JP4964988B2 - 成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、プログラム、記録媒体、及びシミュレーション結果に基づいた成形方法 - Google Patents

成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、プログラム、記録媒体、及びシミュレーション結果に基づいた成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、プログラム、記録媒体、及びシミュレーション結果に基づいた成形方法に関する。本発明は特に、鋼板やアルミ板等の金属板や、プラスチック材料や複合材等の弾塑性材料を成形する際の成形シミュレーション及びその結果に基づいた成形方法に関する。 本願は、2008年9月30日に、日本に出願された特願2008−252730号、及び2008年9月30日に、日本に出願された特願2008−253278号に基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
従来より、自動車部品や家庭電気製品には、上下一対の凹凸金型を用いて、薄鋼板やアルミ薄板等の金属薄板を所定の形状にプレス加工した部品が多用される。近年、このような製品の部品の軽量化を図るため、より高強度の材料を用いることで板厚を減少させることが盛んに行われている。一方、高強度の材料をプレス成形する際には、材料の弾性変形が発生し、成形下死点における部品形状と異なる形状に製品が形成されてしまうことが多い。このスプリングバック(弾性回復)の量が大きくなると、部品精度の低下を招く。これを抑制するために、部品の形状を変更することで部品剛性を高めることにより、スプリングバック量を低減することが通常行われている。また、スプリングバック量を予め見込んで、金型形状を修正することも、通常行われている。
一方、プレス部品は一般に複雑な形状を有しているため、成形時の歪みは一様ではない。従って、スプリングバックの発生原因部位を特定することは簡単ではない。これに対して、対象部品の成形下死点における応力分布、すなわち対象部品の目標形状に基づき、部品を複数の領域に分割し、それぞれの領域における応力を順次変化させて、スプリングバック解析を行い、スプリングバックに支配的な領域を特定する方法が下記特許文献1〜3に開示されている。これら特許文献1〜3に記載の方法は、いずれも、非特許文献1に記載の有限要素法を利用した方法である。
さらに、スプリングバックの原因となる内部残留応力を制御する方法として、例えば特許文献4〜7には、特徴的な部品形状に対して、予め特定の部位にエンボスや突起形状を成形し、次工程で潰す方法が開示されている。また特許文献8には、素材(ブランク)全面にエンボスや突起形状を成形し、次工程で潰す方法が開示されている。
特開2007−229724号公報 特開2008−49389号公報 特開2008−55476号公報 特開2006−272413号公報 特開2007−222906号公報 特開2008−12570号公報 特開2008−18442号公報 特開2006−35245号公報
有限要素法ハンドブック:鷲津久一郎 他編、培風館(1981)
しかしながら、特許文献1〜3の手法では、いずれも、予め部品を複数の領域に分割する。そして、分割された領域の数だけ、大規模な連立方程式求解であるスプリングバック計算を繰り返し行う必要がある。従って、スプリングバック発生の原因となる部位を特定する作業が煩雑化する。また、分割の仕方(大きさ、分割数)により、結果が異なる。従って、スプリングバック発生の原因となる部位を十分に特定することが困難であるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、大規模な連立方程式の行列演算等の煩雑で長時間を要する計算を行うことなく、簡易な計算により、極めて迅速かつ確実に、金属板の成形時におけるスプリングバックの発生部位を効率良く特定し、正確な成形に供することを可能とする成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、プログラム、並びに記録媒体を提供することを第1の目的とする。
また、特許文献4〜7の方法は、いずれも、Uの字型やハット型断面で、高さ方向あるいは長手方向に湾曲する比較的単純形状部材の、ウェブ面やフランジ面にエンボスや突起形状を成形し、次工程で潰す。これに対し、実際の例えば自動車部品などでは、一般に形状は複雑で、ウェブ面やフランジ面に他部品との接合などの目的で凹凸形状や開口部がある。従って成形時の応力や歪みはウェブ面内やフランジ面内で一様でなく、複雑に分布している。このため、特許文献4〜7の方法では、エンボスを付与する部位によっては効果が得られない、あるいはスプリングバックを増大させてしまう、といった問題がある。
また特許文献8の方法では、ブランク全面にエンボスを付与するため、潰すための成形力が増大するという問題がある。更に、エンボスを潰すことにより圧縮応力が発生し、これが駆動力となってスプリングバックを増大させる、といった問題もある。
また、特許文献4〜7の方法と特許文献1に記載の方法とを組み合わせた場合であっても、複雑形状のプレス部品のプレス加工時におけるスプリングバックを十分に抑制することはできなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、複雑形状のプレス部品に対して、プレス成形時におけるスプリングバックの発生の原因となる部位を効率良く特定し、その部位に起因するスプリングバックを抑えることで寸法精度に優れた成形方法を提供することを第2の目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)本発明の弾塑性材料の成形シミュレーション方法は、第1計算部が、有限要素法を用いて、前記弾塑性材料の目標形状における1つ又は複数の有限要素ごとに、応力テンソルから要素等価節点力ベクトルを計算する工程と;第2計算部が、計算された前記1つ又は複数の有限要素ごとの前記要素等価節点力ベクトルを、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域に亘って積分して、その領域の全等価節点力ベクトルを計算する工程と;特定部が、計算された前記全等価節点力ベクトルに基づいて、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域のうちで、前記全等価節点力ベクトルの構成成分である曲げモーメントが大きい部位をスプリングバックの発生原因部位として特定する工程と;を含む。
(2)前記(1)に記載の成形シミュレーション方法は、第3の計算部が、全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;第4の計算部が、前記全等価節点力ベクトルを外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記全等価節点力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の変位量に対する前記外力ベクトルの成分ごとの寄与度を計算する工程と;を更に含んでも良い。
(3)前記(2)に記載のシミュレーション方法は、表示部が、前記弾塑性材料の特定位置の変位量に対する前記外力ベクトルの成分ごとの前記寄与度を表示する工程を更に含んでも良い。
(4)前記(1)に記載の成形シミュレーション方法は、第3計算部が、全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;第4計算部が、前記全等価節点力ベクトルを第1の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第1の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第1の変位量を計算する工程と;第5計算部が、前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の外力ベクトルからその要素の要素等価節点力ベクトルを除去した結果を第2の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第2の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第2の変位量を計算する工程と;第6計算部が、前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の変位量と前記第2の変位量との変化量を計算する工程と;を更に含んでも良い。
(5)前記(4)に記載の成形シミュレーション方法は、表示部が、前記第1の変位量と前記第2の変位量との間の変化量を表示する工程を更に含んでも良い。
(6)本発明の弾塑性材料の成形方法は、前記(1)に記載のシミュレーション方法により、前記弾塑性材料のスプリングバック発生原因部位を特定する工程と;、前記弾塑性材料の前記スプリングバック発生原因部位に予め、エンボスを成形する工程と;前記エンボスに対し、圧縮応力を与えるように塑性変形させる工程と;を含む。
(7)前記(6)に記載の弾塑性材料の成形方法は、前記エンボス成形工程で成形する前記エンボスが、2個以上の略同一寸法の円形エンボスであっても良い。
(8)前記(6)に記載の弾塑性材料の成形方法は、前記エンボス成形工程が、金型に設けられた凹部に勘合する高さ寸法の異なる複数の着脱式の工具を用いてエンボス形状の高さ寸法を調整する工程を有しても良い。
(9)本発明のプログラムは、コンピュータにより、弾塑性材料の成形シミュレーションを行うに際して、有限要素法を用いて、前記弾塑性材料の目標形状における1つ又は複数の有限要素ごとに、応力テンソルから要素等価節点力ベクトルを計算する工程と;計算された前記1つ又は複数の有限要素ごとの前記要素等価節点力ベクトルを、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域に亘って積分して、その領域の全等価節点力ベクトルを計算する工程と;計算された前記全等価節点力ベクトルに基づいて、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域のうちで、前記全等価節点力ベクトルの構成成分である曲げモーメントが大きい部位をスプリングバックの発生原因部位として特定する工程と;をコンピュータに実行させる。
(10)前記(9)に記載のプログラムは、全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;前記全等価節点力ベクトルを外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記全等価節点力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の変位量に対する前記外力ベクトルの成分ごとの寄与度を計算する工程と;を更にコンピュータに実行させてもよい。
(11)前記(9)に記載のプログラムは、全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;前記全等価節点力ベクトルを第1の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第1の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第1の変位量を計算する工程と;前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の外力ベクトルからその要素の要素等価節点力ベクトルを除去した結果を第2の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第2の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第2の変位量を計算する工程と;前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の変位量と前記第2の変位量との変化量を計算する工程と;を更にコンピュータに実行させても良い。
(12)本発明のコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、前記(9)に記載のプログラムを記録している。
(13)本発明の、弾塑性材料の成形シミュレーションを行う成形シミュレーション装置は、有限要素法を用いて、前記弾塑性材料の目標形状における1つ又は複数の有限要素ごとに、応力テンソルから要素等価節点力ベクトルを計算する第1の計算部と;計算された前記1つ又は複数の有限要素ごとの前記要素等価節点力ベクトルを、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域に亘って積分して、その領域の全等価節点力ベクトルを計算する第2の計算部と;全体剛性行列の逆行列を計算する第3計算部と;前記全等価節点力ベクトルを第1の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第1の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第1の変位量を計算する第4の計算部と;前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の外力ベクトルからその要素の要素等価節点力ベクトルを除去した結果を第2の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第2の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第2の変位量を計算する第5の計算部と;前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の変位量と前記第2の変位量との変化量を計算する第6の計算部と;を備える。
前記(1)の発明によれば、大規模な連立方程式の行列演算等の煩雑で長時間を要する計算を行うことなく、簡易な計算により、極めて迅速で確実に、弾塑性材料の成形時におけるスプリングバックの発生部位を特定し、正確な成形に供することが可能となる。
前記()乃至()の発明によれば、前記(1)の発明よりも更に確実に弾塑性材料の成形時におけるスプリングバックの発生部位を特定し、正確な成形に供することが可能となる。
前記()乃至()の発明によれば、前記()乃至()の発明よりも更に確実に弾塑性材料の成形時におけるスプリングバックの発生部位を特定し、正確な成形に供することが可能となる。
前記()乃至()の発明によれば、(1)乃至()に記載のシミュレーション方法の結果に基づいて、複雑形状の加工部品であってもプレス成形時におけるスプリングバックの発生部位を効率良くピンポイントに特定し、その部位に起因するスプリングバックを抑えることで、寸法精度に優れた弾塑性材料の成形方法を提供することが可能となる。
本実施例の成形シミュレーションの対象となる金属薄板の成形目標形状(成形下死点における形状)の一例を示す概略斜視図である。 4節点シェル要素を示す模式図である。 第1実施形態による成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態による成形シミュレーション方法をステップ順に示すフロー図である。 第1実施形態に用いる金属部品(高張力鋼板)を示す模式図である。 図5Aの、Aで示す箇所の部分拡大図である。 成形シミュレーションによって得られた金属部品の離型後のスプリングバック変位量の分布を示す模式図である。 第1実施形態において、表示部による画像表示の一例を示す模式図である。 第1実施形態において、表示部による画像表示の一例を示す模式図である。 第1実施形態の比較例による金属部品の変形結果を示す模式図である。 第2実施形態による成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態による成形シミュレーション方法をステップ順に示すフロー図である。 第2実施形態に用いる金属部品(高張力鋼板)を示す模式図である。 図11AのA部拡大図である。 成形シミュレーションによって得られた金属部品の離型後のスプリングバック変位量の分布を示す模式図である。 第2実施形態において、表示部による画像表示の一例を示す模式図である。 第2実施形態において、表示部による画像表示の一例を示す模式図である。 第2実施形態の比較例による金属部品の変形結果を示す模式図である。 第3実施形態による成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。 第3実施形態による成形シミュレーション方法をステップ順に示すフロー図である。 第3実施形態に用いる金属部品(高張力鋼板)を示す斜視図である。 図17Aの部分拡大図である。 成形シミュレーションによって得られた金属部品の離型後のスプリングバック変位量の分布を示す模式図である。 第3実施形態において、表示部による画像表示の一例を示す模式図である。 第3実施形態の比較例による金属部品の変形結果を示す模式図である。 第4実施形態における、パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。 プレス成形の対象となる金属薄板プレス部品の一例を示す概略斜視図である。 成形シミュレーションによって得られた金属部品の離型後のスプリングバック変位量の分布を示す模式図である。 成形シミュレーションによって得られた金属部品の成形下死点における応力分布を示す模式図である。 第5実施形態による成形シミュレーションによって得られた金属部品の捩れに対する影響度の分布を示す模式図である。 第5実施形態によるプレス第一工程成形部品の平面図である。 第5実施形態によるプレス第一工程成形部品および金型の図26に対するA−A断面図である。 第5実施形態によるプレス第二工程成形部品の平面図である。 第5実施形態によるプレス第二工程成形部品および金型の図28に対するA−A断面図である。 第5実施形態によるエンボス成形用円筒工具を示す模式図である。
以下、金属薄板のプレス成形シミュレーションを例にとって本発明の実施形態を説明するが、本発明の適応対象は金属薄板をプレス成形するシミュレーションのみに限られるものではない。本発明は、プラスチック材や複合材料等の弾塑性材料を成形する場合や、ロール成形等により成形する場合のシミュレーション等にも適用できる。また、薄板材料の成形のみに限らず、線材や、ある程度厚みのある材料の成形シミュレーション等にも適用できる。
以下に、本発明の第1実施形態について、図1〜8を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の成形シミュレーションの対象となる金属薄板の成形下死点における形状(成形目標形状)の一例を示す概略斜視図である。
図1では、金属薄板10の一部に有限要素のメッシュMを示している。有限要素としては、ここでは図2に示すような4節点シェル要素を用いる。この4節点シェル要素は、以下の式(1)のように各節点が全体座標系で参照される6つの自由度を有する。また、各積分点は平面応力の以下の式(2)のように3つの成分を有する。また図示されていないが、金属薄板の厚み方向には数層(ここでは5層)の積分点が存在する。
先ず、各有限要素に対する要素等価節点力ベクトルを、以下の式(3)を用いて計算する。ここでは1つの有限要素ごと要素等価節点力ベクトルを計算するが、複数の有限要素からなる有限要素グループごとに前記要素等価節点力ベクトルを計算しても良い。
ここで、[L]は座標変換マトリックスである。また、[B]は変位−歪み関係マトリックスである。座標変換マトリックス[L]は、要素座標系での要素等価節点力ベクトルを全体座標系に変換する変換行列である。この座標変換マトリックス[L]は、全体座標系の各X,Y,Z軸の要素座標系(X‘,Y’,Z‘)に対する余弦を用いて計算される。また、変位−歪み関係マトリックス[B]は、用いる有限要素のタイプによって異なり、例えば非特許文献1に各種有限要素に対する定式化が示されている。
続いて、以下の式(4)に示すように、要素毎に計算された要素等価節点力ベクトル{f}を、金属薄板の全領域に対して積分し、全等価節点力ベクトル{f}を計算する。ここでは金属薄板の全領域に対して積分するが、金属薄板の特定領域(例えば、特に形状が複雑な領域)に対して積分し、その特定領域の全等価節点力ベクトルを計算しても良い。
算出された全等価節点力ベクトルは、成形下死点における応力を等価な節点力(内力)に変換したものとなっており、全体座標系における、断面力(Nx,Ny,Nz)及び曲げモーメント(Mx,My,Mz)からなる。
本発明者らは、多数の部品事例で評価を行った。その結果、本発明者らは、等価節点力のうち、曲げモーメント3成分がスプリングバックの駆動力となることを発見した。更に、本発明者らは、応力分布とは異なり、曲げモーメント量の大きい領域は、金属薄膜の限定的な一部分に局所化することを発見した。
上記の発見に基づき、本発明の第1実施形態では、算出された全等価節点力ベクトルの曲げモーメントについて、等高線図等を用いて曲げモーメント量の大きな領域を表示する。この構成により、例えば大規模な連立方程式の求解のような煩雑な作業を一度も行うことなく、極めて短時間にスプリングバック発生の原因となる部位を言わばピンポイントに正確に特定することができる。
(第1実施形態による成形シミュレーション装置)
図3は、本第1実施形態による成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。
この成形シミュレーション装置は、有限要素法を用いて金属薄板の成形下死点における成形シミュレーションを行うものであって、各要素等価節点力ベクトルを算出する第1の計算部101と、全等価節点力ベクトルを算出する第2の計算部102と、金属薄板におけるスプリングバックの発生原因部位を特定する特定部103と、特定部103の特定結果を表示する表示部104とを有して構成されている。ここで、第1の計算部101、第2の計算部102、及び特定部103は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として実現される。
第1の計算部101は、与えられた応力テンソル(式(2)参照)に基づいて、例えば式(3)の演算を行い、各有限要素(例えば4節点シェル要素)ごとに要素等価節点力ベクトルを計算する。尚、複数の有限要素を1グループとして、グループごとに要素等価節点ベクトルを計算しても良い。
第2の計算部102は、第1の計算部101により計算された有限要素ごとの要素等価節点力ベクトルを金属薄板の全領域に対して積分し(式(4)参照)、全等価節点力ベクトルを計算する。尚、ここでは全領域に対して要素等価節点力ベクトルを積分したが、所定の領域、例えば形状が複雑な領域に対して要素等価節点力ベクトルを積分しても良い。
特定部103は、第2の計算部102により計算された全等価節点力ベクトルの成分のうち、曲げモーメント(Mx,My,Mz)について、金属薄板の成形下死点における領域のうちで、曲げモーメント量の大きい部位の位置を、金属薄板におけるスプリングバックの発生原因部位として特定する。
曲げモーメント量の大きい部位の位置の具体的な特定方法としては、例えば、予め規定された所定の閾値と各領域の曲げモーメント量とを比較する。次に、その閾値よりも大きい曲げモーメント量を示す領域を、金属薄板におけるスプリングバックの発生原因部位として特定する。ここで、相異なる複数の閾値を規定しておき、複数の閾値のうちから適宜な閾値を用いるようにしても良い。
表示部104は、曲げモーメント量を、例えば金属薄板の形状に対応させて画像として表示する。具体的には、例えば金属薄板の全体像をモーメント量に応じて色付けし、モーメント量の大きいスプリングバックの発生原因部位を視認できるように表示する。
ここで、表示部104を、上記の機能に代えて、或いは上記の機能と共に、特定部103の特定結果を金属薄板の形状に対応させて画像表示する機能を有するように構成しても好適である。
(第1実施形態による成形シミュレーション方法)
以下、上記の成形シミュレーション装置を用いた成形シミュレーション方法について説明する。
図4は、第1実施形態による成形シミュレーション方法をステップ順に示すフロー図である。
金属薄板としては、ここでは図5A及び図5Bに示す金属部品(高張力鋼板)を成形シミュレーションの対象とする。ここで、図5Aが金属部品の全体図、図5Bが部分拡大図をそれぞれ示す。
先ず、金属部品の成形下死点における応力分布(応力テンソル)を計算する(ステップS101)。
ここでは、例えば市販の成形シミュレーションプログラム(ESI社製;商品名PAM−STAMP)を用いて、成形下死点における応力分布を計算する。
第1実施形態による成形シミュレーションにおける主要な解析条件を、以下の表1に示す。
ここで、成形シミュレーションによって得られた離型後のスプリングバック変位量の分布を図6に示す。ここでは、変位量を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど変位量も大きい。図6に示されるように、特にA点におけるZ軸方向の変位が大きく、金属部品に反り及び捩れが発生していることが判る。
続いて、第1の計算部101により、ステップS101で得られた応力テンソルに基づいて、例えば式(3)の演算を行い、各有限要素(例えば4節点シェル要素)又は複数の有限要素ごとに要素等価節点力ベクトルを計算する(ステップS102)。
続いて、第2の計算部102により、第1の計算部101によって計算された1つ又は複数の有限要素ごとの要素等価節点力ベクトルを金属薄板の全領域又は特定領域に対して積分し、その領域の全等価節点力ベクトルを計算する(ステップS103)。
続いて、特定部103により、第2の計算部102によって計算された全等価節点力ベクトルの成分のうち、曲げモーメント(Mx,My,Mz)について、金属薄板の成形下死点における全領域のうちで、曲げモーメント量の大きい部位の位置を、金属薄板におけるスプリングバックの発生原因部位として特定する(ステップS104)。
そして、表示部104により、曲げモーメント量を、例えば金属薄板の形状に対応させて画像として表示する(ステップS105)。ここで、ステップS105をステップS104の後に行うように記載したが、ステップS105をステップS104の先に行うようにしても良い。また、ステップS104を省略する場合もある。
なお、ステップS105では、曲げモーメント量を画像表示する代わりに、或いはこれと共に、特定部103の計算結果を画像表示するようにしても良い。
表示部104による曲げモーメント量の画像表示の一例を図7A及び図7Bに示す。図7Aにx軸回りの曲げモーメントMxを、図7Bにy軸回りの曲げモーメントMyをそれぞれ示す。ここでは、曲げモーメント量を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど曲げモーメント量も大きい。図示のように、金属部品の曲げモーメント量は局所化しており、図7A及び図7Bの例ではスプリングバックの発生原因部位として2箇所が明示されている。
ここで、第1実施形態の比較例として、特許文献3の手法により、第1実施形態1と同じ金属部品を用いて成形シミュレーションを行った。
ここでは、ステップS101により得られた応力分布に基づき、金属部品を複数領域に分割し、応力の高い領域を順次開放し(応力を0にする)、スプリングバック解析(金型拘束を開放し、弾性回復による変形量を計算)を行うことにより、大きな変形量が得られる領域を特定する。
比較例による結果(板厚中央における最大主応力)を図8に示す。ここでは、応力を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど応力も大きい。図8に示されるように、大きな応力を示す領域が複数箇所且つ広範囲に分布しており、スプリングバックの発生原因部位を正確に特定することは難しい。また、領域分割の仕方に表示結果が依存するため、正確な変形量表示が困難となる。
これに対して第1実施形態では、図7A及び図7Bに示したように、図8とは異なり、例えばx軸及びy軸まわりの曲げモーメントMx、Myは、金属部品の稜線の一部に、正負一対で局所的に高い領域がある。従ってこの部分の曲げモーメントがスプリングバック量に対して大きく影響を及ぼすことが容易に特定できる。大きく影響を及ぼす領域が特定できれば、この部分の部品形状を僅かに修正することで、効率良くスプリングバックを低減し、プレス部品の寸法精度を向上させることが容易に可能となる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、大規模な連立方程式の行列演算等の煩雑で長時間を要する計算を行うことなく、簡易な計算により、極めて迅速で確実に、金属板の成形時におけるスプリングバックの発生部位を特定し、正確な成形に供することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について、図9〜14を参照しながら詳細に説明する。
まず、第1実施形態と同様に、金属薄板10に設定した有限要素について、上記(1)〜(4)式を用いて、全等価節点力ベクトル{f}を計算する。ここで、全等価節点力ベクトル{f}は、剛性行列(マトリックス)[K]と、スプリングバックを評価するための特定な節点変位(u)とを用いて、以下の式(5)に示すように外力ベクトルとして示される。
続いて、適当な拘束条件を付与した後、剛性マトリックス[K]の逆行列[K]−1を通常の方法で求める。部品全体のスプリングバック量(u)は、通常行われるように、次式のように求まる。
ここで、スプリングバックを評価するための特定な節点変位(u)は、次式のように求めることができる。
本発明者らは、式(7)における総和記号中の(k-1 ijfj)は、特定位置のスプリングバック変位量(ui)に対する、外力ベクトル成分(fj)毎の寄与(変位)を表していることを発見した。即ち、特定位置のスプリングバック変位と方向が同じ(同符号)で絶対値が大きければ、特定位置のスプリングバック変位に対して正の寄与(スプリングバックを促進)が大であることが判る。また、特定位置のスプリングバック変位と方向が逆(異符号)であれば特定位置のスプリングバック変位に対して負の寄与(スプリングバックを抑制)があることが判る。更に、絶対値が小さければ、特定位置のスプリングバック変位に対しては寄与が小さいことが判る。従って、この節点量を、特定位置の変位量に対する、外力ベクトル成分の寄与として表示することにより、大規模な行列計算を繰り返すことなく、スプリングバック発生の原因となる部位を効率良く特定することができる。
(第2実施形態による成形シミュレーション装置)
図9は、第2実施形態による成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。
この成形シミュレーション装置は、有限要素法を用いて金属薄板の成形下死点における成形シミュレーションを行う。この成形シミュレーション装置は、各要素等価節点力ベクトルを算出する第1の計算部201と、全等価節点力ベクトルを算出する第2の計算部202と、全体剛性行列の逆行列を計算する第3の計算部203と、全等価節点力ベクトルを外力ベクトルとして、全等価節点力ベクトルと全体剛性行列の逆行列とを乗算する第4の計算部204と、第4の計算部204の計算結果を表示する表示部205とを有する。ここで、第1〜第4の計算部201〜204は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として実現される。
第1の計算部201は、与えられた応力テンソル(式(2)参照)に基づいて、例えば式(3)の演算を行い、各有限要素(例えば4節点シェル要素)ごと又は複数の有限要素ごとに要素等価節点力ベクトルを計算する。
第2の計算部202は、第1の計算部201により計算された各有限要素ごと(又は複数の有限要素ごと)の要素等価節点力ベクトルを金属薄板の全領域に対して積分し(式(4)参照)、全等価節点力ベクトルを計算する。
第3の計算部203は、全体剛性マトリクスの逆行列を計算する。全体剛性マトリクスは、例えば非特許文献1に示されるように、前述した各種有限要素に対応する変位−歪み関係マトリックス、一般的な線形弾性構成則に基づく応力−歪み関係マトリックス、及び座標変換マトリックスを用いて求められる。逆行列の計算法としては、通常行われる手法を用いれば良い。
第4の計算部204は、全等価節点力ベクトルを外力ベクトルとして、全体剛性マトリクスの逆行列と全等価節点力ベクトルとを乗算する(式(5)〜(7)参照)。この乗算では、式(7)における総和記号中の(k-1 ijfj)が外力ベクトルの成分ごとの寄与度を示している。この乗算により得られた特定位置のスプリングバック変位量は、各寄与度の総和を表している。
表示部205は、第4の計算部204により得られた、金属薄板の特定位置の変位量に対する外力ベクトルの成分ごとの寄与度を表示する。具体的には、例えば金属薄板の特定位置に対して、外力ベクトルの成分ごとの寄与度に応じて色付けし、当該特定位置に対するスプリングバックの発生原因部位を視認できるように表示する。
(第2実施形態による成形シミュレーション方法)
以下、上記の成形シミュレーション装置を用いた成形シミュレーション方法について説明する。
図10は、第2実施形態による成形シミュレーション方法をステップ順に示すフロー図である。
金属薄板としては、ここでは図11A及び図11Bに示す金属部品(高張力鋼板)を成形シミュレーションの対象とする。ここで、図11Aが金属部品の全体図、図11Bが部分拡大図をそれぞれ示す。
先ず、金属部品の成形下死点における応力分布(応力テンソル)を計算する(ステップS201)。
ここでは、例えば市販の成形シミュレーションプログラム(ESI社製;商品名PAM−STAMP)を用いて、成形下死点における応力分布を計算する。
第2実施形態による成形シミュレーションにおける主要な解析条件は、第1実施形態と同じく、表1で示される条件を用いた。
ここで、成形シミュレーションによって得られた離型後のスプリングバック変位量の分布を図12に示す。ここでは、変位量を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど変位量も大きい。図12に示されるように、特にA点におけるZ軸方向の変位が大きく、金属部品に反り及び捩れが発生していることが判る。
続いて、第1の計算部201により、ステップS201で得られた応力テンソルに基づいて、例えば式(3)の演算を行い、各有限要素(例えば4節点シェル要素)ごと又は複数の有限要素ごとに要素等価節点力ベクトルを計算する(ステップS202)。
続いて、第2の計算部202により、第1の計算部201によって計算された各有限要素ごと(又は複数の有限要素ごと)の要素等価節点力ベクトルを金属薄板の全領域(又は特定の領域)に対して積分し、全等価節点力ベクトルを計算する(ステップS203)。
続いて、第3の計算部203により、全体剛性マトリクスの逆行列を計算する(ステップS204)。
続いて、第4の計算部204により、全等価節点力ベクトルを外力ベクトルとして、全体剛性マトリクスの逆行列と全等価節点力ベクトルとを乗算する(ステップS205)。
そして、表示部205により、金属薄板の所定(特定)位置に対するスプリングバック変位量の外力ベクトルの成分ごとの寄与度を画像表示する(ステップS206)。
表示部205による、金属薄板の特定位置に対するスプリングバック変位量の外力ベクトルの成分ごとの寄与度の一例を図13A及び図13Bに示す。ここでは、図12のA点のZ軸方向変位に対する外力ベクトルの成分である曲げモーメント量(Mx,My)の寄与度(Dz)分布を等高線で示す。ここで、寄与(変位)は、A点のz方向変位で除することで無次元化してある。即ち図示の例では、A点における変位に対する外力ベクトル成分の寄与率を表している。図13Aにx軸回りの曲げモーメントMxのDz分布を示す。図13Bにy軸回りの曲げモーメントMyのDz分布を示す。図13A及び図13Bに示される例では、Dzを表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほどDzも大きい。
ここで、第2実施形態の比較例として、特許文献3の手法により、第2実施形態と同じ金属部品を用いて成形シミュレーションを行った。
ここでは、ステップS201により得られた応力分布に基づき、金属部品を複数領域に分割し、応力の高い領域を順次開放し(応力を0にする)、スプリングバック解析(金型拘束を開放し、弾性回復による変形量を計算)を行うことにより、大きな変形量が得られる領域を特定する。
比較例による結果(板厚中央における最大主応力)を図14に示す。ここでは、応力を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど応力も大きい。図14に示されるように、大きな応力を示す領域は複数箇所且つ広範囲に分布している。従って、スプリングバックの発生原因部位を正確に特定することは難しい。また、領域分割の仕方に表示結果が依存するため、正確な変形量表示が困難となる。
これに対して第2実施形態では、図13A及び図13Bに示したように、図14とは異なり、図12のA点におけるDz分布の影響の大きさを、ピンポイント且つ定量的に把握することができる。影響の大きな領域が特定できれば、この部分の部品形状を僅かに修正することで、効率良くスプリングバックを低減し、プレス部品の寸法精度を向上させることが容易に可能となる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、大規模な連立方程式の行列演算等の煩雑で長時間を要する計算を行うことなく、簡易な計算により、極めて迅速で確実に、金属薄板の成形時におけるスプリングバックの発生部位を効率良く特定し、正確な成形に供することが可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について、図15〜20を参照しながら詳細に説明する。
まず、第2実施形態と同様に、金属薄板10に設定した有限要素について、上記(1)〜(7)式を用いて、スプリングバックを評価するための特定の節点変位(u)を計算する。ここで、計算されたスプリングバックを評価するための特定な節点変位を、基準となる第一の変位(ui (1))とする。
続いて、各要素毎に計算された要素等価節点力ベクトル{f}を、全等価節点力ベクトル{f}から差し引いた修正全等価節点力ベクトル{f’}を計算する。
ここで、要素等価節点力ベクトル{f}は、前述した(3)式を用いて計算しても良いし、あるいは特定な成分、例えば面内力やモーメントのみを用いても良い。また、後述するようにスプリングバックに対する要素の寄与度を求めることが目的であるため、ある係数でスカラー倍した値を用いても良い。
ついで、式(6)で求めた逆行列[K]−1と修正全等価節点力ベクトル{f’}を用いて、スプリングバックを評価するための特定の節点に対する第二の変位(ui (2))を式(9)のように求める。
式(8)と式(9)の計算を、要素毎に行い、第一の変位(ui (1))と第二の変位(ui (2))の変化量を、例えば以下のように求める。
式(11)に示すように、第一の変位(ui (1))の絶対値よりも第二の変位(ui (2))の絶対値が小さければ、当該要素の残留応力は、開放することでスプリングバックを低減させる作用があることを示す。
また、式(12)に示すように、第一の変位(ui (1))の絶対値よりも第二の変位(ui (2))の絶対値が大きければ、当該要素の残留応力は、スプリングバックを増大させる作用があることを示す。
更に、式(13)に示すように、第一の変位(ui (1))の絶対値と第二の変位(ui (2))の絶対値とがほぼ等しければ、当該要素の残留応力は、スプリングバック寄与していないことを示す。
また、式(10)で計算される第一の変位(ui (1))と第二の変位(ui (2))との変化量を要素ごとに表示することにより、スプリングバック発生の原因となる部位を効率良く特定することができる。
さらに、式(8)および式(9)の計算は、大規模な行列反転操作を含まない単純なベクトル計算である。従って計算負荷は小さく、前述した要素毎の変位量計算を全要素について行っても、短時間で計算可能である。
ここで、第一の変位(ui (1))と第二の変位(ui (2))の変化量の算出方式は、式(10)に限定されるものでない。これに替わって、例えば第一の変位で無次元化した、下記式(14)等の様な変化量の算出方式が考えられる。
さらに例えば、特定の節点変位は、単一の節点でなく、下記式(15)等の様な複数の節点変位量の算術式で表されても良い。
(第3実施形態による成形シミュレーション装置)
図15は、第3実施形態による成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。
この成形シミュレーション装置は、有限要素法を用いて金属薄板の成形下死点における成形シミュレーションを行うものである。この成形シミュレーション装置は、各要素等価節点力ベクトル{f}を算出する第1の計算部301と、全等価節点力ベクトル{f}を算出する第2の計算部302と、全体剛性行列の逆行列[K]−1を計算する第3の計算部303と、全等価節点力ベクトル{f}を外力ベクトルとして、全等価節点力ベクトル{f}と全体剛性行列の逆行列[K]−1とを乗算する第4の計算部304と、一つの又は複数の要素毎に、修正全等価節点力ベクトル{f’}と全体剛性行列の逆行列[K]−1とを乗算する第5の計算部305と、一つの又は複数の要素毎に、計算部304の計算結果と計算部305の計算結果との変化量を計算する第6の計算部306と、計算部306の計算結果を表示する表示部307とを有する。ここで、第301〜第306の計算部301〜306は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として実現される。
第1の計算部301は、与えられた応力テンソル(式(2)参照)に基づいて、例えば式(3)の演算を行い、各有限要素(例えば4節点シェル要素)ごと又は複数の有限要素ごとに要素等価節点力ベクトル{f}を計算する。
第2の計算部302は、第1の計算部301により計算された各有限要素ごと(又は複数の有限要素ごと)の要素等価節点力ベクトル{f}を金属薄板の全領域(又は特定領域)に対して積分し(式(4)参照)、その領域の全等価節点力ベクトル{f}を計算する。
第3の計算部303は、全体剛性マトリクスの逆行列[K]−1を計算する。全体剛性マトリクスは、例えば非特許文献1に示されるように、前述した各種有限要素に対応する変位−歪み関係マトリックス、一般的な線形弾性構成則に基づく応力−歪み関係マトリックス、及び座標変換マトリックスを用いて求められる。逆行列[K]−1の計算法としては、通常行われる手法を用いれば良い。
第4の計算部304は、全等価節点力ベクトル{f}を外力ベクトルとして、全体剛性マトリクスの逆行列[K]−1と全等価節点力ベクトル{f}とを乗算する(式(5)〜(7)参照)。
第5の計算部305は、各要素毎に計算された要素等価節点力ベクトル{f}を、全等価節点力ベクトル{f}から差し引いた修正全等価節点力ベクトル{f’}を外力として、全体剛性マトリクスの逆行列[K]−1と修正全等価節点力ベクトル{f’}とを乗算する(式(8)〜(9)参照)。
第6の計算部306は、第4の計算部304から求められた第一の変位(ui (1))と、第5の計算部305から求められた第二の変位(ui (2))を用いて、スプリングバックを評価するための特定の節点に対する変位の変化量を求める。(式(10)参照)。
表示部307は、第6の計算部306により得られた、金属薄板の特定位置の変位量に対する要素ごとの寄与度を表示するものである。具体的には、例えば金属薄板の特定位置に対して、要素ごとの寄与度に応じて色付けし、当該特定位置に対するスプリングバックの発生原因部位を視認できるように表示する。
(第3の実施形態による成形シミュレーション方法)
以下、上記の成形シミュレーション装置を用いた成形シミュレーション方法について説明する。
図16は、第3実施形態による成形シミュレーション方法をステップ順に示すフロー図である。金属薄板としては、ここでは図17A及び図17Bに示す金属部品(高張力鋼板)を成形シミュレーションの対象とする。ここで、図17Aが金属部品の全体図、図17Bが部分拡大図をそれぞれ示す。
先ず、金属部品の成形下死点における応力分布(応力テンソル)を計算する(ステップS301)。
ここでは、例えば市販の成形シミュレーションプログラム(ESI社製;商品名PAM−STAMP)を用いて、成形下死点における応力分布を計算する。
第3実施形態による成形シミュレーションにおける主要な解析条件は、第1実施形態と同じく、表1で示される条件を用いた。
ここで、成形シミュレーションによって得られた離型後のスプリングバック変位量の分布を図18に示す。ここでは、変位量を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど変位量も大きい。図18に示されるように、特にA点におけるZ軸方向の変位が大きく、金属部品に反り及び捩れが発生していることが判る。
続いて、第1の計算部301により、ステップS301で得られた応力テンソルに基づいて、例えば式(3)の演算を行い、各有限要素(例えば4節点シェル要素)ごと又は複数の有限要素ごとに要素等価節点力ベクトル{f}を計算する(ステップS302)。
続いて、第2の計算部302により、第1の計算部301によって計算された各有限要素ごと(又は複数の有限要素ごと)の要素等価節点力ベクトル{f}を金属薄板の全領域(又は特定の領域)に対して積分し、その領域の全等価節点力ベクトル{f}を計算する(ステップS303)。
続いて、第3の計算部303により、全体剛性マトリクスの逆行列[K]−1を計算する(ステップS304)。
続いて、第4の計算部304により、全等価節点力ベクトル{f}を第1の外力ベクトルとして、全体剛性マトリクスの逆行列[K]−1と全等価節点力ベクトル{f}とを乗算する(ステップS305)。
続いて、第5の計算部305は、各要素毎に計算された要素等価節点力ベクトル{f}を、全等価節点力ベクトル{f}から差し引いた修正全等価節点力ベクトル{f’}を第2の外力として、全体剛性マトリクスの逆行列[K]−1と修正全等価節点力ベクトル{f’}とを乗算する(ステップS306)。
続いて、第6の計算部306は、第4の計算部304から求められた第一の変位(ui (1))と、第5の計算部305から求められた第二の変位(ui (2))とを用いて、スプリングバックを評価するための特定な節点に対する変位の変化量、すなわち要素ごとの寄与度を求める。(ステップS307)。
そして、表示部307により、金属薄板の所定(特定)位置に対するスプリングバック変位量の要素ごとの寄与度を画像表示する(ステップS308)。
表示部307による、金属薄板の特定位置に対するスプリングバック変位量の要素ごとの寄与度の一例を図19に示す。図19における一点鎖線は、金属薄板の成形下死点における形状を示す輪郭線である。図19では、図18のA点におけるz方向変位に対する、要素の寄与度分布を等高線で示している。ここで、寄与度は、A点のz方向変位で除することで無次元化しており、表示濃度が濃いほど寄与度も大きい。
ここで、第3実施形態の比較例として、特許文献1の手法により、第3実施形態と同じ金属部品を用いて成形シミュレーションを行った。
ここでは、ステップS301により得られた応力分布に基づき、金属部品を複数領域に分割し、応力の高い領域を順次開放し(応力を0にする)、スプリングバック解析(金型拘束を開放し、弾性回復による変形量を計算)を行うことにより、大きな変形量が得られる領域を特定する。
比較例による結果(領域ごとの寄与度)を図20に示す。ここでは、寄与度を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど寄与度も大きい。図20に示されるように、寄与度の大きな領域は複数箇所且つ広範囲に分布しており、スプリングバックの発生原因部位を正確に特定することは難しい。また、領域分割の仕方に表示結果が依存するため、正確な変形量表示が困難となる。
これに対して第3実施形態では、図20とは異なり、図19に示すように、図18のA点変位に対する影響の大きさを、ピンポイント且つ定量的に把握することができる。影響の大きな領域がピンポイントに特定できれば、この部分の部品形状を僅かに修正することで、効率良くスプリングバックを低減し、プレス部品の寸法精度を向上させることが容易に可能となる。
以上説明したように、第3実施形態によれば、大規模な連立方程式の行列演算等の煩雑で長時間を要する計算を行うことなく、簡易な計算により、極めて迅速で確実に、金属薄板の成形時におけるスプリングバックの発生部位を効率良く特定し、正確な成形に供することが可能となる。
以上説明してきた、各実施形態による計算時間の比較を表2に示す。ここで計算時間は比較例を100とした場合の相対値である。
次に、本発明の第4実施形態について、図21を参照しながら詳細に説明する。
上述した第1〜3実施形態による成形シミュレーション装置を構成する各構成要素(表示部104、205、307を除く)等の機能は、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。同様に、成形シミュレーション方法の各ステップ(図4のステップS101〜S105、図10のS201〜S206、図16のステップS301〜S308等)は、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線等である。
また、本発明に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるようなもののみではない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。
例えば、図21は、パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図21において、400はCPU401を備えたパーソナルコンピュータ(PC)である。PC400は、ROM402またはハードディスク(HD)411に記憶された、又はフレキシブルディスクドライブ(FD)412より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行する。このPC400は、システムバス404に接続される各デバイスを総括的に制御する。
PC400のCPU401、ROM402またはハードディスク(HD)411に記憶されたプログラムにより、第1実施形態の図4におけるステップS101〜S105、第2実施形態の図10におけるステップS201〜S206、及び第3実施形態の図16におけるステップS301〜S308の手順等が実現される。
403はRAMであり、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能する。405はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)409や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。
406はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)410の表示を制御する。407はディスクコントローラ(DKC)である。DKC407は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)411、及びフレキシブルディスク(FD)412とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラムである。
408はネットワーク・インターフェースカード(NIC)で、LAN420を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或は他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
上記のパーソナルユーザ端末装置によれば、大規模な連立方程式の行列演算等の煩雑で長時間を要する計算を行うことなく、簡易な計算により、極めて迅速で確実に、金属板の成形時におけるスプリングバックの発生部位を効率良く特定し、正確な成形に供することができる。
次に、本発明の第5実施形態について、図22〜30を参照しながら詳細に説明する。
図22は、本発明のプレス成形時におけるスプリングバック抑制の対象となる金属薄板のプレス部品(以下本部品という)の形状の一例を示す概略斜視図である。
本部品501を、薄鋼板、アルミ薄板などの金属薄板、あるいはプラスチックや複合材料等の弾塑性材料を素材として、上型および下型からなる金型を用いて、冷間プレス成形すると、離型後に、弾性回復(スプリングバック)により、部品形状は、成形下死点での形状(即ち成形目標形状)から変化する。そのため、所定の部品寸法精度が得られず、溶接不良、組立精度悪化などの不具合が発生する。
図23に、本部品501のスプリングバックの一例をスプリングバック変位量の分布コンタ図で示す。色の濃淡は、成形下死点からのZ軸(紙面直角方向)変位量を示す。図23に示す本部品501のA、B、C、D点をつないでなる平面は、X−Y平面(紙面水平方向)に平行に成形されるべきであるが、湾曲形状の外側端点(A、B点)がZ軸方向に持ち上がり断面が捩れていることを示している。
前記スプリングバックを合理的に抑制することが、本発明の目的である。
スプリングバックを抑制するには、部品自体の弾性剛性を向上させる(第1の対策方法)、あるいはスプリングバックを誘起する内部残留応力を低減させる(第2の対策方法)、ということが一般的に行われる。第1の対策方法に対しては、部品形状の変更や形状凍結ビードの付与などが一般に用いられる。また第2の対策方法に対しては、ビード付与、多段成形や温間、熱間成形などがある。
これらの対策によっても、寸法精度が不十分であれば、スプリングバック量を予め見込んで、金型形状を製品と異なる形状に修正することが通常行われる(第3の対策方法)。しかしながら、見込み量の精度は様々な因子に敏感であり、金型修正コストも増大する。
一方、部品形状が複雑になると、成形下死点での内部残留応力は一様でなく複雑に分布する。図24に、本部品501の成形下死点での内部残留応力を、有限要素法に基づくプレス成形シミュレーションによって計算予測した一例を示す。図24においては板厚中心での主応力分布を色の濃淡で表しており、色の濃い部分で示される内部残留応力の大きな部位が複数あり、また引張、圧縮が混在している。
プレス成形シミュレーションとしては上記第1実施形態から第4実施形態のシミュレーションをもちいることができる。
本発明のスプリングバック抑制方法では、本部品1のスプリングバックを誘起する部位を特定する第一の工程と、スプリングバックを誘起する部位に予め、1個以上のエンボスを成形する第二の工程と、所定の部品形状になるようにエンボスを平坦に潰す第三の工程とを行う。
本発明の、第一の工程では、複雑な内部残留応力分布を示す複雑形状の本部品1に対して、本部品1の内部応力を部分的に変化させることでスプリングバックが変化する領域を、スプリングバックを誘起している領域(部位)として抽出し、特定する。
抽出方法として、有限要素法に基づくプレス成形シミュレーションによって計算予測した本部品1の内部残留応力を、部分領域毎に変化させて再度計算予測し、内部残留応力の変化の前後でスプリングバック量が大きく変わる領域を、スプリングバックを誘起する部位として特定する。内部残留応力の変化のさせ方は、部分領域の応力成分を板厚方向全積分点(応力評価点)で一律0(開放)(成形下死点の応力を0とする)しても良い。あるいは、膜応力成分(板厚中心積分点の応力)と曲げ応力成分(板厚方向積分点毎応力から膜応力を差し引いた)に分解し、それぞれを0とすることで、面内応力と曲げ応力の影響を分離して評価することができる。また、部分領域の大きさは、フランジ部、曲げR部、ウェブ部など形状の特徴に合わせた領域分割でもよい。しかし、望ましくは、前記形状を表現するに十分細かい有限要素メッシュ分割をそのまま部分領域とすることで、高い分解能で抽出が可能となる。
図25は、図24に示す有限要素法に基づくプレス成形シミュレーションにおける有限要素に対応する部分領域ごとに内部残留応力を開放し、開放前後のスプリングバック量の差を、開放前のスプリングバック量で基準化した値の分布を色の濃淡で表したコンタ図である。図25において濃い色で示されるように、本部品501の一部である変化の大きい部位(開放することでスプリングバックが低減した領域)E、Fを、スプリングバックを誘起する部位E、Fとして特定できる。図25に示すスプリングバックを誘起する部位E、Fは、図24に示した内部残留応力の大きな部位とは異なり、必ずしも応力の大きい部位がスプリングバックを誘起しているわけでは無いことを示している。
また、本部品501の内部応力を部分的に変化させることでスプリングバックが変化する領域を、スプリングバックを誘起する部位として特定する別の抽出方法もある。すなわち、実物のプレス部品を用いて、一部を切り欠いて、あるいは穴を開けるなどして、部分的に応力を開放し、その前後でスプリングバック量が大きく変化する部位を、スプリングバックを誘起する部位として特定してもよい。
続いて、本発明の第二の工程では、前記方法にて特定されたスプリングバックを誘起する部位に、プレス第一工程でエンボスを形成する。図26には、プレス第一工程において成形された本部品501の平面図を示す。ここでは、図25に示したスプリングバックを誘起する部位E、Fに、同一寸法の円形エンボス502、503を2個成形している。
図26におけるエンボス部A−A断面の成形された本部品501および金型(下型504、上型505)配置を図27に示す。図27中、エンボス成形部は、円筒状工具506を、下型504に挿入する構造としている。工具506として下型504の凹部504aに勘合する高さ寸法の異なる複数の着脱式の円筒状工具506を用い、円筒状工具506を交換することで、容易にエンボス502、503の高さ調整が行える。エンボス形状(工具506の平面形状)は、円形に限定されるものでなく、楕円、四角形など任意の形状が可能だが、円筒形状とすることで、加工が容易で、種々の高さの工具506をエンボス502、503の高さ寸法調整用に準備しても、低コスト化が図れる。
続いて、本発明の第三の工程、すなわちプレス第二工程では、前記プレス第一工程でエンボスを成形された成形部品を、所定の部品形状になるようにエンボスの無い平坦な工具で押しつぶす。図28には、プレス第二工程において成形された本部品501の平面図を示す。また図27に対応するプレス第二工程A−A断面の成形された本部品501および金型(下型507、上型508)配置を図29に示す。一旦張出したエンボスを平坦に押し潰すことにより、繰り返し曲げ−曲げ戻しの効果で、スプリングバックを誘起する内部残留応力を緩和することができ、スプリングバック量が大幅に低減する。
また、金型の調整段階では、プレス第一工程で、前記種々の高さの円筒工具でエンボス高さを調整する。続いてプレス第二工程でエンボスを潰し平坦にする。これにより、製品形状を変更することなく、スプリングバックを容易に制御、抑制することができる。また、図27に示す前記円筒工具6の端部を湾曲したエンボス形状でなく平坦にすることで、不要なエンボスを削除することも可能である。また、同じく図27に示す下型504のエンボス凸部として凹部504aに前記端部平坦な円筒工具を挿入し、さらに上型505のエンボス凹部505aを着脱式の工具で平坦に埋めることで、プレス第二工程を、別の金型を使わずに、プレス第一工程と同一金型で成形することも可能である。
図27および図28では、プレス第一工程とプレス第二工程で、エンボス部以外は同一形状としているが、これに限定されるものでなく、角部曲率半径や他部品取り付け座面など種々の形状を、工程ごとに成形しても構わない。
図22は、本発明を適用した、プレス部品(本部品501)の斜視図である。本部品501の材料は、板厚1.2mm、引張強度980MPa級の冷延高張力鋼板である。プレス形成用金型を製作するに先立ち、成形シミュレーションプログラム(ESI社製;商品名PAM−STAMP)を用いて、成形下死点における応力分布に基づき、スプリングバックを誘起している領域を抽出した。
第5実施形態による成形シミュレーションにおける主要な解析条件は、第1実施形態と同じく、表1で示される条件を用いた。
ここで、成形シミュレーションによって得られた離型後の本部品1のスプリングバック変位量の分布を図23に示す。ここでは、変位量を表示濃度に対応して等高線で示しており、表示濃度が濃いほど変位量も大きい。図示のように、特にA点およびB点におけるZ軸方向(紙面垂直方向)の変位が大きく、本部品501に反り及び捩れが発生していることが判る。また、図24には、成形下死点における最大主応力分布コンタ図を示す。
続いて、スプリングバックを誘起している領域を特定するため、部分領域毎に、成形下死点の応力を強制的に0として、離型後のスプリングバック変位量を計算した。ここで、捩れに対するスプリングバック量を表す指標として、A点およびC点のZ軸方向変位DA、DCの差、DA−DC(=DA−C)を用い、応力開放前後のスプリングバック量から、その領域のスプリングバック量に対する影響度を、式(16)で表した。
影響度=DA−C(応力開放後)/DA−C(応力開放前)−1 ・・・(16)
部分領域を有限要素単位に一致させ、要素ごとに(16)式の計算を行った結果、影響度の分布コンタ図を図25に示す。影響度の分布を色の濃淡で表しており、本部品501の一部に変化の大きい部位E、F、すなわちスプリングバックを誘起する部位E、Fが特定できる。また、スプリングバックを誘起する部位E、Fは、図24に示した内部残留応力の分布とは異なり、必ずしも応力の大きい部位がスプリングバックを誘起しているのでは無いことが明らかとなった。
続いて、前記スプリングバックを誘起している領域E、Fを成形シミュレーションによって特定した結果に基づき、プレス成形用金型を試作し、成形実験を行った。
前記影響度の大きいウェブ面の部位E、Fの2箇所(E点、F点)に、プレス第一工程でエンボス502、503を形成した。図26にプレス第一工程の成形部品の平面図を示す。
エンボス502、503はいずれも直径φD=10mmの球殻形状で、成形用の金型は、図30に示すような高さH=0、1、2、3mmの4種類の円筒工具506を準備し、図27に示すように、下型504に挿入する構造とした。
前記2箇所E点およびF点のエンボス高さを種々変えたプレス第一工程サンプルを試作し、続いて、図29に示すような平滑金型(下型507、上型508)でエンボス502、503を潰すプレス第二工程で、図28に示すような製品サンプル(本部品1)を得た。
各製品サンプルに対して、前記スプリングバック量DA−Cを測定した結果を表3に示す。
エンボス高さ0の比較例に対して、エンボス高さを高くするとスプリングバック量(DA−C)は低減すること、さらに高さを種々調節することで、スプリングバック量をスプリングゴー(DA−Cが−である(スプリングイン))まで含めて、可変制御可能であることが確認された。
尚、スプリングバックを誘起する部位を特定するために、本発明の成形シミュレーション方法を利用することが好ましい。
以上説明したように、第5実施形態によれば、複雑形状のプレス部品であっても、プレス成形時におけるスプリングバックを誘起する部分をピンポイントに特定し、製品形状を変更することなく、調整容易な金型を用いて、寸法精度に優れたプレス成形品を効率よく得ることが可能となる。以上、金属薄板のスプリングバックを抑制する方法に関して本実施形態を説明してきた。しかし本発明は金属材料に限られるものではなく、プラスチック材や複合材料等の弾塑性材料を成形する場合も含む。また、薄板に限られるものでもなく、線材や、ある程度厚みのある材料を成形する場合も含む。
本発明によれば、大規模な連立方程式の行列演算等の煩雑で長時間を要する計算を行うことなく、簡易な計算により、極めて迅速で確実に、弾塑性材料の成形時におけるスプリングバックの発生部位を特定し、正確な成形に供することが可能となる。従って、成形シミュレーションに要する時間の短縮化、及び、成形品の高精度化に寄与することが出来る。
101 第1の計算部
102 第2の計算部
103 特定部
104 表示部
201 第1の計算部
202 第2の計算部
203 第3の計算部
204 第4の計算部
205 表示部
301 第1の計算部
302 第2の計算部
303 第3の計算部
304 第4の計算部
305 第5の計算部
306 第6の計算部
307 表示部
501 プレス部品
502 エンボス(E点)
503 エンボス(F点)
504 プレス第一工程下型
505 プレス第一工程上型
506 エンボス成形用工具
507 プレス第二工程下型
508 プレス第二工程上型

Claims (13)

  1. 弾塑性材料の成形シミュレーション方法であって、
    第1計算部が、有限要素法を用いて、前記弾塑性材料の目標形状における1つ又は複数の有限要素ごとに、応力テンソルから要素等価節点力ベクトルを計算する工程と;
    第2計算部が、計算された前記1つ又は複数の有限要素ごとの前記要素等価節点力ベクトルを、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域に亘って積分して、その領域の全等価節点力ベクトルを計算する工程と;
    特定部が、計算された前記全等価節点力ベクトルに基づいて、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域のうちで、前記全等価節点力ベクトルの構成成分である曲げモーメントが大きい部位をスプリングバックの発生原因部位として特定する工程と;
    を含むことを特徴とする成形シミュレーション方法。
  2. 第3の計算部が、全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;
    第4の計算部が、前記全等価節点力ベクトルを外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記全等価節点力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の変位量に対する前記外力ベクトルの成分ごとの寄与度を計算する工程と;
    を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の成形シミュレーション方法。
  3. 表示部が、前記弾塑性材料の特定位置の変位量に対する前記外力ベクトルの成分ごとの前記寄与度を表示する工程を更に含むことを特徴とする請求項に記載の成形シミュレーション方法。
  4. 第3計算部が、全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;
    第4計算部が、前記全等価節点力ベクトルを第1の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第1の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第1の変位量を計算する工程と;
    第5計算部が、前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の外力ベクトルからその要素の要素等価節点力ベクトルを除去した結果を第2の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第2の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第2の変位量を計算する工程と;
    第6計算部が、前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の変位量と前記第2の変位量との変化量を計算する工程と;
    を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の成形シミュレーション方法。
  5. 表示部が、前記第1の変位量と前記第2の変位量との間の変化量を表示する工程を更に含むことを特徴とする請求項に記載の成形シミュレーション方法。
  6. 請求項1に記載のシミュレーション方法により、前記弾塑性材料のスプリングバック発生原因部位を特定する工程と;
    前記弾塑性材料の前記スプリングバック発生原因部位に予め、エンボスを成形する工程と;
    前記エンボスに対し、圧縮応力を与えるように塑性変形させる工程と;
    を含む、弾塑性材料の成形方法。
  7. 前記エンボス成形工程で成形する前記エンボスが、2個以上の略同一寸法の円形エンボスであることを特徴とする、請求項に記載の、弾塑性材料の成形方法。
  8. 前記エンボス成形工程が、金型に設けられた凹部に勘合する高さ寸法の異なる複数の着脱式の工具を用いてエンボス形状の高さ寸法を調整する工程を有することを特徴とする、請求項に記載の、弾塑性材料の成形方法。
  9. コンピュータにより、弾塑性材料の成形シミュレーションを行うに際して、
    有限要素法を用いて、前記弾塑性材料の目標形状における1つ又は複数の有限要素ごとに、応力テンソルから要素等価節点力ベクトルを計算する工程と;
    計算された前記1つ又は複数の有限要素ごとの前記要素等価節点力ベクトルを、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域に亘って積分して、その領域の全等価節点力ベクトルを計算する工程と;
    計算された前記全等価節点力ベクトルに基づいて、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域のうちで、前記全等価節点力ベクトルの構成成分である曲げモーメントが大きい部位をスプリングバックの発生原因部位として特定する工程と;
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;
    前記全等価節点力ベクトルを外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記全等価節点力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の変位量に対する前記外力ベクトルの成分ごとの寄与度を計算する工程と;
    を更にコンピュータに実行させるための請求項に記載のプログラム。
  11. 全体剛性行列の逆行列を計算する工程と;
    前記全等価節点力ベクトルを第1の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第1の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第1の変位量を計算する工程と;
    前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の外力ベクトルからその要素の要素等価節点力ベクトルを除去した結果を第2の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第2の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第2の変位量を計算する工程と;
    前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の変位量と前記第2の変位量との変化量を計算する工程と;
    を更にコンピュータに実行させるための請求項に記載のプログラム。
  12. 請求項に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
  13. 弾塑性材料の成形シミュレーションを行う成形シミュレーション装置であって、
    有限要素法を用いて、前記弾塑性材料の目標形状における1つ又は複数の有限要素ごとに、応力テンソルから要素等価節点力ベクトルを計算する第1の計算部と;
    計算された前記1つ又は複数の有限要素ごとの前記要素等価節点力ベクトルを、前記弾塑性材料の全領域又は特定の領域に亘って積分して、その領域の全等価節点力ベクトルを計算する第2の計算部と;
    全体剛性行列の逆行列を計算する第3計算部と;
    前記全等価節点力ベクトルを第1の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第1の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第1の変位量を計算する第4の計算部と;
    前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の外力ベクトルからその要素の要素等価節点力ベクトルを除去した結果を第2の外力ベクトルとして、前記全体剛性行列の逆行列と前記第2の外力ベクトルとを乗算し、前記弾塑性材料の特定位置の第2の変位量を計算する第5の計算部と;
    前記1つ又は複数の有限要素ごとに、前記第1の変位量と前記第2の変位量との変化量を計算する第6の計算部と;
    を含むことを特徴とする成形シミュレーション装置。
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