JP2001207223A - 銅電解スライムからの有価金属の回収方法 - Google Patents

銅電解スライムからの有価金属の回収方法

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JP2001207223A JP2000015611A JP2000015611A JP2001207223A JP 2001207223 A JP2001207223 A JP 2001207223A JP 2000015611 A JP2000015611 A JP 2000015611A JP 2000015611 A JP2000015611 A JP 2000015611A JP 2001207223 A JP2001207223 A JP 2001207223A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅電解スライムから、簡単な湿式操作のみに
よって、金、白金族元素、セレン、テルルをそれぞれ選
択的且つ高収率で回収する。 【解決手段】 (a)銅電解スライムのスラリーを塩素で
処理して有価金属を浸出した後、(b)その塩素浸出液に
ビス(2-ブトキシエチル)エーテルを混合して金を有機
相に抽出し、蓚酸にて還元して金を回収し、(c)その抽
残液に塩化トリオクチルメチルアンモニウム及び燐酸ト
リブチルを混合して白金族元素を有機相に抽出し、ヒド
ラジン及び水酸化ナトリウムで還元して白金族元素を集
合分離し、(d)この抽残液を二酸化硫黄で還元して、セ
レン及びテルルを順次回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅の電解精製工程
で発生するアノードスライム(銅電解スライム)から有
価金属を回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、銅電解スライムは、湿式法により
脱銅した後、乾式法によりセレン、アンチモン、鉛、
錫、ビスマス、テルルなどを分離し、最後に金、銀、白
金族の合金を得て、これを電解を中心とした湿式法によ
り処理することにより、個々の貴金属元素を回収してい
た。
【0003】しかし、この方法では、貴金属を回収する
までの期間が長いため、系内滞留期間中の金利負担が大
きく、エネルギーの消費量が大きいほか、工程毎に固形
物の運搬をするため自動化が困難である、排ガスによる
作業環境の汚染がある、スライムの組成及び化合物の形
態への対応力が低いなどの問題があった。
【0004】そこで近年では、湿式を中心とした処理方
法が徐々に採用されている。湿式的な銅電解スライムの
処理プロセスについては、多数の方法が提案されている
が、セレン分離に湿式還元法を採用するか、焙焼法を採
用するかにより、以下の二つの方法に大別される。
【0005】第一の方法は、K. E. Sutliff et al, JO
M, August(1996), pp42-44、J. E. Hoffmann et al, Pr
oceedings of COPPER 95-COBRE 95 International Conf
erence Volume III(1995)、The Metallurgical Society
of CIM, pp41-57、特開平9−316559号公報、及
び特開平9−316561号公報に記載されている方法
である。
【0006】即ち、銅電解スライムから硫酸と酸素を用
いて高温高圧下でテルルの一部と銅を浸出し、その残渣
から塩酸及び過酸化水素あるいは塩素にて金、白金族元
素、セレン、テルルを浸出する。次に、この浸出液にビ
ス(2-ブトキシエチル)エーテル(以後DBCと表記す
る)を混合することにより金を抽出し、その抽残液を二
酸化硫黄で還元してセレン、テルル、白金族元素を回収
する。セレン、テルル、白金族元素の混合物はメタル状
態のまま蒸留することにより、セレンとテルル及び白金
族元素とに分離される。塩素浸出残渣は、アンモニア水
にて処理することにより銀を浸出し、この浸出液から銀
が粉末として回収される。
【0007】第二の方法は、J. E. Hoffmann et al, HY
DROMETALLURGY ’94, the Institution of Mining and
Metallurgy and the Society of Chemical Industry, C
HAPMAN & HALL(1994), pp69-105に記載されている方法
である。
【0008】即ち、銅電解スライムを硫酸による加圧浸
出にて、脱銅、脱テルルを行なう工程までは上記第一の
方法と同じであるが、その後残渣を硫酸と混合し、焙焼
することによりセレンを揮発分離すると同時に、残渣中
の銀を硫酸銀に変換する。硫酸焙焼残渣は、まず、硝酸
カルシウム水溶液を用いて銀を浸出し、この浸出液を電
解することにより銀メタルを回収する。銀を浸出した残
渣は、塩酸及び塩素にて金、白金族、セレン、及び残留
しているテルルを浸出する。この浸出液にDBCを混合
して金を抽出するが、この原理は第一の方法と同じであ
る。更に、この抽残液をヒドラジン還元することによ
り、白金族元素とテルルとを金属粉として回収する。
【0009】尚、この第二の方法における硫酸焙焼残渣
から銀を回収する法としては、上記第一の方法と同様
に、アンモニアを使用する方法、亜硫酸ナトリウムを使
用する方法も提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記第一の方法では、
塩素浸出の際に一定濃度の塩酸、塩化物を添加後、酸化
剤塩素により浸出するため、浸出する対象となるスライ
ムの組成、特に反応により塩化物イオンを生成する銅、
セレンの品位が変化すると、浸出液の塩化物濃度が変化
する。そのため、これらの元素の含有量が大きく増加し
た場合には、浸出液中の塩化物濃度が増大し、スライム
中のアンチモンの溶出率が増大するという問題点があっ
た。浸出液中のアンチモン濃度の増大は、金の抽出、洗
浄工程におけるクラッドの発生や、金還元工程における
金メタル中への不溶性アンチモン化合物の混入を引き起
こしていた。
【0011】また、金の回収直後にセレンを回収するた
め、金を完全に回収しないと、液中に残留した金がセレ
ン中に全量混入してしまう。そのため、水相への金の残
留を防止する必要から、有機相への金の濃度を上昇させ
ることが出来なかった。また、セレンと共沈しやすい白
金族元素が共存した状態でセレンを回収するため、製品
化可能な純度のセレンを溶液から直接回収することは不
可能であり、蒸留工程等の精製工程が必要不可欠であっ
た。更に、白金族元素がセレンとテルルの共沈のみによ
り回収されるため、特にセレン、テルルとの沈殿率が低
いイリジウム、ルテニウムの回収は困難であった。
【0012】第二の方法においては、焙焼時に揮発する
二酸化セレン中に煙灰が混入した状態で直ちに還元され
るため、3N以上の品位をもつセレンの回収は殆ど不可
能であった。また、焙焼工程を経由するため、白金族元
素は酸化され、不活性化していずれも浸出率が低下し、
特に酸化を受けやすいロジウム、イリジウム、ルテニウ
ムの浸出は困難であった。
【0013】更に、両方法に共通する問題点としては、
脱銅工程と塩素浸出工程の2工程でテルルが不完全に浸
出されるため、テルルの回収工程が煩雑になるという問
題点があった。
【0014】本発明は、上記した従来方法の問題点に鑑
み、銅電解スライムから簡単な湿式操作のみによって、
金、白金族元素、セレン、テルルを選択的に且つ高収率
で回収する方法を提供することを目的とする。
【0015】特に、銅電解スライムの組成が変動しても
金抽出工程以降に支障を来さず、また金の回収を完全に
行なわなくてもセレンメタルへの混入を防止でき、更に
セレンと共沈しやすい白金族元素のセレンメタルへの混
入を防止し、且つ白金、パラジウム、ロジウムに加え、
イリジウム、ルテニウムも回収できるうえ、一工程でテ
ルルを効率よく回収できる方法を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する銅電解スライムからの有価金属の
回収方法は、以下の(a)〜(d)の工程に従って処理するこ
とを特徴とする、即ち(a) 銅電解スライムのスラリー
を塩素で処理することにより、金、白金族元素、セレ
ン、テルルを浸出する工程、(b) 得られた塩素浸出液
にビス(2-ブトキシエチル)エーテルを混合して金を有
機相に抽出し、この有機相を塩酸で洗浄した後、蓚酸に
て還元することにより金を単体として回収する工程、
(c) 金を抽出した後の抽残液に塩化トリオクチルメチ
ルアンモニウム及び燐酸トリブチルからなる混合物を混
合して白金族元素を有機相に抽出し、この有機相を塩酸
で洗浄した後、ヒドラジン及び水酸化ナトリウムで還元
することにより白金族元素を単体として集合分離する工
程、(d) 白金族元素を抽出した後の抽残液を二酸化硫
黄により還元し、セレン及びテルルを順次単体として回
収する工程、を含むものである。
【0017】また、上記工程(a)においては、塩素浸出
時の浸出液中の塩化物濃度を130g/リットル以下に
維持することを特徴とし、上記工程(b)においては、塩
素浸出液からビス(2-ブトキシエチル)エーテルで金を
抽出する際に有機相中の金濃度を85g/リットル以下
に維持することを特徴とする。
【0018】上記工程(c)において、白金族元素を抽出
した有機相を洗浄する際に、濃度0.75mol/リッ
トル以上の塩酸を用いること、また白金族元素を還元し
た後の有機相を再度抽出に使用する際に、塩酸を添加し
てpH1以下に調整することを特徴とする。
【0019】上記工程(d)においては、白金族元素を抽
出した後の抽残液を二酸化硫黄で還元する際に、液の酸
化還元電位を400〜500mVに維持し、液温を50
〜80℃に維持すると共に、還元開始前に予めセレンメ
タルを懸濁させ、抽残液を還元容器に連続的に給液し、
且つ還元開始時のセレン濃度と連続還元中のセレン濃度
の差を5g/リットル以下に保つことにより、セレンを
回収することを特徴とする。また、セレン回収後の液の
酸化還元電位を290〜380mVに維持することによ
り、テルルを回収することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明では、金を抽出して回収す
る工程(b)と、セレン及びテルルを還元して回収する工
程(d)との間に、金の抽出も可能な白金族元素抽出工程
(c)を設けることにより、後の工程(d)でのセレン回収に
おける白金族元素の共沈を防止し、従来方法では銅電解
スライムから直接回収が困難であったイリジウム、ルテ
ニウムも回収可能となる。また、工程(b)において金の
完全な抽出が出来ない場合でも、総合的な収率の低下を
防止することが可能である。
【0021】以下に、各工程を詳細に説明する。まず、
工程(a)の銅電解スライムの塩素浸出では、塩素とスラ
イム中の成分との反応により塩化物イオンが生成する
が、塩化物上昇の主要因は銅とセレンである。銅、セレ
ンによって生成する塩化物イオンの生成反応を下記化学
式1〜2に示す。
【0022】
【化1】Cu+Cl→CuCl
【0023】
【化2】AgSe+3Cl+3HO→2AgCl
+HSeO+4HCl
【0024】銅電解スライム中の銅及びセレン含有量
は、その原料となる鉱物組成や前処理方法による変動が
大きく、初期の塩酸及び塩化物濃度を一定に保っていて
も、最終的な浸出液中の塩化物濃度は大きく変化する。
後工程で特に有害なアンチモンは塩化物濃度の上昇によ
り急激に増大するため、工程(a)での浸出液中の塩化物
濃度の管理が非常に重要であることが確認された。
【0025】即ち、塩化物濃度が130g/リットルを
越えるとアンチモン濃度が大きく増大するため、浸出液
中の塩化物濃度は130g/リットル以下に維持するこ
とが好ましく、110g/リットリル以下に維持するこ
とが更に好ましい。浸出液中の塩化物濃度は、原料中の
セレン品位と金属銅の品位から計算で求めることが可能
であり、また塩素浸出スラリーの母液の塩化物濃度をモ
ニタリングし、この濃度が目標濃度を越えた場合に水を
添加して濃度調整することによっても調整可能である。
【0026】このような塩化物濃度の管理により、原料
組成の変化にも対応することができ、また従来行われて
いる塩素浸出前の脱銅も必ずしも必要がなくなる。更
に、アンチモンと同様に、塩化物濃度の上昇によって溶
解度が増加する鉛の溶出もコントロールすることが出来
る。途中で水を添加して塩化物濃度する場合、水の添加
によりアンチモンなどが加水分解して沈殿を生成するた
め、濾過する前の添加が望ましい。
【0027】塩素浸出液は、Bruce F Rimmer, Chemistr
y and Industry, 19 (1974), pp63-66に記載されている
ように、次の工程(b)において、金の抽出溶媒であるビ
ス(2-ブトキシエチル)エーテルにより金の抽出を行な
う。共抽出された不純物を塩酸により洗浄した後、蓚酸
水溶液と加熱することにより、金を逆抽出すると同時に
金属状態にまで還元する。還元時には、塩化ナトリウム
などの塩化物を添加することにより塩化銀などの難溶性
塩化物の共析を防止できる。また、pH調整剤として尿
素を使用することにより、金の還元を促進し且つ加水分
解しやすい不純物の共沈を防止することが出来る。
【0028】この金の抽出工程において、従来は水相中
に残存する金の濃度を1mg/リットル以下まで回収す
ることを目標としていたため、溶媒中の金濃度は通常3
0g/リットル以下に管理されていた。しかし、本発明
では、次工程である白金族元素の抽出工程において金が
0.1mg/リットル以下まで抽出可能であるため、水
相中の金の残存量を増加することができ、有機相中の金
濃度を大幅に増加させることが可能である。この場合、
抽出できる金濃度の上限は、金を抽出した有機相と水相
の密度が等しくなる点となる。水相の比重により有機相
中の最大金濃度は変動するが、例えば有機相の洗浄に
1.5mol/リットルの塩酸を使用した場合、金濃度
は85g/リットルまで上昇させることが可能である。
このように有機相の金濃度を上昇させることにより、抽
出以降の有機洗浄、金還元設備の容量を小さくすること
が出来る。
【0029】次の工程(c)において、金の抽残液から、
特願平10―362079号公報記載のように、塩化ト
リオクチルアンモニウム(以後TOMACと表記する)
と燐酸トリブチル(以後TBPと表記する)の混合物を
用いて、白金族元素の抽出を行なう。この工程では、特
に後工程でセレンと共沈しやすい白金及びパラジウムを
1mg/リットル以下まで抽出除去可能であるため、白
金族元素の早期回収と共に、セレンの汚染並びに白金族
元素の損失を防止することができる。
【0030】白金族元素の抽出時には、白金族元素と共
に、銅やセレンの他、少量のアンチモンが共抽出され
る。これは、スライム浸出時に塩化物濃度を管理してい
ても浸出液中のアンチモン濃度を完全にゼロには出来な
いため、常に低濃度のアンチモンが水相及び有機相に分
布しているためである。共抽出された元素は塩酸により
洗浄除去されるが、その際に塩酸濃度が低すぎるとアン
チモンのみが加水分解して、沈殿することがある。そこ
で、白金族元素を抽出した有機相を洗浄する場合には、
濃度0.75mol/リットル以上の塩酸を使用するこ
とが望ましい。塩酸濃度の上限は特に限定されないが、
塩酸濃度が高いほど洗浄の効率が徐々に低下するため、
通常のスライムの塩素浸出液の塩化物濃度である3mo
l/リットル以下にすることがより好ましい。
【0031】白金族元素を抽出し、洗浄工程を経た有機
相は、ヒドラジンと水酸化ナトリウムを用いた還元処理
により、白金族元素を金属粉として回収するが、このと
き下記化学式3に示すように、TOMACの形態が変化
する副反応が進行する。尚、化学式3において、Rはオ
クチル基を表し、NRClはTOMACを表す。
【0032】
【化3】 NRCl+NaOH→NROH+NaCl
【0033】この副反応で生成したNROHは、溶媒
でありながらアルカリ性であるため、そのまま抽出工程
へ繰り返すと、水相中のアンチモンが加水分解して、抽
出時に沈殿を生成する。そこで、逆抽出後の有機相に塩
酸を添加し、下記化学式4に示すように元の形態に戻す
ことにより、この沈殿生成を防止する。完全にNR
Hが元のNRClに戻るためには、pH1以下となる
ように塩酸を添加すればよい。このpHの下限は特に限
定されないが、経済性や塩酸排水の増大等を勘案する
と、pH0以上であることが望ましい。
【0034】
【化4】 NROH+HCl→NRCl+H
【0035】尚、水相のpHを予め下げることにより、
OH型TOMACによるpH上昇を防止する方法も可能
であるが、有機相と水相の界面の局部的なpH上昇を配
慮すると、抽出剤そのもののpH調整がより好ましい方
法であるといえる。
【0036】上記白金族元素の抽残液からは、次の工程
(d)において、二酸化硫黄による還元によりセレンが回
収される。抽残液中には、白金族元素のうち特に沈殿し
やすい白金、パラジウムは既に分離されているが、より
沈殿しにくい元素であるロジウム、ルテニウム、イリジ
ウムは残存しており、これらの共沈防止策を講じること
により、セレン品位を更に上昇させることが出来る。
【0037】一般に、亜セレン酸、セレン酸を含む水溶
液は、約50℃以下で還元することにより赤色セレンが
生成し、この形態のセレンには白金、パラジウム以外の
白金族元素は殆ど共沈しないが、この低温還元法をスラ
イムの浸出液にそのまま適用すると、酸濃度が低すぎる
ため反応速度が非常に遅くなる。一方、この温度より高
い温度領域、即ち50〜80℃の領域においても、赤色
セレンほどではないが、白金族元素の沈殿率が低いセレ
ンの生成領域が存在するが、この温度領域はゴム状のセ
レンが析出しやすいため、工業的にセレンを回収するに
は不適切な条件とされている。
【0038】しかしながら、反応槽への給液を連続的に
行ない、且つ反応槽内の初期セレン濃度と連続還元反応
中のセレン濃度の差を極力小さく保つことにより、単位
時間当たりの新規発生ゴム状セレンの割合を低く抑える
ことができる。同時に、還元初期にセレンメタルの粉末
を懸濁することにより、新規発生セレンがセレンメタル
粉末の表面に析出し、ゴム状セレンが析出しても相互の
融着を防止することが可能であることが明らかになっ
た。また、上記セレンの濃度変化が大きいほどゴム状セ
レンが多く析出するが、変動幅が5g/リットル以下で
あれば改善が見られ、2g/リットル以下では高温で生
成したセレンと全く変わらない状態の還元物が回収され
る。
【0039】二酸化硫黄による還元電位に関しては、4
00mV未満では、50〜80℃の温度領域であっても
不純物の析出が増加し、逆に500mVを越えるとセレ
ンの還元率が低下するため、400〜500mVの範囲
が好ましい。更に、品位及び収率を同時に十分に満たす
電位としては、440〜480mVの範囲が特に好まし
い。
【0040】これらの各条件の組み合わせにより、品位
的にも、物理的にも、従来の亜セレン酸の二酸化硫黄還
元により得られるセレン粉と同等の、具体的には99.
9%以上の品質のセレンを回収することができる。
【0041】セレンを還元回収した後の液は、更に液の
還元電位を下げることにより、テルルが回収される。還
元電位が290mV未満では液中の二酸化硫黄濃度が飽
和濃度に近くなり、二酸化硫黄の効率が低下するうえ、
共存する銅イオンの還元が進行して塩化銅(I)が沈殿
し、テルル中に混入するため好ましくない。また、38
0mVを超えると、テルルの還元そのものが不完全にな
る。従って、テルルの還元電位としては、290〜38
0mVの範囲が好ましいが、テルルの品位と還元率を同
時に十分に満たすためには310〜350mVの範囲が
更に好ましい。尚、液の温度はテルル品位に影響しない
が、温度が高いほど反応速度は上昇し、特に好ましい還
元温度は80〜100℃である。
【0042】ここで得られるテルルは製品レベルの品位
に達していないが、溶解の後、電解法、沈殿法、溶媒抽
出法などの既存の方法により精製することにより、9
9.9〜99.99%まで純度を高めることが出来る。
【0043】尚、本発明は、銅電解スライムの処理を対
象にしているが、これに限定されず、金、白金族元素、
セレン、テルルのいずれかを含む混合物の処理に対して
も同様に適用可能である。
【0044】
【実施例】実施例1 下記表1に示す組成(重量%)の銅電解スライムのう
ち、組成Aを918kg、組成Bを116kg、及び組
成Cを39kg分取し、これらを3560リットルの水
に混合してスラリーとした。
【0045】
【表1】
【0046】このスラリーを槽内の滞留時間が4時間に
なるように流量を調整して連続的に反応槽へ導入し、反
応槽内では85℃にて、液に塩素が飽和する1000m
V以上の電位が維持されるように塩素を吹込み、スライ
ムの浸出を行なった。塩素浸出後、スラリーを遠心分離
器で固液分離し、残渣は洗浄液が無色になるまで洗浄し
た。下記表2に、残渣洗浄液を含む浸出液の組成(g/
l)と洗浄後の残渣の組成(%、ただしPt、Pd、I
r、Ru、Rhはppm)、及び各元素の浸出率(%)
を示す。尚、浸出液中の塩化物濃度は86.9g/lで
あった。
【0047】
【表2】
【0048】得られた浸出液の2580リットルを分取
し、645リットルのDBCを用いて金を抽出した。抽
出にはミキサーセトラーを用い、連続2段にて有機相と
水相を向流で攪拌機混合しながら抽出を行なった。混合
の滞留時間は10分、相分離時間は20分とした。金を
抽出した有機相は1.5mol/lの塩酸645リット
ルを用い、ミキサーセトラーを使用して、3段にて連続
向流で洗浄を行なった。抽出及び洗浄の液の流れを、ミ
キサーセトラーの概念図として図1に示した。
【0049】反応後の抽残液、洗浄液、洗浄後の抽出有
機相の組成(g/l)を下記表3に示す。金の抽出率は
99.85%、金を抽出した溶媒の洗浄による金の損失
は0.09%であった。尚、洗浄液中の金は、洗浄液を
抽出段に供給することにより回収可能である。
【0050】
【表3】
【0051】金を抽出した有機相のうちの90リットル
を分取して、水50リットル、食塩2900g(1mo
l/l相当)、蓚酸二水和物1750g(計算量の1.5
倍)、尿素1110g(計算量の1.5倍)と混合し、90
℃まで昇温した。この混合物の電位を90℃において測
定し、680mVに到達した時点で混合物を冷却し、固
液分離した。回収した金メタルは、付着している油分を
メタノールにて洗浄した後、塩酸にて酸洗した。還元後
の有機相と逆抽出後の水相の組成(g/l)、還元金の
品位(ppm)を下記表4に示す。金の還元率は97.
6%であるが、金を含む還元後の水相と有機相は全量繰
り返されるため、同じ溶媒と水相を使用して抽出〜還元
操作を繰り返すと、金の還元率の平均値は99.7%と
なる。
【0052】
【表4】
【0053】金抽出後の抽残液2580リットルをTO
MAC:TBP=1:1の混合溶媒2580リットルを
用いて抽出を行ない、更に抽出後の有機相を0.75m
ol/lの塩酸1290リットルで洗浄した。上記の抽
出はミキサーセトラーを用い、抽出5段及び洗浄5段に
て実施した。滞留時間は抽出及び洗浄とも10分、相分
離時間は20分とした。抽出と洗浄の液の流れを、ミキ
サーセトラーの概念図として図2に示した。金抽出の場
合と異なり、洗浄液は最終的に抽残液と混合するため、
抽出段の相比はO/A=2/3となる。混合後の白金族
抽残液及び洗浄後の白金族抽出有機相の組成(g/l)
を下記表5に示した。
【0054】
【表5】
【0055】この工程において、白金族元素は、Pt:
99.9%以上、Pd:99.9%以上、Ir:99.1
%、Ru:84.2%、Rh:80.0%が抽出され、金
抽出工程で残留した金もこの工程で回収されるため、浸
出液からの収率は99.99%に達する。
【0056】抽出した有機相は、その50リットルを分
取して水25リットルと混合し、その状態で水酸化ナト
リウムにてpHを13に上昇させた後、電位が−500
mVになるまで60%ヒドラジン水和物を添加して還元
した。この電位とpHを1時間維持した後、固液分離し
た。還元後の有機相と水相の組成(g/l)、白金族還
元物の組成(湿潤%)を下記表6に示した。尚、還元物
中には、表6記載の成分のほかに、BiとPbが検出さ
れた。
【0057】
【表6】
【0058】白金族元素を抽出した後の抽残液は、二酸
化硫黄にて還元してセレンを回収した。即ち、反応槽に
pH−0.2の硫酸とセレン濃度で1g/l相当の亜セ
レン酸とを含む水溶液を装入し、更に金属セレン粉末を
10g/l相当懸濁させた後、65℃に昇温し、電位が
460mVになるまで二酸化硫黄を溶解した。次いで、
上記表5に示す抽残液を反応槽内へ連続的に供給した。
供給速度は、槽内の滞留時間が4時間になるように維持
した。
【0059】還元後の母液組成(g/l)、及び回収し
たセレンの品位(ppm)を下記表7に示す。表7記載
の元素以外では、原理的に二酸化硫黄による還元を受け
ない元素であるビスマス、アンチモン、鉛、砒素は10
ppm以下、硫黄は26ppmであった。セレンの還元
率は、91.2%であった。尚、10日間連続で通液を
行なったが、ゴム状セレンの析出による固着は観察され
ず、粒度分布、操作型電子顕微鏡による観察結果におい
ても、同じ組成の液を85℃で還元した金属セレンと殆
ど差が見られなかった。
【0060】
【表7】
【0061】上記のごとくセレンを還元回収した後、更
に二酸化硫黄にて低電位で還元することにより、テルル
を回収した。即ち、セレン還元還元後の液を85℃に加
熱し、電位が330mVになるまで二酸化硫黄を吹込ん
だ。その後、滞留時間が4時間になるように連続的にセ
レン還元後液を給液し、電位及び温度は初期の値に維持
した。テルル還元後液の組成(g/l)及びテルルメタ
ルの品位(%)を下記表8に示す。液中に残存した白金
族元素のうち、ルテニウム以外は完全にテルル中に補足
され、回収されることが確認された。
【0062】
【表8】
【0063】実施例2 実施例1の表2に示す浸出液を、抽出剤としてDBCを
用い、相比O/A=1/16にて、向流2段で金の抽出
を行なった。抽出後の抽残液中及び有機相中の金濃度
(g/l)を下記表9に示す。
【0064】
【表9】
【0065】有機相中のDBCを60g/l程度まで上
昇させると、水相中の金濃度は上昇するものの、金の回
収率、即ち抽出1段有機相の金量を抽出1段有機相の金
量と抽残液2段の金量との合計で割った値は、98.8
%であった。尚、実施例1で述べたように、残留した金
は次工程である白金族抽出工程で全量回収可能である。
【0066】この有機相を、実施例1と同様の条件で、
1.5mol/lの塩酸にて3段で洗浄した後、尿素と
塩化ナトリウムの共存下に蓚酸にて還元を行なった。還
元後の金の品位(ppm)を下記表10に示す。この実
施例では有機相中の金濃度の負荷を上昇させたが、不純
物元素の顕著な増加は確認されなかった。
【0067】
【表10】
【0068】比較例1 セレン品位の高い銅電解スライムを用いて、浸出時の塩
化物濃度の影響を調べた。即ち、表11の組成(%)の銅電
解スライム300gに水を加えて1リットルとし、この
スラリーの電位を塩素にて1000mV以上に上昇させ
て浸出を行なった。浸出液の組成(g/l)と残渣の組成
(%)及び浸出率(%)を表12に示す。
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】得られた浸出液を実施例1と同様にDBC
にて抽出し、洗浄処理を行なった。その結果、浸出液中
の全アンチモン量を100%とした場合、洗浄工程でア
ンチモンが42.7%、砒素が12.2%沈殿し、沈殿の
生成により抽出操作の継続は困難であった。更に、洗浄
後も有機相中にアンチモンが30.8%残存し、後の金
回収工程においてアンチモンが加水分解して還元金に混
入した。
【0072】そこで、実施例1で使用した表1記載の組成
Aの銅電解スライムと、表11記載の銅電解スライムと
を1:1の比率で混合し、上記と同様に塩素浸出を実施
した。その結果、塩化物濃度は142g/lまで低下し
たが、アンチモン濃度は8.29g/lと高かった。
【0073】比較例2 実施例1の表2記載の浸出液とDBCとの比率を変化さ
せ、金濃度が85及び90g/lの溶媒溶液を調製し
た。この溶媒溶液を1.5mol/lの塩酸と相比O/
A=1/1にて混合したところ、金濃度が90g/lで
は有機相が水相より重くなり、上下に相が反転した。ま
た、金濃度が85g/lでは、油水分離はするものの、
相分離速度はかなり遅くなった。従って、DBC中の金
濃度が85g/l以上になると、工業的実施は困難にな
る。
【0074】比較例3 実施例1で産出した表3記載の抽残液と、TOMAC:
TBP=1:1の混合物とを、相比O/A=1/1にて
抽出した。この有機相を4分割して、それぞれ0.2
5、0.50、0.75、1.0mol/lの塩酸を用い
て、相比O/A=1/1にて5回洗浄した。洗浄後の溶
媒を濾過して懸濁物を回収し、洗浄して乾燥した後、秤
量した。その結果を下記表13に示す。
【0075】
【表13】
【0076】この結果から分かるように、塩酸濃度が
0.75mol/l未満では沈殿が顕著に増大し、ミキ
サーセトラーでの操作は困難であった。塩酸濃度が0.
75mol/l以上では沈殿生成は外観的には認められ
ず、ミキサーセトラーによる操業でも異常は認められな
かった。
【0077】比較例4 実施例1において、白金族元素を抽出した後、還元逆抽
出を行った有機相(pH3)をそのまま抽出工程に供給
したところ、ミキサーセトラー内に沈殿物が大量に発生
した。この溶媒に塩酸を添加して、沈殿の発生しない塩
酸濃度を調査したが、pHを1以下にして初めて沈殿の
生成を防止できることが確認された。
【0078】比較例5 実施例1の表5記載の白金族元素抽出後の抽残液を用
い、還元電位を変動させて、セレン及び不純物の還元挙
動を調査した。還元温度は65℃とし、バッチ還元を実
施した。その結果を、銅、セレン、テルルの沈殿率(%)
として表14に示す。
【0079】
【表14】
【0080】この結果から、セレンは電位が500mV
を超えると還元率が著しく低下し、また400mV未満
ではテルルや銅の混入が急激に増大することが判明し
た。
【0081】比較例6 実施例1の表5に記載の白金族抽出後の抽残液を用い、
バッチにてセレン還元時の温度を変えて、白金族元素の
還元率(%)、回収したルテニウムとロジウムの不純物品
位(ppm)を調査した結果を表15に示す。
【0082】
【表15】
【0083】その結果、50℃未満では不純物品位は低
いが還元速度が極めて遅く、80℃以上では白金族元素
の共沈が非常に大きくなるため、実際的ではないことが
判明した。一方、40℃では、8時間維持してもセレン
の還元率は殆ど上昇しなかった。尚、表15の結果は、
電位が低下した直後のサンプリング結果であるため、6
5℃における実収率は低いが、還元時間を4時間まで延
長することにより90%以上の還元率が得られることが
確認されている。
【0084】比較例7 実施例1の表5に記載の白金族抽出後の抽残液を反応槽
に装入し、65℃にて二酸化硫黄を吹込んで、バッチに
て460mVに調整したところ、壁面にゴム状のセレン
が析出した。
【0085】そこで、実施例1と同様に滞留時間を4時
間に維持し、連続的に原液を供給しながら還元した場合
について、初期の反応槽内のセレン濃度(g/l)、セ
レン種晶(セレンメタルの懸濁)の有無が及ぼす影響を
調査した。その結果を下記表16に示す。尚、反応後の
セレン濃度はいずれの場合もほぼ1g/lであった。こ
の結果から、セレン種晶及び初期セレン濃度の適正化の
いずれかが欠如すると、セレンがゴム状になることが確
認された。
【0086】
【表16】
【0087】比較例8 実施例1のテルル還元において、滞留時間と温度は変化
させずに、還元電位のみ変化させて、テルル及び銅の還
元率(%)を調査した。その結果を表17に示す。表17
の結果より、電位が290mV以下では銅の沈殿率が高
くなり過ぎ、また370mV以上ではテルルの還元率が
著しく低下することが分かる。
【0088】
【表17】
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、銅電解スライムを塩素
浸出し、簡単な湿式操作のみによって、金、白金族元
素、セレン、テルルをそれぞれ選択的に且つ高収率で回
収することができ、工業的に極めて有用である。
【0090】しかも、銅電解スライムの組成が変動して
も金抽出工程以降に支障を来さず、また金の回収を完全
に行なわなくてもセレンメタルへの混入を防止でき、更
にセレンと共沈しやすい白金族元素のセレンメタルへの
混入を防止し、且つ白金、パラジウム、ロジウムに加
え、イリジウム、ルテニウムも回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1での金抽出工程を説明するためのミキ
サーセトラーの概念図である。図中の実線矢印は水相の
流れを、点線矢印は有機相の流れを示し、○は水相と有
機相の混合を表す。
【図2】実施例1での白金族元素抽出工程を説明するた
めのミキサーセトラーの概念図である。図中の実線矢印
は水相の流れを、点線矢印は有機相の流れを示し、○は
水相と有機相の混合を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金坂 淳 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 橋川 隆至 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 山田 高裕 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 (72)発明者 真鍋 義昭 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 Fターム(参考) 4K001 AA04 AA09 AA22 AA26 AA41 BA17 DB04 DB23 DB26 DB31 DB34 HA10 HA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅電解スライムを以下の(a)〜(d)の工程
    に従って処理することを特徴とする銅電解スライムから
    の有価金属の回収方法。 (a) 銅電解スライムのスラリーを塩素で処理すること
    により、金、白金族元素、セレン、テルルを浸出する工
    程、 (b) 得られた塩素浸出液にビス(2-ブトキシエチル)エ
    ーテルを混合して金を有機相に抽出し、この有機相を塩
    酸で洗浄した後、蓚酸にて還元することにより金を単体
    として回収する工程、 (c) 金を抽出した後の抽残液に塩化トリオクチルメチ
    ルアンモニウム及び燐酸トリブチルからなる混合物を混
    合して白金族元素を有機相に抽出し、この有機相を塩酸
    で洗浄した後、ヒドラジン及び水酸化ナトリウムで還元
    することにより白金族元素を単体として集合分離する工
    程、 (d) 白金族元素を抽出した後の抽残液を二酸化硫黄に
    より還元し、セレン及びテルルを順次単体として回収す
    る工程。
  2. 【請求項2】 上記工程(a)において、塩素浸出時の浸
    出液中の塩化物濃度を130g/リットル以下に維持す
    ることを特徴とする、請求項1に記載の銅電解スライム
    からの有価金属の回収方法。
  3. 【請求項3】 上記工程(b)において、塩素浸出液から
    ビス(2-ブトキシエチル)エーテルで金を抽出する際に
    有機相中の金濃度を85g/リットル以下に維持するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の銅電解スライムから
    の有価金属の回収方法。
  4. 【請求項4】 上記工程(c)において、白金族元素を抽
    出した有機相を洗浄する際に、濃度0.75mol/リ
    ットル以上の塩酸を用いることを特徴とする、請求項1
    に記載の銅電解スライムからの有価金属の回収方法。
  5. 【請求項5】 上記工程(c)において、白金族元素を還
    元した後の有機相を再度抽出に使用する際に、塩酸を添
    加してpH1以下に調整することを特徴とする、請求項
    1又は4に記載の銅電解スライムからの有価金属の回収
    方法。
  6. 【請求項6】 上記工程(d)において、白金族元素を抽
    出した後の抽残液を二酸化硫黄で還元する際に、液の酸
    化還元電位を400〜500mVに維持し、液温を50
    〜80℃に維持すると共に、還元開始前に予めセレンメ
    タルを懸濁させ、抽残液を還元容器に連続的に給液し、
    且つ還元開始時のセレン濃度と連続還元中のセレン濃度
    の差を5g/リットル以下に保つことにより、セレンを
    回収することを特徴とする、請求項1に記載の銅電解ス
    ライムからの有価金属の回収方法。
  7. 【請求項7】 上記工程(d)において、セレン回収後の
    液の酸化還元電位を290〜380mVに維持すること
    により、テルルを回収することを特徴とする、請求項1
    又は6に記載の銅電解スライムからの有価金属の回収方
    法。
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