JPH115751A - アパタイト被覆固形組成物およびその製造法 - Google Patents
アパタイト被覆固形組成物およびその製造法Info
- Publication number
- JPH115751A JPH115751A JP10113632A JP11363298A JPH115751A JP H115751 A JPH115751 A JP H115751A JP 10113632 A JP10113632 A JP 10113632A JP 11363298 A JP11363298 A JP 11363298A JP H115751 A JPH115751 A JP H115751A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- apatite
- bone
- group
- solid composition
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
Abstract
ポリマー含有固形組成物を提供する。 【解決手段】本発明のアパタイトで被覆してなる生体内
分解性ポリマーを含有する固形組成物は、骨折部位ある
いは、人工骨と骨との界面に骨伝導性のよい接着剤とし
て用いることができる。本発明のアパタイトで被覆して
なる生体内分解性ポリマーおよび医薬を含有する組成物
は、その骨に対する作用が増強されるとともに徐放性を
有し、しかも骨伝導性が良好である。従って骨疾患(例
えば、骨折,再骨折,骨粗鬆症,骨軟化症,骨ペーチェ
ット病,硬直性脊椎炎,慢性関節リウマチ,変形性膝関
節炎およびそれらの類似疾患における関節組織の破壊
等)の予防,治療、あるいは多発性骨髄腫,肺癌,乳癌
等の外科手術後の骨組織修復および歯周疾患等における
歯周組織の再生等に、局所においてその効果を効率的に
発揮させ、治癒期間を大幅に短縮させることが可能であ
り、老年期の骨折に伴う種々の合併症の併発を未然に防
ぐことが可能である。
Description
を被覆した固形組成物に関する。さらに詳しくは (1)アパタイトで被覆してなる生体内分解性ポリマー
を含有する固形組成物、および、(2)アパタイトで被
覆してなる生体内分解性ポリマーおよび医薬を含有する
固形組成物に関する。
0%の有機物で構成され、このうち無機物の組成は水酸
アパタイトに非常によく似ている。このため1970年
頃からアパタイトを生体材料として使用するための研究
が始まった。人工骨材料としてそれ以前から、例えばス
テンレス鋼、コバルト−クロム合金、チタン合金などの
金属材料や高密度ポリエチレン、ポリメチルメタクリル
酸などの有機化合物材料が使われていたが、これらの材
料と生体の骨とが直接結合し得ないため、緩みや破損な
どが多発し、周辺組織に炎症などの悪影響を与えること
もあった。そこで骨との結合力を強固にするためにこれ
らの材料表面を水酸アパタイトで被覆する技術としてス
パッター法、プラズマ溶射法などの被覆法が開発され実
用化されている。生体材料を骨に固定させるために様々
な工夫がなされてきたが、SiO2−Na2O−CaO−
P2O5系のガラスを骨に埋入すると骨と強固な化学的な
結合を生じることが発見された。さらに組成の改良が進
み、SiO2−CaO−P2O5−MgO−CaF2系のガ
ラス粉末から焼結と結晶化を行い、アルカリ金属を含ま
ず、アパタイトとウォラストナイトの結晶を含んだガラ
スセラミック(A−Wガラスセラミック)が開発されて
いる。この材料は骨との結合メカニズムが研究されてお
り、機械的強度も高いことから腸骨や椎対の骨置換材料
として臨床応用にも成功している。
の間には、A−Wガラスセラミックから溶出したイオン
と体液成分により形成された、微小で配向性の低いアパ
タイト結晶からなる層が存在し、これを介して骨と材料
が結合していることが判明してる。このようなアパタイ
ト層の形成機序については、蛋白質などの高分子を除
き、イオン濃度のみを体液に合わせた擬似体液と呼ばれ
る緩衝液を用いて解析されている(「整形外科医用材料
マニュアル」金原出版、1992年)。A−Wガラスセラミ
ックのこのような性質に着目し、ポリ(エチレンテレフ
タレート)などの有機ポリマーをA−Wガラスセラミッ
クと共に擬似体液に浸漬し、ポリマー表面にアパタイト
層を形成させたことが報告されている(Journal of Bio
medical Materials Research, 29巻 349−357頁(1995
年))。この方法においては、あらかじめポリマーをグ
ロー放電処理することが推奨されている。一方、人工骨
充填剤の開発における生体内分解吸収性高分子の利用と
しては、骨組織への埋植実験において、ポリ乳酸(PL
A)と水酸アパタイト(HA)との複合体の分解吸収と
ともに骨組織が形成されることが報告されており、骨充
填剤としての臨床応用の可能性が示唆されている(高分
子論文集42巻(11)771−776頁(1985年))。PLAあ
るいは乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)に骨誘
導因子(BMP)を包含させた材料、さらにポリマーと
ヒドロキシアパタイトとの複合体にBMPを包含させた
材料を用いた骨組織の再生が確認されている(第24回医
用高分子シンポジウム講演要旨集 65−66頁) また、PLA−ポリエチレングリコール(PEG)ブロ
ック重合体とBMPとの複合体あるいはさらにヒドロキ
シアパタイトを加えた3者の複合体は骨欠損部への埋込
試験において、骨組織の再生することが報告されており
(Clinical Orthopaedics and Rolated Research No.29
4 pp.333−343(1993))、骨充填剤としての臨床応用
の可能性が示唆されている。
る薬学的作用物質を含有する粒子は、骨疾患(例えば骨
粗鬆症や骨折など)の治療に有用であり、薬学的作用物
質を含有する微粒子を注射や埋め込みによってこれらの
疾患を治療することが可能である。さらにこの微粒子に
徐放性、生体内分解性などの機能を付与することによっ
て当該微粒子の応用は拡大、改善される。一方、アパタ
イトは骨と同じリン酸カルシウムを成分とし、骨への親
和性が非常に良好であり生体へ投与した場合も免疫反応
などの異物反応を引き起こさないことが公知であり、そ
の有用性は非常に高い。しかしながら、薬学的作用物質
および微粒子を構成する材料は通常、スパッター法、プ
ラズマ溶射法という苛酷条件下での被覆操作に耐えられ
ず、これらの過程で含有する薬学的作用物質や微粒子材
料の分解をともなう。
用物質を含有する微粒子表面にアパタイトを被覆するこ
とによってその作用を効果的に引き出すことが可能であ
ると考え、上記問題点を解決するために鋭意研究を行な
った結果、微粒子を各種イオンを含有するイオン水溶液
中に浸漬することにより、その表面にアパタイトの被覆
層が効率的に穏やかな条件下で生成されることを見出
し、さらに、得られたアパタイト被覆層はハニカム構造
であるため含有された医薬の徐放性に優れていることを
見出し、これらの知見に基づいてさらに研究した結果、
本発明を完成した。
覆してなる生体内分解性ポリマー含有固形組成物、
(2)医薬を含有する上記(1)項記載の固形組成物、
(3)徐放性を有する上記(2)項記載の固形組成物、
(4)生体内分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸またはポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体であ
る上記(1)項記載の固形組成物、(5)医薬が水難溶
性である上記(2)項記載の固形組成物 (6)医薬が、骨疾患予防治療剤、抗生物質、抗炎症剤
または抗腫瘍剤である上記(2)項記載の固形組成物、
(7)アパタイトが、(1)Na+,K+,H+,Ca2+,S
r2+,Ba2+,Pb2+、Zn2+,Cd2+,Mg2+,Fe
2+,Mn2+,Ra2+,Al3+,Y3+,Ce3+,Nd3+,
La3+およびDy3+から選ばれる少なくとも一種の陽イ
オン、および(2)SO4 2-,CO3 2-,HPO4 2-,PO3
F2-,PO4 3-,AsO4 3-,VO4 3-,BO3 3-,CrO
4 3-、SiO4 3-,GeO4 3-,(CO3F)3-およびBO4
5-から選ばれる少なくとも一種の陰イオンを含む結晶鉱
物である上記(1)項記載の固形組成物、(8)アパタ
イトが水酸アパタイトである上記(1)項記載の固形組
成物、(9)アパタイトがリン酸アパタイトである上記
(1)項記載の固形組成物、(10)マイクロカプセル
である上記(1)項記載の固形組成物、(11)アパタ
イト被覆層がハニカム構造を有する上記(1)項記載の
固形組成物、(12)アパタイト被覆層の層厚が約1n
m〜50μmである上記(1)項記載の固形組成物、
なイオン水溶液中に、生体内分解性ポリマーを含有する
固形組成物を浸漬することを特徴とする、アパタイトで
被覆された生体内分解性ポリマー含有固形組成物の製造
方法。(14)医薬を含有する固形組成物である上記
(13)項記載の製造方法、(15)緩衝液が、N
a+、K+、Mg2+、Ca2+、Cl-、CO3 2-、PO4 3-
およびSO4 2-を含有する水溶液である上記(13)項
記載の製造方法、および(16)浸漬温度が約10〜1
50℃である上記(13)項記載の製造方法である。さ
らに、本発明は、アパタイトを形成することが可能な緩
衝液中に生体内分解性ポリマーを含有する固形組成物を
浸漬することにより得られる、アパタイトで被覆された
生体内分解性ポリマー含有固形組成物をも提供するもの
である。
薬理学的に許容される結晶鉱物であればよく、その組成
は特に限定されないが、例えば、(1)Na+,K+,H+,
Ca2+,Sr2+,Ba2+,Pb2+、Zn2+,Cd2+,M
g2+,Fe2+,Mn2+,Ra2+,Al3+,Y3+,C
e3+,Nd3+,La3+およびDy3+から選ばれる少なく
とも一種の陽イオン、および(2)SO4 2-,CO3 2-,H
PO4 2-,PO3F2-,PO4 3-,AsO4 3-,VO4 3-,
BO3 3-,CrO4 3-、SiO4 3-,GeO4 3-,(CO
3F)3-およびBO4 5-から選ばれる少なくとも一種の陰
イオンを含有する結晶鉱物であればよい。該結晶鉱物
は、さらに、(3)OH-,F-,Cl-,Br-,O2-,C
O3 2-およびBO2 -から選ばれる一種の陰イオンを含ん
でいるものが挙げられる。上記結晶鉱物(1)の陽イオン
としては、なかでも、Na+,K+,H+,Ca2+,Sr
2+またはMg2+等の陽イオンが好ましい。さらに、Ca
2+,Mg2+が好ましく、Ca2+が特に好ましい。該(2)
の陰イオンとしては、なかでも、SO4 2-,CO3 2-,H
PO4 2-,PO3F2-またはPO4 3-が好ましい。さら
に、HPO4 2-,PO3F2-またはPO4 3-が好ましく、
PO4 3-が特に好ましい。該(3)の陰イオンとしては、な
かでも、OH-,F-,Cl-,O2-またはCO3 2-が好ま
しい。さらに、OH-,F-,Cl-が好ましく、OH-が
特に好ましい。上記結晶鉱物は、通常は、1種の陽イオ
ンと1種もしくは2種の陰イオンとの組み合わせで形成
される。
式 (Q1)m(Q2)n(Q3)L (式中、Q1は、前記(1)の陽イオンを、Q2は、前記(2)
の陰イオンを、Q3は、前記(3)の陰イオンを、mは1〜
100の整数を、nは1〜50の整数を、Lは1〜20
の整数をそれぞれ示す。)で表わされる結晶鉱物が好ま
しい。上記mとして好ましいものとしては、2〜30の
整数が、さらに好ましいものとしては5〜15の整数が
挙げられる。上記nとして好ましいものとしては1〜2
0の整数が、さらに好ましいものとしては3〜9の整数
が挙げられる。上記Lとして好ましいものとしては1〜
10の整数が、さらに好ましいものとしては1〜3の整
数が挙げられる。さらに、上記結晶鉱物としては、式 M10(Z)6X2 (式中、Mは前記(1)の陽イオンを、Zは前記(2)の陰イ
オンを、Xは前記(3)の陰イオンをそれぞれ示す。)で
表わされる結晶鉱物が好ましい。上記結晶鉱物として
は、特に、Q3もしくはXがOH-である水酸アパタイト
や、Q2がもしくはXがリン酸基であるリン酸アパタイ
トが最も好ましい。本発明において用いられるアパタイ
トは、2種以上の混合物であってもよい。
は、水に難溶または不溶で生体内分解型のポリマーが用
いられる。水に難溶または不溶とは、水に対する溶解度
が0〜約10mg/mlであるもの、さらに好ましく
は、0〜約1mg/mlであるものが好ましい。本発明
で用いられる生体内分解性ポリマーの具体例としては、
例えば脂肪酸ポリエステル〔例、α−ヒドロキシカルボ
ン酸類(例、乳酸,グリコール酸,2−ヒドロキシ酪
酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシ−3−メチ
ル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシイ
ソカプロン酸、2−ヒドロキシカプリル酸等),ヒドロ
キシジカルボン酸類(例、リンゴ酸等),ヒドロキシト
リカルボン酸類(例、リンゴ酸等),乳酸カプロラクト
ン,バレロラクトン等の1種以上の重合体、共重合体、
あるいはこれらの混合物〕,およびその誘導体(例、ポ
リ乳酸,ポリグリコール酸及びポリエチレングリコール
のブロック重合体等),ポリ−α−シアノアクリル酸エ
ステル,ポリ−β−ヒドロキシ酪酸,ポリアルキレンオ
キサレート類(例、ポリトリメチレンオキサレート,ポ
リテトラメチレンオキサレート等),ポリオルソエステ
ル,ポリオルソカーボネート,ポリカーボネート類
(例、ポリエチレンカーボネート,ポリエチレンプロピ
レンカーボネート等),ポリアミノ酸類(例、ポリ−γ
−ベンジル−L−グルタミン酸,ポリ−L−アラニン,
ポリ−γ−メチル−L−グルタミン酸等),ヒアルロン
酸エステル類,ポリスチレン,ポリメタアクリル酸,ア
クリル酸とメタアクリル酸との共重合体,デキンステア
レート,エチルセルロース,アセチルセルロース,ニト
ロセルロース,無水マレイン酸系共重合体,エチレンビ
ニールアセテート系共重合体,ポリビニールアセテー
ト,ポリアクリルアミド、コラーゲン、ゼラチン、フィ
ブリン等が用いられる。これらの生体内分解性ポリマー
は1種でもよく、また2種以上の共重合体、あるいは単
なる混合物でもよい。重合の形式はランダム、ブロッ
ク、グラフトの何れでもよい。生体内分解性ポリマーの
好ましい例は、例えば脂肪族ポリエステルが挙げられ
る。特に、例えばα−ヒドロキシカルボン酸類の1種以
上から合成された重合体、共重合体が生体内分解性およ
び生体適合性の観点から好ましく、さらに好ましくは、
乳酸,グリコール酸,2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロ
キシ吉草酸等の1種以上から合成された共重合体、また
はこれらの混合物が挙げられる。
自体公知の方法、例えば特開昭61−28521号公報
に記載の方法またはそれに準じた方法により製造され
る。前記α−ヒドロキシカルボン酸類はD−体、L−
体、およびD、L−体のいずれでもよいが、D、L−体
が好ましい。前記α−ヒドロキシカルボン酸類の単一重
合体の例としては乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ
酪酸等の単一重合体が挙げられ、該α−ヒドロキシカル
ボン酸類としては乳酸が好ましい。α−ヒドロキシカル
ボン酸類の共重合体の例としてはグリコール酸と他のα
−ヒドロキシカルボン酸類との共重合体が挙げられ、例
えばα−ヒドロキシカルボン酸類としては乳酸、2−ヒ
ドロキシ酪酸等が好ましい。具体的には、例えば乳酸−
グリコール酸共重合体、2−ヒドロキシ酪酸−グリコー
ル酸共重合体等、好ましくはポリ乳酸−ポリグリコール
酸共重合体等が用いられる。
ポリマーの平均分子量の下限は約2,000が好まし
く、該下限としてさらに好ましくは約5,000であ
る。本発明に使用されるこれらの生体内分解性ポリマー
の平均分子量の上限は、約1,000,000が好まし
く、さらに好ましくは約800,000であり、より好
ましくは約500,000であり、約200,000が最
も好ましい。乳酸単一重合体(以下、ポリ乳酸と称する
こともある)において、その重量平均分子量の下限は約
5,000が好ましく、約6,000がさらに好ましい。
乳酸単一重合体(以下、ポリ乳酸と称することもある)
において、その重量平均分子量の上限は、約10,00
0,000が好ましく、約5,000,000がより好ま
しく、さらに約100,000が好ましく、約50,0
00が最も好ましい。ポリ乳酸は、自体公知の製造方
法、例えば特開昭61−28521号公報に記載の方法
に従って合成することができる。乳酸もしくは乳酸−グ
リコール酸共重合体において、乳酸とグリコール酸との
組成比は約100/0〜約50/50%(W/W)が好
ましい。乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量
は約5,000〜約100,000が好ましい。さらに好
ましくは約8,000〜約50,000である。乳酸−グ
リコール酸共重合体は、自体公知の製造方法、例えば特
開昭61−28521号公報に記載の方法に従って合成
できる。該共重合体は無触媒脱水重縮合で合成された物
が好ましい。
体において、グリコール酸が約40から約70モル%、
残りが2−ヒドロキシ酪酸である場合が好ましい。2−
ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子
量は、約5,000〜約100,000が好ましい。さら
に好ましくは約8,000〜約50,000である。2−
ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体は、自体公知の
製造方法、例えば特開昭61−28521号公報に記載
の方法に従って合成できる。該共重合体は無触媒脱水重
縮合で合成された物が好ましい。前記した2−ヒドロキ
シ酪酸−グリコール酸共重合体は、さらにポリ乳酸と混
合して使用してもよい。2−ヒドロキシ酪酸−グリコー
ル酸共重合体とポリ乳酸とを混合して使用する場合、そ
の混合比は例えば約10/90〜約90/10(重量
%)である。混合比はさらに好ましくは約15/85〜
約85/15(重量%)である。本明細書中、重量平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量をい
う。測定は、GPCカラムKF804L×2(昭和電工
製)、RIモニターL−3300(日立製作所製)を使
用し、移動相としてクロロホルムを用いた。生体内分解
性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸また
はポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体が好ましく、ポ
リ乳酸−ポリグリコール酸共重合体が最も好ましい。
水難溶性ないしは水不溶性であるものを用いるのが好ま
しい。水不溶性ないし水難溶性である場合の水に対する
溶解度としては、約0〜10mg/mlが好ましく、さ
らに約0〜1mg/mlが好ましい。本発明において、
アパタイト被覆医薬組成物は骨に対して非常に良好な親
和性があることから、組成物に含有される場合の医薬と
しては、骨形成促進作用物質や骨吸収抑制作用物質、骨
吸収促進作用などの骨疾患の予防・治療剤が特に好まし
いが、抗腫瘍剤や抗生物質、抗炎症剤、鎮痛剤等にも好
ましく応用することができる。骨疾患予防治療剤として
用いられる医薬としては、例えば、プロスタグランジン
A1誘導体、ビタミンD誘導体、ビタミンK2誘導体、
エイコサペンタエン酸誘導体、ベンジルホスホン酸誘導
体、ビスホスホン酸誘導体、性ホルモン誘導体、フェノ
ールスルフォフタレイン誘導体、ベンゾチエピン誘導
体、メナテトレノン誘導体、ヘリオキサンチン誘導体な
どの非ペプチド性骨形成促進作用物質、骨形成タンパク
(BMP)もしくはその誘導体、軟骨由来成長因子(C
DGF)もしくはその誘導体、骨由来成長因子(BPG
F)もしくはその誘導体、トランスホーミング成長因子
(TGF)もしくはその誘導体、線維芽細胞増殖因子
(FGF)もしくはその誘導体、骨格成長因子(SG
F)、腫瘍壊死因子(TNF)もしくはその誘導体、イ
ンターフェロン(−α,−β,−γ)もしくはその誘導
体、上皮細胞成長因子(EGF)もしくはその誘導体、
インターロイキン(−3、−6)もしくはその誘導
体、、肝細胞増殖因子もしくはその誘導体、カルボキシ
ペプチダーゼ様蛋白もしくはその誘導体、カテプシンK
もしくはその誘導体、カルシトニンもしくはその誘導
体、副甲状腺ホルモンもしくはその活性フラグメント、
骨成長ホルモンもしくはその活性フラグメント、エスト
ロジェンもしくはその活性フラグメント等のペプチド性
骨形成促進物質等が挙げられる。
ディベカシン、ゲンタマイシン、もしくはそれらの誘導
体等のアミノグリコシド系抗生物質等が挙げられる。抗
腫瘍剤としては、例えば、タキソール、塩酸トキソルビ
シン等のアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤、メソトレ
キセート、エトポシド、5−フルオロウラシル、ミトキ
サントロン、メスナ、ジメスナ、アミノグルテチミド、
タモキシフェン、アクロライン、シスプラチン、カルボ
プラチン、シクロフォスファミド、ロムスチン(CCN
U)、カルムスチン(BCNU)等もしくはこれらの誘
導体が挙げられる。抗炎症剤としては、例えば、アスピ
リン等のサリチル酸系抗炎症薬、アミノピリン等のピラ
ゾロン系抗炎症薬、フェナセチン、アセトアミノフェン
等のアニリン系抗炎症薬、フェニルブタゾン、ケトフェ
ニルブタゾン等のピラゾリジンジオン系抗炎症薬、メフ
ェナム酸等のアントラニル酸系抗炎症薬、インドメタシ
ン等の酢酸系抗炎症薬、ブコローム等のトリオキソピリ
ミジン系抗炎症薬、ベンジダミン、メピリゾール、チア
ラミド、チノリジン等の塩基性抗炎症薬、消炎酵素剤、
非ステロイド系抗炎症薬等が挙げられる。鎮痛剤として
は、キシロカイン等が挙げられる。
容される塩の形で用いられていてもよい。薬理学的に許
容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩基との
塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が用いられる。
これらの塩を形成させ得る塩としては、無機塩基として
は、アルカリ金属(例、ナトリウム,カリウム等)、ア
ルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウム等)
が、有機塩基としては、例えばトリメチルアミン,トリ
エチルアミン,ピリジン,ピコリン,N,N−ジベンジ
ルエチレンジアミン,ジエタノールアミン等が、無機酸
としては、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,リン酸,
硝酸,硫酸等が、有機酸としては、ギ酸,酢酸,トリフ
ルオロ酢酸,シュウ酸,酒石酸,フマール酸,マレイン
酸,メタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トル
エンスルホン酸,クエン酸等が、塩基性または酸性アミ
ノ酸としては、例えばアルギニン、リジン、アスパラギ
ン酸,グルタミン酸等が用いられる。
進作用物質としては、例えば特開平3−232880号
公報、特開平4−364179号公報、特開平5−29
4960号公報および特開平8−225456号公報等
に記載されている含硫黄複素環化合物{例、(2R,4
S)-(−)−N−[4−(ジエトキシホスホリルメチル)フ
ェニル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチル−
7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベンゾチ
エピン−2−カルボキサミド等}またはその塩、特開平
7−291983号公報に記載されているベンゾピラン
誘導体[例、N−(4−ジメトキシホスホリルメチルフ
ェニル)−4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−
カルボキサミド等]またはその塩、特開平8−7347
6号公報に記載されているホスホン酸誘導体[例、ジエ
チル4−(7−シクロヘキシル−3,4−ジヒドロ−2−
ナフタレンカルボキサミド)ベンジルホスホネート)等]
またはその塩、ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・エ
クスペリメンタル・セラピューチックス(Journal of P
harmacology Experimental Therapeutics)、第258巻、
1120〜1126頁(1991年)に記載されているプロスタグラ
ンディンA1 誘導体、バイオオーガニック・アンド・メ
ディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic &
Medicianal Chemistry Letters)、第3巻、1815〜1819
頁(1993年)に記載されているビタミンD3誘導体、ヨ
ーロッパ公開特許公報第524023号に記載されてい
るベンジルホスホン酸誘導体、ボーン(Bone)、第13
巻、249〜255頁(1992年)に記載されているホスホン酸
類、Menatetrenone(エーザイ)およびバイオケミカル
・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミニュケー
ションズ(Biochemical and Biophysical Research Com
munications)、第187巻、814〜820頁(1992年)に記載
されているビタミンK2 誘導体などが用いられる。
では、例えば式(I):
は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、
Bはエステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシル基を、Xは−CH(OH)−または−CO−を、k
は0または1を、k’は0、1または2を示す〕で表さ
れる化合物またはその塩などが汎用される。
換されたベンゼン環における置換基としては、例えば、
ハロゲン原子,ニトロ基,置換されていてもよいアルキ
ル基,置換されていてもよい水酸基,置換されていても
よいメルカプト基,置換されていてもよいアミノ基,ア
シル基,モノ−またはジ−アルコキシホスホリル基,ホ
スホノ基,置換されていてもよいアリール基,置換され
ていてもよいアラルキル基または置換されていてもよい
芳香族複素環基が用いられ、これらの置換基は同一また
は異なって1ないし4個、好ましくは1ないし2個ベン
ゼン環上に置換していてもよい。該「ハロゲン原子」と
しては、例えばフッ素,塩素,臭素,ヨウ素等が用いら
れる。
おけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10
のアルキル基(例えばメチル,エチル,プロピル,イソ
プロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブ
チル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシ
ル,ヘプチル,オクチル,ノニルまたはデシル等)及び
炭素数3〜7のシクロアルキル基(例えばシクロプロピ
ル,シクロブチル,シクロヘキシルまたはシクロヘプチ
ル等)等が用いられ、これらは、例えばハロゲン原子
(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等),水酸基,炭素数
1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロ
ポキシ,ブトキシ,ヘキシルオキシ等),モノ−または
ジ−(炭素数1〜6のアルコキシ)ホスホリル基(例え
ば、メトキシホスホリル、エトキシホスホリル、ジメト
キシホスホリル、ジエトキシホスホリルなど),ホスホ
ノ基等で1〜3個置換されていてもよい。置換されたア
ルキル基の具体例としては,例えばトリフルオロメチ
ル,トリフルオロエチル,トリクロロメチル,ヒドロキ
シメチル,2−ヒドロキシエチル,メトキシエチル,1
−メトキシエチル,2−メトキシエチル,2,2−ジエ
トキシエチル,2−ジエトキシホスホリルエチル,ホス
ホノ基,ホスホノメチル等が挙げられる。
る置換された水酸基としては、例えばアルコキシ基,ア
ルケニルオキシ基,アラルキルオキシ基,アシルオキシ
基,アリールオキシ基等が用いられる。該「アルコキシ
基」としては、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ
基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,
tert-ブトキシ,ペンチルオキシ,ヘキシルオキシ,ヘ
プチルオキシまたはノニルオキシ等)及び炭素数4〜6
のシクロアルコキシ基(例、 シクロブトキシ,シクロペ
ントキシまたはシクロヘキシルオキシ等)が用いられ
る。該「アルケニルオキシ基」としては、好ましくは炭
素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えばアリルオキ
シ,クロチルオキシ,2−ペンテニルオキシ,3−ヘキ
セニルオキシ,2−シクロペンテニルメトキシまたは2
−シクロヘキセニルメトキシ等が用いられる。該「アラ
ルキルオキシ基」としては、好ましくは炭素数6〜19
のアラルキルオキシ基、さらに好ましくは炭素数6〜1
4のアリール−炭素数1〜4のアルキルオキシ基(例、
ベンジルオキシ, フェネチルオキシ等)が用いられる。
該「アシルオキシ基」としては、好ましくはアルカノイ
ルオキシ基、例えば炭素数2〜10のアルカノイルオキ
シ基(例、 アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,n-ブ
チリルオキシ,ヘキサノイルオキシ等)が用いられる。
該「アリールオキシ基」としては、好ましくは炭素数6
〜14のアリールオキシ基(例、 フェノキシ,ビフェニ
ルオキシ等)が用いられる。これらの基はさらに、例え
ば前記したハロゲン原子,水酸基,炭素数1〜6のアル
コキシ基,モノ−またはジ−(炭素数1〜6のアルコキ
シ)ホスホリル基等で1〜3個置換されていてもよい。
置換された水酸基の具体例としては,例えばトリフルオ
ロメトキシ,2,2,2−トリフルオロエトキシ,ジフル
オロメトキシ,2−メトキシエトキシ,4−クロロベン
ジルオキシ,2−(3,4−ジメトキシフェニル)エトキ
シ等が挙げられる。
における置換されたメルカプト基としては、例えばアル
キルチオ基,アラルキルチオ基,アシルチオ基等が用い
られる。該「アルキルチオ基」としては、好ましくは炭
素数1〜10のアルキルチオ基(例、メチルチオ,エチ
ルチオ,プロピルチオ,ブチルチオ,ペンチルチオ,ヘ
キシルチオ,ヘプチルチオ,ノニルチオ等)及び炭素数
4〜6のシクロアルキルチオ基(例、 シクロブチルチ
オ,シクロペンチルチオ, シクロヘキシルチオ等)が用
いられる。該「アラルキルチオ基」としては,好ましく
は炭素数7〜19のアラルキルチオ基、さらに好ましく
は炭素数6〜14のアリール−炭素数1〜4のアルキル
チオ基、例えばベンジルチオまたはフェネチルチオ等が
用いられる。該「アシルチオ基」としては,好ましくは
アルカノイルチオ基、例えば炭素数2〜10のアルカノ
イルチオ基(例、 アセチルチオ,プロピオニルチオ,n-
ブチリルチオ,ヘキサノルチオ等)が用いられる。これ
らの基はさらに例えば、前記したハロゲン原子,水酸
基,炭素数1〜6のアルコキシ基,モノ−またはジ−
(炭素数1〜6のアルコキシ)ホスホリル基等で1〜3個
置換されていてもよい。置換されたチオール基の具体例
としては、例えばトリフルオロメチルチオ,2,2,2−
トリフルオロエチルチオ,2−メトキシエチルチオ,4
−クロロベンジルチオ,3,4−ジクロロベンジルチ
オ,4−フルオロベンジルチオ,2−(3,4−ジメトキ
シフェニル)エチルチオ等が挙げられる。
ける置換されたアミノ基の置換基としては,前記した炭
素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアルケニ
ル基(例、アリル,ビニル,2−ペンテン−1−イル,
3−ペンテン−1−イル,2−ヘキセン−1−イル,3
−ヘキセン−1−イル,2−シクロヘキセニル,2−シ
クロペンテニル,2−メチル−2−プロペン−1−イ
ル,3−メチル−2−ブテン−1−イル等),炭素数6
〜14のアリール基または炭素数7〜19のアラルキル
基が1または2個同一または異なって用いられ、これら
の置換基は前記したハロゲン原子,炭素数1〜6のアル
コキシ基,モノ−またはジ−(炭素数1〜6のアルコキ
シ)ホスホリル基,ホスホノ基等で置換されていてもよ
い。置換されたアミノ基の具体例としては、例えばメチ
ルアミノ,ジメチルアミノ,エチルアミノ,ジエチルア
ミノ,ジブチルアミノ,ジアリルアミノ,シクロヘキシ
ルアミノ,フェニルアミノまたはN−メチル−N−フェ
ニルアミノ,N−メチル−N−(4−クロロベンジル)ア
ミノ,N,N−ジ(2−メトキシエチル)アミノ等が挙げ
られる。
アシル基または炭素数1〜6の炭化水素基(例、メチ
ル,エチル,n-プロピル,ヘキシル,フェニル等)を有
するスルホン酸アシル基等が用いられる。該「有機カル
ボン酸アシル基」としては、例えばホルミル,炭素数1
〜10のアルキル−カルボニル基(例、アセチル,プロ
ピオニル,ブチリル,バレリル,ピバロイル,ヘキサノ
イル,オクタノイル,シクロブタンカルボニル,シクロ
ヘキサンカルボニル,シクロヘプタンカルボニル等),
炭素数2〜10のアルケニル−カルボニル基(例、クロ
トニル,2−シクロヘキセンカルボニル等),炭素数6
〜14のアリール−カルボニル基(例、ベンゾイル
等),炭素数7〜19のアラルキル−カルボニル基
(例、べンジルカルボニル,ベンズヒドリルカルボニル
等),5または6員芳香族複素環カルボニル基(例、ニ
コチノイル,4−チアゾリルカルボニル等),5または
6員芳香族複素環アセチル基(例、3−ピリジルアセチ
ル, 4−チアゾリルアセチル等)が用いられる。該「炭
素数1〜6の炭化水素基を有するスルホン酸アシル基」
としては、例えばメタンスルホニル,エタンスルホニル
等が用いられる。これらの基はさらに置換基、例えば前
記したハロゲン原子,水酸基,炭素数1〜6のアルコキ
シ基,アミノ基等で1〜3個置換されていてもよい。ア
シル基の具体例としては,例えばトリフルオロアセチ
ル,トリクロロアセチル,4−メトキシブチリル,3−
シクロヘキシルオキシプロピオニル,4−クロロベンゾ
イル,3,4−ジメトキシベンゾイル等が挙げられる。
ル基」としては、例えばメトキシホスホリル,エトキシ
ホスホリル,プロポキシホスホリル,イソプロポキシホ
スホリル,ブトキシホスホリル,ペンチルオキシホスホ
リル,ヘキシルオキシホスホリル等のモノ−C1-6 アル
コキシホスホリル基、例えばジメトキシホスホリル,ジ
エトキシホスホリル,ジプロポキシホスホリル,ジイソ
プロポキシホスホリル,ジブトキシホスホリル,ジペン
チルオキシホスホリル,ジヘキシルオキシホスホリル等
のジ−C1-6 アルコキシホスホリル基等が用いられる。
好ましくはジ−C1-6 アルコキシ基、例えばジメトキシ
ホスホリル,ジエトキシホスホリル,ジプロポキシホス
ホリル,ジイソプロポキシホスホリル,エチレンジオキ
シホスホリル,ジブトキシホスホリル等が用いられる。
該「置換されていてもよいアリール基」におけるアリー
ル基としては,好ましくは炭素数6〜14のアリール
基、例えばフェニル,ナフチル,アントリル等が用いら
れ、これらは前記した炭素数1〜10のアルキル基,ハ
ロゲン原子,水酸基,炭素数1〜6のアルコキシ基等で
1〜3個置換されていてもよい。置換されたアリール基
の具体例としては,例えば4−クロロフェニル,3,4
−ジメトキシフェニル,4−シクロヘキシルフェニル,
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル等が挙げら
れる。
におけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜
19のアラルキル基、例えばベンジル,ナフチルエチ
ル,トリチル等が用いられ、芳香環上に前記した炭素数
1〜10のアルキル基,ハロゲン原子,水酸基,炭素数
1〜6のアルコキシ基等で1〜3個置換されていてもよ
い。置換されたアラルキル基の具体例としては,例えば
4−クロロベンジル,3,4−ジメトキシベンジル,4
−シクロヘキシルベンジル,5,6,7,8−テトラヒド
ロ−2−ナフチルエチル等が挙げられる。該「置換され
ていてもよい芳香族複素環基」における芳香族複素環基
としては、好ましくは窒素原子,酸素原子または/及び
硫黄原子を1〜4個有する5〜6員芳香族複素環基、例
えばフリル,チエニル,イミダゾリル,チアゾリル,オ
キサゾリル, チアジアゾリル等が用いられ、これらの基
は前記した炭素数1〜10のアルキル基,ハロゲン原
子,水酸基,炭素数1〜6のアルコキシ等で1〜3個置
換されていてもよい。
に隣接して置換されている場合、互いに連結して式:−
(CH2)m−〔式中、mは3〜5の整数を示す〕で表わさ
れるアルキレン基(例、トリメチレン,テトラメチレ
ン,ペンタメチレン等)を形成してもよく、2個のアル
コキシ基が互いに隣接して置換されている場合、式:−
O−(CH2)n−O−〔式中、nは1〜3の整数を示す〕
で表されるアルキレンジオキシ基(例、メチレンジオキ
シ,エチレンジオキシ,トリメチレンジオキシ等)を形
成してもよい。このような場合は、ベンゼン環の炭素原
子とともに5〜7員環が形成される。前記式(I)にお
いて、Rは水素原子または置換されていてもよい炭化水
素基を示す。Rで示される「置換されていてもよい炭化
水素基」における炭化水素基としては、前記したような
アルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル
基),アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10のアル
ケニル基),アリール基(好ましくは炭 素数6〜14
のアリール基),アラルキル基(好ましくは炭素数7〜
19のアラルキル)等が用いられる。炭化水素基上の置
換基としては、前記した5〜6員芳香族複素環基,ハロ
ゲン原子,ジ−C1-6アルコキシホスホリル基,ホスホ
ノ基等が用いられる。
イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,ter
t-ブチル,ペンチル,ネオペンチル,ヘキシル等の無置
換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。前記式
(I)において、Bはエステル化またはアミド化されて
いてもよいカルボキシル基を示す。Bで示される「エス
テル化されていてもよいカルボキシル基」におけるエス
テル化されたカルボキシル基としては、例えばアルコキ
シカルボニル基、好ましくは炭素数1〜10のアルコキ
シ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキシ
カルボニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボニ
ル等),アリールオキシ−カルボニル基、好ましくは炭
素数6〜14のアリールオキシ−カルボニル基(例、フ
ェノキシカルボニル等),アラルキルオキシカルボニル
基、好ましくは炭素数7〜19のアラルキルオキシ−カ
ルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル等)等が用
いられる。
カルボキシル基」におけるアミド化されたカルボキシル
基は、好ましくは、式:−CON(R1)(R2)〔式中、R
1,R2はそれぞれ水素原子,置換されていてもよい炭化
水素基または置換されていてもよい5〜7員複素環基を
示す。〕で表される置換されていてもよいカルバモイル
基である。R1,R2で示される「置換されていてもよい
炭化水素基」における炭化水素基としては、アルキル
基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペン
チル,ネオペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,
ノニル,デシル等)、アルケニル基、好ましくは炭素数
2〜10のアルケニル基(例、アリル,ビニル,2−ペ
ンテン−1−イル,3−ペンテン−1−イル,2−ヘキ
セン−1−イル,3−ヘキセン−1−イル,2−シクロ
ヘキセニル,2−シクロペンテニル,2−メチル−2−
プロペン−1−イル,3−メチル−2−ブテン−1−イ
ル等)、アリール基、好ましくは炭素数6〜14のアリ
ール基(例、フェニル,ナフチル,アントリル等)、ア
ラルキル基、好ましくは炭素数7〜19のアラルキル基
(例、ベンジル,ナフチルエチル,トリチル等)が用い
られ、これらの炭化水素基は、例えば(i)ハロゲン原子
(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等),(ii)水酸基,
(iii)炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ,エ
トキシ,プロポキシ,ブトキシ,tert-ブトキシ,ペン
チルオキシ,ヘキシルオキシ等),(iv)炭素数1〜6の
アルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロ
ピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチ
ル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル
等)で置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、メ
チルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ,ジエチル
アミノ,ジプロピルアミノ等),(v)アシル基(例、炭
素数1〜10のアルカノイル基等)で置換されたアミノ
基(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ベンゾ
イルアミノ等),(vi)炭素数1〜6のアルキル基で置換
されていてもよいカルバモイル基(例、カルバモイル、
メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル,ジエチル
カルバモイル等),(vii)炭素数1〜6のアルコキシ−カ
ルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボ
ニル,プロポキシカルボニル等),(viii)モノ−または
ジ−アルコキシホスホリル基〔例、モノ−またはジ−C
1-6アルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホス
ホリル,ジエトキシホスホリル,エチレンジオキシホス
ホリル等)等〕,(ix)モノ−またはジ−アルコキシホス
ホリルアルキル基〔例、モノ−またはジ−C1-6アルコ
キシホスホリル−C1-3アルキル基(例、メトキシホス
ホリルメチル、エトキシホスホリルメチル、メトキシホ
スホリルエチル、エトキシホスホリルエチル、ジメトキ
シホスホリルメチル、ジエトキシホスホリルメチル、ジ
メトキシホスホリルエチル、ジエトキシホスホリルエチ
ル等)等〕,(x)式
義)等で1〜3個置換されていてもよい。
い5〜7員複素環基」における5〜7員複素環基として
は、例えば1個の硫黄原子,窒素原子または酸素原子を
含む5〜7員複素環基,2〜4個の窒素原子を含む5〜
6員複素環基,1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原
子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が用いられ、
これらの複素環基は2個以下の窒素原子を含む6員環,
ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合し
ていてもよい。該「置換されていてもよい5〜7員複素
環基」が有していてもよい置換基としては、前記R1お
よびR2で示される「置換されていてもよい炭化水素
基」の炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のも
のが1ないし4個用いられる。R1,R2で示される5〜
7員複素環基の好ましい例としては、例えば2−ピリジ
ル,ピリミジル,ピラジニル,ピリダジニル,ピラゾリ
ル,イミダゾリル,チアゾリル,オキサゾリル,テトラ
ゾリル,チアジアゾリル,オキサジアゾリル,トリアジ
ニル,トリアゾリル,チエニル,ピロリル,ピロリニ
ル,フリル,ピロリジニル,ベンゾチエニル,インドリ
ル,イミダゾリジニル,ピペリジル,ピペリジノ,ピペ
ラジニル,モルホリニル,モルホリノ,ピリド[2,3−
d]ピリミジル,ベンゾピラニル,1,8−ナフチリジ
ル,キノリル,チエノ[2,3−b]ピリジル等が挙げら
れる。
1(R2)が5〜7員環を形成していてもよく、このよう
な環としては、例えばモルホリン,ピペリジン,チオモ
ルホリン,ホモピペリジン,ピペリジン,ピロリジン,
チアゾリジン,アゼピン等が挙げられる。R1およびR2
で示される「置換されていてもよい炭化水素基」の好ま
しい例である置換されたアルキル基の具体例としては、
例えばトリフルオロメチル,トリフルオロエチル,ジフ
ルオロメチル,トリクロロメチル,2−ヒドロキシエチ
ル,2−メトキシエチル,2−エトキシエチル,2,2
−ジメトキシエチル,2,2−ジエトキシエチル,2−
ピリジルメチル,3−ピリジルメチル,4−ピリジルメ
チル,2−(2−チエニル)エチル,3−(3−フリル)プ
ロピル,2−モルホリノエチル,3−ピロリルブチル,
2−ピペリジノエチル,2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル,2−(N−メチル−N−エチルアミノ)エチル,
2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチル,5−(N,
N−ジメチルアミノ)ペンチル,N,N−ジメチルカルバ
モイルエチル,N,N−ジメチルカルバモイルペンチ
ル,エトキシカルボニルメチル,イソプロポキシカルボ
ニルエチル,tert−ブトキシカルボニルプロピル,2−
ジエトキシホスホリルエチル,3−ジプロポキシホスホ
リルプロピル,4−ジブトキシホスホリルブチル,エチ
レンジオキシホスホリルメチル,2−ホスホノエチル,
3−ホスホノプロピル等、置換されたアラルキル基の具
体例としては、例えば4−クロロベンジル,3−(2−
フルオロフェニル)プロピル,3−メトキシベンジル,
3,4−ジメトキシフェネチル,4−エチルベンジル,
4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ブチル,4−ア
セチルアミノベンジル,4−ジメチルアミノフェネチ
ル,4−ジエトキシホスホリルベンジル,2−(4−ジ
プロポキシホスホリルメチルフェニル)エチル等、置換
されたアリール基の具体例としては、例えば4−クロロ
フェニル,4−シクロヘキシルフェニル,5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−ナフチル,3−トリフルオロメチ
ルフェニル,4−ヒドロキシフェニル,3,4,5−トリ
メトキシフェニル,6−メトキシ−2−ナフチル,4−
(4−クロロベンジルオキシ)フェニル,3,4−メチレ
ンジオキシフェニル,4− (2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)フェニル,4−プロピオニルフェニル,4−シ
クロヘキサンカルボニルフェニル,4−ジメチルアミノ
フェニル,4−ベンゾイルアミノフェニル,4−ジエト
キシカルバモイルフェニル,4−tert−ブトキシカルボ
ニルフェニル,4−ジエトキシホスホリルフェニル,4
−ジエトキシホスホリルメチルフェニル,4−(2−ジ
エトキシホスホリルエチル)フェニル,2−ジエトキシ
ホスホリルメチルフェニル,3−ジエトキシホスホリル
メチルフェニル,4−ジプロポキシホスホリルフェニ
ル,4−(2−ホスホノエチル)フェニル,4−ホスホノ
メチルフェニル,4−ホスホノフェニル等、置換された
5〜7員複素環基の具体例としては、 例えば5−クロロ
−2−ピリジル,3−メトキシ−2−ピリジル,5−メ
チル−2−ベンゾチアゾリル,5−メチル−4−フェニ
ル−2−チアゾリル,3−フェニル−5−イソオキサゾ
リル,4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−2−オ
キサゾリル,3−フェニル−1,2,4−チアジアゾ−ル
−5−イル,5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−
2−イル,5−アセチルアミノ−2−ピリミジル,3−
メチル−2−チエニル,4,5−ジメチル−2−フラニ
ル,4−メチル −2−モルホリニル等が挙げられる。
異なって、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキ
ル基、置換されていてもよい水酸基、置換されていても
よいチオール基または/および置換されていてもよいア
ミノ基の1またはそれ以上、より好ましくは1または2
個で置換されていてもよいベンゼン環である。より好ま
しい環Aとしては、同一または異なって、ハロゲン原
子,炭素数1〜10(さらに好ましくは炭素数1〜5)
のアルキル基,炭素数1〜10(さらに好ましくは炭素
数1〜5)のアルコキシ基,式:−O−(CH2)n−O−
〔式中、nは1〜3の整数を示す〕で表されるアルキレ
ンジオキシ基または/および炭素数1〜10(さらに好
ましくは炭素数1〜5)のアルキルチオ基の1または2
個で置換されていてもよいベンゼン環である。環Aの特
に好ましい例としては、式:−O−(CH2)n−O−〔式
中、nは1〜3の整数を示す〕で表されるアルキレンジ
オキシ基で置換されたベンゼン環である。
よび式:−CON(R1)(R2)〔式中、R1,R2はそれぞ
れ水素原子,置換されていてもよい炭化水素基または置
換され ていてもよい5〜7員複素環基を示す〕で表さ
れる基などが好ましい。R1およびR2の好ましい例は、
R1が水素原子または炭素数1〜10のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル等)で、R2がハロゲ
ン(例、フッ素、塩素、臭素等),C1-6アルコキシ
(例、メトキシ、エトキシ等),モノ−またはジ−アル
コキシホスホリル(例、ジメトキシホスホリル、ジエト
キシホスホリルなどのモノ−またはジ−C1-6アルコキ
シホスホリル等),モノ−またはジ−アルコキシホスホ
リルアルキル(例、ジメトキシホスホリルメチル、ジエ
トキシホスホリルメチルなどのモノ−またはジ−C1-6
アルコキシホスホリル−C1-3アルキルなど)またはC
1-6アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル等)で置換されていてもよいフェニ
ルまたはフェニル−C1-3アルキル基、あるいはフェニ
ル基で置換されていてもよい1または2個の窒素原子あ
るいは1個の窒素原子と1個の硫黄原子をもつ5または
6員環複素環基(例、ピリジル等)である。R1および
R2のより好ましい例としては、R1が水素原子で、R2
がモノ−またはジ−C1-6アルコキシホスホリル−C1-3
アルキルで置換されたフェニル基(例、4−ジエトキシ
ホスホリルメチルフェニル等)である。
−または−CO−を示し、好ましくは、−CO−であ
る。前記式(I)において、kは0または1、k’は
0、1または2を示し、好ましくはkが1で、k’が0
の場合である。Rは水素原子、C1-6アルキル基(例え
ば、メチル、エチル等)またはフェニル基が好ましい。
化合物(I)のさらに好ましい例としては、例えば式(I
I)
それぞれ低級アルキル基を示すか、または一緒に低級ア
ルキレン基を示す〕で表される光学活性ベンゾチエピン
誘導体である。前記式(II)において、R3、R4および
R5で示される「低級アルキル基」としては、例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等の炭素数1ないし
6(好ましくは、1ないし4)のアルキル基等が挙げら
れる。R4およびR5は一緒になって、低級アルキレン基
を形成してもよく、この場合例えば、
できる。R3、R4およびR5としては、例えばそれぞれ
メチル、エチル等の炭素数1ないし4のアルキル基等が
好ましい。
学活性体であって、(2S,4R)配位の化合物を実質
的に含まず、光学純度が100%に近いほど好ましいも
のである。化合物(II)の特に好ましい例としては、例
えば(2R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホ
リルメチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−
4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−
3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミド(以下、化合
物Aと称することもある)またはその塩である。本発明
で用いられる非ペプチド性骨形成促進物質の塩は、好ま
しくは薬理学的に許容される塩が用いられる。薬理学的
に許容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩基と
の塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が用いられ
る。非ペプチド性骨形成促進物質の塩を形成させ得る塩
としては、無機塩基としては、アルカリ金属(例、ナト
リウム,カリウム等)、アルカリ土類金属(例、カルシ
ウム、マグネシウム等)が、有機塩基としては、例えば
トリメチルアミン,トリエチルアミン,ピリジン,ピコ
リン,N,N−ジベンジルエチレンジアミン,ジエタノ
ールアミン等が、無機酸としては、塩酸,臭化水素酸,
ヨウ化水素酸,リン酸,硝酸,硫酸等が、有機酸として
は、ギ酸,酢酸,トリフルオロ酢酸,シュウ酸,酒石
酸,フマール酸,マレイン酸,メタンスルホン酸,ベン
ゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸,クエン酸等
が、塩基性または酸性アミノ酸としては、例えばアルギ
ニン、リジン、アスパラギン酸,グルタミン酸等が用い
られる。本発明で用いられる非ペプチド性骨形成促進物
質において、例えば含硫黄複素環化合物は、特開平3−
232880号公報、特開平4−364179号公報、
特開平5−294960号、ヨーロッパ特許出願公開公
報第719782号、特開平8−225456号公報等
に記載の方法あるいはこれらに準じた方法により製造さ
れる。その他の化合物は、例えば特開平7−29198
3号公報、PCT国際公開公報WO96/01267号
公報、ヨーロッパ特許出願公開公報第524023号等
に記載の方法あるいはこれらに準じた方法により製造さ
れる。
おいて原料として用いられる(1)生体内分解性ポリマー
を含有する固形組成物または(2)生体内分解性ポリマー
および医薬を含有する固形組成物(以下、これら両者を
総称して「被覆原料」と称することがある)を、アパタ
イト形成可能な緩衝液中に浸漬することにより、それら
の表面をアパタイトで被覆することができる。被覆原料
は、好ましくは粒子状(顆粒、細粒、微粒子)に成形さ
れるが、その形状は特に限定されない。また、粒子状に
成形する場合、その粒子径は、好ましくは約0.1nm
〜約10000μmであり、好ましくは約1nm〜約1
000μmであり、さらに好ましくは約5nm〜約50
0μmであり、約10nm〜約200μmが最も好まし
い。本発明で用いられる医薬は、例えば前記した公報に
記載の方法またはそれに準じた方法により製造される。
本発明において、医薬はそのまま、あるいは適当な賦形
剤と共に所望の形状に成形して、被覆原料として被覆に
供じられる。水難溶性の医薬は、単独でそのまま被覆原
料として用いることもできる。
かつ水難溶性物質が用いられる。該賦形剤としては、例
えば、でんぷんもしくはその誘導体、硫酸カルシウム、
骨ろう、α−トリカルシウムリン酸(α−TCP)、β
−トリカルシウムリン酸(β−TCP)、ポリエチレン
グリコール、ポリメチルメタクリル酸、ポロキサマーな
どが挙げられる。生体内分解性ポリマーを含有する組成
物を被覆原料とする場合、前記した生体内分解性ポリマ
ーは単独または2種以上を組み合わせて成形したものを
そのまま用いるか、または上記のごとき医薬をさらに含
有させた成形物として用いてもよい。医薬を含有させる
場合、生体内分解性ポリマーの使用量は、用いる医薬の
薬理活性の強さと、生体内分解性ポリマーからの薬物放
出の速度および期間等によって変えることができる。生
体内分解性ポリマーの量は、医薬の量に比し、約0.1
〜10,000倍(重量比)、好ましくは0.2〜500
倍(重量比)であり、0.5〜50倍(重量比)が最も
好ましい。例えば医薬が化合物(I)である場合、その
使用量は該化合物に対して約0.2ないし10,000倍
(重量比)の量で用いられ、好ましくは約1ないし1,
000倍(重量比)、さらに好ましくは約1ないし10
0倍(重量比)の量で用いるのがよい。
常用いられる医薬組成物の製造法に従って製造すること
ができる。例えば、医薬を含有させる場合には、生体内
分解性ポリマーに医薬を分散させる、あるいは一定の形
に成型した中空の生体内分解性ポリマー内部に医薬を充
填する等によって製造される。具体的には、例えば水中
乾燥法、相分離法、噴霧乾燥法、溶融法あるいはこれら
に準ずる方法などが挙げられる。前記製造法によって得
られる被覆原料の形状は、例えば微粒子状,球状,棒
状,針状,ペレット状,フイルム状等が挙げられるが、
好ましくは微粒子状である。本明細書中、生体内分解性
ポリマーを含有する微粒子状の固形組成物としては、薬
物を含有するもののみならず、含有しないものも含め
て、マイクロカプセルまたはマイクロスフィアであるも
のが好ましい。
る場合の製造方法について記述する。 (1)水中乾燥法(O/W法) 本方法においては、まず生体内分解性ポリマーの有機溶
媒溶液を作製する。この製造の際に使用する有機溶媒
は、沸点が120℃以下であることが好ましい。該有機
溶媒としては、例えばハロゲン化炭化水素(例、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、脂肪族エステ
ル(例、酢酸エチル,酢酸ブチル等)、エーテル類
(例、エチルエーテル,イソプロピルエーテル等)、芳
香族炭化水素(例、ベンゼン,トルエン,キシレンな
ど)等が挙げられる。これらは2種以上適宜の割合で混
合して用いてもよい。有機溶媒は、好ましくはジクロロ
メタン、アセトニトリルである。有機溶媒は、好ましく
はジクロロメタンである。生体内分解性ポリマーの有機
溶媒溶液中の濃度は、生体内分解性ポリマーの分子量、
有機溶媒の種類などによって異なるが、一般的には約
0.01〜約80%(w/w)から選ばれる。好ましくは約
0.1〜約70%(w/w)、さらに好ましくは約1〜約6
0%(w/w)である。このようにして得られた生体内分
解性ポリマーの有機溶媒溶液中に、医薬が含有される場
合には、医薬を必要により凍結乾燥あるいは真空乾燥し
た後、添加し溶解させる。この際医薬の添加量は、薬物
の種類、薬理活性における作用機作および効果の持続時
間等により異なるが、生体内分解性ポリマーの有機溶媒
溶液中の濃度として、約0.001%〜約90%(w/
w)、好ましくは約0.01%〜約80%(w/w)、さら
に好ましくは約0.1〜50%(w/w)である。
媒溶液をさらに水相中に加えて、タービン型撹拌機など
を用いてO/Wエマルションを形成させる。この際の水
相体積は一般的には油相体積の約1倍〜約10,000
倍から選ばれる。さらに好ましくは、約2倍〜約5,0
00倍から選ばれる。特に好ましくは、約5倍〜約2,
000倍から選ばれる。前記外相の水相中に乳化剤を加
えてもよい。該乳化剤は、一般的に安定なO/Wエマル
ションを形成できるものであれば何れでもよい。乳化剤
としては、例えばアニオン性界面活性剤、非イオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメ
チルセルロース、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸な
どが挙げられる。これらは適宜組み合わせて使用しても
よい。外水相中の乳化剤の濃度は、好ましくは約0.0
01%〜約20%(w/w)である。さらに好ましくは約
0.01%〜約10%(w/w)、特に好ましくは約
0.05%〜約5%(w/w)である。
法が採用される。該方法としては、プロペラ型撹拌機、
あるいはマグネチックスターラー等で撹拌しながら常圧
もしくは徐々に減圧して行うか、ロータリーエバポレー
ターなどを用いて、真空度を調節しながら行う。このよ
うにして得られたマイクロカプセルは遠心分離法あるい
は濾過して分取した後、マイクロカプセルの表面に付着
している遊離の薬物、乳化剤などを、適当な洗液例えば
水またはヘプタン等で数回繰り返し洗浄した後、再び、
蒸留水などに分散して凍結乾燥する。前記したO/W法
においては、難溶性医薬を生体内分解性ポリマーの有機
溶媒中に分散させる方法、すなわち、次に述べるS/O
/W法によりマイクロカプセルを製造してもよい。
を製造する場合は、まず、生体内分解性ポリマーの有機
溶媒溶液(油相)を作製する。該有機溶媒溶液の作製法
は、上記(1)の水中乾燥法の手法に準ずる。これに医
薬微粉末を分散し、次いで撹拌操作を行いS/O懸濁液
を作る。該撹拌操作は、公知の分散法、例えば、振盪
法、ホモジナイザー法、超音波照射法等が用いられる。
次いで、このようにして製造されたS/O懸濁液をさら
に水相中に加えて、S/O/Wエマルションを製造し、
油相溶媒を蒸発させてマイクロカプセルを製造する。具
体的操作は、前記(1)と同様である。
エマルションに撹拌下、コアセルベーション剤を徐々に
加え、生体内分解性ポリマーを、析出、固化させる。コ
アセルベーション剤としては、生体内分解性ポリマーの
溶媒に混和する高分子系、鉱物油系または、植物油系の
化合物で、カプセル化用ポリマーを溶解しない物であれ
ばよく、例えば、シリコン油、植物油脂(例、ゴマ油,
大豆油,コーン油,綿実油,ココナツ油,アマニ油
等)、鉱物油、炭化水素類(例、n−ヘキサン,n−ヘ
プタン等)などが挙げられる。これらは2種以上混合し
て用いてもよい。このようにして得られたマイクロカプ
セルは、濾過して分取した後、ヘプタン等により繰り返
し洗浄し、コアセルベーション剤を除去する。さらに、
水中乾燥法と同様の方法で遊離薬物の除去、溶媒の脱離
を行う。洗浄中の粒子同士の凝集を防ぐために、凝集防
止剤〔例、マンニトール,ラクトール,ブドウ糖,デン
プン類(例、コーンスターチ等)などの水溶性糖類、グ
リシン,アラニン等のアミノ酸類、ゼラチン、フィブリ
ン,コラーゲン等の蛋白質等〕を加えてもよい。
記W/Oエマルションを、ノズルを用いてスプレードラ
イヤー装置(噴霧乾燥機)の乾燥室内へ噴霧し、きわめ
て短時間に微粒化液滴内の有機溶媒及び水を揮発させマ
イクロカプセルを調製する。ノズルとしては、二液体ノ
ズル型、圧力ノズル型、回転ディスク型等がある。この
とき、所望により、W/Oエマルションの噴霧と同時に
マイクロカプセルの凝集防止を目的として、前述の凝集
防止剤の水溶液を別ノズルより噴霧する事も有効であ
る。このようにして得られたマイクロカプセルは、必要
があれば加温し、減圧化でマイクロカプセル中の水分及
び溶媒の除去をより完全に行う。前記したマイクロカプ
セル以外にも、適当な方法で所望により要すれば、医薬
などの薬物を分散させた生体内分解性ポリマーを溶解
し、球状,棒状,針状,ペレット状,フイルム状等に成
形して被覆原料を製造することもできる。該医薬を分散
させた生体内分解性ポリマーは、例えば特公昭50−1
7525号公報に記載の方法にしたがって製造される。
更には、所望により医薬を分散させた生体内分解性ポリ
マーを、例えば特開平6−234656号公報に記載の
ターボカウンタージェットミル粉砕機や超音波ジェット
粉砕機を用いた方法等で適当な大きさの粒径に粉砕して
被覆原料を製造することもできる。具体的には、例えば
生体内分解性ポリマーの有機溶媒中に、医薬を添加し溶
解させる。次いで真空乾燥して得られた固溶体を粗粉砕
して篩濾し、さらに脱溶媒後、超音波ジェット粉砕機を
用いて制御された粒径に粉砕して製造する。
れた生体内分解性ポリマーの成型物である被覆原料(医
薬を含有するもの、あるいは含有しないもの)を所定の
温度で所定の時間イオン水溶液と接触、またはイオン水
溶液に浸漬することによりアパタイトで表面を被覆する
ことが出来る。本発明において、アパタイト被覆に用い
られるイオン水溶液は、アパタイト形成能を有するもの
であればその組成は特に限定されず、所望のアパタイト
組成に応じて適宜選択すればよい。該アパタイト被覆に
用いられるイオン水溶液は、(1)Na+,K+,H+,Ca
2+,Sr2+,Ba2+,Pb2+、Zn2+,Cd2+,M
g2+,Fe2+,Mn2+,Ra2+,Al3+,Y3+,C
e3+,Nd3+,La3+およびDy3+から選ばれる少なく
とも一種の陽イオン、および(2)SO4 2-,CO3 2-,H
PO4 2-,PO3F2-,PO4 3-,AsO4 3-,VO4 3-,
BO3 3-,CrO4 3-、SiO4 3-,GeO4 3-,(CO
3F)3-およびBO4 5-から選ばれる少なくとも一種の陰
イオンを含有するものが好ましい。該アパタイト被覆に
用いられるイオン水溶液は、さらに、(3)OH-,F-,
Cl-,Br-,O2-,CO3 2-およびBO2 -から選ばれ
る少なくとも一種の陰イオンを含有するものが挙げられ
る。上記(1)で表される陽イオンとしては、例えば、N
a+,K+,H+,Ca2+またはMg2+が好ましく、なか
でも、Ca2+またはMg2+が好ましく、Ca2+が最も好
ましい。上記(2)で表される陰イオンとしては、例え
ば、SO4 2-,CO3 2-,HPO4 2-,PO3F2-,PO4
3-,SiO4 3-または(CO3F)3-が好ましく、なかで
も、HPO4 2-,PO3F2-またはPO4 3-がさらに好ま
しく、PO4 3-が最も好ましい。上記(3)で表される陰イ
オンとしては、例えば、OH-,F-,Cl-またはO2-
が好ましく、さらに、OH-,F-またはCl-が好まし
く、特にOH-が好ましい。特に、体液の成分であるNa
+、K+、Mg2+、Ca2+、Cl-、CO3 2-、PO4 3-、SO
4 2- の組み合わせが好ましく使用される。他のイオンと
組み合わせてもよく、必要に応じてこれらイオンのうち
必要でないものを除いてイオン水溶液を作製し被覆に用
いても良い。
イオンの濃度としては、約0.01〜約1000mMが
好ましく、さらに約0.02〜約500mMが好まし
い。上記(2)で表される陰イオンの濃度としては、約0.
005〜約1000mMが好ましく、さらに約0.01
〜約500mMが好ましい。上記(3)で表される陰イオ
ンの濃度としては、約0.1〜約1000mMが好まし
く、さらに約0.2〜約500mMが好ましい。より具
体的には前記用いるナトリウムイオンのイオン濃度は約
50mM〜約300mMであることが好ましく、さらに約
100mM〜約180mMであることがもっとも好まし
い。用いるカリウムイオンのイオン濃度は約1mM〜約
50mMであることが好ましく、さらに約2mM〜約15
mMであることがもっとも好ましい。用いるマグネシウ
ムイオンのイオン濃度は約0.1mM〜約10mMである
ことが好ましく、さらに約0.5mM〜約4mMであるこ
とがもっとも好ましい。用いるカルシウムイオンのイオ
ン濃度は約0.4mM〜約40mMであることが好まし
く、さらに約0.5mM〜約20mMであることがもっと
も好ましい。用いる塩素イオンのイオン濃度は約50m
M〜約300mMであることが好ましく、さらに約10
0mM〜約200mMであることがもっとも好ましい。用
いる炭酸イオンのイオン濃度は約0.5mM〜約100m
Mであることが好ましく、さらに約1mM〜約50mMで
あることがもっとも好ましい。用いるリン酸イオンのイ
オン濃度は約0.05mM〜約20mMであることが好ま
しく、さらに約0.2mM〜約10mMであることがもっ
とも好ましい。用いる硫酸イオンのイオン濃度は約0.
03mM〜約10mMであることが好ましく、さらに約
0.1mM〜約5mMであることがもっとも好ましい。
性物質(例えば、マンニトール等)を加えてもよい。安
定化剤、保存剤、等張化剤などの第三成分を添加するこ
ともできる。医療用材料に無菌的にアパタイトを被覆す
る場合には抗生物質、チメロサール、エタノールなどの
殺菌剤や静菌剤を加えてもよい。被覆原料のイオン水溶
液への浸漬時間は希望の被覆層の厚みにより任意に調節
すればよく、イオン水溶液への接触時間が長いほどアパ
タイト層は厚くなる。該浸漬時間としては、例えば、約
1nm〜50μmのアパタイト層で被覆する場合は、約
1時間〜30日であり、約1nm〜30μmのアパタイ
ト層で被覆する場合は、約1時間〜20日であり、約1
nm〜20μmのアパタイト層で被覆する場合は、約1
時間〜15日であり、約1nm〜10μmのアパタイト
層で被覆する場合は、約1時間〜10日である。また被
覆しようとする材料の種類により被覆時間を調節するこ
とが可能である。例えば被覆原料の表面は滑面より粗面
である方が被覆時間をより短縮できる。
度、または浸漬温度も任意に選択することができるが、
約10℃〜約150℃が好ましく、さらには約30℃〜
約130℃が好ましく、なかでも30℃〜約50℃が好
ましく、約35℃〜約38℃が最も好ましい。この温度
は被覆原料中のポリマー、および原料中に含有される医
薬の温度に対する安定性から最適の温度を選択すればよ
い。イオン水溶液のpHも任意に選択することができる
が、本発明においては約1〜約14、さらには約5〜約
10が好ましく、約6.5〜約8.5がとりわけ好まし
い。イオン水溶液のpHは、アパタイトの溶解平衡また
は被覆原料中のポリマーあるいは医薬の安定性等に対す
る影響を考慮して適宜最適のpHを選択すればよい。本
発明において、「被覆」とは生体分解性ポリマーを含有
する固形組成物または生体分解性ポリマーおよび医薬を
含有する固形組成物の核がそれぞれアパタイトの層で完
全に覆われている状態を示すが、該アパタイト層は、多
孔質であってもよく、層厚はかならずしも均一でなくて
もよい。薬物の放出性等の面でアパタイト層はハニカム
構造であることが好ましい。特に、アパタイトが、(1)
陽イオンとしてカルシウムイオンを、(2)陰イオンとし
てリン酸イオンを含有する場合は、アパタイト層はハニ
カム構造であることが好ましい。本発明において、アパ
タイト被覆の層厚は、通常約1nm〜約50μm であ
り、マイクロカプセル、マイクロスフィア等の微粒子状
の被覆原料では、約1nm〜約30μm が好ましく、
さらに約1nm〜約20μmが好ましく、特に約1nm
〜約10μm が好ましく選択される。
解性ポリマーおよび医薬を含有する固形組成物(以下、
「アパタイト被覆医薬含有組成物」と称することもあ
る。)は、例えばそのまま、あるいはこれらを原料物質
として種々の剤型に製剤化することができる。またはこ
の製剤を用いて、局所投与用の非経口剤(例、筋肉内,
皮下,臓器,関節部位などへの注射剤、埋め込み剤等)
などとして投与することもできる。また、人工骨などに
充填するあるいは接着剤などとともに貼布して、埋め込
むこともできる。また、アパタイト被覆医薬含有組成物
を含有する製剤には、上記医薬が単独あるいは2種以上
を組み合わせて配合してもよい。例えば、アパタイト被
覆医薬含有組成物を注射剤とするには、該組成物を分散
剤(例、Tween 80、HCO−60等の界面活性剤、カ
ルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒ
アルロン酸等の多糖類、ポリソルベート等)、保存剤
(例、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化
剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトー
ル、ブドウ糖等)、緩衝剤(例、炭酸カルシウム等)、
pH調整剤(例、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム
等)等と共に水性懸濁剤とすることにより実用的な注射
用製剤が得られる。また、ゴマ油、コーン油などの植物
油あるいはこれにレシチンなどのリン脂質を混合したも
の、あるいは中鎖脂肪酸トリグリセリド(例、ミグリオ
ール812等)等の油性基剤に分散して油性懸濁剤とし
て実用的な注射剤とする。
は、例えば懸濁注射剤として使用する場合にはその分散
度、通針性を満足する範囲であればよく、例えば平均粒
子径として約0.1nm〜約10000μmの範囲が好
ましい。さらに約1nm〜約1000μmが好ましく、
約5nm〜約500μmが最も好ましい。また、埋込み
剤として用いる場合は、例えば約0.1〜約600μmの
粒子、あるいは骨欠損部の形状に応じたブロック状ある
いは板状に成形されうる。アパタイト被覆医薬含有組成
物を無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にする方
法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方法等
が挙げられるが、特に限定されない。
は、その骨に対する作用が増強されるとともに徐放性を
有し、生体内分解性ポリマーの種類、配合量などにより
その徐放期間は異なるが、通常1週から3カ月の徐放期
間を有する。また、骨伝導性が良好である。従って骨疾
患(例えば骨折,再骨折,骨粗鬆症,骨軟化症,骨ペー
チェット病,硬直性脊椎炎,慢性関節リウマチ,変形性
膝関節炎およびそれらの類似疾患における関節組織の破
壊等)の予防,治療、あるいは多発性骨髄腫,肺癌,乳
癌等の外科手術後の骨組織修復および歯周疾患等におけ
る歯周組織の再生等に用いることができる。これらの中
で特に骨折患者の場合、患部を固定しギブスなどで覆う
ことが多いため、頻回投与を避け1回の投与で持続的に
治癒促進することが望まれるため、本発明のアパタイト
被覆医薬含有組成物は特に有効である。本発明のアパタ
イト被覆医薬含有組成物から得られる徐放性製剤は、他
の骨疾患治療剤と一緒に用いることもできる。例えば、
骨形成促進物質として化合物(I)が用いられる場合、
他の骨疾患治療薬と組合わせて用いることもできる。組
合わされる薬剤としては、例えばカルシウム製剤(例、
炭酸カルシウム等)、カルシトニン製剤、ビタミンD製
剤(例、アルファカルシドール等)、性ホルモン類
(例、エストロゲン、エストラジオール等)、プロスタ
グランジンA1、ビスホスホン酸類、イプリフラボン
類、フッ素化合物(例、フッ化ナトリウム等)、ビタミ
ンK2、骨形成タンパク(BMP)、繊維芽細胞増殖因
子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トラ
ンスフォーミング成長因子(TGF−β)、インスリン
様成長因子−1及び2(IGF−1,IGF−2)、副
甲状腺ホルモン(PTH)などが挙げられる。また、例
えば、前記の抗炎症剤や抗生物質、あるいは鎮痛剤等他
の薬剤と併用してもよい。薬効成分を含有しないアパタ
イトで被覆された生体内分解性ポリマー含有固形組成物
は、骨折部位あるいは、人工骨と骨との界面に接着剤と
して用いることができる。このようにして用いた場合、
骨伝導性のよい接着剤として用いることができる。
なので哺乳動物(例、ヒト、牛、ウマ、豚、犬、ネコ、
マウス、ラット、ウサギ等)に対して安全に用いること
ができる。本発明のアパタイト被覆組成物は、薬物を含
有する場合には、一定した薬物量を長期にわたって放出
するため、無毒ないし低毒性で安定した薬効が得られ、
かつ骨に対する親和性ないし吸着性が期待でき、骨伝導
性に優れているので骨疾患の予防,治療、骨組織の修復
および歯周疾患等における歯周組織の再生等に合致し
た、安全で効能の高い製剤として期待される。例えば骨
折治療(例、大腿骨頸部骨折等)に本発明の被覆組成物
を用いる場合、その骨形成促進作用を局所において効率
的に発揮させ、従来骨折後2〜6カ月要した治癒期間を
大幅に短縮させることが可能である。従って患者の社会
生活への復帰を早め、あるいは老年期の骨折に伴う種々
の合併症の併発を未然に防ぐことが可能となる。また、
本発明によれば骨腫瘍等に対して抗腫瘍剤の薬効を局所
的かつ接続的に発揮させることができるので、効力が強
くかつ副作用の少ない抗腫瘍製剤を得ることができる。
投与量は、医薬の種類と含量、剤型、薬物放出の持続時
間、投与対象動物などにより異なるが、有効量であれば
よい。例えば化合物(I)のアパタイト被覆マイクロカ
プセルとして骨折部位に使用する場合、1ケ所当りの投
与量として、例えば骨けい部骨折では有効成分量〔例え
ば化合物(I)〕として約10mgから500mg、好まし
くは約50mgから300mgを1週間ないし3カ月に1回
投与すればよい。また、骨折治療において接着剤として
あるいは骨疾患の外科治療において骨充填剤として用い
る場合、その使用量は接着面積等により適宜選択される
か、通常1ケ所当り約1mg〜100gの範囲から選択さ
れる。
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
モル比85:15、重量平均分子量1万4千)5gを塩
化メチレン8mlに溶解した。この溶液を0.1%(w/v)
のポリビニルアルコール(日本合成化学工業製、商品名
ゴーセノールEG−40)水溶液1600mlに添加して
強力に撹拌し、O/Wエマルジョンを作製した。3時間
ゆるやかに撹拌した後、遠心分離して沈殿物を水洗し
た。さらにこの沈殿物を凍結乾燥してマイクロカプセル
を得た。得られたマイクロカプセルを走査型電子顕微鏡
で観察した。結果を[図1]に示す。得られたマイクロ
カプセルについて、コールターカウンターで粒径を測定
したところ、平均粒径は35μm であった。
ト被覆マイクロカプセルの製造: (1)16.013gの塩化ナトリウム、0.706gの
炭酸水素ナトリウム、0.447gの塩化カリウム、0.
348gのリン酸水素二カリウム、0.610gの塩化
マグネシウム六水和物、0.735gの塩化カルシウム
二水和物および0.142gの硫酸ナトリウムに蒸留水
を加えて総量2リットルとした。この液に0.1M 塩酸
水溶液11mlと0.1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン水溶液7mlを添加してpHを7.4に調整して
イオン水溶液を作製した。 (2)参考例1で得たマイクロカプセル20mgをバイア
ルに入れ、(1)で作製したイオン水溶液20mlを加え
て良く撹拌したのち、36℃の恒温漕で5日間静置し
た。遠心分離して沈殿物(最終目的物:ポリ乳酸グリコ
ール酸共重合体を含有する水酸アパタイト被覆マイクロ
カプセル)を回収し、これを走査電子顕微鏡で観察した
結果を[図2]に示す。コールターカウンターで測定し
た平均粒径は39μm であった。マイクロカプセルの表
面は厚み2μm の蜂の巣状(ハニカム構造)のアパタイ
トで被覆されていた。
ホスホリルメチル)フェニル]−1,2,4,5−テトラヒ
ドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オ
キソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミド(以
下、化合物Aと称する)および4.45gの乳酸/グリ
コール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=85/15モ
ル%、粘度0.164、重量平均分子量約14900;
和光純薬工業製)を8mlのジクロロメタンに溶解し
た。これを0.1%(w/v)ポリビニルアルコール(日
本合成化学工業製、商品名ゴーセノールEG-40)水
溶液1600ml中にタービン型ホモミキサー撹拌下で
注入しO/W型エマルションとした。このO/W型エマル
ションを室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮発留
去して固化させた後、遠心分離機を用いて捕集した。こ
れを再び蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離
化合物Aおよびポリビニルアルコール等を洗浄除去し
た。捕集されたマイクロカプセルを少量の蒸留水に懸濁
し、得られた懸濁液を凍結乾燥し、乳酸/グリコール酸
共重合体および化合物Aを含有するマイクロカプセルを
得た。得られたマイクロカプセルについて、コールター
カウンターで粒径を測定したところ、平均粒径は35μ
m であった。
水酸アパタイト被覆マイクロカプセルの製造:参考例2
で得られたマイクロカプセル20mgをバイアルに入
れ、実施例(1)で作製したイオン水溶液20mlを加
えて良く撹拌したのち36℃の恒温槽で1日間静置浸漬
保存した。遠心分離して沈殿物を回収し、新しいイオン
水溶液20mlを加え懸濁した。さらに4日間、36℃
で静置した。遠心分離して沈殿物を捕集し蒸留水に分散
後、さらに遠心分離を行い残留イオン水溶液を洗浄除去
し、乳酸/グリコール酸共重合体および化合物Aを含有
する水酸アパタイト被覆マイクロカプセルを製造した。
捕集された水酸アパタイト被覆マイクロカプセルを少量
の蒸留水に懸濁し、これを凍結乾燥して、最終目的物を
得た。コールターカウンターで測定した平均粒径は39
μm であった。マイクロカプセルの表面は厚み2μm の
蜂の巣状(ハニカム構造)のアパタイトで被覆されてい
た。
共重合体(乳酸/グリコール酸=75/25モル%、粘
度=0.160、重量平均分子量約13900:和光純
薬工業製)を6.5mlのジクロロメタンに溶解した。こ
れを0.1%(w/v)ポリビニルアルコール水溶液8
00ml中にタービン型ホモミキサー撹拌下で注入しO/
Wエマルションとした。このO/Wエマルションを室温
で3時間撹拌してジクロロメタンを揮発留去して固化さ
せた後、遠心分離機を用いて捕集した。これを再び蒸留
水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離化合物Aおよ
びポリビニルアルコール等を洗浄除去した。捕集された
マイクロカプセルを少量の蒸留水に懸濁し、得られた懸
濁液を凍結乾燥し、乳酸/グリコール酸共重合体および
化合物Aを含有するマイクロカプセルを得た。得られた
マイクロカプセルについて、コールターカウンターで粒
径を測定したところ、平均粒径は38μm であった。
水酸アパタイト被覆マイクロカプセルの製造:参考例3
で得られたマイクロカプセル50mgをバイアルに入れ、
実施例1の(1)で作製したイオン水溶液50mlを加え
て良く撹拌した後、37℃の恒温槽で5日間静置浸漬保
存した。濾過して水酸アパタイト被覆マイクロカプセル
を捕集し、さらに蒸留水を流して残留イオン水溶液を洗
浄除去した。一晩UV照射下で風乾した後、これを1日
間真空乾燥(40℃)して、最終目的物を得た。コール
ターカウンターで測定した平均粒径は41μm であっ
た。マイクロカプセルの表面は厚み1.5μm の蜂の巣
状(ハニカム構造)のアパタイトで被覆されていた。
有する水酸アパタイト被覆マイクロカプセルの製造:参
考例3および実施例3と同様の方法で、化合物Aの代わ
りにゲンタマイシン50mgを用いて、標記マイクロカ
プセルを製造する。
る水酸アパタイト被覆マイクロカプセルの製造:参考例
3および実施例3と同様の方法で、化合物Aの代わりに
タキソール50mgを用いて、標記マイクロカプセルを
製造する。
有する水酸アパタイト被覆マイクロカプセルの製造:参
考例3および実施例3と同様の方法で、化合物Aの代わ
りにインドメタシン50mgを用いて、標記マイクロカ
プセルを製造する。
イクロカプセルについてin vitroの系で化合物Aの放出
性を評価した。in vitro試験用溶出液としてポリエチレ
ングリコール(ヘキスト製、商品名POLYGLYKOL 400)と
等張リン酸緩衝液(和光純薬製、ダルベッコPBS (-))
の混合水溶液(50%(v/v)、pH=7.4)を調製し
た。実施例2で得られた水酸アパタイト被覆カプセル約
40mg(化合物A 3mg相当量)をバイアルに入
れ、溶出液100mlを加えて良く撹拌したのち37℃の恒
温水槽で振盪(120ストローク/分)保存した。1、
2、5、7および14日目に溶出液約500μlを採取
して高速液体クロマトグラフィーで化合物Aの放出量を
定量した。また比較対照用に参考例2で得られた化合物
A含有マイクロカプセルについても同様に評価した。結
果を[図3]に示す。[図3]において、−●−は実施
例2で得られた水酸アパタイト被覆化合物A含有マイク
ロカプセルの結果を、−○−は参考例2で得られた水酸
アパタイト被覆されていないマイクロカプセルについて
の結果をそれぞれ示す。[図3]から明らかなように、
アパタイト被覆マイクロカプセルから化合物Aが持続的
に放出されていることが確認され、その放出性は被覆さ
れていないマイクロカプセルと同様であった。
カプセルについて、invivo の系で骨伝導性を評価し
た。ペントバルビタール麻酔下、9週齢雄性SDラット
(n=8)の左足を切開、左側腓骨中央部を露出後、カ
ッターを用いて切断した。実施例1で得られた約50mg
のヒドロキシアパタイト被覆マイクロカプセルを腓骨切
断部に埋入し、縫合した。2週後にラットを屠殺し腓骨
を摘出したのち、軟X線写真を撮影した。結果を[図4
(3)]に示す。燃焼して得られる灰分の重量から骨塩量
を測定した。同様に未処理右側腓骨の骨塩量を測定し
た。左側腓骨の測定値より右側腓骨の測定値を差し引い
た値を仮骨骨塩量として算出した。結果を[図5(3)]
(*p<0.01)に示す。 対照として試験例1で得
られたヒドロキシアパタイト未被覆マイクロカプセルを
同様の操作により比較した。軟X線写真を[図4(2)]
に、骨塩量測定結果を[図5(2)]にそれぞれ示す。ま
た、無処置群の軟X線写真を[図4(1)]に、骨塩量測
定結果を[図5(1)]にそれぞれ示す。[図4]および
[図5]より、ヒドロキシアパタイト被覆マイクロカプ
セル投与群は、対照に比べ、有意な仮骨面積の増加およ
び骨塩量の増大を示し、従って、本発明のアパタイト被
覆固形組成物の優れた骨伝導性が示された。
含有マイクロカプセルについて、in vivo の系で骨形成
促進能を評価した。ジエチルエーテル麻酔下、11週齢
雄性SDラット(n=6)の左足を切開、左側腓骨中央
部を露出後、カッターを用いて切断し、縫合した。実施
例3で得られた約69mg(化合物Aとして5mg)のヒド
ロキシアパタイト被覆化合物A含有マイクロカプセルを
分散媒[2.5%(w/v)ソルビット、0.9%(w/
v)塩化ナトリウム、0.1%(w/v)ポリソルベー
ト80、0.5%(w/v)カルルボキシメチルセルロ
ースナトリウム塩および0.0715%(w/v)リン
酸二ナトリウムを含む蒸留水。]0.25mlに懸濁して
腓骨切断部近傍に注射した。2週後にラットを屠殺し腓
骨を摘出した後燃焼して灰分重量を測定した。同様に未
処理右側腓骨の灰分重量を測定した。左側腓骨の測定値
より右側腓骨の測定値を差し引いた値を骨形成相当灰分
重量として算出した。灰分量測定結果を[図6(2)]
(*p<0.01)に示す。対照として、無処置群の灰
分量測定結果を[図6(1)]に示す。[図6]より、ヒ
ドロキシアパタイト被覆化合物A含有マイクロカプセル
投与群は、無処置群に比べ、有意な灰分量の増大を示
し、従って、本発明のアパタイト被覆固形組成物の優れ
た骨形成促進作用が示された。
された生体内分解性ポリマー含有固形組成物は、骨折部
位あるいは、人工骨と骨との界面に接着剤として用いる
ことができる。このようにして用いた場合、骨伝導性の
よい接着剤として用いることができる。本発明のアパタ
イト被覆医薬含有組成物は、その骨に対する作用が増強
されるとともに徐放性を有し、しかも骨伝導性が良好で
ある。従って骨疾患(例えば骨折,再骨折,骨粗鬆症,
骨軟化症,骨ペーチェット病,硬直性脊椎炎,慢性関節
リウマチ,変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患にお
ける関節組織の破壊等)の予防,治療、あるいは多発性
骨髄腫,肺癌,乳癌等の外科手術後の骨組織修復および
歯周疾患等における歯周組織の再生等に、局所において
その効果を効率的に発揮させ、治癒期間を大幅に短縮さ
せることが可能である。従って患者の社会生活への復帰
を早めることができ、あるいは老年期の骨折に伴う種々
の合併症の併発を未然に防ぐことが可能となる。また、
骨腫瘍等に対して抗腫瘍剤の薬効を局所的かつ持続的に
発揮させることができるので、効力が強くかつ副作用の
少ない抗腫瘍製剤として用いることができる。
電子顕微鏡写真を示す。
電子顕微鏡写真を示す。
す。
Claims (16)
- 【請求項1】アパタイトで被覆してなる生体内分解性ポ
リマー含有固形組成物。 - 【請求項2】医薬を含有する請求項1記載の固形組成
物。 - 【請求項3】徐放性を有する請求項2記載の固形組成
物。 - 【請求項4】生体内分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリ
グリコール酸またはポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合
体である請求項1記載の固形組成物。 - 【請求項5】医薬が水難溶性である請求項2記載の固形
組成物。 - 【請求項6】医薬が、骨疾患予防治療剤、抗生物質、抗
炎症剤または抗腫瘍剤である請求項2記載の固形組成
物。 - 【請求項7】アパタイトが、(1)Na+,K+,H+,Ca
2+,Sr2+,Ba2+,Pb2+、Zn2+,Cd2+,M
g2+,Fe2+,Mn2+,Ra2+,Al3+,Y3+,C
e3+,Nd3+,La3+およびDy3+から選ばれる少なく
とも一種の陽イオン、および(2)SO4 2-,CO3 2-,H
PO4 2-,PO3F2-,PO4 3-,AsO4 3-,VO4 3-,
BO3 3-,CrO4 3-、SiO4 3-,GeO4 3-,(CO
3F)3-およびBO4 5-から選ばれる少なくとも一種の陰
イオンを含む結晶鉱物である請求項1記載の固形組成
物。 - 【請求項8】アパタイトが水酸アパタイトである請求項
1記載の固形組成物。 - 【請求項9】アパタイトがリン酸アパタイトである請求
項1記載の固形組成物。 - 【請求項10】マイクロカプセルである請求項1記載の
固形組成物。 - 【請求項11】アパタイト被覆層がハニカム構造を有す
る請求項1記載の固形組成物。 - 【請求項12】アパタイト被覆層の層厚が約1nm〜5
0μmである請求項1記載の固形組成物。 - 【請求項13】アパタイトを形成することが可能なイオ
ン水溶液中に、生体内分解性ポリマーを含有する固形組
成物を浸漬することを特徴とする、アパタイトで被覆さ
れた生体内分解性ポリマー含有固形組成物の製造方法。 - 【請求項14】医薬を含有する固形組成物である請求項
13記載の製造方法。 - 【請求項15】緩衝液が、Na+、K+、Mg2+、C
a2+、Cl-、CO3 2-、PO4 3-およびSO4 2-を含有す
る水溶液である請求項13記載の製造方法。 - 【請求項16】浸漬温度が約10〜150℃である請求
項13記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10113632A JPH115751A (ja) | 1997-04-24 | 1998-04-23 | アパタイト被覆固形組成物およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-106918 | 1997-04-24 | ||
JP10691897 | 1997-04-24 | ||
JP10113632A JPH115751A (ja) | 1997-04-24 | 1998-04-23 | アパタイト被覆固形組成物およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH115751A true JPH115751A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=26447018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10113632A Pending JPH115751A (ja) | 1997-04-24 | 1998-04-23 | アパタイト被覆固形組成物およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH115751A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004075939A1 (ja) * | 2003-02-26 | 2004-09-10 | Trial Corporation | 生分解性樹脂及びリン酸カルシウムを含む再生医療用材料及びその製造方法 |
JP2006198874A (ja) * | 2005-01-20 | 2006-08-03 | Yokohama National Univ | 燐酸カルシウム被覆微小球体、及び、その製造方法 |
JP2007075391A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | リン酸カルシウム複合材料およびその製造方法 |
JP2007089842A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Naoki Suenaga | 骨補填部材およびその製造方法 |
JP2008518669A (ja) * | 2004-10-29 | 2008-06-05 | スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド | 生体吸収性ポリマー |
WO2009157543A1 (ja) * | 2008-06-27 | 2009-12-30 | 公立大学法人大阪市立大学 | 医療用組成物および医療用キット |
WO2010050328A1 (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | 国立がんセンター総長が代表する日本国 | 腫瘍の転移抑制剤 |
JP2011520869A (ja) * | 2008-05-15 | 2011-07-21 | フイルメニツヒ ソシエテ アノニム | 活性成分のためのデリバリーシステム |
JP5097540B2 (ja) * | 2005-04-06 | 2012-12-12 | 株式会社サンギ | 腸管吸収用抗腫瘍剤 |
JP2012533373A (ja) * | 2009-07-23 | 2012-12-27 | プロゲンティックス・オーソバイオロジー・ベー・フェー | 注入及び成形可能な骨誘導性セラミック材料 |
-
1998
- 1998-04-23 JP JP10113632A patent/JPH115751A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004075939A1 (ja) * | 2003-02-26 | 2004-09-10 | Trial Corporation | 生分解性樹脂及びリン酸カルシウムを含む再生医療用材料及びその製造方法 |
JP2008518669A (ja) * | 2004-10-29 | 2008-06-05 | スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド | 生体吸収性ポリマー |
JP2006198874A (ja) * | 2005-01-20 | 2006-08-03 | Yokohama National Univ | 燐酸カルシウム被覆微小球体、及び、その製造方法 |
JP5097540B2 (ja) * | 2005-04-06 | 2012-12-12 | 株式会社サンギ | 腸管吸収用抗腫瘍剤 |
JP2007075391A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | リン酸カルシウム複合材料およびその製造方法 |
JP2007089842A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Naoki Suenaga | 骨補填部材およびその製造方法 |
JP2011520869A (ja) * | 2008-05-15 | 2011-07-21 | フイルメニツヒ ソシエテ アノニム | 活性成分のためのデリバリーシステム |
WO2009157543A1 (ja) * | 2008-06-27 | 2009-12-30 | 公立大学法人大阪市立大学 | 医療用組成物および医療用キット |
WO2010050328A1 (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | 国立がんセンター総長が代表する日本国 | 腫瘍の転移抑制剤 |
JP2012533373A (ja) * | 2009-07-23 | 2012-12-27 | プロゲンティックス・オーソバイオロジー・ベー・フェー | 注入及び成形可能な骨誘導性セラミック材料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1023044B1 (en) | Apatite-coated solid composition | |
JP2992677B2 (ja) | 骨形成促進医薬組成物 | |
Bose et al. | Effects of PCL, PEG and PLGA polymers on curcumin release from calcium phosphate matrix for in vitro and in vivo bone regeneration | |
Kolmas et al. | Synthetic hydroxyapatite in pharmaceutical applications | |
CN108079374B (zh) | 含氧固醇的冻干可模塑植入物 | |
JP6053083B2 (ja) | 徐放性薬剤キャリア組成物 | |
US6767550B1 (en) | Hydroxyapatite based drug delivery implant for cancer treatment | |
CN108135702B (zh) | 具有氧化固醇药物负载的植入物和使用方法 | |
EP1563846B1 (en) | Endogenous repair factor production promoters | |
KR20030040418A (ko) | 다공성 담체의 용도 | |
JP2021151525A (ja) | オキシステロールを含有するインプラントおよびその使用方法 | |
EP1208850A1 (en) | Pastes with the sustained release of osteogenesis promoter | |
JPH115751A (ja) | アパタイト被覆固形組成物およびその製造法 | |
JP2001106638A (ja) | 骨形成促進物質徐放性ペースト | |
US20200338092A1 (en) | Slow release oxysterols and methods of use | |
US5910492A (en) | Osteogenic promoting pharmaceutical composition | |
AU717260B2 (en) | Osteogenetic promoting pharmaceutical composition | |
EP1120122A1 (en) | Bone repair materials/artificial bone compositions | |
US20030185878A1 (en) | Process for producing phospholipid-containing drug | |
JP2000169375A (ja) | 骨修復材・人工骨組成物 | |
DE10113108B4 (de) | Wirkstoffhaltige Calciumphosphat-Materialien | |
JP2001302496A (ja) | リポソーム製剤 | |
CA2334815A1 (en) | Composition for treating cartilage disease | |
JPH10167968A (ja) | マイクロパーティクルの製造法 | |
AU2021203919A1 (en) | Implants having a drug load of an oxysterol and methods of use |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040914 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20061225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080513 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080701 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091104 |