JPH1138301A - レンズ鏡胴の遮光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ鏡胴の遮光装置において、遮光リング
部材と内筒の摩擦接触部からの光の回り込みがあっても
撮像媒体側への光の到達を阻止する。 【解決手段】 遮光リング５より撮像媒体側に、固定筒
１（外筒）の内径に嵌合し、遮光リング５のレンズ保持
筒３（内筒）との接触径より小径のリング部材６を設け
た。その結果、遮光リング５の摩擦接触部からの光漏れ
があっても、リング部材６により直接光をカットすると
共に、リング部材６が固定筒１の内径と嵌合しているた
め、回り込もうとする光を減衰させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩スチルカメラ
やデジタルスチルカメラ等のズームレンズ鏡胴の遮光装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ズーム動作により光軸方向に
移動する複数の鏡胴の各段部から光漏れを防止するため
の各種の遮光装置が知られている。例えば、実開平２−
１４９９２９号公報に示されるように、可撓性材料で形
成され鏡筒外径よりも小径の開口部を有する遮光リング
部材を、内筒の外径に摩擦接触するように装着したもの
がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の遮光装置においては、内筒の真円度誤差、
外筒と内筒の偏心、内筒表面の状態等によって、ズーム
駆動中に、遮光リング部材と内筒の摩擦接触部から、僅
かながら光が回り込んで光漏れを起こす場合があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたも
のであり、遮光リング部材と内筒の摩擦接触部からの光
の回り込みがあっても撮像媒体側への光の到達を阻止す
ることができるレンズ鏡胴の遮光装置を提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１の発明は、ズーム動作により光軸方向に移動
する少なくとも内筒及び外筒からなる鏡胴を有するレン
ズ鏡胴の遮光装置において、外筒の内径先端部に内筒に
対し摩擦接触して遮光機能を持つ遮光リングを保持し、
かつ、内筒の遮光リングより撮像媒体側に、外筒の内径
に嵌合し、前記遮光リングの内筒との接触径より小径の
リング部材を設けたものである。上記構成においては、
遮光リングの摩擦接触部からの光漏れがあっても、リン
グ部材により直接光をカットすると共に、リング部材は
外筒内径と嵌合しているため、回り込もうとする光を減
衰させ、撮像媒体への光の到達を阻止することが可能と
なる。

【０００５】また、請求項２の発明は、上記請求項１に
記載の構成において、内筒の外周が薄肉筒で包囲され、
リング部材は薄肉筒と内筒の大径部との間で挟持されて
いるものである。上記構成においては、リング部材の組
立が簡単となり、かつ、内筒にアンダーカット部を成形
する必要がなくなり、その製作が簡単になる。

【０００６】また、請求項３の発明は、上記請求項１又
は請求項２に記載の構成において、リング部材の内径と
内筒の外径との間に僅かの隙間を設けたものである。上
記構成においては、ズーム駆動中に外筒と内筒が偏心し
ても、リング部材が常に外筒内径に嵌合接触しているの
で、遮光効果は維持できる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面を参照して説明する。図１は本発明の実施形
態による遮光装置を有するズームレンズ鏡胴の半裁断面
図、図２は部分拡大図である。レンズ鏡胴は、ズーム動
作により光軸方向に移動する内筒及び外筒からなる鏡胴
を有し、外筒となる固定筒１には、内筒となる１群レン
ズ保持筒３（レンズ保持筒と略す）及び２群レンズ保持
筒７を直進ガイドするための直進溝１ａが形成されてい
る。ズーム駆動環２は、バヨネット溝２ｃに固定筒１の
バヨネット爪１ｂが嵌まることで、固定筒１に対し回転
自在に保持される。また、ズーム駆動環２のカム溝２ａ
に、レンズ保持筒３のカムフォロア３ａが嵌まり込み、
カム溝２ｂに、２群レンズ保持筒７のカムフォロア７ａ
が嵌まり込んでおり、ズーム駆動環２が回転駆動される
ことで、各レンズ保持筒３，７は直進及び後進移動され
る。

【０００８】植毛布４は、固定筒１の内径に貼られ、レ
ンズ保持筒３と固定筒１との調心作用を奏する。遮光リ
ング５は、固定筒１の先端部とズーム駆動環２のフラン
ジ部の間で光軸方向に僅かにガタ（間隙）を持った状態
で挟持され、かつ、遮光リング５の外径とズーム駆動環
２の内径との間にもガタを持たせており、これにより、
固定筒１、ズーム駆動環２及びレンズ保持筒３の間での
同軸誤差やガタを吸収し得るようにしている。

【０００９】さらに、レンズ保持筒３の遮光リング５よ
り撮像媒体側（図示の右側）に、リング部材６が設けら
れている。このリング部材６は、固定筒１の内径に嵌合
し、レンズ保持筒３の外周を包囲する薄肉部材（外観飾
り）８の後端面とレンズ保持筒３の大径部３ｃとの間に
僅かにガタを持った状態で狭持され、かつ、遮光リング
５のレンズ保持筒３との接触径より小径とすることで、
レンズ保持筒３の外径とリング部材６の内径との間にガ
タを持たせている。これにより、リング部材６は、固定
筒１とレンズ保持筒３のズーム駆動中の偏心に対して、
常に固定筒１の内径に嵌合接触して、遮光効果が得られ
るようにしている。

【００１０】上記のように構成されているので、遮光リ
ング５のレンズ保持筒３（内筒）との摩擦接触部から光
漏れがあっても、リング部材６がその直接光をカット
し、しかも、このリング部材６は固定筒１（外筒）の内
径と嵌合しているため、回り込もうとする光を減衰さ
せ、撮像媒体への光の到達を阻止する。また、構造上、
リング部材６の組立は極めて簡単となり、同時に、レン
ズ保持筒３にアンダーカット部を成形する必要がなく、
部品製作が簡単になると共に、金型構成が簡素になり、
金型費の削減が可能となる。また、固定筒１とレンズ保
持筒３のズーム駆動中の偏心に対しても、リング部材６
が常に固定筒１の内径に嵌合接触した状態であるので、
遮光効果の向上が図れる。

【００１１】なお、本発明は上記実施形態の構成に限ら
れず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態で
は、固定筒１とレンズ保持筒３との間に設けられる遮光
構造について示したが、外筒と内筒との関係にある複数
の鏡胴の間での遮光構造に同様に適用可能である。

【００１２】

【発明の効果】以上のように、請求項１の発明によれ
ば、遮光リングの摩擦接触部から光漏れがあっても、リ
ング部材により直接光をカットし、かつ、回り込もうと
する光を減衰させ、撮像媒体への光の到達を阻止するこ
とができる。また、請求項２の発明によれば、上記の効
果に加えて、リング部材の鏡胴への保持、組み込みが簡
単となり、しかも、内筒にアンダーカット部を成形する
必要がなく、部品製作が簡単になると同時に、金型構成
が簡素になり金型費の削減が図れる。また、請求項３の
発明によれば、上記の効果に加えて、ズーム駆動中の外
筒と内筒との偏心に対しても、リング部材が常に外筒内
径に嵌合接触しているので、遮光効果は十分に得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態によるズームレンズ鏡胴の
半裁断面図である。

【図２】部分拡大図である。

【符号の説明】

１ 固定筒 ２ ズーム駆動環 ３ １群レンズ保持筒 ５ 遮光リング ６ リング部材 ７ ２群レンズ保持筒 ８ 薄肉部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ズーム動作により光軸方向に移動する少
   なくとも内筒及び外筒からなる鏡胴を有するレンズ鏡胴
   の遮光装置において、 外筒の内径先端部に内筒に対し摩擦接触して遮光機能を
   持つ遮光リングを保持し、かつ、 内筒の前記遮光リングより撮像媒体側に、前記外筒の内
   径に嵌合し、前記遮光リングの内筒との接触径より小径
   のリング部材を設けたことを特徴とするレンズ鏡胴の遮
   光装置。
2. 【請求項２】 内筒の外周が薄肉筒で包囲され、前記リ
   ング部材は該薄肉筒と内筒の大径部との間で挟持されて
   いることを特徴とする請求項１に記載のレンズ鏡胴の遮
   光装置。
3. 【請求項３】 前記リング部材の内径と内筒の外径との
   間には、僅かの隙間を設けたことを特徴とする請求項１
   又は請求項２に記載のレンズ鏡胴の遮光装置。