JP2002356419A - 微粒薬物の製造法 - Google Patents

微粒薬物の製造法

Info

Publication number
JP2002356419A
JP2002356419A JP2002090881A JP2002090881A JP2002356419A JP 2002356419 A JP2002356419 A JP 2002356419A JP 2002090881 A JP2002090881 A JP 2002090881A JP 2002090881 A JP2002090881 A JP 2002090881A JP 2002356419 A JP2002356419 A JP 2002356419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
water
acid
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002090881A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Yanai
薫雄 柳井
Kazuhiro Saito
和宏 斎藤
Tetsuo Hoshino
哲夫 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2002090881A priority Critical patent/JP2002356419A/ja
Publication of JP2002356419A publication Critical patent/JP2002356419A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経口投与可能な、または注射可能な、微粒の
水不溶性または水難溶性薬物、および該薬物の簡便な製
造法を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方の溶媒に濡れ性改善剤が
溶解した、水不溶性または水難溶性薬物を含有する水性
溶媒混和性の有機溶媒溶液と水性溶媒とを急速混合する
ことを特徴とする、微粒の水不溶性または水難溶性薬物
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒の水不溶性ま
たは水難溶性薬物の製造法等に関する。
【0002】
【従来の技術】水不溶性ないし水難溶性薬物を注射剤と
して処方する方法としては、可溶化して溶液にする方法
があり、例えば非生理学的pHを用いてイオン化する方
法、非水性溶剤を用いる方法、界面活性剤を用いる方
法、シクロデキストリンなどのような水溶性包接化合物
と複合体にする方法などがある。また、他の方法として
は、エマルジョン、リポソーム、ナノカプセル、マイク
ロカプセル、ナノクリスタル、マイクロクリスタルとす
る方法がある。
【0003】エマルジョン製剤は、薬物を溶解させた油
滴を水中に分散させる方法で得られ、親油性の薬物には
有効である。該油は、常温で液状で、体内で代謝され、
生体組織を刺激しないものが用いられる。安定なエマル
ションを得るために、さらに界面活性剤が用いられる。
該界面活性剤としては一般にHLB値が8〜18程度の
ものが用いられる。リポソームはリン脂質二分子膜から
なる小胞体で、疎水的な脂質二分子膜内部に難溶性薬物
を取り込むことが出来る。マイクロカプセル製剤および
ナノカプセル製剤は、基剤に薬物を封入させ、通針可能
な微粒子形態としたもので、水性懸濁液にすることが出
来る。ここでいう基剤とは生体内適合性かつ生体内分解
性の高分子を指す。具体的には、ポリ乳酸(PLA)ま
たは乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)などが挙
げられる。
【0004】ナノクリスタルおよびマイクロクリスタル
は、薬物を微粒子化したもので、薬物の溶解速度を高め
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経口
投与可能な、または注射可能な、微粒の水不溶性または
水難溶性薬物、および該薬物の簡便な製造法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、水不溶性または水難溶性薬物の微粒
化方法として晶析法に着目して鋭意研究を行ったとこ
ろ、水不溶性または水難溶性薬物単独あるいは濡れ性改
善剤と共に、水性溶媒と混和し得る有機溶媒に溶解し、
水性溶媒あるいは濡れ性改善剤を含有する水性溶媒と混
和して薬物の微粒子を析出させ、水不溶性または水難溶
性薬物の微粒子を調製できることを見出した。さらに、
こうして製造された微粒の水不溶性または水難溶性薬物
は、安定性に優れ、分散媒への分散性が優れることを見
出した。これらの知見に基づいて更に研究した結果、本
発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、(1)水不溶性また
は水難溶性薬物を含有する水性溶媒混和性の有機溶媒溶
液と水性溶媒とを用いて微粒の水不溶性または水難溶性
薬物を製造する方法において、少なくとも一方の溶媒に
濡れ性改善剤を溶解させることを特徴とする、微粒の水
不溶性または水難溶性薬物の製造法、(2)少なくとも
一方の溶媒に濡れ性改善剤が溶解した、水不溶性または
水難溶性薬物を含有する水性溶媒混和性の有機溶媒溶液
と水性溶媒とを急速混合することを特徴とする、上記
(1)記載の微粒の水不溶性または水難溶性薬物の製造
法、(3)濡れ性改善剤が、糖または糖誘導体、リン脂
質、界面活性剤、両親媒性高分子重合体、蛋白質および
無機塩類から選ばれる1種または2種以上である上記
(1)記載の製造法、(4)濡れ性改善剤が、糖または
糖誘導体である上記(1)記載の製造法、(5)糖また
は糖誘導体が溶解した水性溶媒を用いる上記(1)記載
の製造法、(6)糖または糖誘導体が、カルボキシメチ
ルセルロースまたはその塩である上記(5)記載の製造
法、(7)リン脂質が溶解した水性溶媒混和性の有機溶
媒溶液を用いる上記(1)記載の製造法、(8)リン脂
質が、ジステアロイルフォスファチジルコリンである上
記(7)記載の製造法、(9)濡れ性改善剤が、酸化エ
チレンと酸化プロピレンのブロック・コポリマーである
上記(1)記載の製造法、(10)濡れ性改善剤が、水
性溶媒に対して、約0.0001重量%ないし約20重
量%溶解した上記(1)記載の製造法、(11)水不溶
性または水難溶性薬物100重量部に対して、有機溶媒
中の濡れ性改善剤を約0.01ないし約1000重量部
用いる上記(1)記載の製造法、(12)水不溶性また
は水難溶性薬物100重量部に対して、濡れ性改善剤を
約0.01ないし約10000重量部用いる上記(1)
記載の製造法、(13)有機溶媒が、酢酸である上記
(1)記載の製造法、(14)水性溶媒が、水である上
記(1)記載の製造法、(15)水不溶性または水難溶
性薬物の20℃の水に対する溶解度が、約0ないし約1
mg/mLである上記(1)記載の製造法、(16)薬物
が、骨・軟骨・関節疾患予防・治療剤である上記(1)
記載の製造法、(17)薬物が、ベンゾチオピランまた
はベンゾチエピン誘導体である上記(1)記載の製造
法、(18)薬物が、チエノインダゾール誘導体である
上記(1)記載の製造法、(19)薬物が、抗アンドロ
ゲン剤である上記(1)記載の製造法、(20)抗アン
ドロゲン剤が、オキセンドロン、アリルエストレノー
ル、酢酸クロルマジノン、カプロン酸ゲストノロン、酢
酸オサプロン、フルタミドまたはビカルタミドである上
記(19)記載の製造法、(21)水性溶媒の体積が、
有機溶媒溶液の体積の約1ないし約1000倍である上
記(1)記載の製造法、(22)上記(1)記載の製造
法で得られた微粒の水不溶性または水難溶性薬物、(2
3)上記(22)記載の水不溶性または水難溶性薬物を
分散させてなる懸濁液、(24)糖または糖誘導体で分
散させてなる上記(23)記載の懸濁液、(25)糖ま
たは糖誘導体が、カルボキシメチルセルロースまたはそ
の塩である上記(24)記載の懸濁液、(26)界面活
性剤で分散させてなる上記(23)記載の懸濁液、(2
7)界面活性剤がポリオキシソルビタンモノオレエート
である上記(26)記載の懸濁液、(28)平均粒子径
が約0.1ないし約150μmである上記(22)記載
の水不溶性または水難溶性薬物、(29)注射用である
上記(22)記載の水不溶性または水難溶性薬物、(3
0)非血管内への注射用である上記(22)記載の水不
溶性または水難溶性薬物、(31)経口投与用である上
記(23)記載の水不溶性または水難溶性薬物、(3
2)薬物100重量部に対して約0.001ないし10
重量部の濡れ性改善剤が含有または/および付着した、
分散性が改善された微粒の水不溶性または水難溶性薬
物、(33)濡れ性改善剤がカルボキシメチルセルロー
スまたはその塩である上記(32)記載の薬物、および
(34)上記(32)記載の薬物を分散させてなる懸濁
液に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる水不溶性また
は水難溶性薬物とは、20℃の水に対する溶解度が、好
ましくは約0〜約1mg/mL、さらに好ましくは約0
〜約0.1mg/mLの薬物が挙げられるが、その種類
は限定されない。また、水溶性薬物は、その水溶液が生
理学的pHにおいて荷電している場合には、pHを変化
させて分子型にする方法; 脂溶性の化学構造を有する
対イオンと複合化する方法;または薬物の構造の中で薬
理活性に寄与しない部位に疎水基を化学修飾する方法等
の自体公知の方法を用いて、水不溶性または水難溶性薬
物に変換することにより、本発明の製造法を適用するこ
とができる。水溶性薬物を水不溶性または水難溶性薬物
に変換することにより、薬物の徐放化が期待される。本
発明で用いられる水不溶性または水難溶性薬物は、水不
溶性または水難溶性であるが、体液(例、滑液、皮下あ
るいは筋肉内の組織間液等)に溶解性のものが好まし
い。具体的には、投与部位(例えば、関節内)における
体液に対する溶解度が、20℃の水に対する溶解度の、
好ましくは約1.5倍以上、より好ましくは約10ない
し約100倍、さらに好ましくは1000ないし約10
万倍の薬物が好ましい。
【0009】本発明で用いられる薬物の種類としては、
例えば、抗腫瘍剤、抗生物質、抗炎症剤、鎮痛剤、骨・
軟骨・関節疾患予防・治療剤、抗高脂血症剤、抗菌剤、
鎮静剤、精神安定剤、抗てんかん剤、抗うつ剤、消化器
系疾患治療剤、アレルギー性疾患治療剤、高血圧治療
剤、動脈硬化治療剤、糖尿病治療剤、ホルモン剤、脂溶
性ビタミン剤および抗アンドロゲン剤などが挙げられ
る。抗腫瘍剤としては、例えば、HER2阻害剤(WO
01/77107等に記載の複素環化合物等)、タキ
ソール、塩酸ドキソルビシン等のアントラサイクリン系
抗悪性腫瘍剤、メソトレキセート、エトポシド、5−フ
ルオロウラシル、ミトキサントロン、メスナ、ジメス
ナ、アミノグルテチミド、タモキシフェン、アクロライ
ン、シスプラチン、カルボプラチン、シクロフォスファ
ミド、ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BCN
U)等もしくはこれらの誘導体があげられる。抗生物質
としては、例えば、アミカシン、ディベカシン、ゲンタ
マイシン、もしくはそれらの誘導体等のアミノグリコシ
ド系抗生物質等が挙げられる。抗炎症物質としては、例
えば、アスピリン等のサリチル酸系抗炎症薬、アミノピ
リン等のピラゾロン系抗炎症薬、フェナセチン、アセト
アミノフェノン、等のアニリン系抗炎症薬、フェニルブ
タゾン、ケトフェニルブタゾン等のピラゾリジンジオン
系抗炎症薬、メフェナム酸等のアントラニル酸系抗炎症
薬、インドミタシン等の酢酸系抗炎症薬、ブコローム等
のトリオキソピリミジン系抗炎症薬、ベンジダミン、メ
ピリゾール、チアラミド、チノリジン等の塩基性抗炎症
薬、消炎酵素剤、非ステロイド系抗炎症薬等が挙げられ
る。鎮痛剤としては、キシロカイン、ペンタゾシン、ア
スピリン等が挙げられる。
【0010】骨・軟骨疾患予防・治療剤としては、例え
ば、プロスタグランジンA1誘導体、ビタミンD誘導
体、ビタミンK誘導体、エイコサペンタエン酸誘導
体、ベンジルホスホン酸、ビスホスホン酸誘導体、性ホ
ルモン誘導体、フェノールスルフォフタレイン誘導体、
ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体、チエノ
インダゾール誘導体、メナテトレノン誘導体、ヘリオキ
サンチン誘導体などの非ペプチド性骨形成促進作用物
質、難溶性のペプチド性骨形成促進物質等が挙げられ
る。また関節疾患治療剤としては、例えば、p38MA
Pキナーゼ阻害剤(WO00/64894等に記載のチ
アゾール系化合物等)、マトリックスメタロプロテアー
ゼ阻害剤(MMPI)や、プレドニゾロン、ヒドロコル
チゾン、メチルプレドニゾロン、デキサベタメタゾン、
ベタメタゾン等の抗炎症ステロイド剤、インドメタシ
ン、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、イブプロフェ
ン、ピロキシカム、スリンダク等の非ステロイド性消炎
鎮痛剤が挙げられる。
【0011】抗高脂血症剤としては、例えば、クリノフ
ィブラート、クロフィブラート、コレスチラミン、ソイ
ステロール、ニコチン酸トコフェロール、ニコモール、
ニセリトロール、プロブコール、エラスターゼ等が挙げ
られる。精神安定剤としては、例えば、ジアゼパム、ロ
ラゼパム、オキサゾラム等のベンゾジアゼピン類が挙げ
られる。抗てんかん剤としては、例えば、フェニトイ
ン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、プリミドン
等が挙げられる。抗うつ剤としては、例えば、イミプラ
ニン、ノキシプチリン、フェネルジン等が挙げられる。
消化器系疾患治療剤としては、例えば、メトクロプラミ
ド、ファモチジン、オメプラゾール、スルピリド、トレ
ピブトン等が挙げられる。アレルギー性疾患治療剤とし
ては、例えば、フマル酸クレマスチン、塩酸シプロヘプ
タジン、ジフェンヒドラミン、メトジラミン、クレミゾ
ール、メトキシフェナミン等が挙げられる。高血圧治療
剤としては、塩酸ニカルジピン等のカルシウム拮抗薬、
塩酸デラプリル、カプトプリル等のアンジオテンシン変
換酵素阻害薬、塩酸プラゾシン等のアルファ1−受容体
遮断薬、レセルピン類等が挙げられる。動脈硬化治療剤
としては、脱泡沫化薬、コレステロールエステル転送蛋
白阻害剤等が挙げられる。糖尿病治療剤としては、例え
ば、グリミジン、グリプジド、グリベンクラミド、ブフ
ォルミン、メトフォルミン等が挙げられる。ホルモン剤
としては、主として、ステロイドホルモン類、例えば、
デキサメタゾン、ベタメタゾン、プレドニゾロン、ヒド
ロコルチゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンア
セトニド、フルオシノロンアセトニド、ヘキセストロー
ル、メチマゾール、エストリオール等が挙げられる。脂
溶性ビタミン剤としては、例えば、ビタミンA類、ビタ
ミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類、葉酸(ビタミ
ンM類)等が、また各種の誘導体が挙げられる。抗アン
ドロゲン剤としては、オキセンドロン、アリルエストレ
ノール、酢酸クロルマジノン、カプロン酸ゲストノロ
ン、酢酸オサプロン、フルタミドおよびビカルタミドな
どが挙げられる。
【0012】本発明で用いられる水不溶性または水難溶
性薬物としては、好ましくは、チオフェン誘導体(例え
ば、チエノインダゾール誘導体など)、ベンゾチオピラ
ンまたはベンゾチエピン誘導体が挙げられる。
【0013】上記チオフェン誘導体としては、縮合ベン
ゾチオフェン誘導体を基本骨格とする化合物が、次の文
献等に記載されている。メイブリッジ(Maybridge)社
(Trevillett, Tintagel, North Cornwall, PL34 0HW,
英国)から頒布されている同社の製品カタログ(第241
巻、1991年10月出版)を基に、4,5-ジヒドロ-8-(メチ
ルチオ)イソキサゾロ[5,4-d]ベンゾ[c]チオフェン
-6-カルボキサミド〔4,5-dihydro-8-(methylthio)isoxa
zolo[5,4-d]benzo[c]thienophene-6-carboxamide〕を入
手することができる。特開平8−245386号公報に
は、4,5-ジヒドロ-8-(メチルチオ)イソキサゾロ[5,4
-d]ベンゾ[c]チオフェン-6-カルボキサミド〔4,5-di
hydro-8-(methylthio)isoxazolo[5,4-d]benzo[c]thieno
phene-6-carboxamide〕に代表される化合物を含有して
なる細胞分化誘導因子作用増強剤が記載されている。特
開平10−130271(WO98/09958号公
報)には、細胞分化誘導因子作用増強作用および抗マト
リックスメタロプロテアーゼ作用を有し、骨粗鬆症、骨
折、変形性関節症、慢性関節リウマチなどの骨疾患、動
脈硬化症、癌転移および神経変性に基づく疾患の予防治
療に有用な縮合チオフェン化合物が記載されている。さ
らに、GB−A−2336589号公開公報、WO99
/6425号公報およびリービッヒ アナレーン(Liebi
gs Ann.)1996年239-245頁に縮合チオフェン誘導体が記
載されている。
【0014】本発明で用いられるチオフェン誘導体とし
て好ましくは、例えば、特開2000−309591号
公報、特開2000−239280号公報等に記載の化
合物またはその塩、および式(Ia):
【化1】 〔式中、R1aはそれぞれ置換されていてもよい炭化水
素残基,複素環基、スルフィニル基、スルホニル基、水
酸基、チオール基またはアミノ基を示し、R2aはシア
ノ基、ホルミル基、チオホルミル基または式:−Z1a
−Z2a(式中、Z 1aは、−CO−,−CS−,−SO
−または−SO2−を示し、Z2aは、それぞれ置換され
ていてもよい炭化水素残基、複素環基、水酸基またはア
ミノ基を示す。)で表される基を示し、環Caは置換さ
れていてもよい5〜7員環を示し、Rは水素原子、ハ
ロゲン原子、シアノ基またはそれぞれ置換されていても
よいアミノ基、アシル基、炭化水素残基もしくは複素環
基を示し、Rはチオフェン環および環Caの環構成原
子とともに置換されていてもよい炭化水素環または複素
環を形成してもよい。〕で表される化合物またはその塩
が挙げられる。
【0015】R1aは、それぞれ置換されていてもよい
炭化水素残基、複素環基、スルフィニル基、スルホニル
基、水酸基、チオール基またはアミノ基を示す。
【0016】R1aにおける、置換されていてもよい炭
化水素残基における炭化水素残基の例としては、それぞ
れ置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基、脂環族炭
化水素残基、脂環族−脂肪族炭化水素残基、芳香族炭化
水素残基又は芳香族−脂肪族炭化水素残基(アラルキル
基)などが挙げられる。
【0017】該脂肪族炭化水素残基としては、例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチ
ル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなど
の炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルキ
ル基)、例えばビニル、アリル(allyl)、1−プロペニ
ル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−
ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、
1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4
−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキ
セニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセ
ニル、5−ヘキセニル、2,4−ヘキサジエニル、1−
ヘプテニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニ
ル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3
−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペ
ンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキ
シニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシ
ニル、2,4−ヘキサジイニル、1−ヘプチニル、1−
オクチニルなどの炭素数2〜8の不飽和脂肪族炭化水素
残基(例、アルケニル基、アルキニル基、アルカジエニ
ル基、アルカジイニル基など)が挙げられる。
【0018】該脂環族炭化水素残基としては、例えばシ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘプチルなどの炭素数3〜7の飽和脂
環族炭化水素残基(例、シクロアルキル基など)、1−
シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロ
ペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセ
ニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、
2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプテニル、2,4
−シクロヘプタジエニルなどの炭素数3〜7の不飽和脂
環族炭化水素残基(例、シクロアルケニル基、シクロア
ルカジエニル基など)、1−インデニル、2−インデニ
ル、1−インダニル、2−インダニル、1,2,3,4−
テトラヒドロ−1−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ナフチル、1,2−ジヒドロ−1−ナフチ
ル、1,2−ジヒドロ−2−ナフチル、1,4−ジヒドロ
−1−ナフチル、1,4−ジヒドロ−2−ナフチル、3,
4−ジヒドロ−1−ナフチル、3,4−ジヒドロ−2−
ナフチルなどの部分飽和縮合2環式炭化水素残基〔好ま
しくは、C9−10部分飽和縮合2環式炭化水素残基な
ど(5〜6員の非芳香族環状炭化水素基にベンゼン環が
結合したものも含む)〕などが挙げられる。
【0019】該脂環族−脂肪族炭化水素残基としては、
上記脂環族炭化水素残基と脂肪族炭化水素残基が結合し
たもの、例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピル
エチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シ
クロペンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3
−シクロペンテニルメチル、シクロペンチルエチル、シ
クロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメチル、3
−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチル、シ
クロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチル、2−
(3,4−ジヒドロ−2−ナフチル)エチル、2−(1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフチル)エチル、2−
(3,4−ジヒドロ−2−ナフチル)エテニルなどの炭
素数4〜14のもの(例、C3-7シクロアルキル−C1-4
アルキル基、C3-7シクロアルケニル−C1-4アルキル
基、C3-7シクロアルキル−C2-4アルケニル基、C3-7
シクロアルケニル−C2-4アルケニル基、C9-10部分飽
和縮合2環式炭化水素−C1-4アルキル基、C9-10部分
飽和縮合2環式炭化水素−C2-4アルケニル基など)が
挙げられる。
【0020】該芳香族炭化水素残基としては、例えばフ
ェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−インデニ
ル、5−インデニル、4−インダニル、5−インダニ
ル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒ
ドロ−1−ナフチル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチ
ル、5,6−ジヒドロ−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ
−4−ナフチルなどの炭素数6〜10のアリール基(フ
ェニル基に5〜6員の非芳香族炭化水素環が縮合したも
のも含む。)などが挙げられる。
【0021】該芳香族−脂肪族炭化水素残基としては、
例えばベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、1
−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェ
ニルプロピルなどのフェニル−C1-4アルキル基、例え
ばα−ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフ
チルメチル、β−ナフチルエチルなどのナフチル−C
1-4アルキル基などの炭素数7〜14のアラルキル基
(C6-10アリール−C1-4アルキル基)、例えばスチリ
ル、シンナミルなどのフェニル−C2-4アルケニル基な
どのC6-10アリール−C2-4アルケニル基などが挙げら
れる。
【0022】R1aにおける、置換されていてもよい複
素環基の複素環基としては、たとえば(i)1個の硫黄原
子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原子を含む5〜
7員複素環基、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜6員
複素環基、または、(iii)1〜2個の窒素原子および1
個の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜6員複素環基など
が挙げられ、(iv)これらの複素環基は2個以下の窒素原
子を含む5〜6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子
を含む5員環と縮合していてもよい。また(i)〜(iv)に
例示した複素環基は、それぞれ飽和または不飽和の複素
環基であってもよく、不飽和の複素環基は、芳香族およ
び非芳香族の何れであってもよい。
【0023】R1aにおける置換されていてもよい複素
環基における複素環基の例としては、芳香族単環式複素
環基、芳香族縮合複素環基および非芳香族複素環基が挙
げられる。R1aにおける置換されていてもよい複素環
基における複素環基の具体例としては、(i)芳香族単環
式複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサ
ゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリ
ル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジア
ゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキ
サジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリ
ル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾ
リル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジ
ニル、ピラジニル、トリアジニルなど)、(ii)芳香族縮
合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニ
ル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソインドリ
ル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ
オキサゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−
ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノ
リニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニ
ル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバ
ゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カ
ルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノ
チアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チア
ントレニル、フェナントレジニル、フェナントロリニ
ル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、
ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリ
ジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−
b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダ
ゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリ
アゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,
3−b]ピリダジニル等)、および、(iii)非芳香族複素
環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニ
ル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、
チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モル
ホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等)が挙げ
られる。
【0024】R1aにおける、置換されていてもよいス
ルフィニル基におけるスルフィニル基としては、上記し
たR1aとしての「それぞれ置換されていてもよい炭化
水素残基または複素環基」における「炭化水素残基」ま
たは「複素環基」と−SO−とが結合したものが挙げら
れる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチ
ル、オクチルなどのC 1−8アルキルとスルフィニル基
が結合したC1−8アルキルスルフィニル;フェニル、
α−ナフチル、β−ナフチル、4−インデニル、5−イ
ンデニル、4−インダニル、5−インダニル、5,6,
7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テ
トラヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナ
フチル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒ
ドロ−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチル
などのC6−10アリール基とスルフィニル基が結合し
たC6−10アリールスルフィニル; 芳香族単環式複
素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリ
ル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、
イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリ
ル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジ
アゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、
1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジ
ニル、ピラジニル、トリアジニルなど)とスルフィニル
基が結合した基; 芳香族縮合複素環基(例、ベンゾフ
ラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、イ
ンドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベン
ゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾ
イソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリ
ル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノ
キサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニ
ル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、
β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、
フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、
フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントレジ
ニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ
[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イ
ミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピ
リミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジ
ル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニル等)
とスルフィニル基が結合した基が挙げられる。より好ま
しくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどのC1−8アルキルとスルフィニル基が結合し
たC1−8アルキルスルフィニルが挙げられる。
【0025】R1aにおける、置換されていてもよいス
ルホニル基におけるスルホニル基としては、上記したR
1aとしての「それぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基または複素環基」の「炭化水素残基」または「複素
環基」と−SO−とが結合したものが挙げられる。好
ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどのC 1−8アルキルとスルホニル基が結合した
1−8アルキルスルホニル; フェニル、α−ナフチ
ル、β−ナフチル、4−インデニル、5−インデニル、
4−インダニル、5−インダニル、5,6,7,8−テト
ラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナフチル、5,
6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−3−
ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチルなどのC
6−10アリール基とスルホニル基が結合したC6−1
アリールスルホニル; 芳香族単環式複素環基(例、
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキ
サゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,
4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、
フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チ
アジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−
トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニ
ル、トリアジニルなど)とスルホニル基が結合した基;
芳香族縮合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソベン
ゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソイ
ンドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、
ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、
1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、
シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラ
ジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カ
ルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ
−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フ
ェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、
チアントレニル、フェナントレジニル、フェナントロリ
ニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニ
ル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]
ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,
2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イ
ミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダ
ジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−
トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ
[4,3−b]ピリダジニル等)とスルホニル基が結合した
基が挙げられる。より好ましくは、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘ
キシル、ヘプチル、オクチルなどのC1−8アルキルと
スルホニル基が結合したC1−8アルキルスルホニルが
挙げられる。
【0026】R1aにおける、置換されていてもよい水
酸基としては、水酸基およびこの水酸基に適宜の置換
基、例えば、R1aで示される「それぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基または複素環基」で置換された水
酸基が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキ
シル、ヘプチル、オクチルなどのC 1−8アルキルで置
換されたC1−8アルキルオキシ; フェニル、α−ナ
フチル、β−ナフチル、4−インデニル、5−インデニ
ル、4−インダニル、5−インダニル、5,6,7,8−
テトラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナフチ
ル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ
−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチルなど
のC6−10アリール基で置換されたC6−10アリー
ルオキシ; 芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエ
ニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チ
アゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジ
アゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、
1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリ
ル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジ
ル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリア
ジニルなど)で置換された水酸基; 芳香族縮合複素環
基(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ
[b]チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−イ
ンダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリ
アゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キ
ナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリ
ジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−
カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、
アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、
フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、
フェナントレジニル、フェナントロリニル、インドリジ
ニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5
−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ
[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3
−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダ
ジニル等)で置換された水酸基が挙げられる。より好ま
しくは、C6−10アリールオキシ(特に好ましくはフ
ェニル)、または芳香族単環式複素環基(特に好ましく
はピリジル)もしくは芳香族縮合複素環基(特に好まし
くはキノリル)で置換された水酸基が挙げられる。ここ
で例示した置換された水酸基の置換基としての「炭化水
素残基」または「複素環基」は、上記したR1aとして
の「それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または
複素環基」における「炭化水素残基」または「複素環
基」と同様な置換基をそれぞれ有していてもよい。
【0027】R1aにおける、置換されていてもよいチ
オール基としては、チオール基およびこのチオール基に
適宜の置換基、例えば、R1aで示される「それぞれ置
換されていてもよい炭化水素残基または複素環基」で置
換されたチオール基が挙げられる。好ましくは、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘ
キシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなどのC
1−8アルキルで置換されたC1−8アルキルチオ;
フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−インデニ
ル、5−インデニル、4−インダニル、5−インダニ
ル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒ
ドロ−1−ナフチル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチ
ル、5,6−ジヒドロ−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ
−4−ナフチルなどのC6−10アリール基で置換され
たC6−10アリールチオ; 芳香族単環式複素環基
(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イ
ソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダ
ゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、
1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾ
リル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,
4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,
2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テト
ラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピ
ラジニル、トリアジニルなど)で置換されたチオール
基; 芳香族縮合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソ
ベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イ
ソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリ
ル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリ
ル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フ
タラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニ
ル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニ
ル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイ
ニル、チアントレニル、フェナントレジニル、フェナン
トロリニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダ
ジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2
−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ
[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジ
ル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]
ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,
2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−ト
リアゾロ[4,3−b]ピリダジニル等)で置換されたチオ
ール基が挙げられる。ここで例示した置換されたチオー
ル基の置換基としての「炭化水素残基」または「複素環
基」は、上記したR1aとしての「それぞれ置換されて
いてもよい炭化水素残基または複素環基」における「炭
化水素残基」または「複素環基」と同様な置換基をそれ
ぞれ有していてもよい。より好ましくは、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、
イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなどのC1−8アル
キルで置換されたC1−8アルキルチオが挙げられる。
【0028】R1aにおける、置換されていてもよいア
ミノ基としては、アミノ基、N−モノ置換アミノ基およ
びN,N−ジ置換アミノ基が挙げられる。該置換アミノ
基としては、例えば、置換されていてもよい炭化水素残
基(例えば、R1aで示される置換されていてもよい炭
化水素残基と同様なもの、より具体的には、C1-8アル
キル基、C3-7シクロアルキル基、C2-8アルケニル基、
2-8アルキニル基、C3-7シクロアルケニル基、C1-4
アルキル基を有していてもよいC6-10アリール基な
ど)、置換されていてもよい複素環基(例えば、R1a
で示される置換されていてもよい複素環基と同様なも
の)、または、式:−COR'(式中、R'は水素原
子またはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基も
しくは複素環基を示す。なお、R'としての「それぞ
れ置換されていてもよい炭化水素残基もしくは複素環
基」は、上記したR'としての「それぞれ置換されて
いてもよい炭化水素残基もしくは複素環基」における
「炭化水素残基」または「複素環基」と同様な置換基を
それぞれ有していてもよい。)、好ましくはC1-10アシ
ル基(例、C2-7アルカノイル、ベンゾイル、ニコチノ
イル等)を、1個または2個置換基として有するアミノ
基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミ
ノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニル
アミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、アセチルア
ミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチ
ノイルアミノ等)が挙げられる。また、該置換アミノ基
における2個の基が結合して、含窒素5−7員環(例え
ば、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)を形
成していてもよい。
【0029】R1aで示される「それぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基,複素環基,スルフィニル基,ス
ルホニル基」における「炭化水素残基」,「複素環
基」,「スルフィニル基」および「スルホニル基」は、
それぞれ1〜3個の置換基で置換されていてもよく、該
置換基としては、例えば低級(C1-6)アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルな
ど)、低級(C2-6)アルケニル基[例、ビニル、アリル
(allyl)、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニ
ル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−
メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニ
ル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3
−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−
ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなど]、
低級(C2-6)アルキニル基(例、エチニル、1−プロ
ピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニ
ル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、
3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2
−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−
ヘキシニルなど)、C3-7シクロアルキル基(例、シクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチルなど)、C6-10アリール基(例、
フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなど)、芳香族
複素環基[例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾ
リル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、
イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリ
ル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジ
アゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、
1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジ
ニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イ
ソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリ
ル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミ
ダゾリル、ベンゾキサゾリル、1,2−ベンズイソキサ
ゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンズイソチアゾ
リル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノ
リル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、
フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニ
ル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニ
ル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイ
ニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロ
リニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダ
ジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ
[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジ
ル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ
[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3
−b]ピリダジニルなどの、(i)窒素原子、酸素原
子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個有する
芳香族5員もしくは6員複素環基、(ii)窒素原子、
酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個
有する芳香族5員もしくは6員複素環とベンゼン環また
は窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原
子を1〜3個有する芳香族5員もしくは6員複素環が縮
合して形成する縮合2環式複素環基、(iii)窒素
原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1
〜3個有する芳香族5員もしくは6員複素環、ベンゼ
ン環および窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれ
るヘテロ原子を1〜3個有する芳香族5員もしくは6員
複素環またはベンゼン環が縮合して形成する縮合3環式
複素環基]、非芳香族複素環基(例、オキシラニル、ア
ゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニ
ル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル、
テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニ
ル、ピペラジニルなどの窒素原子、酸素原子、硫黄原子
から選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する4〜7員の非
芳香族複素環基など)、C7-14アラルキル基(例、ベン
ジル、フェネチル、1−フェニルエチル、1−フェニル
プロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピ
ル、α−ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナ
フチルメチル、β−ナフチルエチルなどのC6-10アリー
ル−C1-4アルキル基など)、アミノ基、N−モノ置換ア
ミノ基[例、メチルアミノ、エチルアミノ、アリル(al
lyl)アミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノ
などのN−(C1-6アルキル)アミノ基、N−(C2-6
ルケニル)アミノ基、N−(C3-7シクロアルキル)ア
ミノ基、N−(C6-10アリール)アミノ基など]、N,
N−ジ置換アミノ基[例、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジブチルアミノ、ジアリル (allyl) アミノ、N
−メチル−N−フェニルアミノなどの、C1-6アルキル
基、C2-6アルケニル基、C3-7シクロアルキル基および
6-10アリール基から選ばれる2個の置換基で置換され
たアミノ基など]、アミジノ基、アシル基(例、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル、ヘプタノイル、オクタノイル、シクロプロパンカル
ボニル、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカル
ボニル、シクロヘキサンカルボニル、クロトノイル、2
−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイ
ルなどのC2-8アルカノイル基、C3-8アルケノイル基、
3-7シクロアルキル−カルボニル基、C3-7シクロアル
ケニル−カルボニル基、C6-10アリール−カルボニル
基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ
原子を1〜3個有する5員もしくは6員の芳香族もしく
は非芳香族複素環とカルボニル基が結合して形成する複
素環−カルボニル基など)、カルバモイル基、N−モノ
置換カルバモイル基[例、メチルカルバモイル、エチル
カルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、フェニル
カルバモイルなどなどのN−(C1-6アルキル)カルバ
モイル基、N−(C2-6アルケニル)カルバモイル基、
N−(C3-7シクロアルキル)カルバモイル基、N−
(C6-10アリール)カルバモイル基など]、N,N−ジ
置換カルバモイル基[例、ジメチルカルバモイル、ジエ
チルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ジアリル
(allyl) カルバモイル、N−メチル−N−フェニルカル
バモイルなどの、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル
基、C3-7シクロアルキル基およびC6-10アリール基か
ら選ばれる2個の置換基で置換されたカルバモイル基な
ど]、スルファモイル基、N−モノ置換スルファモイル
基[例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイ
ル、シクロヘキシルスルファモイル、フェニルスルファ
モイルなどのN−(C1-6アルキル)スルファモイル
基、N−(C2-6アルケニル)スルファモイル基、N−
(C3-7シクロアルキル)スルファモイル基、N−(C
6-10アリール)スルファモイル基など]、N,N−ジ置
換スルファモイル基[例、ジメチルスルファモイル、ジ
エチルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、ジア
リル (allyl) スルファモイル、N−メチル−N−フェ
ニルスルファモイルなどの、C1-6アルキル基、C2-6
ルケニル基、C3-7シクロアルキル基およびC6-10アリ
ール基から選ばれる2個の置換基で置換されたスルファ
モイル基など]、カルボキシル基、低級(C1-6)アルコ
キシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシ
カルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボ
ニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキ
シカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオ
キシカルボニルなど)、水酸基、低級(C1-6)アルコキ
シ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ
など)、低級(C2-6)アルケニルオキシ基[例、アリル
(allyl) オキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニ
ルオキシ、3−ヘキセニルオキシなど]、C3-7シクロア
ルキルオキシ基(例、シクロプロピルオキシ、シクロブ
チルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオ
キシ、シクロヘプチルオキシなど)、C6-10アリールオ
キシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシなど)、C
7-14アラルキルオキシ基(例、フェニル−C1-4アルキ
ルオキシ、ナフチル−C1-4アルキルオキシなどのC
6-10アリール−C1-4アルキルオキシ基など)、メルカ
プト基、低級(C1 -6)アルキルチオ基(例、メチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブ
チルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、te
rt−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、
ネオペンチルチオ、ヘキシルチオなど)、C7-14アラル
キルチオ基(例、フェニル−C1-4アルキルチオ、ナフ
チル−C 1-4アルキルチオなどのC6-10アリール−C1-4
アルキルチオ基など)、C6-10アリールチオ基(例、フ
ェニルチオ、ナフチルチオなど)、低級(C1-6)アル
キルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチル
スルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルス
ルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィ
ニル、sec−ブチルスルフィニル、tert−ブチル
スルフィニル、ペンチルスルフィニル、イソペンチルス
ルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、ヘキシルスル
フィニルなど)、C7-14アラルキルスルフィニル基
(例、フェニル−C1-4アルキルスルフィニル、ナフチ
ル−C1-4アルキルスルフィニルなどのC6- 10アリール
−C1-4アルキルスルフィニル基など)、C6-10アリー
ルスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、ナフチ
ルスルフィニルなど)、低級(C1-6)アルキルスルホ
ニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プ
ロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルス
ルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスル
ホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホ
ニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニ
ル、ヘキシルスルホニルなど)、C7-14アラルキルスル
ホニル基(例、フェニル−C1-4アルキルスルホニル、
ナフチル−C1-4アルキルスルホニルなどのC6-10アリ
ール−C1-4アルキルスルホニル基など)、C6-10アリ
ールスルホニル基(例、フェニルスルホニル、ナフチル
スルホニルなど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、
ニトロ基、ニトロソ基、エステル化されていてもよいホ
スホノ基[例、ホスホノ基、エトキシホスホリルなどの
(C1-6アルコキシ)ホスホリル基、ジエトキシホスホ
リルなどのジ(C1-6アルコキシ)ホスホリル基な
ど]、エステル化されていてもよいホスホノ基で置換さ
れた低級(C1-6)アルキル基(例、ホスホノ−C1-6
ルキル基、C1-6アルコキシホスホリル−C1-6アルキル
基、ジエトキシホスホリルメチルなどのジ(C1-6アル
コキシ)ホスホリル−C1-6アルキル基など)などが挙
げられる。なお、上記置換基のうち、水酸基および低級
(C1-6)アルコキシ基が置換基として隣接する場合に
は、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシなどのC
−6アルキレンジオキシを形成していてもよい。
【0030】上記C6-10アリール基、芳香族複素環基、
N−モノ置換アミノ基の置換基としてのC6-10アリール
基、N,N−ジ置換アミノ基の置換基としてのC6-10
リール基、N−モノ置換カルバモイル基の置換基として
のC6-10アリール基、N,N−ジ置換カルバモイル基の
置換基としてのC6-10アリール基、N−モノ置換スルフ
ァモイル基の置換基としてのC6-10アリール、N,N−
ジ置換スルファモイル基の置換基としてのC6-10アリー
ル基,C6-10アリールオキシ基中のC6-10アリール基、
7-14アラルキルオキシ基中のC6-10アリール基、C
7-14アラルキルチオ基中のC6-10アリール基、C6-10
リールチオ基中のC6-10アリール基、C7- 14アラルキル
スルフィニル基中のC6-10アリール基、C6-10アリール
スルフィニル基中のC6-10アリール基、C7-14アラルキ
ルスルホニル基中のC6-10アリール基、およびC6-10
リールスルホニル基中のC6-10アリール基は、さらに1
〜3個の置換基で置換されていてもよく、該置換基とし
ては、例えば、低級(C1-6)アルキル基、アミノ基、
N−(C1-6アルキル)アミノ基、N,N−ジ(C1-6
ルキル)アミノ基、アミジノ基、カルバモイル基、N−
(C1-6アルキル)カルバモイル基、N,N−ジ(C1-6
アルキル)カルバモイル基、スルファモイル基、N−
(C1-6アルキル)スルファモイル基、N,N−ジ(C
1-6アルキル)スルファモイル基、カルボキシル基、低
級(C2-7)アルコキシカルボニル基、水酸基、低級
(C1-6)アルコキシ基、メルカプト基、低級(C1-6
アルキルチオ基、スルホ基、シアノ基、アジド基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、エステル化されてい
てもよいホスホノ基[例、ホスホノ基、C1-6アルコキ
シホスホリル基、ジ(C1-6アルコキシ)ホスホリル基
など]、エステル化されていてもよいホスホノ基で置換
された低級(C1-6)アルキル基[例、ホスホノ−C1-6
アルキル基、C1-6アルコキシホスホリル−C1-6アルキ
ル基、ジエトキシホスホリルメチルなどのジ(C1-6
ルコキシ)ホスホリル−C1-6アルキル基など]などが
挙げられる。なお、上記置換基のうち、水酸基および低
級(C1-6)アルコキシ基が置換基として隣接する場合
には、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシなどの
1- 6アルキレンジオキシを形成していてもよい。
【0031】R1aは、好ましくはそれぞれ置換されて
いてもよいスルフィニル基,スルホニル基、水酸基また
はチオール基が挙げられる。すなわち、R1aは式:−
SR 14a,−SOR14a,−SO14aまたは
−OR14a(式中、R14 はそれぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基または複素環基を示す。)で表さ
れる基が好ましい。ここでR14aで示される「それぞ
れ置換されていてもよい置換されていてもよい炭化水素
残基」としては、R1aで示される「それぞれ置換され
ていてもよい炭化水素残基または複素環基」と同様のも
のが挙げられるが、R14aとしては構成する炭素原子
数が2以上の基が好ましく、置換されていてもよい環状
の基であることがさらに好ましく、とりわけ置換されて
いてもよい芳香族基(より好ましくは、置換されていて
もよい含窒素複素環)が好ましい。
【0032】R1a'は、それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基,複素環基,スルフィニル基,スルホニ
ル基,水酸基,チオール基またはアミノ基のうち、式:
−X '−W'(式中、X'は結合手,置換されてい
てもよい炭素原子,置換されていてもよい窒素原子,酸
素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を示し、W
'は置換されていてもよい環状基または2個以上の置換
基を有する炭素原子または窒素原子を示す。)で表され
る基を示す。R1a'における、それぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基,複素環基,スルフィニル基,ス
ルホニル基,水酸基,チオール基またはアミノ基はR
1aとしてのそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残
基,複素環基,スルフィニル基,スルホニル基,水酸
基,チオール基またはアミノ基と同意義を有する。R
1a'における、式:−X'−W'(式中、X'は結
合手,置換されていてもよい炭素原子,置換されていて
もよい窒素原子,酸素原子または酸化されていてもよい
硫黄原子を示し、W'は置換されていてもよい環状基
または2個以上の置換基を有する炭素原子または窒素原
子を示す。)で表される基において、X 'で示される
「置換されていてもよい炭素原子」とは炭素原子に2個
の水素原子,1個の水素原子と1個の置換基または2個
の置換基を有する2価の基を示し、X'で示される
「置換されていてもよい窒素原子」とは窒素原子に1個
の水素原子または置換基を有する2価の基を示す。該置
換基としては上記したR1aとしての「それぞれ置換さ
れていてもよい炭化水素残基または複素環基」における
「炭化水素残基」または「複素環基」が有していてもよ
い置換基およびR1aとしての「それぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基または複素環基」と同様な基が挙
げられる。X'で示される「酸化されていてもよい硫
黄原子」とは−S−,SO−または−SO−で表され
る2価の硫黄原子を示す。W'として示される「置換
されていてもよい環状基または2個以上の置換基を有す
る炭素原子または窒素原子」における「環状基」として
は、上記したR1aとしての「それぞれ置換されていて
もよい炭化水素残基または複素環基」における環状基、
例えば、置換されていてもよい脂環族炭化水素残基、置
換されていてもよい芳香族炭化水素残基、置換されてい
てもよい複素環基(芳香族単環式複素環基、芳香族縮合
複素環基、非芳香族複素環基)が挙げられ、該「環状
基」が有していてもよい置換基としては、R1aとして
の「それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または
複素環基」における「炭化水素残基」または「複素環
基」が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられ
る。W'として示される「置換されていてもよい環状
基または2個以上の置換基を有する炭素原子または窒素
原子」における「2個以上の置換基を有する炭素原子」
は、例えばtert−ブチル,イソプロピルのように当
該炭素原子に同一または異なった2〜3個の置換基が結
合したもの(言い換えると、当該原子上に0〜1個の水
素原子を有するものが挙げられ、該置換基としては上記
したR1aとしての「それぞれ置換されていてもよい炭
化水素残基または複素環基」における「炭化水素残基」
または「複素環基」が有していてもよい置換基およびR
1aとしての「それぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基または複素環基」と同様な基が挙げられる。上記2
個以上の置換基を有する窒素原子としては,N,N−ジ
置換アミノ基を示す。該「N,N−ジ置換アミノ基」に
おける置換基としては、上記したR1aとしての「置換
されていてもよいアミノ基」における「アミノ基」と同
様な置換基が挙げられる。R1a'は、それぞれ置換さ
れていてもよい炭化水素残基,複素環基,スルフィニル
基,スルホニル基,水酸基,チオール基またはアミノ基
のうち、式:−X '−W'(式中、X'は酸素原子
または酸化されていてもよい硫黄原子を示し、W'は置
換されていてもよい環状基を示す。)で表される基が好
ましい。
【0033】R2aはシアノ基、ホルミル基、チオホル
ミル基または式:−Z1a−Z2a(式中、Z1aは、
−CO−,−CS−,−SO−または−SO−を示
し、Z 2aは、それぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基,複素環基,アミノ基または水酸基を示す。)で表
される。
【0034】R2aにおけるZ1aは、−CO−または
−CS−が好ましく、−CO−がより好ましい。R2a
としては、−CO−Z2a'(式中、Z2a'は水素原
子、それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基,複素
環基,アミノ基または水酸基を示す。)で表される基が
好ましい。
【0035】Z2aにおける置換されていてもよい炭化
水素残基としては、例えば、R1aにおける置換されて
いてもよい炭化水素残基と同様のものが挙げられる。Z
2aにおける置換されていてもよい炭化水素残基として
は、好ましくは該脂肪族炭化水素残基が、より好ましく
は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどの炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基
(例、アルキル)が挙げられる。
【0036】Z2aにおける置換されていてもよい複素
環基としては、例えば、R1aにおける置換されていて
もよい複素環基と同様のものが挙げられる。
【0037】Z2aにおける置換されていてもよいアミ
ノ基としては、例えば、R1aにおける置換されていて
もよいアミノ基と同様のものが挙げられる。Z2aにお
ける置換されていてもよいアミノ基としては、好ましく
はアミノ基、およびC1-8アルキル基を1個または2個
置換基として有するアミノ基(例、メチルアミノ、ジメ
チルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチル
アミノ等)が挙げられる。
【0038】Z2aにおける置換されていてもよい水酸
基としては、例えば、R1aにおける置換されていても
よい水酸基と同様のものが挙げられる。Z2aにおける
置換されていてもよい水酸基としては、好ましくは水酸
基、およびメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどのC1−8アルキルで置換されたC −8アル
キルオキシが挙げられる。
【0039】R2aにおけるZ2aは置換されていても
よいアミノ基または置換されていてもよい水酸基が好ま
しい。R2aにおけるZ2aは置換されていてもよいア
ミノ基がより好ましい。とりわけ、R2aにおけるZ
2aはアミノ基、またはC1-8アルキル基を1個または
2個置換基として有するアミノ基(例、メチルアミノ、
ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブ
チルアミノ等)が好ましい。
【0040】R3aは、水素原子、それぞれ置換されて
いてもよい炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ
基,スルホニル基またはアシル基を示す。
【0041】R3aにおける置換されていてもよい炭化
水素残基としては、例えば、R1aにおける置換されて
いてもよい炭化水素残基と同様のものが挙げられる。R
3aにおける置換されていてもよい炭化水素残基として
は、好ましくは脂肪族炭化水素残基が、より好ましくは
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペ
ンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル
などの炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、ア
ルキル基)が挙げられる。
【0042】R3aにおける置換されていてもよい複素
環基としては、例えば、R1aにおける置換されていて
もよい複素環基と同様のものが挙げられる。
【0043】R3aにおける置換されていてもよい水酸
基としては、例えば、R1aにおける置換されていても
よい水酸基と同様のものが挙げられる。
【0044】R3aにおける置換されていてもよいアミ
ノ基としては、例えば、R1aにおける置換されていて
もよいアミノ基と同様のものが挙げられる。
【0045】R3aにおける置換されていてもよいスル
ホニル基としては、例えば、R1aにおける置換されて
いてもよいスルホニル基と同様のものが挙げられる。
【0046】R3aにおける置換されていてもよいアシ
ル基としては、例えば、R1aで示される「それぞれ置
換されていてもよい炭化水素残基または複素環基」とカ
ルボニル基とが結合したものなど、好ましくはR1a
示される炭化水素残基,複素環基,スルフィニル基,ス
ルホニル基の置換基としてのアシル基と同様のものなど
が挙げられる。
【0047】R3a’は、水素原子、それぞれ置換され
ていてもよい炭化水素残基,複素環基,スルホニル基ま
たはアシル基を示す。R3a’の水素原子、それぞれ置
換されていてもよい炭化水素残基,複素環基,スルホニ
ル基またはアシル基としては、R3aの水素原子、それ
ぞれ置換されていてもよい炭化水素残基,複素環基,ス
ルホニル基またはアシル基と同様のものが挙げられる。
【0048】R3a’’は、それぞれ置換されていても
よい炭化水素残基,複素環基,スルホニル基またはアシ
ル基を示す。R3a’’のそれぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基,複素環基,スルホニル基またはアシル
基としては、R3aのそれぞれ置換されていてもよい炭
化水素残基,複素環基,スルホニル基またはアシル基と
同様のものが挙げられる。
【0049】R4aは、置換された水酸基を示す。R
4aにおける置換された水酸基としては、R1aで示さ
れる置換されていてもよい置換されていてもよい水酸基
中の置換された水酸基、例えば、水酸基に適宜の置換
基、例えば、R1aで示される「それぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基または複素環基」で置換された水
酸基が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキ
シル、ヘプチル、オクチルなどのC 1−8アルキルで置
換されたC1−8アルキルオキシ; フェニル、α−ナ
フチル、β−ナフチル、4−インデニル、5−インデニ
ル、4−インダニル、5−インダニル、5,6,7,8−
テトラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナフチ
ル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ
−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチルなど
のC6−10アリール基で置換されたC6−10アリー
ルオキシ; 芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエ
ニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チ
アゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジ
アゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、
1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリ
ル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジ
ル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリア
ジニルなど)で置換された水酸基; 芳香族縮合複素環
基(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ
[b]チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−イ
ンダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリ
アゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キ
ナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリ
ジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−
カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、
アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、
フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、
フェナントレジニル、フェナントロリニル、インドリジ
ニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5
−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ
[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3
−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダ
ジニル等)で置換された水酸基が挙げられる。より好ま
しくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどのC1−8アルキルで置換されたC1−8アル
キルオキシ; さらに好ましくはメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピルで置換されたC1−3アルキルオキ
シが挙げられる。ここで例示した置換された水酸基の置
換基としての「炭化水素残基」または「複素環基」は、
上記したR1aとしての「それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基または複素環基」における「炭化水素残
基」または「複素環基」が有していてもよい置換基と同
様な置換基をそれぞれ有していてもよい。
【0050】R5aは、R1aにおけるそれそれ置換さ
れていてもよいスルフィニル基またはスルホニル基を示
す。R6aは、R1aにおける置換されていてもよいチ
オール基と同意義を有する。R7aは、R1aにおける
置換されていてもよいアミノ基の置換基と同意義を有す
る。R8aは、R2aと同意義を有する。R9aは、上記
2aと同意義を有する。R10aは、カルボキシル基
の保護基を示す。R10aで示されるカルボキシル保護
基としては、例えばR1aに示した置換されていてもよ
い炭化水素残基などと同様な基が挙げられる。
【0051】R11aは、置換されていてもよいアミノ
基を示す。R11aにおける置換されていてもよいアミ
ノ基としては、R1aで示される置換されていてもよい
アミノ基と同様の、例えば、アミノ基、N−モノ置換ア
ミノ基およびN,N−ジ置換アミノ基が挙げられる。該
置換アミノ基としては、例えば、置換されていてもよい
炭化水素残基(例えば、R1aで示される置換されてい
てもよい炭化水素残基と同様なもの、より具体的には、
1-8アルキル基、C3-7シクロアルキル基、C2-8アル
ケニル基、C2-8アルキニル基、C3-7シクロアルケニル
基、C1-4アルキル基を有していてもよいC6-10アリー
ル基など)、置換されていてもよい複素環基(例えば、
1aで示される置換されていてもよい複素環基と同様
なもの)、または、式:−COR'(式中、R'は水
素原子またはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残
基もしくは複素環基を示す。なお、R'としての「そ
れぞれ置換されていてもよい炭化水素残基もしくは複素
環基」は、上記したR'としての「それぞれ置換され
ていてもよい炭化水素残基もしくは複素環基」における
「炭化水素残基」または「複素環基」と同様な置換基を
それぞれ有していてもよい。)、好ましくはC1-10アシ
ル基(例、C2-7アルカノイル、ベンゾイル、ニコチノ
イル等)を、1個または2個置換基として有するアミノ
基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジプロピルアミ
ノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシル
アミノ、フェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルア
ミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイ
ルアミノ、ニコチノイルアミノ等)が挙げられる。より
好ましくは、N,N−ジ置換アミノ基(例、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルア
ミノ、ジアリルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミ
ノ等)、さらに好ましくは、N,N−ジC1−3アルキ
ルアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ
プロピルアミノ等)が挙げられる。また、該置換アミノ
基における2個の基が結合して、含窒素5−7員環(例
えば、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)を
形成していてもよい。
【0052】R13aは、置換されていてもよいアミノ
基または置換された水酸基を示す。R13aとしては、
上記R4aまたは上記R11aと同様の基が挙げられ
る。
【0053】R13a'は、それぞれ置換されていても
よいアミノ基または水酸基を示す。R13a'として
は、水酸基,上記R4aまたは上記R11aと同様の基
が挙げられる。
【0054】Halは、フッ素,塩素、臭素、ヨウ素等の
ハロゲン原子を示すZ5aは−CO−を示す。Z
6aは、Z2aにおける置換されていてもよいアミノ基
と同意義を有する。Z7aは、−CO−を示す。Z8a
は、Z2aにおけるそれぞれ置換されていてもよい炭化
水素残基または複素環基と同意義を有する。
【0055】環Caは、置換されていてもよい5〜7員
環を示す。環Caにおける、置換されていてもよい5〜
7員環の5〜7員環としては、5〜7員炭化水素環また
は5〜7員複素環のいずれであってもよい。該5〜7員
炭化水素環は脂環族環または芳香族環のいずれであって
もよい。該脂環族環としては、C5-7飽和脂環族炭化水
素環(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタンなどのC5-7シクロアルカン)およびC5-7
不飽和脂環族炭化水素環(例えば、1−シクロペンテ
ン、2−シクロペンテン、3−シクロペンテン、1−シ
クロヘキセン、2−シクロヘキセン、3−シクロヘキセ
ン、1−シクロヘプテン、2−シクロヘプテン、3−シ
クロヘプテン、2,4−シクロヘプタジエン等などのC
5-7シクロアルケン、C5-7シクロアルカジエン)などが
挙げられる。該芳香族環としては、たとえばベンゼン環
が挙げられる。該5〜7員複素環としては、例えば(i)
1個の硫黄原子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原
子を含む5〜7員複素環、(ii)2〜4個の窒素原子を含
む5〜7員複素環、または、(iii)1〜2個の窒素原子
および1個の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜7員複素
環などが挙げらる。また(i)〜(iii)に例示した複素環
は、それぞれ飽和または不飽和の複素環基であってもよ
く、不飽和の複素環は、芳香族および非芳香族の何れで
あってもよい。環Caとして特に好ましくは、下記の環
Cで表わされる芳香族5員複素環である。
【0056】環Caにおける、置換されていてもよい5
〜7員環の置換基としては、R3aで示される、それぞ
れ置換されていてもよい炭化水素残基,複素環基,水酸
基,アミノ基,スルホニル基またはアシル基と同様のも
のが挙げられる。
【0057】環Cは、
【化2】 (式中、R3aは水素原子、それぞれ置換されていても
よい炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ基,スル
ホニル基またはアシル基を示す。)で表される芳香族5
員複素環を示す。環Cは、
【化3】 (式中、R3aは上記と同意義を有する。)で表される
芳香族5員複素環が好ましい。
【0058】Rは、水素原子、ハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、シアノ基またはそれ
ぞれ置換されていてもよいアミノ基、アシル基、炭化水
素残基もしくは複素環基を示し、Rはチオフェン環お
よび環Caの環構成原子とともに置換されていてもよい
炭化水素環または複素環を形成してもよい。
【0059】Rにおける置換されていてもよいアミノ
基としては、例えば、R1aにおける置換されていても
よいアミノ基と同様のものが挙げられる。
【0060】Rにおける置換されていてもよいアシル
基としては、例えば、R3aにおける置換されていても
よいアシル基と同様のものが挙げられる。
【0061】Rにおける置換されていてもよい炭化水
素残基としては、例えば、R1aにおける置換されてい
てもよい炭化水素残基と同様のものが挙げられる。
【0062】Rにおける置換されていてもよい複素環
基としては、例えば、R1aにおける置換されていても
よい複素環基と同様のものが挙げられる。
【0063】Rがチオフェン環および環Caの環構成
原子(好ましくは、環構成炭素原子)とともに形成する
置換されていてもよい炭化水素環は、脂環族であっても
芳香族であってもよい。また該炭化水素環は、好ましく
は5〜14員環であり、さらに好ましくは5〜7員環で
ある。該炭化水素環として好ましくは、下記の環Dで示
される炭化水素環である。
【0064】環Dは、置換基を有していてもよい5〜7
員炭化水素環を示す。環Dにおける置換基を有していて
もよい5〜7員炭化水素環の5〜7員炭化水素環として
は、脂環族または芳香族の何れの5〜7員炭化水素環で
あってもよい。該脂環族5〜7員炭化水素環としては、
5-7飽和脂環族炭化水素環(例えば、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのC5-7シク
ロアルカン)およびC5-7不飽和脂環族炭化水素環(例
えば、1−シクロペンテン、2−シクロペンテン、3−
シクロペンテン、1−シクロヘキセン、2−シクロヘキ
セン、3−シクロヘキセン、1−シクロヘプテン、2−
シクロヘプテン、3−シクロヘプテン、2,4−シクロ
ヘプタジエン等などのC5-7シクロアルケン、C5-7シク
ロアルカジエン)などが挙げられる。該芳香族炭化水素
残基としては、たとえばベンゼン環が挙げられる。好ま
しくは、C5-7飽和脂環族炭化水素環、より好ましくは
飽和脂環族炭化水素環(シクロヘキサン)が挙げら
れる。
【0065】Rがチオフェン環および環Caの環構成
原子(好ましくは、環構成炭素原子)とともに形成する
置換されていてもよい複素環として好ましくは、5〜1
4員複素環であり、さらに好ましくは5〜7員複素環で
ある。該複素環として好ましくは、例えば(i)1個の硫
黄原子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原子を含む
5〜7員複素環、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜7
員複素環、または、(iii)1〜2個の窒素原子および1
個の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜7員複素環などで
ある。また(i)〜(iii)に例示した複素環は、それぞれ飽
和または不飽和のいずれあってもよく、不飽和の複素環
基は、芳香族および非芳香族のいずれであってもよい。
【0066】上記式(Ia)で表される化合物のうち、
好ましい化合物としては下記式(Ia’)で表される化
合物が挙げられる。すなわち式(Ia’):
【化4】 で表わされる化合物が好ましい。〔式中、R1aおよび
2aは、それぞれ上記式(Ia)において定義したR
1aおよびR2aと同義であり、環Cは、
【化5】 (式中、R3は水素原子、それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基、複素環基、水酸基、アミノ基、スルホ
ニル基またはアシル基を、R14は水素原子、ハロゲンま
たはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基、複素
環基、水酸基、アミノ基、スルホニル基もしくはアシル
基を示す。)のいずれかで表される芳香族5員複素環を
示し、環Dは置換基を有していてもよい5ないし7員炭
化水素環を示す。〕で表される化合物(但し、式:
【化6】 で表される化合物を除く。また、環Cが
【化7】 のとき、Z1が−CO−でかつZ2が置換されていてもよ
いアミノ基である場合を除く。)またはその塩が挙げら
れる。
【0067】環Cは、
【化8】 (式中、Rは水素原子、それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ基,スルホ
ニル基またはアシル基を、R14は水素原子、ハロゲン
またはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基、複
素環基、水酸基、アミノ基、スルホニル基もしくはアシ
ル基を示す。)で表される芳香族5員複素環を示す。環
Cは、
【化9】
【0068】Rは、水素原子、それぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ基,
スルホニル基またはアシル基を示す。Rにおける置換
されていてもよい炭化水素残基としては、例えば、上記
における置換されていてもよい炭化水素残基と同
様のものが挙げられる。Rにおける置換されていても
よい炭化水素残基としては、好ましくは脂肪族炭化水素
残基が、より好ましくは例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシ
ル、ヘプチル、オクチルなどの炭素数1〜8の飽和脂肪
族炭化水素残基(例、アルキル基)が挙げられる。R
における置換されていてもよい複素環基としては、例え
ば、上記R1aにおける置換されていてもよい複素環基
と同様のものが挙げられる。Rにおける置換されてい
てもよい水酸基としては、例えば、上記R1aにおける
置換されていてもよい水酸基と同様のものが挙げられ
る。Rにおける置換されていてもよいアミノ基として
は、例えば、上記R1aにおける置換されていてもよい
アミノ基と同様のものが挙げられる。Rにおける置換
されていてもよいスルホニル基としては、例えば、上記
における置換されていてもよいスルホニル基と同
様のものが挙げられる。Rにおける置換されていても
よいアシル基としては、例えば、上記R1aで示される
「それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複
素環基」とカルボニル基とが結合したものなど、好まし
くは上記R1aで示される炭化水素残基,複素環基,ス
ルフィニル基,スルホニル基の置換基としてのアシル基
と同様のものなどが挙げられる。R14は、水素原子、
ハロゲンまたはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基、複素環基、水酸基、アミノ基、スルホニル基もし
くはアシル基を示す。R 14におけるハロゲンとして
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。R
14におけるそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残
基、複素環基、水酸基、アミノ基、スルホニル基もしく
はアシル基としては、Rで示したそれらと同様なもの
が挙げられる。R14は水素原子が好ましい。
【0069】環D,D-1,E,F,F-2,F-3,F-4,
F',F'-1,F'-2,F'-3は、置換基を有していてもよ
い5ないし7員炭化水素環を示す。該置換基を有してい
てもよい5ないし7員炭化水素環の5ないし7員炭化水
素環としては、脂環族または芳香族の何れの5ないし7
員炭化水素環であってもよい。該脂環族5ないし7員炭
化水素環としては、C5-7飽和脂環族炭化水素環(例え
ば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン
などのC5-7シクロアルカン)およびC5-7不飽和脂環
族炭化水素環(例えば、1−シクロペンテン、2−シク
ロペンテン、3−シクロペンテン、1−シクロヘキセ
ン、2−シクロヘキセン、3−シクロヘキセン、1−シ
クロヘプテン、2−シクロヘプテン、3−シクロヘプテ
ン、2,4−シクロヘプタジエン等などのC5-7シクロア
ルケン、C 5-7シクロアルカジエン)などが挙げられ
る。該芳香族炭化水素残基としては、たとえばベンゼン
環が挙げられる。好ましくは、C5-7飽和脂環族炭化水
素環、より好ましくはC飽和脂環族炭化水素環(シク
ロヘキサン)が挙げられる。
【0070】環D,D-1,E,F,F-2,F-3,F-4,
F',F'-1,F'-2,F'-3における置換基を有していて
もよい5ないし7員炭化水素環の置換基としては、例え
ば、R1aにおける「置換されていてもよい炭化水素残
基」の置換基と同様のものなどが挙げられる。置換基の
数は1ないし3個が好ましい。該置換基を有していても
よい5ないし7員炭化水素環の置換基としては、好まし
くは脂肪族炭化水素残基が、より好ましくは例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘ
キシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの炭素
数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルキル基)
が挙げられる。環D,D-1,E,F,F-2,F-3,F-
4,F',F'-1,F'-2,F'-3は置換基を有していても
よい5ないし7員炭化水素環を示し、好ましくは、置換
基を有していない5ないし7員炭化水素環が挙げられ
る。より好ましくは、置換基を有していない5ないし7
員飽和炭化水素環が挙げられる。さらに好ましくは、置
換基を有していない6員飽和炭化水素環が挙げられる。
【0071】上記の式(Ia’)中、R1aがそれぞれ
置換されていてもよいスルフィニル基,スルホニル基、
水酸基またはチオール基; R2aが−Z−Z(式
中、Zは、−CO−または−CS−を示し、Zはそ
れぞれ置換されていてもよい水酸基またはアミノ基を示
す。); 環Cが、
【化10】 〔式中、Rは上記と同意義を有する。〕; 環Dが置
換基を有していてもよい5ないし7員炭化水素環である
化合物またはその塩が、好ましい。
【0072】上記の式(Ia’)中、R1aが、それぞ
れC1−8アルキルで結合したスルフィニル基またはス
ルホニル基、C1−8アルキルで置換されていてもよい
チオール基、またはそれぞれ1〜3個の置換基で置換さ
れていてもよいC6−10アリール(特に好ましくはフ
ェニル)、芳香族単環式複素環基(特に好ましくはピリ
ジル)または芳香族縮合複素環基(特に好ましくはキノ
リル)で置換されていてもよい水酸基; R2aが、−
−Z(式中、Zは、−CO−を示し、Zはそ
れぞれ置換されていてもよい水酸基またはアミノ基を示
す。); 環C:
【化11】 〔式中、Rは上記と同意義を有する。〕におけるR
が炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルキ
ル基); 環Dが、C5-7飽和脂環族炭化水素環である
化合物またはその塩が、より好ましい。
【0073】式(Ia’)で表される化合物として、4,
5-ジヒドロ-1-メチル-8-プロピルスルファニル-1H-チエ
ノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒド
ロ-1-メチル-8-プロピルスルフィニル-1H-チエノ[3,4-
g]インダゾール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-1-メ
チル-8-プロピルスルホニル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾ
ール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-8-(3,4-メチレ
ンジオキシフェノキシ)-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]イ
ンダゾール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-8-フェノ
キシ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カル
ボキサミド;4,5-ジヒドロ-8-(3,4-メチレンジオキシフ
ェノキシ)チエノ[3,4-g]-1,2-ベンズイソキサゾール-6-
カルボキサミド;8-[4-[(ジエトキシホスホリル)メチ
ル]フェノキシ]-4,5-ジヒドロ-2-メチル-2H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボキサミド;8-[4-[(ジエトキ
シホスホリル)メチル]フェノキシ]-4,5-ジヒドロ-1-メ
チル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミ
ド;N-エチル-4,5-ジヒドロ-8-(3,4-メチレンジオキシ
フェノキシ)-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-
6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(4-トリ
フルオロメチルフェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾ
ール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(6-
キノリニルオキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-
カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[(3-ピリジ
ニル)オキシ]-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボ
キサミド;8-[(4-ベンジルオキシ)フェノキシ]-4,5-ジ
ヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カ
ルボキサミド;または4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[4-(2-
キノリニルメトキシ)フェノキシ]-1H-チエノ[3,4-g]イ
ンダゾール-6-カルボキサミドが好ましい。
【0074】式(IIa’)中、R1aがそれぞれ置換さ
れていてもよいスルフィニル基,スルホニル基、水酸基
またはチオール基; R2aが−Z1a−Z2a(式
中、Z 1aは、−CO−または−CS−を示し、Z2a
はそれぞれ置換されていてもよい水酸基またはアミノ基
を示す。); R4aが、C1-8アルキルオキシ; 環
Eが置換基を有していてもよい5〜7員炭化水素環であ
る化合物またはその塩が好ましい。
【0075】式(IIa')中、R1aが、それぞれC
1−8アルキルで結合したスルフィニル基またはスルホ
ニル基、C1−8アルキルで置換されていてもよいチオ
ール基、またはそれぞれ1〜3個の置換基で置換されて
いてもよいC6−10アリール(特に好ましくはフェニ
ル)、芳香族単環式複素環基(特に好ましくはピリジ
ル)または芳香族縮合複素環基(特に好ましくはキノリ
ル)で置換されていてもよい水酸基; R2aが、−Z
1a−Z2a(式中、Z1aは、−CO−を示し、Z
2aはそれぞれ置換されていてもよい水酸基またはアミ
ノ基を示す。); R が、C1-3アルキルオキシ;
環Cが、C5-7飽和脂環族炭化水素環である化合物であ
る化合物またはその塩がより好ましい。
【0076】上記の式(Ia)で表される化合物〔化合
物(Ia)と称す。〕またはその塩を製造する原料化合物
の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例え
ば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有
機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙
げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えば
ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カル
シウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;
ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げら
れる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベ
ンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機
酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機
酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイ
ン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など
との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例
としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなど
との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例とし
ては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩
が挙げられる。
【0077】化合物(Ia)またはその塩は、そのプロ
ドラッグであってもよい。化合物(Ia)またはその塩
のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や
胃酸等による反応により化合物(Ia)またはその塩に
変換する化合物、すなわち、酵素的に酸化、還元、加
水分解等を起こして化合物(Ia)またはその塩に変化
する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化
合物(Ia)またはその塩に変化する化合物をいう。化
合物(Ia)またはその塩のプロドラッグとしては、化
合物(Ia)またはその塩の水酸基が、アシル化、アル
キル化、リン酸化、ほう酸化された化合物またはその塩
(例えば、化合物(Ia)またはその塩の水酸基がアセ
チル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル
化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチル
アミノメチルカルボニル化された化合物またはその塩な
ど)、化合物(Ia)またはその塩のカルボキシル基
が、エステル化、アミド化された化合物(例えば、化合
物(Ia)またはその塩のカルボキシル基がエチルエス
テル化、フェニルエステル化、カルボキシオキシメチル
エステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロ
イルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキ
シエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メ
チル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)
メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエ
チルエステル化、メチルアミド化された化合物またはそ
の塩など)などが用いられる。これらのプロドラッグは
自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造
することができる。また、化合物(Ia)またはその塩
のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開
発」第7巻分子設計163〜198頁に記載されている
ような生理的条件で化合物(Ia)またはその塩に変化
するものであってもよい。
【0078】化合物(Ia)またはその塩は同位元素
(例、H、H、14C、35S、 125Iなど)な
どで標識されていてもよい。
【0079】後記の式(IX)中、R1aが、それぞれ置
換されていてもよいスルフィニル基,スルホニル基、水
酸基またはチオール基;R2aが−Z−Z(式中、
は、−CO−または−CS−を示し、Zはそれぞ
れ置換されていてもよい水酸基またはアミノ基を示
す。);R13aが、C1−8アルキルオキシまたは
N,N−ジ置換アミノ基; 環F’が置換基を有してい
てもよい5ないし7員炭化水素環である化合物またはそ
の塩が好ましい。後記の式(IX)中、R1aが、それぞ
れC1−8アルキルで結合したスルフィニル基またはス
ルホニル基、C1−8アルキルで置換されていてもよい
チオール基、またはそれぞれ1〜3個の置換基で置換さ
れていてもよいC6−10アリール(特に好ましくはフ
ェニル)、芳香族単環式複素環基(特に好ましくはピリ
ジル)または芳香族縮合複素環基(特に好ましくはキノ
リル)で置換されていてもよい水酸基;R2aが、−Z
−Z(式中、Zは、−CO−を示し、Zはそれ
ぞれ置換されていてもよい水酸基またはアミノ基を示
す。);R13aが、N,N−ジC1−3アルキルアミ
ノ基またはC1−3アルキルオキシ;環F’が、C5-7
飽和脂環族炭化水素環である化合物またはその塩がより
好ましい。
【0080】式(IX)で表される化合物として、3-(3,4
-ジメトキシフェノキシ)-5-エトキシメチリデン-4,5,6,
7-テトラヒドロ-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カル
ボン酸エチルエステル;3-(3,4-ジメトキシフェノキシ)
-5-ジメチルアミノメチリデン-4,5,6,7-テトラヒドロ-4
-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸エチルエス
テル;または5-ジメチルアミノメチリデン-4,5,6,7-テ
トラヒドロ-3-メチルチオ-4-オキソベンゾ[c]チオフェ
ン-1-カルボン酸エチルエステルが好ましい。
【0081】式(IX)で表される化合物〔化合物(IX)と
称す。〕またはその塩に代表される本発明記載の化合物
またはその塩を製造する原料化合物の塩としては、薬学
的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、
有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性
または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基
との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシ
ウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウ
ム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との
塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジア
ミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例
としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン
酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例と
しては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマー
ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハ
ク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアル
ギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸
性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラ
ギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。化合物
(IX)またはその塩は同位元素(例、2H、H、14
C、35S、 25Iなど)などで標識されていてもよ
い。これらの化合物またはその塩が分子内に二重結合を
有する場合で、ZまたはEの立体配置が存在する場合、
それら各々またはそれらの混合物のいずれも本発明に含
まれる。これらの化合物またはその塩が分子内に不斉炭
素を有するなどして立体異性体が存在する場合、それら
各々またはそれらの混合物のいずれも本発明に含まれ
る。
【0082】以下に、本発明で用いられる化合物の製造
法について説明する。化合物(Ia)またはその塩は、
自体公知の方法(例えば、特開2000−309591
号公報に記載の方法、特開2000−239280号公
報に記載の方法、WO98/09958に記載の方法、
特開2000−169470号公報に記載の方法、特開
2000−169471号公報に記載の方法、特開20
00−169472号公報に記載の方法、など)、ある
いはこれに準ずる方法により製造することができる。
【0083】化合物(Ia)が、化合物(Ia’)のよ
うに、Rがチオフェン環および環Caの環構成炭素原子
とともに置換されていてもよい炭化水素環または複素環
を形成している化合物である場合、化合物(Ia)また
はその塩は例えば以下に示すA法〜F法あるいはこれに
準ずる方法により製造することができる。
【0084】[A法]
【化12】 〔式中、化合物(III)はヒドロキシルアミンまたは
一置換ヒドラジン(R a'NHNH)またはそれら
の塩を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
【0085】本反応は、化合物(IIa’)と化合物
(III)との反応により化合物(Ia’)を製造す
る。本反応は、常法に従い、中性、または酸、塩基の存
在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。酸
としては、例えば塩酸、硫酸などの鉱酸;メタンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸などの有機酸が挙げられる。塩基として
は、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水素化カリ
ウム等の無機塩基、 t−ブトキシカリウム、酢酸ナト
リウム、トリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザ
ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ナトリウムメ
トキシド等の有機塩基が挙げられる。酸および化合物
(III)の使用量は、化合物(IIa’)に対し、好
ましくは約1〜約5モル当量である。反応に悪影響を及
ぼさない溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノ
ール、プロパノールなどのアルコール類;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭
化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチ
ルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドな
どのスルホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒
は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反応温度は、
通常、約−50〜約150℃、好ましくは約0〜約10
0℃である。反応時間は、通常、約0.5〜約20時間
である。本反応により生じる環C上のR3a’は,R
3aとして記載された置換されていてもよい水酸基また
は置換されていてもよいアミノ基に、自体公知の方法を
用いて変換することができる。このようにして得られる
化合物(Ia’)は、公知の分離精製手段、例えば濃
縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマ
トグラフィーなどにより単離精製することができる。
【0086】なお、上記A法で原料化合物として用いら
れる化合物(IIa’)は、新規化合物であり、化合物
(IV):
【化13】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕とオルトぎ
酸エステルとの反応により製造される。すなわち、化合
物(IV)に対し、公知の方法、例えば、インディアン
ジャーナルオブケミストリー セクションB (Indian.
J. Chem. Sec. B) 第35巻49−51頁(1996
年)に記載の方法、あるいはそれに準じた方法により行
われる。すなわち、本反応は、通常、酸と塩基の存在
下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。オル
トぎ酸エステルの使用量は、化合物(IV)に対し、好
ましくは約1〜約10モル当量である。酸としては、三
フッ化ホウ素−エーテル錯体などが挙げられる。酸の使
用量は、化合物(IV)に対し、好ましくは約1〜約1
0モル当量である。塩基としては、トリエチルアミン、
ジイソブチルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン等が挙げられる。塩基の
使用量は、化合物(IV)に対し、好ましくは約1〜約
10モル等量である。反応に悪影響を及ぼさない溶媒と
しては、例えばクロロホルム、ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらの溶媒
は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反応温度は、
通常、約−100〜約150℃、好ましくは約−70〜
約0℃である。反応時間は、通常、約0.5〜約20時
間である。このようにして得られる化合物(IIa’)
は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒
抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどに
より単離精製することができる。
【0087】なお、原料化合物として用いられる化合物
(IV)のうち、例えば化合物(IV−1):
【化14】 は公知化合物であり、リービッヒ アナーレン (Lieb
igs Ann.) 1996年239−245頁に、または
シンセティックコミュニケーションズ (Synth.Commu
n.) 1995年2449−2455頁に記載されてい
る。
【0088】また、上記A法において化合物(Ia’)
のR1aが置換されていてもよいアミノ基で示される化
合物の原料化合物として用いられる化合物(IV−2,
3)は、以下の合成法により製造される。 (工程1)
【化15】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、1,3−シクロアルカンジオンに対し、塩
基存在下、イソチオシアン酸アルキルエステルあるいは
イソチオシアン酸アリールエステルを反応させることに
よって化合物(V)を製造する。塩基としては、例えば
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩;ピリジン、ト
リエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなど
のアミン類;水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの
金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、t-ブトキシカリウムなどのアルカリ金属アルコ
キシドが挙げられる。反応試剤の使用量は、1,3−シ
クロアルカンジオンに対し、好ましくは約1〜約10モ
ル当量である。塩基の使用量は、1,3−シクロアルカ
ンジオンに対し、好ましくは約1〜約10モル当量であ
る。反応温度は、通常、約−50〜約150℃、好まし
くは約0〜約100℃である。反応時間は、通常、約
0.5〜約20時間である。このようにして得られる化
合物(V)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。
【0089】(工程2)
【化16】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、化合物(V)と化合物(VII)との反応
により、化合物(VI)を製造する。本法は、常法に従
い、塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で
行われる。化合物(VII)としては、例えばハロ酢酸
エステル、具体的にはクロロ酢酸エチル、ブロモ酢酸エ
チル、ブロモ酢酸t-ブチル等が挙げられる。化合物(V
II)の使用量は、化合物(V)に対し、好ましくは約
1〜約10モル当量である。塩基としては、例えば水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩;ピリジン、トリエ
チルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのア
ミン類;水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの金属
水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウム t.-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコ
キシドが挙げられる。これら塩基の使用量は、化合物
(V)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量である。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどの
エーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混
合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−50〜約
150℃、好ましくは約−10〜約100℃である。反
応時間は、通常、約0.5〜約20時間である。このよ
うにして得られる化合物(VI)は、公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0090】(工程3)
【化17】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、化合物(VI)から化合物(IV−2)を
製造する。本法は、常法に従い、塩基の存在下、反応に
悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。塩基としては、
例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩;ピリジ
ン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−
エンなどのアミン類;水素化カリウム、水素化ナトリウ
ムなどの金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、t-ブトキシカリウムなどのアルカリ金
属アルコキシドが挙げられる。これら塩基の使用量は、
化合物(VI)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量
である。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテ
ルなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムア
ミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスル
ホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の
割合で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−
50〜約150℃、好ましくは約−10〜約100℃で
ある。反応時間は、通常、約0.5〜約20時間であ
る。このようにして得られる化合物(IV−2)は、公
知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、
晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単
離精製することができる。
【0091】(工程4)
【化18】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、化合物(IV−2)をアシル化して化合物
(IV−3)を製造する。本法は、化合物(IV−2)
とアシル化剤とを適宜反応させる方法等を用いて行われ
る。ここにおいてアシル化剤としては、例えば、酸無水
物、酸ハライド(酸クロリド、酸ブロミド)、イミダゾ
リド、あるいは混合酸無水物(例えばメチル炭酸、エチ
ル炭酸、イソブチル炭酸との無水物など)などが挙げら
れる。これらアシル化剤の使用量は、化合物(VI−
2)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量である。反
応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどの
エーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混
合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−50〜約
150℃、好ましくは約−10〜約100℃である。反
応時間は、通常、約0.5〜約20時間である。このよ
うにして得られる化合物(IV−3)は、公知の分離精
製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結
晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製する
ことができる。
【0092】[B法]
【化19】 〔式中、環C'は
【化20】 を示し、各記号は前記と同意義を有する。〕
【0093】本法では、化合物(I−2)と求核試剤と
の反応により化合物(I−1)を製造する。本反応は、
自体公知の方法、例えば、WO98/18792号公報
に記載の方法、あるいはそれに準じた方法により行われ
る。求核試剤としては、例えば金属フェノラート、金属
アルコラート、グリニャール試薬、アルキル金属試薬、
アリール金属試薬、チオアルコラートなどが挙げられ
る。求核試剤の使用量は、化合物(I−2)に対し、好
ましくは約1〜約5モル当量である。反応に悪影響を及
ぼさない溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロ
ホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチルピロリ
ドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスル
ホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の
割合で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−
50〜約150℃、好ましくは約−10〜約100℃で
ある。反応時間は、通常、約0.5〜約20時間であ
る。このようにして得られる化合物(I−1)は、公知
の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶
出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離
精製することができる。
【0094】なお、上記B法で原料化合物として用いら
れる化合物(I−2)は、以下に示す方法で製造するこ
とができる。
【化21】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本法では、化合物(I−3)から酸化剤を用いて化合物
(I−2)を製造する。本反応は、自体公知の方法、例
えば、酸化剤として、二酸化マンガン、過マンガン酸、
クロム酸、四酢酸鉛、ハロゲン、オゾン、過酸化水素,
有機過酸化物,有機過酸、過酸化水素−タングステン酸
ナトリウム、酸素、N−ハロカルボン酸アミド、次亜ハ
ロゲン酸エステル、ヨードシル化合物、硝酸、四酸化二
窒素、ジメチルスルホキシド、アゾジカルボン酸エチ
ル、クロロ金(III)酸などを用いる方法、または陽
極酸化、あるいはそれに準じた方法により行われる。す
なわち、本反応は、通常、酸化剤存在下、反応に悪影響
を及ぼさない溶媒中で行われる。酸化剤としては、例え
ばm−クロロ過安息香酸、過酢酸などが好ましい。反応
に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、1−メ
チルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。これ
らの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反応
温度は、通常、約−50〜約150℃、好ましくは約−
10〜約100℃である。反応時間は、通常、約0.5
〜約20時間である。このようにして得られる化合物
(I−2)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。
【0095】[C法]
【化22】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
【0096】本法では、カルボキシル保護基の脱離反応
により化合物(I−5)を製造する。本反応には、カル
ボキシル保護基の脱離反応に用いられるすべての慣用的
方法.例えば加水分解、還元、ルイス酸を用いての脱離
などを適用できる。カルボキシル保護基がエステルの場
合、加水分解またはルイス酸用いる脱離によって脱離す
ることができる。加水分解は、塩基またはルイス酸を用
いる脱離によって脱離することができる.加水分解は、
塩基または酸の存在下で行うことが好ましい.好適な塩
基としては、例えばアルカリ金属水酸化物(例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウムなど)、アルカリ土類
金属水酸化物(例えば水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなど)、アルカリ土類金属炭酸塩(例え
ば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、アルカリ
金属重炭酸塩(重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムな
ど)、アルカリ金属酢酸塩(例えば酢酸ナトリウム、酢酸
カリウムなど)、アルカリ土類金属リン酸塩(例えばリン
酸マグネシウム、リン酸カルシウムなど)、アルカリ金
属水素リン酸塩(例えばリン酸水素二ナトリウム、リン
酸水素二カリウムなど)などの無機塩基、トリアルキル
アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミンな
ど)、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモ
ルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.2]ノン−
5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]ノン−
5−エン、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]−7−
ウンデセンなどの有機塩基が挙げられる。塩基を用いて
の加水分解は、水または親水性有機溶媒あるいは混合溶
媒中で行われることが多い。好適な酸としては、有機酸
(例えばギ酸、臭化水素酸、硫酸など)を挙げることがで
きる。本加水分解反応は、通常有機溶媒、水またはこれ
らからなる混合溶媒中で行う。反応温度は特に限定され
ず、カルボキシル保護基の種類ならびに脱離方法に応じ
て適宜選択される.ルイス酸を用いる脱離は、化合物
(I−4)またはその塩を、ルイス酸、例えば三ハロゲ
ン化ホウ素(例えば三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素な
ど)、四ハロゲン化チタニウム(例えば四塩化チタニウ
ム、四臭化チタニウムなど)、ハロゲン化アルミニウム
(例えば塩化アルミニウム、臭化アルミニウムなど)、ト
リハロ酢酸(例えばトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸
など)などと反応させることにより行われる。この脱離
反応は、カチオン捕捉剤(例えばアニソール、フェノー
ルなど)の存在下で行うことが好ましく、また通常、ニ
トロアルカン(例えばニトロメタン、ニトロエタンな
ど)、アルキレンハライド(例えば塩化メチレン、塩化エ
チレンなど)、ジエチルエーテル、二硫化炭素、その他
反応に悪影響を及ぼさない溶媒などの溶媒中で行われ
る。これらの溶媒は、それらの混合物として使用しても
よい。還元による脱離は、ハロゲン化アルキル(例えば
2−ヨードエチル、2,2,2−トリクロロエチルな
ど)エステル、アラルキル(例えばベンジルなど)エステ
ルなどの保護基の脱離に適用するのが好ましい.本脱離
反応に用いる還元方法としては、例えば金属(例えば亜
鉛、亜鉛アマルガムなど)またはクロム化合物の塩(例え
ば塩化第一クロム、酢酸第一クロムなど)と有機または
無機塩(例えば酢酸、プロピオン酸、塩酸など)との組み
合わせ;慣用の金属触媒(例えばパラジウム炭素、ラネ
ーニッケルなど)の存在下での慣用の接触還元などを挙
げることができる。反応温度は、特に限定されず、通
常、冷却下、室温または加温下で反応は行われる。この
ようにして得られる化合物(I−5)は,公知の分離精
製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結
晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製する
ことができる。
【0097】一般式(I)中、R2aが式:−Z5a
6a(式中、Z5aが−CO−,Z6aが置換されて
いてもよいアミノ基を示す。)で示される化合物(I−
6)は、例えば以下のD法によって製造される。 [D法]
【化23】 〔式中、化合物(VIII)はZ6aHを示し、その他
の記号は前記と同意義を有する。〕 本法では、化合物(I−5)もしくはそのカルボキシル
基における反応性誘導体またはその塩を、前記化合物
(VIII)またはそのアミノ基における反応性誘導体
またはその塩と反応させることにより化合物(I−6)
を製造する。化合物(VIII)のアミノ基における好
適な反応性誘導体としては、化合物(VIII)とアル
デヒド、ケトン等のようなカルボニル化合物との反応に
よって生成するシッフ塩基型イミノまたはそのエナミン
型互変異生体;化合物(VIII)とビス(トリメチル
シリル)アセトアミド、モノ(トリメチルシリル)アセト
アミド、ビス(トリメチルシリル)尿素等のようなシリ
ル化合物との反応によって生成するシリル誘導体;化合
物(VIII)と三塩化リンまたはホスゲンとの反応に
よって生成する誘導体が挙げられる。
【0098】化合物(I−5)のカルボキシル基におけ
る好適な反応性誘導体としては、具体的には、酸ハロゲ
ン化物、酸無水物、活性化アミド、活性化エステル等が
挙げられる。反応性誘導体の好適な例としては、酸塩化
物;酸アジ化物;例えばジアルキルリン酸、フェニルリ
ン酸、ジフェニルリン酸、ジベンジルリン酸、ハロゲン
化リン酸等の置換されたリン酸、ジアルキル亜リン酸、
亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、例えばメタンスルホン酸等の
スルホン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸ピバリン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、トリクロ
ロ酢酸等の脂肪族カルボン酸または例えば安息香酸等の
芳香族カルボン酸のような酸との混合酸無水物;対称酸
無水物;イミダゾ−ル、4−置換イミダゾ−ル、ジメチ
ルピラゾ−ル、トリアゾ−ルまたはテトラゾ−ルとの活
性化アミド;または例えばシアノメチルエステル、メト
キシメチルエステル、ジメチルイミノメチルエステル、
ビニルエステル、プロパルギルエステル、p-ニトロフェ
ニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタク
ロロフェニルエステル、メシルフェニルエステル、フェ
ニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエステル、p-
ニトロフェニルエステル、p-クレジルチオエステル、カ
ルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリ
ジルエステル、ピペリジルエステル、8-キノリルチオエ
ステル等の活性化エステル、または例えば N,N-ジメチ
ルヒドロキシアミン、1-ヒドロキシ-2-(1H)-ピリドン、
N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシフタルイミ
ド、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾ−ル等の N-ヒド
ロキシ化合物とのエステル等が挙げられる。これら反応
性誘導体は、使用する化合物 (I−5) の種類によって
任意に選択することができる。化合物 (I−5) の反応
性誘導体の好適な塩としては、例えばナトリウム塩、カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、例えばカルシウム塩、マ
グネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、
ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、
N,N-ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機塩基塩等の
ような塩基塩が挙げられる。反応は通常、水、例えばメ
タノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、ジ
オキサン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレ
ン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、
N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジンのような常用の溶
媒中で行われるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であ
ればその他のいかなる有機溶媒中でも反応を行うことが
できる。これら常用の溶媒は水との混合物として使用し
てもよい。
【0099】この反応において、化合物 (I−5) を遊
離酸の形またはその塩の形で使用する場合には、N,N'-
ジシクロヘキシルカルボジイミド;N-シクロヘキシル-
N'-モルホリノエチルカルボジイミド;N-シクロヘキシ
ル-N'-(4-ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイ
ミド;N,N'-ジエチルカルボジイミド、N,N'-ジイソプロ
ピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド;N,N'-カルボニルビス(2-
メチルイミダゾ−ル);ペンタメチレンケテン-N-シク
ロヘキシルイミン;ジフェニルケテン-N-シクロヘキシ
ルイミン;エトキシアセチレン;1-アルコキシ-1-クロ
ロエチレン;亜リン酸トリアルキル;ポリリン酸エチ
ル;ポリリン酸イソプロピル;オキシ塩化リン;ジフェ
ニルホスホリルアジド;塩化チオニル;塩化オキサリ
ル;例えばクロロギ酸エチル;クロロギ酸イソプロピル
等のハロギ酸低級アルキル;トリフェニルホスフィン;
2-エチル-7-ヒドロキシベンズイソオキサゾリウム塩、2
-エチル-5-(m-スルホフェニル)イソオキサゾリウムヒ
ドロキシド分子内塩;N-ヒドロキシベンゾトリアゾ−
ル;1-(p-クロロベンゼンスルホニルオキシ)-6-クロロ
-1H-ベンゾトリアゾ−ル;N,N'-ジメチルホルムアミドと
塩化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチ
ル、オキシ塩化リン等との反応によって調製したいわゆ
るビルスマイヤ−試薬等のような常用の縮合剤の存在下
に反応を行うのが望ましい。反応はまたアルカリ金属炭
酸水素塩トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン、N-
(低級)アルキルモルホリン、N,N-ジ(低級)アルキル
ベンジルアミン等のような無機塩基または有機塩基の存
在下に行ってもよい。反応温度は特に限定されないが、
通常は冷却下ないし加温下に反応が行われる。
【0100】化合物(VIII)の使用量は、化合物
(I−5)に対し0.1〜10モル当量、好ましくは
0.3〜3モル当量である。反応温度は、通常、−30
℃〜100℃である。反応時間は、通常、0.5〜20
時間である。
【0101】また、混合酸無水物を用いる場合、化合物
(I−5)とクロロ炭酸エステル(例、クロロ炭酸メチ
ル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチルなど)を
塩基(例、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、
N,N−ジメチルアニリン、炭酸水素ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等)の存在下に反応させ、さ
らに化合物(VIII)と反応させる。化合物(VII
I)の使用量は、化合物(I−5)に対して、通常0.
1〜10モル当量、好ましくは0.3〜3モル当量であ
る。反応温度は、通常、−30℃〜100℃である。反
応時間は、通常、0.5〜20時間である。このように
して得られる化合物(I−6)は,公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。なお、上記D法で原料化合物として用いられ
る化合物(I−5)は、上記C法により製造される。
【0102】[E法]
【化24】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本法では、化合物(I−7)から脱水剤存在下に化合物
(I−8)を製造する。本反応は、化合物(I−7))
と脱水剤とを適宜反応させる方法等を用いて行われる。
ここにおいて脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水
トリフルオロ酢酸、五酸化りん、塩化チオニルなどが挙
げられる。脱水剤の使用量は、化合物(I−7)に対し
0.1〜100モル当量、好ましくは1〜10モル当量
である。反応温度は、通常、−30℃〜100℃であ
る。反応時間は、通常、0.5〜20時間である。この
ようにして得られる化合物(I−8)は,公知の分離精
製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再
結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製す
ることができる。なお、上記E法で原料化合物として用
いられる化合物(I−7)は、上記D法あるいはB法に
より製造される。
【0103】例えば、酸ハライドを用いる場合、反応は
塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行わ
れる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどの
ハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、1−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。こ
れらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0104】[F法]
【化25】 [式中、各記号は前記と同意義を有する。] 本法では、求核試剤と化合物(I−9)との反応により
化合物(I−10)を製造する。該求核試剤としては、
例えば、金属フェノラート、金属アルコラート、グリニ
ャール試薬、アルキル金属試薬、アリール金属試薬、チ
オアルコラートなどが用いられる。求核試剤の使用量
は、化合物(I−9)に対し、好ましくは約1〜約5モ
ル当量である。本反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさ
ない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒
としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロホルム、ジク
ロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジ
メチルホルムアミド、1−メチルピロリドンなどのアミ
ド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類など
が挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して
用いてもよい。反応温度は、通常、約−70〜約150
℃、好ましくは約−70〜約0℃である。反応時間は、
通常、約0.5〜約20時間である。このようにして得
られる化合物(I−10)は、公知の分離精製手段、例
えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、
クロマトグラフィーなどにより単離精製することができ
る。
【0105】なお、上記F法で原料化合物として用いら
れる化合物(I−9)は、D法により製造することがで
きる。
【0106】化合物(Ia’)は上記製造法以外にも、
以下に示す製造法により得ることもできる。
【0107】[G法]
【化26】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 (IX-1)は、化合物(IV)とアミドアセタール類との反
応により製造される。アミドアセタール類としては、例
えばN,N-ジアルキルホルムアミドの活性アセタール体、
好ましくはN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセター
ル、 N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、t
-ブトキシビスジメチルアミノメタン、トリスジメチル
アミノメタン、 N,N-ジメチルホルムアミドジプロピル
アセタール、N,N-ジメチルホルムアミドビス(2-トリメ
チルシリルエチル)アセタール、N,N-ジメチルホルムア
ミドジベンジルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミド
ジ-t-ブチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジ
ネオペンチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジ
シクロヘキシルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミド
ジイソプロピルアセタールなどのジメチルホルムアミド
の活性アセタール体が用いられ、より好ましくはN,N-ジ
メチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチル
ホルムアミドジエチルアセタール、トリスジメチルアミ
ノメタンなどが用いられる。該アミドアセタール類の使
用量は、化合物(IV)1モルに対して1モルないし50モ
ル、好ましくは1モルないし30モルである。この反応に
用いる溶媒としては、該反応を阻害しないものであれば
何れでも良く、例えば炭化水素類(例、n-ヘキサン、N-
ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲ
ン化炭化水素類(例、ジクロロメタン等)、エーテル類
(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等)、アミド類(例、N,N-ジメチルホルムア
ミド等のN,N-ジC1−3アルキルホルムアミド、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、エステ
ル類(例、酢酸エチル、酢酸メチル等)、ニトリル類
(例、アセトニトリル等)、スルホキシド類(例、ジメ
チルスルホキシド等)などの単独、あるいは二種以上の
混合系が挙げられる。本反応は、反応温度0ないし150
℃、好ましくは50ないし120℃で、約30分ないし24時
間、好ましくは1ないし6時間反応させることにより行わ
れる。
【0108】ここに記載のアミドアセタール類は何れも
自体公知であり、市販品として容易に入手し得る。また
化合物(IV)は公知の方法、例えばD.Primらの論文(Sy
nth.Commun.、25巻、2449頁、1995年)に記載の方法、
またはそれに準ずる方法により製造される。
【0109】[H法]
【化27】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 化合物(IX-2)は、化合物(IIa’)の脱アルコー
ル反応により製造される。本反応は、酸または塩基を用
いて行われる。酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、
リン酸などの無機酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など
の有機酸が挙げられ、塩基としては、水素化ナトリウム
などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物
類、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメ
チルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジドな
どのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアミド類、
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ
ムt-ブトキシドなどのアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の低級アルコキシド類、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
水酸化物類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシ
ウムなどの炭酸塩類、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナト
リウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭
酸水素塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビ
シクロ[5,4,0]-7-ウンデセンなどの有機塩基類が挙げら
れる。これらのうち、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸
などの無機酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機
酸が好ましく、化合物(IIa’)1モルに対して0.1モ
ルないし100モル、好ましくは1モルないし30モル用いら
れる。本反応においては、必要に応じて、該反応を阻害
しない溶媒であれば何れをも用いることができる。中で
もアルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等のC1−3アルコール)などが好ましい。ま
た、前記の酸あるいは塩基を、溶媒を兼ねて用いても良
い。本反応は、反応温度0ないし50℃、好ましくは0ない
し30℃で、約10分ないし6時間、好ましくは30分ないし3
時間反応させることにより行われる。
【0110】化合物(IIa’)は、化合物(IV)から
公知の方法、例えばA.Nangiaらの論文(Indian J.Che
m.、35B巻、49頁、1996年)に記載の方法、またはそれ
に準ずる方法により製造される。
【0111】[I法]
【化28】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 一般式(Ia')で表される化合物は、化合物(VII)を、
ヒドロキシルアミンまたはその塩、あるいはR3a'
HNH(R3a'は前記と同意義を有する。)で表さ
れるヒドラジン類またはその塩で閉環して製造される。
この反応では、化合物(IX)1モルに対して、ヒドロキ
シルアミンあるいはヒドラジン類1モルないし10モル、
好ましくは1モルないし5モル用いられる。この反応に用
いる溶媒としては、該反応を阻害しないものであれば何
れでも良いが、好ましくは、アルコール類(例、メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のC1−3アルコー
ル)や、アルコール類と適当な他の溶媒あるいは水との
混合系が用いられる。本反応では、反応速度や位置選択
性、溶解性などを調節するために酸を共存させても良
い。該酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸な
どの無機酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸
が挙げられ、化合物(IX)1モルに対して0.1モルないし
100モル、好ましくは1モルないし30モル用いられる。ま
た、溶媒を兼ねて用いても良い。本反応は、反応温度0
ないし120℃、好ましくは50ないし100℃で、約10分ない
し6時間、好ましくは1時間ないし3時間反応させること
により行われる。なお、本反応により生じる環C上のR
3a’は,R3aとして記載された置換されていてもよ
い水酸基または置換されていてもよいアミノ基に、自体
公知の方法を用いて変換することができる。
【0112】[J法]
【化29】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 化合物(IX-3)を、酸の存在下にR3a’’NHNH
で表されるヒドラジン類で閉環して、化合物(I-11)を
製造する反応では、化合物(VII-2)1モルに対して、ヒ
ドラジン類1モルないし10モル、好ましくは1モルないし
5モル用いられる。この反応に用いる溶媒としては、該
反応を阻害しないものであれば何れでも良いが、好まし
くはアルコール類(例、メタノール、エタノール、プロ
パノール等のC1−3アルコール類)が用いられる。こ
の反応における無水条件とは、実質的に無水条件下、具
体的には溶媒に水を積極的に添加しない、例えば水分含
量が約5%以下の溶媒,好ましくは水分含量が約3%以
下の溶媒,さらに好ましくは水分含量が1%以下の溶媒
を用いて反応を行うことを意味する。この反応に用いる
酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無
機酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げ
られるが、とりわけメタンスルホン酸が好ましく、化合
物(IX-3)1モルに対して0.1モルないし100モル、好ま
しくは1モルないし30モル用いられる。また、溶媒を兼
ねて用いても良い。本反応は、反応温度0ないし120℃、
好ましくは40ないし70℃で、約10分ないし6時間、好ま
しくは1時間ないし3時間反応させることにより行われ
る。
【0113】一般式(IX-3)でR13a’が環状基で
置換された水酸基の化合物は、化合物(IV)から公知の
方法、例えばD.Primらの論文(Synth.Commun.、25巻、2
449頁、1995年)に記載の方法、またはそれに準ずる方
法により製造されるが、化合物(IX)を一般的な酸加水
分解反応(例えば、溶媒としてアルコール類あるいはア
ミド類と水との混合系を用い、前記と同様の酸を化合物
(IX)1モルに対して0.1モルないし10モル用いて、反応
温度0ないし120℃で10分ないし6時間反応させる)に供
して製造しても良い。また、一般式(IX-3)におけるR
13a’として「置換されていてもよいアミノ基」を用
いることにより、化合物(IX-3)の製造の際に腐蝕性が
問題とされる三フッ化ホウ素エーテル錯体等の化合物を
用いることなく目的化合物を工業的に有利に製造するこ
とができる。
【0114】[K法]
【化30】 一般式(I)でR1aが置換されていてもよいチオール
である化合物(I-12)は次のようにして化合物(I-13)
に導かれる。まず、化合物(I-12)を酸化反応に供して
化合物(I-13)とする。酸化剤としては、メタクロロ過
安息香酸、過酢酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などの
過酸、ジオキシランなどの過酸化物、金属触媒存在下で
の過酸化水素、オキソン(商品名)などを用いることが
でき、化合物(I-12)1モルに対して2ないし10モル用い
られる。過酢酸などで酸化する際には、反応を促進させ
るために塩酸や硫酸などの酸を、化合物(I-12)1モル
に対して1ないし10モル、好ましくは2ないし5モル加え
ることが望ましい。この反応に用いる溶媒としては、該
反応を阻害しないものであれば何れでも良く、例えば炭
化水素類(例、n-ヘキサン、N-ヘプタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジ
クロロメタン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アルコ
ール類(例、メタノール、エタノール、プロパノール等
のC1−3アルコール)、アミド類(例、N,N-ジメチル
ホルムアミド等のN,N-ジC1−3アルキルホルムアミ
ド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン
等)、エステル類(例、酢酸エチル、酢酸メチル等)、
ニトリル類(例、アセトニトリル等)、スルホキシド類
(例、ジメチルスルホキシド等)、ケトン類(アセト
ン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シク
ロヘキノン等)、カルボン酸類(例、ギ酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸等)などの単独、あるいは二種以上の混合
系が挙げられる。本反応における温度や時間は用いる酸
化剤によって異なり、例えば過酢酸にて実施する場合
は、反応温度0ないし100℃、好ましくは30ないし60℃
で、1ないし24時間、好ましくは2ないし5時間反応させ
ることにより行われる。以上のようにして得られる化合
物(I-13)を置換反応に供して化合物(I-14)を製造す
る。本反応では、化合物(I-13)1モルに対してR''-OH
を1ないし2モル、好ましくは1ないし1.5モル用いる。な
お、R''−OHのR''−O部分は、R1aの置換さ
れていてもよい水酸基に相当する。本反応で用いる塩基
として、[H法]に記した塩基が挙げられるが、中でも
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ
ムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなど
が好ましく、化合物(I-13)1モルに対して1ないし3モ
ル、好ましくは1ないし2モル用いられる。この反応に用
いる溶媒としては、該反応を阻害しないものであれば何
れでも良く、例えば炭化水素類(例、n-ヘキサン、N-ヘ
プタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン
化炭化水素類(例、ジクロロメタン等)、エーテル類
(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等)、アミド類(例、N,N-ジメチルホルムア
ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン
等)、エステル類(例、酢酸エチル、酢酸メチル等)、
ニトリル類(例、アセトニトリル等)、スルホキシド類
(例、ジメチルスルホキシド等)、ケトン類(アセト
ン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シク
ロヘキノン等)などが挙げられ、中でも炭化水素類
(例、n-ヘキサン、N-ヘプタン、ベンゼン、トルエン、
キシレン等)、アミド類(例、N,N-ジメチルホルムアミ
ド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン
等)、エステル類(例、酢酸エチル、酢酸メチル等)、
ケトン類(アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−
ペンタノン、シクロヘキノン等)、エーテル類(ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等)が好ましい。これらの溶媒は、単独あるいは二種
以上の混合系として用いられる。本反応は、反応温度20
ないし120℃、好ましくは70ないし100℃で、1ないし24
時間、好ましくは2ないし6時間反応させることにより行
われる。
【0115】[L法]
【化31】 10aがカルボキシル基の保護基を示す化合物(I-
4)は、塩基の存在下ホルムアミドと反応させることに
より、一行程で化合物(I-7)に導くことができる。ホ
ルムアミドは通常溶媒を兼ねて用い、化合物(I-4)1グ
ラム当たり1ないし30ミリリットル、好ましくは2ないし
10ミリリットル用いる。本反応で用いる塩基として、
[H法]に記した塩基が挙げられるが、中でもナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブト
キシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが好ま
しく、化合物(I-4)1モルに対して1ないし10モル、好
ましくは1ないし5モル用いられる。本反応で溶媒を用い
る場合、該反応を阻害しないものであれば何れでも良い
が、アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロ
パノール等のC1−3アルコール)、アミド類(例、N,
N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、
N-メチルピロリドン、ホルムアミド等)などが好まし
い。本反応は、反応温度20ないし120℃、好ましくは70
ないし100℃で、1ないし12時間、好ましくは1ないし3時
間反応させることにより行われる。
【0116】化合物(Ia)が、Rがチオフェン環お
よび環Caの環構成炭素原子とともに置換されていても
よい炭化水素環または複素環を形成していない化合物で
ある場合、化合物(Ia)またはその塩は例えば以下に
示すA’法〜L’法あるいはこれに準ずる方法により製
造することができる。 [A’法]
【化32】 [式中、R16aはRに対応する置換されていてもよ
い炭化水素残基を示し、R17aおよびR18aは、各
々、水素原子またはR1aで例示したと同様なそれぞれ
置換されていてもよい炭化水素残基、複素環基、水酸基
またはアミノ基を示し、A1aおよびA2aは、各々、
水素原子またはR1aで例示したと同様な置換されてい
てもよい炭化水素残基、複素環基を示し、Halはハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を示
し、Qは硫黄原子、酸素原子またはNH基を示す。R
15aは、水素原子またはそれぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基、複素環基、水酸基、アシル基、スルホ
ニル基もしくはアミノ基を示す。その他の記号は、上記
と同意義を有する。] 本法では、まず化合物()を自体公知の方法によりハ
ロゲン化して化合物()とした後、化合物()のア
ミド、チオアミドあるいはアミジンとの反応により化合
物()を製造する。化合物()と化合物()との
反応は、適宜の溶媒中塩基の存在下または非存在下に行
われる。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,
1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコー
ルなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、酢酸エチ
ルあるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。該塩基
としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムte
rt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの
アルカリ金属塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素
二カリウムなどのアルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナ
トリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化
物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリ
ン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類などの塩
基が適宜選択して用いられ、これら塩基の使用量は化合
物()に対し約1〜約5モル当量が好ましく、アミ
ド、チオアミドあるいはアミジン()の使用量は化合
物()に対し約1〜約5モル当量が好ましい。本反応
は通常約0℃〜約+180℃、好ましくは約+30℃〜
約+120℃で、約30分間〜約50時間かけて行われ
る。このようにして得られる化合物()は公知の分離
精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再
結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製す
ることができる。R2aが−COOR16aである化合
物()[すなわち、化合物(4’)]を自体公知の酸
またはアルカリ加水分解反応に付すことにより対応する
カルボン酸()を製造することができ、また、化合物
)を自体公知のアミド化反応[化合物()との反
応]に付すことにより化合物()を製造することがで
きる。該アミド化反応は、例えば化合物()とオキサ
リルクロリド、塩化チオニルなどのハロゲン化剤で酸ハ
ライドに導いたのち、化合物()と反応させることに
よって行うことができる。化合物()とハロゲン化剤
との反応は通常溶媒中で行われ、該溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
類などが挙げられる。反応促進剤として例えばピリジ
ン、N,N−ジメチルホルムアミドなどを用いてもよ
い。本反応は通常約0℃〜約+120℃で、約30分間
〜約24時間かけて行われる。ハロゲン化剤の使用量は
化合物()に対して約1〜2モル当量が好ましい。得
られた酸ハライドは通常の分離精製手段によって分離し
た後化合物()との反応に付してもよく、また分離せ
ずに該酸ハライドを含む反応混合物を化合物()との
反応に付すこともできる。酸ハライドと化合物()と
の反応は通常溶媒中で行われる。該溶媒としては、例え
ばクロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テト
ラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、例えばジ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
また、過剰量の化合物()を溶媒として用いて反応を
行うこともできる。本反応は塩基の存在下または非存在
下で行うことができ、該塩基としては、例えばトリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメ
チルアニリンなどの有機塩基、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどの無機塩基などが挙げられる。化
合物()の使用量は酸ハライドに対して約1〜2モル
当量が好ましいが、過剰量の化合物()を溶媒として
用いることができる。本反応は通常約0℃〜約+120
℃で、約30分間〜約24時間かけて行われる。化合物
)のうち、QがNH基である化合物は、化合物(
−1)と化合物(−2)のように異性化し得るが、こ
れらを化合物()のハロゲン化炭化水素との反応に付
すことにより化合物(−1)および(−2)を製造
する。本反応は、適宜の溶媒中塩基の存在下または非存
在下に行われる。該溶媒としては、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ
エタンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこ
れらの混合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
などのアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキ
シドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金
属塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム
などのアルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N
−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−
ジメチルアニリンなどのアミン類などの塩基が適宜選択
して用いられ、これら塩基の使用量は化合物()に対
し約1〜約5モル当量が好ましく、ハロゲン化炭化水素
)の使用量は化合物()に対し約1〜約5モル当
量が好ましい。本反応は通常約0℃〜約+180℃、好
ましくは約+30℃〜約+120℃で、約30分間〜約
50時間かけて行われる。このようにして得られる化合
物(−1)および(−2)は公知の分離精製手段、
例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転
溶、クロマトグラフィーなどによりそれぞれ単離精製す
ることができる。
【0117】[B’法]
【化33】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物()を自体公知の方法により
アジド化して化合物(10)とした後、カルボン酸無水
物(11)(例、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸
無水物、イソ酪酸無水物など)の存在下に還元すること
により化合物(12)を製造する。該還元反応として
は、遷移金属触媒(例、パラジウム、白金、ロジウムな
ど)と水素とを用いる接触還元が好ましく、またこの反
応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該
溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチルのほ
か、酸無水物(11)に対応するカルボン酸(例、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸など)あるいはこれ
らの混合溶媒などが挙げられる。反応温度は通常約−2
0℃〜約+150℃、特に約0℃〜約+100℃が好適
であり、反応時間は約1時間〜約24時間である。この
ようにして得られる化合物(12)は公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。化合物(12)を、適宜の溶媒中または無溶
媒で、オキシ塩化リンとの反応に付すことにより、化合
物(13)を製造する。該溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどの
ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいは
これらの混合溶媒などが挙げられる。オキシ塩化リンの
使用量は、化合物(12)に対し約1〜約5モル当量が
好ましい。反応温度は通常約0℃〜約+150℃、好ま
しくは約+30℃〜約+120℃であり、反応時間は約
1時間〜約24時間である。このようにして得られる化
合物(13)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。R2aが−
COOR16aである化合物(13)を自体公知の酸ま
たはアルカリ加水分解に付すことによってR2aが−C
OOHである化合物(13)を製造することができ、ま
た、R2aが−COOHである化合物(13)を自体公
知のアミド化反応[化合物()との反応]に付すこと
によってR2aが−CONR 17a18aである化合
物(13)を製造することもできる。本反応は、化合物
’)から化合物()を導く反応、化合物()か
ら化合物()を導く反応と同様な条件下で行うことが
できる。
【0118】[C’法]
【化34】 (式中、R19aはメチル基またはエチル基を示す。そ
の他の記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物(10)を還元することにより
化合物(14)を製造する。該還元反応としては、遷移
金属触媒(例、パラジウム、白金、ロジウムなど)と水
素とを用いる接触還元が好ましく、またこの反応は、反
応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、2−メトキシエタノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、酢酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが
挙げられる。反応温度は通常約−20℃〜約+150
℃,特に約0℃〜約+100℃が好適であり、反応時間
は約1時間〜約24時間である。このようにして得られ
る化合物(14)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、
減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグ
ラフィーなどにより単離精製することができる。化合物
14)を、適宜の溶媒中または無溶媒で、一般式(
)で表されるジチオエステルとの反応に付すことによ
り、化合物(16)を製造する。該溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど
のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこれらの混合
溶媒などが挙げられる。ジチオエステル(15)の使用
量は、化合物(14)に対し約1〜約5モル当量が好ま
しい。反応温度は通常約0℃〜約+150℃、好ましく
は約+30℃〜約+120℃であり、反応時間は約1時
間〜約24時間である。このようにして得られる化合物
16)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。化合物(
)を、B’法と同様にオキシ塩化リンと反応させるこ
とにより、化合物(17)を製造する。R2aが−CO
OR16aである化合物(17)を自体公知の酸または
アルカリ加水分解反応に付すことによってR2aが−C
OOHである化合物(17)を製造することができ、ま
た、R2aが−COOHである化合物(17)を自体公
知のアミド化反応[化合物()との反応]に付すこと
によってR2aが−CONR17a18aである化合
物(17)を製造することもできる。本反応は、化合物
’)から化合物()を導く反応、化合物()か
ら化合物()を導く反応と同様な条件下で行うことが
できる。
【0119】[D’法]
【化35】 (式中、Q'は酸素原子またはNA1aを示す。その他
の記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物()をN,N−ジメチルホル
ムアミドの存在下、オキシ塩化リンとの反応に付すこと
により化合物(18)を製造する。溶媒として例えばジ
クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジ
クロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなど
のハロゲン化炭素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル
類あるいはこれらの混合溶媒を用いてもよい。N,N−
ジメチルホルムアミドおよびオキシ塩化リンの使用量
は、化合物()に対し約1〜約5モル当量が好まし
い。反応温度は通常約−20℃〜約+180℃、特に約
0℃〜約+120℃が好適であり、反応時間は約1時間
〜約24時間である。このようにして得られる化合物
18)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。化合物(
)と、化合物(19)のヒドロキシルアミン誘導体あ
るいはヒドラジン誘導体との反応により、化合物(
)を製造する。本反応は、反応に悪影響を及ぼさない
溶媒中で塩基の存在下に有利に行われる。該溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこれら
の混合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど
のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド
などのアルカリ金属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属塩、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムなどの
アルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナトリウム、水素化
カリウムなどのアルカリ金属水素化物、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチ
ルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチ
ルアニリンなどのアミン類などの塩基が適宜選択して用
いられ、これら塩基の使用量は化合物(18)に対し約
1〜約5モル当量が好ましく、ヒドロキシルアミンある
いはヒドラジン(19)の使用量は化合物(18)に対
し約1〜約5モル当量が好ましい。本反応は通常約0℃
〜約+180℃、好ましくは約+30℃〜約+120℃
で、約30分間〜約50時間かけて行われる。このよう
にして得られる化合物(20)は公知の分離精製手段、
例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転
溶、クロマトグラフィーなどによりそれぞれ単離精製す
ることができる。R2aが−COOR16aである化合
物(20)を自体公知の酸またはアルカリ加水分解反応
に付すことによってR2aが−COOHである化合物
20)を製造することができ、また、R2aが−CO
OHである化合物(20)を自体公知のアミド化反応
[化合物()との反応]に付すことによってR2a
−CONR17a18aである化合物(20)を製造
することもできる。本反応は、化合物(’)から化合
物()を導く反応、化合物()から化合物()を
導く反応と同様な条件下で行うことができる。
【0120】[E’法]
【化36】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物(18)を、適宜の溶媒中、硫
黄および硫化ナトリウムとの反応に付し、次いで塩化ス
ルフリルで処理することにより化合物(21)を製造す
る。該溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセト
ニトリルあるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。
硫黄および硫化ナトリウムの使用量は、化合物(18
に対しそれぞれ約1〜約3モル当量が好ましい。反応温
度は通常約0℃〜約+180℃、特に約+30℃〜約+
120℃が好適であり、反応時間は約1時間〜約24時
間である。このようにして得られる中間体の塩化スルフ
リル処理は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われ
る。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,
2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメトキシエタンなどのエーテル類あるいはこれら
の混合溶媒などが挙げられる。塩化スルフリルの使用量
は、化合物(18)に対し約1〜約3モル当量が好まし
い。反応温度は通常約−20℃〜約+150℃、特に約
0℃〜約+100℃が好適であり、反応時間は約1時間
〜約24時間である。このようにして得られる化合物
21)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。化合物(
)と大過剰のアンモニアとの反応により、化合物(
)を製造する。本反応は、反応に悪影響を及ぼさない
溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ
エタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メト
キシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール
類あるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。本反応
は通常約−20℃〜約+180℃、好ましくは約0℃〜
約+120℃で、約1時間〜約50時間かけて行われ
る。このようにして得られる化合物(22)は公知の分
離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、
再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどによりそれぞれ
単離精製することができる。R2aが−COOR16a
である化合物(22)を自体公知の酸またはアルカリ加
水分解反応に付すことによってR2aが−COOHであ
る化合物(22)を製造することができ、また、R2a
が−COOHである化合物(22)を自体公知のアミド
化反応[化合物()との反応]に付すことによってR
2aが−CONR17a18aである化合物(22
を製造することもできる。本反応は、化合物(’)か
ら化合物()を導く反応、化合物()から化合物
)を導く反応と同様な条件下で行うことができる。
【0121】[F’法]
【化37】 (式中、R20aはエトキシカルボニル基またはp−ト
ルエンスルホニル基を示す。その他の記号は、上記と同
意義を有する。) 本法では、上記の化合物()を、適宜の溶媒中、化合
物(23)のカルバジン酸エチルあるいはp−トルエン
スルホニルヒドラジドとの反応に付し、化合物(24
を製造する。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン
化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、2−メトキシエタノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、酢
酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。
カルバジン酸エチルあるいはp−トルエンスルホニルヒ
ドラジド(23)の使用量は、化合物()に対しそれ
ぞれ約1〜約2モル当量が好ましい。反応温度は通常約
0℃〜約+180℃、特に約+30℃〜約+120℃が
好適であり、反応時間は約1時間〜約24時間である。
このようにして得られる化合物(24)は公知の分離精
製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結
晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製する
ことができる。化合物(24)を塩化チオニルで処理す
ることにより、化合物(25)を製造する。本反応は、
適宜の溶媒中または無溶媒で行われる。該溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ンなどのエーテル類あるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。本反応は通常約−20℃〜約+180℃、好
ましくは約0℃〜約+120℃で、約1時間〜約50時
間かけて行われる。このようにして得られる化合物(
)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶
媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなど
によりそれぞれ単離精製することができる。R2aが−
COOR16aである化合物(25)を自体公知の酸ま
たはアルカリ加水分解反応に付すことによってR2a
−COOHである化合物(25)を製造することがで
き、また、R2aが−COOHである化合物(25)を
自体公知のアミド化反応[化合物()との反応]に付
すことによってR2aが−CONR17a18aであ
る化合物(25)を製造することもできる。本反応は、
化合物(’)から化合物()を導く反応、化合物
)から化合物()を導く反応と同様な条件下で行
うことができる。
【0122】[G’法]
【化38】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物(18)を、適宜の溶媒中、塩
基の存在下に、化合物(26)のチオールとの反応に付
し、化合物(27)を製造する。該溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど
のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、アセトニトリル、酢酸エチルあるいは
これらの混合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金
属塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム
などのアルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N
−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−
ジメチルアニリンなどのアミン類などの塩基が適宜選択
して用いられ、これら塩基の使用量は化合物(18)に
対し約1〜約5モル当量が好ましく、チオール(26
の使用量は化合物(18)に対し約1〜約3モル当量が
好ましい。本反応は通常約0℃〜約+180℃、好まし
くは約+30℃〜約+120℃で、約1時間〜約50時
間かけて行われる。このようにして得られる化合物(
)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶
媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなど
により単離精製することができる。上記の反応中、部分
的に化合物(28)を生成する場合もあるが、通常は化
合物(27)をアルドール型の脱水縮合反応に付して化
合物(28)を製造する。本反応は、反応に悪影響を及
ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−
ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンな
どのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、アセトニ
トリル、酢酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。該脱水反応剤としては、例えば無水酢酸、プ
ロピオン酸無水物、酪酸無水物、イソ酪酸無水物などの
低級カルボン酸無水物類、メタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸などのスルホン酸類、アミン類(ピロリ
ジン、ピペリジンなど)とカルボン酸類(酢酸、安息香
酸など)との混合物などが適宜選択して用いられる。脱
水反応剤の使用量は、化合物(27)に対し触媒量ない
し大過剰で、反応温度は通常約0℃〜約+180℃、特
に約+30℃〜約+120℃が好適であり、反応時間は
約1時間〜約50時間である。このようにして得られる
化合物(28)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減
圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラ
フィーなどによりそれぞれ単離精製することができる。
2aが−COOR16aである化合物(28)を自体
公知の酸またはアルカリ加水分解反応に付すことによっ
てR2aが−COOHである化合物(28)を製造する
ことができ、また、R2aが−COOHである化合物
28)を自体公知のアミド化反応[化合物()との
反応]に付すことによってR2aが−CONR17a
18aである化合物(28)を製造することもできる。
本反応は、化合物(’)から化合物()を導く反
応、化合物()から化合物()を導く反応と同様な
条件下で行うことができる。
【0123】[H’法]
【化39】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物()を、適宜の溶媒中、塩基
の存在下に、化合物(29)のイミンとの反応に付し、
化合物(30)を製造する。該溶媒としては、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメトキシエタンなどのエーテル類あるいはこれらの混
合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、例えばリチ
ウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミドな
どの塩基が適宜選択して用いられ、これら塩基の使用量
は化合物()に対し約1〜約2モル当量が好ましく、
イミン(29)の使用量は化合物()に対し約1〜約
2モル当量が好ましい。本反応は、まずイミン(29
を塩基で処理した後、化合物()を加えることにより
有利に行われる。反応温度は通常約−80℃〜約+10
0℃、好ましくは約−80℃〜約+30℃で、反応時間
は約30分間〜約24時間である。このようにして得ら
れる化合物(30)は公知の分離精製手段、例えば濃
縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマ
トグラフィーなどにより単離精製することができる。R
2aが−COOR16aである化合物(30)を自体公
知の酸またはアルカリ加水分解反応に付すことによって
2aが−COOHである化合物(30)を製造するこ
とができ、また、R2aが−COOHである化合物(
)を自体公知のアミド化反応[化合物()との反
応]に付すことによってR2aが−CONR17a
18aである化合物(30)を製造することもできる。
本反応は、化合物(’)から化合物()を導く反
応、化合物()から化合物()を導く反応と同様な
条件下で行うことができる。
【0124】例えば、化合物(Ia)は、次のI’法に
従っても製造できる。 [I’法]
【化40】 (式中、nは1または2を示し、その他の各記号は、上
記と同意義を有する。) 本法では、まず1,3−ジケトンを塩基、二硫化炭素お
よびハロゲン化炭化水素(31)の順で処理して、化合
物(32)のジチオエステルを製造する。本反応は、反
応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリルあるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。該塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属
水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属
アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウムなどのアルカリ金属塩、リン酸水素二ナトリ
ウム、リン酸水素二カリウムなどのアルカリ金属水素リ
ン酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアル
カリ金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−
メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリンなどのア
ミン類などの塩基が適宜選択して用いられる。これら塩
基の使用量は1,3−ジケトンに対し約1〜約2モル当
量が好ましく、二硫化炭素の使用量は1,3−ジケトン
に対し約1〜約2モル当量が好ましく、ハロゲン化炭化
水素(31)の使用量は1,3−ジケトンに対し約1〜
約2モル当量、特に約1モル当量が好ましい。本反応は
通常約−80℃〜約+150℃,好ましくは約−20℃
〜約+100℃で、約1時間〜約24時間かけて行われ
る。このようにして得られる化合物(32)は公知の分
離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、
再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製
することができる。化合物(32)を、適宜の溶媒中、
塩基の存在下に一般式(33)で表されるハロゲン化炭
化水素との反応に付すことにより、化合物(34)を製
造する。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンな
どのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタ
ノール、エチレングリコールなどのアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、酢酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。該塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属
水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属
アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウムなどのアルカリ金属塩、リン酸水素二ナトリ
ウム、リン酸水素二カリウムなどのアルカリ金属水素リ
ン酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアル
カリ金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−
メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリンなどのア
ミン類などの塩基が適宜選択して用いられ、これら塩基
の使用量は化合物(32) に対し約1〜約10モル当
量、特に約1〜約5モル当量が好ましく、ハロゲン化炭
化水素(33)の使用量は化合物(32)に対し約1〜
約2モル当量が好ましい。反応温度は通常約0℃〜約+
180℃,好ましくは約+30℃〜約+120℃であ
り、反応時間は約1時間〜約24時間である。このよう
にして得られる化合物()は公知の分離精製手段、例
えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、
クロマトグラフィーなどにより単離精製することができ
る。化合物(34)を酸化反応に付すことにより、化合
物(35)を製造する。本反応に用いる酸化剤として
は、過酢酸、過トリフルオロ酢酸、m−クロロ安息香酸
等の過酸類、過マンガン酸カリウム、酸化クロム等の酸
化金属、過酸化水素等が用いられる。本反応では、化合
物(34)に対して酸化剤を1ないし10モル当量、好
ましくは1ないし3モル当量用いる。この反応に用いる
溶媒としては、該反応を阻害しないものであれば何れで
も良く、例えばn-ヘキサン、N-ヘプタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の炭化水素類、ジクロロメタンクロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-
ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド
類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、アセト
ン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シク
ロヘキノン等のケトン類などが挙げられ、ジクロロメタ
ンクロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類が好ましい。これらの溶
媒は、単独あるいは二種以上の混合系として用いられ
る。本反応は、反応温度0℃ないし120℃、好ましく
は20ないし80℃で、1ないし24時間、好ましくは
2ないし6時間反応させることにより行われる。このよ
うにして得られる化合物(35)は、公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0125】次に、化合物(35)を種々の求核試剤との
反応に付すことにより、化合物()を製造する。該求
核試剤としては、例えば、金属フェノラート、金属アル
コラート、グリニャール試薬、アルキル金属試薬、アリ
ール金属試薬、チオアルコラート、アミンなどが用いら
れる。また、本反応においては、場合によっては塩基を
添加したほうが好ましい。使用する塩基としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、フッ化セシウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩、リン酸水素二ナ
トリウム、リン酸水素二カリウム等の金属水素リン酸
塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化
物、トリエチルアミン、ピリジン、N―メチルモルホリ
ン等のアミン類が挙げられる。求核試剤の使用量は、化
合物(35)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量で
ある。塩基を用いる場合の使用量は、化合物(35)に
対し、好ましくは約1〜約5モル当量である。本反応
は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われ
る。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、1−メチルピロリドンなどのアミド類、ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。こ
れらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反
応温度は、通常、約−70〜約150℃、好ましくは約
−20〜約100℃である。反応時間は、通常、約0.
5〜約24時間である。このようにして得られる化合物
)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精することができる。R2aが−CO
OR16aである化合物()を自体公知の酸またはア
ルカリ加水分解反応に付すことによってR2aが−CO
OHである化合物()を製造することができ、また、
2aが−COOHである化合物()を自体公知のア
ミド化反応[化合物()との反応]に付すことによっ
てR2aが−CONR 7a18aである化合物
)を製造することもできる。
【0126】[J’法]化合物(20)は以下の方法によ
っても合成できる。
【化41】 [式中、R19aおよびR20aは、各々、水素原子ま
たはR1aで例示したと同様なそれぞれ置換されていて
もよい炭化水素残基もしくは複素環基を示し、その他の
各記号は、上記と同意義を有する。] 本法では、上記の化合物()を塩基の存在下、オルト
蟻酸トリアルキルおよび三フッ化ホウ素―ジエチルエー
テル錯体との反応に付すことにより化合物(31)を製
造する。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン等の有機塩基が用いられる。溶媒とし
ては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素等のハロゲン化炭素類が好ましい。オルト蟻酸トリア
ルキル、三フッ化ホウ素―ジエチルエーテル錯体および
塩基の使用量は、化合物()に対し約1〜約10モル
当量が好ましい。反応温度は通常約―70℃〜約60
℃、特に−50℃〜30℃が好適であり、反応時間は約
1時間〜約24時間である。このようにして得られる化
合物(31)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。化合物
)をN,N―ジメチルホルムアミドジアルキルアセタ
ールまたはトリスジアルキルアミノメタンと反応するこ
とにより、化合物(32)を製造する。本反応は、反応
に悪影響を及ぼさない溶媒中または無溶媒で行われる。
該溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジ
メチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等のアミド
類が好ましい。このようにして得た化合物(31)およ
び化合物(32)を化合物(19)のヒドロキシルアミ
ン誘導体またはヒドラジン誘導体と反応することによ
り、化合物(20)を製造する。また、本反応系に酸を
添加することにより反応が促進されることがある。用い
る酸としては、上記の無機酸や有機酸が用いられる。本
反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
該溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコー
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセ
トアミド、N―メチルピロリドン等のアミド類が好まし
い。酸の使用量は、化合物()に対し約0.1〜約1
0モル当量が好ましい。反応温度は通常約0℃〜約12
0℃、特に50℃〜100℃が好適であり、反応時間は
約1時間〜約24時間である。このようにして得られる
化合物(20)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減
圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラ
フィーなどにより単離精製することができる。
【0127】化合物(Ia)は以下に示す方法によって
も、合成できる。 [K’法]
【化42】 [式中の記号は、上記と同意義を有する。Yはボロン
酸、ボロン酸エステル、亜鉛ハライド、銅ハライド、ト
リアルキルスズまたはトリフレートを示す。] 本法の原料化合物(36)は文献[WO2000047578、EP6
76395、及びモナッシュエフト フュール ケミッヒ(Mo
natshefte fur Chemie)、120巻、65頁(1987年)]公知の
化合物をそのまま利用するか、それらに記載の方法また
はそれらに準ずる方法により製造できる。化合物(
)を金属触媒の存在下に、5〜7員環にY(ボロン
酸、ボロン酸エステル、またはトリフレート)が結合し
た化合物(37)を反応させることにより、化合物(
)を製造する。本反応で使用する金属触媒としては、
一般にアリールカップリングで用いられる金属触媒が挙
げられる。例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)、ジクロロパラジウム(II)、ジアセ
トキシパラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホス
フィン)ニッケル(0)、ジクロロニッケル(II)、ジアセ
トキシニッケル(II)、第一塩化銅、第二塩化銅等が用い
られる。場合によっては、さらにホスフィン(例えばト
リフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等)を添
加するのが好ましい。本反応は、反応に悪影響を及ぼさ
ない溶媒中または無溶媒で行われる。溶媒としては、例
えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―
ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等のアミ
ド類が好ましい。化合物(37)の使用量は、化合物
36)に対しそれぞれ約1〜約5モル当量が好まし
い。金属触媒の使用量は、化合物(36)に対しそれぞ
れ約0.1〜約1モル当量が好ましい。反応温度は通常
約―70℃〜約150℃、特に20℃〜80℃が好適で
あり、反応時間は約1時間〜約24時間である。このよ
うにして得られる化合物(38)は公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0128】また、化合物(Ia)のR1aの変換は以
下の方法によっても行うことができる。 [L’法]一般式(Ia)において、R1aが置換されて
いてもよい炭化水素残基、複素環基、水酸基、またはア
ミノ基の化合物は以下の方法によって製造される。
【化43】 [式中、R1a’’は置換されていてもよい炭化水素残
基を示し、その他の各記号は、上記と同意義を有す
る。] すなわち、化合物(34)からA’法からK’法により
製造可能な化合物(39)のスルファニル基を酸化条件
に付すことにより、スルフィニル化合物またはスルホニ
ル化合物(40)を製造する。本酸化反応に使用される
酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、m−クロロ過安
息香酸、過トリフルオロ酢酸、過マンガン酸カリウム、
酸化クロム等が使用される。本反応は、反応に悪影響を
及ぼさない溶媒中または無溶媒で行われる。溶媒として
は、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭素類が好ましい。酸化
剤の使用量は、化合物(39)に対し約1〜約10モル
当量が好ましい。反応温度は通常約0℃〜約100℃、
特に0℃〜50℃が好適であり、反応時間は約1時間〜
約24時間である。このようにして得られる化合物(
)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶
媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなど
により単離精製することができる。次に、化合物(
)に対し必要に応じて塩基の存在下に求核剤を反応さ
せることにより、化合物()を製造する。求核剤とし
ては、グリニャール試薬、有機リチウム試薬等の有機金
属試薬、芳香族アルコール、脂肪族アルコール等のアル
コール類、芳香族アミン、脂肪族アミン等のアミン類を
用いることができる。塩基としては、上記の無機塩基お
よび有機塩基を使用することができる。本反応は、反応
に悪影響を及ぼさない溶媒中または無溶媒で行われる。
溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、
クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N
―ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセトアミ
ド、N―メチルピロリドン等のアミド類が好ましい。求
核剤および塩基の使用量は、化合物(39)に対しそれ
ぞれ約1〜約10モル当量が好ましい。反応温度は通常
約―70℃〜約100℃、特に−20℃〜50℃が好適
であり、反応時間は約1時間〜約24時間である。この
ようにして得られる化合物()は公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0129】上記製造法で用いられる、あるいは得られ
る全ての化合物は、特に明記がなくとも対応する塩を含
むものとし、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
により、相互に変換することができる。
【0130】本発明で用いられる化合物またはその塩が
不斉分子である場合は、通常の光学分割手段により、d
体、l体に分離することができる。
【0131】本発明で用いられる化合物またはその塩
は、例えば、溶媒抽出、減圧濃縮、結晶化、再結晶、蒸
留、クロマトグラフィーなどの手段により、単離・精製
することができる。
【0132】本発明で用いられる化合物またはその塩の
製造において、得られる化合物またはその塩は、反応液
のままあるいは充分に精製することなく、次の工程に用
いても良い。化合物(Ia)化合物(Ia)化合物(I
a)化合物(Ia)化合物(Ia)
【0133】水不溶性または水難溶性薬物におけるベン
ゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体としては、例
えば、特開平3−232880号公報(ヨーロッパ特許
出願公開公報第376197号公報)、特開平4−36
4179号公報(ヨーロッパ特許出願公開公報第460
488号公報)および特開平8−231569号公報
(ヨーロッパ特許出願公開公報第719782号公報)
および特開平2000−72678号公報(WO00/
09100号公報)等に記載の化合物またはその塩が挙
げられるが、なかでも、式(X):
【化44】 [式中、環Aaは置換されていてもよいベンゼン環を、
Raは水素原子または置換されていてもよい炭化水素基
を、Baはエステル化またはアミド化されていてもよい
カルボキシ基を、Xaは−CH(OH)−または−CO−
を、kaは0または1を、k'aは0、1または2を示
す。]で示される化合物〔以下、化合物(X)と称する
こともある〕またはその塩が好ましい。
【0134】上記式(X)において、環Aaで示される
置換されていてもよいベンゼン環における置換基として
は、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていて
もよいアルキル基、置換されていてもよい水酸基、置換
されていてもよいメルカプト基、置換されていてもよい
アミノ基、アシル基、モノ−またはジ−アルコキシホス
ホリル基、ホスホノ基、置換されていてもよいアリール
基、置換されていてもよいアラルキル基または置換され
ていてもよい芳香族複素環基が用いられ、これらの置換
基は同一または異なって1ないし4個、好ましくは1な
いし2個、ベンゼン環上に置換していてもよい。
【0135】該「ハロゲン原子」としては、例えばフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等が用いられる。該「置換され
ていてもよいアルキル基」におけるアルキル基として
は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニルまたはデシル等)、炭素数3〜7のシクロア
ルキル基(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シク
ロヘキシルまたはシクロヘプチル等)等が用いられ、こ
れらは、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等)、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘ
キシルオキシ等)、モノ−またはジ−C−6アルコキ
シホスホリル基(例えば、メトキシホスホリル、エトキ
シホスホリル、ジメトキシホスホリル、ジエトキシホス
ホリルなど)、ホスホノ基等で1〜3個置換されていて
もよい。置換されたアルキル基の具体例としては、例え
ばトリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリクロ
ロメチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、
メトキシエチル、1−メトキシエチル、2−メトキシエ
チル、2,2−ジエトキシエチル、2−ジエトキシホス
ホリルエチル、ホスホノメチル等が挙げられる。
【0136】該「置換されていてもよい水酸基」におけ
る置換された水酸基としては、例えばアルコキシ基、ア
ルケニルオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ
基、アリールオキシ基等が用いられる。該「アルコキシ
基」としては、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ
基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、
tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘ
プチルオキシまたはノニルオキシ等)、炭素数4〜6の
シクロアルコキシ基(例、 シクロブトキシ、シクロペン
トキシまたはシクロヘキシルオキシ等)等が用いられ
る。該「アルケニルオキシ基」としては、好ましくは炭
素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えばアリルオキ
シ、クロチルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキ
セニルオキシ、2−シクロペンテニルメトキシまたは2
−シクロヘキセニルメトキシ等が用いられる。該「アラ
ルキルオキシ基」としては、好ましくは炭素数6〜19
のアラルキルオキシ基、さらに好ましくは炭素数7〜1
4のアリール−炭素数1〜4のアルキルオキシ基(例、
ベンジルオキシ、 フェネチルオキシ等)が用いられ
る。該「アシルオキシ基」としては、好ましくはアルカ
ノイルオキシ基、例えば炭素数2〜10のアルカノイル
オキシ基(例、 アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、
n-ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ等)が用いられ
る。該「アリールオキシ基」としては、好ましくは炭素
数6〜14のアリールオキシ基(例、 フェノキシ、ビフ
ェニルオキシ等)が用いられる。これらの基はさらに、
例えば上記したと同様のハロゲン原子、水酸基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、モノ−またはジ−C−6アル
コキシホスホリル基、ホスホノ基等で1〜3個置換され
ていてもよい。置換された水酸基の具体例としては、例
えばトリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエ
トキシ、ジフルオロメトキシ、2−メトキシエトキシ、
4−クロロベンジルオキシ、2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)エトキシ等が挙げられる。
【0137】該「置換されていてもよいメルカプト基」
における置換されたメルカプト基としては、例えばアル
キルチオ基、アラルキルチオ基、アシルチオ基等が用い
られる。該「アルキルチオ基」としては、好ましくは炭
素数1〜10のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘ
キシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ等)、炭素数4
〜6のシクロアルキルチオ基(例、 シクロブチルチオ、
シクロペンチルチオ、 シクロヘキシルチオ等)等が用
いられる。該「アラルキルチオ基」としては、好ましく
は炭素数7〜19のアラルキルチオ基、さらに好ましく
は炭素数6〜14のアリール−炭素数1〜4のアルキル
チオ基、例えばベンジルチオまたはフェネチルチオ等が
用いられる。該「アシルチオ基」としては、好ましくは
アルカノイルチオ基、例えば炭素数2〜10のアルカノ
イルチオ基(例、 アセチルチオ、プロピオニルチオ、n-
ブチリルチオ、ヘキサノルチオ等)が用いられる。これ
らの基はさらに例えば、上記したと同様のハロゲン原
子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、モノ−また
はジ−C1−6アルコキシホスホリル基、ホスホノ基等
で1〜3個置換されていてもよい。置換されたメルカプ
ト基の具体例としては、例えばトリフルオロメチルチ
オ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、2−メトキシ
エチルチオ、4−クロロベンジルチオ、3,4−ジクロ
ロベンジルチオ、4−フルオロベンジルチオ、2−(3,
4−ジメトキシフェニル)エチルチオ等が挙げられる。
【0138】該「置換されていてもよいアミノ基」にお
ける置換されたアミノ基の置換基としては、上記したと
同様の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10の
アルケニル基(例、アリル、ビニル、2−ペンテン−1
−イル、3−ペンテン−1−イル、2−ヘキセン−1−
イル、3−ヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセニ
ル、2−シクロペンテニル、2−メチル−2−プロペン
−1−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル等)、
炭素数6〜14のアリール基(例、フェニル、ナフチル
等)または炭素数7〜19のアラルキル基(例、ベンジ
ル、フェネチル等)が1個または、同一または異なって
2個用いられ、これらの置換基は上記したと同様のハロ
ゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、モノ−または
ジ−C1− アルコキシホスホリル基、ホスホノ基等で
置換されていてもよい。置換されたアミノ基の具体例と
しては、例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチル
アミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルア
ミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノまたはN
−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチル−N−(4
−クロロベンジル)アミノ、N,N−ジ(2−メトキシエ
チル)アミノ等が挙げられる。
【0139】該「アシル基」としては、有機カルボン酸
アシル基または炭素数1〜6の炭化水素基[例、C
1−6アルキル(例、メチル、エチル、n-プロピル、ヘ
キシル等)、フェニル等]を有するスルホン酸アシル基
等が用いられる。該「有機カルボン酸アシル基」として
は、例えばホルミル、炭素数1〜10のアルキル−カル
ボニル基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バ
レリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、シ
クロブタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シ
クロヘプタンカルボニル等)、炭素数2〜10のアルケ
ニル−カルボニル基(例、クロトニル、2−シクロヘキ
センカルボニル等)、炭素数6〜14のアリール−カル
ボニル基(例、ベンゾイル等)、炭素数7〜19のアラ
ルキル−カルボニル基(例、べンジルカルボニル、ベン
ズヒドリルカルボニル等)、5または6員芳香族複素環
カルボニル基(例、ニコチノイル、4−チアゾリルカル
ボニル等)、5または6員芳香族複素環アセチル基
(例、3−ピリジルアセチル、 4−チアゾリルアセチ
ル等)が用いられる。該「炭素数1〜6の炭化水素基を
有するスルホン酸アシル基」としては、例えばメタンス
ルホニル、エタンスルホニル等が用いられる。これらの
基はさらに置換基、例えば上記したと同様のハロゲン原
子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基等
で1〜3個置換されていてもよい。アシル基の具体例と
しては、例えばトリフルオロアセチル、トリクロロアセ
チル、4−メトキシブチリル、3−シクロヘキシルオキ
シプロピオニル、4−クロロベンゾイル、3,4−ジメ
トキシベンゾイル等が挙げられる。
【0140】該「モノ−またはジ−アルコキシホスホリ
ル基」としては、例えばメトキシホスホリル、エトキシ
ホスホリル、プロポキシホスホリル、イソプロポキシホ
スホリル、ブトキシホスホリル、ペンチルオキシホスホ
リル、ヘキシルオキシホスホリル等のモノ−C1−6
ルコキシホスホリル基、例えばジメトキシホスホリル、
ジエトキシホスホリル、ジプロポキシホスホリル、ジイ
ソプロポキシホスホリル、ジブトキシホスホリル、ジペ
ンチルオキシホスホリル、ジヘキシルオキシホスホリル
等のジ−C1−6アルコキシホスホリル基等が用いられ
る。好ましくはジ−C1−6アルコキシ基、例えばジメ
トキシホスホリル、ジエトキシホスホリル、ジプロポキ
シホスホリル、ジイソプロポキシホスホリル、エチレン
ジオキシホスホリル、ジブトキシホスホリル等が用いら
れる。該「置換されていてもよいアリール基」における
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリ
ール基、例えばフェニル、ナフチル、アントリル等が用
いられ、これらは上記したと同様の炭素数1〜10のア
ルキル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアル
コキシ基等で1〜3個置換されていてもよい。置換され
たアリール基の具体例としては、例えば4−クロロフェ
ニル、3,4−ジメトキシフェニル、4−シクロヘキシ
ルフェニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチ
ル等が挙げられる。
【0141】該「置換されていてもよいアラルキル基」
におけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜
19のアラルキル基、例えばベンジル、ナフチルエチ
ル、トリチル等が用いられ、芳香環上に上記した炭素数
1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、炭素数
1〜6のアルコキシ基等で1〜3個置換されていてもよ
い。置換されたアラルキル基の具体例としては、例えば
4−クロロベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、4
−シクロヘキシルベンジル、5,6,7,8−テトラヒド
ロ−2−ナフチルエチル等が挙げられる。該「置換され
ていてもよい芳香族複素環基」における芳香族複素環基
としては、好ましくは窒素原子、酸素原子および/また
は硫黄原子を1〜4個有する5〜6員芳香族複素環基、
例えばフリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、
オキサゾリル、チアジアゾリル等が用いられ、これらの
基は上記した炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原
子、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ等で1〜3個置
換されていてもよい。
【0142】2個のアルキル基がベンゼン環Aa上で互
いに隣接して置換されている場合、互いに連結して式:
−(CH)ma−〔式中、maは3〜5の整数を示す〕
で表わされるアルキレン基(例、トリメチレン、テトラ
メチレン、ペンタメチレン等)を形成してもよく、2個
のアルコキシ基が互いに隣接して置換されている場合、
式:−O−(CH)na−O−〔式中、naは1〜3の
整数を示す〕で表されるアルキレンジオキシ基(例、メ
チレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオ
キシ等)を形成してもよい。このような場合は、ベンゼ
ン環の炭素原子とともに5〜7員環が形成される。
【0143】上記式(X)において、Raは水素原子ま
たは置換されていてもよい炭化水素基を示す。Raで示
される「置換されていてもよい炭化水素基」における炭
化水素基としては、アルキル基(好ましくは、炭素数1
〜10のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、ヘキシル等が挙げられる。)、上記したと同様の
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10のアルケニル
基)、さらに、それぞれ上記したと同様の、アリール基
(好ましくは炭素数6〜14のアリール基)、アラルキ
ル基(好ましくは炭素数7〜19のアラルキル)等が用
いられる。炭化水素基上の置換基としては、5〜6員芳
香族複素環基(例、フリル、チエニル、イミダゾリル、
チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル等)、上記
したと同様のハロゲン原子、上記したと同様のジ−C
1−6アルコキシホスホリル基、ホスホノ基等が用いら
れる。
【0144】上記式(X)において、Baはエステル化
またはアミド化されていてもよいカルボキシル基を示
す。Baで示される「エステル化されていてもよいカル
ボキシル基」におけるエステル化されたカルボキシル基
としては、例えばアルコキシカルボニル基、好ましくは
1−10アルコキシカルボニル基(例、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
ブトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル
基、好ましくはC6−14アリールオキシカルボニル基
(例、フェノキシカルボニル等)、アラルキルオキシカ
ルボニル基、好ましくはC7−19アラルキルオキシカ
ルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル等)等が用
いられる。
【0145】Baで示される「アミド化されていてもよ
いカルボキシル基」におけるアミド化されたカルボキシ
ル基は、好ましくは、式:−CON(Ra)(Ra)
〔式中、Ra、Raはそれぞれ水素原子、置換され
ていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい5
〜7員複素環基を示す。〕で表される置換されていても
よいカルバモイル基が挙げられる。Ra、Raで示
される「置換されていてもよい炭化水素基」における炭
化水素基としては、アルキル基、好ましくは炭素数1〜
10のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-
ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)、アル
ケニル基、好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基
(例、アリル、ビニル、2−ペンテン−1−イル、3−
ペンテン−1−イル、2−ヘキセン−1−イル、3−ヘ
キセン−1−イル、2−シクロヘキセニル、2−シクロ
ペンテニル、2−メチル−2−プロペン−1−イル、3
−メチル−2−ブテン−1−イル等)、アリール基、好
ましくは炭素数6〜14のアリール基(例、フェニル、
ナフチル、アントリル等)、アラルキル基、好ましくは
炭素数7〜19のアラルキル基(例、ベンジル、ナフチ
ルエチル、トリチル等)等が用いられ、これらの炭化水
素基は、例えば(i)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素等)、(ii)水酸基、(iii)炭素数1〜6のア
ルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシ等)、(iv)1個または、同一または異なって2個の
炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチ
ル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、ヘキシル等)で置換されていてもよいアミノ基
(例、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチル
アミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ等)、(v)
1個または、同一または異なって2個のアシル基(例、
炭素数1〜10のアルカノイル基等)で置換されたアミ
ノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベン
ゾイルアミノ等)、(vi)1個または、同一または異なっ
て2個の炭素数1〜6のアルキル基で置換されていても
よいカルバモイル基(例、カルバモイル、メチルカルバ
モイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル
等)、(vii)C −6アルコキシカルボニル基(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカル
ボニル等)、(viii)モノ−またはジ−アルコキシホスホ
リル基〔例、モノ−またはジ−C1−6アルコキシホス
ホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル、ジエトキシ
ホスホリル、エチレンジオキシホスホリル等)等〕、(i
x)モノ−またはジ−アルコキシホスホリルアルキル基
〔例、モノ−またはジ−C −6アルコキシホスホリル
−C1−3アルキル基(例、メトキシホスホリルメチ
ル、エトキシホスホリルメチル、メトキシホスホリルエ
チル、エトキシホスホリルエチル、ジメトキシホスホリ
ルメチル、ジエトキシホスホリルメチル、ジメトキシホ
スホリルエチル、ジエトキシホスホリルエチル等)
等〕、(x)式
【化45】 〔式中、pは2ないし4の整数を示す。〕、 (xi)ホスホノ基、(xii)芳香族複素環基(上記と同意
義)等で1〜3個置換されていてもよい。
【0146】Ra、Raで示される「置換されてい
てもよい5〜7員複素環基」における5〜7員複素環基
としては、例えば1個の硫黄原子、窒素原子または酸素
原子を含む5〜7員複素環基、2〜4個の窒素原子を含
む5〜6員複素環基、1〜2個の窒素原子および1個の
硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が用い
られ、これらの複素環基は2個以下の窒素原子を含む6
員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と
縮合していてもよい。該「置換されていてもよい5〜7
員複素環基」が有していてもよい置換基としては、上記
RaおよびRaで示される「置換されていてもよい
炭化水素基」の炭化水素基が有していてもよい置換基と
同様のものが1ないし4個用いられる。Ra、Ra
で示される5〜7員複素環基の好ましい例としては、例
えば2−ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジ
ニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサ
ゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾ
リル、トリアジニル、トリアゾリル、チエニル、ピロリ
ル、ピロリニル、フリル、ピロリジニル、ベンゾチエニ
ル、インドリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、ピペ
リジノ、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、ピ
リド[2,3−d]ピリミジル、ベンゾピラニル、1,8−
ナフチリジル、キノリル、チエノ[2,3−b]ピリジル
等が挙げられる。
【0147】RaとRaは、互いに連結して式:−
N(Ra)(Ra)が5〜7員環を形成していてもよ
く、このような環としては、例えばモルホリン、チオモ
ルホリン、ピペリジン、ホモピペラジン、ピペラジン、
ピロリジン、ピロリン、ピラゾリン、イミダゾリン、イ
ミダゾリジン、チアゾリジン、アゼピン等が挙げられ
る。RaおよびRaで示される「置換されていても
よい炭化水素基」の好ましい例である置換されたアルキ
ル基の具体例としては、例えばトリフルオロメチル、ト
リフルオロエチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチ
ル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−
エトキシエチル、2,2−ジメトキシエチル、2,2−ジ
エトキシエチル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメ
チル、4−ピリジルメチル、2−(2−チエニル)エチ
ル、3−(3−フリル)プロピル、2−モルホリノエチ
ル、3−ピロリルブチル、2−ピペリジノエチル、2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N−メチル−N
−エチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジイソプロピル
アミノ)エチル、5−(N,N−ジメチルアミノ)ペンチ
ル、N,N−ジメチルカルバモイルエチル、N,N−ジメ
チルカルバモイルペンチル、エトキシカルボニルメチ
ル、イソプロポキシカルボニルエチル、tert−ブトキシ
カルボニルプロピル、2−ジエトキシホスホリルエチ
ル、3−ジプロポキシホスホリルプロピル、4−ジブト
キシホスホリルブチル、エチレンジオキシホスホリルメ
チル、2−ホスホノエチル、3−ホスホノプロピル等、
置換されたアラルキル基の具体例としては、例えば4−
クロロベンジル、3−(2−フルオロフェニル)プロピ
ル、3−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシフェネ
チル、4−エチルベンジル、4−(3−トリフルオロメ
チルフェニル)ブチル、4−アセチルアミノベンジル、
4−ジメチルアミノフェネチル、4−ジエトキシホスホ
リルベンジル、2−(4−ジプロポキシホスホリルメチ
ルフェニル)エチル等、置換されたアリール基の具体例
としては、例えば4−クロロフェニル、4−シクロヘキ
シルフェニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフ
チル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−ヒドロキ
シフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、6−メ
トキシ−2−ナフチル、4−(4−クロロベンジルオキ
シ)フェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル、4−プロ
ピオニルフェニル、4−シクロヘキサンカルボニルフェ
ニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−ベンゾイルア
ミノフェニル、4−ジエトキシカルバモイルフェニル、
4−tert−ブトキシカルボニルフェニル、4−ジエトキ
シホスホリルフェニル、4−ジエトキシホスホリルメチ
ルフェニル、4−(2−ジエトキシホスホリルエチル)フ
ェニル、2−ジエトキシホスホリルメチルフェニル、3
−ジエトキシホスホリルメチルフェニル、4−ジプロポ
キシホスホリルフェニル、4−(2−ホスホノエチル)フ
ェニル、4−ホスホノメチルフェニル、4−ホスホノフ
ェニル等、置換された5〜7員複素環基の具体例として
は、 例えば5−クロロ−2−ピリジル、3−メトキシ−
2−ピリジル、5−メチル−2−ベンゾチアゾリル、5
−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル、3−フェニ
ル−5−イソオキサゾリル、4−(4−クロロフェニル)
−5−メチル−2−オキサゾリル、3−フェニル−1,
2,4−チアジアゾ−ル−5−イル、5−メチル−1,
3,4−チアジアゾール−2−イル、5−アセチルアミ
ノ−2−ピリミジル、3−メチル−2−チエニル、4,
5−ジメチル−2−フラニル、4−メチル−2−モルホ
リニル等が挙げられる。
【0148】上記のうち、環Aaは好ましくは同一また
は異なって、ハロゲン原子、置換されていてもよいアル
キル基、置換されていてもよい水酸基、置換されていて
もよいメルカプト基および/または置換されていてもよ
いアミノ基の1またはそれ以上、より好ましくは1また
は2個で置換されていてもよいベンゼン環である。より
好ましい環Aaとしては、同一または異なって、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜10(さらに好ましくは炭素数1〜
5)のアルキル基、炭素数1〜10(さらに好ましくは
炭素数1〜5)のアルコキシ基、式:−O−(CH)n
a−O−〔式中、naは1〜3の整数を示す〕で表され
るアルキレンジオキシ基および/または炭素数1〜10
(さらに好ましくは炭素数1〜5)のアルキルチオ基の
1または2個で置換されていてもよいベンゼン環であ
る。環Aaの特に好ましい例としては、式:−O−(C
)na−O−〔式中、naは1〜3の整数を示す〕で
表されるアルキレンジオキシ基で隣接する炭素原子が置
換されたベンゼン環である。Raは水素原子、C1−6
アルキル基(例えば、メチル、エチル等)またはフェニ
ル基が好ましい。
【0149】Baは、例えばアルコキシ−カルボニル基
および式:−CON(Ra)(Ra )〔式中、Ra
Raはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化
水素基または置換され ていてもよい5〜7員複素環基
を示す〕で表される基などが好ましい。RaおよびR
の好ましい例は、Raが水素原子または炭素数1
〜10のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル
等)で、Raがハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素
等)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ
等)、モノ−またはジ−アルコキシホスホリル(例、ジ
メトキシホスホリル、ジエトキシホスホリルなどのモノ
−またはジ−C1−6アルコキシホスホリル等)、モノ
−またはジ−アルコキシホスホリルアルキル(例、ジメ
トキシホスホリルメチル、ジエトキシホスホリルメチル
などのモノ−またはジ−C1−6アルコキシホスホリル
−C1−6アルキルなど)(ジ−C1−6アルコキシに
おけるジアルキルは、一緒になってC1−6アルキレン
基となっていてもよい)またはC1−6アルコキシカル
ボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
等)で置換されていてもよいフェニルまたはフェニル−
1−3アルキル基、あるいはフェニル基で置換されて
いてもよい1または2個の窒素原子あるいは1個の窒素
原子と1個の硫黄原子をもつ5または6員環複素環基
(例、ピリジル等)である。RaおよびRaのより
好ましい例としては、Raが水素原子で、Raがモ
ノ−またはジ−C1−6アルコキシホスホリル−C
1−3アルキルで置換されたフェニル基(例、4−ジエ
トキシホスホリルメチルフェニル等)である。
【0150】上記式(X)において、Xaは−CH(O
H)−または−CO−を示し、好ましくは、−CO−で
ある。上記式(X)において、kaは0または1、k'
aは0、1または2を示し、好ましくはkaが1で、
k'aは0の場合である。
【0151】化合物(X)のさらに好ましい例として
は、例えば式(XI)
【化46】 〔式中、RaはC1−6アルキル基を示し、Ra
よびRaはそれぞれC 1−6アルキル基を示すか、ま
たは一緒になってC1−6アルキレン基を示す〕で表さ
れる光学活性ベンゾチエピン誘導体が挙げられる。
【0152】上記式(XI)において、Ra、Ra
およびRaで示される「C1−6アルキル基」として
は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等のア
ルキル基が挙げられ、好ましくは、炭素数1ないし4の
アルキル基が挙げられる。RおよびRは一緒になっ
て、C1−6アルキレン基を形成してもよく、この場合
例えば、
【化47】 〔式中、 pは2ないし4の整数を示す。〕で表すことが
できる。Ra、RaおよびRaとしては、例えば
それぞれメチル、エチル等の炭素数1ないし4のアルキ
ル基等が好ましい。化合物(IIa)は、(2R,4S)
配位の光学活性体であって、(2S,4R)配位の化合
物を実質的に含まず、光学純度が100%に近いほど好
ましいものである。
【0153】化合物(IIa)の特に好ましい例として
は、例えば(2R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシ
ホスホリルメチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒ
ドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オ
キソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミド
【化48】 またはその塩である。
【0154】本発明で用いられるベンゾチオピランもし
くはベンゾチエピン誘導体の塩は、好ましくは薬理学的
に許容される塩が用いられる。薬理学的に許容される塩
としては、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸と
の塩、有機酸との塩または塩基性若しくは酸性アミノ酸
との塩等が用いられる。ベンゾチオピランもしくはベン
ゾチエピン誘導体の塩を形成させ得る塩としては、無機
塩基としては、アルカリ金属(例、ナトリウム、カリウ
ム等)、アルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシ
ウム等)が、有機塩基としては、例えばトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N,N−
ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン等
が、無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸、リン酸、硝酸、硫酸等が、有機酸としては、ギ酸、
酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、酒石酸、フマール
酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸等が、塩基性ま
たは酸性アミノ酸としては、例えばアルギニン、リジ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸等が用いられる。
【0155】なお、本発明で用いられるベンゾチオピラ
ンもしくはベンゾチエピン誘導体またはその塩は、例え
ば、特開平3−232880号公報(ヨーロッパ特許出
願公開公報第376197号公報)、特開平4−364
179号公報(ヨーロッパ特許出願公開公報第4604
88号公報)、特開平8−231569号公報(ヨーロ
ッパ特許出願公開公報第719782号公報)に記載さ
れた方法と同一の方法、これらと類似の方法またはこれ
らに準じた方法により製造することができる。
【0156】本発明で用いられる濡れ性改善剤(wettin
g agent)は薬理学的に許容される物であればよく、糖
または糖誘導体、リン脂質、界面活性剤(アニオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤)、両親媒性高分子重合体、蛋白質、無機塩類、ポリ
エチレングリコール等が挙げられる。これらは1種で使
用してもよく、または2種以上を適宜組み合わせて使用
してもよい。糖または糖誘導体としては、例えば、グル
コース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の
単糖類、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハ
ロース等の二糖類、デンプン、セルロース、マンニトー
ル、カルボキシメチルセルロースまたはそのアルカリ金
属塩、クロスカルメロースまたはそのアルカリ金属塩、
カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチ
ルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースや
ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシア
ルキルセルロース、メチルセルロースやエチルセルロー
ス等のアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート等のヒドロキシアルキルセルロー
スフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースア
セテートサクシネート等のヒドロキシアルキルセルロー
スアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセ
ルロース等のカルボキシアルキルセルロース、酢酸フタ
ル酸セルロース、スルフォブチル‐βシクロデキストリ
ン、G2‐βシクロデキストリン、ヒアルロン酸または
そのアルカリ塩、プルラン、キチン、キトサンまたはそ
の塩等が挙げれる。リン脂質としては、薬理学的に許容
される物であればよく、例えば、卵黄や大豆あるいはそ
の他の動植物の組成に由来する、レシチン、フォスファ
チジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フ
ォスファチジン酸、フォスファチジルグリセロール、フ
ォスファチジルイノシトール、フォスファチジルセリ
ン、スフィンゴミエリン等、またはこれらの水素添加
物; 全合成あるいは半合成的に得られる高純度のフォ
スファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミ
ン、フォスファチジン酸、フォスファチジルグリセロー
ル、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジル
セリン、スフィンゴミエリン等; さらにはこれらのリ
ン脂質の誘導体、例えばポリエチレングリコール等を修
飾したフォスファチジルエタノールアミン等が挙げられ
る。
【0157】上記フォスファチジルコリンとしては、好
ましくはC12−26ジアシルフォスファチジルコリ
ン、より好ましくはC14−18ジアシルフォスファチ
ジルコリン(例えば、ジステアロイルフォスファチジル
コリン,ジパルミトイルフォスファチジルコリン,ジミ
リストイルフォスファチジルコリン,ジラウロイルフォ
スファチジルコリン,ジオレオイルフォスファチジルコ
リン,1−ミリストイル−2−パルミトイルフォスファ
チジルコリン,1−パルミトイル−2−ミリストイルフ
ォスファチジルコリン,1−パルミトイル−2−ステア
ロイルフォスファチジルコリン,1−ステアロイル−2
−パルミトイルフォスファチジルコリン等)が用いられ
る。上記フォスファチジルエタノールアミンとしては、
好ましくはC12−26ジアシルフォスファチジルエタ
ノールアミン、より好ましくはC14−18ジアシルフ
ォスファチジルエタノールアミン(例えば、ジパルミト
イルフォスファチジルエタノールアミン、ジミリルトイ
ルフォスファチジルエタノールアミン等)が用いられ
る。上記フォスファチジン酸としては、好ましくはC
12−26ジアシルフォスファチジン酸、より好ましく
はC14−18ジアシルフォスファチジン酸(例えば、
ジパルミトイルフォスファチジン酸、ジミリストイルフ
ォスファチジン酸等)が用いられる。上記フォスファチ
ジルグリセロールとしては、好ましくはC12−26
アシルフォスファチジルグリセロール、より好ましくは
14−18ジアシルフォスファチジルグリセロール
(例えば、ジステアロイルフォスファチジルグリセロー
ル、ジパルミトイルフォスファチジルグリセロール、ジ
ミリストイルフォスファチジルグリセロール、ジラウロ
イルフォスファチジルグリセロール、ジオレオイルフォ
スファチジルグリセロール等)が用いられる。上記フォ
スファチジルイノシトールは、フォスファチジルイノシ
トールのみならず、その1リン酸および2リン酸等であ
ってもよく、フォスファチジルイノシトールとしては、
好ましくはC12−26ジアシルフォスファチジルイノ
シトール、より好ましくはC14−18ジアシルフォス
ファチジルイノシトールが用いられる。上記フォスファ
チジルセリンとしては、好ましくはC12−26ジアシ
ルフォスファチジルセリン、より好ましくはC
14−18ジアシルフォスファチジルセリン(例えば、
ジパルミトイルフォスファチジルセリン、ジミリストイ
ルフォスファチジルセリン、ブレインフォスファチジル
セリン等)が用いられる。上記スフィンゴミエリンとし
ては、好ましくはC12−26ジアシルスフィンゴミエ
リン、より好ましくはC14−18ジアシルスフィンゴ
ミエリン(例えば、ブレインスフィンゴミエリン、ジパ
ルミトイルスフィンゴミエリン、ジステアロイルスフィ
ンゴミエリン等)が挙げられる。
【0158】レシチンの水素添加物を得る際の、水素添
加は自体公知の方法により行うことができる。リン脂質
としては、ポリエチレングリコールで修飾されていない
リン脂質が好ましい。リン脂質としては、好ましくはC
12−26アシル基を有するリン脂質、より好ましくは
14−18アシル基を有するリン脂質、さらに好まし
くはC12− 26アシル基を2個有するリン脂質、とり
わけ好ましくはC14−18アシル基を2個有するリン
脂質が用いられる。なかでも、好ましくはC12−26
ジアシルフォスファチジルコリン、より好ましくはC
14−18ジアシルフォスファチジルコリン(例えば、
ジステアロイルフォスファチジルコリン,ジパルミトイ
ルフォスファチジルコリン,ジミリストイルフォスファ
チジルコリン,ジラウロイルフォスファチジルコリン,
ジオレオイルフォスファチジルコリン,1−ミリストイ
ル−2−パルミトイルフォスファチジルコリン,1−パ
ルミトイル−2−ミリストイルフォスファチジルコリ
ン,1−パルミトイル−2−ステアロイルフォスファチ
ジルコリン,1−ステアロイル−2−パルミトイルフォ
スファチジルコリン等)が挙げられる。
【0159】界面活性剤としては、非イオン性界面活性
剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤、天然物由来の界面活性剤などが用いられる。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレ
ンオキシド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサ
イド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価ア
ルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高
級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ア
ミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレノキサイ
ド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリ
トールの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエ
ーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド、などが
用いられる。非イオン性界面活性剤の中でも、例えば、
ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンヒマシ油(polyethoxylated castor
oil)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(polyethoxy
lated hydrogenated castor oil)、ポリオキシエチレ
ンポリプロピレングリコール共重合体、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが好ま
しく用いられる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、
特に、モノステアリン酸ソルビタン(商品名:SS-10、
日光ケミカルズ(株))、セスキオレイン酸ソルビタン
(商品名:SO-15、日光ケミカルズ(株))、トリオレ
イン酸ソルビタン(商品名:SO-30、日光ケミカルズ
(株))などが好適である。ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルとしては、特に、ポリソルベート2
0(商品名:TL-10、日光ケミカルズ(株))、40
(商品名:TP-10、日光ケミカルズ(株))、60(商
品名:TS-10、日光ケミカルズ(株))、80(商品
名:TO-10、日光ケミカルズ(株))などが好適であ
る。ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、
特に、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(10E.
O.)(商品名:MYL-10、日光ケミカルズ(株))などが
好適である。ショ糖脂肪酸エステルとしては、特に、シ
ョ糖パルミチン酸エステル類(例えば商品名:S-1670、
三菱化学フーズ(株))、ショ糖ステアリン酸エステル
類(例えば商品名:P-1670、三菱化学フーズ(株))な
どが好適である。ポリオキシエチレンヒマシ油(polyet
hoxylated castor oil)としては、特に、ポリオキシエ
チレングリセロールトリリシノレート35(Polyoxy 35
Castor Oil、商品名クレモホールELもしくはEL−
P、ビーエーエスエフジャパン(株))などが好適であ
る。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(polyethoxylate
d hydrogenated castor oil)としては、特に、ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油50(Polyoxyethylene Hydr
ogenated Castor Oil 50)、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油60(Polyoxyethylene Hydrogenated Castor Oi
l 60)などが好適である。ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレングリコール共重合体(酸化エチレンと酸化
プロピレンのブロック・コポリマー)としては、特に、
ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グ
リコール(商品名:プルロニック F-68、BASF
(株))、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピ
レン(67)グリコール(商品名:プルロニック F-127、BA
SF(株))、プルロニックL-121(BASF(株))などが
好適である。グリセリン脂肪酸エステルとしては、モノ
ステアリン酸グリセリル(MGS シリーズ、日光ケミカル
ズ(株))などが好適である。ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとしては、特に、テトラグリセリンモノステアリ
ン酸(MS-310、阪本薬品工業(株))デカグリセリンモ
ノラウリン酸(Decaglyn 1-L、日光ケミカルズ(株))
などが好適である。
【0160】アニオン界面活性剤としては、例えば、硫
酸エステル類(例、高級アルコール硫酸エステル塩、高
級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化
脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸、硫酸化オレフィン)、
スルホン酸塩(例、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、イゲポンT型、エアロゾルOT
型)、リン酸エステル類(例、高級アルコールエチレン
オキサイド付加物のリン酸エステル塩)、ジチオリン酸
エステル塩などが用いられる。アニオン性界面活性剤の
中でも、例えば、グリココール酸ナトリウムやデオキシ
コール酸ナトリウムなどの胆汁酸塩類やステアリン酸や
カプリン酸ナトリウムなどの脂肪酸やその塩類、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなどが好適である。カチオン界面活性
剤としては、例えば、アミン塩型カチオン界面活性剤
(例、高級アルキルアミンからつくられるアミン塩型カ
チオン界面活性剤、低高級アルキルアミンからつくられ
るアミン塩型カチオン界面活性剤)、第4級アンモニウ
ム塩型カチオン界面活性剤(例、高級アルキルアミンか
らつくられる第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性
剤、低高級アルキルアミンからつくられる第4級アンモ
ニウム塩型界面活性剤、例えば、塩化ベンザルコニウム
など)などが用いられる。両性界面活性剤としては、例
えば、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面
活性剤などが用いられる。天然由来の界面活性剤として
は、精製卵黄レシチン(商品名:PL-100H、キューピー
(株))や水素添加大豆レシチン(商品名:レシノール
S-10、日光ケミカルズ(株))などのレシチン類など
が用いられる。
【0161】両親媒性高分子重合体としては、例え
ば、、ポリビニルピロリドン等のポリアルケニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレングリコール共重合体(酸化エチレンと
酸化プロピレンのブロック・コポリマー)(例えば、ポ
リオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリ
コール(商品名:プルロニック F-68、BASF(株))、
ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グ
リコール(商品名:プルロニック F-127、BASF
(株))、プルロニックL-121(BASF(株))、ポリア
ルキレングリコール(例、ポリエチレングリコール)な
どが挙げられる。蛋白質としては、例えば、グリシン、
フィブリン、コラーゲン、ゼラチン等が挙げられる。無
機塩類等としては、例えば、塩化ナトリウム、リン酸水
素ナトリウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン
酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシ
リカ、酸化マグネシウムなどの無機塩類等が挙げられ
る。
【0162】また、本発明では、濡れ性改善剤に加え
て、さらに所望により添加剤(例、親水性重合体、防腐
剤、抗酸化剤など)が添加されていてもよい。親水性重
合体としては、例えばメタアクリル酸コポリマー(オイ
ドラギット(登録商標)L-100-55)等のアクリル酸エチ
ルおよびメタアクリル酸の共重合体;メタアクリル酸コ
ポリマーL、メタアクリル酸コポリマーS等のメタアク
リル酸メチルおよびメタアクリル酸の共重合体など、ア
ミノアルキルメタアクリレートコポリマーE;ポリビニ
ルアセタールジエチルアミノアセテートなど、メタアク
リル酸コポリマーRL,メタアクリル酸コポリマーRS
等のアクリル酸エチルおよびメタアクリル酸メチルの少
量の4級アンモニウムグループを含む共重合体、カルボ
キシビニルポリマー、アラビアゴム、アルギン酸ナトリ
ウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カン
テン、ゼラチンなどが挙げられる。防腐剤としては、例
えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒ
ドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤とし
ては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げら
れる。これらの添加剤は、単独で、または2種以上を混
合して使用してもよい。また、添加剤の含量および濃度
は、後述する濡れ性改善剤と同様の範囲であればよい。
【0163】本発明で用いられる有機溶媒は、水性溶媒
に対して混和性の有機溶媒であれば特に限定されない。
このような水性溶媒に対して混和性の有機溶媒は、水性
溶媒の種類によっても異なるが、例えば、酸(例、酢
酸、塩酸、硫酸)、アルコール類(例、メタノール、エ
タノール、ジエチルアルコール、グリセリン等)、アセ
トニトリル、アセトン、ジメチルスルフォキシド、酢酸
エチル等が用いられる。これらは適宜の割合で混合して
用いてもよい。
【0164】本発明で用いられる水性溶媒は、水不溶性
または水難溶性薬物を含有する有機溶媒溶液に対して混
和性のものであれば特に限定されない。該水性溶媒とし
ては、水または、水と親水性有機溶媒との混合液が挙げ
られる。親水性有機溶媒としては、例えば、C1−3
ルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール
等);アセトニトリル等が挙げられる。このような親水
性有機溶媒は、水100重量部に対して、好ましくは約
0〜約50重量部、より好ましくは約0〜約10重量部
添加されてもよい。本発明で用いられる水性溶媒として
は、好ましくは水が用いられる。
【0165】懸濁性の良好な微粒の水不溶性または水難
溶性薬物の製造において、有機溶媒中の濡れ性改善剤の
含量は水不溶性または水難溶性薬物100重量部に対し
て、例えば約0.01ないし約1000重量、好ましく
は約0.1ないし約500重量部、より好ましくは約1
ないし約200重量部用いられる。水性溶媒中の濡れ性
改善剤の濃度は、好ましくは約0.0001%ないし約
20%(w/w)である。更に好ましくは約0.001
%ないし約10%(w/w)、特に好ましくは約0.0
05%ないし約5%(w/w)である。また、濡れ性改
善剤は有機溶媒および水性溶媒の両者に含有されていて
もよく、この場合の使用する濡れ性改善剤全体の含量と
しては、水不溶性または水難溶性薬物100重量部に対
して、約0.01ないし約10000重量部が好まし
く、これを前述の割合になるように有機溶媒および水性
溶媒の両者に振り分けて使用する。有機溶媒中の水不溶
性または水難溶性薬物の濃度は、好ましくは約1ないし
約1000mg/mL、より好ましくは約10ないし約5
00mg/mL、さらに好ましくは約10ないし約250m
g/mLである。調製時に粘膜付着性ポリマー、例えばカ
ルボキシビニルポリマー(商品名:ハイビスワコー、和
光純薬工業(株)など)などを添加することにより、微
粒薬物に粘膜付着性を付与することができる。また、ア
クリルポリマー(商品名:オイドラギットS100などのオ
イドラギットシリーズ、樋口商会)を添加することによ
り、微粒薬物からの薬物の溶出制御を行うことができ
る。以下に、微粒の水不溶性または水難溶性薬物の製造
法の例を詳述する。
【0166】本法においては、少なくとも一方の溶媒に
濡れ性改善剤が溶解した、水不溶性または水難溶性薬物
を含有する水性溶媒混和性の有機溶媒溶液と、水性溶媒
とを急速に混合する。該有機溶媒溶液と水性溶媒を混合
する工程はいかなる方法でもよく、例えば、該有機溶媒
溶液に水性溶媒を加える方法、水性溶媒に該有機溶媒溶
液を加える方法、または該有機溶媒溶液と水性溶媒を他
の容器に同時に移す方法等を含む。有機溶媒溶液および
水性溶媒の温度は、不溶性または水難溶性薬物が分解せ
す、かつ溶解できる温度であれば如何なる温度でもよ
い。製造を簡便にするために、例えば、室温(1〜30
℃)、あるいは常温(15〜25℃)で行ってもよい。
混合は、混合器〔例、スタティックミキサー(ノリタケ
カンパニー)〕内を圧空とともに通過させること、ある
いは例えば密閉系で約0.1秒〜60分、好ましくは約
1秒〜30分強く振盪すること(振盪攪拌)、あるいは
超音波照射、タービン型撹拌器、ホモジナイザー〔例、
ポリトロン(キネマチカ社)〕、高圧ホモジナイザー、
プロペラ型攪拌機等を用いて行っもよい。例えば、ホモ
ジナイザーを用いる場合は500ないし50000rp
mで約0.1秒ないし60分間攪拌する。この時の混合
速度は、水不溶性または水難溶性薬物を含有する有機溶
媒溶液を、約0.0001〜100L/分、好ましくは
約0.001〜10L/分、さらに好ましくは約0.0
1〜1L/分の混合速度で、水性溶媒に対して混合す
る。この時の水性溶媒の体積は、例えば、水不溶性また
は水難溶性薬物を含有する有機溶媒溶液の体積の約1〜
1000倍、更に好ましくは約3〜500倍、特に好ま
しくは約5〜100倍、とりわけ好ましくは約5〜50
倍から選ばれる。得られた混合液を、必要により有機溶
媒を除去してもよい。有機溶媒の除去は、通常用いられ
る方法が採用される。該方法としては、例えば、フィル
ターを用いてろ過するか、遠心操作後に上清を除去する
か、プロペラ型攪拌機、あるいはマグネチックスターラ
ーなどで撹拌しながら徐々に減圧して行うか、ロータリ
ーエバポレーター等を用いて、真空度を調節しながら有
機溶媒を除去するか、スプレードライヤー(噴霧乾燥
機)の乾燥室内に噴霧し、極めて短時間内に溶媒を揮発
させる方法等が挙げられる。このように有機溶媒を除去
し、または同時に微粒の水不溶性または水難溶性薬物を
固化させてもよい。その後、必要であれば、加温(要す
れば減圧下)により、微粒の水不溶性または水難溶性薬
物中の残留有機溶媒あるいは水性溶媒を更に除去しても
よい。
【0167】以上のようにして製造された微粒の水不溶
性または水難溶性薬物は、水不溶性または水難溶性薬物
100重量部に対し、約0.001〜10重量部、好ま
しくは約0.01〜5重量部、より好ましくは約0.1
〜1重量部の濡れ性改善剤が含有または/および付着
し、分散性が改善されている。なお濡れ性改善剤は、水
不溶性または水難溶性薬物に染み込んでいてもよく、ま
た薬物表面に表在していてもよく、さらに薬物表面全面
に付着していてもよいし、部分的に付着していてもよ
い。これにより薬物の分散性が改善される。すなわち、
濡れ性改善剤が存在しない場合は薬物粒子が連なってし
まうが、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム
(CMC-Na)などのような濡れ性改善剤が存在すると、薬
物粒子の連なりが分断され、分散性が改善される。
【0168】微粒の水不溶性または水難溶性薬物の薬物
放出期間は、例えば約1日以上、好ましくは約2日ない
し3ヶ月、より好ましくは約3日ないし3ヶ月、さらに
好ましくは約1週間ないし1ヶ月である。なお、微粒の
水不溶性または水難溶性薬物の平均粒子経は光散乱法や
コールターカウンターを用いて測定される。
【0169】水不溶性または水難溶性薬物は、例えば、
水不溶性または水難溶性薬物微粒子として、あるいは水
不溶性または水難溶性薬物微粒子を原料物質として種々
の剤形に製剤化することにより、非経口剤〔非血管内へ
の注射剤(例えば、関節内、骨近傍、筋肉内、皮下、臓
器等への注射剤または埋め込み剤またはペースト剤);
血管内への注射剤又は点滴剤; 鼻腔、直腸、子宮等
への経粘膜剤等〕、経口剤〔例えば、錠剤、カプセル剤
(例えば、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シームレスカ
プセル剤(森下仁丹)等)、顆粒剤、散剤等の固形製
剤、懸濁剤等の液剤等。これらは徐放剤であってもよ
い。〕等として投与することができる。これらの製剤を
投与すると、1回の投与で薬物血中濃度が持続する効果
が得られる。また、種々の医療用器具、例えば人工関
節、人工歯根、人工心肺、人工心臓、人工皮膚、培養皮
膚、人工臓器、培養臓器、細胞医薬品、外科用接着剤
〔例えばFocalSeal(Focal, Inc.、
USA)、ティシール(日本臓器製薬)、ボルヒール
(藤沢薬品工業)、ベリプラストP(ヘキストジャパ
ン)など〕、カルシウムを含む外科用セメント〔バイオ
ペックス(三菱マテリアル)など)などに結合、塗布、
包埋、分散などをさせて同時に使用することができる。
また、再生医療の分野で、細胞や組織や臓器の処理等に
使用することができる。
【0170】微粒の水不溶性または水難溶性薬物は、懸
濁剤として注射剤として用いられることが好ましい。微
粒の水不溶性または水難溶性薬物は、例えば、水;植物
油;中鎖脂肪酸トリグリセリド等の分散媒を用いて水性
懸濁剤または油性懸濁剤とすることができる。例えば、
水不溶性または水難溶性薬物微粒子を、分散剤(例え
ば、ポリソルベート80(ポリオキシソルビタンモノオ
レエート)、Tween80、HCO−60、レオドー
ル等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類
等),保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラ
ベン等)および/または等張化剤(例えば、塩化ナトリ
ウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、マ
ンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)等と共に水性
懸濁剤とすることにより注射剤が得られる。また、微粒
の水不溶性または水難溶性薬物を、ゴマ油,コーン油等
の植物油あるいはこれにレシチン等のリン脂質を混合し
たもの、または中鎖脂肪酸トリグリセリド(例えば、ミ
グリオール812)と共に分散して油性懸濁剤とするこ
とにより注射剤が得られる。上記注射剤のうち、非血管
内への注射剤が好ましく、とりわけ皮下や筋肉内や関節
内や骨折部位への注射剤が好ましい。
【0171】微粒の水不溶性または水難溶性薬物および
/または微粒の水不溶性または水難溶性薬物を原料物質
として得られる種々の製剤を無菌製剤にするには、製造
全工程を無菌にする方法、高圧蒸気で滅菌する方法、ガ
ンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方法等が挙げ
られるが、特に限定されない。
【0172】微粒の水不溶性または水難溶性薬物および
/または微粒の水不溶性または水難溶性薬物を原料物質
として得られる種々の製剤は、毒性が低い。従って、使
用する水不溶性または水難溶性薬物に応じて、ヒトを含
む哺乳動物(例、ヒト、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネ
コ、ラット、マウス、ウサギなど)の各種疾患の予防治
療薬として用いることができる。
【0173】例えば、化合物(Ia)、(X)またはそ
の塩を用いた場合には、それらは、優れたアルカリフォ
スファターゼ誘導活性、およびコンドロモデュリン産生
促進作用および/または発現増強作用を有することか
ら、強力な骨形成促進作用、前駆骨芽細胞を含めた骨芽
細胞分化誘導ならびに分化誘導促進作用、軟骨形成促進
作用、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化誘導ならびに
分化誘導促進作用を、さらにはBMP作用増強作用が期
待される。このような分化誘導ならびに分化誘導促進作
用は、骨芽細胞および軟骨細胞分化のみならず、様々な
細胞の分化誘導に作用する。また、化合物(Ia)、
(X)またはその塩は、神経栄養因子の作用増強活性が
期待される。さらに、化合物(Ia)、(X)またはそ
の塩は、抗マトリックスメタロプロテアーゼ(抗MM
P)活性が期待される。加えて、安定性、体内利用性等
の臨床上有用な性質に優れている。
【0174】化合物(Ia)、(X)またはその塩に強
力な骨形成促進作用、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分
化誘導および分化誘導促進作用、軟骨形成促進作用、前
駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化誘導および分化誘導促
進作用、さらにはBMP作用増強作用が期待されること
から、例えば骨形成促進剤、骨疾患予防治療剤、骨折予
防治療剤、軟骨形成促進剤および軟骨疾患予防治療剤と
して、具体的には整形外科領域における単純骨折、難治
性骨折、骨癒合不全、偽関節、再骨折、骨変形・変形脊
椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝
性骨疾患; 骨欠損、骨粗鬆症,骨軟化症、くる病、線
維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ペーチェット病、硬直性
脊髄炎等の代謝性骨疾患;または変形性関節症及びそれ
らの類似疾患、慢性関節リウマチなどの軟骨疾患に代表
される関節疾患の予防治療薬として、多発性骨髄腫、肺
癌、乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤として、用いる
ことができる。また、骨掻爬後の骨形成を促進するため
に自家骨移植、人工骨移植、と併用する事ができる歯科
領域においては、歯周病の治療、歯周疾患における歯周
組織欠損の修復、人工歯根の安定化、顎堤形成および口
蓋裂の修復などにも応用が期待できる。また、化合物
(Ia)、(X)またはその塩は神経栄養因子の作用増
強活性を有することが期待されることから、アルツハイ
マー型痴呆症及び一般の老人性痴呆症、運動ニューロン
障害(筋萎縮性側索硬化症など)、糖尿病性の末梢神経
障害など種々の神経変性に基づく疾患の治療及び予防が
期待できる。さらに、化合物(Ia)、(X)またはそ
の塩を含有する製剤は抗MMP活性が期待されることか
ら、変形性関節症、慢性関節リウマチ、動脈硬化症、癌
転移などのMMPの関与する疾病の治療及び予防が期待
できる。
【0175】微粒の水不溶性または水難溶性薬物の投与
量は、使用する水不溶性または水難溶性薬物の種類と含
量、薬物の溶出時間、投与対象動物などにより異なる
が、それぞれの薬物の有効量であればよい。例えば、水
不溶性または水難溶性薬物として化合物(Ia)または
その塩を用いて水性懸濁注射剤として関節内に投与する
場合、成人(体重50kg)1人あたり、1回の投与量
として、水不溶性または水難溶性薬物の量として、例え
ば約0.1mg以上,好ましくは約0.2mg〜約50
0mg,より好ましくは約0.5mg〜約200mgが
用いられる。例えば、水不溶性または水難溶性薬物とし
て化合物(Ia)またはその塩を用いて水性懸濁剤注射
剤として関節内に投与する場合、成人(体重50kg)
1人あたりの1回の投与量は、水性媒体に分散させた微
粒の水不溶性または水難溶性薬物の投与容積として、好
ましくは約0.1〜50mL,より好ましくは約0.2
〜10mL,さらに好ましくは約0.5〜5mLであ
る。例えば、水不溶性または水難溶性薬物として化合物
(Ia)またはその塩を用いて水性懸濁剤注射剤として
関節内に投与する場合、成人(体重50kg)1人あた
りの1回の投与における有効成分の濃度は、水性媒体に
分散させた微粒水不溶性または水難溶性薬物における該
薬物の濃度として、例えば約0.1mg/mL以上,好
ましくは約0.1〜300mg/mL,より好ましくは
約0.2〜200mg/mL、さらに好ましくは約0.
5〜50mg/mL(例、20mg/mL等)である。
例えば、水不溶性または水難溶性薬物として化合物(I
a)またはその塩を用いて水性懸濁剤注射剤として関節
内に投与する場合、成人(体重50kg)1人あたりの
投与頻度は、例えば約1日以上に1回、好ましくは約2日
ないし3ヶ月に1回、より好ましくは約3日ないし約3
ヶ月に1回、さらに好ましくは約1週間ないし1ヶ月に
1回の間隔である。微粒の水不溶性または水難溶性薬物
は、例えば、懸濁状態または乾燥状態で冷所(例えば冷
蔵庫内)または室温で、凝集することなく、長期間安定
に保存できる。
【0176】
【実施例】以下に、参考例、実施例および試験例を挙げ
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 参考例1 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ[3,4-
g]インダゾール-6-カルボキサミドの製造: a) 4,5,6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルホニル-4-オキ
ソベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステ
ル:4,5,6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルファニル-4-オ
キソベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステ
ル(5.0g)のジクロロメタン溶液(150ml)に氷冷下、m-ク
ロロ過安息香酸(16.0g)を加え、24時間室温で攪拌し
た。反応溶液を減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルで希
釈した。析出した結晶を濾取し、炭酸水素ナトリウム水
溶液及び水で洗浄後、さらに酢酸エチル-ヘキサンで洗
浄し、題記化合物(5.5g,98%)を淡黄色結晶として得た。
酢酸エチル-THFより再結晶し、淡黄色プリズム晶を得
た。融点:199−200℃。 b) 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソ-3-フェノキシベン
ゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル:4,5,
6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルホニル-4-オキソベンゾ
[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル(6.0g)と
フェノール(2.2g)のテトラヒドロフラン溶液(50ml)に水
素化ナトリウム(1.0g)を加え,室温で14時間撹拌した。
反応液にクエン酸水溶液を加えた後減圧下濃縮し,残留
油状物を水に注ぎ,酢酸エチルで抽出した。有機層を乾
燥(MgSO4)後,溶媒を減圧下留去し粗結晶を得た。酢酸
エチル−ジイソプロピルエーテルより再結晶を行い題記
化合物(5.0g,80%)を無色プリズム晶として得た。融点:
125−127℃。 c) 5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキ
ソ-3-フェノキシベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸
エチルエステル:三フッ化ホウ素エーテル錯体(4.54ml)
のジクロロメタン(20ml)溶液を-40℃に冷却したオルト
ぎ酸トリエチル(5.0g)に滴下した。その溶液を氷冷下15
分間撹拌後、-70℃に冷却した。その溶液に4,5,6,7-テ
トラヒドロ-4-オキソ-3-フェノキシベンゾ[c]チオフェ
ン-1-カルボン酸 エチルエステル(4.78g)のジクロロメ
タン(25ml)溶液、次いでジイソプロピルエチルアミン
(7.44ml)を滴下した。-70℃で1時間撹拌後、反応溶液を
炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出
した。有機層を水、希塩酸、飽和食塩水で順次洗浄後、
乾燥(MgSO4)、減圧下濃縮した。得られた結晶を酢酸エ
チル-ヘキサンから再結晶し、題記化合物(6.3g,100%)を
無色針状晶として得た融点:73−73℃。 d) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエステルお
よび4,5-ジヒドロ-2-メチル-8-フェノキシ-2H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエステル:
5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソ-3
-フェノキシベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチ
ルエステル(6.32g)、メチルヒドラジン一水和物(0.7
g)、2N塩酸(23mL)およびエタノール(50mL)の混合溶液を
3時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し,残留物を
酢酸エチルで希釈した。有機層を水,炭酸水素ナトリウ
ム水溶液,飽和食塩水で順次洗浄後,乾燥(MgSO4),減
圧下濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で
溶出する部分より題記化合物をそれぞれ無色プリズム晶
として得た。4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエス
テル(2.38g, 44%)、融点:91−93℃(再結晶溶媒:AcOEt
-hexane)。4,5-ジヒドロ-2-メチル-8-フェノキシ-2H-チ
エノ[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエステ
ル(0.87g, 16%)、融点:89−90℃(再結晶溶媒:AcOEt-h
exane)。 e) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸:4,5-ジヒドロ-1-
メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-1
-カルボン酸エチルエステル(2.03g),エタノ−ル(50mL)
および0.6N水酸化カリウム水溶液(20mL)の混合液を室温
で14時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し,2N塩酸
で酸性にした後,酢酸エチル−THFの混合液で抽出し
た。有機層は水,飽和食塩水で順次洗浄後,乾燥(MgS
O4),減圧下濃縮した。得られた粗結晶をテトラヒドロ
フランより再結晶し題記化合物(1.87g, 100%)を無色針
状晶として得た。融点:259−261℃ f) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド:4,5-ジヒドロ
-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ[3,4-g]インダゾー
ル-6-カルボン酸(0.50g),HOBt-NH3 (0.26g),WSC(0.36
g)およびDMF(10ml)の溶液を室温で14時間撹拌した。反
応液を減圧下濃縮し残留油状物に水を注ぎ酢酸エチル−
THFの混合液で抽出した。有機層を水,飽和食塩水で順
次洗浄後,乾燥(MgSO4),減圧下濃縮した。得られた粗
結晶を酢酸エチルで再結晶し,題記化合物(0.49g,99%)
を無色プリズム晶として得た。融点:200−202℃
【0177】参考例2 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]
インダゾール-6-カルボキサミドの製造: a) 3-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソベンゾ
[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル:4,5,6,
7-テトラヒドロ-3-メチルスルホニル-4-オキソベンゾ
[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル(6.0g)の
無水THF溶液(300ml)に1M ベンジルマグネシウムブロミ
ド エーテル溶液(21ml)を滴下した。その混合物を室温
で2時間攪拌後、反応溶液にクエン酸水溶液を加えた。T
HFを減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥(MgSO4)、減圧下濃縮
した。得られた残留油状物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付した。酢酸エチル-ヘキサン(1:5)で溶出
する部分より、題記化合物(1.3g,21%)を淡黄色針状晶と
して得た。酢酸エチル-ヘキサンより再結晶し、無色結
晶を得た。融点:96−97℃。 b) 3-ベンジル-5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒ
ドロ-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エ
チルエステル:参考例1c)と同様にして、3-ベンジル-4,
5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-
カルボン酸 エチルエステルより題記化合物(収率:100
%)を淡黄色油状物として得た。1 H-NMR(δ ppm in CDCl3): 1.14(3H,t,J=7.4Hz), 1.25
(3H,t,J=7.4Hz), 1.28(3H,t,J=7.4Hz), 2.0-2.4(2H,m),
2.74(1H,dt,J=4.4, 9.8Hz), 2.92(1H,ddd,J=5.6,10.4,
18.0Hz), 3.5-3.9(5H,m), 4.28(2H,q,J=7.4Hz), 4.59
(2H,s), 5.11(1H,d,J=3.6Hz), 7.2-7.4(5H,m). c) 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステル及び8-
ベンジル-4,5-ジヒドロ-2-メチル-2H-チエノ[3,4-g]イ
ンダゾール-6-カルボン酸 エチルエステル:参考例1d)
と同様にして、3-ベンジル-5-ジエトキシメチル-4,5,6,
7-テトラヒドロ-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カル
ボン酸 エチルエステルより、8-ベンジル-4,5-ジヒド
ロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボ
ン酸エチルエステル(収率:79%)を淡黄色油状物とし
て、また8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-2-メチル-2H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステル(収
率:20%)を淡黄色油状物として得た。8-ベンジル-4,5-
ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-
カルボン酸 エチルエステル: 1H-NMR(δ ppm in CDC
l3): 1.33(3H,t,J=7.2Hz), 2.64(2H,t,J=6.8Hz), 3.20
(2H,t,J=6.8Hz), 3.97(3H,s), 4.30(2H,q,J=7.2Hz), 4.
38(2H,s), 7.2-7.4(5H,m), 7.44(1H,s).8-ベンジル-4,
5-ジヒドロ-2-メチル-2H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6
-カルボン酸 エチルエステル: 1H-NMR(δ ppm in CDCl
3): 1.32(3H,t,J=7.0Hz), 2.75(2H,t,J=7.2Hz), 3.30(2
H,t,J=7.2Hz), 3.92(3H,s), 4.27(2H,q,J=7.0Hz), 4.62
(2H,s), 7.18(1H,s), 7.2-7.5(5H,m). d) 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボン酸:参考例1e)と同様にし
て、8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステルより、
題記化合物(収率:84%)を淡黄色結晶として得た。融
点:300℃以上(再結晶溶媒:THF-MeOH)。 e) 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボキサミド:参考例1f)と同様
にして、8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸より、題記化合物
(収率:94%)を淡黄色プリズム晶として得た。融点:126
−127℃(再結晶溶媒:AcOEt)。
【0178】参考例3 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1H-チ
エノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミドの製造: a) 5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-3-メチ
ルスルファニル-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カル
ボン酸 エチルエステル:参考例1c)と同様にして、4,5,
6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルファニル-4-オキソベン
ゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステルより、
題記化合物(収率:100%)を無色針状晶として得た。融
点:115−116℃ b) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルファニル-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエス
テル:参考例1d)と同様にして、5-ジエトキシメチル-4,
5,6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルファニル-4-オキソベ
ンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステルよ
り、題記化合物(収率:77%)を淡黄色プリズム晶として
得た。融点:113−114℃(再結晶溶媒:AcOEt-hexane)。 c) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルホニル-1H-チ
エノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステ
ル:4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルファニル-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエス
テル(80g)をトリフルオロ酢酸(240ml)に溶解した。氷冷
下、30%過酸化水素水(80ml)を滴下し、室温で6時間攪拌
した。反応液を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、析出
した結晶を濾取した。酢酸エチルより再結晶を行い、題
記化合物(79g,90%)を黄色針状晶として得た。融点:14
0−141℃ d) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエ
ステル:4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルホニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエ
ステル(2.0g)及びチオフェノール(0.60ml)のTHF溶液(70
ml)に氷冷下、60%水素化ナトリウム(0.26g)を加え、同
温度で30分、さらに室温で5時間攪拌した。反応溶液を
クエン酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層
を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、乾燥(MgSO4)した。
溶媒を減圧下留去し、得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル-ヘキサン
(1:2)で溶出する部分より、題記化合物(0.90g,41%)を淡
黄色油状物として得た。1H-NMR(δ ppm in CDCl3): 1.3
5(3H,t,J=7.4Hz), 2.65(2H,t,J=6.8Hz), 3.26(2H,t,J=
6.8Hz), 4.16(3H,s), 4.32(2H,q,J=7.4Hz), 7.1-7.3(5
H,m). e) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸:参考例1
e)と同様にして、4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルス
ルファニル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン
酸 エチルエステルより、題記化合物(収率:92%)を無色
プリズム晶として得た。融点:286−287℃。 f) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド:参考
例1f)と同様にして、4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニ
ルスルファニル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カル
ボン酸より、題記化合物(収率:95%)を無色プリズム晶
として得た。融点:205−206℃。
【0179】参考例1に準じた方法により、参考例4ない
し11の化合物を合成した。
【0180】参考例4 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3,4-メチレンジオキシフェ
ノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサ
ミド 融点:204−205℃
【0181】参考例5 8-(4-ベンジルオキシフェノキシ)-4,5-ジヒドロ-1-メチ
ル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド 融点:200−201℃
【0182】参考例6 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(4-メトキシフェノキシ)-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド 融点:203−205℃
【0183】参考例7 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(4-トリフルオロメトキシフ
ェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキ
サミド 融点:212−213℃
【0184】参考例8 4,5-ジヒドロ-8-(3,4-メチレンジオキシフェノキシ)-1-
(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-チエノ[3,4-g]インダ
ゾール-6-カルボキサミド 融点:216−218℃
【0185】参考例9 4,5-ジヒドロ-8-(2,3-ジメチルフェノキシ)-1-(2,2,2-
トリフルオロエチル)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6
-カルボキサミド 融点:190−191℃
【0186】参考例10 4-{[6-(アミノカルボニル)-1-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-8-イル]オキシ}ベンジルホ
スホン酸 エチルエステル 融点:92−93℃
【0187】参考例11 4-{[6-(アミノカルボニル)-2-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-8-イル]オキシ}ベンジルホ
スホン酸 エチルエステル 融点:180−181℃
【0188】参考例12 N-エチル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3,4-メチレンジオ
キシフェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カ
ルボキサミドの製造:参考例4で得られるN-エチル-4,5-
ジヒドロ-1-メチル-8-(3,4-メチレンジオキシフェノキ
シ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸(1.50
g)のTHF懸濁液(50ml)にオギザリルクロリド(0.7ml)およ
びN,N-ジメチルホルムアミド(3滴)を氷冷下に加え、室
温で30分撹拌後、減圧下濃縮した。残留物にTHF(50ml)
を加えた溶液に、氷冷下70%エチルアミン溶液(2ml)を
加え30分間撹拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで
抽出した。有機層は水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を留去した。
残留油状物をカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸
エチル-ヘキサン(3:2)から溶出する部分より、題記化合
物(1.36g,84%)を無色針状晶として得た。融点:138−13
9℃。参考例1に準じた方法により、参考例13の化合物を
合成した。
【0189】参考例13 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[4-(2-キノリニルメトキシ)
フェノキシ]-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボ
キサミド 融点:214−215℃
【0190】実施例1 250mgの参考例4で得られた化合物を3mLの酢酸に40℃で
溶解し、これをマイレクスフィルター(日本ミリポア、直
径13mm、孔径0.20μm)でフィルターろ過滅菌した。この溶
液と、同じくろ過滅菌した40℃の50mLの0.05%カルボキシ
メチルセルロースナトリウム(CMC-Na)水溶液を、ポリト
ロン(Kinematica、回転数、15000rpm)を用いて急速に混和
し、参考例4で得られた化合物を含有する微粒子を得た。
その後、遠心と上清の除去を3回繰り返し、最終的に0.5%
カルボキシメチルセルロースナトリウム、5%マンニトー
ル水溶液で分散し、参考例4で得られた化合物が約20mg/m
Lの濃度となる懸濁液を得た。 実施例2〜30 実施例1に準ずる方法で、表1に示す条件のもとで微粒の
化合物を調製し、懸濁液を得る。
【0191】
【表1】
【0192】実施例31 250mgの参考例4で得られた化合物と375mgのジステアロ
イルフォスファチジルコリン(DSPC)を3mLの酢酸に60℃
で溶解し、これをマイレクスフィルター(日本ミリポ
ア、直径13mm、孔径0.20μm)でフィルターろ過滅菌した。
この溶液と、同じくろ過滅菌した60℃の50mLの蒸留水を、
ポリトロン(Kinematica、回転数、15000rpm)を用いて急速
に混和し、参考例4で得られた化合物を含有する微粒子を
得た。その後、遠心と上清の除去を3回繰り返し、最終的に
0.01%ポリソルベート80、5%マンニトール水溶液で分散
し、参考例4で得られた化合物が約20mg/mLの濃度となる
懸濁液を得た。 実施例32〜58 実施例31に準ずる方法で、表2に示す条件のもとで微粒の
化合物を調製し、懸濁液を得る。
【0193】
【表2】
【0194】実施例59〜65 実施例31に準ずる方法で、表3に示す条件のもとで、参考
例4で得られた化合物の微粒子を調製し、懸濁液を得た。
参考例4で得られた化合物およびジステアロイルフォス
ファチジルコリン(DSPC)の含量を測定した。表3から明
らかなように参考例4で得られた化合物とリン脂質が共
存する微粒子の懸濁液が得られた。
【表3】 実施例66 250mgの参考例13で得られた化合物と5mgのポ
リソルベート80を3mLの酢酸に40℃で溶解し、こ
れをマイレクスフィルター(日本ミリポア、直径13m
m、孔径0.20μm)でフィルターろ過滅菌した。こ
の溶液と、同じくろ過滅菌した40℃の50mLの0.
05%CMC−Na水溶液を、スターラー(回転数、5
00rpm)を用いて急速に混和し、さらに1時間攪拌
後、参考例13で得られた化合物を含有する微粒子を得
た。その後、遠心と上清の除去を3回繰り返し、最終的
に0.5%CMC−Na、0.01%ポリソルベート8
0、5%マンニトール水溶液で分散した後、オートクレ
ーブ滅菌(121℃、20分)し、参考例13で得られ
た化合物が約20mg/mLの濃度となる懸濁液を得
た。この懸濁液を2週間室温下静置した後、分散性評価
装置(回転腕に懸濁液を設置し60stroke/分で
30秒間180度反転往復振盪し、再分散性を評価する
装置)で評価したところ、再分散性は極めて良好であっ
た。この微粒子の経口投与、筋肉内投与、皮下投与ある
いは関節内投与などを行うと、持続的な血中薬物濃度推
移が得られる。 実施例67 250mgの参考例4で得られた化合物と25mgのポ
リソルベート80を3mLの酢酸に40℃で溶解し、こ
れをマイレクスフィルター(日本ミリポア、直径13m
m、孔径0.20μm)でフィルターろ過滅菌した。こ
の溶液と、同じくろ過滅菌した40℃の50mLの0.
05%CMC−Na水溶液を、スタティックミキサー
(ノリタケカンパニー)を通して急速に混和し、スター
ラー(回転数、500rpm)で1時間攪拌後、参考例
4で得られた化合物を含有する微粒子を得た。その後、
フィルター(桐山製作所、濾紙No.3)濾過して薬物微
粒子を回収し、最終的に0.5%CMC−Na、0.0
1%ポリソルベート80、5%マンニトール水溶液で分
散した後、オートクレーブ滅菌(121℃、20分)
し、参考例4で得られた化合物が約20mg/mLの濃
度となる懸濁液を得た。この懸濁液を2週間室温下静置
した後、分散性評価装置で評価したところ、再分散性は
良好であった。この微粒子を経口投与、筋肉内投与、皮
下投与あるいは関節内投与などを行うと、持続的な血中
薬物濃度推移が得られる。 実施例68 250mgの参考例4で得られた化合物と2.5mgの
DSPCを3mLの酢酸に40℃で溶解し、これをマイ
レクスフィルター(日本ミリポア、直径13mm、孔径
0.20μm)でフィルターろ過滅菌した。この溶液
と、同じくろ過滅菌した40℃の50mLの0.05%
CMC−Na水溶液を、スタティックミキサー(ノリタ
ケカンパニー)を通して急速に混和し、スターラー(回
転数、500rpm)で1時間攪拌後、参考例4で得ら
れた化合物を含有する微粒子を得た。その後、フィルタ
ー(桐山製作所、濾紙No.3)濾過して薬物微粒子を回
収し、最終的に0.5%CMC−Na、0.01%ポリ
ソルベート80、5%マンニトール水溶液で分散した
後、オートクレーブ滅菌(121℃、20分)し、参考
例4で得られた化合物が約20mg/mLの濃度となる
懸濁液を得た。この懸濁液を2週間室温下静置した後、
分散性評価装置で評価したところ、再分散性は非常に良
好であった。 実施例69 250mgの参考例4で得られた化合物と100mgの
プルロニックF68(BASF)を3mLの酢酸に40
℃で溶解し、これをマイレクスフィルター(日本ミリポ
ア、直径13mm、孔径0.20μm)でフィルターろ
過滅菌した。この溶液と、同じくろ過滅菌した40℃の
50mLの0.05%CMC−Na水溶液を、スタティ
ックミキサー(ノリタケカンパニー)を通して急速に混
和し、スターラー(回転数、500rpm)で1時間攪
拌後、参考例4で得られた化合物を含有する微粒子を得
た。その後、フィルター(桐山製作所、濾紙No.3)濾
過して薬物微粒子を回収し、最終的に0.5%CMC−
Na、0.01%プルロニックF68、5%マンニトー
ル水溶液で分散した後、オートクレーブ滅菌(121
℃、20分)し、参考例4で得られた化合物が約20m
g/mLの濃度となる懸濁液を得た。この懸濁液を2週
間室温下静置した後、分散性評価装置で評価したとこ
ろ、再分散性は良好であった。 実施例70 250mgの参考例4で得られた化合物と100mgの
プルロニックF127(BASF)を3mLの酢酸に4
0℃で溶解し、これをマイレクスフィルター(日本ミリ
ポア、直径13mm、孔径0.20μm)でフィルター
ろ過滅菌した。この溶液と、同じくろ過滅菌した40℃
の50mLの0.05%CMC−Na水溶液を、スタテ
ィックミキサー(ノリタケカンパニー)を通して急速に
混和し、スターラー(回転数、500rpm)で1時間
攪拌後、参考例4で得られた化合物を含有する微粒子を
得た。その後、フィルター(桐山製作所、濾紙No.3)
濾過して薬物微粒子を回収し、最終的に0.5%CMC
−Na、0.01%プルロニックF127、5%マンニ
トール水溶液で分散した後、オートクレーブ滅菌(12
1℃、20分)し、参考例4で得られた化合物が約20
mg/mLの濃度となる懸濁液を得た。この懸濁液を2
週間室温下静置した後、分散性評価装置で評価したとこ
ろ、再分散性は非常に良好であった。 実施例71 250mgの参考例4で得られた化合物と100mgの
プルロニックF121(BASF)を3mLの酢酸に4
0℃で溶解し、これをマイレクスフィルター(日本ミリ
ポア、直径13mm、孔径0.20μm)でフィルター
ろ過滅菌した。この溶液と、同じくろ過滅菌した40℃
の50mLの0.05%CMC−Na水溶液を、スタテ
ィックミキサー(ノリタケカンパニー)を通して急速に
混和し、スターラー(回転数、500rpm)で1時間
攪拌後、参考例4で得られた化合物を含有する微粒子を
得た。その後、フィルター(桐山製作所、濾紙No.3)
濾過して薬物微粒子を回収し、最終的に0.5%CMC
−Na、0.01%プルロニックL121、5%マンニ
トール水溶液で分散した後、オートクレーブ滅菌(12
1℃、20分)し、参考例4で得られた化合物が約20
mg/mLの濃度となる懸濁液を得た。この懸濁液を2
週間室温下静置した後、分散性評価装置で評価したとこ
ろ、再分散性は非常に良好であった。 実施例72 250mgの参考例4で得られた化合物と25mgのポ
リソルベート80を3mLの酢酸に40℃で溶解し、こ
れをマイレクスフィルター(日本ミリポア、直径13m
m、孔径0.20μm)でフィルターろ過滅菌した。こ
の溶液と、同じくろ過滅菌した40℃の50mLの1%
マンニトール水溶液を、スタティックミキサー(ノリタ
ケカンパニー)を通して急速に混和し、スターラー(回
転数、500rpm)で1時間攪拌後、参考例4で得ら
れた化合物を含有する微粒子を得た。その後、フィルタ
ー(桐山製作所、濾紙No.3)濾過して薬物微粒子を回
収し、最終的に0.5%CMC−Na、0.01%ポリ
ソルベート80、5%マンニトール水溶液で分散した
後、オートクレーブ滅菌(121℃、20分)し、参考
例4で得られた化合物が約20mg/mLの濃度となる
懸濁液を得た。この懸濁液を2週間室温下静置した後、
分散性評価装置で評価したところ、再分散性は良好であ
った。 実施例73 100mgのオキセンドロンと5mgのポリソルベート
80を2mLのエタノールに溶解し、これをマイレクス
フィルター(日本ミリポア、直径13mm、孔径0.2
0μm)でフィルターろ過滅菌した。この溶液と、同じ
くろ過滅菌した38mLの0.05%CMC−Na水溶
液を、スターラー(回転数、1000rpm)で急速に
混和し、さらに1時間攪拌後、オキセンドロンを含有す
る微粒子を得た。その後、フィルター(桐山製作所、濾
紙No.3)濾過して薬物微粒子を回収し、最終的に0.
5%CMC−Na、0.2%ポリソルベート80、5%
マンニトール水溶液で分散し、オキセンドロンが約20
mg/mLの濃度となる懸濁液を得た。この懸濁液の分
散性は良好であった。この微粒子の経口投与、筋肉内投
与あるいは皮下投与などを行うと、持続的な血中薬物濃
度推移が得られる。 実施例74 50mgの難水溶性化合物Aと20mgのオイドラギッ
トS−100(樋口商会)を0.6mLのDMSOに4
0℃で溶解し、これをマイレクスフィルター(日本ミリ
ポア、直径13mm、孔径0.20μm)でフィルター
ろ過滅菌した。この溶液と、同じくろ過滅菌した40℃
の10mLの0.05%CMC−Na水溶液を、ポリト
ロン(Kinematica、回転数、20000rp
m)を用いて急速に混和し、薬物を含有する微粒子を得
た。その後、フィルター(桐山製作所、濾紙No.3)濾
過して薬物微粒子を回収し、最終的に0.5%CMC−
Na、0.01%ポリソルベート80、5%マンニトー
ル水溶液で分散した。また、得られた微粒子をラットに
経口投与、筋肉内投与、皮下投与あるいは関節内投与な
どをすると、持続的な血中薬物濃度推移が得られる。 試験例1〜3 8週齢SD雄性ラットの膝関節内に、実施例1、31、および38と同
様の方法で調製した、参考例4で得られた化合物の微粒子
の懸濁液を、化合物の投与量が2mgとなるように23ゲージ
注射針を通して投与した。その後の血漿中化合物濃度の
時間推移を図1に示す。図から明らかなように、参考例4で
得られた化合物が確実に注射投与され、持続的に血液中
に検出されていることが確認された。 試験例4〜6 実施例67、71および72と同様の方法で調製した、
参考例4で得られた化合物として約0.75mgに相当
する懸濁液をマイクロシリンジを用いてガラスビンに取
り、溶出試験液(1%ドデシル硫酸ナトリウム添加20
mMリン酸緩衝液、pH7)15mLを添加した。これ
を30℃、60stroke/分で振盪しつつ、経時的
に0.15mLずつサンプリングし、これをフィルター
(アクロディスクLC、ゲルマンラボラトリー社、直径
13mm、孔径0.22μm)ろ過後HPLCで溶出薬物量
を定量した。薬物溶出率の時間推移を図2に示す。図か
ら明らかなように、添加する濡れ性改善剤や調製方法に
より薬物溶出速度を変化させることができることが確認
された。
【0195】
【発明の効果】本発明の製造法は、簡便で、原料となる
水不溶性または難水溶性薬物の製造工程でのロスが少な
い高収率で、微粒の水不溶性または水難溶性薬物を工業
的に有利に製造ができる。さらに、本発明の製造法によ
り得られる微粒の水不溶性または水難溶性薬物は、安全
で、投与対象への刺激性が少なく、水不溶性または水難
溶性薬物の含有率が高く、安定性に優れ、分散媒への分
散性が優れ、薬物徐放効果が優れることから、優れた医
薬製剤を提供することができる。
【0196】
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験例1ないし3で得られた、ラット血漿中
における参考例4で得られた化合物の濃度推移の測定結
果を示すグラフです。−■−は実施例1と同様の方法で
得られた懸濁液投与後の血漿中濃度推移を、−△−は実
施例31と同様の方法で得られた懸濁液投与後の血漿中
濃度推移を、−□−は実施例38と同様の方法で得られ
た懸濁液投与後の血漿中化合物濃度推移を示す。
【図2】試験例4ないし6で得られた、参考例4で得ら
れた化合物のinvitro溶出試験結果を示すグラフ
である。−▲−は実施例67と同様の方法で得られた懸
濁液の溶出曲線を、−●−は実施例71と同様の方法で
得られた懸濁液の溶出曲線を、−○−は実施例72と同
様の方法で得られた懸濁液の薬物溶出曲線をそれぞれ示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/14 A61K 47/14 47/24 47/24 47/32 47/32 47/38 47/38 A61P 5/28 A61P 5/28 19/00 19/00 19/02 19/02 (72)発明者 斎藤 和宏 兵庫県西宮市門戸西町3番18号 (72)発明者 星野 哲夫 大阪府豊能郡豊能町新光風台5丁目13番6 号 Fターム(参考) 4C076 AA16 BB01 BB11 CC09 CC30 DD08 DD41 DD63 EE07 EE32 EE49 FF16 FF43 4C086 AA01 AA02 BB01 BC80 DA08 DA09 DA11 MA03 MA05 MA23 MA52 MA66 ZA96

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性または水難溶性薬物を含有する
    水性溶媒混和性の有機溶媒溶液と水性溶媒とを用いて微
    粒の水不溶性または水難溶性薬物を製造する方法におい
    て、少なくとも一方の溶媒に濡れ性改善剤を溶解させる
    ことを特徴とする、微粒の水不溶性または水難溶性薬物
    の製造法。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の溶媒に濡れ性改善剤が
    溶解した、水不溶性または水難溶性薬物を含有する水性
    溶媒混和性の有機溶媒溶液と水性溶媒とを急速混合する
    ことを特徴とする、請求項1記載の微粒の水不溶性また
    は水難溶性薬物の製造法。
  3. 【請求項3】 濡れ性改善剤が、糖または糖誘導体、リ
    ン脂質、界面活性剤、両親媒性高分子重合体、蛋白質お
    よび無機塩類から選ばれる1種または2種以上である請
    求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 濡れ性改善剤が、糖または糖誘導体であ
    る請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 糖または糖誘導体が溶解した水性溶媒を
    用いる請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 糖または糖誘導体が、カルボキシメチル
    セルロースまたはその塩である請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 リン脂質が溶解した水性溶媒混和性の有
    機溶媒溶液を用いる請求項1記載の製造法。
  8. 【請求項8】 リン脂質が、ジステアロイルフォスファ
    チジルコリンである請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】 濡れ性改善剤が、酸化エチレンと酸化プ
    ロピレンのブロック・コポリマーである請求項1記載の
    製造法。
  10. 【請求項10】 濡れ性改善剤が、水性溶媒に対して、
    約0.0001重量%ないし約20重量%溶解した請求
    項1記載の製造法。
  11. 【請求項11】 水不溶性または水難溶性薬物100重
    量部に対して、有機溶媒中の濡れ性改善剤を約0.01
    ないし約1000重量部用いる請求項1記載の製造法。
  12. 【請求項12】 水不溶性または水難溶性薬物100重
    量部に対して、濡れ性改善剤を約0.01ないし約10
    000重量部用いる請求項1記載の製造法。
  13. 【請求項13】 有機溶媒が、酢酸である請求項1記載
    の製造法。
  14. 【請求項14】 水性溶媒が、水である請求項1記載の
    製造法。
  15. 【請求項15】 水不溶性または水難溶性薬物の20℃
    の水に対する溶解度が、約0ないし約1mg/mLである請
    求項1記載の製造法。
  16. 【請求項16】 薬物が、骨・軟骨・関節疾患予防・治
    療剤である請求項1記載の製造法。
  17. 【請求項17】 薬物が、ベンゾチオピランまたはベン
    ゾチエピン誘導体である請求項1記載の製造法。
  18. 【請求項18】 薬物が、チエノインダゾール誘導体で
    ある請求項1記載の製造法。
  19. 【請求項19】 薬物が、抗アンドロゲン剤である請求
    項1記載の製造法。
  20. 【請求項20】 抗アンドロゲン剤が、オキセンドロ
    ン、アリルエストレノール、酢酸クロルマジノン、カプ
    ロン酸ゲストノロン、酢酸オサプロン、フルタミドまた
    はビカルタミドである請求項19記載の製造法。
  21. 【請求項21】 水性溶媒の体積が、有機溶媒溶液の体
    積の約1ないし約1000倍である請求項1記載の製造
    法。
  22. 【請求項22】 請求項1記載の製造法で得られた微粒
    の水不溶性または水難溶性薬物。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の水不溶性または水難
    溶性薬物を分散させてなる懸濁液。
  24. 【請求項24】 糖または糖誘導体で分散させてなる請
    求項23記載の懸濁液。
  25. 【請求項25】 糖または糖誘導体が、カルボキシメチ
    ルセルロースまたはその塩である請求項24記載の懸濁
    液。
  26. 【請求項26】 界面活性剤で分散させてなる請求項2
    3記載の懸濁液。
  27. 【請求項27】 界面活性剤がポリオキシソルビタンモ
    ノオレエートである請求項26記載の懸濁液。
  28. 【請求項28】 平均粒子径が約0.1ないし約150
    μmである請求項22記載の水不溶性または水難溶性薬
    物。
  29. 【請求項29】 注射用である請求項22記載の水不溶
    性または水難溶性薬物。
  30. 【請求項30】 非血管内への注射用である請求項22
    記載の水不溶性または水難溶性薬物。
  31. 【請求項31】 経口投与用である請求項23記載の水
    不溶性または水難溶性薬物。
  32. 【請求項32】 薬物100重量部に対して約0.00
    1ないし10重量部の濡れ性改善剤が含有または/およ
    び付着した、分散性が改善された微粒の水不溶性または
    水難溶性薬物。
  33. 【請求項33】 濡れ性改善剤がカルボキシメチルセル
    ロースまたはその塩である請求項32記載の薬物。
  34. 【請求項34】 請求項32記載の薬物を分散させてな
    る懸濁液。
JP2002090881A 2001-03-29 2002-03-28 微粒薬物の製造法 Withdrawn JP2002356419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002090881A JP2002356419A (ja) 2001-03-29 2002-03-28 微粒薬物の製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-95914 2001-03-29
JP2001095914 2001-03-29
JP2002090881A JP2002356419A (ja) 2001-03-29 2002-03-28 微粒薬物の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002356419A true JP2002356419A (ja) 2002-12-13

Family

ID=26612550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002090881A Withdrawn JP2002356419A (ja) 2001-03-29 2002-03-28 微粒薬物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002356419A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005013938A1 (ja) * 2003-08-06 2006-09-28 エーザイ株式会社 薬物超微粒子の製造法及び製造装置
JP2007516259A (ja) * 2003-12-09 2007-06-21 メッドクリスタルフォームズ、エルエルシー 活性剤との混合相共結晶の調製方法
WO2007083522A1 (ja) 2006-01-18 2007-07-26 Next21 K. K. 医療用ゲル形成組成物,その組成物の投与デバイス及び薬剤放出制御担体
WO2008023462A1 (fr) 2006-08-21 2008-02-28 Next21 K.K. Moulage d'os, charge d'os et procédé de production d'une charge d'os
WO2008065738A1 (fr) 2006-11-11 2008-06-05 The University Of Tokyo Charge de compensation de défauts osseux, porteur à libération contrôlée et leurs méthodes de production
JP2008179623A (ja) * 2006-12-27 2008-08-07 Teijin Pharma Ltd 無菌性水性懸濁製剤
JP2016515517A (ja) * 2013-03-15 2016-05-30 オークウッド ラボラトリーズ,エル.エル.シー. 徐放性ミクロスフェア及びその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005013938A1 (ja) * 2003-08-06 2006-09-28 エーザイ株式会社 薬物超微粒子の製造法及び製造装置
JP2007516259A (ja) * 2003-12-09 2007-06-21 メッドクリスタルフォームズ、エルエルシー 活性剤との混合相共結晶の調製方法
US9682043B2 (en) 2003-12-09 2017-06-20 Medcrystalforms, Llc Method of preparation of mixed phase co-crystals with active agents
WO2007083522A1 (ja) 2006-01-18 2007-07-26 Next21 K. K. 医療用ゲル形成組成物,その組成物の投与デバイス及び薬剤放出制御担体
JPWO2007083522A1 (ja) * 2006-01-18 2009-06-11 株式会社ネクスト21 医療用ゲル形成組成物,その組成物の投与デバイス及び薬剤放出制御担体
WO2008023462A1 (fr) 2006-08-21 2008-02-28 Next21 K.K. Moulage d'os, charge d'os et procédé de production d'une charge d'os
WO2008065738A1 (fr) 2006-11-11 2008-06-05 The University Of Tokyo Charge de compensation de défauts osseux, porteur à libération contrôlée et leurs méthodes de production
JP2008179623A (ja) * 2006-12-27 2008-08-07 Teijin Pharma Ltd 無菌性水性懸濁製剤
JP2010514671A (ja) * 2006-12-27 2010-05-06 ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング シクレソニドを含有する無菌性水性懸濁液
JP2016515517A (ja) * 2013-03-15 2016-05-30 オークウッド ラボラトリーズ,エル.エル.シー. 徐放性ミクロスフェア及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3539736B2 (ja) 基質メタロプロテアーゼインヒビターとしてのホスフィン酸アミド
JP2992677B2 (ja) 骨形成促進医薬組成物
JPH07101924A (ja) アルコールまたはアルデヒド誘導体およびその用途
WO2000008018A1 (fr) Derives de benzothiepine, leur procede de preparation et leurs utilisations
CN101720326B (zh) 碳青霉烯衍生物
CN104926722A (zh) 羟基吡啶酮衍生物、其药物组合物及其用于治疗增生性疾病的治疗用途
JP2002356419A (ja) 微粒薬物の製造法
WO2001010463A1 (fr) Pates a liberation prolongee d'un promoteur de l'osteogenese
EP1293197A1 (en) Process for producing phospholipid-containing drugs
AU717260B2 (en) Osteogenetic promoting pharmaceutical composition
WO2002078673A1 (fr) Procede de production d'un medicament sous forme de granules fins
US6552054B1 (en) Chromone derivatives, process for the preparation of the same and uses thereof
JP2002080400A (ja) リン脂質含有薬物の製造法
JPH09208496A (ja) Lh−rh拮抗物質含有組成物
JP2008509074A (ja) Crp低下剤
WO2001089521A1 (fr) Compositions medicinales contenant des derives du tiophene
JP2002047184A (ja) チオフェン誘導体含有医薬組成物
MXPA02008414A (es) Derivados de tienopiridina, su produccion y uso.
JPH06279432A (ja) 新規な化合物および該化合物を有効成分とする抗癌剤
EP2979695B1 (en) Therapeutic agent for ocular disease
WO2003091242A1 (fr) Nouveau derive de thiol, procede de production de ce derive et utilisation dudit derive
CN102050831B (zh) 一种头孢菌素衍生物
JP2002255971A (ja) 縮合複素環誘導体、その製造法および用途
CN101300246A (zh) 作为5-ht6抑制剂的芳基磺酰基色满类化合物作为蛋白激酶抑制剂的吲哚基马来酰亚胺衍生物
JP2002356484A (ja) チオフェン誘導体およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607