JP2001209102A - 遮蔽装置及び遮蔽装置を備えたカメラ - Google Patents

遮蔽装置及び遮蔽装置を備えたカメラ

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JP2001209102A JP2000016684A JP2000016684A JP2001209102A JP 2001209102 A JP2001209102 A JP 2001209102A JP 2000016684 A JP2000016684 A JP 2000016684A JP 2000016684 A JP2000016684 A JP 2000016684A JP 2001209102 A JP2001209102 A JP 2001209102A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 相対的に移動する枠体と筒体との隙間を遮蔽
する遮蔽装置で、筒体をプラスチック材料で成形した場
合に外周面に生じるパーティングラインの段差やバリの
影響で、遮蔽部材と筒体の嵌合部にできる微少な隙間か
ら進入する光線をより効果的に遮蔽する遮蔽装置を提供
することを目的としている。 【構成】 筒体5の端部5cの直径を筒体の外周部の直
径と異なった形状にし、弾性部材8からなる遮蔽部材の
内周部8aが筒体5の端部5cの形状に倣って接触する
ようにする。特に遮蔽部材の内周部8aは、筒体5の端
部5cに対向する位置において、その筒体5の端部をそ
の形状に倣って覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相対的に移動する部材
の隙間を遮蔽する遮蔽装置に関するものであり、特に光
学機器が有するレンズ鏡筒と光学機器本体との隙間から
内部に進入する光線を遮断する遮蔽装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、相対的に移動する2つの部材(例
えば枠体と筒体)の隙間を遮蔽する遮蔽装置として、例
えば特開平10−31146号公報には、移動する筒体
の外周部に摺動する遮蔽部材の摺動面に突起を設け、こ
の突起により遮蔽部材を筒体の外周部との接触力を大き
くして遮光することが開示されている。又、特開平8−
146501号公報又は特開平9−138334号公報
には、鏡筒の外周部に嵌合する遮蔽部材に複数の突起を
設けることで更なる遮蔽効果を得ることが開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、移動す
る筒体をプラスチック材料で成形した場合、成形型の都
合上、その外周面にパーティングラインの段差やバリが
できる。このパーティングラインの段差やバリは、例え
微小であっても、筒体と遮蔽部材との接触面に微少な隙
間を生じさせることが避けられない。また、遮蔽部材と
筒体との接触面に微細なゴミが挟まった場合にも、上記
と同様に微少な隙間ができる。
【0004】従来の遮蔽装置をカメラのボディ本体とレ
ンズ鏡筒との間の隙間を遮光する目的で適用した場合、
この微少な隙間を介してボディ内部に光線が進入してし
まいフィルムが感光する問題があった。
【0005】そこで、遮蔽部材と筒体の嵌合部に微細な
隙間が生じる場合であっても、効果的に光線を遮断でき
る遮蔽装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的のために請求項
1に係る本願発明では、開口部(1a)を有する枠体
(1)と、該枠体の前記開口部の内部で、該開口部にほ
ぼ直交する方向に移動可能な筒体(5,45,55,6
5,75,85)と、一端が前記枠体の内側に設けられ
るとともに、他端が前記筒体の外周部に摺動可能に嵌合
して前記枠体と前記筒体との隙間を遮蔽する遮蔽部材
(8,58,68,78,88)とを備えた遮蔽装置に
おいて、前記筒体の外周部は、前記筒体の移動方向に関
する少なくとも一部が他の部分と異なった第2の形状
(5c,45c,55c,65c,75c,85c,8
5d)を有し、前記遮蔽部材は、前記筒体の前記移動方
向への移動に伴って、前記第2の形状を有する外周部に
倣って接触することとした。
【0007】また、請求項2に係る本願発明では、請求
項1の遮光装置において、前記筒体は円筒状もしくは円
柱状であり、前記第2の形状として、前記筒体の端部
(5c,45c,55c,65c,75c,85c)の
直径を前記筒体の他の外周部の直径と異ならせ、前記遮
蔽部材は環状であるとともに、その内周部分が前記筒体
の前記端部の形状に倣って接触することとした。
【0008】さらに、請求項3に係る本願発明では、請
求項1の遮光装置において、前記筒体は円筒状もしくは
円柱状であり、前記筒体は、前記第2の形状として、該
筒体の外周部に円周方向に沿って設けられた溝(85
d)を有し、前記遮蔽部材は環状であるとともに、その
内周部分の前記筒体の外周部と摺動する面に、前記溝の
形状に略一致する突起(88a)を有することとした。
【0009】また、請求項4に係る本願発明では、開口
(1a)を有するボディカバー(1)と、該ボディカバ
ーの前記開口の内部で、該開口にほぼ直交する方向に移
動可能な鏡筒(5,45,55,65,75,85)
と、一端が前記ボディカバーの内側(4b)に設けられ
るとともに、他端が前記鏡筒の外周部に摺動可能に嵌合
して前記ボディカバーと前記鏡筒との隙間を遮光する遮
蔽部材(8,58,68,78,88)とを有する遮蔽
装置を備えたカメラにおいて、前記鏡筒の外周部は、前
記鏡筒の移動方向に関する少なくとも一箇所に環状の不
連続部(5c,45c,55c,65c,75c,85
c)を有し、前記鏡筒が前記移動方向における所定位置
に移動した際に、前記遮蔽部材の端部が前記不連続部の
形状に倣って接触することを特徴とする遮蔽装置を備え
たカメラ
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による第一の実施の形態を
図1乃至図3を用いて説明する。図1及び図2は、本実
施の形態による遮蔽装置を備えた沈胴式のズームカメラ
の断面図である。本カメラは、ボディに対して鏡筒5が
移動する構成で、図1はレンズ鏡筒が沈胴した状態を示
し、図2はレンズ鏡筒が望遠側に繰り出された状態を示
す。カメラの外観を構成するカバー1は不図示の種々の
機構を固定する本体2を覆っている。圧板3は、本体2
との間に不図示のフィルムが通過する隙間を形成する。
レンズ鏡筒内の撮影光学系は第一レンズ群L1と第二レ
ンズ群L2とからなり、この第一レンズ群L1と第二レ
ンズ群L2が光軸I方向にそれぞれ移動することによっ
て焦点距離を変更する。
【0011】レンズ鏡筒は固定筒4、移動筒5、カム筒
6、レンズ室7から構成されている。固定筒4は本体2
に固定されており、この固定筒4の内周部には雌ヘリコ
イド4aが形成されている。移動筒5は、この固定筒4
の雌ヘリコイド4aに雄ヘリコイド5aで螺合してお
り、回転することにより光軸I方向に進退する。第一レ
ンズ群L1は移動筒5の内筒部5bに保持され、第二レ
ンズ群L2はレンズ室7に保持されている。カム筒6は
移動筒5の内周部に固定されており、移動筒5と一緒に
回転することで、第二レンズ群L2を移動させる。移動
筒5の駆動機構及び第二レンズ群L2の移動機構は周知
の機構であり、詳細な説明は省略する。
【0012】次に、シリコンゴム等の弾性を有する材料
からなる伸縮可能な環状の弾性部材8と、この弾性部材
8の外周部分の剛性を確保するために弾性部材8に接着
された環状芯部材9とから、遮蔽部材が構成される。こ
の環状の遮蔽部材は、その外周部が固定筒4の先端部4
bとカバー1の開口部1aの内面との間に配置され、内
周部が材料の伸縮性を利用して移動筒5の外周面に倣っ
て摺動可能に嵌合する。遮蔽部材は固定筒4の先端部4
bで光軸回りに回転可能に保持されており、移動筒5が
光軸回りに回転するとこれと一緒回転するようになって
いる。これは、移動筒5を駆動する際の負荷を軽減する
ためである。この遮蔽部材(例えば黒色に着色されてい
る)により、カバー1の開口部1aと移動筒5の外周面
との隙間からカメラ内部に進入する光線を遮蔽する。
尚、遮蔽部材を固定筒4の先端部4bに接着する等して
固定した場合でも、カメラ内部に進入する光線を遮蔽で
きることは言うまでもない。
【0013】さて、鏡筒が沈胴位置にある時の遮蔽部材
の様子を、図1の部分拡大図である図3を用いて詳細に
説明する。移動筒5の先端部(移動筒の外部端)には、
テーパー部5cが形成されている。弾性部材8は移動筒
5に嵌合していない状態では図の二点鎖線で示す形状を
している(これは以下の図4〜図7についても同様)
が、移動筒5が弾性部材8に嵌合することにより端部
(内周部8a)が移動筒5の外周部に沿って密着する。
移動筒5が沈胴した状態では、内周部8aは弾性を有し
ているため、テーパー部5cの面に倣ってこれを覆うよ
うに構成されている。この構成により、図3に示す光軸
Iに略平行な矢印Aの方向からの光線をより効果的に遮
断することができる。
【0014】図4は、本発明の第2の実施の形態による
遮光装置を示す断面図であり、図3と同様に主要部を拡
大して示す。また、基本的な構成は上述の第1の実施の
形態による遮光装置と同様であり、異なる点について説
明する。
【0015】移動筒45の先端部45cはR状の面取り
形状をしている。前述と同様に、移動筒45が沈胴した
状態で、弾性部材8はその端部(内周部8a)がR状の
面取り部45cを覆うように構成されている。
【0016】図5は、本発明の第3の実施の形態による
遮光装置を示す断面図であり、図3と同様に主要部を拡
大して示す。また、基本的な構成は上述の第1の実施の
形態による遮光装置と同様であり、異なる点について説
明する。
【0017】弾性部材58の端部には、移動筒55の外
周面に接触する部分であって、移動筒55のテーパー部
55cを覆う部分に、環状に設けられた突起58aを備
える。移動筒55が沈胴した状態で、突起58aがテー
パー部55cに倣って密着し、弾性部材58の端部(内
周部58a)がテーパー部55cを覆うように構成され
ている。
【0018】図6は、本発明の第4の実施の形態による
遮光装置を示す断面図であり、図3と同様に主要部を拡
大して示す。また、基本的な構成は上述の第1の実施の
形態による遮光装置と同様であり、異なる点について説
明する。
【0019】移動筒65の先端部に段差65cを形成
し、弾性部材68には移動筒65の段差部65cの段差
形状に略一致した突起68aを形成する。移動筒65が
沈胴した状態で、突起68aが段差65c上に位置し、
弾性部材68の端部(内周部68a)が段差65cを覆
うように構成されている。
【0020】尚、この第4の実施の形態では弾性部材6
8に突起68aを形成して段差65cを覆う(段差65
cに倣って接触する)ようにしたが、突起68aの形状
は図6に示す形状に限定されず、例えば図6に示す段差
65cを有する移動筒65と図3に示す弾性部材8を組
み合わせても同様の効果が得られる。
【0021】図7は、本発明の第5の実施の形態による
遮光装置を示す断面図であり、図3と同様に主要部を拡
大して示す。また、基本的な構成は上述の第1の実施の
形態による遮光装置と同様であり、異なる点について説
明する。
【0022】移動筒75の先端部にフランジ75cを形
成している。このフランジは移動筒75が沈胴した状態
でカバー1との隙間、即ち開口部1aをより小さくす
る。そして、図3に示す弾性部材8と同様な形状の弾性
部材78が移動筒75に嵌合し、移動筒75が沈胴した
状態で、その端部78aはフランジ75cの後方に位置
する。
【0023】ここで、通常、カメラが光に曝される時間
が圧倒的に多いのは鏡筒が沈胴状態にあるときである。
上述のように、移動筒をプラスチック材料で成形した時
に外周面に生じるパーティングラインの段差やバリの影
響で、弾性部材と移動筒の嵌合部に微少な隙間ができる
場合や、弾性部材と移動筒の嵌合部に微細なゴミが挟ま
って微少な隙間ができる場合には、この微少な隙間を光
線が通ってカメラ内部に進入し、フィルムが感光してし
まう。しかし、図3ないし図7で説明した実施の形態に
よれば、鏡筒が沈胴位置にある時に光線を効果的に遮断
している。鏡筒が沈胴状態に無い場合、即ち撮影に供し
ている時間は、沈胴状態にある時間に比べて遥かに短い
時間であるため影響は無いが、カメラが光に曝される時
間が圧倒的に多い沈胴状態でカメラ内部に進入する光線
を遮断できることは、非常に有効である。
【0024】次に、本発明の第6の実施の形態による遮
光装置を図8を用いて説明する。
【0025】本実施の形態による遮光装置を備えたカメ
ラは、所謂ステップズーム式の撮影光学系を備えてい
る。つまり、撮影光学系の焦点距離を6段階に変更する
ように鏡筒を制御可能で、レンズ鏡筒が各焦点距離まで
繰り出した位置で停止するように構成されている。その
他の構成は図1に示すカメラと同様であり、同符号を付
してその説明を省略する。
【0026】移動筒85の先端部には、図6に示す段差
65cとほぼ同様の段差85cが形成されるとともに、
溝85dが移動筒85の外周面上の光軸l方向に沿った
6箇所に環状に形成されている。この溝85dの数、及
び位置は、ズームのステップ数、及びステップ位置に対
応している。このため、鏡筒が停止した位置で、弾性部
材88の突起部88aがそれぞれの溝85dに嵌り込む
ようになっている。この構成によれば、鏡筒が沈胴位置
にある時のみならず、繰り出された位置にある場合でも
同様にカメラ内部に進入する光線を効果的に遮断でき
る。
【0027】尚、図8では、説明をわかりやすくするた
めに段差85cや溝85dを大きく示しているが、カメ
ラの外観を損なわないよう、実際には矢印Aの方向から
進入する光線を遮断できる程度の大きさであればよい。
また、第6の実施の形態では、弾性部材88に突起88
aを形成して段差85c及び溝85dに倣って接触する
ようにしたが、突起88aの形状は図8に示すものに限
定されず、図の矢印の方向から進入する光線を遮断でき
る形状であれば良い。
【0028】上述した実施例では、カメラ本体に対して
移動する移動筒が1つの場合であったが、より複雑な光
学系で、移動筒を二重、三重に構成する必要のあるレン
ズ鏡筒においても、それぞれの移動筒と移動筒の間に同
様の構成をとることで光線を遮断できることは説明をす
るまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、筒体の外
周部における第2の形状の部分において、遮蔽部材がそ
の筒体の形状に倣って接触するため、筒体の外周面にで
きるパーティングラインの段差やバリの影響で、或いは
遮蔽部材と筒体の嵌合部に微細なゴミが挟まった場合に
遮蔽部材と筒体の外周部との間の微少な隙間が生じて
も、光線を確実に遮断できる遮蔽装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態による遮蔽装置を
備えたカメラを示す断面図。
【図2】 本発明の第一の実施の形態による遮蔽装置を
備えたカメラを示す断面図。
【図3】 本発明の第一の実施の形態による遮蔽装置を
備えたカメラの主要部を拡大して示す断面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態による遮光装置を
示す断面図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態による遮光装置を
示す断面図。
【図6】 本発明の第4の実施の形態による遮光装置を
示す断面図。
【図7】 本発明の第5の実施の形態による遮光装置を
示す断面図。
【図8】 本発明の第6の実施の形態による遮光装置を
示す断面図。
【符号の説明】
1…カバー 4…固定筒 5,45,55,65,75,85…移動筒 5c…テーパー部 45c…先端部 55c…テーパー部 65c、85c…段差 75c…フランジ 85d…溝 8,58,68,78,88…弾性部材 8a,78a…内周部 58a,68a,88a…突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有する枠体と、 該枠体の前記開口部の内部で、該開口部にほぼ直交する
    方向に移動可能な筒体と、 一端が前記開口部の内側に設けられるとともに、他端が
    前記筒体の外周部に摺動可能に嵌合して前記枠体と前記
    筒体との隙間を遮蔽する遮蔽部材とを備えた遮蔽装置に
    おいて、 前記筒体の外周部は、前記筒体の移動方向に関する少な
    くとも一部が他の部分と異なった第2の形状を有し、 前記遮蔽部材は、前記筒体の前記移動方向への移動に伴
    って、前記第2の形状を有する外周部に倣って接触する
    ことを特徴とする遮蔽装置。
  2. 【請求項2】 前記筒体は円筒状もしくは円柱状であ
    り、 前記第2の形状として、前記筒体の端部の直径を前記筒
    体の他の外周部の直径と異ならせ、 前記遮蔽部材は環状であるとともに、その内周部分が前
    記筒体の前記端部の形状に倣って接触することを特徴と
    する請求項1記載の遮蔽装置。
  3. 【請求項3】 前記筒体は円筒状もしくは円柱状であ
    り、 前記筒体は、前記第2の形状として、該筒体の外周部に
    円周方向に沿って設けられた溝を有し、 前記遮蔽部材は環状であるとともに、その内周部分の前
    記筒体の外周部と摺動する面に、前記溝の形状に略一致
    する突起を有することを特徴とする請求項1記載の遮蔽
    装置。
  4. 【請求項4】 開口を有するボディカバーと、 該ボディカバーの前記開口の内部で、該開口にほぼ直交
    する方向に移動可能な鏡筒と、 一端が前記ボディカバーの内側に設けられるとともに、
    他端が前記鏡筒の外周部に摺動可能に嵌合して前記ボデ
    ィカバーと前記鏡筒との隙間を遮光する遮蔽部材とを有
    する遮蔽装置を備えたカメラにおいて、 前記鏡筒の外周部は、前記鏡筒の移動方向に関する少な
    くとも一箇所に環状の不連続部を有し、 前記鏡筒が前記移動方向における所定位置に移動した際
    に、前記遮蔽部材の端部が前記不連続部の形状に倣って
    接触することを特徴とする遮蔽装置を備えたカメラ。
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