JP4988064B2 - 成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、及び成形シミュレーションプログラム、並びにその記録媒体 - Google Patents

成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、及び成形シミュレーションプログラム、並びにその記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、薄鋼板やアルミ薄板等の金属薄板を成形する際の成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、及び成形シミュレーションプログラム、並びにその記録媒体に関する。
本願は、2009年4月20日に、日本に出願された特願2009−102123号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、自動車部品や家庭電気製品には、薄鋼板やアルミ薄板等の金属薄板(以下、ブランク)を、上下一対の凹凸金型を用いて所定の形状にプレス加工した部品が多用される。近年、このような製品の軽量化を図るため、より高強度の材料を用い、材料の厚みを減少させることが盛んに行われている。一方、高強度の材料をプレス成形する際には、成形反力が増大するため、金型やプレス装置が弾性変形を起こし、材料を所定の寸法に加工することができない場合がある。
より具体的に説明すると、成形工程では、固定された下型(ダイス金型)と油圧で加圧・駆動されるシワ押さえ(ホルダー金型)とによりブランクを把持し、次いで、上型(ポンチ金型)を所定深さまで下降させ、ブランクを絞り成形する。シワ押さえ圧(ブランクホルダー圧)が不足した場合、ブランクにシワが発生し、また過剰な場合、ワレが発生する。そのため、適切なシワ押さえ圧を付与することが良好な製品を得る上で重要であり、最適なシワ押さえ条件を検討するため、有限要素法による成形シミュレーションが近年盛んに用いられている。
通常の成形シミュレーションにおいては、金型を剛体、ブランクを変形体と仮定し、ブランクと金型との接触状況を逐次判定する。この判定に基づき、ブランクの変形過程が、ステップ・バイ・ステップで計算される。
一方、実際の成形においては、上下金型の取り付け(合わせ面)精度、シワ押さえの加圧点(クッションピン位置)、プレス機・金型の剛性、ブランクの変形抵抗や板厚変動、といった種々の要因によって、金型には弾性変形や上下合わせ面の平行度不良が生じる。従って、成形シミュレーションの精度を向上させるためには、金型の弾性変形や上下合わせ面の平行度を考慮する必要がある。
非特許文献1には、シワ押さえ金型を変形体としてモデル化し、金型弾性変形と被加工品成形とを連成解析する技術が開示されている。
また、特許文献1および特許文献2には、金型を剛体と仮定した成形シミュレーションから得られた節点反力を入力として、金型の弾性変形シミュレーションを行い、そこで得られるたわみ分布を前記成形シミュレーションの金型形状に反映させ、再計算する方法が開示されている。
特開2005−138120号公報 特開2005−138119号公報
金型の弾性変形を考慮した静解析による板成形シミュレーション計算力学講演会講演論文集、Vol.2003, No.16(20031122) pp. 589−590 社団法人日本機械学会 ISSN:1348026X 高村正人、大浦賢一、須長秀行、牧野内昭武、Cristian TEODOSIU 有限要素法ハンドブック:鷲津 久一郎 他編、培風館(1981)
しかしながら、非特許文献1で開示されているような、金型を弾性体としてモデル化する成形シミュレーションは、金型のみならず、金型の支持装置及びプレス機本体まで考慮する必要があり、その計算規模は極めて大きく、現実的ではない。
また、特許文献1および特許文献2で開示されているような、成形シミュレーションと金型変形シミュレーションとを並行して実行し、逐次金型たわみを反映する方法を用いても、依然として計算規模は大きい。そのため、摺動面のあるプレス機および金型構造を厳密に有限要素にモデル化することは極めて困難である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、プレス成形中の金型、及びプレス装置の変形を考慮した成形シミュレーションを極めて効率よく実行できる成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、及び成形シミュレーションプログラム、並びにその記録媒体を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するために以下の手段を採用した。
(1)本発明の第1の態様は、金属板からなるブランクに対して有限要素法を用いてプレス成形シミュレーションを行う方法であって、工具移動量・変形量計算部において、無負荷状態における金型の表面形状に対し、固有モードとして一次たわみ変形モードと一次ねじれ変形モードと剛体変位モードとを重ね合わせ、前記固有モードに対する重み係数を、成形荷重に応じて逐次変更することにより、金型変形状態を表現する。
(2)上記(1)に記載のプレス成形シミュレーション方法では、前記固有モードに対する重み係数を、所定の成形荷重を負荷したプレス実験における変形量から予め定めてもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載のプレス成形シミュレーション方法では、条件入力部において、工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ及び解析条件データを入力する条件入力ステップと、初期化部において、金型初期位置・変位の設定、前記ブランクの変位・応力・歪み及び時間(t)を初期化する初期化ステップと、前記工具移動量・変形量計算部において、金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量を加えることによって、変形後の金型表面座標を更新するステップであって、プレス方向をZ軸として、直交座標系での金型表面座標を(x,y,z)として、z座標を下記式1で近似する前記工具移動量・変形量計算ステップと、ブランク変形量計算部において、前記工具移動量・変形量計算ステップにおいて(式1)で更新された前記金型の形状と前記ブランクの間の接触状態を判定すると共に、接触と判定されたブランク領域の接触面法線方向に前記金型と同一な速度を、接触面の接線方向に摩擦力をそれぞれ与え、有限要素法に基づく応力解析方法により前記ブランクの変形量を更新するブランク変形量計算ステップと、を有し、時間更新部において、時間(t)を初期化してから所定時間tmaxになるまで、前記工具移動量・変形量計算ステップから前記ブランク変形量計算ステップまでを繰り返してもよい。
[ただし、式1において、z は変形前の座標であり、w はi次の固有モードであり、a は各固有モードに対する重み係数であり、nは考慮する固有モードの最大次数である。また固有モードは、座標(x,y)の代わりに、金型重心を原点として、Z軸方向投影面寸法をLx×Lyの矩形として、ζ=2x/Lx,η=2y/Lyのように規格化した無次元座標(ζ,η)で表わす。]
)本発明の第2の態様は、金属板からなるブランクに対して有限要素法を用いてプレス成形シミュレーションを行う装置であって、工具移動量・変形量計算部において、無負荷状態での金型表面形状に対し、固有モードとして一次たわみ変形モードと一次ねじれ変形モードと剛体変位モードとを重ね合わせ、前記固有モードに対する重み係数を、成形荷重に応じて逐次変更することにより金型変形状態を表現する。
)上記()に記載のプレス成形シミュレーション装置では、前記固有モードに対する重み係数が、所定の成形荷重を負荷したプレス実験における変形量から予め定められてもよい。
(6)上記(4)または(5)に記載のプレス成形シミュレーション装置では、工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ及び解析条件データが入力される条件入力部と、金型初期位置・変位の設定、ブランクの変位・応力・歪み及び時間(t)を初期化する初期化部と、金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量を加えることによって、変形後の金型表面座標を更新する計算部であって、プレス方向をZ軸として、直交座標系での金型表面座標を(x,y,z)として、z座標を下記式1で近似する前記工具移動量・変形量計算部と、前記工具移動量・変形量計算ステップにおいて(式2)で更新された前記金型の形状と前記ブランクの間の接触状態を判定すると共に、接触と判定されたブランク領域の接触面法線方向に前記金型と同一な速度を、接触面の接線方向に摩擦力をそれぞれ与え、有限要素法に基づく応力解析方法により前記ブランクの変形量を更新するブランク変形量計算部と、時間(t)を初期化してから所定時間tmaxになるまで、前記工具移動量・変形量計算部から前記ブランク変形量計算部におけるステップを繰り返す時間更新部と、を有していてもよい。
[ただし、式2において、z は変形前の座標であり、w はi次の固有モードであり、a は各固有モードに対する重み係数であり、nは考慮する固有モードの最大次数である。また固有モードは、座標(x,y)の代わりに、金型重心を原点として、Z軸方向投影面寸法をLx×Lyの矩形として、ζ=2x/Lx,η=2y/Lyのように規格化した無次元座標(ζ,η)で表わす。]
)本発明の第3の態様は、金属板からなるブランクに対して有限要素法を用いてプレス成形シミュレーションをコンピュータに実行させるプログラムであって、工具移動量・変形量計算部において、無負荷状態での金型表面形状に対し、固有モードとして一次たわみ変形モードと一次ねじれ変形モードと剛体変位モードとを重ね合わせ、前記固有モードに対する重み係数を、成形荷重に応じて逐次変更することにより金型変形状態を表現するステップを前記コンピュータに実行させる
)上記()に記載のプレス成形シミュレーションプログラムでは、前記固有モードに対する重み係数を、所定の成形荷重を負荷したプレス実験における変形量から予め定めることを前記コンピュータに実行させてもよい。
(9)上記(7)または(8)に記載のプレス成形シミュレーションプログラムでは、条件入力部において、工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ及び解析条件データを入力する条件入力ステップと、初期化部において、金型初期位置・変位の設定、ブランクの変位・応力・歪み及び時間(t)を初期化する初期化ステップと、前記工具移動量・変形量計算部において、金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量を加えることによって、変形後の金型表面座標を更新するステップであって、プレス方向をZ軸として、直交座標系での金型表面座標を(x,y,z)として、z座標を下記式1で近似する前記工具移動量・変形量計算ステップと、ブランク変形量計算部において、前記工具移動量・変形量計算ステップにおいて(式3)で更新された前記金型の形状と前記ブランクの間の接触状態を判定すると共に、接触と判定されたブランク領域の接触面法線方向に前記金型と同一な速度を、接触面の接線方向に摩擦力をそれぞれ与え、有限要素法に基づく応力解析方法により前記ブランクの変形量を更新するブランク変形量計算ステップと、時間更新部において、時間(t)を初期化してから所定時間tmaxになるまで、前記工具移動量・変形量計算ステップから前記ブランク変形量計算ステップまでを繰り返すステップと、を前記コンピュータに実行させてもよい。
[ただし、式3において、z0は変形前の座標であり、wiはi次の固有モードであり、aiは各固有モードに対する重み係数であり、nは考慮する固有モードの最大次数である。また固有モードは、座標(x,y)の代わりに、金型重心を原点として、Z軸方向投影面寸法をLx×Lyの矩形として、ζ=2x/Lx,η=2y/Lyのように規格化した無次元座標(ζ,η)で表わす。]
10)本発明の第4の態様は、上記()〜()のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、プレス成形中の金型やプレス装置の変形を考慮した成形シミュレーションを極めて効率よく実行することが可能となる。
本発明の成形シミュレーションの対象となるプレス部品の一例を示す概略斜視図である。 本プレス部品を成形するための、金型および被加工材である金属薄板の構成の一例を示す概略斜視図である。 本実施形態による成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。 金型変形の固有モードの一例として、Z軸方向の剛体変位モードを示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、剛体回転モード(Y軸まわり)を示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、剛体回転モード(X軸まわり)を示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、1次たわみ変形モード(X軸方向)を示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、1次たわみ変形モード(Y軸方向)を示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、1次ねじれ変形モードを示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、2次たわみ変形モードを示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、2次たわみ変形モードを示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、2次ねじれ変形モードを示す概略斜視図である。 金型変形の固有モードの一例として、2次ねじれ変形モードを示す概略斜視図である。 金型変形モードの一例を示す概略斜視図である。 成形品のフランジ形状の形態の計算結果を示す立面図である。 フランジ流入量を示すグラフである。 スプリングバック予測の対象として用いるプレス部品を示す斜視図である。 実測によるねじれ角度と、実施例及び比較例によるねじれ角度とを示すグラフである。 成形シミュレーション装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明者らは、ブランクと接触する金型表面形状が、接触反力や成形荷重に応じて変化する様子を把握するため、金型に歪みゲージや変位計を取り付け、種々の成形部品、成形条件に対して鋭意調査した結果、部品形状や金型構造が異なっても、ブランクと接触する金型の巨視的な変形モードの変化量は小さく、低次の固有モードで近似できることを見出した。
以下、上記発見に基づく本発明の一実施形態に係る成形シミュレーション方法について、図面を参照して説明する。
図1に、成形シミュレーションの対象物の一例として、ブランク1をプレス成形して得られるプレス部品1’’を示す。このプレス部品1’’は、例えば、図2に示されるように、ダイス金型3とシワ押さえ金型4とで把持されたブランク1(金属薄板)に対してポンチ金型2を押圧することにより得られる。
図3は、本実施形態に係る成形シミュレーションの一例を示す。この成形シミュレーションは、条件入力ステップ、初期化ステップ、時間ステップ、工具移動量・変形量計算ステップ、及び、ブランク変形量計算ステップを有する。
まず、条件入力ステップでは、工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ、時間増分など解析条件データなどを入力する。
工具形状データとしては、変形の無い初期状態の表面形状を表すデータが用いられる。このデータは、ポンチ金型2、ダイス金型3、シワ押さえ金型4の表面を、有限要素メッシュ分割したデータ、あるいは数式表示された理論曲面で表されたデータであればよい。
ブランク形状データとしては、成形前に予め切断された金属薄板を、一般にシェル(板殻)要素で離散化したメッシュ分割データが用いられてもよい。ブランク材に関する機械特性データとして、厚み、降伏応力、応力−歪み関係式、易方性パラメータなどが挙げられる。
プレス加工条件データとしては、金型移動量、金型移動速度、加圧条件などのデータが、それぞれ、時間や成形ストロークの関数として与えられてもよい。また、金型−ブランク間の摩擦係数などが与えられてもよい。
解析条件データとしては、成形過程を逐次時間増分解析する際の時間刻みや、解析終了条件、結果出力指示などが挙げられる。
次いで、初期化ステップでは、金型初期位置・変位の設定、ブランク1の変位・応力・歪み、時間(t)などを初期化(0クリア)する。
次いで、工具移動量・変形量計算ステップでは、時間ステップを逐次更新しながら、時間や成形ストロークの関数として与えられた金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量を加えることによって、変形後の金型表面座標を更新する。すなわち、プレス方向をZ軸として、直交座標系での金型表面座標を(x,y,z)として、z座標を例えば以下の(式1)のように近似する。
ここで、zは変形前の座標、wはi次の固有モード、aは各固有モードに対する重み係数、nは考慮する固有モードの最大次数である。また固有モードは、座標(x,y)の代わりに、金型重心を原点として、Z軸方向投影面寸法をL×Lの矩形として、ζ=2x/L,η=2y/Lのように規格化した、無次元座標(ζ,η)で表わす。
ここで、成形荷重は、シワ押さえ荷重、ポンチ荷重、パッド荷重(パッドを用いる場合)などを含んでもよい。また、シワ押さえ荷重に対応する金型の変形に関しては、シワ押さえ具とダイス金型との間のギャップが考慮される。ポンチ荷重に対応する金型の変形に関しては、ポンチ金型とダイス金型との間のギャップが考慮される。パッド荷重に対応する金型の変形に関しては、パッドとポンチ金型との間のギャップが考慮される。実際の計算においては相対する1対の金型のいずれかを変形させればよい。
固有モードは、低次の固有モードと高次の固有モードとに大別される。低次の固有モードは、図4Aに示す剛体変位モード,図4B,図4Cに示す剛体回転モード、図4D,図4Eに示す1次たわみ変形モード、図4Fに示す1次ねじれ変形モードを含む。また、高次の固有モードは、図4G,図4Hに示す2次たわみ変形モード、図4I,図4Jに示す2次ねじれ変形モードを含む。本発明者らは、多数の部品事例で評価を行った結果、剛性の高い一般的なプレス成形用金型では、低次の固有モード、すなわち、少なくとも剛体変位モードと1次変形モード(1次ねじれ変形モード又は1次たわみ変形モード)とを考えれば実用上十分な精度で金型の変形状態を予測できることを見出した。
ここで、低次の固有モードは、具体的には、例えば次のように定式化される。
(0次)図4Aに示されるZ軸方向剛体変位モードは、以下の(式2)で示すことができる。
=1 ・・・(式2)
(1次)図4Bに示されるY軸まわり剛体回転モードは、以下の(式3)で示すことができる。
=ζ ・・・(式3)
(2次)図4Cに示されるX軸まわり剛体回転モードは、以下の(式4)で示すことができる。
=η ・・・(式4)
(3次)図4Dに示されるX軸方向1次たわみ変形モードは、以下の(式5)で示すことができる。
=ζ ・・・(式5)
(4次)図4Eに示されるY軸方向1次たわみ変形モードは、以下の(式6)で示すことができる。
=η ・・・(式6)
(5次)図4Fに示される1次ねじれ変形モードは、以下の(式7)で示すことができる。
=ζη ・・・(式7)
尚、1次たわみ変形モード、及び、1次ねじれ変形モードは、以下の(式8)〜(式10)のように三角関数で表してもよい。
=1−cos(πζ/2) ・・・(式8)
=1−cos(πη/2) ・・・(式9)
=sinζsinη ・・・(式10)
また、1次たわみ変形モード、及び、1次ねじれ変形モードは、以下の(式11)〜(式13)のように双曲線関数で表してもよい。
=cosh(πζ)/cosh(π) ・・・(式11)
=cosh(πη)/cosh(π) ・・・(式12)
=sinhζsinhη/(sinhl) ・・・(式13)
このように、固有モードは、−1≦ζ,η≦1の条件で連続な任意の関数形を用いることが可能であるが、(式2)から(式7)を用いる場合、金型の剛体変位および弾性変形を、少ない計算量で、精度よく近似することができる。また、精度をさらに向上させるために、図4Gから図4Jに示すような2次変形モードを考慮してもよい。
本実施形態に係る成形シミュレーションでは、各固有モードに対する重み係数aを、予めプレス機や金型の剛性を測定することにより決定してもよい。
たとえば、所定の成形荷重Pmaxに対する金型の変形量を実測し、i次の固有モードに対するコンプライアンス定数をcとして、各固有モードに対する重み係数aを次式のように与える。cは、成形過程において、一定値としてもよい。
(P)=c・Pmax ・・・(式14)
また、各固有モードに対する重み係数aを、成形荷重Pの関数として与えてもよい。この場合、精度をさらに向上させることができる。例えば、金型変形量と成形荷重の大きさが、略比例関係にある場合には、i次の固有モードに対するコンプライアンス定数をcとして、次式のように与える。
(P)=c・P ・・・(式15)
ここで、コンプライアンス定数cは、所定のプレス機で加圧荷重を変えながら金型の変形量を歪みゲージや隙間ゲージで測定することにより決定してもよい。すなわち、5次の固有モードまで考慮する場合には、未知の重み係数は6個であり、理論的に少なくとも金型表面6箇所の変形量を測定すれば求めることができる。さらに測定箇所を増やすことで誤差を最小にする重み係数を決定できる。
(式1)によって得られる金型の変形モードの一例を図5に示す。ここでは、(式1)の右辺第2項のみを示し、剛体変位モードと1次たわみ変形モードと1次ねじれ変形モードとが合成された変形となっている。
次いで、ブランク変形量計算ステップでは、(式1)で更新された金型の形状と変形体であるブランクの間の接触状態を判定すると共に、接触と判定された変形体領域の接触面法線方向には、金型と同一な速度を、また接触面の接線方向には摩擦力を与え、通常の有限要素法に基づく応力解析方法で、ブランクの変形量を更新する。例えば、非特許文献2に有限要素による応力解析方法が示されている。
時間ステップが所定の時間tmaxになるまで、上記、工具移動量・変形量計算ステップからブランク変形量計算ステップまでを繰り返す。
上述した計算方法を用いることにより、金型やプレス機の弾性変形を考慮した上で、極めて効率的に連成解析を実行することが可能となる。

次に、図10を参照して本発明の一実施形態に係る成形シミュレーション装置100について説明する。図10は、成形シミュレーション装置100の概略構成を示すブロック図である。
この成形シミュレーション装置100は、条件入力部101と、初期化部102と、工具移動量・変形量計算部103と、ブランク変形量計算部104と、表現部105と、時間更新部110とを含む。ここで、条件入力部101、初期化部102、工具移動量・変形量計算部103、ブランク変形量計算部104、表現部105、及び、時間更新部110は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として実現される。
条件入力部101には、工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ、時間増分など解析条件データなどが入力される。
初期化部102では、金型初期位置・変位の設定、ブランクの変位・応力・歪み、時間(t)などが初期化(0クリア)される。
工具移動量・変形量計算部103では、時間や成形ストロークの関数として与えられた金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量が加えられることによって、変形後の金型表面座標が更新される。
ブランク変形量計算部104では、更新された金型の形状と変形体であるブランクの間の接触状態が判定されると共に、接触と判定された変形体領域の接触面法線方向には金型と同一な速度が、また接触面の接線方向には摩擦力が与えられ、通常の有限要素法に基づく応力解析方法で、ブランクの変形量が更新される。
また、初期化してから所定の時間tmaxが経過するまで、上記の工具移動量・変形量計算部及びブランク変形量計算部の機能を時間更新部110に基づき繰り返す。
表現部105は、固有モードの重ね合わせによる金型形状を表現する。
尚、上述した実施形態による成形シミュレーション装置を構成する各構成要素等の機能は、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。同様に、成形シミュレーション方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線等である。
また、本発明に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるようなものに限定されない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。
角筒絞り成形部品の成形シミュレーション、及び、比較検証のための実験を行った結果を図1および図2に示す。また、本調査に用いた材料、プレス成形条件を以下の表1に示す。
予め、シワ押さえ荷重を種々変更し、金型の変形量を測定した。本実施例では、ブランクの替わりに軟質なハンダをダイス金型とシワ押さえ金型との間に多数把持・圧下した後、圧潰したハンダ厚みから、シワ押さえ加圧時の金型の変形状態を推定した。その結果、本金型・プレス機では、金型・プレス機の変形により、シワ押さえ加圧時において、ダイス金型とシワ押さえ金型の間には隙間が発生し、その大きさは、(式3),(式4)で表わされる剛体回転モード(1および2次基本モード)、(式5),(式6)で表わされる1次のたわみ変形モード(3次および4次基本モード)、及び(式7)で表わされる1次のねじれ変形モード(5次基本モード)を合成することで、近似できることが判った。また、シワ押さえ荷重Pを20ton付加した場合において、ハンダ厚みの測定値と、(式1)で求められる金型変位量の予測値の差が最小となるように、それぞれの固有モードに対する重み係数をa0〜a5の値を、数値計算により求めた。
=−0.1(mm) ・・・(式16)
=a=0.02(mm) ・・・(式17)
=a=0.2(mm) ・・・(式18)
=0.02(mm) ・・・(式19)
ただし、(式3)から(式7)において、
ζ=x/150,η=y/150 ・・・(式20)
すなわち、図5に示すように、X軸方向およびY軸方向に傾斜すると共に中央部がZ軸方向にたわみ、ねじれ変形が発生することを表している。
次いで、上記金型変形量に基づき、市販の成形シミュレーションプログラム(ESI社製 商品名PAM−STAMP)を用いて、成形シミュレーションを実行した。
本実施形態に係る成形シミュレーションの主要な解析条件を、以下の表2に示す。
計算結果の一例として、成形品のフランジ形状の形態について、図6に実験結果および比較例として金型の変形を考慮しない計算結果と共に示す。また、図7の実施例1には、図6の(N),(E),(S),(W)側それぞれ中央のフランジ流入量を実測結果と共に示す。金型変形を考慮していない比較例は、直辺部の流入形態が周囲で等しいのに対して、金型変形を考慮した本発明例では、シワ押さえの拘束が強い(E),(S)側が(N),(W)側に比較して流入量が少なく、実測値とも良好に対応していることが判る。
他の実施例として、シワ押さえ荷重Pを種々変更した結果から、各変形モードに対する重み係数aを、シワ押さえ荷重Pに比例すると仮定して、以下のように設定した場合の計算結果を図7の実施例2に示す。
=−0.05(mm/ton)×P(ton) ・・・(式21)
=a=0.001(mm/ton)×P(ton) ・・・(式22)
=a=0.010(mm/ton)×P(ton) ・・・(式23)
=0.001(mm/ton)×P(ton) ・・・(式24)
重み係数aをシワ押さえ荷重Pの関数として与えることにより、より実測値に近づいていることが判る。
また、別の実施例として、湾曲形状部品20におけるスプリングバックの予測結果を図8に示す。また、比較検証のための実験も合わせて実施した。用いた材料、プレス成形条件を以下の表3に、また計算条件を表4に示す。
ここではシワ押さえ荷重の最大値において金型の変形量を測定した。本実施例では、ブランクの替わりに軟質なハンダをダイス金型とシワ押さえ金型の間に多数把持・圧下した後、圧潰したハンダ厚みから、シワ押さえ加圧時の金型の変形状態を推定し、(式2)から(式7)で表わされる固有モードに対する重み係数aを、以下のように求めた。ここでは重み係数aは、シワ押さえ荷重Pに比例すると仮定した。
=−0.05(mm/ton)×P(ton) ・・・(式25)
=a=0.002(mm/ton)×P(ton) ・・・(式26)
=a=0.005(mm/ton)×P(ton) ・・・(式27)
=0.001(mm/ton)×P(ton) ・・・(式28)
ただし、(式3)から(式7)において、
ζ=x/400,η=y/300 ・・・(式29)
本部品は、高強度材を用いた場合に、図8に示すようにフランジ端部が撥ね上がり、部材長手方向にスプリングバックが発生した。また部品形状は(X軸方向に)対称であっても、金型変形などにより、材料が金型に対し、非対称な状態となる場合には、ねじれが増大した。
図9に、金型の変形を考慮したねじれ角度の計算結果(本発明例)と金型の変形が無い、すなわちX軸方向に対称な形状での比較例を、実測結果と共に示す。ここでねじれ角度は部材両端面(ハット形状)の部材水平面からの相対的なねじれ角度とする。金型の変形を考慮しない比較例では、ねじれの大きさが、実測値よりも小さいのに対し、本発明例では、実測値とほぼ一致した。
本発明によれば、被加工材と接触する金型の変形を、低位の固有モードを用いてモデル化することにより、プレス成形中の金型やプレス装置の変形を考慮した成形シミュレーションを極めて効率よく実行できる。このため、産業上の利用可能性は大きい。
1 ブランク
2 ポンチ金型
3 ダイス金型
4 シワ押さえ金型
5 フランジ流入量
11 計算結果
12 プレス部品実測結果
13 比較例によるプレス部品計算結果
14 プレス部品フランジ
20 湾曲形状部品
100 成形シミュレーション装置
101 条件入力部
102 初期化部
103 工具移動量・変形量計算部
104 ブランク変形量計算部
105 表現部
110 時間更新部

Claims (10)

  1. 金属板からなるブランクに対して有限要素法を用いてプレス成形シミュレーションを行う方法であって、
    工具移動量・変形量計算部において、無負荷状態における金型の表面形状に対し、固有モードとして一次たわみ変形モードと一次ねじれ変形モードと剛体変位モードとを重ね合わせ、前記固有モードに対する重み係数を、成形荷重に応じて逐次変更することにより、金型変形状態を表現することを特徴とするプレス成形シミュレーション方法。
  2. 前記固有モードに対する重み係数を、所定の成形荷重を負荷したプレス実験における変形量から予め定めることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形シミュレーション方法。
  3. 条件入力部において、工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ及び解析条件データを入力する条件入力ステップと、
    初期化部において、金型初期位置・変位の設定、前記ブランクの変位・応力・歪み及び時間(t)を初期化する初期化ステップと、
    前記工具移動量・変形量計算部において、金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量を加えることによって、変形後の金型表面座標を更新するステップであって、プレス方向をZ軸として、直交座標系での金型表面座標を(x,y,z)として、z座標を下記式1で近似する前記工具移動量・変形量計算ステップと、
    ブランク変形量計算部において、前記工具移動量・変形量計算ステップにおいて(式1)で更新された前記金型の形状と前記ブランクの間の接触状態を判定すると共に、接触と判定されたブランク領域の接触面法線方向に前記金型と同一な速度を、接触面の接線方向に摩擦力をそれぞれ与え、有限要素法に基づく応力解析方法により前記ブランクの変形量を更新するブランク変形量計算ステップと、を有し、
    時間更新部において、時間(t)を初期化してから所定時間tmaxになるまで、前記工具移動量・変形量計算ステップから前記ブランク変形量計算ステップまでを繰り返す、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレス成形シミュレーション方法。
    [ただし、式1において、z は変形前の座標であり、w はi次の固有モードであり、a は各固有モードに対する重み係数であり、nは考慮する固有モードの最大次数である。また固有モードは、座標(x,y)の代わりに、金型重心を原点として、Z軸方向投影面寸法をLx×Lyの矩形として、ζ=2x/Lx,η=2y/Lyのように規格化した無次元座標(ζ,η)で表わす。]
  4. 金属板からなるブランクに対して有限要素法を用いてプレス成形シミュレーションを行う装置であって、
    工具移動量・変形量計算部において、無負荷状態での金型表面形状に対し、固有モードとして一次たわみ変形モードと一次ねじれ変形モードと剛体変位モードとを重ね合わせ、前記固有モードに対する重み係数を、成形荷重に応じて逐次変更することにより金型変形状態を表現することを特徴とするプレス成形シミュレーション装置。
  5. 前記固有モードに対する重み係数が、所定の成形荷重を負荷したプレス実験における変形量から予め定められることを特徴とする請求項に記載のプレス成形シミュレーション装置。
  6. 工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ及び解析条件データが入力される条件入力部と、
    金型初期位置・変位の設定、ブランクの変位・応力・歪み及び時間(t)を初期化する初期化部と、
    金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量を加えることによって、変形後の金型表面座標を更新する計算部であって、プレス方向をZ軸として、直交座標系での金型表面座標を(x,y,z)として、z座標を下記式1で近似する前記工具移動量・変形量計算部と、
    前記工具移動量・変形量計算ステップにおいて(式2)で更新された前記金型の形状と前記ブランクの間の接触状態を判定すると共に、接触と判定されたブランク領域の接触面法線方向に前記金型と同一な速度を、接触面の接線方向に摩擦力をそれぞれ与え、有限要素法に基づく応力解析方法により前記ブランクの変形量を更新するブランク変形量計算部と、
    時間(t)を初期化してから所定時間tmaxになるまで、前記工具移動量・変形量計算部から前記ブランク変形量計算部におけるステップを繰り返す時間更新部と、を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプレス成形シミュレーション装置。
    [ただし、式2において、z は変形前の座標であり、w はi次の固有モードであり、a は各固有モードに対する重み係数であり、nは考慮する固有モードの最大次数である。また固有モードは、座標(x,y)の代わりに、金型重心を原点として、Z軸方向投影面寸法をLx×Lyの矩形として、ζ=2x/Lx,η=2y/Lyのように規格化した無次元座標(ζ,η)で表わす。]
  7. 金属板からなるブランクに対して有限要素法を用いてプレス成形シミュレーションをコンピュータに実行させるプログラムであって、
    工具移動量・変形量計算部において、無負荷状態での金型表面形状に対し、固有モードとして一次たわみ変形モードと一次ねじれ変形モードと剛体変位モードとを重ね合わせ、前記固有モードに対する重み係数を、成形荷重に応じて逐次変更することにより金型変形状態を表現するステップを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプレス成形シミュレーションプログラム。
  8. 前記固有モードに対する重み係数を、所定の成形荷重を負荷したプレス実験における変形量から予め定めることを前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項に記載のプレス成形シミュレーションプログラム。
  9. 条件入力部において、工具形状データ、ブランク形状データ、ブランク材機械特性データ、プレス加工条件データ及び解析条件データを入力する条件入力ステップと、
    初期化部において、金型初期位置・変位の設定、ブランクの変位・応力・歪み及び時間(t)を初期化する初期化ステップと、
    前記工具移動量・変形量計算部において、金型移動速度に基づき計算された金型表面座標に、シワ押さえ圧力に応じた変形量を加えることによって、変形後の金型表面座標を更新するステップであって、プレス方向をZ軸として、直交座標系での金型表面座標を(x,y,z)として、z座標を下記式1で近似する前記工具移動量・変形量計算ステップと、
    ブランク変形量計算部において、前記工具移動量・変形量計算ステップにおいて(式3)で更新された前記金型の形状と前記ブランクの間の接触状態を判定すると共に、接触と判定されたブランク領域の接触面法線方向に前記金型と同一な速度を、接触面の接線方向に摩擦力をそれぞれ与え、有限要素法に基づく応力解析方法により前記ブランクの変形量を更新するブランク変形量計算ステップと、
    時間更新部において、時間(t)を初期化してから所定時間tmaxになるまで、前記工具移動量・変形量計算ステップから前記ブランク変形量計算ステップまでを繰り返すステップと、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のプレス成形シミュレーションプログラム。
    [ただし、式3において、z0は変形前の座標であり、wiはi次の固有モードであり、aiは各固有モードに対する重み係数であり、nは考慮する固有モードの最大次数である。また固有モードは、座標(x,y)の代わりに、金型重心を原点として、Z軸方向投影面寸法をLx×Lyの矩形として、ζ=2x/Lx,η=2y/Lyのように規格化した無次元座標(ζ,η)で表わす。]
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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