JP2008087061A - 成形速度決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス加工装置の成形速度を適切にかつ迅速に決定できる成形速度決定方法を提供すること。
【解決手段】プレス加工装置の成形速度を決定する成形速度決定方法は、板材に複数の測定点を設け、当該板材にプレス加工装置で所定の成形速度でプレス成形を行う。次に、このプレス成形された板材の各測定点における歪み状態(点Q〜Q)を、板材の成形限界線FLを含む成形限界線図にプロットして歪み分布図を作成する。次に、この歪み分布図にプロットした点Q〜Qのうち成形限界線FLに最も近いものを特定測定点とし、この特定測定点が張出し領域(ε>0)に位置する場合には、プレス加工装置の成形速度を、上記所定の成形速度よりも遅くし、特定測定点が絞り領域(ε≦0)に位置する場合には、プレス加工装置の成形速度を、上記所定の速度よりも速くする。
【選択図】図3

Description

本発明は、プレス加工装置の成形速度を決定する方法に関する。詳しくは、プレス成形品の歪み分布に応じて成形速度を決定する方法に関する。
従来より、プレス加工において、成形速度が成形品の品質に大きな影響を及ぼすことが知られている。このため、成形品に発生する割れ、しわ、寸法精度不良等を防止するために成形速度を制御するプレス方法およびプレス装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に示されたプレス方法およびプレス装置によれば、上型の移動量と材料の流入量との比が、予め設定された適正な範囲内に収まるように成形速度が制御される。
特開2005−125355号公報
ところで、自動二輪車の燃料タンクといった複雑な形状の成形品は、絞り成形される部分と張出し成形される部分とを有している。これら2つの成形は、それぞれ、最適な成形速度が異なる。具体的には、成形速度を速くすると材料の流入量が増大するため、絞り成形される部分については、成形速度を速くしてプレス成形することが好ましい。一方、成形速度を遅くすると材料の伸びが増大するため、張出し成形される部分については、成形速度を遅くしてプレス成形することが好ましい。
つまり、プレス成形において、絞り成形と張出し成形とのどちらが支配的であるかによって、適切に成形速度を調整する必要がある。しかしながら、特許文献1に示されるような成形速度決定方法では、このような複雑な形状を有する成形品を適切に形成するための成形速度を決定することができない。したがって、このような場合、成形速度は、作業者の経験により決定されることが多く、よって、成形速度を決定するのに時間がかかる場合があった。
本発明は、プレス加工装置の成形速度を適切にかつ迅速に決定できる成形速度決定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る成形速度決定方法は、プレス加工装置の成形速度を決定する成形速度決定方法であって、板材に複数の測定点を設け、当該板材に前記プレス加工装置で所定の成形速度でプレス成形を行う試験プレス成形工程と、前記プレス成形された板材の各測定点における歪み状態を、前記板材の成形限界線を含む成形限界線図にプロットして歪み分布図を作成する歪み分布図プロット工程と、前記歪み分布図にプロットした点のうち前記成形限界線に最も近いものを特定測定点とし、当該特定測定点が張出し領域に位置する場合には、前記成形速度を、前記所定の成形速度よりも遅くし、前記特定測定点が絞り領域に位置する場合には、前記成形速度を、前記所定の成形速度よりも速くする成形速度決定工程と、を有することを特徴とする。
ここで、張出し領域とは、張出し成形される領域であり、具体的には、最大主歪みが正となり、かつ、最小主歪みも正となる領域である。
また、絞り領域とは、絞り成形される領域であり、具体的には、最大主歪みが正となり、かつ、最小主歪みが負となる領域である。
本発明によれば、プレス成形された板材の各測定点における歪み状態のうち、この板材の成形限界線に最も近いものを特定測定点とし、特定測定点が張出し領域に属する場合には、この成形品において張出し成形が支配的であるとして、成形速度を遅くする。また、特定測定点が絞り領域に属する場合には、この成形品において絞り成形が支配的であるとして、成形速度を速くする。つまり、特定測定点が張出し領域に属するか、または絞り領域に属するかに応じて、成形速度を遅くしたり速くしたりする。
したがって、従来のように作業者の勘や経験に基づいて成形速度を決定する場合と比較して、プレス加工装置の成形速度を、板材の材質や成形品の形状に応じて適切に、かつ、迅速に決定できる。
本発明によれば、プレス成形された板材の各測定点における歪み状態のうち、この板材の成形限界線に最も近いものを特定測定点とし、特定測定点が張出し領域に属する場合には、この成形品において張出し成形が支配的であるとして、成形速度を遅くする。また、特定測定点が絞り領域に属する場合には、この成形品において絞り成形が支配的であるとして、成形速度を速くする。つまり、特定測定点が張出し領域に属するか、または絞り領域に属するかに応じて、成形速度を遅くしたり速くしたりする。
したがって、従来のように作業者の勘や経験に基づいて成形速度を決定する場合と比較して、プレス加工装置の成形速度を、板材の材質や成形品の形状に応じて適切に、かつ、迅速に決定できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るプレス加工装置10の構成を示す模式図である。
プレス加工装置10は、鋼板12の下側に配置された下型52を有する下型機構20と、下型52に対して上型38を接近、離隔させる上型機構18と、これら下型機構20および上型機構18を制御する制御部16とを有する。
上型機構18は、サーボモータ24と、該サーボモータ24によって図示しない減速ギアを介して回転駆動される回転板28と、該回転板28の側面にその上端部が揺動可能に軸支されたコネクティングロッド30とを有する。
サーボモータ24は、例えばAC型であって、高い応答性を有するとともにトルクむらが小さい。サーボモータ24の軸回転位置は図示しないエンコーダによって検出され、この検出された軸回転位置に基づいて、サーボモータはフィードバック制御される。
上型機構18は、さらに、コネクティングロッド30の下端に軸支されたスライダ32と、該スライダ32を上下方向に案内する図示しないガイドと、スライダ32の位置を検出して制御部16に信号を供給する第1リニアセンサ36と、スライダ32の下面に設けられた上型38とを有する。
上型38は、下型52とともに鋼板12を挟んでプレス成形するものであって、その下面に鋼板12の上面に当接するための型面38aが設けられている。また。上型38の周辺には、環状のホルダ40がやや突出している。したがって、ホルダ40は、鋼板12に対して型面38aよりも先行して当接することになる。ホルダ40の先端面は、水平面に設定されている。
下型機構20は、ベースとなる固定台50と、該固定台50の上部に設けられた下型52と、鋼板12の周辺部を支持する環状のブランクホルダ54と、該ブランクホルダ54を昇降させるダイクッション機構56とを有する。
下型52は、前記の上型38とともに鋼板12を挟んでプレス成形するものであって、その上面に鋼板12の下面に当接するための型面52aが設けられている。この型面52aは上型38の型面38aに対応する形状に形成されている。
ブランクホルダ54は、ホルダ40と対向する位置に設けられ、鋼板12をプレスする際にしわの発生および位置ずれ等を防止するために、該ホルダ40ともに鋼板12の端部を挟持する。
ダイクッション機構56は、ブランクホルダ54を支持する図示しないホルダ支持部と、該ホルダ支持部を昇降させる図示しない油圧式の昇降機構とを有する。ダイクッション機構56は、さらに、昇降機構を駆動する図示しないサーボモータと、ホルダ支持部の位置を検出して制御部16に信号を供給する図示しない第2リニアセンサとを有する。また、このダイクッション機構56のサーボモータは、制御部16に接続されており、これにより、所定の圧力制御を行いながら、ホルダ40とともにブランクホルダ54により鋼板12の周辺部を適切な圧力で押圧してしわ押さえを行うことができる。
制御部16は、サーボモータ24に接続されたエンコーダおよび第1リニアセンサ36から供給される信号を参照しながらサーボモータ24を駆動することにより、スライダ32を上下に摺動させる。また、制御部16は、ダイクッション機構56の第2リニアセンサから供給される信号を参照しながらダイクッション機構56のサーボモータを駆動することにより、ブランクホルダ54を昇降させる。
次に、このように構成されるプレス加工装置10を用いてワークである鋼板12の加工を行う方法について図2のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1において、初期設定を行う。つまり、ブランクホルダ54を所定位置まで上昇させておき、該ブランクホルダ54によって未加工の鋼板12を支持する。また、スライダ32は上死点(例えば、図9の変位x参照)まで上昇させておく。
ステップS2において、制御部16の作用下に、サーボモータ24を回転駆動してスライダ32を下降させる。
ある程度下降をさせると、ホルダ40が鋼板12の上面に接触し、該鋼板12はホルダ40とブランクホルダ54により挟持される(例えば、図9の変位x参照)。この時点から、制御部16は、後に詳述する成形速度決定方法により予め設定された成形速度で、スライダ32をブランクホルダ54とともに下降させる(ステップS3)。
ここで、制御部16は、ブランクホルダ54が鋼板12の下面を押圧気味となるように適度な力を発生させて鋼板12を確実に保持させながら下降するように圧力制御を行う。つまり、ブランクホルダ54は、ホルダ40によって鋼板12を介して押圧され、該鋼板12に適度な圧力を与えながら押し下げられることになる。
これにより、鋼板12はホルダ40とブランクホルダ54によって周辺部を保持されながら、設定された成形速度で下降し、次第に上型38と下型52によって製品形状にプレスされる。
ステップS4において、制御部16は、第1リニアセンサ36の信号を参照してスライダ32の位置が下死点(例えば、図9の変位x参照)に達したか否かを確認する。スライダ32が下死点に達したときにはステップS5に移り、未達であるときには下降を継続する。
ステップS5において、制御部16の作用下に、サーボモータ24を回転駆動して、スライダ32を上昇させる。
ステップS6において、制御部16の作用下に、ブランクホルダ54をパネル搬送位置まで上昇させる。
ステップS7において、ブランクホルダ54上に載置されたプレス加工済みの鋼板12を所定の搬送手段によって次工程のステーションへ搬送する。
ステップS8において、制御部16は、ブランクホルダ54を再上昇させて、ブランクホルダ54を加工待機位置まで到達させ、未加工の鋼板12を所定の位置に配置する。なお、この間もスライダ32は上昇を継続している。
ステップS9において、制御部16は、第1リニアセンサ36の信号を参照してスライダ32の位置が上死点(例えば、図9の変位x参照)に達したか否かを確認する。スライダ32が上死点に対して未達であるときには上昇を継続し、上死点に達したときには、鋼板12の加工を終了する。
以上のようなプレス加工装置10において、鋼板(板材)をプレス成形する際、鋼板の歪み状態は測定点によって異なる。そこで、鋼板の各測定点における歪み状態を、鋼板の成形限界線図上の点として示した歪み分布図を用いる。
図3は、鋼板の成形限界線図に、成形品の歪み状態を示した歪み分布図である。具体的には、図3は、横軸を鋼板の面内方向における最大主歪みε(≧0)とし、縦軸を鋼板の面内方向における最小主歪みεとし、このε−ε座標上に、プレス成形品の各測定点における歪み状態(変形状態)をプロットした図である。
この図3の歪み分布図において、原点Oから右上方に延びる線(ε=ε)は、等二軸引張りを表わす。この等二軸引張り(ε=ε)により、鋼板は、成形前と略相似の形状に引き伸ばされることとなる。この等二軸引張りは、例えば、深絞り容器の底部の変形状態に対応する。
原点Oから右方向に延びる線(ε=0)は、平面歪み引張りを表わす。この平面歪み引張り(ε=0)により、鋼板は、幅方向(εに沿った方向)に沿った寸法は不変で、高さ方向(εに沿った方向)に沿って引き伸ばされることとなる。この平面歪み引張りは、例えば、幅は広い鋼板の曲げ部や、深絞り容器の肩−側壁部境界付近の変形状態に対応する。
原点Oから右下方に延びる線(ε=−0.5ε)は、一軸引張りを表わす。この一軸引張り(ε=−0.5ε)により、鋼板は、幅方向(εに沿った方向)に沿って絞られるとともに、高さ方向(εに沿った方向)に沿って引き伸ばされることとなる。すなわち、一軸引張りとは、単軸方向に引張った変形状態に対応する。
また、鋼板の成形限界線FLを、図3中破線で示す。この成形限界線FLは、板面内の歪み比ε/εを変化させて破断歪みを測定し、これをε−ε座標上にプロットしたものであり、鋼板の材質や板厚等に依存する。すなわち、成形限界線FLとは、鋼板の成形方法によって、成形限界がどのように異なるかを示すものである。
またここで、ε−ε座標上のうち、ε>0の領域は、鋼板が張出し成形された張出し領域を示しており、ε≦0の領域は、絞り成形された絞り領域を示している。
次に、上述のようなプレス加工装置10における成形方法と成形速度との関係について、図4〜図6を参照して説明する。
図4は、プレス加工装置10の成形速度とプレス成形された鋼板の伸びとの関係を示すグラフである。
図4に示すように、鋼板の伸びは、成形速度が速くなるに従って減少する。つまり、鋼板の伸びが成形限界に大きな影響を与える張出し成形の場合、成形された部分の板厚減少率は成形速度が遅くなるに従って低下するので、プレス加工装置10の成形速度は、遅い方が好ましい。
図5は、プレス加工装置10の成形速度と鋼板および金型間の摩擦係数との関係を示すグラフであり、図6は、プレス加工装置10の成形速度と鋼板の流入量との関係を示すグラフである。
図5に示すように、鋼板とプレス加工装置10の金型との間の摩擦係数は、プレス加工装置10の成形速度が速くなるに従って低下する。その結果、図6に示すように、鋼板の流入量は、成形速度が速くなるに従って増加することとなる。つまり、鋼板の流入量が成形限界に大きな影響を与える絞り成形の場合、成形された部分の板厚減少率は成形速度が速くなるに従って低下するので、プレス加工装置10の成形速度は、速い方が好ましい。
また、面圧が大きくなるに従って摩擦による影響は大きくなるので、図6に示すように、鋼板の流入量は、面圧が小さい場合よりも、面圧が大きい場合の方がより顕著に増大する。
以上のようなプレス加工装置10において、成形速度を決定する手順について、図7〜図9を参照して説明する。
図7は、プレス成形前の鋼板80を示す斜視図である。図8は、この鋼板80をプレス加工装置10でプレス成形して形成された自動二輪車の燃料タンク90を示す斜視図である。図9は、プレス加工装置10の1サイクルにおけるスライダ32の変位を示す図である。以下では、プレス加工装置10の成形速度を決定する方法について、図8に示すような自動二輪車の燃料タンク90をプレス成形する場合を例として説明する。
プレス加工装置10の成形速度を決定する成形速度決定方法は、試験プレス成形工程と、歪み分布図プロット工程と、成形速度決定工程と、の3つの工程を含んで構成される。
試験プレス成形工程では、測定点が設けられた鋼板80に、プレス加工装置10で所定の成形速度でプレス成形を行う。
具体的には、先ず、図7に示すように、鋼板80に網の目状の複数の測定点P〜Pを設け、これをプレス加工装置10の成形速度を決定するためのテストピースとする。次に、この鋼板80を、上述のプレス加工装置10でプレス成形して、図8に示すような自動二輪車の燃料タンク90を形成する。このように形成された燃料タンク90は、図8に示すように、略箱状であり、張出し成形された部分91と、絞り成形された部分92との両方を含んでいる。
ここで、この試験プレス成形工程では、スライダ32を、例えば、図9中の実線Dで示すような速度で制御してプレス成形を行う。すなわち、上記の所定の成形速度とは、図9において、スライダ32が、変位x(上型38の型面38aが鋼板12に接触する位置)から変位x(下死点)に到達するまでの区間における、スライダ32の速度であり、これを試験成形速度とする。
歪み分布図プロット工程では、試験プレス成形工程でプレス成形された鋼板80の、各測定点P〜Pにおける歪みを測定し、これを鋼板80の成形限界線図にプロットして歪み分布図を作成する。
具体的には、燃料タンク90の各測定点P〜Pにおける歪み状態、つまりε,εを測定し、さらにこれら歪み状態を、鋼板80の成形限界線FLが設けられた成形限界線図にプロットし、図3に示すような歪み分布図を作成する。ここで、図3中の点Q〜Qは、それぞれ、鋼板80の各測定点P〜Pにおける歪み状態を示している。
成形速度決定工程では、歪み分布図プロット工程で作成された歪み分布図に基づいて、上記試験プレス成形工程で設定された試験成形速度を調整することにより、成形速度を決定する。
具体的には、先ず、歪み分布図中の点Q〜Qのうち、張出し領域(ε>0)に属しかつ成形限界線FLに最も近いものを特定する。次いで、歪み分布図中の点Q〜Qのうち、絞り領域(ε≦0)に属しかつ成形限界線FLに最も近いものを特定する。図3に示す歪み分布図の例によれば、点Qおよび点Qが、成形限界線FLに最も近いものとして特定される。またここで、歪み分布図中の点QおよびQは、それぞれ、図8の燃料タンク90中の測定点PおよびPにおける歪み状態に対応する。
次に、これら点Q,Qのうち、成形限界線FLに最も近いものを特定測定点とする。図3に示す歪み分布図の例によれば、点Qは、点Qよりも成形限界線FLに近いので、点Qが特定測定点とされる。
ここで、特定測定点とされた点Qは鋼板80の成形限界線FLに最も近いため、成形された燃料タンク90のうち、この点Qに対応する測定点Pは、成形品の品質を向上させるために、最も注意を払わなければならない部位と言える。
すなわち、図3に示す例においては、このような測定点Aは歪み分布図のうち張出し領域(ε>0)に属するので、燃料タンク90は張出し成形が支配的であると言える。つまり、張出し成形が支配的な燃料タンク90では、張出し成形を円滑に行うように、成形速度を調整することが望まれる。
次に、歪み分布図において、特定測定点が張出し領域(ε>0)に位置する場合には、プレス加工装置10の成形速度を、上記試験成形速度よりも遅くする。また、特定測定点が絞り領域(ε≦0)に位置する場合には、プレス加工装置10の成形速度を、試験成形速度よりも速くする。
具体的には、特定測定点が張出し領域(ε>0)に位置する場合には、燃料タンク90において支配的な張出し成形を円滑に行うため、図9中の破線Dに示すように、プレス加工装置10の成形速度を、試験成形速度よりも遅く設定する。
また、特定測定点が絞り領域(ε≦0)に位置する場合には、燃料タンク90において支配的な絞り成形を円滑に行うため、図9中の破線Dに示すように、プレス加工装置10の成形速度を、試験成形速度よりも速く設定する。
図3に示す歪み分布図の例によれば、測定点A(特定測定点)は、張出し領域(ε>0)に位置するので、成形速度は、図9中の破線Dに示すように、試験成形速度(実線D)よりも遅く設定される。
本実施の形態によれば、以下のような効果がある。
プレス成形された鋼板80の各測定点P〜Pにおける歪み状態Q〜Qのうち、この鋼板80の成形限界線FLに最も近いものを特定測定点とし、この特定測定点が張出し領域(ε>0)に属する場合には、この成形品(燃料タンク90)において張出し成形が支配的であるとして、成形速度を遅くする。また、特定測定点が絞り領域(ε≦0)に属する場合には、この成形品において絞り成形が支配的であるとして、成形速度を速くする。つまり、特定測定点が張出し領域に属するか、または絞り領域に属するかに応じて、成形速度を遅くしたり速くしたりする。
したがって、従来のように作業者の勘や経験に基づいて成形速度を決定する場合と比較して、プレス加工装置10の成形速度を、鋼板80の材質や成形品の形状に応じて適切に、かつ、迅速に決定できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
本実施の形態に係るプレス加工装置の構成を示す模式図である。 プレス加工装置によるプレス加工方法の手順を示すフローチャートである。 鋼板の成形限界線図に、成形品の歪み状態を示した歪み分布図である。 プレス加工装置の成形速度と鋼板の伸びとの関係を示すグラフである。 プレス加工装置の成形速度と鋼板および金型間の摩擦係数との関係を示すグラフである。 プレス加工装置の成形速度と鋼板の流入量との関係を示すグラフである。 プレス成形前の鋼板を示す斜視図である。 鋼板をプレス成形して形成された自動二輪車の燃料タンクを示す斜視図である。 プレス加工装置の1サイクルにおけるスライダの変位を示すグラフである。
符号の説明
10…プレス加工装置
12…鋼板
18…上型機構
32…スライダ
38…上型
20…下型機構
52…下型
56…ダイクッション機構
80…鋼板
90…燃料タンク
91…張出し成形された部分
92…絞り成形された部分

Claims (1)

  1. プレス加工装置の成形速度を決定する成形速度決定方法であって、
    板材に複数の測定点を設け、当該板材に前記プレス加工装置で所定の成形速度でプレス成形を行う試験プレス成形工程と、
    前記プレス成形された板材の各測定点における歪み状態を、前記板材の成形限界線を含む成形限界線図にプロットして歪み分布図を作成する歪み分布図プロット工程と、
    前記歪み分布図にプロットした点のうち前記成形限界線に最も近いものを特定測定点とし、当該特定測定点が張出し領域に位置する場合には、前記成形速度を、前記所定の成形速度よりも遅くし、前記特定測定点が絞り領域に位置する場合には、前記成形速度を、前記所定の成形速度よりも速くする成形速度決定工程と、を有することを特徴とする成形速度決定方法。
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