JP2000107818A - 塑性加工シミュレーションの破断判定方法 - Google Patents

塑性加工シミュレーションの破断判定方法

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JP2000107818A
JP2000107818A JP10286396A JP28639698A JP2000107818A JP 2000107818 A JP2000107818 A JP 2000107818A JP 10286396 A JP10286396 A JP 10286396A JP 28639698 A JP28639698 A JP 28639698A JP 2000107818 A JP2000107818 A JP 2000107818A
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strain
simulation
fracture
working material
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JP10286396A
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Akihito Sato
章仁 佐藤
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塑性加工シミュレーションにおいて塑性加工
材料の破断を正確に判定できる方法を提供する。 【解決手段】 塑性加工シミュレーションにおいて塑性
加工材料が変形させられる過程で、歪応力変化率算出手
段40(歪応力変化率算出工程)により塑性加工材料の
歪εの変化率dε/dtが逐次算出され、破断判定手段
42(破断判定工程)により、その歪εの変化率dε/
dtに基づいて、その塑性加工材料の破断が判定される
ので、動的に或いは時間的に変化する歪みの集中度合を
考慮でき、塑性加工材料の破断が正確に判定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塑性加工シミュレ
ーションおいて、塑性加工材料の破断を判定する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属板材のような一定の平坦な材料に、
曲げ、絞りなどの塑性加工を施して目的形状を得るプレ
ス加工などの塑性加工が知られている。このような塑性
加工では、目的形状を得るための金型形状を得るため
に、試行を繰り返して金型の修正を施さねばならず、高
度に熟練した特別な技能を要するとともに作業効率が得
られない。
【0003】これに対し、近年では、有限要素法(FE
M)の弾塑性解析に基づいて材料の位置、方向、生成固
有歪み、応力集中などを決定するようにして、金型形状
とこれにより得られる目的形状との試行を模擬的に繰り
返すことができる塑性加工シミュレーションが知られて
いる。たとえば、特開平7−236923号公報、特開
平6−226360号公報に記載された塑性加工シミュ
レーション方法がそれである。
【0004】このような従来の塑性加工シミュレーショ
ン方法では、通常、たとえばプレス下死点のような最大
加圧点などにおいて或いは逐次算出される塑性加工材料
の板厚の初期状態に対する減少率が予め設定された判断
基準値たとえば20〜30%を上回るか否か、或いは逐
次算出される塑性加工材料の歪みが予め設定された成形
限界曲線(FLD:Forming Limit Diagram )を越える
か否かなどに基づいて塑性加工材料の破断の発生が判定
され、そしてその破断の発生が判定されると、その破断
の原因と考えられる部分の成形条件を変更して、破断が
発生しなくなる塑性加工条件が得られるまでシミュレー
ションが繰り返される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
塑性加工シミュレーション方法の破断判定方法では、破
断の判定精度が十分に得られず、正確なシミュレーショ
ンができないという欠点があった。たとえば、逐次算出
される塑性加工材料の板厚の初期値に対する減少率が予
め設定された判断基準値を下回ることに基づく判定方法
では、塑性加工材料の変形形態や歪み或いは応力の集中
度に関係して実際には必ずしも破断する状態ではない場
合であっても破断危険部位と判定したり、逆に板厚の減
少率が予め設定された判断基準値を上回らなくても歪み
の集中により実際には破断する状態である場合でも破断
危険部位と判定しないという不都合があった。また、塑
性加工材料の歪みが予め設定された成形限界曲線を越え
るか否かの破断判定方法では、歪みの絶対値が上記成形
限界曲線を越えるか否かの判断に用いられることから、
この場合でも時間的な歪みの集中度合を考慮できないた
め、破断の正確な判定が困難であった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、塑性加工シミュ
レーションにおいて塑性加工材料の破断を正確に判定で
きる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、塑性加工シ
ミュレーションにおいて塑性加工材料の破断を判定する
方法であって、(a) 前記塑性加工シミュレーションにお
いて塑性加工材料が変形させられる過程でその塑性加工
材料の所定部分の歪み或いは応力の変化率を逐次算出す
る変化率算出工程と、(b) その変化率算出工程により算
出された変化率に基づいて、前記塑性加工材料の破断を
判定する工程とを、含むことにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、塑性加工シミュ
レーションにおいて塑性加工材料が変形させられる過程
で逐次算出された塑性加工材料の歪み或いは応力の変化
率に基づいてその塑性加工材料の破断が判定されるの
で、時間的に変化する歪みの集中度合を考慮でき、塑性
加工材料の破断が正確に判定される。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、塑性加
工シミュレーションにおいて塑性加工材料の破断を判定
する方法であって、(a) 前記塑性加工シミュレーション
において塑性加工材料が変形させられる過程でその塑性
加工材料の被判定部分を通過する線に沿って所定間隔で
位置する複数箇所の歪み或いは応力を算出する歪み応力
算出工程と、(b) その歪み応力算出工程により算出され
た複数箇所の歪み或いは応力に基づいて前記線に沿った
歪み或いは応力の分布状態を示す変数を算出する分布状
態算出工程と、(c) その分布状態算出工程により算出さ
れた分布状態を示す変数に基づいて、前記塑性加工材料
の破断を判定する破断判定工程とを、含むことにある。
【0010】
【第2発明の効果】このようにすれば、分布状態算出工
程により、塑性加工材料の被判定部分を通過する線に沿
った歪み或いは応力の分布状態を示す変数が算出され、
破断判定工程により、その分布状態算出工程により算出
された分布状態を示す変数に基づいてその塑性加工材料
の破断が判定されるので、時間的に変化する歪みの集中
度合を考慮でき、塑性加工材料の破断が正確に判定され
る。
【0011】
【発明の他の態様】ここで、好適には、第1発明および
第2発明において、前記塑性加工材料の所定部分の歪み
には、材料力学で定義されるひずみε(=λ/l、但
し、lは物体の長さ、λはその物体長さlの伸縮量)だ
けでなく、所定部位の板厚減少率、所定部位の相当塑性
歪、最大主歪のような上記ひずみεに対応してそれと1
対1に変化する変数が用いられ得る。また、前記塑性加
工材料の所定部分の応力には、材料力学で定義される応
力σだけでなく、相当塑性応力、最大主応力のような上
記応力σに対応してそれと1対1に変化する変数が用い
られ得る。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例の方法を実行す
る塑性加工シミュレーション装置10を示す図である。
この塑性加工シミュレーション装置10は、所謂コンピ
ュータにより構成された装置本体(演算制御装置)12
と、鋼材、非鉄材のような種々の金属材料からなる板状
素材などの塑性加工材料(ワーク)の特性値(引張強
度、降伏点、加工硬化係数すなわちn値、面内異方性す
なわちr値、ヤング率など)や形状(板厚)、金型の形
状などを表すプレスデータを本体12に供給するための
外部記憶装置14と、シミュレーションの前提条件を設
定するための入力操作装置16と、シミュレーションの
結果を理解可能に表示するための画像表示装置18と、
シミュレーションの結果を記録するための記録装置20
とを備えている。
【0014】図2は、上記シミュレーション装置10の
装置本体12の演算制御機能の要部を説明する機能ブロ
ック線図である。図2において、プレスデータ設定手段
22は、塑性加工材料の特性値や形状、たとえばポンチ
(上型)、下型、およびしわ押え金型などの1組の金型
の形状、金型の相対位置などを表す初期データ、境界条
件などのプレスデータをシミュレーション演算に先立っ
て設定する。シミュレーション演算手段24は、上型お
よび下型の接触面積としわ押え力とから金型からの押圧
力を算出し、各接触点に与える節点力を求め、それらを
次のタイムステップでの境界条件として用いて有限要素
法解析を行うことにより、プレス加工過程における塑性
加工材料の形状や歪を予め設定した所定時間毎或いはポ
ンチの所定変位毎に算出し、メッシュ状に表された塑性
加工材料の形状を画像表示装置18に表示させるととも
に記録装置20に記録させる。上記メッシュ状の塑性加
工材料の形状は、有限要素分割された各個々の要素ブロ
ックを示している。後述の節点は上記メッシュを示す線
の交点である。
【0015】上記シミュレーション演算手段24は、一
例として所定の境界条件下において、塑性加工材料の剛
性マトリックスを作成してその解を求める剛性マトリッ
クス作成求解手段26と、そのときの塑性加工材料の歪
εおよび応力σを算出する歪応力演算手段28と、新た
に作成された上記剛性マトリックスにおける各節点の座
標をそれぞれ更新する節点座標更新手段30と、金型と
塑性加工材料との間の全接触面積を算出する接触面積演
算手段32と、塑性加工材料に対する平均しわ押え圧力
を算出する押圧力演算手段34と、その圧力を各節点に
おける力へ変換する節点力への変換手段36と、境界条
件の変更を行う境界条件変更手段38とを備えている。
【0016】上記シミュレーション演算手段24におい
て用いられる弾塑性の有限要素法の定式を利用して、前
記剛性マトリックス[K]や各節点における塑性加工材
料の歪εの単位時間当たりの増分(変化量)dε、或い
は応力σの単位時間当たりの増分(変化量)dσが算出
される。数式1乃至数式3は、上記各節点における塑性
加工材料の歪εの単位時間当たりの増分をそれぞれ求め
るために予め記憶される式の一例である。この数式1乃
至数式3は、プラントル−ロイス(Prandtl-Reuss) の式
と称されている。
【0017】
【数1】 dεxx= (1/E){ dσxx−ν(dσyy+d σzz) } +(2/3)dλ{σxx−(1/2)(σyy+σzz) } ・・・(1)
【0018】
【数2】 dεyy= (1/E){ dσyy−ν(dσzz+d σxx) } +(2/3)dλ{σyy−(1/2)(σzz+σxx) } ・・・(2)
【0019】
【数3】 dεzz= (1/E){ dσzz−ν(dσxx+d σyy) } +(2/3)dλ{σzz−(1/2)(σxx+σyy) } ・・・(3)
【0020】歪応力変化率算出手段40は、上記シミュ
レーション演算手段24において、所定時間毎或いはポ
ンチの所定変位毎に逐次算出される塑性加工材料の歪ε
の変化率dε/dtおよび/または応力σの変化率dσ
/dtを演算する。ここで、tは時間経過やポンチの変
位を表す動的パラメータでる。なお、歪εの変化率dε
/dtおよび/または応力σの変化率dσ/dtに代え
て、板厚み減少率、相当塑性歪み、最大主歪みのような
値が用いられてもよい。
【0021】破断判定手段42は、上記塑性加工材料の
歪εの変化率dε/dtおよび/または応力σの変化率
dσ/dtに基づいて塑性加工材料の破断を判定する。
たとえば、塑性加工材料の歪εは、図3に示すように増
加するが、破断直前に至るとその増加速度が高くなる性
質がある。上記破断判定手段42は、塑性加工材料の歪
εの変化率dε/dtが予め設定された判断基準値Aを
越えたか否かを判断し、越えた場合(図3のt0 時点)
には、予め設定された遅れ時間経過後或いはポンチが予
め設定された移動距離だけ移動した後すなわち図3のt
1 時点)に、破断判定或いは破断危険判定を出力する。
破断表示手段44は、上記破断判定手段42によって破
断が判定された部位を示す表示を画像表示装置18にお
いて表示する。
【0022】図4は前記シミュレーション装置10の装
置本体12の制御作動の要部を説明するフローチャート
である。図4のメインルーチンにおいて、ステップ(以
下、ステップを省略する)SA1では、プレス成形シミ
ュレーションが演算され、次いで、SA2では、そのシ
ミュレーションにより得られた塑性加工材料のうちの所
定部位たとえば最も破断が発生し易いと予想される場所
の歪εが予め設定されたn値(加工硬化係数)を越えた
か否かが判断される。このSA2の判断が否定されるう
ちは、未だ塑性加工材料にくびれすなわち塑性変形が発
生しないため上記SA1以下が繰り返し実行され、破断
判定が行われない。
【0023】しかし、上記SA2の判断が肯定される
と、前記シミュレーション演算手段(シミュレーション
演算工程)24に対応するSA3においてプレス加工の
シミュレーション演算が行われるとともに、前記歪応力
変化率算出手段(歪応力変化率算出工程)40に対応す
るSA4において、歪の変化率dε/dtが算出され
る。このシミュレーション演算および歪の変化率dε/
dtの演算は、予め設定された所定周期毎に或いは予め
設定されたポンチの移動距離毎に逐次実行される。そし
て、前記破断判定手段(破断判定工程)42に対応する
SA5およびSA6において、その歪の変化率dε/d
tに基づいて塑性加工材料の破断が発生する危険状態か
否かが判断される。
【0024】すなわち、SA5において、その歪の変化
率dε/dtが予め設定された判断基準値Aを越えたか
否かが判断される。この判断基準値Aは、塑性加工材料
の破断を判定するために塑性加工材料の材質や厚みなど
に応じて予め設定された値である。このSA5の判断が
否定された場合は、破断の発生する可能性がない状態で
あるので、前記SA3以下のシミュレーションが続行さ
れ、次の周期或いはポンチの移動位置における演算が実
行されるが、SA5の判断が肯定された場合は、SA6
において、所定の遅れ時間後或いはポンチの移動所定ス
トローク後に上記SA5の判断が肯定された部位の破断
或いは破断危険状態が判定される。上記所定の遅れ時間
後或いはポンチの所定移動ストロークは予め実験的に求
められたものである。そして、前記破断表示手段(破断
表示工程)44に対応するSA7において、上記SA6
により破断が判定された部位を示す画像或いは表示が画
像表示装置18において表示される。
【0025】上述のように、本実施例によれば、塑性加
工シミュレーションにおいて塑性加工材料が変形させら
れる過程で、歪応力変化率算出手段40(SA4:歪応
力変化率算出工程)により塑性加工材料の歪εの変化率
dε/dtが逐次算出され、破断判定手段42(SA
5,SA6:破断判定工程)により、その歪εの変化率
dε/dtに基づいて、その塑性加工材料の破断が判定
されるので、動的に或いは時間的に変化する歪みの集中
度合を考慮でき、塑性加工材料の破断が正確に判定され
る。
【0026】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の説明と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】図5は、シミュレーション装置10の装置
本体12の演算制御機能の要部を説明する機能ブロック
線図である。図5は、分布状態算出手段50および破断
判定手段52が、歪応力変化率算出手段40および破断
判定手段42に替えて設けられている点において、前述
の図2の機能ブロック線図と主に相違する。以下、相違
点を中心に説明する。
【0028】分布状態算出手段50は、シミュレーショ
ン演算手段24において各節点Pij毎に算出された歪ε
ijから、たとえば図6に示す塑性加工材料54において
破断モニタ点Mを通過するように予め設定された破断モ
ニタ線L上或いは近傍の複数の節点P11,P22,・・
・,Pxyにおける歪ε11,ε22,・・・,εxyを選択
し、たとえば図7或いは図8に示すような上記破断モニ
タ線Lに沿った歪εの大きさを示す歪分布を算出すると
同時に、その歪分布の拡がりを示す変数である標準偏差
SD或いは半値幅WH を算出する。
【0029】破断判定手段52は、上記の歪分布の拡が
りを示す変数、すなわち標準偏差SD或いは半値幅WH
を算出し、その標準偏差SD或いは半値幅WH が予め設
定された判断基準値Bを下回ってから所定の遅れ時間或
いはポンチの所定距離の移動後に、塑性加工材料54の
破断或いは破断危険状態を判定する。
【0030】塑性加工材料54においては、上記破断モ
ニタ線Lに沿った歪εの大きさを示す歪分布は、たとえ
ば図9に示すように、ポンチの押し込み位置の変化、或
いは押圧過程の時間経過に伴って、上昇すると同時に尖
鋭化してその拡がりを示す変数が小さくなる現象がある
ので、上記の判定はそのような現象を利用したものであ
る。
【0031】図10は、上記シミュレーション装置10
の装置本体12の演算制御作動の要部を説明するフロー
チャートである。図10は、破断モニタ線Lに沿った歪
分布およびその拡がりを示す変数である標準偏差SDを
算出するSB4と、その歪分布の標準偏差SDが予め設
定された判断基準値Bを下回るか否かを判定するSB5
と、そのSB5の判断が肯定されてから所定の遅れ時間
後或いはポンチの所定距離の移動後に破断判定或いは破
断危険状態を判定するSB6とが前記SA4、SA5、
およびSA6とに替えて設けられている点において、図
4のフローチャートと主に相違する。以下、相違点を中
心に説明する。
【0032】図10において、前記分布状態算出手段5
0に対応するSB4では、破断モニタ線Lに沿って位置
する節点Pxyの歪εxyの大きさを示す歪分布と、その歪
分布の拡がりを示す変数である標準偏差SDが算出され
る。そして、前記破断判定手段52に対応するSB5お
よびSB6において、その歪分布の拡がりを示す変数で
ある標準偏差SDに基づいて塑性加工材料54の破断が
発生する危険状態か否かが判断される。
【0033】すなわち、SB5では、歪分布の標準偏差
SDが予め設定された判断基準値Bを下回るか否かが判
断される。この判断基準値Bは、塑性加工材料の破断を
判定するために塑性加工材料の材質や厚みなどに応じて
予め設定された値である。このSB5の判断が否定され
た場合は、破断の発生する可能性がない状態であるの
で、前記SB3以下のシミュレーションが続行され、次
の周期或いはポンチの移動位置における演算が実行され
るが、SB5の判断が肯定された場合は、SB6におい
て、所定の遅れ時間後或いはポンチの移動所定ストロー
ク後に上記SB5の判断が肯定された部位の破断或いは
破断危険状態が判定される。上記所定の遅れ時間後或い
はポンチの所定移動ストロークは予め実験的に求められ
たものである。そして、前記破断表示手段44に対応す
るSB7において、上記SB5、SB6により破断が判
定された部位を示す画像或いは表示が画像表示装置18
において表示される。
【0034】上述のように、本実施例によれば、分布状
態算出手段50(SB4:分布状態算出工程)により、
塑性加工材料54の被判定部分を通過する破断モニタ線
Lに沿った歪の分布を示す歪分布およびその拡がりを表
す変数すなわち標準偏差SDが算出され、破断判定手段
52(SB5,SB6:破断判定工程)により、その分
布状態算出工程により算出された分布状態を示す標準偏
差SDに基づいてその塑性加工材料の破断が判定される
ので、時間的に変化する歪みの集中度合を考慮でき、塑
性加工材料の破断が正確に判定される。
【0035】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
得るものである。
【0036】たとえば、前述の実施例では、板状素材の
加工に適したプレス加工について説明されていたが、パ
イプの曲げ加工、引き抜き加工などの他の種類の塑性加
工であっても差し支えない。
【0037】また、前述の図4の説明においては、塑性
加工材料の破断の判定のために歪εの変化率dε/dt
が用いられていたが、応力σの変化率dσ/dt、板厚
み減少率、相当塑性歪み、最大主歪みのような、歪εの
変化率dε/dtに1対1に対応して変化する値が用い
られてもよい。
【0038】また、前述の図10の実施例では、破断モ
ニタ線Lに沿った歪分布の拡がりを示す変数として標準
偏差SDが用いられていたが、それに替えて、図8に示
す半値幅WH などの、歪み分布の拡がりを示す他の変数
が用いられてもよい。
【0039】また、前述の図5乃至図10の実施例で
は、破断モニタ線Lに沿った節点の歪みの分布を示す歪
分布が用いられていたが、その破断モニタ線Lに沿った
節点の応力の分布を示す応力分布が用いられてもよい。
【0040】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の破断判定方法が適用される
シミュレーション装置の構成を説明する図である。
【図2】図1のシミュレーション装置の制御機能の要部
を説明する機能ブロック線図である。
【図3】塑性加工部材の応力集中部位において、ポンチ
の押込み移動の位置或いは押込み時間と歪の増加状態を
説明する図、およびその歪の増加率を利用して破断を判
定する作動を説明する図である。
【図4】図1のシミュレーション装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施例におけるシミュレーション
装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であ
る。
【図6】図5の実施例において塑性加工される塑性加工
材料の形状例と、その塑性加工材料において破断モニタ
点Mを通るように設定された破断モニタ線Lを説明する
図である。
【図7】図6の破断モニタ線L上における歪分布とその
拡がりを示す標準偏差SDとを説明する図である。
【図8】図6の破断モニタ線L上における歪分布とその
拡がりを示す半値幅WH とを説明する図である。
【図9】図6の破断モニタ線L上における歪分布のポン
チの押込み位置に関連する変化を説明する図である。
【図10】図5の実施例におけるシミュレーション装置
の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
24:シミュレーション演算手段(シミュレーション演
算工程) 40:歪応力変化率算出手段(歪応力変化率算出工程) 42:破断判定手段(破断判定工程) 44:破断表示手段(破断表示工程) 50:分布状態算出手段(分布状態算出工程) 52:破断判定手段(破断判定工程)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塑性加工シミュレーションにおいて塑性
    加工材料の破断を判定する方法であって、 前記塑性加工シミュレーションにおいて塑性加工材料が
    変形させられる過程で該塑性加工材料の所定部分の歪み
    或いは応力の変化率を逐次算出する変化率算出工程と、 該変化率算出工程により算出された変化率に基づいて、
    前記塑性加工材料の破断を判定する工程とを、含むこと
    を特徴とする塑性加工シミュレーションの破断判定方
    法。
  2. 【請求項2】 塑性加工シミュレーションにおいて塑性
    加工材料の破断を判定する方法であって、 前記塑性加工シミュレーションにおいて塑性加工材料が
    変形させられる過程で該塑性加工材料の被判定部分を通
    過する線に沿って所定間隔で位置する複数箇所の歪み或
    いは応力を算出する歪み応力算出工程と、 該歪み応力算出工程により算出された複数箇所の歪み或
    いは応力に基づいて前記線に沿った歪み或いは応力の分
    布状態を示す変数を算出する分布状態算出工程と、 該分布状態算出工程により算出された分布状態を示す変
    数に基づいて、前記塑性加工材料の破断を判定する破断
    判定工程とを、含むことを特徴とする塑性加工シミュレ
    ーションの破断判定方法。
JP10286396A 1998-10-08 1998-10-08 塑性加工シミュレーションの破断判定方法 Pending JP2000107818A (ja)

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