JP2920372B2 - エイジフォーミング成形方法 - Google Patents

エイジフォーミング成形方法

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JP2920372B2
JP2920372B2 JP30611297A JP30611297A JP2920372B2 JP 2920372 B2 JP2920372 B2 JP 2920372B2 JP 30611297 A JP30611297 A JP 30611297A JP 30611297 A JP30611297 A JP 30611297A JP 2920372 B2 JP2920372 B2 JP 2920372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、エイジフォーミング成形方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】エイジフォーミングとは、材料に応力を
加えて一定基準面に沿って変形させておいて、この状態
で長時間高温に曝すエイジング処理を行い、発生する応
力緩和現象を利用して成形する方法である。
【0003】エイジフォーミングにおいて、材料のスプ
リングバック量を正確に予測して、その戻り分を考慮し
て治具コンター(基準面)の形状を決定する必要がある
が、エイジング条件や材質によってスプリングバック量
が変化するため、高精度の成形はかなり困難を伴う。
【0004】こうしたスプリングバック量を統計的に解
析した先行技術として、米国特許5168169号など
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、治具コンター
の形状を少しずつ微調整しながらエイジフォーミング試
験を何回か繰り返してスプリングバック量の傾向を求め
た後、正式な治具コンターの形状を決定している。その
ため、多くの材料消費と労力が不可欠となる。
【0006】一方、こうしたエイジフォーミングを長尺
物の材料に施す場合、長尺物を治具コンターに沿って変
形させる際に、ねじれや部分変形が生じないように長尺
物を均一に押圧する必要がある。
【0007】図18は長尺物Wの荷重分布を示す断面図
であり、長尺物Wを長手方向に成形しようとする場合、
治具コンターに沿って押圧する必要がある。図18
(a)のように上から均一な荷重を印加すると、下側の
平坦部は治具コンターに密着するため均一に押圧される
が、上側の平坦部は空中に浮いた状態になるため、図1
8(b)のようにねじれが発生してしまう。こうした状
態でエイジング処理を行うと、ねじれのある成形品にな
ってしまう。
【0008】図19は従来の長尺物の固定装置を示し、
図19(a)は全体斜視図であり、図19(b)は部分
拡大図である。長尺物Wは、その断面形状に適合し、長
手方向の途中で僅かに屈曲した形状を有する治具コンタ
ー2に乗載され、治具コンター2は支持基板1に固定さ
れている。長尺物Wは、アルミニウム等から成る引抜き
材や型押し材であって、そのままでは治具コンター2に
密着しないため、一定間隔で配置された複数のクランプ
3によって押圧している。クランプ3は、支持基板1に
固定されたボルト4とナット5で螺着されている。
【0009】治具コンター2は、長尺物Wの断面形状に
適合しているため、ねじれの問題は解消されている。し
かし、均一な押圧を実現するために多数のクランプ3が
必要になり、長尺物Wのセッティングに多大な労力が必
要になる。しかもクランプ3の接触部分は局所荷重にな
るため、部分的な歪みが発生しやすくなる。
【0010】本発明の目的は、エイジフォーミングのス
プリングバック量を高精度に予測できるエイジフォーミ
ング成形方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形品の材料
に関するクリープ試験を行ってクリープ則を求めた後、
有限要素法によってクリープ解析を行って、エイジフォ
ーミング中に生ずる応力緩和量を求めることによって成
形品のスプリングバック量を予測する工程と、該スプリ
ングバック量に基づいて、エイジフォーミング用治具の
成形面形状を決定する工程と、該治具を用いて、エイジ
フォーミングによる部材成形を行なう工程とを含むこと
を特徴とするエイジフォーミング成形方法である。
【0012】
【作用】本発明に従えば、有限要素法によってクリープ
解析を行って、エイジフォーミング中に生ずる応力緩和
量を求めているため、成形品の最終形状に近い状態でス
プリングバック量を予測できる。そのためクリープ試験
やエイジング試験を何回も繰り返さなくても、エイジフ
ォーミング基準面となる治具の成形面形状(治具コンタ
ー)を正確に決定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る長尺物のエ
イジフォーミング用治具の一例を示す全体斜視図であ
る。図2は図1中のA−A線に沿った断面図であり、図
2(a)は長尺物の変形前を示し、図2(b)は変形後
を示している。
【0014】エイジフォーミング用治具10は、4枚の
側板および底板から成る箱状部材11と、箱状部材11
によって支持され、所定間隔で配置された複数の仕切り
板12と、仕切り板12の上端面に乗載され、長尺物W
のエイジフォーミングの基準面を形成するための支持板
13と、長尺物Wの形状に沿って支持板13に取付けら
れたばね支持金具20などで構成されている。
【0015】箱状部材11の内部は真空引き可能なよう
に、外部の真空ポンプ(不図示)に連結されている。
【0016】仕切り板12の両端上部には係止用の耳1
2aが形成されており、箱状部材11の側板上部に形成
された段差部11aに乗載される。仕切り板12の上端
面の高さは、段差部11aと耳12aとの間に所望厚さ
の板部品を介在させて調整している。こうしてエイジフ
ォーミングの基準面の高さを決定して、仕切り板12の
上端面に平板状の支持板13を乗載することによって、
基準面すなわち治具コンターが決定される。ここでは、
エイジフォーミングの基準面が水平面と傾斜面で構成さ
れている例を示す。なお、支持板13の幅は仕切り板1
2の長さより短いため、支持板13の左右両側に隙間が
できる。この隙間を覆いつつ、支持板13の端部と箱状
部材11との間を橋渡しするように押え板14が乗載さ
れる。
【0017】長尺物Wの長手方向両端部は、箱状部材1
4の側板上部に取付けられた位置決め部材15によっ
て、上下方向の変位が許容され、水平方向の変位が規制
されている。なお、図1では長尺物Wが1本である例を
示しているが、複数本並べて乗載する場合には、位置決
め部材15を本数分だけ取付けることになる。
【0018】図2(a)に示すように、箱状部材11の
側板内壁には垂直方向の溝11bが一定間隔で多数形成
されており、この溝11bに沿って仕切り板12が摺動
し、位置決めされる。図2(a)の状態では、長尺物W
は自然な形状で支持されているため、支持板13右側で
の傾斜面では長尺物Wが支持板13から浮いている。
【0019】次に、耐熱性で可撓性あるバグフィルムを
用いて長尺物Wおよび箱状部材11の上部を覆った後、
ドライヤー等で上方から下に向けて高温ガス(たとえば
160〜200℃、5気圧の窒素ガス)を吹き付けると
ともに、箱状部材11の内部を真空引きすると、バグフ
ィルムが下方に押圧、吸引され、長尺物Wが下方に押圧
されて変形し、図2(b)に示すように、治具コンター
である支持板13に密着する。その際、ばね支持金具2
0は長尺物Wを弾性支持して、ねじれや倒れを防止して
いる。
【0020】図3は、本発明に係る長尺物のエイジフォ
ーミング用ばね支持金具の一例を示す断面図であり、図
3(a)は図2(a)中のB−B線に沿った断面図であ
り、図3(b)は図2(b)中のC−C線に沿った断面
図である。
【0021】ばね支持金具20は、長尺物Wの形状に適
合する当接部を有する可動部材21と、可動部材21を
弾性支持するためのばね部材22と、ばね部材22を支
持し、可動部材21を長尺物Wの成形方向に沿って変位
自在に案内し、かつエイジフォーミングの基準面を有す
る支持板13に取付可能な固定部材23などで構成され
る。
【0022】たとえば長尺物Wの断面形状が直角な屈曲
部を有する場合、可動部材21の当接部も直角な角部を
有する。可動部材21は中空の筒状に形成されており、
内部にコイル状のばね部材22(図示は中間省略)が収
容される。可動部材21の下部には、軸方向に沿った1
対の逃げ溝21aが対向して形成されている。
【0023】固定部材23は、可動部材21の外径より
わずかに大きな内径を有する円筒状に形成されており、
底部がばね部材22の下端を受けている。この底部は、
逃げ溝21aを通過する連結部材(不図示)を介して固
定部材23と一体形成されている。また、底部には、可
動部材21が通過可能なように1対の円弧状のスリット
が形成される。固定部材23の上端にはフランジ部が形
成され、ボルト24によって支持板13に螺着される。
【0024】図3(a)は長尺物Wは変形前の状態であ
り、ばね部材22が自然長の状態で長尺物Wと可動部材
21との接触圧がほぼゼロになるように、固定部材23
の高さが調整されている。
【0025】図3(b)は高温ガスの吹き付けによって
バグフィルム25を介して長尺物Wが変形した状態であ
り、ばね部材22が縮んで、長尺物Wの下側の平坦部が
支持板13に密着して位置決めされる。この状態におい
て、可動部材21は固定部材23によって倒れないよう
に支持されているため、長尺物Wの倒れやねじれを防止
している。
【0026】以上の説明において、長尺物Wの断面形状
として、図4(a)に示すように、垂直部と上端および
下端から水平に延出する平坦部を有する例を示したが、
図4(b)に示すように、両端にフランジ部を有する樋
状の長尺物Wであってもよく、その他種々の断面形状の
ものが適用可能である。
【0027】次に、エイジフォーミングの基準面、すな
わち治具コンターの形状を決定する方法について説明す
る。エイジフォーミングにおいて、図5に示すように、
長尺物や平板等の供試体は、基準面を有する治具の上に
乗載され、耐圧耐熱の容器に収容される。上から加圧加
熱のガスを定常的に吹き付けることによって供試体が基
準面に密着するように変形し、この状態で長時間(たと
えば24時間)高温に保持する。
【0028】図6は、応力−歪み曲線を示すグラフであ
る。ガス吹き付けによって供試体に一定の負荷応力σA
が加わると、弾性変形領域内ではリニアな負荷歪みεA
が発生する。この状態のまま高温で保持されると、時間
経過とともに応力緩和現象が進行して、一定時間後に負
荷応力σA より低い応力σB になる。次に、ガス吹き付
けを停止して押圧を解除すると、応力と歪みはリニアな
関係を保ちつつ低下して、応力ゼロになっても供試体に
残留歪みεR が残る。こうしてエイジフォーミングが完
了する。このとき負荷歪みεA と残留歪みεR との差が
スプリングバック量として定義され、このスプリングバ
ック量を正確に見積もることが必要になる。
【0029】ここで、治具コンターと歪みの関係につい
て説明する。図7のモデルに示すように、供試体の中立
面の曲率半径をρとして、中立面より距離yだけ離れた
位置の伸びδxは、 δx=(ρ+y)・dθ−ρ・dθ=y・dθ となる。したがって、歪みεxは、 εx=(y・dθ)/(ρ・dθ)=y/ρ となる。よって断面に生ずる垂直応力σxはフックの法
則(ヤング率E)より、 σx=εx・E=E・y/ρ となる。
【0030】ここで、供試体を治具にセットしたとき、
および成形後の様子を考える。成形前の供試体の中立面
半径ρPARTは、治具コンターをRTOOL、供試体の板厚を
tとすると、 ρPART=RTOOL−(t/2) となる。また、成形後の部品コンターをRPARTとする
と、 ρPART=RPART−(t/2) となる。したがって成形前の負荷歪みεxA および成形
後の残留歪みεxR は、
【0031】
【数1】
【0032】と表される。供試体の下面側の成形前の負
荷歪みεxA および成形後の残留歪みεxR は、
【0033】
【数2】
【0034】と表される。これが治具コンターおよび部
品コンターと歪みを関連付ける式である。
【0035】また、供試体を治具コンター面に固定した
ときに生ずる曲げ応力σxは、
【0036】
【数3】
【0037】と表される。そして、供試体の上面および
下面で曲げ応力σxは最大となり、
【0038】
【数4】
【0039】と表される。
【0040】また、上記式(3)、式(4)から治具コ
ンターRTOOL、成形後の部品コンターRPARTは、 RTOOL =(t/2)・(1+1/εxA ) …(6) RPART =(t/2)・(1+1/εxR ) …(7) と表される。
【0041】次に、本発明に係るエイジフォーミングの
スプリングバックの予測方法について説明する。図8
は、エイジフォーミングの際の応力緩和曲線を示すグラ
フである。応力緩和曲線は、種々の条件下でエイジフォ
ーミングを行って、応力−歪み曲線からの応力緩和量を
プロットすることによって得ることができる。そして、
応力緩和曲線上の一定座標から応力−歪み曲線の直線部
分と平行に引いた直線が横軸と交差する座標が成形後の
残留歪みεR を表す。したがって、エイジフォーミング
のスプリングバック量を正確に予測するには、応力緩和
曲線を正確に決定することが重要になる。
【0042】本発明では、1)成形品の材料に関するク
リープ試験を行う工程、2)クリープ則を求める工程、
3)有限要素法によってクリープ解析を行う工程、4)
エイジフォーミング中に生ずる応力緩和量を求める工
程、を経ることによって成形品のスプリングバック量を
予測している。
【0043】まず、1)クリープ試験について説明す
る。図9はクリープ試験に使用される試験片の形状を示
し、図9(a)は正面図、図9(b)は側面図である。
材料は、成形品の材料と同一であって、たとえばアルミ
ニウム合金(A7075−T6(JIS))である。図
9中の数値はmm単位である。試験条件は、温度165
±5℃(一定)で、負荷応力は28、24、20、1
6、12(単位はkgf/mm2 )でそれぞれ計測して
いる。試験方法は、試験片を設定温度まで昇温し、設定
温度に到達後約15分保持してから応力を負荷して、そ
の後一定経過時間ごとにクリープ変形量を測定する。デ
ータ採取は、応力負荷開始から10秒〜3分は10秒
毎、3分〜30分は1分毎、30分〜5時間は15分
毎、5時間〜50時間は2時間毎にそれぞれ行う。
【0044】下記(表1)はクリープ試験結果の一例を
示す。
【0045】
【表1】
【0046】また、図10は、歪み−時間線図の一例を
示すグラフである。図11は、歪み−時間のデータから
ASTM E647に示される7点近似法を用いて算出
したクリープ速度と時間との関係を示すグラフである。
【0047】図11において、歪み速度が左上から右下
へと直線的に変化して、歪み速度が時間とともに小さく
なっている領域が一次クリープ域である。その後、歪み
速度が一定になる領域が二次クリープ域である。
【0048】次に、2)クリープ則について説明する。
時間依存の一次クリープ域では、 dε/dt=A・σB・tC …(8) と表され、時間に依存しない二次クリープ域では、 dε/dt=D・σE …(9) と表される。ここで、dε/dtはクリープ歪み速度、
σは応力、tは時間、A、B、C、D、Eは材料定数で
ある。
【0049】そこで、図11において一次クリープ域の
直線は、 log(dε/dt)=C1+C2・log(t) …(10) と表せる。ここで、dε/dtは歪み速度、C1、C2
は材料定数である。各試験片について最小二乗法を用い
て求めた定数C1、C2を(表2)に示す。
【0050】
【表2】
【0051】ここで、定数C2は応力に依存せずほぼ一
定とみなせるので、ここではC2の平均値をとって、C
2=−0.680とした。これは、式(8)の定数Cに
相当する。したがって、式(8)、式(10)から、 A・σB = 10C1 …(11) が求まる。σとC1に下記(表2)の値を代入して、
A、Bを最小二乗法で求めると、 A=1.36×10-5 B=2.71 が得られる。以上より、温度165℃における一次クリ
ープ域の歪み速度は、 dε/dt=1.36×10-5・σ2.71・t-0.680 …(12) と求まる。
【0052】次に、クリープ歪み速度が最小となる値を
二次クリープ域での定常クリープ歪み速度として求め
る。その結果を(表2)に示す。式(9)のdε/dt
とσに(表2)の値を代入して、材料定数D、Eを最小
二乗法により求めると、 D=5.73×10−9 E=5.02 が得られる。以上より、温度165℃における二次クリ
ープ域の歪み速度は、 dε/dt=5.73×10−9・σ5.02 …(13) と求まる。
【0053】次に、3)有限要素法(FEM)について
説明する。上述のクリープ則を用いて、3次元一般シェ
ル要素、3次元ソリッド要素という2種類のモデルでF
EM解析を行う。各モデルの様子を図12に示す。ま
た、各モデルのメッシュ分割数、節点数を下記(表3)
に示す。
【0054】
【表3】
【0055】図13は、材料に印加される負荷の時間変
化を示すグラフである。境界条件として、実際には材料
は圧力を負荷された状態でエイジングされて応力緩和が
進行するが、ここでは解析を容易にするため材料は所定
の治具コンターに完全に接触しているものとし、各節点
に治具コンターに相当する強制変位を与えている。その
他に、幅方向の中央部には対称条件を追加している。
【0056】また、クリープ則は、式(12)の数値を
少し補正した式(12a)を使用している。
【0057】 dε/dt=1.32×10-7・σ2.71・t-0.681 …(12a) また、弾性係数Eは7200kgf/mm2、ポアソン
比νは0.3である。
【0058】図14は、有限要素法の解析手順を示すフ
ローチャートである。簡単に説明すると、モデル形状や
境界条件、クリープ則に基づいてデータを入力し(s
2)、初期歪みの増分を設定し(s3)、要素の剛性マ
トリックスを作成し(s4)、構造全体のマトリックス
を作成し(s5)、剛性方程式を組み立てる(s6)。
そして、連立1次方程式の解を求めて(s7)、応力や
歪みを計算して(s8)、経過時間が終了するまで、時
間増分および歪み増分を更新しながら(s10、s1
1)、ループs4〜s8を繰り返す。時間終了すると、
データを出力して(s12)、解析を終了する。
【0059】次に、4)応力緩和曲線について説明す
る。図15は3次元一般シェル要素の解析結果を示し、
図15(a)は応力緩和曲線を示すグラフで、図15
(b)は治具コンターと部品コンターとの関係を示すグ
ラフである。図16は3次元ソリッド要素の解析結果を
示し、図16(a)は応力緩和曲線を示すグラフで、図
16(b)は治具コンターと部品コンターとの関係を示
すグラフである。
【0060】各モデルにおいて有限要素法を用いること
によって応力緩和曲線を計算することができ、曲線上の
任意の座標から横軸に垂直に下ろすと負荷歪みεA が求
まり、該座標から応力−歪み曲線のリニア部分と平行な
直線を引くと残留歪みεR が求まる。
【0061】こうして得られた負荷歪みεA を式(6)
に代入すると、治具コンターRTOOLを材料厚tで除算し
た換算値RTOOL/tが得られ、残留歪みεR を式(7)
に代入すると、部品コンターRPARTを材料厚tで除算し
た換算値RPART/tが得られ、これらの関係をグラフ化
している。
【0062】これらのグラフから、応力緩和量そのもの
は負荷歪みが大きくなるにつれて大きくなり、負荷歪み
が小さいと応力緩和量が小さくなる傾向になることが判
る。
【0063】こうしてクリープ試験からクリープ則を求
め、さらに有限要素法を用いてクリープ解析を行い、治
具コンターと部品コンターとの関係を示すグラフを計算
することによって、治具コンターと部品コンターとの
差、すなわちスプリングバック量を正確に予測すること
が可能になる。
【0064】なお、以上の解析方法において供試体が板
状のものである例を示したが、図17に示すように長尺
物であっても同様に3次元要素モデルを使用して有限要
素法によるクリープ解析を行ってスプリングバック量を
予測することによって、治具コンターを決定することが
できる。
【0065】
【発明の効果】以上詳説したように本発明のスプリング
バック量の予測方法によれば、成形品の最終形状に近い
状態でスプリングバック量を予測できるため、クリープ
試験やエイジング試験を何回も繰り返さなくても、エイ
ジフォーミング基準面となる治具の成形面形状(治具コ
ンター)を正確に決定できる。
【0066】また、こうした予測方法で決定した成形面
形状を持つ治具を用いてエイジフォーミングによる部材
成形を行なうことによって、高精度の成形品が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る長尺物のエイジフォーミング用治
具の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1中のA−A線に沿った断面図であり、図2
(a)は長尺物の変形前を示し、図2(b)は変形後を
示す。
【図3】本発明に係る長尺物のエイジフォーミング用ば
ね支持金具の一例を示す断面図であり、図3(a)は図
2(a)中のB−B線に沿った断面図であり、図3
(b)は図2(b)中のC−C線に沿った断面図であ
る。
【図4】長尺物Wの断面形状の各種例である。
【図5】エイジフォーミングのオートクレーブ装置の構
成図である。
【図6】応力−歪み曲線を示すグラフである。
【図7】供試体のモデルである。
【図8】エイジフォーミングの応力緩和曲線を示すグラ
フである。
【図9】クリープ試験に使用される試験片の形状を示
し、図9(a)は正面図、図9(b)は側面図である。
【図10】歪み−時間線図の一例を示すグラフである。
【図11】クリープ速度と時間との関係を示すグラフで
ある。
【図12】有限要素法の解析モデルであり、図12
(a)は3次元一般シェル要素、図12(b)は3次元
ソリッド要素である。
【図13】材料に印加される負荷の時間変化を示すグラ
フである。
【図14】有限要素法の解析手順を示すフローチャート
である。
【図15】3次元一般シェル要素の解析結果を示し、図
15(a)は応力緩和曲線を示すグラフで、図15
(b)は治具コンターと部品コンターとの関係を示すグ
ラフである。
【図16】3次元ソリッド要素の解析結果を示し、図1
6(a)は応力緩和曲線を示すグラフで、図16(b)
は治具コンターと部品コンターとの関係を示すグラフで
ある。
【図17】長尺物の3次元要素モデルの一例である。
【図18】長尺物Wの荷重分布を示す断面図である。
【図19】従来の長尺物の固定装置を示し、図19
(a)は全体斜視図であり、図19(b)は部分拡大図
である。
【符号の説明】
10 エイジフォーミング用治具 11 箱状部材 11a 段差部 11b 溝 12 仕切り板 12a 耳 13 支持板 14 押え板 15 位置決め部材 20 ばね支持金具 21 可動部材 21a 逃げ溝 22 ばね部材 23 固定部材 24 ボルト 25 バグフィルム
フロントページの続き (72)発明者 飯尾 真也 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (56)参考文献 特開 平7−236923(JP,A) 特開 平6−226360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の材料に関するクリープ試験を行
    ってクリープ則を求めた後、有限要素法によってクリー
    プ解析を行って、エイジフォーミング中に生ずる応力緩
    和量を求めることによって成形品のスプリングバック量
    を予測する工程と、 該スプリングバック量に基づいて、エイジフォーミング
    用治具の成形面形状を決定する工程と、 該治具を用いて、エイジフォーミングによる部材成形を
    行なう工程とを含むことを特徴とするエイジフォーミン
    グ成形方法。
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