JP4733850B2 - 鉄鋼製品の設計方法、記録媒体及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるCAD(Computer Aided Design)システムやCAE(Computer Aided Engineering) システムなど、コンピュータを利用して自動車用部品などの鉄鋼製品の設計を行う方法及び設計システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータを利用した自動車用部品などの鉄鋼製品の設計技術は著しく進展しており、コンピュータ上で設計した部品が実際にプレスなどの成形加工ができるか、必要な剛性や強度を有しているかについて、実際に部品を試作して試験しなくても評価できるFEM(Finite Element Method)などのソフトウェアが開発されている。
【0003】
例えば、特開平6−321033号公報に開示された薄鋼板を用いたバンパー補強材は、上記のようなCADやFEMを用いて設計された自動車用部品である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のソフトウェアは、成形性、剛性、強度それぞれの単独の解析用として開発されており、また、CADによる設計に入る前に材料規格を固定しており、材料規格自体を見直すことを念頭においていないので、最適化する変更代が自ずと制限されており、鉄鋼製品の最適設計を実現するうえで以下のような問題点があった。
【0005】
(1)成形性、剛性、強度のそれぞれの評価に用いる材料パラメータがそれぞれ異なっており、各評価間における整合性が必ずしも取れていないため、成形性、剛性、強度を総合した最適な鉄鋼製品の設計が実現できなかった。
【0006】
(2)成形性、剛性、強度をそれぞれ独立に評価するため、剛性や強度で最適な設計値が出たとしても結果的に成形性が仕様を満足しない場合には、CADのデータ入力からやり直すという煩雑かつ長時間を要するワークが発生するばかりか、剛性や強度の解析が無駄になってしまうという事態が発生していた。
【0007】
(3)剛性・強度の評価では成形による板厚減少や加工硬化など実際の部品では避けて通れない現象を考慮していなかったため、評価精度が低かった。
【0008】
(4)材料パラメータは前提条件として固定したデータとして取り扱っているため、材料の開発により解決できる課題を見落とす可能性が大きかった。
【0009】
そこで本発明は、上記のような従来の問題点を解決し、コンピュータを利用して自動車用部品などの鉄鋼製品の設計を正確・的確かつ効率良く行う方法及び設計システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明において、第1の発明は、コンピュータを利用して鉄鋼製品の設計を行う方法において、前記コンピュータに鉄鋼製品毎の材料規格を含む物理的規格が設定され、前記コンピュータは、データベースから材料パラメータを取り込み、前記鉄鋼製品の成形性を評価する第1のステップと、前記コンピュータは、データベースから材料パラメータを取り込むと共に、前記第1のステップによる評価後の板厚、歪及び応力を取り込み、前記鉄鋼製品の剛性を評価する第2のステップと、前記コンピュータは、データベースから材料パラメータを取り込むと共に、前記第1のステップによる評価後の板厚、歪及び応力を取り込み、前記鉄鋼製品の強度を評価する第3のステップとを含み、前記第1のステップでは、前記コンピュータは、伸びが規格許容範囲の下限に一致する材料の応力−歪み関係から求めたパラメータを用いて成形性を評価し、前記第2のステップでは、前記コンピュータは、弾性変形のシミュレーションを行って要求仕様を満足するか否かで前記鉄鋼製品の剛性を評価し、前記第3のステップでは、前記コンピュータは、降伏強度もしくは引張強度が規格許容範囲の下限に一致する材料の応力−歪み関係から求めたパラメータを用いて強度を評価し、前記物理的規格の設定及び第1〜第3のステップを一連の工程として連続して実行し、前記第1〜第3のステップのうち、少なくともいずれか1つの評価が要求仕様を満足しない場合には、前記物理的規格の少なくともいずれか1つの修正を行った後、前記第1〜第3のステップを再度実行する。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、鉄鋼製品の材料規格、板厚、形状の少なくともいずれか1つの修正によっても、成形性、剛性、強度のいずれかの評価が要求仕様を満足しない場合には、使用する材料パラメータの追加または修正を行うステップを更に含むことを特徴とする鉄鋼製品の設計方法である。
【0013】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、材料パラメータに焼付硬化の情報を含むことを特徴とする鉄鋼製品の設計方法である。
【0020】
第11の発明は、第1〜第4の発明による鉄鋼製品の設計方法の前記各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
第12の発明は、第1〜第4の発明による鉄鋼製品の設計方法の前記各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0022】
本発明は、その概要を図1に示す通り、コンピュータを利用して自動車用部品などの鉄鋼製品の設計を正確・的確かつ効率良く行う方法を提供することを目的とする。
【0023】
以下に、各請求項毎に本発明の特徴を述べる。
【0024】
第1,第5,第7,第11及び第12の発明によると、使用する材料パラメータをあらかじめ記録するので、成形性、剛性、強度を共通の材料パラメータを用いて評価できるため、各評価間の整合性を確実に取ることができる。
【0025】
また、少なくとも鉄鋼製品の材料規格、板厚、形状を記録するので、成形性、剛性、強度の評価の対象とする鉄鋼製品をコンピュータ上で特定することにより、各評価対象の同一性を確保することができる。
【0026】
ここに、鉄鋼製品とは、鉄鋼材料にプレスなどの成形加工を加えた製品をいい、製品の一部に樹脂やアルミを含んでもよい。例えば自動車用の部品などがこれに該当する。
【0027】
材料規格とは、JIS、業界、各社などで定めた鉄鋼製品の規格番号をいう。
板厚とは、鉄鋼製品に使用される材料の厚みをいう。また、形状とは、寸法により特定される鉄鋼製品の形をいう。更に、成形性とは、鉄鋼製品を製造する過程で加えられる成形加工時に割れなどの欠陥が発生しない性質をいう。更に、剛性とは、曲げ、ねじれ、振動などによる弾性変形に耐えられる性質をいう。更に、強度とは、衝撃荷重などによる塑性変形を受けたときの吸収エネルギーや変形量等をいう。
【0028】
前記成形性、剛性、強度のいずれかの評価が要求仕様を満足しない場合には、前記鉄鋼製品の形状、板厚、材料のいずれか1以上の修正を行なったうえで、
成形性、剛性、強度を再評価するので、鉄鋼製品の最適設計を実現できる。
【0029】
第2,第6及び第8の発明によると、鉄鋼製品の材料規格、板厚、形状のいずれか1以上の修正によっても成形性、剛性、強度のいずれかの評価が要求仕様を満足しない場合には、使用する材料パラメータの追加・修正を行うので、材料に対する新たな要求仕様を満足する材料特性を設定することができるので、新たな材料開発への展開を実現することができる。
【0030】
第3及び第9の発明によると、成形性の評価には伸びが規格許容範囲の下限に一致する材料の応力−歪み関係から求めたパラメータを用いるため、加工成形時の破断が生じにくい安全サイドの設計を簡便に行うことができる。
【0031】
また、強度の評価には降伏強度もしくは引張強度が規格許容範囲の下限に一致する材料の応力−歪み関係から求めたパラメータを用いるため、実際に鉄鋼製品を製造した場合に強度不足が生じない安全サイドの設計を簡便に行うことができる。
【0032】
第4及び第10の発明によると、材料パラメータに焼付硬化の情報を含むので、成形性の評価には焼付塗装前の降伏強度もしくは引張強度を用い、剛性や強度の評価には、焼付硬化後の降伏強度もしくは引張強度を用いることができるので、自動車用部品などにおいて焼付塗装が施される場合の剛性や強度の評価をさらに正確に行うことができる。
ここに、焼付硬化とは、焼付塗装時の入熱による材料の強度上昇をいう。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
図2を用いて、自動車部品の設計を例として、本実施形態の鉄鋼製品の設計方法及びその設計システムを説明する。
自動車部品を設計するに当たり、まず当該自動車の形・構造を設定した後(ステップS1)、部品毎の材料規格・板厚を設定する(ステップS2)。以下の表1に材料規格の例を示す。
【0035】
【表1】
【0036】
次に、CADを用いて自動車部品の形状を設定し(ステップS3)、図3のような3次元の部品形状をコンピュータ上に記録する。
【0037】
ここで、金型を用いてプレス加工ができるかどうか評価するために、金型CADにて金型を設計し(ステップS4,S5)、目的に応じてソフトを選択してコンピュータ上に記録する(ステップS6)。
【0038】
次に、成形CAE(Computer Aided Engineering)により成形性の評価を行う。
【0039】
まず、材料DBから、あらかじめ登録されている材料パラメータとして、応力−歪と3方向のr値のデータを取り込み(ステップS7)、板厚・歪み・応力を計算する(ステップS8)。従来は、成形性の評価を行う際にこれらのデータを入力していたが、あらかじめ登録されている材料パラメータを用いることにより、剛性・強度の評価に用いる材料パラメータとの整合性を確実に確保することができる。
【0040】
この成形CAEを行うことにより、例えば図4のように、成形加工された自動車用部品の板厚分布がどのように変化するかシミュレーションが可能となり、割れ、しわなどの欠陥や、スプリングバックなどの形状不良を発生せしめることなく成形することができるかどうか評価できる。
【0041】
そして、限界歪(ソフト計算値,実験値)、歪モード(横歪,縦歪)に基づき(ステップS9)、成形性の評価(ステップS10)の結果、割れなどが発生する場合には、材料・金型・プレス条件・部品形状を変更して、再度、成形性の評価を行い、それでも割れなどの不具合がなくならなければ、材料規格・板厚を変更して、再評価を実施する(ステップS12)。
【0042】
成形性の評価(ステップS10)の結果、割れなどの不具合が生じなかった場合には、成形後の板厚・歪み・応力を出力する(ステップS11)ことにより、成形CAEの処理を完了して、剛性CAEに移る。
【0043】
例えば、板厚0.7mmの鋼板をプレス成形し、鉄鋼製品を製造した場合を想定する。材料の板厚はプレス成形により例えば場所によっては0.5mmに減肉することもあれば、逆に0.9mmに増肉することもあるだろう。また、このとき、材料に塑性歪みが導入され、加工硬化が生じた結果、場所によっては降伏強度が20%程度増加することもあり得る。このような板厚や降伏応力の変化は鉄鋼製品の剛性や強度に影響を及ぼすため、設計時に考慮しておく必要がある。成形シミュレーション後の板厚や歪みなどの材料状態を次の剛性CAEまたは強度CAEの入力データに引き継ぐことで、これらの影響を考慮したシミュレーションを実行することができる。
【0044】
剛性CAEの方が、後述する強度CAEに比べて計算時間が短時間で済むので、後段の解析により計算し直しの事態を考慮して剛性CAEを先に実行する。
【0045】
剛性CAEでは、まず、材料DBから、あらかじめ登録されている材料パラメータの中から、密度・板厚・ヤング率のデータを取り込む(ステップS13)。従来は、板厚はCADで使用した板厚を入力していたが、本発明においては、成形加工により減厚された板厚データを取り込むことにより、成形加工による減厚や加工硬化を剛性・強度の評価に反映させることができる。
【0046】
剛性CAEにおいては、部品にかかる曲げ・ねじれ・振動などの弾性変形のシミュレーションを行い(ステップS14)、要求仕様を満足する剛性が得られるかどうか評価し(ステップS15)、不満足の場合には、板厚・溶接方法・補強材などを変更し、再度、剛性の評価を実施する(ステップS16)。具体的には、自動車の車体の長手方向の位置における捻れ角や撓みなどの変形量を計算し、各部材の入力荷重に対する変形量や振動モードが許容範囲内かどうかを検証し、許容範囲内であれば、次に強度CAEを実施する。
【0047】
ここで、X軸方向(車体の長手方向)におけるねじれ角の変化を図5に示す。また、自動車のセンタースプリング部の後方において水平・垂直方向に車体を固定しつつ、ショックタワーフロントに1000Nの負荷を加えたときの車体の変形した様子を図6に示す。
【0048】
CADデータの修正によっても、要求仕様を満足する剛性が得られない場合には、材料規格・板厚を変更して、再度、成形性・剛性の評価を行う。
【0049】
要求仕様を満足する剛性が得られた場合には、剛性CAEの処理を終了する。
【0050】
最後に、強度CAEの処理を行う際に、まず成形性の評価結果を装置ごとの板厚や歪みの分布を有する入力データに変換し(ステップS17)、あらかじめ登録されている材料DBの材料パラメータの中から、板厚・密度・弾性係数・応力−歪のデータを取り込む(ステップS18)。塗装焼付けによる強度上昇も考慮し、それに対応する応力−歪み関係のデータも取り込む。
【0051】
強度CAEでは、自動車の衝突時における部品の吸収エネルギーや客室側への塑性変形量、加速度、時々刻々の塑性変形量のシミュレーションを実施する(ステップS19)。具体的には、自動車用部品を組み立てた状態で、衝突の際に例えば、運転者に与える加速度が許容範囲内かの検討、及び、運転席(客室)のスペースの変形が許容範囲内かなどの検討を行う(ステップS20)。
【0052】
ここで、自動車の衝突時における各部品の吸収エネルギーを図7に、客室側への塑性変形量(各部位の変形量を相対値で表示する。)を図8に、加速度の時間変化を図9にそれぞれ示す。また、強度CAEの評価の例として、自動車が衝突した場合の時々刻々の変形過程を図10に示す。
【0053】
更に、各部材の変形量や各部材が受け持つ荷重を求めることもできる。
【0054】
強度CAEの結果、要求仕様を満足する強度が得られなければ、部品の構造や板厚を変更して再度、成形性・剛性・強度の評価を行い、それでも要求仕様を満足しなければ材料規格・板厚を変更してCADデータ入力からやり直す(ステップS21)。
【0055】
強度CAEによって、要求仕様を満足する強度が得られた場合には、強度CAEの処理を完了する。
【0056】
上記各CAEの結果、全て仕様を満足した場合であっても、例えば使用材料規格を見直すことにより、材料車体全体の重量が軽くなる方向、全体のコストが安くなる方向に最適値を探索することができる。
【0057】
このように、CAD後、成形CAEを実施し、次に、剛性CAE、強度CAEを行い、このサイクルを何回か繰り返し最適な材料、及び設計値を求めるものである。
【0058】
従来の方法では、この材料DBがなかったり、あったとしても紙の資料だったので、詳細な解析ができず、作業が煩雑になり、最適値を求めるのに長時間を要したのに対し、本発明の方法では、各CAEに共通で使用可能な材料パラメータを収納した材料DBを電子データとして保有するために、各解析をどの順番でも実施でき、また、何度でも繰り返し検討ができるので、各部品について最適鋼材の割り当てが可能であり、また、途中、人間が介入することも必要なく、最適値を得ることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態を、自動車部品の例で詳細説明したが、同様に多数の部品が組み合わせられて一つの製品を構成するものなら如何なるものにでも適用可能である。
【0060】
なお、図2に示した本発明による鉄鋼製品の設計方法は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明の実施形態に含まれる。
【0061】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、上記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体(光ファイバ等の有線回線や無線回線等)を用いることができる。
【0062】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全てあるいは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明の実施形態に含まれる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の鉄鋼製品の設計方法及び設計システムによれば、コンピュータを利用して自動車用部品などの鉄鋼製品の設計を正確・的確かつ効率良く行うことが実現でき、具体的には、以下の効果を奏する。
【0064】
成形性、剛性、強度のそれぞれの評価に共通の材料パラメータを用いるので、各評価間における整合性が確実に取れ、成形性、剛性、強度を総合した最適な鉄鋼製品の設計が実現できる。
【0065】
成形性、剛性、強度を順次評価し、そのいずれかで要求仕様を満足しない場合は、材料規格、板厚、形状のいずれかを修正するため、CADのデータ入力をやり直す必要がなく、個々の解析が無駄にはならない。
【0066】
成形性、剛性、強度を総合的に評価するため、成形による板厚減少や加工硬化など実際の部品では避けて通れない現象を含めて評価することができる。
【0067】
材料パラメータを追加・修正することにより、新たな材料開発への展開を図ることができる。
【0068】
結果として、自動車メーカーなど鉄鋼材料のユーザが、自己完結的に、軽量化、及びコスト低減を究極的に突き詰めることができ、また鉄鋼メーカーとしても開発した新材料の即時提供が可能となり、メーカーと需要家が互いに大きなメリットを享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示すフロー図である。
【図2】本発明の実施形態を示すフロー図である。
【図3】本発明に使用するCADデータの例を示す模式図である。
【図4】本発明の成形CAEの評価結果の例を示す模式図である。
【図5】車体の長手方向におけるねじれ角の変化を示す特性図である。
【図6】自動車のセンタースプリング部の後方において水平・垂直方向に車体を固定しつつ、ショックタワーフロントに1000Nの負荷を加えた様子を示す模式図である。
【図7】自動車の衝突時における各部品の吸収エネルギーを示す特性図である。
【図8】客室側への塑性変形量を示す特性図である。
【図9】加速度の時間変化を示す特性図である。
【図10】本発明の強度CAEの評価結果の例を示す模式図である。
Claims (5)
- コンピュータを利用して鉄鋼製品の設計を行う方法において、
前記コンピュータに鉄鋼製品毎の材料規格を含む物理的規格が設定され、
前記コンピュータは、データベースから材料パラメータを取り込み、前記鉄鋼製品の成形性を評価する第1のステップと、
前記コンピュータは、データベースから材料パラメータを取り込むと共に、前記第1のステップによる評価後の板厚、歪及び応力を取り込み、前記鉄鋼製品の剛性を評価する第2のステップと、
前記コンピュータは、データベースから材料パラメータを取り込むと共に、前記第1のステップによる評価後の板厚、歪及び応力を取り込み、前記鉄鋼製品の強度を評価する第3のステップと
を含み、
前記第1のステップでは、前記コンピュータは、伸びが規格許容範囲の下限に一致する材料の応力−歪み関係から求めたパラメータを用いて成形性を評価し、
前記第2のステップでは、前記コンピュータは、弾性変形のシミュレーションを行って要求仕様を満足するか否かで前記鉄鋼製品の剛性を評価し、
前記第3のステップでは、前記コンピュータは、降伏強度もしくは引張強度が規格許容範囲の下限に一致する材料の応力−歪み関係から求めたパラメータを用いて強度を評価し、
前記物理的規格の設定及び第1〜第3のステップを一連の工程として連続して実行し、
前記第1〜第3のステップのうち、少なくともいずれか1つの評価が要求仕様を満足しない場合には、前記物理的規格の少なくともいずれか1つの修正を行った後、前記第1〜第3のステップを再度実行することを特徴とする鉄鋼製品の設計方法。 - 再度の前記第1〜第3のステップの実行によっても、前記要求仕様を満足しない場合には、使用する材料パラメータの追加または修正を行うことを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼製品の設計方法。
- 材料パラメータに焼付硬化の情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄鋼製品の設計方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄鋼製品の設計方法の前記各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄鋼製品の設計方法の前記各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2002297670A (ja) | 2002-10-11 |
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