JP2001201408A - 応力振動を抑制する動的陽解法有限要素法 - Google Patents

応力振動を抑制する動的陽解法有限要素法

Info

Publication number
JP2001201408A
JP2001201408A JP2000008636A JP2000008636A JP2001201408A JP 2001201408 A JP2001201408 A JP 2001201408A JP 2000008636 A JP2000008636 A JP 2000008636A JP 2000008636 A JP2000008636 A JP 2000008636A JP 2001201408 A JP2001201408 A JP 2001201408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stress
calculated
finite element
curve
yield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000008636A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Tsutamori
秀夫 蔦森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000008636A priority Critical patent/JP2001201408A/ja
Publication of JP2001201408A publication Critical patent/JP2001201408A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動的陽解法有限要素法で得られる応力の計算
結果に過度な振動が生じないようにする。 【課題を解決するための手段】 材料の構成式に、初期
の降伏後で再度の降伏前の間、再度の降伏応力よりも小
さな降伏応力で降伏する関係(ステップS10)を導入
した式を用いて動的陽解法有限要素法を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動的陽解法有限要
素法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】有限要素法の発達、特に、動的陽解法有
限要素法の発達が非線形現象の計算を可能にした。動的
陽解法有限要素法は主として衝突現象の計算のために発
達したが、塑性加工時に生じる現象の計算も可能であ
り、現在ではプレス成形解析用ソフトの主流になってい
る。塑性加工現象を計算する場合、計算時間を短縮化す
るために、計算上の成形速度を実際の成形速度の数十倍
程度に上げて計算することが良く行われる。動的陽解法
有限要素法で塑性加工現象の計算をする技術の一例が特
開平11−191098号公報に記載されている。この
技術は、動的陽解法で塑性加工現象を計算する一方、大
矢根の理論割れ判定式によって、成形不良の発生を予測
する。このとき、計算上の成形速度を実際の成形速度に
対して上げすぎると予測精度が低下しすぎてしまう事を
報告している。一般に動的陽解法では応力振動が発生す
ることが知られている。成形速度を上げて計算すると応
力振動が過大となり、計算精度が落ちる場合がある。動
的陽解法で現れる応力振動を抑制する為に、動的陽解法
のモデルにシステムダンピングを組み入れる手法が提案
されている。しかしながら、ダンピング係数や減衰マト
リクスは、解析している物質の形状や物性によって異な
る為に、最適なダンピング係数や減衰マトリクスを選定
することが難しく、計算精度を落としすぎないで応力振
動を適度に抑制することは難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−1910
98号公報に記載されているように、計算上の成形速度
を抑えれば、応力振動が抑えられるものの、それでは計
算時間が長くなってしまう。さりとて、適度なダンピン
グ係数を選定することも難しい。そこで本発明者は、ダ
ンピング係数を導入することなく、計算上の成形速度を
実際の成形速度の数十倍あるいはそれ以上にしても、応
力振動の発生を抑制できる動的陽解法有限要素法を開発
することにした。
【0004】
【課題を解決するための手段と作用】本発明は、改良さ
れた動的陽解法有限要素法に係わり、材料モデル自体に
ダンピングを入れた。これによって個々の要素ごとの応
力に応じたダンピングが可能になる。具体的には、材料
の初期の降伏後で再度の降伏前の間、再度の降伏応力よ
りも小さな降伏応力で降伏する関係を材料の構成式に導
入することを特徴とする。
【0005】動的陽解法有限要素法では、時刻tにおけ
る運動方程式の解に基づいて時刻t+Δtでの運動方程
式の解を近似的に求めていく。このとき、時間増分ステ
ップごとにひずみ増分を計算し、計算されたひずみ増分
に材料の構成式を適用して応力増分を計算する。本発明
の改良された動的陽解法有限要素法によると、最初に降
伏して加工硬化した材料が再度塑性変形する際に、ひず
み増分から応力増分を計算するのに用いられる材料の構
成式がひずみに対して応力が滑らかに変化する構成式と
なっている為に、計算によって求められる応力が時間に
対して過度に振動することを抑制する。
【0006】この改良された動的陽解法有限要素法によ
ると、塑性加工終了時の応力分布が短時間に計算でき、
たとえばスプリングバックの計算精度が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、材料の構成式の算出過程
を示す。この算出過程の実行に先立って、材料の単軸の
応力-ひずみ関係が測定されている。図2の縦軸は真応
力、横軸は弾性ひずみと塑性ひずみの総和を示す。図2
の直線1とカーブ2は、材料の単軸の引張り試験をした
ときに測定された応力-ひずみ関係を示す。ポイント4
は初期降伏に対応する。
【0008】この実施の形態では、ポイント8まで引張
られて塑性変形し、ついで圧縮されるときの材料の構成
式を図1の算出過程で計算する。図2中、破線で示すカ
ーブ24が等方硬化モデルに基づく従来の構成式を示
し、直線部14と18は弾性変形に対応する。ポイント
22は従来の構成式における再度の降伏点を示し、この
ときの降伏応力20は、初期降伏応力6よりも大きく、
引張り終了時(ポイント8)での応力12に等しい。再
度の降伏応力20(ポイント8での応力12に等しい)
と初期降伏応力6との応力差10は加工硬化による。従
来の材料の構成式、即ち、直線部1とカーブ2と直線部
14と直線部18とカーブ24を用いて、材料を単軸で
引張り、ついで圧縮したときに生じる現象を動的陽解法
有限要素法で計算した結果を図4に示す。図4で縦軸は
真応力、横軸はひずみの絶対値を累積したものである。
カーブ41は引張り時の計算結果を示し、ひずみの増大
に応じて応力が上昇する。ポイント42は引張りを停止
した状態に相当する。直線部43は除荷に伴う弾性変形
に相当する。横軸にひずみの絶対値を累積しているの
で、直線43は右下に下がっている。直線部44は圧縮
応力を加え始めた後の弾性変形を示す。ポイント45は
最初の引張り工程で降伏して加工硬化した材料が再度降
伏するポイントに相当する。カーブ47は材料が圧縮さ
れて塑性変形している間の応力-ひずみの関係を示して
いる。計算結果を図示したカーブ47に現れる振動46
が、応力振動をあらわしており、従来の材料の構成式を
用いて動的陽解法有限要素法で計算すると、応力振動が
発生してしまう。
【0009】この実施の形態では、図2に示した再度の
降伏点22での降伏応力20よりも軽応力16で降伏が
開始するものとする。ポイント26で降伏したのちは、
n乗硬化則、即ち、σ=Kx(εe+εp)に従って
カーブ28を得る。計算すると、カーブ28はカーブ2
4よりも急に変化し、ポイント30で交差する。ポイン
ト30で交差したとき以降は、カーブ24を延長したカ
ーブ32を採用する。結局、この実施の形態では、引張
・圧縮にさらされる材料の構成式を、直線部1、カーブ
2、直線部14、直線部18、カーブ28、カーブ32
で構成する。直線部1、カーブ2、直線部14、直線部
18、カーブ28、カーブ32で構成された構成式を用
いて、材料を単軸で引張り、ついで圧縮したときに生じ
る現象を動的陽解法有限要素法で計算した結果を図3に
示す。図3の縦軸は真応力、横軸はひずみの絶対値を累
積したものである。図3と図4を対比すると明らかに、
計算される応力は、図3の場合には時間に対して滑らか
に変化するのに対し、図4では激しく変化して応力振動
47が現れる。図3では応力振動が現れない。
【0010】図1は、直線部1、カーブ2、直線部1
4、直線部18、カーブ28、カーブ32で構成される
構成式を、直線1とカーブ2の測定結果から得る過程を
示している。図1の処理は、短時間間隔をおいて繰り返
し実行される。ステップS2では、ひずみ増分を計算す
る。ステップS4では、材料が弾性域にあるものとして
応力の増分を計算する。ステップS6では、図2のポイ
ント4に示した初期降伏後か否かを判定する。図2の直
線部1を得ている間は、ステップS6でノーとなる。ス
テップS12ではS4で計算された応力増分から計算さ
れる応力から弾性域か塑性域かを判定する。図2の直線
部1に対応する部分では、ステップS6がノーで、ステ
ップS12が弾性域となり、測定された弾性係数に基づ
いて直線部1が計算される(ステップS16)。降伏点
4をすぎると、ステップS6はイエスとなるものの、塑
性変形しているのでステップS8がノーとなり、ステッ
プS10を実行することなく、ステップS12に進む。
ステップS12では塑性域と判別され、ステップS14
が実行される。ステップS14では、測定結果を分析す
ることで得られた弾塑性の構成テンソルCepを用い
て、カーブ2が計算される。以上の計算の結果、計算さ
れる直線部1とカーブ2は、材料の引張り試験で得られ
ものに等しくなる。
【0011】ポイント8で引張り応力が除荷された後、
直線部14に沿って弾性変形している間は、ステップS
8がイエスとなる。この結果、直線部14、18の構成
式が計算される。直線部18の構成式の計算中に、計算
される応力が再度の降伏応力20に接近してくる。この
実施の形態ではそれ以下の応力16(以下応力を絶対値
で考えて大きい小さいをいう)で降伏するものとする。
計算上、再度の降伏応力16を加工硬化した材料の降伏
応力20のα%(αは60〜80%程度が好ましい)と
して計算をする。このステップがS10に示される。こ
うして計算すると、それ以降は、ステップS10によっ
て、n乗硬化則に基づいてカーブ28の硬化曲線が計算
される。図1のステップS12の降伏判定では、計算さ
れた応力がカーブ24を超えたときに実際に降伏したと
判定する。このために、ポイント30以降は、ステップ
S8がノーとなり、ステップS10は実行されず、ステ
ップS14によってカーブ32が計算される。
【0012】このようにして、直線部1、カーブ2、直
線部14、直線部18、カーブ28、カーブ32からな
る材料の構成式が計算され、計算された構成式を用いて
材料を単軸で引張りついで圧縮したときに生じる現象を
動的陽解法有限要素法で計算すると、図3に示すよう
に、応力振動をもたらすことがなく、安定した応力-時
間の関係を算出することができる。
【0013】
【発明の効果】この発明によると、材料の構成式に、初
期の降伏後で再度の降伏前の間、再度の降伏応力よりも
小さな降伏応力で降伏する関係を導入するために、動的
陽解法有限要素法で計算される応力と時間の関係が安定
し、例えば塑性加工品に残る応力分布を短時間で精度よ
く計算することが可能となり、塑性加工後のスプリング
バック量の計算精度等が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】材料の構成式の算出過程を示す図。
【図2】算出された構成式の一例を示す図。
【図3】算出された構成式を用いて動的陽解法有限要素
法で計算したときの応力-ひずみカーブ。
【図4】従来の構成式を用いて動的陽解法有限要素法で
計算したときの応力-ひずみカーブ。
【符号の説明】
S10:初期の降伏後で再度の降伏前に降伏したものと
する処理

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料の構成式に、初期の降伏後で再度の
    降伏前の間、再度の降伏応力よりも小さな降伏応力で降
    伏する関係を導入した式を用いて行う動的陽解法有限要
    素法。
JP2000008636A 2000-01-18 2000-01-18 応力振動を抑制する動的陽解法有限要素法 Pending JP2001201408A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008636A JP2001201408A (ja) 2000-01-18 2000-01-18 応力振動を抑制する動的陽解法有限要素法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008636A JP2001201408A (ja) 2000-01-18 2000-01-18 応力振動を抑制する動的陽解法有限要素法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001201408A true JP2001201408A (ja) 2001-07-27

Family

ID=18536877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000008636A Pending JP2001201408A (ja) 2000-01-18 2000-01-18 応力振動を抑制する動的陽解法有限要素法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001201408A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005528700A (ja) * 2002-05-31 2005-09-22 ユージーエス、コープ コンピュータ変形解析器
US7970587B2 (en) 2007-03-23 2011-06-28 Siemens Industry, Inc. System and method for defining part interfaces
CN103091251A (zh) * 2013-01-14 2013-05-08 温州大学 基于激光冲击波技术的材料屈服强度检测方法
WO2021111625A1 (ja) * 2019-12-06 2021-06-10 健二 小國 弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005528700A (ja) * 2002-05-31 2005-09-22 ユージーエス、コープ コンピュータ変形解析器
KR100974992B1 (ko) * 2002-05-31 2010-08-09 지멘스 프로덕트 라이프사이클 매니지먼트 소프트웨어 인크. 컴퓨터 변형 분석기
JP4653482B2 (ja) * 2002-05-31 2011-03-16 シーメンス、プラダクツ、ライフサイクル、マニジマント、ソフトウエア、インク コンピュータ変形解析器
US7970587B2 (en) 2007-03-23 2011-06-28 Siemens Industry, Inc. System and method for defining part interfaces
CN103091251A (zh) * 2013-01-14 2013-05-08 温州大学 基于激光冲击波技术的材料屈服强度检测方法
WO2021111625A1 (ja) * 2019-12-06 2021-06-10 健二 小國 弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラム
JPWO2021111625A1 (ja) * 2019-12-06 2021-06-10
JP7292755B2 (ja) 2019-12-06 2023-06-19 国立研究開発法人海洋研究開発機構 弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2975377B1 (en) Stress-strain relationship simulation method, spring back prediction method, and spring back analyzing device
US10331809B2 (en) Deformation analysis device, deformation analysis method, and program
JP2013054001A (ja) 応力−歪み関係評価方法およびスプリングバック量予測方法
Wenman et al. Modelling and experimental characterisation of the Lüders strain in complex loaded ferritic steel compact tension specimens
JP3897477B2 (ja) 応力−ひずみ関係シミュレート方法およびスプリングバック量予測方法
US20170191915A1 (en) Evaluation method of plastic material and evaluation method of deformation processing of plastic material
JP2001201408A (ja) 応力振動を抑制する動的陽解法有限要素法
JP2000107818A (ja) 塑性加工シミュレーションの破断判定方法
KR102209605B1 (ko) 강재 탄성 계수 측정 시스템 및 방법
JP5131212B2 (ja) 材料状態推定方法
JPH10320432A (ja) 有限要素法を用いた塑性解析方法、システムおよび有限要素法を用いた塑性解析プログラムを記録した記録媒体
JPH11319971A (ja) プレス成形における皺発生予測方法
JP4946633B2 (ja) 材料状態推定方法
Pham et al. Improvement of modified maximum force criterion for forming limit diagram prediction of sheet metal
Patel et al. Large elaso-plastic deflection of micro-beams using strain gradient plasticity theory
JP4415668B2 (ja) 成形加工シミュレーションにおける面形状歪み量演算方法及びその装置
JP6729210B2 (ja) 材料試験機
JP2920372B2 (ja) エイジフォーミング成形方法
JP3783746B2 (ja) 中空形材の曲げ加工の座屈限界及びしわ形状予測方法
RU2076008C1 (ru) Способ контроля насосных штанг при их правке
JP7172802B2 (ja) 材料試験機、及び、材料試験機の制御方法
JP4001675B2 (ja) エイジフォーミング用成形治具の初期形状を決定する方法
CN114062167B (zh) 万能试验机常温试样拉伸恒应变率精确控制的方法
JP2018084471A (ja) ゴム状材料の材料パラメータの同定方法
JP4798983B2 (ja) ロール矯正機通板時の残留応力推定方法