JP2001209374A - 演奏指示装置および電子楽器 - Google Patents

演奏指示装置および電子楽器

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JP2001209374A
JP2001209374A JP2000376495A JP2000376495A JP2001209374A JP 2001209374 A JP2001209374 A JP 2001209374A JP 2000376495 A JP2000376495 A JP 2000376495A JP 2000376495 A JP2000376495 A JP 2000376495A JP 2001209374 A JP2001209374 A JP 2001209374A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガイドトラックが指定されていない楽曲情報に
対してガイドトラックを指定することにより、演奏指示
や一致進行をさせることができる演奏指示装置および電
子楽器を提供する。 【解決手段】複数トラックからなる楽曲情報で、ガイド
トラックが設定されていないものが供給されたとき、デ
フォルトの設定として、トラック0を右手パートのガイ
ドトラックTRN(0)、トラック1を左手パートのガ
イドトラックTRN(1)として割り当てる。これによ
り、ガイドするパートとして右手、左手、または、両手
を指定することにより、トラック0、1または0および
1の演奏指示を行うことができる。また、ガイドトラッ
クの割り当てはユーザが変更することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、全ての種類の複数パ
ートの楽曲情報で演奏指示や一致進行の演奏ガイドが可
能な演奏指示装置および電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】初心者であっても楽曲の演奏が可能にな
るように、演奏指示や一致進行などのガイドモードを備
えた電子楽器が実用化されている。演奏指示とは、曲
(楽曲情報)の進行にしたがって押鍵すべき鍵をランプ
等で指示する機能である。一致進行とは、演奏者が曲の
進行に応じた正しい鍵を押鍵するまで曲の進行を停止す
る機能である。
【0003】楽曲情報は一般的に多くのパート(トラッ
ク)からなり、このうち演奏者に対して演奏指示等のガ
イドを行うパートは1または2パートである。したがっ
て、従来このような電子楽器のガイドモードで用いられ
る楽曲情報にはどのパートがガイドパートであるかの識
別データが書き込まれており、ガイドモードを設定して
この楽曲情報を自動演奏すれば、自動的にガイドパート
の演奏指示や一致進行がされるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在多数発表
されている楽曲情報のなかで、ガイドパートが予め指定
され、ガイドモードに対応している楽曲情報は一部であ
り、他の楽曲情報を自動演奏する場合には、ガイドモー
ドを設定しても、電子楽器に演奏指示や一致進行などの
ガイド動作をさせることができない問題点があった。
【0005】この発明は、ガイドパートが指定されてい
ない楽曲情報に対してガイドパートを指定することによ
り、演奏指示や一致進行をさせることができる演奏指示
装置および電子楽器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
トラックからなる楽曲情報を供給する楽曲情報供給手段
と、楽曲情報供給手段によって供給される楽曲情報のい
ずれかのトラックがガイドトラックとして設定されてい
るかを判断し、ガイドトラックが設定されていないと判
断された場合には事前に定めたトラックをガイドトラッ
クとして設定するデフォルト設定手段と、ガイドを行う
ガイドトラックを指定するガイドトラック指定手段と、
ガイドトラックとして指定されたトラックの演奏データ
にしたがって演奏指示を行う制御手段と、を備えたこと
を特徴とする。請求項2の発明は、請求項1の発明にお
いて、利用者の操作によってガイドトラックとして設定
するトラックを変更する設定変更手段を備えたことを特
徴とする。請求項3の発明は、請求項1、2の発明にお
いて、前記ガイドトラックは、右手パートのガイドトラ
ックおよび左手パートのガイドトラックであることを特
徴とする。
【0007】請求項4の発明は、複数トラックからなる
楽曲情報を供給する楽曲情報供給手段と、楽曲情報供給
手段によって供給される楽曲情報のいずれかのトラック
がガイドトラックとして設定されているかを判断し、ガ
イドトラックが設定されていないと判断された場合には
事前に定めたトラックをガイドトラックとして設定する
デフォルト設定手段と、演奏情報に基づいて楽音信号を
合成する楽音信号合成手段と、演奏者の操作により演奏
データを生成する演奏手段と、ガイドを行うガイドトラ
ックを指定するガイドトラック指定手段と、ガイドトラ
ックとして指定されたトラックの演奏データと演奏手段
から入力された演奏データとを比較する比較手段と、該
比較手段の比較結果に基づいて前記楽曲情報の楽音信号
合成手段への入力を制御する制御手段と、を備えたこと
を特徴とする。請求項5の発明は、請求項4の発明にお
いて、利用者の操作によってガイドトラックとして設定
するトラックを変更する設定変更手段を備えたことを特
徴とする。請求項6の発明は、請求項4、5の発明にお
いて、前記ガイドトラックは、右手パートのガイドトラ
ックおよび左手パートのガイドトラックであることを特
徴とする。
【0008】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、前記デフォルト設定手段は、楽曲情報供給手段によ
って供給された楽曲情報においてガイドするべきトラッ
クが予め設定されている場合には、そのトラックをガイ
ドトラックとして設定することを特徴とする。
【0009】この発明の演奏指示装置では、楽曲情報供
給手段が供給する複数トラックの楽曲情報の少なくとも
1トラックがガイドトラックとして指定される。演奏指
示手段は、このガイドトラックの演奏指示を行う。演奏
指示は、たとえば、曲の進行に合わせて、ある楽音を発
音すべきタイミングにその楽音を発音を指示する信号
(表示や音声等)を出力することで行われる。鍵盤楽器
の場合には、各鍵に対応するランプを設け、ある楽音の
発音タイミングにその音高の鍵に対応するランプを点灯
するようにするなどの方式がある。これにより、どのよ
うな楽曲データであっても、ガイドトラックを指定する
ことにより、任意のトラックの演奏指示を行わせること
ができる。
【0010】この演奏指示装置において、前記楽曲情報
供給手段が予めガイドトラックが指定された楽曲情報を
供給することもできるようにする。この予めガイドトラ
ックが指定された楽曲情報が供給された場合には、その
ガイドトラックの指定に基づいて前記演奏指示手段が動
作し演奏指示を行う。前記デフォルト設定手段および設
定変更手段は、予めガイドトラックが指定されていない
楽曲情報が供給されたとき有効となり、この場合には、
設定されたガイドトラックに基づいて演奏指示が実行さ
れる。
【0011】この発明の電子楽器では、楽曲情報供給手
段が複数トラックの時系列演奏データ群(楽曲情報)を
供給するとともに、演奏手段が演奏者の操作により演奏
データを生成する。楽曲情報の少なくとも1トラックが
ガイドトラックとして指定される。時系列に供給される
ガイドトラックの演奏データと前記演奏手段から入力さ
れる演奏データとを比較し、この比較結果に基づいて前
記楽曲情報の楽音信号合成手段への入力を制御する。楽
音信号合成手段は、入力される演奏データに基づいて楽
音信号を合成する。これにより、演奏者がガイドトラッ
クを演奏する進行状態に同期してガイドトラック以外の
トラックの進行を制御することが可能になる。
【0012】この電子楽器において、前記楽曲情報供給
手段が予めガイドトラックが設定された楽曲情報を供給
することもできるようにし、予めガイドトラックが設定
された楽曲情報が供給された場合には、その指定された
ガイドトラックの演奏データと演奏手段から入力される
演奏データとを比較する。前記デフォルト設定手段およ
び設定変更手段は、予めガイドトラックが指定されてい
ない楽曲情報が供給されたとき有効となり、この場合に
は、設定されたガイドトラックに基づいて演奏指示が実
行される。
【0013】また、上記演奏指示装置および電子楽器に
おいて、鍵盤の右手パート、左手パートのいずれか一方
または両方を指定して演奏指示または比較による発音制
御をするようにする。これにより、初心者でも鍵盤楽器
の演奏が可能になるとともに、両手のパートを同時にガ
イドすることも可能になる。
【0014】さらに、この発明では、ガイドトラック以
外のトラックの演奏データは楽音信号合成手段に入力し
て楽音を発生し、ガイドトラックの演奏データは演奏指
示手段によって演奏指示を行い、この指示に基づいて正
しく演奏されたとき楽音信号が合成されるようにした。
これにより、任意のトラックをガイドに基づいて自分で
演奏しながら、他のトラックを伴奏として自動演奏させ
るなどの設定が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施形態である
電子鍵盤楽器の鍵盤付近の構成図である。図2は同電子
鍵盤楽器のブロック図である。この電子鍵盤楽器は、初
心者に曲の演奏をガイドするガイドモード機能として押
鍵指示表示機能および一致進行機能を備えている。押鍵
指示表示機能は、伴奏(自動演奏)の進行に合わせて押
鍵すべき鍵に対応するLEDを点灯する機能である。一
致進行機能は、伴奏の進行を演奏者の演奏があるまで待
機させる機能である。
【0016】この電子鍵盤楽器の動作を制御するCPU
10には、バスを介して、プログラムメモリ11,ワー
キングメモリ12,楽曲情報メモリ13,インタフェー
ス15,鍵盤16,LED群17,操作パネル18およ
び音源20が接続されている。プログラムメモリ11は
ROMで構成されており、この電子鍵盤楽器の動作を制
御するためのプログラム(図5〜図12参照)を記憶し
ている。ワーキングメモリ12はRAMで構成されてお
り、動作中に発生する種々のデータを記憶する各種レジ
スタエリア(図4参照)が設定される。楽曲情報メモリ
13はRAMで構成されており、前記インタフェース1
5を介してディスク14からロードされた楽曲情報が1
曲分記憶される。楽曲情報は図3のように構成されてい
る。ディスク14はハードディスクであってもフロッピ
ィディスクであってもよい。ディスク14には、多数の
楽曲情報が記憶されており、スイッチ群18に含まれる
数値入力スイッチを操作することによりそのうち1曲を
選択することができ、ロードスイッチをオンすることに
より指定されたその曲の楽曲情報が楽曲情報メモリ13
にロードされる。鍵盤16は、61鍵(C1〜C6)、
76鍵(E0〜G6)、または、88鍵(A-1〜C7)
のいずれを用いてもよい。LED群17は、使用される
鍵盤16の各鍵に対応して設けられた61個、76個ま
たは88個のLEDからなる。
【0017】操作パネル18には、前記数値入力スイッ
チやロードスイッチのほか、ガイドモードをオン/オフ
するガイドモードスイッチ,一致進行モードをオン/オ
フする一致進行モードスイッチ,押鍵指示表示モードを
オン/オフする押鍵指示表示モードスイッチ,ガイドパ
ートを切り換えるパート切換スイッチ,右手パート・左
パートとなるトラック(ガイドトラック)を割り当てる
ガイドトラック割当スイッチ,自動演奏をスタート/ス
トップするスタート/ストップスイッチや表示器などが
設けられている。
【0018】タイマ19は、自動演奏時にその曲のテン
ポに合わせて96分音符毎にCPU10に対して割り込
みをかける。音源20は、演奏者の鍵オンや自動演奏に
応じて入力されるデータに応じて楽音信号を形成する。
音源20にはサウンドシステム21が接続されている。
音源20が形成した楽音信号はサウンドシステム21に
入力される。サウンドシステム21はこの楽音信号を増
幅し、スピーカから放音する。
【0019】図3は楽曲情報メモリ21に記憶されてい
る楽曲情報を説明する図である。楽曲情報は複数トラッ
クのシーケンスデータからなっており、各トラックのシ
ーケンスデータはこの図に示す発音データ,デュレーシ
ョンデータおよびエンドデータなどのデータブロックの
組み合わせで構成されている。発音データは、自動演奏
モード時に楽音信号を発音するためのデータであり、キ
ーオンコード,キーコード,ベロシティおよびゲートタ
イムからなっている。キーオンコードは発音データであ
ることを示すコードである。キーコードは音高すなわち
鍵の番号を示すデータである。ベロシティは押鍵の強さ
すなわち発音の大きさを示すコードである。ゲートタイ
ムは発音時間(音符の長さ)を示すデータである。デュ
レーションデータは各データブロック間の時間的間隔を
示すデータであり、デュレーションコード,デュレーシ
ョンタイムからなっている。デュレーションコードはデ
ュレーションデータであることを示すデータである。デ
ュレーションタイムは該間隔を表すデータであり、その
時間を96分音符に換算した音符数で表したものであ
る。例えば8分音符の長さは12となる。また、エンド
データは楽曲情報の終端であることを示すデータであり
エンドコードからなっている。楽曲情報はイベントデー
タである発音データと各発音データの間隔を示すデュレ
ーションデータを交互に書き込むことによって構成され
ている。
【0020】なお、この実施形態では、データとしての
1トラックのシーケンスデータが、演奏としての1パー
トに対応しており、トラックとパートをほぼ同義に用い
ているが、複数トラックで1パートを構成してもよく、
また、1トラックに複数パートを記載するようにしても
よい。
【0021】図4はRAM12に設定される各種レジス
タを説明する図である。また、図5〜図12は同電子鍵
盤楽器の動作を示すフローチャートである。これらの図
を参照しながら、電子鍵盤楽器の動作を説明する。
【0022】図5〜図7はメインルーチンを示してい
る。該電子鍵盤楽器の電源がオンされると、まず、初期
設定動作(n1)を実行する。初期設定動作とは、図4
に示すレジスタやリストエリアのリセットやプリセット
音色を音源20へ送るなどの動作である。こののち、ロ
ードスイッチ,ガイドモードスイッチ,一致進行モード
スイッチ,押鍵指示表示モードスイッチ,パート切換ス
イッチ,ガイドトラック定スイッチ,数値入力スイッ
チ,スタート/ストップスイッチのオンイベントおよび
キーイベントの有無を判断する。
【0023】ロードスイッチのオンイベントを検出した
場合には(n2)、ディスク14に記憶されている複数
の楽曲情報のうちソングナンバレジスタSGNで指定さ
れる楽曲情報を読み出して楽曲情報メモリ13に書き込
む(n3)。こののちこの楽曲情報のヘッダ部からガイ
ドトラック割当情報を読み出して、この楽曲情報が予め
ガイドトラックが割り当てられているものか否かを判断
する(n4)。
【0024】ガイドトラックが予め割り当てられている
場合には、トラック未設定フラグPPに0をセットする
とともに(n5)、右手パートのガイドトラックレジス
タTRN(0)にトラックナンバ0を書き込み、左手パ
ートのガイドトラックレジスタTRN(1)にトラック
ナンバ1を書き込む(n6)。ここで、予めガイドトラ
ックが割り当てられている楽曲情報の場合には、第0ト
ラックに右手パートのシーケンスデータが書き込まれ、
第1トラックに左手パートのシーケンスデータが書き込
まれているものとする。一方、ガイドトラックが割り当
てられていない楽曲情報の場合には、ガイドトラック未
設定フラグPPに1をセットするとともに(n7)、デ
フォルト値として右手パートのガイドトラックレジスタ
TRN(0)にトラックナンバ0を書き込み、左手パー
トのガイドトラックレジスタTRN(1)にトラックナ
ンバ1を書き込む。
【0025】ガイドモードスイッチのオンイベントがあ
った場合には(n8)、ガイドモードフラグGDの“1
/0”を反転する(n9)。反転の結果、GDが“1”
になったとき、以下の一致進行モードおよび押鍵指示表
示モードのオンが有効になる。さらに、ガイドトラック
のキーオンイベントデータの再生を禁止する。なお、一
致進行モード,押鍵指示モードを独立してオン/オフす
る場合には、このガイドモードスイッチおよびガイドモ
ードフラグGDはなくてもよい。
【0026】一致進行モードスイッチのオンイベントが
あった場合には(n10)一致進行モードフラグCPR
を反転する(n11)。反転の結果、CPRが“1”に
なったとき、一致進行モードがオンされる。一致進行モ
ードでは、ガイドトラックのキーオンイベントデータと
演奏者が鍵盤16を演奏したとき発生するキーオンイベ
ントとが一致したとき自動演奏が進行する。
【0027】押鍵指示表示モードスイッチのオンイベン
トがあった場合には(n12)、押鍵指示表示モードフ
ラグINDを反転する(n13)。反転の結果、IND
が“1”になったとき、押鍵指示表示モードがオンされ
る。押鍵指示表示モードでは、ガイドトラックのキーオ
ンイベントデータに対応して鍵盤16の各鍵に対応する
LED17を点灯する。
【0028】ガイドトラック設定スイッチのオンイベン
トがあった場合には(n14)、PPを判断する(n1
5)。PP=0の場合には、楽曲情報に予めガイドトラ
ックが設定されているため、このガイドトラック割当動
作を受け付けずに次の動作に進む。PP=1の場合には
ガイドトラック割当モードフラグGTSを反転する(n
16)。反転の結果、GTS=1となったとき、トラッ
ク番号をパートに割り当てるガイドトラック割当モード
がオンされる。
【0029】パート切換スイッチがオンされた場合には
(n17)、ガイドトラック割当モードフラグGTSを
判断する(n18)。GTS=1の場合にはガイドトラ
ック割当モードであるため、トラックが割り当てられる
パートを指示する右手/左手フラグLRを右手=0/左
手=1に切り換える(n19)。GTS=0の場合に
は、右手パート,左手パートのうちどちらをガイドする
かを指定するモードであるため、ガイドパートレジスタ
PRTを右手=0,左手=1,両手=2に順次切り換え
る(n20)。
【0030】数値入力スイッチから数値が入力された場
合には(n21)、GTSを判断し(n22)、GTS
=1(ガイドトラック割当モード)のときには、その入
力された数値をガイドトラックナンバとしてTRN(L
R)にセットする(n23)。LRの値はn19でセッ
トされている。一方、GTS=0の場合には、その入力
された数値を楽曲情報のナンバ(ソングナンバ)として
ソングナンバレジスタSGNにセットする(n24)。
【0031】スタート/ストップスイッチのオンイベン
トが検出された(n25)場合には、自動演奏フラグR
UNを反転する(n26)。この反転の結果、RUN=
1になった場合には(n27)、自動演奏スタート動作
(n28)を実行する。反転の結果RUN=0になった
場合には自動演奏ストップ処理(n29)を実行する。
自動演奏ストップ処理は、そのとき発音している自動演
奏音の消音動作や押鍵待ちキーコードリストのクリア,
LED17の消灯などである。
【0032】キーイベントを検出した場合は(n3
0)、そのイベントがキーオンイベントかキーオフイベ
ントかを判断する(n31)。キーオンイベントの場合
には発音処理などのキーオン処理を実行し(n32)、
押鍵キーコードテーブルにそのオンされたキーのキーコ
ードを書き込む(n33)。こののち比較処理(図12
参照)を実行する(n34)。一方、キーオフイベント
の場合には、消音処理などのキーオフ処理を実行したの
ち(n35)、このオフされたキーのキーコードが押鍵
キーコードテーブルに残っているか否かを判断し(n3
6)、残っている場合にはそれを消去する(n37)。
【0033】こののちその他処理を実行する(n3
8)。その他処理とは、音量制御処理や表示切換処理な
どである。
【0034】図8は、自動演奏スタート処理示すフロー
チャートである。まずn41で、トラック0〜トラック
15の読出ポインタを楽曲情報メモリ13のそれぞれ対
応する記憶領域の先頭にセットし(n41)、楽曲情報
メモリ13のヘッダから各トラックの音色データを読み
出し、音色レジスタTC(L)(L=0〜15)にセッ
トする(n42)。こののち、待ち状態フラグWAIT
に0をセット(リセット)して待ち状態を解除し(n4
3)、全トラック(L=0〜15)のデュレーションタ
イムカウンタTM(L)に0をセットしてクリアする
(n44)。さらに、押鍵待ちキーコードテーブルをク
リアして(n45)リターンする。
【0035】図9はタイマ割込動作を示すフローチャー
トである。この割り込み処理は96分音符タイミング毎
に実行される。例えば、4分音符=120のテンポの曲
であれば、1/48秒に1回実行される。まず、RUN
=1およびWAIT=0であるかを判断する(n45,
n46)。RUN=0の場合には自動演奏中でないため
そのままリターンする。また、WAIT=1の場合には
待ち状態であるため割り込み処理によるゲートタイムや
デュレーションタイムの進行を行わないでリターンす
る。
【0036】RUN=1且つWAIT=0の場合には、
n47およびn48で再生処理(図10,図11)およ
び比較処理(図12)を実行する。こののち、ゲートタ
イムのカウントダウン動作を実行し、ゲートタイムのカ
ウントを終えた発音データの消音を実行する。すなわ
ち、n49で発音チャンネルポインタCHに0をセット
する。その発音チャンネルのゲートタイムカウンタGT
(CH)が0以下になっているか否かを判断する(n5
0)。GT(CH)が0以下になっていれば、その発音
チャンネルが自動演奏音を発音中であるか否かを判断し
(n52)、発音中であればその楽音を消音するためそ
の発音チャンネルCHに対してキーオフ信号を送出する
(n53)。一方、n50でGT(CH)が0よりも大
きい場合は、まだこの発音チャンネルの発音は継続中で
あり、その時間経過をカウントするため、GT(CH)
から1を減算する(n51)。以上の動作をCH=16
になるまで1を加算しつつ繰り返し実行する(n54,
n55)。こののちリターンする。
【0037】図10は上記再生処理動作を示すフローチ
ャートである。最初にトラックポインタTRに0をセッ
トし(n60)、TR=0〜15まで以下の動作を繰り
返し実行する(n69、n70)。まず、デュレーショ
ンカウンタTM(TR)が0以下になったか否かを判断
する(n61)。TM(TR)が0以下になった場合に
は、次のデータの読出タイミングであるため、トラック
TRの読出ポインタが指すデータを読み出す(n6
3)。読み出されたデータがエンドデータであればこの
トラックのデータは終了であるため何も処理を行わない
でn69に進む。エンドデータ以外のデータであればポ
インタを次のデータにセットする(n65)。次に、こ
の読み出されたデータがデュレーションデータの場合に
はこのデータのデュレーションタイムをTM(TR)に
セットする(n66→n68)。また、この読み出され
たデータがイベントデータであればデータ処理動作(n
11)を実行する(n66→n67)。一方、n61で
TM(TR)が0より大きいと判断された場合には、T
M(TR)から1を減算したのち(n62)、n69に
進む。
【0038】図11は、データ処理動作を示すフローチ
ャートである。まず楽曲情報メモリ13から読み出され
たデータがキーオンイベントデータであるかを判断する
(n75)。キーオンイベントデータであれば、そのキ
ーオンイベントデータに含まれるキーコード,ベロシテ
ィなどのデータを所定のレジスタ(KCなど)にセット
したのち(n76)、ガイドモードにおけるガイドパー
トの処理であるか否かを判断する(n77)。n77で
は、現在ガイドモード(GD=1)であることを条件と
して、ガイドパートが右手PRT=0または両手PRT
=2であり、現在右手パートに割り当てられているトラ
ックRTN(0)のキーオンイベントデータを読み出し
た、または、ガイドパートが左手PRT=1または両手
PRT=2であり、現在左手パートに割り当てられてい
るトラックRTN(1)のキーオンイベントデータを読
み出した場合に肯定的な判断がなされる。
【0039】n77で肯定的な判断がなされた場合に
は、ガイドパート対応動作(n81〜n85)を実行
し、この条件が満たされない場合には、通常の自動演奏
音発音動作(n78〜n80)を実行する。
【0040】通常の自動演奏音発音動作では、まず、こ
のキーオンイベントデータの楽音の発音のために発音チ
ャンネルを割り当ててそのチャンネルナンバをCHに記
憶し(n78)、キーオン信号,キーコードKC,ベロ
シティ,音色TC(TR)およびチャンネル番号CHを
音源20に対して出力する(n79)。これによって音
源20が所定の楽音信号の発音を開始する。こののち、
ゲートタイムをGT(CH)に記憶する(n80)。
【0041】また、ガイドパート対応動作では、まず一
致進行モードフラグCPRを判断し(n81)、CPR
=1の場合には、このキーオンイベントデータのキーコ
ードKCを押鍵待ちキーコードリストに追加する(n8
2)。こののち、WAITに1を入力して待ち状態をセ
ットする(n83)。また、押鍵指示表示モードが設定
されている場合(IND=1)には(n84)、キーコ
ードKCの鍵に対応するLEDを点灯して(n85)、
リターンする。
【0042】図12は比較処理動作を示すフローチャー
トである。この比較処理はガイドモード時に押鍵キーコ
ードリストと押鍵待ちキーコードリストの内容を比較し
て一致するキーコードがあるとき、そのキーコードに対
応する鍵が正しく押鍵されたとして、対応する処理を実
行する動作である。まず、ガイドモードが有効か否かを
判断する(n90)。すなわち、RUN=1且つGD=
1であるかを判断する。GD=0であればガイドモード
でなく、また、RUN=0であれば自動演奏が行われて
おらずGD=1であってもガイドモード動作が実行され
ないためそのままリターンする。ガイドモードが有効で
あれば、押鍵キーコードリストと押鍵待ちキーコードリ
ストの内容を比較する(n91)。一致するものがある
場合には、まず、押鍵指示表示モード(IND=1)で
あるかを判断し(n93)、押鍵指示表示モードであれ
ば対応するLEDを消灯する(n94)。こののち、両
リストからこのキーコードを消去する(n95)。
【0043】この消去によって押鍵待ちキーコードリス
トのキーコードが全て消去されたか否かを判断し(n9
6)、押鍵待ちキーコードリストが空になり、且つ、比
較進行モード(CPR=1)の場合には(n97)、W
AITに0をセットして待ち状態を解除し(n98)、
自動演奏の進行を可能にしてリターンする。
【0044】この実施形態では、ガイドパートが予め指
定されている楽曲情報に対してはユーザが改めてガイド
パートを指定できないようにしたが、このような楽曲情
報に対してもガイドパートを指定できるようにしてもよ
い。また、ユーザがRAM上に作成した楽曲データに対
してもガイドパートを設定できるようにしてもよい。
【0045】また、上記実施形態の押鍵指示表示モード
では、鍵盤楽器の右手パート,左手パートをガイドする
ようにしているが、他のタイプの楽器、たとえば、管楽
器型の演奏装置に対して運指を指示するような機能を持
たせてもよい。また、演奏装置の発音機能は電子的なも
のに限らない。
【0046】さらに、この実施形態では、押鍵指示表示
モード時に点灯されたLEDは押鍵があるまで消灯され
ないようになっているが、所定の時間(例えばゲートタ
イム)が経過すれば押鍵されなくても消灯するように設
定することも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、ガイド
トラックが設定されていないどのような楽曲情報であっ
ても、予め定めた(デフォルトの)トラックをガイドト
ラックとして設定するため、どのような楽曲データでも
演奏指示をすることができる。また、予めガイドトラッ
クが設定された楽曲情報を用いる場合には、そのガイド
トラックを使用して演奏指示を行い、ガイドトラックが
設定されていない楽曲情報の場合には、デフォルトおよ
びユーザが設定したガイドトラックに基づいて演奏指示
を行うことができるため、全ての種類の楽曲情報で演奏
指示を行うことができる。
【0048】また、この発明の電子楽器では、ガイドラ
ックの演奏データと鍵盤などの演奏手段から入力される
演奏データとを比較し、この比較結果に基づいて曲の進
行を制御するようにしたたとにより、演奏者がどのパー
ト(トラック)を演奏する場合でも、そのパートの演奏
に同期して他のトラックを伴奏として進行させることが
できる。この場合でも上記と同様に、ガイドトラックが
予め設定されている楽曲情報と設定されていない楽曲情
報とを併用することができるため、どのような楽曲情報
であっても演奏者の演奏と同期した曲の進行(一致進
行)を行うことができる。
【0049】また、鍵盤の右手パート、左手パートのい
ずれか一方または両方を指定して演奏指示または比較に
よる発音制御をしたことにより、初心者でも鍵盤楽器の
演奏が可能になるとともに、両手のパートを同時にガイ
ドすることも可能になる。
【0050】さらに、任意のトラックをガイドトラック
として設定し、このトラックを一致進行させながら、他
のトラックを自動演奏することにより、任意のトラック
をメロディパートとして設定し他のトラックを伴奏とし
て設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である電子鍵盤楽器の鍵盤
付近の構成図
【図2】同電子鍵盤楽器のブロック図
【図3】同電子鍵盤楽器に記憶される楽曲情報の構成を
示す図
【図4】同電子鍵盤楽器のRAMに設定されるレジスタ
群を説明する図
【図5】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【図6】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【図7】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【図8】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【図9】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【図10】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【図11】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【図12】同電子鍵盤楽器の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1…CPU、16…鍵盤、17…LED群、18…操作
パネル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数トラックからなる楽曲情報を供給す
    る楽曲情報供給手段と、楽曲情報供給手段によって供給
    される楽曲情報のいずれかのトラックがガイドトラック
    として設定されているかを判断し、ガイドトラックが設
    定されていないと判断された場合には、事前に定めたト
    ラックをガイドトラックとして設定するデフォルト設定
    手段と、ガイドを行うガイドトラックを指定するガイド
    トラック指定手段と、ガイドトラックとして指定された
    トラックの演奏データにしたがって演奏指示を行う制御
    手段と、を備えた演奏指示装置。
  2. 【請求項2】 利用者の操作によってガイドトラックと
    して設定するトラックを変更する設定変更手段を備えた
    請求項1に記載の演奏指示装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイドトラックは、右手パートのガ
    イドトラックおよび左手パートのガイドトラックである
    請求項1または請求項2に記載の演奏指示装置。
  4. 【請求項4】 複数トラックからなる楽曲情報を供給す
    る楽曲情報供給手段と、楽曲情報供給手段によって供給
    される楽曲情報のいずれかのトラックがガイドトラック
    として設定されているかを判断し、ガイドトラックが設
    定されていないと判断された場合には、事前に定めたト
    ラックをガイドトラックとして設定するデフォルト設定
    手段と、演奏情報に基づいて楽音信号を合成する楽音信
    号合成手段と、演奏者の操作により演奏データを生成す
    る演奏手段と、ガイドを行うガイドトラックを指定する
    ガイドトラック指定手段と、ガイドトラックとして指定
    されたトラックの演奏データと演奏手段から入力された
    演奏データとを比較する比較手段と、該比較手段の比較
    結果に基づいて、前記楽曲情報の楽音信号合成手段への
    入力を制御する制御手段と、を備えた電子楽器。
  5. 【請求項5】 利用者の操作によってガイドトラックと
    して設定するトラックを変更する設定変更手段を備えた
    請求項4に記載の電子楽器。
  6. 【請求項6】 前記ガイドトラックは、右手パートのガ
    イドトラックおよび左手パートのガイドトラックである
    請求項4または請求項5に記載の電子楽器。
  7. 【請求項7】 前記デフォルト設定手段は、楽曲情報供
    給手段によって供給された楽曲情報においてガイドする
    べきトラックが予め設定されている場合には、そのトラ
    ックをガイドトラックとして設定する請求項1に記載の
    演奏指示装置。
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