JP2001219845A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JP2001219845A
JP2001219845A JP2000031537A JP2000031537A JP2001219845A JP 2001219845 A JP2001219845 A JP 2001219845A JP 2000031537 A JP2000031537 A JP 2000031537A JP 2000031537 A JP2000031537 A JP 2000031537A JP 2001219845 A JP2001219845 A JP 2001219845A
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pressure
working fluid
master cylinder
valve
control valve
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JP2000031537A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Matsuzawa
智之 松澤
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各車輪毎に圧力センサを設けることなく、各ホ
イールシリンダに調圧制御された作動流体を供給する圧
力制御弁のフェイルをチェックする。 【解決手段】マスタシリンダ2とその各出力系の流体圧
を検出するための圧力センサ17a、17bとの間にフ
ェイルチェックバルブ12a、12bを介装し、ホイー
ルシリンダ1FL〜1RRとマスタシリンダ2との間の
バックアップバルブ11FL〜11RRの何れかを開
き、その出力系のフェイルチェックバルブ12a、12
bを閉じてホイールシリンダ圧PW/CFL 〜PW/CRR を圧
力センサ17a、17bで検出する。圧力制御弁10F
L〜10RRへの指令値は、フェイルチェックバルブ1
2a、12bを閉じていない出力系の流体圧から設定
し、それから算出されるホイールシリンダ圧の推定値P
W/CFL-0 〜PW/CRR-0 と実際値P W/CFL 〜PW/CRR とを
比較して判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルの
踏込みによって作動流体圧を昇圧するマスタシリンダと
は個別に各車輪の制動用シリンダへの作動流体圧を制御
可能な制動力制御装置に関し、特に各車輪の制動用シリ
ンダへの作動流体圧を調圧制御する圧力制御弁のフェイ
ルをチェックするのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】このような制動力制御装置としては、例
えば特開平4ー243658号公報に記載されるものが
ある。この制動力制御装置では、マスタシリンダとは個
別にポンプで作動流体圧を昇圧し、それをアキュームレ
ータに蓄圧し、電磁切換弁でマスタシリンダから切換え
て、当該アキュームレータ内の作動流体圧を圧力制御弁
で調圧制御して各車輪の制動用シリンダに供給する。各
車輪の制動用シリンダへの作動流体圧は、マスタシリン
ダの出力圧に応じて設定され、それに応じた制御信号を
圧力制御弁に出力する。そして、制御中の各車輪の制動
用シリンダの作動流体圧、つまり圧力制御弁の出力圧を
個別の圧力センサで検出し、それが所定の圧力範囲、具
体的にはマスタシリンダの出力圧に応じて設定した作動
流体圧に近しい範囲内にあれば圧力制御弁は正常であ
り、そうでないときにその圧力制御弁がフェイルしてい
ると判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の制動力制御装置では、マスタシリンダの出力圧を検
出する圧力センサの他に、各制動用シリンダ毎、つまり
各圧力制御弁毎に圧力センサを必要とするため、その分
だけコスト高になるという問題がある。本発明はこれら
の諸問題に鑑みて開発されたものであり、圧力センサの
数を低減してコストの低廉化を図ることができる制動力
制御装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するた
めに、本発明のうち請求項1に係る制動力制御装置は、
ブレーキペダルの踏込みによって作動流体圧を昇圧し、
その作動流体圧を二以上の出力系に出力可能なマスタシ
リンダと、このマスタシリンダとは個別に作動流体圧を
昇圧可能な圧力源と、この圧力源からの作動流体圧を調
圧制御して所定の作動流体圧とする圧力制御弁と、少な
くとも前記マスタシリンダの各出力系と各車輪の制動用
シリンダとの間の流体路を断続する電磁切換弁と、前記
マスタシリンダの各出力系に設けられた圧力センサと、
少なくとも前記圧力センサで検出されるマスタシリンダ
の出力作動流体圧に基づいて各車輪の制動用シリンダの
作動流体圧を制御するために、少なくとも前記圧力制御
弁及び電磁切換弁を駆動するための制御信号を出力する
制御手段と、少なくとも前記マスタシリンダの各出力系
と各圧力センサとの流体路を断続する電磁断続弁とを備
えたことを特徴とするものである。
【0005】また、本発明のうち請求項2に係る制動力
制御装置は、前記請求項1の発明において、前記制御手
段は、何れかの車輪の制動用シリンダに前記圧力制御弁
で調圧制御された作動流体圧が供給されるようにすると
共に、その制動用シリンダとマスタシリンダの出力系と
の間の電磁切換弁を開き、且つそのマスタシリンダの出
力系とその出力系に設けられた圧力センサとの間の電磁
断続弁を閉じるフェイルチェック手段を備えたことを特
徴とするものである。
【0006】また、本発明のうち請求項3に係る制動力
制御装置は、前記請求項2の発明において、前記フェイ
ルチェック手段は、前記電磁断続弁が閉じられたマスタ
シリンダの出力系以外の出力系の圧力センサで検出され
る作動流体圧に基づいて、前記圧力制御弁への指令値を
設定することを特徴とするものである。また、本発明の
うち請求項4に係る制動力制御装置は、前記請求項3の
発明において、前記フェイルチェック手段は、前記何れ
かの車輪の制動用シリンダの作動流体圧を、前記マスタ
シリンダの出力系との間の電磁断続弁が閉じられた圧力
センサで検出し、その検出された作動流体圧と、前記圧
力制御弁への指令値から算出される作動流体圧とを比較
して、当該圧力制御弁のフェイルをチェックすることを
特徴とするものである。
【0007】また、本発明のうち請求項5に係る制動力
制御装置は、前記請求項4の発明において、前記フェイ
ルチェック手段は、前記検出された制動用シリンダの作
動流体圧と前記圧力制御弁への指令値から算出される作
動流体圧とから、圧力制御弁が閉じ側にフェイルしてい
ることを検出し、その圧力制御弁が閉じ側にフェイルし
ているときには、マスタシリンダの同じ出力系に接続さ
れる他の圧力制御弁に対し、作動流体圧を増圧する方向
に指令値を補正することを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項6に係る制動力
制御装置は、前記請求項4又は5の発明において、前記
フェイルチェック手段は、前記検出された制動用シリン
ダの作動流体圧と前記圧力制御弁への指令値から算出さ
れる作動流体圧とから、圧力制御弁が開き側にフェイル
していることを検出し、その圧力制御弁が開き側にフェ
イルしているときには、マスタシリンダの同じ出力系に
接続される他の圧力制御弁に対し、作動流体圧を減圧す
る方向に指令値を補正することを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明のうち請求項7に係る制動力
制御装置は、前記請求項1乃至6の発明において、前記
マスタシリンダの何れかの出力系に接続され、当該出力
系の作動流体圧を吸収するストロークシミュレータと、
このストロークシミュレータと前記マスタシリンダとの
間の作動流体路を断続する電磁断続弁とを備えたことを
特徴とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項8に係る制動力
制御装置は、前記請求項7の発明において、前記ストロ
ークシミュレータが接続されたマスタシリンダの何れか
の出力系を前記圧力源の吸入側に接続すると共に、当該
圧力源の吸入側を作動流体のリザーバにも接続し、夫々
の流体路に電磁切換弁を介装したことを特徴とするもの
である。
【0011】また、本発明のうち請求項9に係る制動力
制御装置は、前記請求項1乃至8の発明において、前記
圧力源の出力側にアキュームレータを介装し、前記圧力
制御弁は、このアキュームレータに蓄圧された作動流体
圧を調圧制御するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0012】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1又は2に
係る制動力制御装置によれば、マスタシリンダと制動用
シリンダとの間に電磁切換弁を設け、且つマスタシリン
ダと圧力センサとの間に電磁断続弁を設けたことによ
り、何れかの圧力制御弁で圧力源の吐出圧を制御して制
動用シリンダに供給し、その制動用シリンダとマスタシ
リンダの出力系との間の電磁切換弁を開き、且つ当該マ
スタシリンダの出力系と圧力センサとの間の電磁断続弁
を閉じると、当該制動用シリンダの作動流体圧、即ち前
記圧力制御弁の出力圧を圧力センサで検出することがで
きるので、この検出された作動流体圧と当該圧力制御弁
で制御した作動流体圧とを比較することにより、当該圧
力制御弁のフェイルをチェックすることが可能となる。
【0013】また、本発明のうち請求項3に係る制動力
制御装置によれば、前記電磁断続弁が閉じられたマスタ
シリンダの出力系以外の出力系の圧力センサで検出され
る作動流体圧に基づいて、前記圧力制御弁への指令値を
設定することとしたため、圧力制御弁のフェイルチェッ
ク中にも、各制動用シリンダには通常制御と同等の作動
流体圧を供給することができる。
【0014】また、本発明のうち請求項4に係る制動力
制御装置によれば、前記何れかの車輪の制動用シリンダ
の作動流体圧を、前記マスタシリンダの出力系との間の
電磁断続弁が閉じられた圧力センサで検出し、その検出
された作動流体圧と、前記圧力制御弁への指令値から算
出される作動流体圧とを比較して、当該圧力制御弁のフ
ェイルをチェックすることとしたため、目標とする作動
流体圧と検出された実際の作動流体圧とから当該圧力制
御弁のフェイルを確実にチェックすることが可能とな
る。
【0015】また、本発明のうち請求項5に係る制動力
制御装置によれば、圧力制御弁が閉じ側にフェイルして
いるときには、当該圧力制御弁はリターン側に開いてい
て、マスタシリンダの同じ出力系に接続される全ての制
動用シリンダ内の作動流体圧を逃がしてしまうので、マ
スタシリンダの同じ出力系に接続される他の圧力制御弁
に対し、作動流体圧を増圧する方向に指令値を補正する
ことにより、当該他の圧力制御弁から制動用シリンダに
供給される作動流体圧を目標とする作動流体圧に近づけ
ることができる。
【0016】また、本発明のうち請求項6に係る制動力
制御装置によれば、圧力制御弁が開き側にフェイルして
いるときには、当該圧力制御弁はリターン側には閉じて
いて、マスタシリンダの同じ出力系に接続される全ての
制動用シリンダ内の作動流体圧が封じ込められてしまう
ので、マスタシリンダの同じ出力系に接続される他の圧
力制御弁に対し、作動流体圧を減圧する方向に指令値を
補正することにより、当該他の圧力制御弁から制動用シ
リンダに供給される作動流体圧を目標とする作動流体圧
に近づけることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】これ以下、本発明の制動力制御装
置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本
発明の制動力制御装置の第1実施形態を示す流体圧系構
成図である。なお、図は、各電磁弁がオフの状態、つま
り全く制御されていない状態を示している。各車輪の制
動用シリンダであるホイールシリンダ1FL、1RR、
1FR、1RLは、夫々、順に、前左輪ホイールシリン
ダ、後右輪ホイールシリンダ、前右輪ホイールシリン
ダ、後左輪ホイールシリンダを示している。また、ブレ
ーキペダル3の踏込みによって昇圧されるマスタシリン
ダ2からは二つの出力系統に作動流体圧が出力される。
従って、この実施形態では、マスタシリンダ2の一方の
出力系(以下、第1出力系とも記す)に前左輪ホイール
シリンダ1FL及び後右輪ホイールシリンダ1RRが接
続され、他方の出力系(以下、第2出力系とも記す)に
前右輪ホイールシリンダ1FR及び後左輪ホイールシリ
ンダ1RLが接続される、所謂クロス配管になってい
る。
【0018】前記マスタシリンダ2の各出力系と各ホイ
ールシリンダ1FL〜1RRとの流体路には、当該流体
路を断続する常時開のバックアップバルブ(電磁切換
弁)11FL〜11RRが介装されている。また、マス
タシリンダ2の各出力系には、作動流体圧を検出するた
めの圧力センサ17a、17bが介装され、夫々の出力
系と圧力センサ17a、17bとの間を断続する常時開
のフェイルチェックバルブ(電磁断続弁)12a、12
bが介装されている。
【0019】一方、マスタシリンダ2に並設されたリザ
ーバ4には、モータ7で駆動されるポンプ(圧力源)6
の吸入側が接続され、その吐出側は圧力制御弁10FL
〜10RRを介して各ホイールシリンダ1FL〜1RR
に接続されている。また、ポンプ6の吐出側には、その
吐出圧を蓄圧するアキュームレータ8が介装され、その
流体路には、当該アキュームレータ8の蓄圧を検出する
ための圧力センサ16が介装されている。また、前記圧
力センサ16と各圧力制御弁10FL〜10RRとの間
には、両者間の流体路を断続する常時閉のプレッシャー
サプライバルブ(電磁断続弁)14が介装されている。
【0020】前記各圧力制御弁10FL〜10RRは、
例えばアンチロックブレーキ制御装置に用いられる三方
電磁切換弁のように、前記ポンプ6からの吐出圧、或い
はアキュームレータ8の蓄圧を各ホイールシリンダ1F
L〜1RRに供給したり、そのホイールシリンダ1FL
〜1RRの内圧を封じ込めたり、その内圧をドレーンし
たりするものであり、従ってそれらのドレーンポートは
前記リザーバ4に接続されている。そして、このリザー
バ4と各圧力制御弁10FL〜10RRのドレーンポー
トとの流体路に、当該流体路を断続する常時閉のリター
ンバルブ(電磁断続弁)15が介装されている。
【0021】また、前記マスタシリンダ2の第2出力系
には、前記バックアップバルブ11FL〜11RRが閉
じられ、結果としてマスタシリンダ2がラインから切り
離されたときに、ブレーキペダル3の踏込みを吸収する
ストロークシミュレータ9が接続され、当該マスタシリ
ンダ2の第2出力系とストロークシミュレータ9との間
の流体路に、当該流体路を断続する常時閉のストローク
シミュレータバルブ(電磁断続弁)13が介装されてい
る。
【0022】従って、全ての電磁弁がオフの状態では、
前記ポンプ6やアキュームレータ8やリザーバ4は各ホ
イールシリンダ1FL〜1RRから遮断され、各ホイー
ルシリンダ1FL〜1RRはマスタシリンダ2の二つの
出力系に連通されているので、通常のブレーキペダル3
の踏込みによる制動が可能となる。一方、前記バックア
ップバルブ11FL〜11RRを閉じ、プレッシャーサ
プライバルブ14及びリターンバルブ15を開くと、マ
スタシリンダ2の二つの出力系が各ホイールシリンダ1
FL〜1RRから切断され、代わりにポンプ6又はアキ
ュームレータ8及びリザーバ4が接続されるので、例え
ばポンプ6の吐出圧或いはアキュームレータ9の蓄圧を
各圧力制御弁10FL〜10RRで調圧制御すれば、各
ホイールシリンダ1FL〜1RRの作動流体圧を、マス
タシリンダ2と切り離して制御することが可能となる。
また、このような場合には、前記ストロークシミュレー
タバルブ13を開とする。
【0023】前記コントロールユニット5は、図示され
ないマイクロコンピュータ等の演算処理装置を介装して
構成される。そして、このコントロールユニット5で
は、例えば前記バックアップバルブ11FL〜11R
R、プレッシャーサプライバルブ14、リターンバルブ
15及びストロークシミュレータバルブ13を切換え状
態とし、その状態で、前記アキュームレータ8の圧力セ
ンサ16で検出されるアキュームレータ8の作動流体圧
が所定値以下であるときにはポンプ6を駆動して作動流
体圧を昇圧したり、前記マスタシリンダ2の各圧力セン
サ17a、17bで検出される作動流体圧にホイールシ
リンダ1FL〜1RR内の作動流体圧が等しくなるよう
に圧力制御弁10FL〜10RRを作動させたりするた
めの各種の制御信号を創成し出力すると、各駆動回路が
各アクチュエータを駆動するのに適した駆動信号に変換
する。ちなみに、こうした基本的な制御の演算処理は、
前記演算処理装置内で所定のロジックに従って行われ
る。そのうち、前記マスタシリンダ2の各圧力センサ1
7a、17bで検出される作動流体圧にホイールシリン
ダ内の作動流体圧が等しくなるように圧力制御弁10F
L〜10RRを作動させるための指令値は、一般的に各
圧力制御弁の開度とその出力圧、つまりホイールシリン
ダ内の作動流体圧とが一意な関係にあることから、当該
作動流体圧を満足する圧力制御弁の開度を達成する値と
する。
【0024】次に、前記コントロールユニット5で実行
される各圧力制御弁10FL〜10RRのフェイルチェ
ックのための演算処理について、図2のフローチャート
を用いて説明する。この演算処理は、例えば予め設定さ
れた所定時間ΔT(例えば10〜1000msec. )毎に
タイマ割込で行われたり、或いはブレーキペダルの踏込
み時及び踏戻し時にも行われたりする。なお、ロジック
中で用いる変数iが“1”のときは同時に前左輪FLを
表し、以下同様に変数iが“2”のときは後右輪RRを
表し、変数iが“3”のときは前右輪FRを表し、変数
iが“4”のときは後左輪FLを表すものとする。ま
た、以下の説明で、変数(iー1)は、そのときの変数
iが示す車輪のホイールシリンダ1FL〜1RR、圧力
制御弁10FL〜10RR、バックアップバルブ11F
L〜11RRに対し、同じマスタシリンダ2の出力系に
接続されている他のホイールシリンダ1FL〜1RR、
圧力制御弁10FL〜10RR、バックアップバルブ1
1FL〜11RRを示す。つまり、変数iが前左輪FL
を示しているときには、変数(i−1)は後右輪RRを
示し、変数iが後左輪RLを示しているときには、変数
(iー1)は前右輪FRを示すものとする。また、この
演算処理を行う場合には、前記各フェイルチェック弁1
2a、12b、プレッシャーサプライバルブ14、リタ
ーンバルブ15、ストロークシミュレータバルブ16を
開状態とし、各バックアップバルブ11FL〜11RR
を閉状態としてから、演算処理を行う。
【0025】この演算処理では、まずステップS1で前
記変数iを“1”とすると共に、当該変数iに対応する
カウンタC(i)を“0”にリセットする。次にステッ
プS2に移行して、前記変数iが“1”又は“2”、つ
まりフェイルチェックする対象が前記マスタシリンダ2
の第1出力系に接続されている前左輪FL又は後右輪R
Rであるか否かを判定し、当該変数iが“1”又は
“2”である場合にはステップS3に移行し、そうでな
い場合にはステップS4に移行する。
【0026】前記ステップS3では、同ステップ内で行
われる個別の演算処理に従って、前記マスタシリンダ2
の第2出力系に介装された圧力センサ(以下、第2圧力
センサとも記す)17bからの第2マスタシリンダ圧P
M/C2を用いて、各圧力制御弁10FL〜10RRへの指
令値を算出してからステップS5に移行する。前記ステ
ップS5では、同ステップ内で行われる個別の演算処理
に従って、前記圧力制御弁10iに対応するバックアッ
プバルブ11iを開とし、残りのバックアップバルブは
閉としてからステップS6に移行する。
【0027】前記ステップS6では、同ステップ内で行
われる個別の演算処理に従って、前記マスタシリンダ2
の第1出力系に設けられたフェイルチェックバルブ(以
下、第1フェイルチェックバルブとも記す)12aを閉
としてからステップS7に移行する。なお、前記マスタ
シリンダ2の第2出力系に設けられたフェイルチェック
バルブ(以下、第2フェイルチェックバルブとも記す)
12bは開のままとする。
【0028】一方、前記ステップS4では、同ステップ
内で行われる個別の演算処理に従って、前記マスタシリ
ンダ2の第1出力系に介装された圧力センサ(以下、第
1圧力センサとも記す)17aからの第1マスタシリン
ダ圧PM/C1を用いて、各圧力制御弁10FL〜10RR
への指令値を算出してからステップS8に移行する。前
記ステップS8では、同ステップ内で行われる個別の演
算処理に従って、前記圧力制御弁10iに対応するバッ
クアップバルブ11iを開とし、残りのバックアップバ
ルブは閉としてからステップS9に移行する。
【0029】前記ステップS9では、同ステップ内で行
われる個別の演算処理に従って、前記マスタシリンダ2
の第2出力系に設けられた第2フェイルチェックバルブ
12bを閉としてから前記ステップS7に移行する。な
お、前記マスタシリンダ2の第1出力系に設けられた第
1フェイルチェックバルブ12aは開のままとする。前
記ステップS7では、前記変数iに対応する圧力制御弁
10iへの指令値を読込む。
【0030】次にステップS10に移行して、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、前記圧力制御
弁10iへの指令値から、当該圧力制御弁10iに対応
するホイールシリンダ1iの作動流体圧(以下、ホイー
ルシリンダ圧とも記す)の推定値PW/Ci-0を算出する。
この算出には、例えば図3にフェイルしていない場合と
して示すように、マスタシリンダ圧PM/C に対する圧力
制御弁への指令値は一意に決まり、その指令値とホイー
ルシリンダ圧の推定値PW/Ci-0とは一意に決まるので、
この関係を用いて算出する。
【0031】次にステップS11に移行して、前記変数
iが“1”又は“2”、つまりフェイルチェックする対
象が前記マスタシリンダ2の第1出力系に接続されてい
る前左輪FL又は後右輪RRであるか否かを判定し、当
該変数iが“1”又は“2”である場合にはステップS
12に移行し、そうでない場合にはステップS13に移
行する。
【0032】前記ステップS12では、前記第1圧力セ
ンサ12aで検出される第1マスタシリンダ圧P
M/C1を、前記圧力制御弁10iに対応するホイールシリ
ンダ圧の実際値PW/Ciとして読込んでからステップS1
4に移行する。また、前記ステップS13では、前記第
2圧力センサ12bで検出される第2マスタシリンダ圧
M/C2を、前記圧力制御弁10iに対応するホイールシ
リンダ圧の実際値PW/Ciとして読込んでから前記ステッ
プS14に移行する。
【0033】前記ステップS14では、前記ホイールシ
リンダ圧の推定値PW/Ci-0から同実際値PW/Ciを減じた
値をホイールシリンダ圧偏差ΔPW/C として算出する。
次にステップS15に移行して、前記ステップS14で
算出したホイールシリンダ圧偏差の絶対値|ΔPW/C
が、予め設定された正値のフェイル閾値ΔPW/ C-0 以上
であるか否かを判定し、当該ホイールシリンダ圧偏差の
絶対値|ΔPW/ C |がフェイル閾値ΔPW/C-0 以上であ
る場合にはステップS16に移行し、そうでない場合に
はステップS17に移行する。
【0034】前記ステップS16では、前記カウンタC
(i)をインクリメントしてからステップS18に移行
する。また、前記ステップS17では、前記カウンタC
(i)を“0”にリセットしてから前記ステップS18
に移行する。前記ステップS18では、前記カウンタC
(i)が予め設定されたカウントアップ値C0 以上であ
るか否かを判定し、当該カウンタC(i)がカウントア
ップ値C0 以上である場合にはステップS19に移行
し、そうでない場合にはステップS20に移行する。
【0035】前記ステップS19では、前記圧力制御弁
10iに対応するバックアップバルブ11iを開いてか
らステップS21に移行する。前記ステップS21で
は、前記ステップS14で算出したホイールシリンダ圧
偏差ΔPW/Ciが正値であるか否かを判定し、当該ホイー
ルシリンダ圧偏差ΔPW/ Ciが正値である場合にはステッ
プS22に移行し、そうでない場合にはステップS23
に移行する。
【0036】前記ステップS22では、同ステップ内で
行われる個別の演算処理に従って、前記圧力制御弁10
iは、閉じ側にフェイルしているものとして、前記マス
タシリンダ2の同じ出力系の他の圧力制御弁10(i−
1)への指令値を大きな値に変更してからステップS2
4に移行する。具体的には、例えば図3に閉じっぱなし
でフェイルした場合と示すように、フェイルしていない
場合に比して、指令値を大きくし、対応するホイールシ
リンダ圧PW/Ci-1が増圧されるように補正を行う。
【0037】また、前記ステップS22では、同ステッ
プ内で行われる個別の演算処理に従って、前記圧力制御
弁10iは、開き側にフェイルしているものとして、前
記マスタシリンダ2の同じ出力系の他の圧力制御弁10
(i−1)への指令値を小さな値に変更してから前記ス
テップS24に移行する。具体的には、例えば図3に開
きっぱなしでフェイルした場合と示すように、フェイル
していない場合に比して、指令値を小さくし、対応する
ホイールシリンダ圧PW/Ci-1が減圧されるように補正を
行う。
【0038】一方、前記ステップS20では、タイマT
が予め設定されたタイムアップ値T 0 以上であるか否か
を判定し、当該タイマTがタイムアップ値T0 以上であ
る場合にはステップS25に移行し、そうでない場合に
はステップS26に移行する。前記ステップS25で
は、タイマTを“0”にリセットしてからステップS2
7に移行する。
【0039】前記ステップS27では、同ステップ内で
行われる個別の演算処理に従って、全てのバックアップ
バルブ11FL〜11RRを閉状態とし、全てのフェイ
ルチェックバルブ12a、12bを開状態としてから、
前記ステップS24に移行する。また、前記ステップS
26では、前記タイマTをインクリメントしてから、前
記ステップS7に移行する。
【0040】前記ステップS24では、前記変数iが
“4”以上であるか否かを判定し、当該変数iが“4”
以上である場合にはメインプログラムに復帰し、そうで
ない場合にはステップS28に移行する。前記ステップ
S28では、前記変数iに“1”を加えてから前記ステ
ップS2に移行する。
【0041】この演算処理によれば、前記プレッシャー
サプライバルブ14、リターンバルブ15、ストローク
シミュレータバルブ16を開状態とし、全てのバックア
ップバルブ11FL〜11RRを閉じ、二つのフェイル
チェックバルブ12a、12bを開いておき、例えば前
記変数iが“1”である、即ちフェイルチェックされる
対象が前左輪圧力制御弁10FLである場合には、図4
に示すように、前記ステップS3で第2圧力センサ17
bで検出した第2マスタシリンダ圧PM/C2を用いて、各
圧力制御弁10FL〜10RRへの指令値、即ち各ホイ
ールシリンダ圧の目標値を設定する。つまり、この時点
で、全ての圧力弁にフェイルがなければ、各ホイールシ
リンダ圧は目標値に一致又はそれに近い値になってい
る。
【0042】そして、前記ステップS5では、前記フェ
イルチェックされる前左輪圧力制御弁10FLに対応す
る前左輪バックアップバルブ11FLを開とし、前記ス
テップS6では、前左輪ホイールシリンダ1FLが接続
されているマスタシリンダ2の第1出力系の第1フェイ
ルチェックバルブ12aを閉じる。すると、図4に示す
ように、マスタシリンダ2が切り離され、前左輪ホイー
ルシリンダ1FLと第1圧力センサ17aとが連通状態
となり、当該前左輪ホイールシリンダ1FLのホイール
シリンダ圧PW/CFL 、即ち前左輪圧力制御弁10FLの
出力圧を当該第1圧力センサ17aで検出できる状態に
なる。
【0043】これは、後述する処理が終わり、前記ステ
ップS28で変数iがインクリメントされるたびに、後
右輪圧力制御弁10RR、前右輪圧力制御弁10FR、
後左輪圧力制御弁10RLに対して行われることにな
り、例えば変数iが“3”の場合は、前記ステップS2
からステップS4に移行して第1圧力センサ17aで検
出した第1マスタシリンダ圧PM/C1を用いて、各圧力制
御弁10FL〜10RRへの指令値、即ち各ホイールシ
リンダ圧の目標値を設定し、次のステップS8で前右輪
バックアップバルブ11FRを開とし、次のステップS
9でマスタシリンダ2の第2出力系の第2フェイルチェ
ックバルブ12bを閉じることにより、マスタシリンダ
2が切り離され、前右輪ホイールシリンダ1FRと第2
圧力センサ17bとが連通状態となり、当該前右輪ホイ
ールシリンダ1FRのホイールシリンダ圧PW/CFR 、即
ち前右輪圧力制御弁10FRの出力圧を当該第2圧力セ
ンサ17bで検出できる状態になる。
【0044】次いで、前記ステップS7でフェイルチェ
ックの対象となる圧力制御弁10iへの指令値を読込
み、次のステップS10で、その指令値から当該圧力制
御弁10iによるホイールシリンダ圧の推定値PW/C-0
を算出する。そして、次のステップS11〜ステップS
13では、該当するマスタシリンダ圧、つまりフェイル
チェックされる圧力制御弁10iが前左輪圧力制御弁1
0FL又は後右輪圧力制御弁10RRの場合は第1マス
タシリンダ圧PM/C1を、前右輪圧力制御弁10FRまた
は後左輪圧力制御弁10RLの場合は第2マスタシリン
ダ圧PM/C2を、夫々圧力制御弁10iに対応するホイー
ルシリンダ圧の実際値PW/Ciとして読込み、次のステッ
プS14でホイールシリンダ圧偏差ΔPW/Ciを算出す
る。
【0045】従って、次のステップS15では、このホ
イールシリンダ圧偏差の絶対値|ΔPW/Ci|がフェイル
閾値ΔPW/C-0 以上である場合には、当該圧力制御弁1
0iがフェイルしている可能性があるとして、次のステ
ップS16でカウンタC(i)をインクリメントし、そ
れがカウントアップ値C0 以上継続する場合は、ステッ
プS18からステップS19に移行して圧力制御弁10
iがフェイルしているときの対応を行う。ちなみに、ホ
イールシリンダ圧偏差の絶対値|ΔPW/Ci|がフェイル
閾値ΔPW/C-0 未満である場合や、カウンタC(i)が
カウントアップ値C0 未満の場合には、即座に圧力制御
弁10iのフェイルと見なさず、ステップS20からス
テップS26に移行してタイマTをインクリメントし、
このタイマTがタイムアップ値T0 以上となる以前に前
記カウンタC(i)がカウントアップしなければ、前記
ステップS25に移行してタイマTをリセットし、次の
ステップS27で全てのバックアップバルブ10FL〜
10RRを閉とし、全てのフェイルチェックバルブ12
a、12bを開として、次の圧力制御弁10iのフェイ
ルチェックの準備又は圧力制御弁10FL〜10RRに
よるホイールシリンダ圧PW/CFL 〜PW/CRR の制御の準
備を行う。
【0046】一方、前記圧力制御弁10iにフェイルが
検出されたら、前記ステップS19で即座に対応するバ
ックアップバルブ11iを開いてマスタシリンダ2から
の出力作動流体圧をホイールシリンダ1iに供給する。
そして、前記ステップ21でホイールシリンダ圧偏差Δ
W/Ciが正値か負値かの判定を行い、当該ホイールシリ
ンダ圧偏差ΔPW/Ciが正値である場合にはステップS2
2に移行し、負値である場合にはステップS23に移行
する。
【0047】ここで、ホイールシリンダ圧偏差ΔPW/Ci
が正値であるということは、前記ステップS14の定義
から、ホイールシリンダ圧の実際値PW/Ciが推定値P
W/Ci-0より小さいことであるから、当該ホイールシリン
ダ1iに作動流体圧が十分に供給されていない、つまり
対応する圧力制御弁10iが閉じ側にフェイルしている
と考えられる。この場合、図5に示すように、入力ポー
トと出力ポートとは閉じているが、出力ポートとドレー
ンポートは逆に開く傾向にあり、当該ホイールシリンダ
1iの内圧はドレーンされる。もし、このとき、マスタ
シリンダの同じ出力系に接続されている他のホイールシ
リンダ1(i−1)のバックアップバルブ11(i−
1)が開いていると、そのホイールシリンダ1(i−
1)の内圧も、当該バックアップバルブ11(i−
1)、前記バックアップバルブ11iから圧力制御弁1
0iを通ってドレーンされてしまう可能性がある。その
ため、何れかの圧力制御弁10iが閉じ側にフェイルし
ている場合は、マスタシリンダ2の同じ出力系に接続さ
れている他のホイールシリンダ1(i−1)の圧力制御
弁10(i−1)に対しては、出力作動流体圧を増圧す
るように指令値を補正、この場合は大きな値に補正する
必要がある。
【0048】また、ホイールシリンダ圧偏差ΔPW/Ci
負値であるということは、前記ステップS14の定義か
ら、ホイールシリンダ圧の実際値PW/Ciが推定値P
W/Ci-0より大きいことであるから、当該ホイールシリン
ダ1iに作動流体圧が過剰に供給されている、つまり対
応する圧力制御弁10iが開き側にフェイルしていると
考えられる。この場合、図6に示すように、入力ポート
と出力ポートとが開いたままの状態であるため、作動流
体圧はどんどん供給される。もし、このとき、マスタシ
リンダの同じ出力系に接続されている他のホイールシリ
ンダ1(i−1)のバックアップバルブ11(i−1)
が開いていると、前記バックアップバルブ11i、当該
バックアップバルブ11(i−1)を通って、そのホイ
ールシリンダ1(i−1)にもどんどん供給されてしま
う可能性がある。そのため、何れかの圧力制御弁10i
が開き側にフェイルしている場合は、マスタシリンダ2
の同じ出力系に接続されている他のホイールシリンダ1
(i−1)の圧力制御弁10(i−1)に対しては、出
力作動流体圧を減圧するように指令値を補正、この場合
は小さな値に補正する必要がある。
【0049】そして、前記変数iに対応する圧力制御弁
10iに対し、これら一連のフェイルチェック並びにフ
ェイル時の対応を行ったら、前記ステップS24で変数
iが“4”以上にならない限り、つまり対応する圧力制
御弁10iが前記後左輪圧力制御弁10RLでない限
り、ステップS28に移行し、ここで変数iをインクリ
メントしてから前記ステップS2に移行する。つまり、
前述のように、一つの圧力制御弁10iに対するフェイ
ルチェック並びにフェイル時の対応が済んだら、次の圧
力制御弁10iに対してフェイルチェック並びにフェイ
ル時の対応を行い、これを順次繰り返して、全ての圧力
制御弁10FL〜10RRのフェイルチェック並びにフ
ェイル時の対応が済んだら、メインプログラムに復帰す
る。
【0050】このように、本実施形態の制動力制御装置
では、マスタシリンダと圧力センサとの間を断続し、マ
スタシリンダからの圧力が作用していないホイールシリ
ンダの内圧を、マスタシリンダの出力圧検出用の圧力セ
ンサで検出するため、圧力センサの数を低減することが
でき、その分だけコストを低廉化することができる。ま
た、二以上のマスタシリンダの出力系のうち、切断され
ていない出力系のマスタシリンダ圧を用いて、各圧力制
御弁への指令値、つまりホイールシリンダ圧の目標値を
設定するため、フェイルチェックされていないホイール
シリンダには、通常の制御と同等の作動流体圧を供給す
ることができ、実際の車両にあっても違和感がない。ま
た、この指令値から算出されるフェイルチェック中のホ
イールシリンダ圧の推定値と、前記圧力センサで検出さ
れるホイールシリンダ圧の実際値との偏差の大きさか
ら、圧力制御弁のフェイルを判定するため、圧力制御弁
のフェイルを確実に検出することができる。また、圧力
制御弁が閉じ側にフェイルしているときにはマスタシリ
ンダの同じ出力系に接続される他の圧力制御弁への指令
値を、作動流体圧が増圧するように補正したり、圧力制
御弁が開き側にフェイルしているときにはマスタシリン
ダの同じ出力系に接続される他の圧力制御弁への指令値
を作動流体圧が減圧するように補正したりすることによ
り、当該フェイルしている圧力制御弁から他のホイール
シリンダに与える作動流体圧の影響を抑制防止して、そ
のホイールシリンダの作動流体圧を目標値に近づけるこ
とができる。
【0051】以上より、図1に示すコントロールユニッ
トが本発明の制御手段を構成し、以下同様に図2の演算
処理がフェイルチェック手段を構成している。次に、本
発明の制動力制御装置の第2実施形態について図7を用
いて説明する。この図は、本実施形態の流体圧系構成図
であるが、前記図1に示す第1実施形態と同様の構成要
件も多く含まれるので、同様の構成要件には同等の符号
を付して詳細な説明を省略する。
【0052】本実施形態でも、ホイールシリンダ1FL
〜1RR、マスタシリンダ2、圧力センサ17a、17
b、バックアップバルブ11FL〜11RR、フェイル
チェックバルブ12a、12b、ポンプ6、圧力制御弁
10FL〜10RRといった基本構成は、前記第1実施
形態と同じである。本実施形態が前記第1実施形態と異
なる点は、ストロークシミュレータ9及びストロークシ
ミュレータバルブ13がマスタシリンダ2の第1出力系
に接続されていること、ポンプ6の吐出側のアキューム
レータに代えてリリーフバルブ21が設けられているこ
と、圧力制御弁10FL〜10RRのドレーンポートと
リザーバ4とを断続するリターンバルブ(電磁断続弁)
19に、ポンプ吸入側の断続機能が付加されていること
などに代表される。また、これに加えて、前記リターン
バルブ19とポンプ6との間に逆止弁20が介装されて
いること、前記マスタシリンダ2の第1出力系がポンプ
6の吸入側に接続され、両者の間にマスタシリンダカッ
トバルブ(電磁断続弁)18が介装されている。
【0053】本実施形態でも、コントロールユニット5
によって前記第1実施形態と同様の作動流体圧制御が行
われる。また、前記図2の演算処理による各圧力制御弁
のフェイルチェック及びフェイル時の対応も行われる。
但し、この実施形態では、前記図2の演算処理を実行す
る前に、前記各フェイルチェック弁12a、12b、リ
ターンバルブ19、ストロークシミュレータバルブ16
を開状態とし、各バックアップバルブ11FL〜11R
R、マスタシリンダカットバルブ18を閉状態としてか
ら、演算処理を行う。
【0054】従って、この実施形態でも、マスタシリン
ダと圧力センサとの間を断続し、マスタシリンダが切ら
れているホイールシリンダの内圧を、マスタシリンダの
出力圧検出用の圧力センサで検出するため、圧力センサ
の数を低減することができ、その分だけコストを低廉化
することができる。また、二以上のマスタシリンダの出
力系のうち、切断されていない出力系のマスタシリンダ
圧を用いて、各圧力制御弁への指令値、つまりホイール
シリンダ圧の目標値を設定するため、フェイルチェック
されていないホイールシリンダには、通常の制御と同等
の作動流体圧を供給することができ、実際の車両にあっ
ても違和感がない。また、この指令値から算出されるフ
ェイルチェック中のホイールシリンダ圧の推定値と、前
記圧力センサで検出されるホイールシリンダ圧の実際値
との偏差の大きさから、圧力制御弁のフェイルを判定す
るため、圧力制御弁のフェイルを確実に検出することが
できる。また、圧力制御弁が閉じ側にフェイルしている
ときにはマスタシリンダの同じ出力系に接続される他の
圧力制御弁への指令値を、作動流体圧が増圧するように
補正したり、圧力制御弁が開き側にフェイルしていると
きにはマスタシリンダの同じ出力系に接続される他の圧
力制御弁への指令値を作動流体圧が減圧するように補正
したりすることにより、当該フェイルしている圧力制御
弁から他のホイールシリンダに与える作動流体圧の影響
を抑制防止して、そのホイールシリンダの作動流体圧を
目標値に近づけることができる。
【0055】以上より、図7に示すコントロールユニッ
トが本発明の制御手段を構成し、以下同様に図2の演算
処理がフェイルチェック手段を構成している。なお、前
記実施形態では、制動用作動流体系の回路を二つだけ紹
介したが、本発明の制動力制御装置は、これらの回路に
限定されるものではなく、マスタシリンダの出力系が二
以上或る流体圧回路ならばどのようなものにも適用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動力制御装置の第1実施形態を示す
制動用作動流体圧系の構成図である。
【図2】コントロールユニットで行われる圧力制御弁フ
ェイルチェックのための演算処理のフローチャートであ
る。
【図3】図2の演算処理で用いる圧力弁指令値の説明図
である。
【図4】図2の演算処理で行われる制動用流体圧系の作
用説明図である。
【図5】圧力制御弁が閉じ側にフェイルしているときの
説明図である。
【図6】圧力制御弁が開き側にフェイルしているときの
説明図である。
【図7】本発明の制動力制御装置の第2実施形態を示す
制動用作動流体圧系の構成図である。
【符号の説明】
1FL〜1RRはホイールシリンダ(制動用シリンダ) 2はマスタシリンダ 3はブレーキペダル 4はリザーバ 5はコントロールユニット 6はポンプ(圧力源) 7はモータ 8はアキュームレータ 9はストロークシミュレータ 10FL〜10RRは圧力制御弁 11FL〜11RRはバックアップバルブ(電磁切換
弁) 12a、12bはフェイルチェックバルブ(電磁断続
弁) 13はストロークシミュレータバルブ(電磁断続弁) 14はプレッシャーサプライバルブ(電磁断続弁) 15はリターンバルブ(電磁断続弁) 16は圧力センサ 17a、17bは圧力センサ 18はマスタシリンダカットバルブ(電磁断続弁) 19はリターンバルブ(電磁断続弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D048 BB07 BB52 CC05 DD02 HH00 HH15 HH16 HH26 HH66 RR06 3D049 BB05 BB32 CC02 HH12 HH13 HH20 HH34 HH47 RR04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込みによって作動流
    体圧を昇圧し、その作動流体圧を二以上の出力系に出力
    可能なマスタシリンダと、このマスタシリンダとは個別
    に作動流体圧を昇圧可能な圧力源と、この圧力源からの
    作動流体圧を調圧制御して所定の作動流体圧とする圧力
    制御弁と、少なくとも前記マスタシリンダの各出力系と
    各車輪の制動用シリンダとの間の流体路を断続する電磁
    切換弁と、前記マスタシリンダの各出力系に設けられた
    圧力センサと、少なくとも前記圧力センサで検出される
    マスタシリンダの出力作動流体圧に基づいて各車輪の制
    動用シリンダの作動流体圧を制御するために、少なくと
    も前記圧力制御弁及び電磁切換弁を駆動するための制御
    信号を出力する制御手段と、少なくとも前記マスタシリ
    ンダの各出力系と各圧力センサとの流体路を断続する電
    磁断続弁とを備えたことを特徴とする制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、何れかの車輪の制動用
    シリンダに前記圧力制御弁で調圧制御された作動流体圧
    が供給されるようにすると共に、その制動用シリンダと
    マスタシリンダの出力系との間の電磁切換弁を開き、且
    つそのマスタシリンダの出力系とその出力系に設けられ
    た圧力センサとの間の電磁断続弁を閉じるフェイルチェ
    ック手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の制
    動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記フェイルチェック手段は、前記電磁
    断続弁が閉じられたマスタシリンダの出力系以外の出力
    系の圧力センサで検出される作動流体圧に基づいて、前
    記圧力制御弁への指令値を設定することを特徴とする請
    求項2に記載の制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記フェイルチェック手段は、前記何れ
    かの車輪の制動用シリンダの作動流体圧を、前記マスタ
    シリンダの出力系との間の電磁断続弁が閉じられた圧力
    センサで検出し、その検出された作動流体圧と、前記圧
    力制御弁への指令値から算出される作動流体圧とを比較
    して、当該圧力制御弁のフェイルをチェックすることを
    特徴とする請求項3に記載の制動力制御装置。
  5. 【請求項5】 前記フェイルチェック手段は、前記検出
    された制動用シリンダの作動流体圧と前記圧力制御弁へ
    の指令値から算出される作動流体圧とから、圧力制御弁
    が閉じ側にフェイルしていることを検出し、その圧力制
    御弁が閉じ側にフェイルしているときには、マスタシリ
    ンダの同じ出力系に接続される他の圧力制御弁に対し、
    作動流体圧を増圧する方向に指令値を補正することを特
    徴とする請求項4に記載の制動力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記フェイルチェック手段は、前記検出
    された制動用シリンダの作動流体圧と前記圧力制御弁へ
    の指令値から算出される作動流体圧とから、圧力制御弁
    が開き側にフェイルしていることを検出し、その圧力制
    御弁が開き側にフェイルしているときには、マスタシリ
    ンダの同じ出力系に接続される他の圧力制御弁に対し、
    作動流体圧を減圧する方向に指令値を補正することを特
    徴とする請求項4又は5に記載の制動力制御装置。
  7. 【請求項7】 前記マスタシリンダの何れかの出力系に
    接続され、当該出力系の作動流体圧を吸収するストロー
    クシミュレータと、このストロークシミュレータと前記
    マスタシリンダとの間の作動流体路を断続する電磁断続
    弁とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか
    に記載の制動力制御装置。
  8. 【請求項8】 前記ストロークシミュレータが接続され
    たマスタシリンダの何れかの出力系を前記圧力源の吸入
    側に接続すると共に、当該圧力源の吸入側を作動流体の
    リザーバにも接続し、夫々の流体路に電磁切換弁を介装
    したことを特徴とする請求項7に記載の制動力制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記圧力源の出力側にアキュームレータ
    を介装し、前記圧力制御弁は、このアキュームレータに
    蓄圧された作動流体圧を調圧制御するようにしたことを
    特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の制動力制御
    装置。
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Cited By (2)

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