ
オキシ基で隣接する炭素原子が置換されたベンゼン環で
ある。Rは水素原子、C1-6アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル等)またはフェニル基が好ましい。
【0024】Bは、例えばアルコキシ−カルボニル基お
よび式:−CON(R1)(R2)〔式中、R1、R2はそれぞ
れ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置
換され ていてもよい5〜7員複素環基を示す〕で表さ
れる基などが好ましい。R1およびR2の好ましい例は、
1が水素原子または炭素数1〜10のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル等)で、R2がハロゲ
ン(例、フッ素、塩素、臭素等)、C1-6アルコキシ
(例、メトキシ、エトキシ等)、モノ−またはジ−アル
コキシホスホリル(例、ジメトキシホスホリル、ジエト
キシホスホリルなどのモノ−またはジ−C1-6アルコキ
シホスホリル等)、モノ−またはジ−アルコキシホスホ
リルアルキル(例、ジメトキシホスホリルメチル、ジエ
トキシホスホリルメチルなどのモノ−またはジ−C1-6
アルコキシホスホリル−C1-6アルキルなど)(ジ−C
1-6アルコキシにおけるジアルキルは、一緒になってC
1-6アルキレン基となっていてもよい)またはC1-6アル
コキシカルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル等)で置換されていてもよいフェニルまたは
フェニル−C1-3アルキル基、あるいはフェニル基で置
換されていてもよい1または2個の窒素原子あるいは1
個の窒素原子と1個の硫黄原子をもつ5または6員環複
素環基(例、ピリジル等)である。R1およびR2のより
好ましい例としては、R1が水素原子で、R2がモノ−ま
たはジ−C1-6アルコキシホスホリル−C1-3アルキルで
置換されたフェニル基(例、4−ジエトキシホスホリル
メチルフェニル等)である。
【0025】前記式(I)において、Xは−CH(OH)
−または−CO−を示し、好ましくは、−CO−であ
る。前記式(I)において、kは0または1、k’は
0、1または2を示し、好ましくはkが1で、k’が0
の場合である。
【0026】化合物(I)のさらに好ましい例として
は、例えば式(II)
【化6】 〔式中、R3はC1-6アルキル基を示し、R4およびR5
それぞれC1-6アルキル基を示すか、または一緒になっ
てC1-6アルキレン基を示す〕で表される光学活性ベン
ゾチエピン誘導体が挙げられる。
【0027】前記式(II)において、R3、R4およびR
5で示される「C1-6アルキル基」としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、ヘキシル等のアルキル基が挙げ
られ、好ましくは、炭素数1ないし4のアルキル基が挙
げられる。R4およびR5は一緒になって、C1-6アルキ
レン基を形成してもよく、この場合例えば、
【化7】 〔式中、 pは2ないし4の整数を示す。〕で表すことが
できる。R3、R4およびR5としては、例えばそれぞれ
メチル、エチル等の炭素数1ないし4のアルキル基等が
好ましい。化合物(II)は、(2R,4S)配位の光学
活性体であって、(2S,4R)配位の化合物を実質的
に含まず、光学純度が100%に近いほど好ましいもの
である。
【0028】化合物(II)の特に好ましい例としては、
例えば(2R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホス
ホリルメチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ
−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ
−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミド(以下、化
合物Aと称することもある)またはその塩である。化合
物Aの構造は、次の式で示される。
【化8】
【0029】本発明のリポソーム製剤で用いられるベン
ゾチオピランもしくはベンゾチエピン誘導体、好ましく
は、骨疾患、または関節疾患(とりわけ、軟骨疾患)治
療作用を有するベンゾチオピランもしくはベンゾチエピ
ン誘導体の塩は、好ましくは薬理学的に許容される塩が
用いられる。薬理学的に許容される塩としては、無機塩
基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との
塩または塩基性若しくは酸性アミノ酸との塩等が用いら
れる。ベンゾチオピランもしくはベンゾチエピン誘導体
の塩を形成させ得る塩としては、無機塩基としては、ア
ルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ
土類金属(例、カルシウム、マグネシウム等)が、有機
塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ピリジン、ピコリン、N,N−ジベンジルエチレ
ンジアミン、ジエタノールアミン等が、無機酸として
は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、
硫酸等が、有機酸としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸、シュウ酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、クエン酸等が、塩基性または酸性アミノ酸と
しては、例えばアルギニン、リジン、アスパラギン酸、
グルタミン酸等が用いられる。
【0030】本発明のリポソーム製剤に用いられるベン
ゾチオピランもしくはベンゾチエピン誘導体またはその
塩は、例えば、特開平3−232880号公報(ヨーロ
ッパ特許出願公開公報第376197号公報)、特開平
4−364179号公報(ヨーロッパ特許出願公開公報
第460488号公報)、特開平8−231569号公
報(ヨーロッパ特許出願公開公報第719782号公
報)に記載された方法と同一の方法、これらと類似の方
法またはこれらに準じた方法により製造することができ
る。
【0031】本発明のリポソーム製剤における有効成分
の含量は、リポソーム製剤の乾燥重量100重量部に対
して、例えば約0.1〜50重量部、好ましくは約0.
2〜20重量部、さらに好ましくは約0.3〜10重量
部、より好ましくは約0.5〜5重量部である。この場
合のリポソーム製剤における有効成分の含量は、後述す
る糖類,多価アルコール,水溶性高分子,非イオン性界
面活性剤,抗酸化剤,pH調節剤,水和促進剤などの添
加物を添加する前のリポソーム製剤の乾燥重量を基に算
出された値を示す。
【0032】本発明のリポソーム製剤におけるリポソー
ムは、脂質二重層膜構造を持つ小水胞体(ベシクル)と
なったものであれば特に限定されない。例えば、小さい
一枚膜リポソーム〔スモール・ユニラメラ・ベシクル
(SUV)〕、多重層リポソーム〔マルチラメラ・ベシ
クル(MLV)〕、大きな一枚膜リポソーム〔ラージ・
ユニラメラ・ベシクル(LUV)〕に加え、 インター
ナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマ・シュウティ
クス,第57巻,241頁,1989年〔International Journal
of Pharmaceutics, 57, 241(1989)〕の報告に代表され
るリバースエバポレーションベシクル(REV); 特
表昭59−500952号公報の報告に代表されるステ
イブル・プルリラメラー・ベシクル(SPLV)、また
は特表平9−505301(WO95/13796号公
報)記載の組成物,特表平10−502667号公報
(WO96/08235号公報)記載の多小胞リポソー
ムもしくはジャーナル・オブ・ファーマシュウティカル
・サイエンス,第87巻,1341頁,1998年〔Journal of P
harmaceutical Science, 87, 1341, (1998)〕に記載さ
れたマルチベシクル・リポソーム(Multivesicular Lip
osome)等が挙げられる。
【0033】本発明のリポソーム製剤の平均粒子経は、
例えば約20〜100,000nm、好ましくは約50〜10,000nm、
さらに好ましくは約50〜5,000nm、より好ましくは約100
〜500nmである。例えば、小さい一枚膜リポソーム〔ス
モール・ユニラメラ・ベシクル(SUV)〕の粒子経
は、約20〜100nm、多重層リポソーム〔マルチラメラ
・ベシクル(MLV)〕の粒子経は約100〜100,000nm、
大きな一枚膜リポソーム〔ラージ・ユニラメラ・ベシク
ル(LUV)〕の粒子経は、約100〜1,000nm、特表平9
−505301(WO95/13796号公報)記載の
組成物,特表平10−502667号公報(WO96/
08235号公報)記載の多小胞リポソームもしくはジ
ャーナル・オブ・ファーマシュウティカル・サイエン
ス,第87巻,1341頁,1998年〔Journal of Pharmaceuti
cal Science, 87, 1341, (1998)〕に記載されたマルチ
ベシクル・リポソーム(Multivesicular Liposome)の
粒子経は、約1,000〜100,000nmである。本発明のリポソ
ーム製剤は、粒度分布が一定であることが好ましい。本
発明のリポソーム製剤は、例えば平均粒子経の約1/2
〜2倍の粒子経の範囲に約50%以上、好ましくは平均
粒子経の約1/2〜2倍の粒子経の範囲に約70%以
上、より好ましくは平均粒子経の約1/2〜2倍の粒子
経の範囲に約90%以上含まれることが好ましい。
【0034】本発明のリポソーム製剤において用いられ
る原料脂質としては、脂質二重層膜構造を形成するもの
であればどのようなものでもよく、例えば、スフィンゴ
ミエリン、ガングリオシド等のセラミド類; ホスファ
チジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファ
チジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホス
ファチジン酸、ホスファチジルイノシトール等のリン脂
質およびそれらの水素添加物またはそれらの混合物;等
を用いることができる。該リン脂質は、卵黄、大豆その
他の動植物に由来する天然由来脂質(例、卵黄レシチ
ン、大豆レシチン等); 合成脂質; 例えばアシル基
を切断した後に高純度の合成の飽和あるいは不飽和アシ
ル基に置換することによって半合成的に製造した半合成
脂質のいずれであっても、あるいはその混合物であって
もよい。
【0035】前記原料脂質において、好ましくはリン脂
質が用いられる。前記リン脂質において、好ましくは、
ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOP
G)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール(DL
PG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール
(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロ
ール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジグリセ
ロール(DSPG)等のホスファチジルグリセロール;
またはジオレオイルホスファチジルコリン(DOP
C)、ジラウロイルホスファチジルコリン(DLP
C)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMP
C)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPP
C)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSP
C)等のホスファチジルコリン等の少なくとも1種が用
いられる。とりわけ好ましくは、ホスファチジルグリセ
ロールとしてはジミリストイルホスファチジルグリセロ
ール(DMPG)またはジパルミトイルホスファチジル
グリセロール(DPPG)が、フォスファチジルコリン
としてはジミリストイルホスファチジルコリン(DMP
C)またはジオレオイルホスファチジルグリセロール
(DOPG)が用いられる。
【0036】これらのホスファチジルグリセロールおよ
びホスファチジルコリンは単独であるいは混合物として
用いることができる。これらのホスファチジルグリセロ
ールおよびホスファチジルコリンは混合物として用いる
ことが好ましい。ホスファチジルグリセロールおよびホ
スファチジルコリンを混合物として用いる際の配合比
は、好ましくはホスファチジルグリセロール1重量部あ
たり、ホスファチジルコリンを約1〜100重量部、よ
り好ましくはホスファチジルグリセロール1重量部あた
り、ホスファチジルコリンを約1〜50重量部、さらに
好ましくはホスファチジルグリセロール1重量部あた
り、ホスファチジルコリンを約3〜10重量部である。
【0037】リポソームの脂質二重層膜には、該脂質二
重層膜を物理的または化学的に安定化させたり、膜の流
動性を調節するために、コレステロール,コレステロー
ルエステル,グリセリン脂肪酸エステル(例、トリオレ
イン,トリオクタノイン等),ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル,遊離脂肪酸等の膜添加物を添加してもよい。脂
質二重層膜を形成するこれらの膜添加物の配合量は、特
に限定されないが、好ましくはリポソームを形成する総
脂質に対して、約0.1〜20%(w/w)である。
【0038】リポソーム製剤を生体内に投与した時に網
内系への取り込みを回避するため、本発明リポソーム製
剤は被覆されていてもよい。ここでの被覆とは、リポソ
ーム製剤自体への被覆のみならず、リポソーム製剤の原
料脂質中に適当な置換基を有する脂質誘導体を被覆剤と
して混入させることによって、該置換基をリポソームの
外層に位置させて、あたかもリポソーム全体が被覆され
たような状態も含む。該被覆剤としては、例えば、エフ
イービーエス・レターズ,第268巻,第235頁,1990年
〔FEBS Lett.268、235 (1990)〕記載のポリエチレ
ングリコール脂質誘導体、特表平3-507024記載の
ポリオキシエチレン誘導体、およびバイオケミカル・バ
イオフィジカル・アクタ、Biochim. Biphys. Acta、112
6、1992記載のグルクロン酸脂質誘導体等が挙げられる。
該被覆剤の使用量は、リポソームの脂質二重層膜構造が
維持できる量から適宜選択できるが、例えばリポソーム
原料脂質の総量の約1〜10%(w/w)の範囲から選択す
ることが好ましい。また、被覆の方法は自体公知の方法
で行うことができる。
【0039】本発明のリポソーム製剤は自体公知の方法
で製造することができる。例えば、脂質をジエチルエー
テル,イソプロピルエーテルまたはクロロホルムなどの
有機溶媒に溶解した後、有効成分水溶液を加えて乳化
し、W/O型エマルジョンを得て、適度の温度(相転移
温度よりやや高め)下の減圧下で有機溶媒を蒸発除去し
てリバース・フェイズ・エバポレーションベシクル(R
EV)を得ることができる。また、上記脂質有機溶媒溶
液の有機溶媒を減圧下で蒸発除去して薄膜とした後に、
有効成分水溶液を加えて、上記と同様の温度で混合する
ことによって、マルチラメラベシクル(MLV)を得る
ことができる。また、マルチラメラベシクル(MLV)
をプローブ型超音波振盪機で浸透することによってスモ
ールユニメラベシクル(SUV)を得ることができる。
さらに、リポソーム製剤の他の製造法としては、ステイ
ブル・プリメラー・ベシクル(SPLV)法〔特表昭5
9−500952号公報(WO83/03383号公
報)〕や、デハイドレイション・レハイドレイション・
ベシクル法〔シー・クルビー(C. Kriby)ら、バイオテ
クノロジー(Biotechnology)、11月号、979(198
4)〕が挙げられる。また、有効成分が脂溶性であって
水への溶解度が低い有効成分の場合は、有効成分を上記
脂質有機溶媒に溶かして薬物を封入するリポソーム製剤
を得ることができる。このようにして得られる有効成分
を含有するリポソーム製剤は、強制篩過等を行うことに
より好ましい粒子サイズに調整することが好ましい。こ
のようにして得られるリポソーム製剤はそのまま使用し
てもよいが、例えば、遠心分離、ゲル濾過あるいは透析
等によってリポソーム製剤中に含有されない遊離の有効
成分を分離除去した後に使用することが好ましい。
【0040】より具体的な製造法としては、例えば、予
め有効成分と脂質を含むクロロホルムに溶解させた後、
バンガム(Bangham)らの方法〔ジャーナル・オブ・モ
レキュラ・バイオロジー 第13、238頁、1965年 (J.
Mol. Biol. 13, 238, 1965)〕にしたがって、ガラス壁
に脂質フィルムを形成させ、そこに水を加えて水和させ
マルチラメラベシクル(MLV)を作製し、得られたマ
ルチラメラベシクル(MLV)をさらに一定の大きさの
ポアサイズのフィルターにより強制篩過することにより
一定の粒度分布を持ったリポソーム製剤分散液を得るこ
とができる。バンガム(Bangham)らの方法により得ら
れる上記脂質フィルムは、本発明の有効成分(軟骨形成
促進物質、またはベンゾチオピランまたはベンゾチエピ
ン誘導体等)と脂質との複合体に含まれる。マルチラメ
ラベシクル(MLV)に代表されるリポソーム製剤を強
制篩過する理由として、リポソームの粒度分布を一定
にすること(サイジング)に加えて、マルチラメラベ
シクル(MLV)が完全に形成されていない場合(具体
的には薬物が脂質二重層膜に構築されないで脂質と薬物
がランダムに混合する形態が部分的に存在する場合)に
おいても、一定の温度下(通常、約10〜100℃)および
圧力下で強制篩過することにより、脂質二重層膜形成と
薬物の脂質二重層膜への構築を促進させることが挙げら
れる。該強制篩過は複数回行うことが好ましい。例え
ば、その回数として約2〜10回が好ましい。強制篩過
を行う場合のフィルターのポアサイズは、求めるリポソ
ーム製剤の粒子経によって適宜調節される。例えば約20
〜100,000nm、好ましくは約50〜10,000nm、さらに好ま
しくは約50〜5,000nm、より好ましくは約100〜500nmで
ある。
【0041】得られたリポソーム製剤分散液は、そのま
ま用いてもよく、あるいは糖類,多価アルコール,水溶
性高分子,非イオン界面活性剤,抗酸化剤,pH調節
剤,水和促進剤などの添加物を添加してもよい。また、
前記添加物を添加したリポソーム製剤分散液を乾燥
(例、凍結乾燥、噴霧乾燥等)することにより、乾燥リ
ポソーム製剤としてもよい。これらの乾燥リポソーム製
剤も本発明のリポソーム製剤に含まれる。リポソーム製
剤分散液の乾燥の方法として、例えば、特開昭64−3
115号公報記載のリポソーム分散液に糖を加え凍結乾
燥する方法があげられる。該凍結乾燥条件は、製剤の凍
結乾燥に用いられる一般的な条件が用いられる。糖以外
の添加物を添加する場合も特開昭64−3115号公報
記載の方法に従って行うことができる。該乾燥の結果、
上記添加物は粉末媒体として乾燥リポソーム製剤中に分
散する。乾燥リポソーム製剤における粉末媒体の含量
は、リポソーム製剤100重量部に対して、好ましくは
約1〜1000重量部、より好ましくは約50〜500
重量部である。該乾燥リポソーム製剤は、水、生理食塩
水、りん酸緩衝液,クエン緩衝液,酢酸緩衝液などの緩
衝液(好ましくは、水)を水性媒体として加えてリポソ
ーム製剤分散液とすることにより、注射剤として用いる
ことができる。該水性媒体には、前記添加物を予め添加
して用いてもよい。こうして、得られたリポソーム製剤
分散液は、そのまま用いてもよく、あるいは前記添加物
を添加して用いてもよい。リポソーム製剤分散液中の前
記添加物は、生理的浸透圧を基準にして、前記水性媒体
のリポソーム内相の浸透圧に対する相対的浸透圧が約0.
8〜10倍になる濃度に調整されるように添加されること
が好ましい。例えば、糖類の場合、リポソーム製剤分散
液中に、例えば約0.1〜100%(W/W)、好ましく
は約1〜20%(W/W)添加されることが好ましい。上記
リポソーム製剤分散液において、水性媒体中の有効成分
(軟骨形成促進物質、またはベンゾチオピランまたはベ
ンゾチエピン誘導体等)の濃度は、例えば約0.1mg
/mL以上、好ましくは約0.1〜300mg/mL,
より好ましくは約1〜200mg/mL、さらに好まし
くは約5〜100mg(例、20mg/mL等)であ
る。
【0042】前記添加物における糖類としては、例え
ば、単糖類(例、マンニトール、グルコース,グルコサ
ミン,ソルビトール等)、二糖類(例、トレハロース,
ラクトース,シュークロース等)、三糖以上の多糖類
(例、グルコサミングリカン,ヒアルロン酸,デキスト
ラン,デキストラン硫酸,コンドロイチン,コンドロイ
チン硫酸等)等が挙げられる。前記添加物における多価
アルコールとしては、例えば、グリセリン、ポリエチレ
ングルコール等が挙げられる。前記添加物における水溶
性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール(PV
A)等が挙げられる。前記添加物における非イオン界面
活性剤としては、例えば、プルロニック、HCO-50、HCO-
60、Tween20、Tween80等が挙げられる。前記添加物にお
ける抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸等が挙
げられる。前記添加物におけるpH調整剤としては、例
えば、グリシン、酢酸アンモニウム、クエン酸、塩酸、
水酸化ナトリウム等が挙げられる。前記添加物における
水和促進剤としては、例えば、自己架橋形成型ポリアク
リル酸、水溶性セルロール誘導体等の、増粘性でかつ吸
水性を有する化合物が挙げられる。前記添加物のうち、
好ましくは糖類、より好ましくは単糖類(さらに好まし
くはマンニトール)または二糖類(さらに好ましくはト
レハロース)が用いられる。
【0043】本発明のリポソーム製剤において、好まし
くは、前記添加物(糖類,多価アルコール,水溶性高分
子,非イオン界面活性剤,抗酸化剤,pH調節剤または
水和促進剤等)が添加されたリポソーム製剤が挙げられ
る。より好ましくは糖類〔好ましくは単糖類(さらに好
ましくはマンニトール)または二糖類(さらに好ましく
はトレハロース)〕が添加されたリポソーム製剤、さら
に好ましくは糖類〔好ましくは単糖類(さらに好ましく
はマンニトール)または二糖類(さらに好ましくはトレ
ハロース)〕が添加された乾燥リポソーム製剤が挙げら
れる。
【0044】前記バンガム法以外の、リポソーム製剤の
具体的な製造法としては、有効成分と脂質を含有する有
機溶媒を乾燥(例、凍結乾燥,噴霧乾燥)して得られる
有効成分と脂質との複合体を原料にして、該複合体を水
和させる方法があげられる。例えば、特開平2−167
218号公報に記載されたリポソーム調製用粉末を用い
る手法を適用して、軟骨形成促進物質と脂質との複合
体;またはベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導
体と脂質との複合体を原料として、本発明のリポソーム
製剤を製造することができる。該複合体は、(a)軟骨
形成促進物質、またはベンゾチオピランまたはベンゾチ
エピン誘導体と(b)リポソーム製剤の原料としての脂質
を含有した有機溶媒を乾燥(例、凍結乾燥,噴霧乾燥
等)することにより製造することができる。また、特表
平6−509547号公報(WO92/11842号公
報)に記載された製造法を適用して、(a)有効成分を溶
解した有機溶媒と(b)脂質を溶解した有機溶媒とを混合
した後に該有機溶媒を除去することにより有効成分と脂
質との複合体を得た後、該複合体を水和させる方法が挙
げられる。本発明の有効成分と脂質との複合体には、特
開平2−167218号公報に記載されたリポソーム調
製用粉末および特表平6−509547号公報(WO9
2/11842号公報)に記載された製造法を適用して
得られた粉末を含む。本発明における有効成分と脂質と
の複合体とは、固体状態においては有効成分と脂質とが
互いに溶け合って存在する状態を示し、また水あるいは
有機溶媒などの溶液中においては化学対となって溶存し
ている状態を含む。前記複合体を得るために用いられる
有機溶媒としては、脂質を溶解し得るものであれば特に
制限されない。例えば、ペンタン,ヘキサン,ヘプタ
ン,シクロヘキサン等の炭化水素類; 塩化メチレン,
クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類; ベンゼン,
トルエンなどの芳香族炭化水素類,メタノール,エタノ
ールなどの低級アルコール類; 酢酸メチル,酢酸エチ
ル等のエステル類; アセトン等のケトン類;等を挙げ
ることができる。これらの有機溶媒は、単独或いは2種
以上を併用して使用することができる。また、必要によ
り、該有機溶媒に水を添加してもよい。好ましくは、有
効成分と脂質を、例えばクロロホルム、アセトン、アル
コールまたはその混合溶媒に溶解させたのち、該溶媒を
留去し形成される有効成分と脂質との複合体を、比較的
氷点温度の高い溶媒〔例、ターシャルブタノール(t-ブ
タノール),ノルマルブタノール(n-ブタノール)〕に
再溶解または水に分散させた後、凍結乾燥させ、得られ
た乾燥末に水を加えて、一定(約10〜100℃)の温
度下で乾燥末を水和する方法が挙げられる。水和時のリ
ポソームの形成を促進させる手段として、上記の強制篩
過手段や、水和物を凍結させた後に一定温度(約10〜
100℃)下で急速に融解させる手段がとられる。これら
の手段は繰り返し行うことが好ましい。例えば、これら
の手段の好ましい回数としては、約2〜10回が挙げら
れる。その他のリポソーム形成促進手段として、水和物
を、単にナノマイザーなどのホモジナイザーにかけ微粒
化する手段も用いることができる。
【0045】この他にも、特開昭62−152531号
公報に記載された噴霧乾燥法(スプレードライ法)を用
いて本発明のリポソーム製剤を製造することができる。
さらには、特表平9−505301(WO95/137
96号公報)あるいは特表平10−502667号公報
(WO96/08235号公報)記載の方法に従って、
本発明のリポソーム製剤を製造することもできる。
【0046】本発明のリポソーム製剤は、例えば、リポ
ソーム製剤分散液の状態で注射剤として用いることがで
きる。とりわけ、骨または関節疾患患部(例えば、関節
内)に直接投与することが好ましい。さらに、有効成分
は、投与部位において十分に効果を示す濃度、例えば約
0.001〜20%(w/w)、より好ましくは約0.01〜10%(w/w)で
長時間維持されることが好ましい。
【0047】本発明のリポソーム製剤は、軟骨疾患治癒
促進物質(例、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、
デキストラン硫酸、グルコサミン、グルコサミングリカ
ン、骨形成タンパク(BMP)、トランスフォーミング
成長因子(TGF−β)等)、抗炎症剤(コルチゾール
パルミテート等)または潤滑物質(ヒアルロナン等)、
と共に単一製剤として、または同時にもしくは時間的間
隔をおいて投与することもできる。
【0048】さらに、本発明のリポソーム製剤は、例え
ば、シクロオキシゲナーゼ抑制剤(Cox−I,Co
x−II抑制剤),疾患修飾性抗リウマチ薬および免疫
抑制薬,生物製剤,鎮痛剤および消炎剤または他
の骨または関節疾患の予防治療薬等と、同時にあるいは
時間的間隔をおいて投与することができる。投与経路は
適宜選択でき、例えば経口,局所または経皮投与であっ
てもよい。 シクロオキシゲナーゼ抑制剤(Cox−I,Cox−
II抑制剤)としては、例えば、セレコキシブ,ロフェコ
キシブ,アスピリン等のサリチル酸誘導体,ジクロフェ
ナック,インドメタシン,ロキソプロフェン等が挙げら
れる。これらの経口剤としての投与量は、例えば、セレ
コキシブは約100〜200mg/日,ロフェコキシブ
は約10〜30mg/日,アスピリン等のサリチル酸誘
導体は約1000〜4500mg/日,ジクロフェナッ
クは約25〜75mg/日,インドメタシンは約50〜
150mg/日,ロキソプロフェンは約60〜180m
g/日である。 疾患修飾性抗リウマチ薬および免疫抑制薬としては、
例えば、メソトレキセイト,レフルノミド,プログラ
フ,スルファサラジン,D−ペニシラミン,経口金剤等
が挙げられる。これらの経口剤としての投与量は、例え
ば、メソトレキセイトは約2.5〜7.5mg/週,レ
フルノミドは約20〜100mg/日,プログラフは約
1〜5mg/日,スルファサラジンは約500〜200
0mg/日,D−ペニシラミンは約100〜600mg/
日,経口金剤は約3〜6mg/日である。 生物製剤としては、例えば、モノクロナール抗体
(例、抗TNF−α抗体,抗IL−12抗体,抗IL−
6抗体,抗ICAM−I抗体,抗CD4抗体等)、可溶
性レセプター(例、可溶性TNF−αレセプター等)、
タンパク性リガンド(IL−Iリセプターアンタゴニス
ト等)が挙げられる。これらの経口剤としての投与量
は、例えば約0.1〜50mg/kg/日、好ましくは
0.5〜20mg/kg/日である。 鎮痛剤および消炎剤としては、例えば、中枢性鎮痛剤
(例、モルフィン,コデイン,ペンタジシン等)、ステ
ロイド剤(例、プレドニゾロン,デキサメタゾン,ベタ
メタゾン等)、消炎酵素剤(例、ブロメルシン,リゾチ
ーム,プロクターゼ等)が挙げられる。これらの経口剤
としての投与量は、例えば、中枢性鎮痛剤は約1〜10
00mg/日,好ましくは約5〜300mg/日、ステロ
イド剤は約0.1〜400mg/日,好ましくは約0.
5〜100mg/日、消炎酵素剤は約1〜100mg/
日,好ましくは約5〜40mg/日である。 他の骨または関節疾患〔例えば、骨折,再骨折,骨欠
損,骨粗鬆症,骨軟化症,骨ペーチェット病,硬直性脊
髄炎,慢性関節リウマチ,変形性関節症ならびにそれら
の類似疾患における関節組織の破壊、および多発性骨髄
腫、肺癌、乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤等〕の予
防治療薬としては、例えば、カルシウム製剤(例、炭酸
カルシウム等)、カルシトニン製剤(例、ウナギカルシ
トニン、サケカルシトニン、ブタカルシトニン、アビカ
トニン等)、ビタミンD3類(例、1α-ヒドロキシビタ
ミンD3、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3、フロ
カルシトリオール、セカルシフェロール等)、性ホルモ
ン関連化合物(例、チボロン、エストロゲン、エストラ
ジオール、オサテロン、ラロキシフェン、ドロロキシフ
ェン、オルメロキシフェン、タモキシフェン、ミフェブ
リストン等)、プロスタグランジンA1、ビスホスホン
酸類(例、エチドロネート、シマドロネート、アレンド
ロネート、チルドロネート、リセドロネート、クロドロ
ネート等)、イプリフラボン類、フッ素化合物(例、フ
ッ化ナトリウム等)、ビタミンK2、血小板由来増殖因
子(PDGF)、インスリン様成長因子−1及び2(I
GF−1,−2)、副甲状腺ホルモン(PTH)類
(例、PTH(1−34)、PTH(1−84)、PT
H(1−36)等)等が挙げられる。
【0049】本発明のリポソーム製剤は、毒性が低い。
従って、本発明のリポソーム製剤は、ヒトを含む哺乳動
物(例、ヒト、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ラッ
ト、マウスなど)の、骨形成促進剤、骨疾患予防治療
剤、骨折予防治療剤、軟骨形成促進剤および軟骨疾患予
防治療剤等として、具体的には整形外科領域における骨
折、再骨折、骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨
形成不全、側弯症等の非代謝性骨疾患; 骨欠損、骨粗
鬆症,骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養
症、骨ペーチェット病、硬直性脊髄炎等の代謝性骨疾
患;または変形性関節症または慢性関節リウマチなどの
軟骨疾患に代表される関節疾患の予防治療薬として、多
発性骨髄腫、肺癌、乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤
として、用いることができる。歯科領域においては、歯
周病の治療、歯周疾患における歯周組織欠損の修復、人
工歯根の安定化、顎堤形成および口蓋裂の修復などにも
応用が期待できる。
【0050】本発明のリポソーム製剤の投与量は、非ペ
プチド性軟骨形成促進物質、またはベンゾチオピランま
たはベンゾチエピン誘導体の種類と含量、薬物の放出時
間、投与対象動物などにより異なるが、非ペプチド性軟
骨形成促進物質、またはベンゾチオピランまたはベンゾ
チエピン誘導体等の有効成分の有効量であればよい。例
えば、注射剤として関節内に投与する場合、成人(体重
50kg)1人あたり、有効成分〔例えば、化合物
(I)またはその塩〕の1回の投与量として、例えば約
0.1mg以上,好ましくは約0.5mg〜約500m
g,より好ましくは約2mg〜約200mgが用いられ
る。例えば、注射剤として関節内に投与する場合、成人
(体重50kg)1人あたりの1回の投与量は、水性媒
体に分散させたリポソーム製剤分散液の投与容積とし
て、好ましくは約0.1〜50mL,より好ましくは約
0.5〜10mL,さらに好ましくは約1〜5mLであ
る。例えば、注射剤として関節内に投与する場合、成人
(体重50kg)1人あたりの1回の投与における有効
成分の濃度は、水性媒体に分散させたリポソーム製剤分
散液における有効成分の濃度として、例えば約0.1m
g/mL以上,好ましくは約0.1〜300mg/m
L,より好ましくは約1〜200mg/mL、さらに好
ましくは約5〜100mg(例、20mg/mL等)で
ある。例えば、注射剤として関節内に投与する場合、成
人(体重50kg)1人あたりの投与頻度は、好ましく
は約1週以上の間隔に1回、より好ましくは約1週間な
いし約3ヶ月に1回の間隔で、さらに好ましくは約2週
間ないし3ヶ月に1回の間隔で、とりわけ好ましくは約
1ヶ月ないし3ヶ月に1回の間隔である。例えば、注射
剤として関節内に投与する場合、成人(体重50kg)
1人あたりのリポソーム製剤からの1日あたりの有効成
分の放出量は、好ましくは約0.01〜10mg、より
好ましくは約0.03〜5mg、さらに好ましくは約
0.05〜1mg(例、0.3mg)である。例えば、
注射剤として関節内に投与する場合、関節内における有
効成分の濃度は、好ましくは約10-6〜10-2M、より
好ましくは約10-5〜10-1Mである。さらに、本発明
のリポソーム製剤は、例えば乾燥リポソーム製剤とし
て、冷所(例えば冷蔵庫内)で6ヶ月以上安定であるこ
とが好ましく、室温で2年以上安定であることがより好
ましい。
【0051】
【実施例】以下に参考例、実施例および実験例を挙げて
本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。化合物A、即ち、(2R,4
S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリルメチ
ル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メ
チル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベ
ンゾチエピン−2−カルボキサミドは、特開平8−23
1569号公報(ヨーロッパ特許出願公開第71978
2号公報)の実施例1に記載の方法と同じ方法で製造さ
れたものを用いた。
【0052】実施例1 濃度10mg/mLの化合物Aのクロロホルム溶液(薬物溶
液)40mL、濃度40mg/mLのジオレオイルホスファチジル
コリンのクロロホルム溶液(DOPC溶液)40mL、および濃
度2.5mg/mLのジパルミトイルホスファチジルグリセロー
ルのクロロホルム溶液(DPPG溶液)40mLをそれぞれガラ
ス試験管を容器に用いて作製し、一時的に冷蔵庫に保存
した。これらの保存溶液を用いて、バンガムらの方法に
従い以下の手順で多重層リポソーム〔マルチラメラ・ベ
シクル(MLV)〕を作製した。すなわちロータリーエ
バポレータに付属の500mLのナス型フラスコに、上記薬
物溶液0.96mL、DOPC溶液7.36mLおよびDPPG溶液6.4mLを
とり、さらにクロロホルム15.28mLを加え薬物、DOPCお
よびDPPGの配合比率が3/92/5(w/w)で、薬物と脂質の
総濃度が9.67mg/mLとなる混合溶液30mLを作製した。得
られた混合溶液をロータリーエバポレータを用いて室温
下で溶媒を留去し、ナス型フラスコのガラス壁に薬物含
有脂質薄膜を作製した。ついで、5%(w/w)のマンニトー
ル水溶液20mLを2度に分けて加え、55℃の温浴でナス型
フラスコを加温しながら、ボルテックスし、脂質フィル
ムを水和させ、約20mLのMLVリポソームを調製した。さ
らにこのMLVをポアサイズ1.2μmのフィルター(スー
ポアアクロディスク;ゲルマンサイエンス社)を用いて
ろ過し、リポソームがマンニトール水溶液に分散する本
発明のリポソーム製剤を得た。本リポソーム製剤の粒子
径を光散乱の原理を利用したサブミクロンアナライザー
(コルター社、N4)にて測定すると平均約400nmであっ
た。本リポソーム製剤は平均粒子経の約1/2〜2倍の
粒子経の範囲に約90%以上含まれることが確認され
た。
【0053】実施例2 実施例1と全く同じ方法かつ条件で、約20mLのMLVを
作製した後、ポアサイズ0.2μmのポリカーボネートメン
ブラン(Nuclepore社)および限外ろ過装置(Extrude
r)を用い30℃の加温下で強制篩過を2回繰り返すこと
により本発明のリポソーム製剤を得た。本リポソーム製
剤の粒子径を光散乱の原理を利用したサブミクロンアナ
ライザー(コルター社、N4)にて測定すると平均約200n
mであった。本リポソーム製剤は平均粒子経の約1/2
〜2倍の粒子経の範囲に約90%以上含まれることが確
認された。
【0054】実施例3 実施例2と全く同じ方法かつ条件で作製した平均粒子径
約200nmのリポソーム製剤約10mLを、さらにポアサイズ
0.05μmのポリカーボネートメンブランおよび限外ろ過
装置(Extruder;日油リポソーム社)を用い30℃の加温
下で強制篩過を3回繰り返すことにより本発明のリポソ
ーム製剤を得た。本リポソーム製剤の粒子径を光散乱の
原理を利用したサブミクロンアナライザー(コルター
社、N4)にて測定すると平均約100nmであった。本リポ
ソーム製剤は平均粒子経の約1/2〜2倍の粒子経の範
囲に約90%以上含まれることが確認された。
【0055】実施例4 40mg/mLの濃度となる卵黄ホスファチジルコリンのクロ
ロホルム溶液(EggPC溶液)を作製し、それ以外は実施
例2と全く同じ方法かつ条件で、薬物、EggPCおよびDPP
Gの配合比率が3/92/5(w/w)となる本発明のリポソーム
製剤を得た。本リポソーム製剤の粒子径を光散乱の原理
を利用したサブミクロンアナライザー(コルター社、N
4)にて測定すると平均約200nmであった。本リポソーム
製剤は平均粒子経の約1/2〜2倍の粒子経の範囲に約
90%以上含まれることが確認された。
【0056】実施例5 実施例4において、バンガムらの方法によるMLVを作
製する代わりに、MLV作製用に調製される薬物含有脂
質薄膜に10mLのt-ブチルアルコールを加え薬物含有脂
質薄膜を溶解させ、ポアサイズ0.2μmのフィルター(マ
イレックス-FG、ミリポア社)でろ過した後、ろ液を30
mLの遠心管にとり、遠心管を回転させながらドライアイ
スを含むアセトン溶液に付け薬物脂質t-ブチルアルコー
ル溶液をガラス壁上に均一に凍結させ、その遠心管を凍
結乾燥装置(日本真空社)に掛け、薬物が脂質に均一に
混ざる凍結乾燥を作製し、薬物、EggPCおよびDPPGの配
合比率が3/92/5(w/w)となる、本発明のリポソーム製
剤を得た。
【0057】実施例6 実施例5と全く同じ方法および条件で得られる凍結乾燥
末からなるリポソーム製剤約300mgに5%のマンニトール
水溶液20mLを2度に分けて加え、55℃の温度で加温しな
がら、ボルテックスし約20mLのMLVリポソームを調製
し、その後は実施例2と同じ方法および条件で薬物、Eg
gPCおよびDPPGの配合比率が3/92/5(w/w)となる本発明
の骨または関節疾患疾患予防治療物質のリポソーム製剤
を得た。本リポソーム製剤の粒子径を光散乱の原理を利
用したサブミクロンアナライザー(コルター社、N4)に
て測定すると平均約200nmであった。本リポソーム製剤
は平均粒子経の約1/2〜2倍の粒子経の範囲に約90
%以上含まれることが確認された。
【0058】実施例7 実施例4と全く同じ方法および条件で作製したリポソー
ム製剤約20mLを50mLのナス型フラスコにとりナス型フラ
スコを回転させながらドライアイスを含むアセトン溶液
に浸けリポソーム分散溶液をガラス壁上に均一に凍結さ
せ、その後ナス型フラスコを凍結乾燥装置に掛け、凍結
乾燥し、リポソームがマンニトールの粉末中に固体分散
した薬物、EggPCおよびDPPGの配合比率が3/92/5(w/w)
となる本発明の骨または関節疾患予防治療物質のリポソ
ーム製剤を得た。本リポソーム製剤の固体分散体を30℃
の加温下で約20mLの水に再分散させると、速やかに
マンニトールが溶け、凍結乾燥末とする前のリポソーム
製剤の分散液と類似したリポソーム製剤分散液が再生さ
れた。この分散液中のリポソーム製剤の粒子径を光散乱
の原理を利用したサブミクロンアナライザー(コルター
社、N4)にて測定すると平均約200nmであった。本リポ
ソーム製剤は平均粒子経の約1/2〜2倍の粒子経の範
囲に約90%以上含まれることが確認された。
【0059】実施例8 実施例5と全く同じ方法および条件で得られる凍結乾燥
末からなるリポソーム製剤約300mgに5%のマンニトール
水溶液20mLを2度に分けて加え、55℃の温度で加温しな
がら、ボルテックスし約20mLのMLVリポソームを調製
し、その後は実施例7と同じ方法および条件でMLVリポ
ソームを凍結乾燥し、リポソームがマンニトールの粉末
中に固体分散した、薬物、EggPCおよびDPPGの配合比率
が3/92/5(w/w)となる本発明のリポソーム製剤を得
た。該リポソーム製剤の粒子径を光散乱の原理を利用し
たサブミクロンアナライザー(コルター社、N4)にて測
定すると平均約400nmであった。本リポソーム製剤は平
均粒子経の約1/2〜2倍の粒子経の範囲に約90%以
上含まれることが確認された。
【0060】実施例9 30mLのガラス容器(遠心管)に10mLのt-BuOHをとり、そ
の溶媒を予め55℃に加温した後、さらに化合物A、DPPG
およびDOPCをそれぞれ15mg、25mgおよび460mgの加え
て、バス(bath)型ソニケーター(sonicator)で約3
時間ソニケーション(sonication)し、溶解させ、薬物
および脂質を含有するBuOH溶液を作製した。溶解液は1.
2μのフィルター(スーポアアクロディスク)でろ過
し、異物を除去した後、トライアイス・アセトン上で凍
結させ、凍結乾燥機に設置し凍結乾燥粉末を調製した。
その結果でき上がった凍結乾燥粉末約500mgに10%のトレ
ハロース水溶液約9.5mLを加え、粉末を水和させた。水
和物が均一なMLVリポソームとなるようボルテックス(v
ortex)ミキサーにて約30分振とうした。得られたMLVリ
ポソームを1.2μのフィルター(スーポアアクロディス
ク)でろ過した後、さらにポアサイズ200nmのフィルタ
ー(Nuclepore)およびエクストルーダ(extruder)に
より60℃の温度下で強制篩過しLUVリポソームを作製し
た。このLUVリポソームの約2mLをバイアル瓶に充填し、
凍結乾燥機に設置し凍結乾燥させ、バイアル瓶中にリポ
ソーム粉末が約100mg含まれるリポソーム製剤を作製し
た。このリポソーム製剤に約1mLの生理食塩液を加える
とリポソームが均一に分散した本発明のリポソーム投与
液を作製することができた。このようにして得られたリ
ポソームの粒子径は光散乱をサウミクロンアナライザー
(コルター社N4)で測定すると平均約250nmであった。
本リポソーム製剤は平均粒子経の約1/2〜2倍の粒子
経の範囲に約90%以上含まれることが確認された。
【0061】実施例10 実施例9においてDOPC460mgの代わりにDMPCを460mgを用
い、それ以外は実施例9と全く同じ方法および条件で本
発明のリポソーム投与液を作製することができた。
【0062】実施例11 36 mgのDOPC, 27 mgのコレステロール, 7.1 mgのDPPG,
7.6 mgのトリオレインおよび2.3 mgの化合物A (liposom
e総量の3%)をクロロホルム 3.5 mLに溶解した。この溶
液を、20 mMクエン酸アンモニウムを含む5%ショ糖水溶
液 3.5 mLと混合し、ホモジナイザーを用い 9,000 rpm
で9分間撹拌して油中水型エマルジョンを得た。得られ
たW/O エマルジョンに20 mM L-リジンを含む4%グルコー
ス水溶液 28 mLを加え、ホモジナイザーで 6,000 rpm 1
分間撹拌した。さらに、このエマルジョンを 20 mM L-
リジン含有 4%グルコース水溶液 42 mL中に加えた。得
られたW/O/W エマルジョンを37℃に加温下、窒素気流に
よりクロロホルムを除去した。このエマルジョンを627
g、10分間の遠心分離を用い、122 mM クエン酸アンモニ
ウム(dibasic)で2回洗浄した。得られたリポソーム
製剤を15 mM クエン酸アンモニウムを含む生理食塩水 7
0 mLに分散してリポソーム製剤分散液を得た。
【0063】実施例12 35.4 mgのDOPC, 17.4 mgのコレステロール, 7.4 mgのDP
PG, 8.9 mgのトリオレインをクロロホルム/ジエチルエ
ーテル (1/1)溶液 10 mLに溶解した。この溶液1.0mLを1
0mL用バイアルにとり、2.0 mg/mLの化合物Aクロロホル
ム溶液0.1 mLを添加した。ここに等量(1.1 mL)の5%シ
ョ糖水溶液を緩やかな振とう下で加え、9分間vortex振
とう機(1,000 rpm/min)で撹拌した。得られたW/O エ
マルジョンを6.67% ショ糖水溶液 5.0 mLに先端の口径
を約0.4mmにしたパスツールピペットを用いて急速に加
え、10分間ボルテックス(vortex)振とう機で撹拌し
た。得られたW/O/W エマルジョンを底面の直径が約5cm
のボトルに移し、37℃に加温下、窒素気流によりクロロ
ホルムを除去した(約10分間)。このサスペンジョンを
15mL用試験管に移し、生理食塩含有リン酸緩衝液(PBS
buffer)を総量10 mLとなるように加え撹拌後、600 g、
5分間の遠心分離によりリポソーム製剤を得た。
【0064】実験例1 化合物Aの微細結晶粉末(平均粒子経5μm)を、水に
分散した分散液(分散濃度:1mg/ml)をフィルター(ポ
アサイズ1.2μm)でろ過し、そのろ液中薬物濃度を以下
の条件でHPLC法で定量した。 カラム:J'sphere ODS M-80 (4.6 x 150mm)(YMC社製) カラム温度: 40℃ 溶離液:アセトニトリル/0.01M 酢酸アンモニウム=45/5
5 (v/v) 流速:1.0mL/min UV検出器(波長):245nm その結果、化合物Aの水への溶解度が極めて低いことが
判明した。実施例1ないし4および6で得た製造直後の
リポソーム製剤の分散液をフィルター(ポアサイズ1.2
μm)にかけ、得られるろ液中薬物濃度を同様の条件でH
PLC法で定量した。その結果、製造直後のリポソーム製
剤の分散液をフィルターでろ過して得られるろ液中薬物
濃度は、製造時に加えた薬物量から計算される値にほぼ
一致した。このことから化合物Aはリポソーム粒子に完
全に含有されていることが判明した。
【0065】実験例2 実施例1から4および実施例6で製造された製造直後の
リポソーム製剤の約1mLを、5%(w/w)のマンニトール
水溶液で10倍希釈した。該希釈液を5mL用のバイアル
瓶にとり窒素置換した後、密封して冷蔵保存し、リポソ
ーム製剤の性状を観察した。その結果、4日保存後にお
いても保存前と変わらない安定な分散状態が確認され、
薬物由来の結晶は観察されなかった。これらのリポソー
ム製剤(4日保存)をポアサイズ1.2μmのフィルターで
ろ過し、ろ液中の薬物濃度を測定した。製造直後にフィ
ルターろ過して得られるろ液中薬物濃度を100%とし
て、濃度を比較した結果、いずれのリポソームにおいて
も90%以上の薬物濃度が確認された。
【0066】実験例3 実施例5、7および8で得られるリポソーム製剤の粉末
製剤約20mgを、2mL用のバイアル瓶にとり窒素置換した
後、密封し、遮光下で冷蔵保存し、1ヶ月後に水に再分
散させると製造直後に再分散して得られるリポソームと
変わらない良好な分散液が得られ、薬物の析出は観察さ
れなかった。
【0067】実験例4 予めエーテルで麻酔した雄性SDラット(体重約200
g)の後肢の関節内に注射器で実施例2および3で得ら
れたリポソームを約50μL注入投与した(各リポソーム
投与に使用したラットは4匹;薬物の投与量、0.25mg/k
g)。麻酔を解除し、投与後1日間のラットの動きを監
察した結果、刺激による爬行は認められなかった。ま
た、投与後定期的に頚静脈より採血し、血中薬物濃度を
エンザイムイムノサッセイ法〔バイオロジカル・ファル
マシュティカル・ブリテン,第22巻,1266頁,1999年
(Biol. Pharma. Bull.,22, 1266、1999)〕にて測定
し、溶液(PEG400/DMSO/水=8/1/1w/w; 0.05mg/kg)を関
節内に投与したときの血中濃度推移と比較した。その結
果、リポソーム製剤投与において血中濃度の平均滞留時
間(MRT;約1.0時間)が溶液投与の約2倍に延長される
ことが確認された。
【0068】
【発明の効果】本発明のリポソーム製剤は、骨疾患また
は関節疾患等の疾患自体の原因を取り除くことができ;
物理的および/または化学的刺激が少く; 物性的に
安定で長期保存性に優れていること; さらには軟骨形
成促進物質、またはベンゾチオピランまたはベンゾチエ
ピン誘導体が投与部位で好ましい速度で徐々に放出さ
れ、有効薬物濃度を長期間に亘り維持できる。従って軟
骨形成促進物質、またはベンゾチオピランもしくはベン
ゾチエピン誘導体を効果的に作用させることができるこ
とから、骨または関節疾患(例えば、軟骨疾患)に対す
る治療において、効果的に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 哲夫 大阪府豊能郡豊能町新光風台5丁目13番地 の6 Fターム(参考) 4C076 AA19 BB11 CC29 DD63 EE51 FF16 GG45 GG46 4C086 AA01 BB01 CA05 MA24 NA03 NA14 ZA96

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非ペプチド性軟骨形成促進物質を含有する
    リポソーム製剤。
  2. 【請求項2】軟骨形成促進物質が、骨形成促進作用を併
    せ持つ請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘
    導体を含有するリポソーム製剤。
  4. 【請求項4】ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘
    導体が、式(I): 【化1】 [式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
    は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、
    Bはエステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
    キシ基を、Xは−CH(OH)−または−CO−を、kは
    0または1を、k'は0,1または2を示す。]で表わ
    される化合物またはその塩である請求項3記載の剤。
  5. 【請求項5】環Aが、ハロゲン原子,C1-10アルキル
    基、C1-10アルコキシ基,式:−O−(CH2)n−O−
    (式中、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキレ
    ンジオキシ基およびC1-10アルキルチオ基から選ばれる
    1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン
    環であり、Rが、水素原子,C1-6アルキル基またはフ
    ェニル基であり、Bは、式:−CON(R1)(R2)(式
    中、R1は水素原子またはC1-10アルキル基を、R2はハ
    ロゲン原子,C1-6アルコキシ基,モノ−またはジ−C
    1-6アルコキシホスホリル基,モノ−またはジ−C1-6
    ルコキシホスホリル−C1-3アルキル基(ジ−C1-6アル
    コキシ基におけるジアルキルは、一緒になってC1-6
    ルキレン基となっていてもよい)もしくはC1-6アルコ
    キシカルボニル基で置換されていてもよいフェニルまた
    はフェニル−C1-3アルキル基を、それぞれ示す。)で
    表わされる基である請求項4記載の剤。
  6. 【請求項6】式(I)で表される化合物が、式(II): 【化2】 〔式中、R3はC1-6アルキル基を示し、R4およびR5
    それぞれC1-6アルキル基を示すか、または一緒になっ
    てC1-6アルキレン基を示す。〕で表わされる光学活性
    化合物である請求項4記載の剤。
  7. 【請求項7】式(II)で表される化合物が、(2R,
    4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリルメチ
    ル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メ
    チル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベ
    ンゾチエピン−2−カルボキサミドである請求項6記載
    の剤。
  8. 【請求項8】リポソーム製剤の原料脂質として、ホスフ
    ァチジルグリセロールまたはホスファチジルコリンの少
    なくとも1種を含有する請求項1または3記載の剤。
  9. 【請求項9】リポソーム製剤の原料脂質として、ホスフ
    ァチジルグリセロールおよびホスファチジルコリンを含
    有する請求項8記載の剤。
  10. 【請求項10】ホスファチジルグリセロール1重量部あ
    たり、ホスファチジルコリンを約1〜100重量部含有
    する請求項9記載のリポソーム製剤。
  11. 【請求項11】ホスファチジルグリセロールが、ジミリ
    ストイルホスファチジルグリセロールまたはジパルミト
    イルホスファチジルグリセロールである請求項8記載の
    剤。
  12. 【請求項12】ホスファチジルコリンが、ジオレオイル
    ホスファチジルコリンまたはジミリストイルホスファチ
    ジルコリンである請求項8記載の剤。
  13. 【請求項13】リポソーム製剤の乾燥重量100重量部
    に対して、軟骨形成促進物質を約0.1〜50重量部含
    有することを特徴とする請求項1記載の剤。
  14. 【請求項14】リポソーム製剤の乾燥重量100重量部
    に対して、ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導
    体を約0.1〜50重量部含有することを特徴とする請
    求項3記載の剤。
  15. 【請求項15】軟骨形成促進物質と脂質との複合体を原
    料として製造される請求項1記載の剤。
  16. 【請求項16】ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン
    誘導体と脂質との複合体を原料として製造される請求項
    3記載の剤。
  17. 【請求項17】軟骨形成促進物質と脂質との複合体を水
    和させた後、強制篩過することにより製造される請求項
    1記載の剤。
  18. 【請求項18】ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン
    誘導体と脂質との複合体を水和させた後、強制篩過する
    ことにより製造される請求項3記載の剤。
  19. 【請求項19】粉末媒体に分散させた請求項1または3
    記載の剤。
  20. 【請求項20】請求項19記載の剤を水性媒体に分散さ
    せた請求項1または3記載の剤。
  21. 【請求項21】水性媒体中の軟骨形成促進物質の濃度が
    約0.1mg/mL以上である請求項20記載の剤。
  22. 【請求項22】水性媒体中のベンゾチオピランまたはベ
    ンゾチエピン誘導体の濃度が約0.1mg/mL以上で
    ある請求項20記載の剤。
  23. 【請求項23】注射剤である請求項1または3記載の
    剤。
  24. 【請求項24】関節内投与剤である請求項1または3記
    載の剤。
  25. 【請求項25】関節疾患治療剤である請求項1または3
    記載の剤。
JP2000118533A 2000-04-14 2000-04-14 リポソーム製剤 Withdrawn JP2001302496A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000118533A JP2001302496A (ja) 2000-04-14 2000-04-14 リポソーム製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000118533A JP2001302496A (ja) 2000-04-14 2000-04-14 リポソーム製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001302496A true JP2001302496A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18629648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000118533A Withdrawn JP2001302496A (ja) 2000-04-14 2000-04-14 リポソーム製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001302496A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002051424A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Medicaments contre les defaillances articulaires
JP2005509000A (ja) * 2001-11-13 2005-04-07 セレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド 増強された血中安定性を有する脂質キャリア組成物
JP2010180193A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Fine Co Ltd 高品質化粧料
WO2017057418A1 (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 小林製薬株式会社 リポソーム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002051424A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Medicaments contre les defaillances articulaires
US7214667B2 (en) 2000-12-22 2007-05-08 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenyujo Drugs against articular failure
JP2005509000A (ja) * 2001-11-13 2005-04-07 セレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド 増強された血中安定性を有する脂質キャリア組成物
US8518437B2 (en) 2001-11-13 2013-08-27 Celator Pharmaceuticals, Inc. Lipid carrier compositions with enhanced blood stability
JP2010180193A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Fine Co Ltd 高品質化粧料
WO2017057418A1 (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 小林製薬株式会社 リポソーム
JP2017066059A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 小林製薬株式会社 リポソーム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6022564A (en) Method for producing a microparticle
AU600766B2 (en) Small particle aerosol liposome and liposome-drug combinations for medical use
JP2002541185A (ja) ビスホスホネート及びビスホスホネートの吸収の向上をもたらす添加剤からなる医薬処方物
TW200829283A (en) Dried reconstituted vesicle formation for pharmaceutical application
JPH09263545A (ja) 骨形成促進医薬組成物
BRPI0510778B1 (pt) Composição farmacêutica, processo para preparação da :mesma, e, uso de uma composição
WO2001010463A1 (fr) Pates a liberation prolongee d'un promoteur de l'osteogenese
US5910492A (en) Osteogenic promoting pharmaceutical composition
US20210093721A1 (en) Colloidal particles for use in medicine
JP2001106638A (ja) 骨形成促進物質徐放性ペースト
AU717260B2 (en) Osteogenetic promoting pharmaceutical composition
JP2001302496A (ja) リポソーム製剤
IE60453B1 (en) Parenteral suspensions of diclofenac
JPWO2006049307A1 (ja) リポソーム及びこれを用いた細胞に対する物質注入方法
JP2008542308A (ja) ファルネシルジベンゾジアゼピノン製剤
CA2818018A1 (en) Liposomal formulation of dalcetrapib
JPH115751A (ja) アパタイト被覆固形組成物およびその製造法
US20030185878A1 (en) Process for producing phospholipid-containing drug
JP2002356419A (ja) 微粒薬物の製造法
WO2002078673A1 (fr) Procede de production d'un medicament sous forme de granules fins
CA2334815A1 (en) Composition for treating cartilage disease
WO2000018444A1 (en) Bone repair materials/artificial bone compositions
CA2066698A1 (en) Liposomal compositions
JP7019201B2 (ja) リポソームの調製方法
JP2002080400A (ja) リン脂質含有薬物の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703