JP7292755B2 - 弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラム - Google Patents

弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラムに関する。
一般に金属等の固体材料に荷重をかけると、その材料は変形する。荷重を解除(除荷)したときに、荷重をかける前の形状に戻る場合、その変形は弾性変形といわれる。また、除荷しても形状が変わらない場合の変形は塑性変形といわれる。一般に金属材料は、ある荷重までは弾性変形をするが、ある荷重を超えると塑性変形を生じる。弾性変形から塑性変形に移行する応力-ひずみ曲線上の点は弾性限界および降伏点といわれる。そして、弾性変形から塑性変形に移行することは塑性化といわれる。このような性質を「弾塑性」と称し、弾塑性を示す材料を「弾塑性体」と称する。また、弾塑性体の弾塑性変形挙動を解析することを「弾塑性解析」と称する。
一般的な構造材料の多く(金属、岩石、土、砂、粘土、コンクリート、プラスチック、ガラスなど)は弾塑性体である。そのため、弾塑性解析は、特に構造材料を用いた構造体の強度、又は材料の加工時の変形量等を評価するために重要である。構造体の弾塑性変形挙動を評価する方法として、例えば、構造材料の塑性化の条件を、降伏関数とよばれるスカラー値関数を導入して規定し、塑性ひずみ増分を、塑性ポテンシャルとよばれるスカラー値関数に基づく流れ則を用いて評価する方法がある。とくに、塑性ポテンシャルとして降伏関数を用いる場合の流れ則は関連流れ則といわれ、降伏関数とは異なる塑性ポテンシャルを用いる場合の流れ則は非関連流れ則といわれる。弾塑性解析の初期値境界値問題の支配方程式は、運動量保存則、角運動量保存則、変位-ひずみ関係式、応力-ひずみ関係式、塑性ひずみに関する方程式、からなる。従来技術においては、塑性ひずみに関する方程式として流れ則が用いられている。弾塑性解析の初期値境界値問題を解析的に解くことは難しいため、構造体を微小な領域に分割し、領域毎に関数を補間することにより、偏微分方程式を連立一次方程式に置き換えて数値計算を行う有限要素法を用いて評価することが行われている。例えば、特許文献1には、流れ則とさまざまなモデルを組み合わせた塑性構成式を用いて加工時の材料のひずみをシミュレーションする応力-ひずみ関係シミュレート方法が開示されている。
特開2008-142774号公報
従来技術の流れ則を用いて構造材料の弾塑性解析を行う場合、途中で荷重の方向が急激に変化する荷重履歴において、解析結果と実験結果が一致しない場合がある。解析結果が実験結果と一致しない例として、図1Aに示すように、弾塑性体Aが単純せん断を受けて発生した塑性変形が残った状態で、最初に受けた単純せん断と直交する方向に弾性限界を超える引張を受け、その後弾性限界を超える圧縮を受けた場合の弾塑性変形挙動がある。図1Bに、塑性ひずみに応じて硬化する弾塑性構成則を有する材料において、図1Aの最初の単純せん断(aからeまで)を受けた弾塑性体Aの弾塑性変形挙動(せん断ひずみγとせん断応力τとの関係)を示す典型的な応力-ひずみ曲線の例を示す。なお、図1Bのa点からe点は、図1Aのa状態からe状態に相当する。
図1Bに示すように、せん断ひずみγの増加に伴い、原点(開始時)から降伏点aまで弾性変形が進み、点aから点bまでのせん断ひずみγの増加分はすべて塑性ひずみである。塑性ひずみの増加に伴い、点aから点bの間でせん断応力τが増加している。点bでせん断の向きを反転させると、せん断ひずみγのうち、弾性ひずみが減少する。これは弾性除荷といわれる。さらに逆向きにせん断変形を進めると弾性除荷が進み、逆向きの降伏点cに達する。ここまでの弾塑性変形挙動において、バウシンガー(Bauschinger)効果といわれる現象が見られる。バウシンガー効果とは、塑性ひずみに応じて硬化する弾塑性構成則を有する材料を、ある順方向に荷重をかけて降伏させ、次に逆方向に荷重をかけて降伏させた場合、逆方向に荷重をかけた場合の降伏応力の絶対値|τ |が順方向の降伏応力の絶対値|τ |よりも小さくなる現象である。
次に、点cから点dまで、最初とは逆方向の塑性せん断ひずみが増加し、それに伴い、せん断応力τの絶対値も増加する。点dでせん断の向きを反転させると、弾性除荷が進む。点eにおいて弾性ひずみはゼロとなる。このときに残っているひずみγは塑性せん断ひずみである。
点eの変形を保った弾塑性体Aに、単純せん断と直交する方向に弾性限界を超える引張変形をほどこし(図1Aの状態f)、その後弾性限界を超える圧縮変形をほどこした際(図1Aの状態g)の弾塑性体Aの弾塑性変形挙動(直ひずみεと直応力σとの関係)の典型的な応力-ひずみ曲線(i)を図1Cに示す。図1Cに示されているすべての応力-ひずみ曲線は、弾性変形、塑性化、塑性ひずみに応じた硬化、弾性除荷、バウシンガー効果など、図1Bで説明した弾塑性変形における特徴的な挙動を示している。
ただし、ここで解析結果と実験結果が一致しないという問題が発生する。実験結果では、弾塑性体Aに、まず横方向にせん断荷重をかけて降伏させた後に、横方向のせん断と直交する縦方向に荷重をかけて降伏させた場合の縦方向の応力-ひずみ関係と、最初から縦方向に荷重をかけて降伏させた場合の縦方向の応力-ひずみ関係とは、完全に一致する。つまり、図1Aに示す荷重履歴を経て引張および圧縮を受ける弾塑性体Aの応力-ひずみ曲線(図1Cの(i))は、図1Dに示す荷重履歴を受ける弾塑性体Bのように、図1Aに示す単純せん断の履歴を経ることなく引張(図1Dの状態h)および圧縮(図1Dの状態j)を受けた場合の応力-ひずみ曲線(図1Cの(iii))と完全に一致する。ところが、従来技術の弾塑性解析方法で得られる解析結果は、図1Cの応力-ひずみ曲線(ii)のように、図1Cの応力-ひずみ曲線(iii)とは大きく異なる。このように、従来技術の弾塑性解析方法では、途中で荷重の方向が急激に変化する荷重履歴において、弾塑性変形挙動を十分に再現できないという問題があった。
従来技術の弾塑性解析方法では、流れ則の改良、降伏関数の改良、および塑性ポテンシャルの導入、改良等により、解析結果が実験結果と合うように解析方法が様々な方法で修正されている。しかし、従来技術に基づいてバウシンガー効果を十分に再現するように修正された解析方法では、過去の荷重履歴で発生した塑性せん断ひずみと同じ方向のせん断ひずみを生じさせない弾塑性変形挙動は、その塑性せん断ひずみの有無にかかわらず変化しないという現象(特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性)を十分に再現することができず、逆に特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性を満たすように修正された解析方法では、バウシンガー効果を十分に再現することができないという問題があった。
従来、弾塑性解析のために用いられている関連流れ則は、式(1)のように表わされる。
Figure 0007292755000001
ここで、dεp ijは塑性ひずみ増分テンソル、σijは応力テンソル、スカラー値関数であるf=f(σij)は弾塑性物質の塑性化の条件を定義する降伏関数、λは定数である。非関連流れ則の場合は、式(1)においてスカラー値関数f=f(σij)の代わりに弾塑性物質の塑性ポテンシャルg=g(σij)を用いる。
(式1)は、個々の弾塑性体に対して、塑性ひずみ増分テンソルと応力テンソルを結びつける材料構成則が存在することと、その材料構成則を表現するための、応力テンソルのスカラーポテンシャル関数が存在することを、暗黙の前提としている。従来技術の弾塑性解析方法で用いられる流れ則においては、式(1)の中に、変位増分は含まれていない。つまり、式(1)は、塑性ひずみ増分が変位増分とは無関係であることを意味する。しかし現実には、同じ応力状態において、変位増分が異なれば、異なる塑性ひずみ増分が観察され得る。従って、変位増分といかなる関係も有しない塑性ひずみ増分の表現式は、実際の現象を適切に表現しているとは言い難い。従来の弾塑性解析方法で、バウシンガー効果と、特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性と、を同時に再現することができない理由もここにあると考えられる。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、弾塑性解析にあたり、塑性ひずみ増分テンソルと応力テンソルを結びつける材料構成則の存在を必要とせず、その材料構成則を表現するための応力テンソルのスカラーポテンシャル関数の存在も必要としない、塑性ひずみに関する方程式を導入する。この新たな塑性ひずみに関する方程式を導入することにより、バウシンガー効果と、特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性と、を同時に再現できる、弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラムを提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての弾塑性解析方法、弾塑性解析プログラムは、以下の構成を有する。
(1)本発明の一態様は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求めるステップと、前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定するステップと、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標を決定するステップと、前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、を含む弾塑性解析方法である。
(2)本発明の他の態様は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求めるステップと、前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定するステップと、前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定するステップと、前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定するステップと、決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、を含む弾塑性解析方法である。
(3)本発明の他の態様は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求めるステップと、前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定するステップと、前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定するステップと、前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定するステップと、決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、を含む弾塑性解析方法である。
(4)本発明の他の態様は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求める手順と、前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定する手順と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標として決定する手順と、前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムである。
(5)本発明の他の態様は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムである。
(6)本発明の他の態様は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムである。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明に係る弾塑性解析方法、弾塑性解析プログラムによれば、バウシンガー効果と、特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性と、を同時に再現することができる。
弾塑性体に単純せん断の後でせん断の方向と直交する方向に引張及び圧縮を作用させる荷重履歴を示す模式図。 図1Aの単純せん断を受ける弾塑性体の弾塑性変形挙動の一例を示す応力-ひずみ曲線。 図1Aの単純せん断と直交する方向に引張および圧縮を受ける弾塑性体の応力-ひずみ曲線の解析値及び実験値の例。 弾塑性体に図1C(iii)の応力-ひずみ曲線を与える荷重履歴を示す模式図。 実施形態1における数値計算方法のフローチャート。 実施形態2における試行弾性ひずみの主軸及び試行弾性主ひずみ。 実施形態2における試行弾性ひずみのせん断成分が極大となり、かつそのせん断成分が最大となる面(α)を示す図。 実施形態2における試行弾性ひずみのせん断成分が極大となる面(β)を示す図。 実施形態2における試行弾性ひずみのせん断成分が極大となる面(γ)を示す図。 実施形態3における数値計算方法のフローチャートの一例。 実施形態3における数値計算方法のフローチャートの他の例。 実施例の試験体の座標系を示す図。 実施例の試験体にステップ(1)のせん断荷重を負荷した図。 実施例の試験体にステップ(2)のせん断荷重を負荷した図。 実施例の試験体にステップ(2)のせん断荷重をせん断ひずみの弾性成分がゼロとなるまで除荷した図。 実施例の試験体にステップ(4)の引張荷重を負荷した図。 実施例の試験体にステップ(4)の圧縮荷重を負荷した図。 実施例のステップ(1)からステップ(3)までの数値計算値を示す図。 実施例のステップ(4)と塑性変形の履歴がない場合の数値計算値を示す図。
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1に係る弾塑性体の解析方法について図2を参照して説明する。弾塑性解析の初期値境界値問題の支配方程式は、運動量保存則、角運動量保存則、変位-ひずみ関係式、応力-ひずみ関係式、塑性ひずみに関する方程式、からなる。従来技術においては、塑性ひずみに関する方程式として流れ則が用いられている。
弾塑性体は、ひずみがその弾塑性体の弾性限界を超えると塑性変形する。この弾性限界におけるひずみを「弾性限界ひずみ」と称する。また、弾性限界ひずみを超えたぶんのひずみを「塑性ひずみ」と称する。本実施形態では、テンソル量に対して一意に定義される「指標」を導入する。本実施形態でいう「指標」とは、テンソルに適切な数学的処理を施して得られるスカラー値又はベクトル値を表す。本発明の発明者らは、従来用いていた流れ則に代えて、弾性限界ひずみに対して一意に定義される弾性限界ひずみ指標を用いた塑性ひずみに関する方程式を導入することによって、実験結果と整合する弾塑性解析結果が得られることを発見した。具体的には以下のとおりである。
実施形態1では、ひずみが十分小さく、弾塑性体の変形が十分小さいとみなすことができる微小変形の場合の弾塑性解析の初期値境界値問題を、例えば有限要素法などの適切な数値解析手法で計算して数値解析結果を得る方法について説明する。動的あるいは静的平衡状態にある弾塑性体に、荷重増分を負荷し(図2のステップS10)、塑性ひずみテンソルは変えずに、荷重増分を負荷した後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルを得る。この全ひずみテンソルεtotalと塑性ひずみテンソルεpの差を求め、試行弾性ひずみテンソルεeとする(ステップS12)。即ち、
εe=εtotal-εp …式(2)
である。試行弾性ひずみテンソルとは、繰り返し計算のために試行的に与える微小な弾性ひずみテンソルである。次に、試行弾性ひずみテンソルεeに基づいて一意に定義される試行弾性ひずみ指標εeiを決定する(ステップS14)。試行弾性ひずみ指標εeiはスカラー又はベクトルである。
弾塑性材料ごとの材料特性である弾性限界ひずみに基づいて一意に定義される弾性限界ひずみ指標をεcriとする(ステップS16)。弾性限界ひずみ指標εcriはスカラー又はベクトルである。弾性限界ひずみ指標εcriは定数であっても何らかの物理量の関数であってもよい。そして、試行弾性ひずみ指標εeiから弾性限界ひずみ指標εcriを差し引いて得られる値に基づいて、塑性ひずみ増分指標dεpiを決定する。例えば、試行弾性ひずみ指標εeiから弾性限界ひずみ指標εcriを差し引いて得られる値を塑性ひずみ増分指標dεpiとする(ステップS18)。つまり、
εei-εcri=dεpi …式(3)
である。ただし、εei≦εcriである場合は、dεpi=0とする。即ち、
dεpi=εei-εcri (εei>εcri) …式(3A)
dεpi=0 (εei≦εcri) …式(3B)
とする。式(3A)および式(3B)の条件式の中の不等号は、指標がベクトル値である場合はベクトルに適切な数学的処理を施して得られるスカラー値に基づいて評価される。
この塑性ひずみ増分指標dεpiを用いて、塑性ひずみ増分テンソルの成分dε ijを決定する(ステップS20)。ここで、dεp ijは、座標系x-x-xを設定した場合に、i面(x軸に直交する面)のx軸方向への塑性ひずみ増分を表す。この場合、例えば実施形態2に示す方法で、指標を用いてテンソルの成分を決定することができる。そして、弾塑性体の全体における釣り合い誤差を計算する(ステップS22)。次に、ステップS10で与えた荷重増分に対する釣り合い誤差計算の結果が終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS24)。終了条件は、例えば弾塑性体の全体における釣り合いの誤差が予め定めた誤差の範囲内に到達した場合である。ステップS24で終了条件を満たす場合(S24:Y)は、ステップS26に進む。ステップS24で終了条件を満たさない場合(S24:N)は、ステップS12に戻って新たに試行弾性ひずみテンソルを与えて以降のステップを繰り返す。ステップS26において、予め定めた荷重増分が終了した(荷重増分をすべて与えた)か否かを判定する。ステップS26において、予め定めた荷重増分が終了していない場合(S26:N)は、ステップS10に戻って新たな荷重増分を与えて以降のステップを繰り返す。ステップS26において、予め定めた荷重増分が終了した場合(S26:Y)は、数値解析を終了する。
[実施形態2]
実施形態1で説明した、微小変形の場合における一般的な弾塑性解析方法についての具体的な一例である実施形態2について、図面を参照して説明する。静的状態における弾塑性体の微小変形を考える。実施形態2では、実施形態1で説明した弾性限界ひずみ指標εcriの一例である弾性限界せん断ひずみεcrを考慮する。なお、弾性限界せん断ひずみεcrは、弾塑性体の材料試験により得られる数値である。実施形態2では、弾性限界せん断ひずみεcrを正の定数とする。
この静的平衡状態にある弾塑性体に、荷重増分を負荷し、塑性ひずみテンソルεpは変えずに、荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルεtotalを得る。この全ひずみテンソルεtotalと塑性ひずみテンソルεpの差を求め、試行弾性ひずみテンソルεeとする。即ち、試行弾性ひずみテンソルεeは、式(2)で定義される。
この試行弾性ひずみテンソルの成分を、図3に示す主軸座標系とせん断成分が極大となる面に設定された座標系で表す。図3では、試行弾性ひずみテンソルの主軸をx、x、xで表す。対応する試行弾性主ひずみはε1、ε2、及びε3であり、ε1≧ε2≧ε3とする。図4に示すように、せん断成分が極大となる面の1つである面(α)における試行弾性ひずみの成分を、ε(α) S、ε(α) S⊥、及びε(α) Nと表す。これらは、それぞれ、試行弾性ひずみの面(α)における最大せん断方向Sの成分、試行弾性ひずみの面(α)における最大せん断方向Sに直交する方向の成分、及び試行弾性ひずみの面(α)に垂直な方向の成分である。図4の座標系x’-x-x’は、主軸座標系x-x-xをx軸を中心に反時計回りにπ/4回転させて得られる。試行弾性ひずみの主方向とせん断成分が極大となる面を図4のように定義する限り、最大せん断成分ε(α) Sは常に非負の値をとり、ε(α) S⊥は常にゼロとなる。このようにして、試行弾性ひずみ指標として、試行弾性せん断ひずみの絶対値の極大値を得る。
次に、面(α)上において、塑性ひずみ増分の成分を各軸についてそれぞれdεp(α) S、dεp(α) S⊥、及びdεp(α) Nと表す。荷重増分に対する面(α)上の塑性ひずみ増分dεp(α) S及びdεp(α) S⊥を規定する式は、弾性限界せん断ひずみεcrを用いて、下記式(4A)及び(4B)のように表される。
Figure 0007292755000002
試行弾性ひずみの面(α)における最大せん断成分のうち、弾性限界せん断ひずみεcrを超える部分は、式(4A)のように塑性ひずみ増分に割り当てられる。また、せん断成分が極大となるという面(α)の定義からε(α) S⊥=0であるので、式(4B)のように常にdεp(α) S⊥=0となる。式(4A)及び式(4B)は、図5及び図6に示すように、せん断成分が極大となる他の面(β)及び(γ)においても同様に成立する。なお、ε(α) S、ε(β) S、ε(γ) Sが、実施形態2で採用した試行弾性ひずみ指標であり、これらが実施形態1で定義した試行弾性ひずみ指標εeiの一例である。
試行弾性ひずみのせん断成分が極大となり、かつそのせん断成分が最大となる面という面(α)の定義から、ε(α) S≧ε(β) S、かつε(α) S≧ε(γ) Sであるので、塑性変形がゼロではない場合は次の3つのケース、即ち(ケース1)dε(α) S>0、dε(β) S=0、dε(γ) S=0、(ケース2)dε(α) S=dε(β) S>0、dε(γ) S=0、(ケース3)dε(α) S=dε(γ) S>0、dε(β) S=0、の場合に限定される。これらの場合について、塑性ひずみ増分テンソルの、主軸座標系x-x-xにおける成分を特定する必要がある。この成分からなるベクトルをdεp≡[dεp 11,dεp 22,dεp 33,dεp 12,dεp 23,dεp 31Tと定義する。ここと、これ以降で、ベクトルまたは行列に対する上付きのTは転置を表す。
(ケース1)の場合、数値解析の精度の範囲内でε1>ε2>ε3という不等式を満たす必要がある。また、dε(α) S>0、dε(β) S=0、dε(γ) S=0を満たすように荷重増分が十分小さい必要がある。塑性ひずみ増分テンソルの成分は、図4に示す座標系x’-x-x’においてdεp 1’1’=dεp 22=dεp 3’3’=dεp 1’2=dεp 23’=0及びdεp 3’1’=dε(α) Sという対称テンソル成分として規定される。(ケース1)の場合、テンソル量の座標変換則から次のベクトルが与えられる。
(ケース1)
Figure 0007292755000003
試行弾性ひずみのせん断成分が極大となる面α、β、γは互いに直交していないため、塑性ひずみ増分テンソルのこれらの面における成分と、塑性ひずみ増分テンソルの主軸座標系における成分とは、テンソル量の座標変換則を通して関連しない。従って、(ケース2)及び(ケース3)については、塑性ひずみ増分テンソルのα、β、γにおける成分と主軸座標系における成分とを関連づける行列の特異値分解を導入し、塑性ひずみ増分テンソルの主軸座標系における成分を特定する。
(ケース2)では、塑性ひずみ増分テンソルの面αおよび面βにおける成分を用いて、以下のベクトルを構成する。
(ケース2)
Figure 0007292755000004
塑性ひずみ増分テンソルの、主軸座標系における成分からなるベクトルdεpと、dεp(αβ)は、4行6列の行列M(αβ)を用いて、以下のように関連づけられる。
Figure 0007292755000005
ここで、
Figure 0007292755000006
である。M(αβ)の特異値分解は、4行4列の行列U、4行6列の行列W、6行6列の行列V(αβ)Tを用いて、以下のように表される。
Figure 0007292755000007
ここで、
Figure 0007292755000008
Figure 0007292755000009
Figure 0007292755000010
である。式(6)のベクトルdεP(αβ)は、式(10)の4行4列の行列Uを構成するベクトルu[I](I=1,2,3,4)を用いて、以下のように展開できる。
Figure 0007292755000011
ここで得られた係数
Figure 0007292755000012
と、式(11)の係数
Figure 0007292755000013
及び式(12)のベクトル
Figure 0007292755000014
を用いて、塑性ひずみ増分テンソルの主軸座標系における成分からなるベクトルdεpは、
Figure 0007292755000015
と表される。式(13)に、面αと面βに対する式(4B)と(ケース2)の条件のうちdε(α) S=dε(β) S>0を代入すると、(ケース2)に対する係数
Figure 0007292755000016
が得られる。これを式(14)に代入すると、(ケース2)における塑性ひずみ増分テンソルの主軸座標系における成分からなるベクトルdεpが次のように特定される。
(ケース2)
Figure 0007292755000017
(ケース3)では、塑性ひずみ増分テンソルの面αおよび面γにおける成分を用いて、以下のベクトルを構成する。
Figure 0007292755000018
(ケース2)と同様、以下の式が成立する。
Figure 0007292755000019
Figure 0007292755000020
ここで、行列Uは式(10)で、行列Wは式(11)で、それぞれ与えられるものと同じであり、
Figure 0007292755000021
である。式(16)のベクトルdεP(αγ)は、式(10)の4行4列の行列Uを構成するベクトルu[I](I=1,2,3,4)を用いて、以下のように展開できる。
Figure 0007292755000022
ここで得られた係数
Figure 0007292755000023
と、式(11)の係数
Figure 0007292755000024
及び式(19)のベクトル
Figure 0007292755000025
を用いて、塑性ひずみ増分テンソルの主軸座標系における成分からなるベクトルdεpは、
Figure 0007292755000026
と表される。式(20)に、面αと面γに対する式(4B)と(ケース3)の条件のうちdε(α) S=dε(γ) S>0を代入すると、(ケース3)に対する係数
Figure 0007292755000027
が得られる。これを式(21)に代入すると、(ケース3)における塑性ひずみ増分テンソルの主軸座標系における成分からなるベクトルdεpが次のように特定される。
(ケース3)
Figure 0007292755000028
式(5)、(15)及び(22)はそれぞれ、(ケース1)、(ケース2)及び(ケース3)におけるゼロではない塑性ひずみ増分テンソルの主軸座標系における成分を表す。以上のようにして、塑性ひずみ増分テンソルの値に応じて、主軸座標系における塑性ひずみ増分テンソルの成分を求めることができる。このようにして決定された塑性ひずみ増分テンソルの成分を用いて、弾塑性解析の初期値境界値問題を、例えば有限要素法などの適切な数値解析手法で計算して数値解析結果を得る。
上記の実施形態2では、弾性限界ひずみ指標εcriの一例として、正の定数である弾性限界せん断ひずみεcrを用いた。しかし、弾性限界ひずみ指標εcriの例はこれに限られない。例えば、正の定数と直ひずみに比例する項の和を用いた弾性限界ひずみεcrを弾性限界ひずみ指標εcriとしてもよい。即ちεcr=εc-με(α) Nを弾性限界ひずみ指標εcriとして用いてもよい。ここでεcは正の定数、μは非ゼロの定数、ε(α) Nはμの値によってその方向を一意に決定される面(α)と直交する方向のひずみ成分である。また、相当ひずみの上限値を設定して、これを弾性限界ひずみ指標εcriとして用いてもよい。
なお、弾性限界ひずみ指標εcriとしてεcr=εc-με(α) Nを設定した場合は、面αは前述のせん断成分が極大となる面の1つである面からμの値によって一意に決定される方向へ少し傾いた面となり、このときの試行弾性ひずみ指標はε(α) S-με(α) Nとなる。
[実施形態3]
次に実施形態3として、弾塑性体の形状の変形が無視できない有限変形の場合について図面を参照して説明する。この場合の数値解析方法は、次の2つの方法をとることができる。
(1)試行弾性変形勾配テンソル法
動的あるいは静的平衡状態にある弾塑性体に、荷重増分を負荷し(図7のステップS30)、塑性変形勾配テンソルは変えずに、荷重増分を負荷した後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルを得る。この全変形勾配テンソルFtotalに、塑性変形勾配テンソルFpの逆テンソル(Fp)-1を適切に作用させたものを、試行弾性変形勾配テンソルFeとする(ステップS32)。即ち、
Fe=(Fp)-1〇Ftotal …式(23)
である。ここで(Fp)-1〇Ftotalは、塑性ひずみ変形勾配テンソルFpの逆テンソル(Fp)-1を全変形勾配テンソルFtotalに適切に作用させる数学的処理を表す。次に、試行弾性変形勾配テンソルFeに基づいて一意に定義される試行弾性変形勾配指標Feiを決定する(ステップS34)。試行弾性変形勾配指標Feiはスカラー又はベクトルである。
弾塑性材料ごとの材料特性である弾性限界変形勾配に基づいて一意に定義される弾性限界変形勾配指標をFcriとする(ステップS36)。弾性限界変形勾配指標Fcriはスカラー又はベクトルである。弾性限界変形勾配指標Fcriは定数であっても何らかの物理量の関数であってもよい。そして、試行弾性変形勾配指標Feiを弾性限界変形勾配指標Fcriで除して得られる値に基づいて、塑性変形勾配増分指標dFpiを決定する。例えば、試行弾性変形勾配指標Feiを弾性限界変形勾配指標Fcriで除して得られる値を塑性変形勾配増分指標dFpiとする(ステップS38)。つまり、
Fei/Fcri=dFpi …式(24)
である。ただし、Fei≦Fcriである場合は、dFpi=0とする。即ち、
dFpi=Fei/Fcri (Fei>Fcri) …式(24A)
dFpi=0 (Fei≦Fcri) …式(24B)
とする。式(24A)および式(24B)の条件式の中の不等号は、指標がベクトル値である場合はベクトルに適切な数学的処理を施して得られるスカラー値に基づいて評価される。
この塑性変形勾配増分指標dFpiを用いて、塑性変形勾配増分テンソルの成分dF ijを決定する(ステップS40)。ここで、dFp ijは、座標系x-x-xを設定した場合に、i面(xi軸に直交する面)のxj軸方向への塑性変形勾配増分を表す。この場合、例えば実施形態2に示す方法で、指標を用いてテンソルの成分を決定することができる。決定された塑性変形勾配増分テンソルに対して、例えばグリーン(Green)の有限ひずみテンソルの定義あるいはアルマンシ(Almansi)の有限ひずみテンソルの定義など、ひずみの適切な定義を適用し、塑性ひずみ増分テンソルを決定する(ステップS42)。そして、弾塑性体の全体における釣り合い誤差を計算する(ステップS44)。次に、ステップS30で与えた荷重増分に対する釣り合い誤差計算の結果が終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS46)。終了条件は、例えば弾塑性体の全体における釣り合いの誤差が予め定めた誤差の範囲内に到達した場合である。ステップS46で終了条件を満たす場合(S46:Y)は、ステップS48に進む。ステップS46で終了条件を満たさない場合(S46:N)は、ステップS32に戻って新たに試行弾性変形勾配テンソルを与えて以降のステップを繰り返す。ステップS48において、予め定めた荷重増分が終了した(荷重増分をすべて与えた)か否かを判定する。ステップS48において、予め定めた荷重増分が終了していない場合(S48:N)は、ステップS30に戻って新たな荷重増分を与えて以降のステップを繰り返す。ステップS48において、予め定めた荷重増分が終了した場合(S48:Y)は、数値解析を終了する。
(2)対数試行弾性変形勾配テンソル法
動的あるいは静的平衡状態にある弾塑性体に、荷重増分を負荷し(図8のステップS50)、塑性変形勾配テンソルは変えずに、荷重増分を負荷した後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルを得る。この全変形勾配テンソルFtotalの対数を取って得られる対数全変形勾配テンソルLnFtotalと、塑性変形勾配テンソルFpの対数を取って得られる対数塑性変形勾配テンソルLnFpとの差に基づいて、対数試行弾性変形勾配テンソルLnFeを決定する。例えば、対数全変形勾配テンソルLnFtotalと対数塑性変形勾配テンソルLnFpとの差を対数試行弾性変形勾配テンソルLnFeとする(ステップS52)。即ち、
LnFe=LnFtotal-LnFp …式(25)
である。対数試行弾性変形勾配テンソルLnFeに基づいて一意に定義される対数試行弾性変形勾配指標LnFeiを決定する(ステップS54)。対数試行弾性変形勾配指標LnFeiはスカラー又はベクトルである。
弾塑性材料ごとの材料特性である弾性限界変形勾配に基づいて一意に定義される弾性限界変形勾配指標Fcriの対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標をLnFcriとする(ステップS56)。対数弾性限界変形勾配指標LnFcriはスカラー又はベクトルである。対数弾性限界変形勾配指標LnFcriは定数であっても何らかの物理量の関数であってもよい。そして、対数試行弾性変形勾配指標LnFeiから対数弾性限界変形勾配指標LnFcriを差し引いて得られる値を対数塑性変形勾配増分指標dLnFpiとする(ステップS58)。つまり、
LnFei-LnFcri=dLnFpi …式(26)
である。ただし、LnFei≦LnFcriである場合は、dLnFpi=0とする。即ち、
dLnFpi=LnFei-LnFcri (LnFei>LnFcri) …式(26A)
dLnFpi=0 (LnFei≦LnFcri) …式(26B)
とする。式(26A)および式(26B)の条件式の中の不等号は、指標がベクトル値である場合はベクトルに適切な数学的処理を施して得られるスカラー値に基づいて評価される。
この対数塑性変形勾配増分指標dLnFpiを用いて、対数塑性変形勾配増分テンソルの成分dLnF ijを決定する(ステップS60)。ここで、dLnFp ijは、座標系x-x-xを設定した場合に、i面(xi軸に直交する面)のxj軸方向への対数塑性変形勾配増分を表す。この場合、例えば実施形態2に示す方法で、指標を用いてテンソルの成分を決定することができる。決定された対数塑性変形勾配増分テンソルに対して、例えばグリーン(Green)の有限ひずみテンソルの定義あるいはアルマンシ(Almansi)の有限ひずみテンソルの定義など、ひずみの適切な定義を適用し、対数塑性ひずみ増分テンソルを決定する(ステップS62)。そして、弾塑性体の全体における釣り合い誤差を計算する(ステップS64)。次に、ステップS50で与えた荷重増分に対する釣り合い誤差計算の結果が終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS66)。終了条件は、例えば弾塑性体の全体における釣り合いの誤差が予め定めた誤差の範囲内に到達した場合である。ステップS66で終了条件を満たす場合(S66:Y)は、ステップS68に進む。ステップS66で終了条件を満たさない場合(S66:N)は、ステップS52に戻って新たに対数試行弾性変形勾配テンソルを与えて以降のステップを繰り返す。ステップS68において、予め定めた荷重増分が終了した(荷重増分をすべて与えた)か否かを判定する。ステップS68において、予め定めた荷重増分が終了していない場合(S68:N)は、ステップS50に戻って新たな荷重増分を与えて以降のステップを繰り返す。ステップS68において、予め定めた荷重増分が終了した場合(S68:Y)は、数値解析を終了する。
以上の各実施形態では、塑性ひずみ増分テンソルと応力テンソルを結びつける材料構成則の存在を必要とせず、その材料構成則を表現するための応力テンソルのスカラーポテンシャル関数の存在も必要としない。つまり、従来の弾塑性解析の方法で塑性ひずみ増分を求めるために必須とされてきた、応力テンソルのスカラーポテンシャル関数に基づく流れ則は不要である。また、上記の各実施形態では、従来の弾塑性解析の方法で降伏後の弾塑性変形挙動を解析するために必須とされてきた、降伏関数を移動させたり変形させたりする法則の設定も不要である。降伏後の応力-ひずみ関係と荷重履歴にかかわらず、弾性限界せん断ひずみ指標の設定を解析の途中で変更する必要はなく、変形の全履歴において変わらない。
以上の実施形態によれば、バウシンガー効果と、特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性と、を同時に再現できる、弾塑性解析方法及び弾塑性解析プログラムを提供することができる。また、構造材料を用いた構造体の強度評価、スプリングバック等の材料加工時の変形量等を、実験をする代わりに数値計算することで精度よく評価することができる。
次に、上記の方法を用いた弾塑性体(試験体)の荷重-変形挙動の数値計算結果について説明する。図9Aに示すように、座標系x-x-xに配置した一辺の長さa=100mmの立方体の弾塑性体10を考える。この弾塑性体10の応力-ひずみ関係は下記式(27)のように表される。
Figure 0007292755000029
ここで、σijは応力テンソル、εklは全ひずみテンソル、Cijklは弾性テンソル、εp klは塑性ひずみテンソル、H(0≦H<1)は塑性ひずみ硬化係数である。また、数値計算に用いた弾塑性体10の物性定数を下記の表1に示す。表1の物性定数は鋼材を想定して設定したものである。なお、式(27)では、英語アルファベットの小文字下付きの添字に関しては総和規約を用いている。
Figure 0007292755000030
まず、ステップ(1)として、図9Bの白抜きの矢印に示すように、弾塑性体10の上面にx方向の外部せん断荷重S1を加え、弾性限界を超えて変形させる。上面の最大変位量δuは0.375mmである。なお、図9Bから図9Dでは、理解を容易にするために変形前の弾塑性体10の形状を細線で、変形後の弾塑性体10の形状を太線で示している。次に、ステップ(2)として、図9Cの白抜きの矢印に示すように、上面に-x方向の外部せん断荷重S2を加え、弾性限界を超えて変形させる。ステップ(2)での上面の元の位置からの変位量δuは-0.375mmである。次に、ステップ(3)として、外部せん断荷重S2を除荷する。除荷は、図9Dに示すように、弾性せん断ひずみが全てなくなり、塑性せん断ひずみのみが残るレベルまで行う。
次に、ステップ(3)の状態から、弾塑性体10に対し、図10Aに示すように、x方向に弾性限界を超えて1軸引張荷重Eを加える。続いて、図10Bに示すように、-x方向に弾性限界を超えて圧縮荷重Cを加える。以上をステップ(4)とする。弾塑性体10の上面の最大変位振幅δuは、引張時、圧縮時とも0.3mmである。ステップ(4)における荷重の負荷方向は、ステップ(1)及びステップ(2)における荷重の負荷方向に対して垂直の方向である。
以上のステップ(1)からステップ(4)までの数値計算の結果を図11及び図12に示す。図11において、ステップ(1)の計算値を白抜きの四角形で示し、ステップ(2)の計算値を白抜きの丸印で示し、ステップ(3)の計算値を黒抜きの三角形で示している。図11の縦軸はx方向のせん断荷重を、横軸はx方向の変位量を示す。図11に示すように、ステップ(1)でx方向のせん断力をかけると、Y1の点で弾性限界に到達する。Y1における荷重は1.0×10(N)である。また、ステップ(2)において、-x方向のせん断力を加えていくと、Y2の点で弾性限界に到達する。Y2の荷重は-0.8×10(N)である。つまり、バウシンガー効果を再現できている。
図12において、ステップ(4)の引張時及び圧縮時の計算結果を白抜きの四角形で示している。また、せん断荷重を加えないで引張(圧縮)荷重を加えた場合、つまり上述のステップ(1)からステップ(3)の工程を経ないで引張(圧縮)荷重のみを加えた場合の計算値を白抜きの丸印で示している。図12の縦軸はx方向の引張(圧縮)荷重を、横軸はx方向の変位量を示す。
図12に示すように、ステップ(4)の引張時の弾性限界Y3の荷重は2.0×10(N)であり、圧縮時の弾性限界Y4の荷重は1.6×10(N)である。つまり、バウシンガー効果を再現できている。さらに、ステップ(4)の引張(圧縮)荷重による荷重-変位履歴、即ちせん断荷重による塑性変形を生じた後の引張(圧縮)荷重による荷重-変位履歴は、せん断荷重を加えないで引張(圧縮)荷重を加えた場合の荷重-変位履歴と同じであった。つまり、特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性、この解析例ではx方向の塑性せん断変形に対するx方向の引張(圧縮)の弾塑性変形挙動の不変性、を正確に再現できている。
従来の評価方法では、ステップ(1)からステップ(4)で用いる評価式と、せん断荷重を加えないで引張(圧縮)荷重を加えた場合の評価式とで、異なる評価式を使用せざるを得なかった。しかし本実施例においては、同じ評価式を用いることができ、バウシンガー効果と、特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性とを同時に再現することができた。
上記の数値計算においては、計算結果と実験結果を合わせるための人為的な規則、パラメータ、又は仮説は一切用いていない。また、弾性限界せん断ひずみεcrは、変形履歴の全体にわたって変えていない。にもかかわらず、計算結果はバウシンガー効果及び特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性の両方を正確に再現できている。これは従来技術の流れ則と降伏関数を用いる数値計算方法ではなしえなかったことである。また、これは計算式に用いた本発明の弾塑性解析方法が誤っていないということの証明でもある。
以上の実施形態及び実施例に例示した弾塑性解析方法は、弾塑性解析プログラムとして構成することができ、金属等の構造材料の弾塑性解析に利用することができる。また本発明は、その弾塑性解析プログラムを記憶した記憶媒体、又は内蔵した弾塑性解析プログラムに従って計算を行う弾塑性解析装置(システム)として構成することができる。
なお、本発明は、以下の趣旨を含む。
[趣旨1]
弾塑性解析方法は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求めるステップと、前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定するステップと、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標を決定するステップと、前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、を含む。これにより、バウシンガー効果と、特定の方向の塑性変形履歴に対する弾塑性変形挙動の不変性と、を同時に再現することができる。
[趣旨2]
前記試行弾性ひずみ指標から前記弾性限界ひずみ指標を差し引いて得られる値を、前記荷重増分に対応する前記塑性ひずみ増分指標として決定し、前記試行弾性ひずみ指標が前記弾性限界ひずみ指標以下である場合は、前記塑性ひずみ増分指標をゼロとすることを趣旨とする。
[趣旨3]
弾塑性解析方法は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求めるステップと、前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定するステップと、前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定するステップと、前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定するステップと、決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、を含む。
[趣旨4]
前記試行弾性変形勾配指標と前記弾性限界変形勾配指標との比を前記荷重増分に対応する前記塑性変形勾配増分指標とし、前記比が1以下である場合は、前記塑性変形勾配増分指標をゼロとすることを趣旨とする。
[趣旨5]
弾塑性解析方法は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求めるステップと、前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定するステップと、前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定するステップと、前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定するステップと、決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、を含む。
[趣旨6]
前記対数試行弾性変形勾配指標から前記対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値を前記荷重増分に対応する前記対数塑性変形勾配増分指標とし、前記対数試行弾性変形勾配指標が前記対数弾性限界変形勾配指標以下である場合は、前記対数塑性変形勾配増分指標をゼロとすることを趣旨とする。
[趣旨7]
弾塑性解析プログラムは、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求める手順と、前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定する手順と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標として決定する手順と、前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムである。
[趣旨8]
弾塑性解析プログラムは、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムである。
[趣旨9]
弾塑性解析プログラムは、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムである。
[趣旨10]
弾塑性解析システムは、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析システムであって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求める試行弾性ひずみテンソル取得部と、前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定する試行弾性ひずみ指標決定部と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標を決定する塑性ひずみ増分指標決定部と、前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定する塑性ひずみ増分テンソル決定部と、を含む弾塑性解析システムである。
[趣旨11]
弾塑性解析システムは、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析システムであって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求める試行弾性変形勾配テンソル取得部と、前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定する試行弾性変形勾配指標決定部と、前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定する塑性変形勾配増分指標決定部と、前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定する塑性変形勾配増分テンソル決定部と、決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定する塑性ひずみ増分テンソル決定部と、を含む弾塑性解析システムである。
[趣旨12]
弾塑性解析システムは、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析システムであって、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求める対数試行弾性変形勾配テンソル取得部と、前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定する対数試行弾性変形勾配指標決定部と、前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定する対数塑性変形勾配増分指標決定部と、前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定する対数塑性変形勾配増分テンソル決定部と、決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定する対数塑性ひずみ増分テンソル決定部と、を含む弾塑性解析システムである。
[趣旨13]
記憶媒体は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求める手順と、前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定する手順と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標として決定する手順と、前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムを記憶させた、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
[趣旨14]
記憶媒体は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムを記憶させた、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
[趣旨15]
記憶媒体は、境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、コンピュータに、動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラムを記憶させた、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
10:弾塑性体
S1,S2:外部せん断荷重
E:引張荷重
C:圧縮荷重

Claims (9)

  1. 境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、
    コンピュータに、
    動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求めるステップと、
    前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定するステップと、
    前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標を決定するステップと、
    前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、
    を含むプロセスを実行させる弾塑性解析方法。
  2. 前記コンピュータに、
    前記試行弾性ひずみ指標から前記弾性限界ひずみ指標を差し引いて得られる値を、前記荷重増分に対応する前記塑性ひずみ増分指標として決定し、前記試行弾性ひずみ指標が前記弾性限界ひずみ指標以下である場合は、前記塑性ひずみ増分指標をゼロとするプロセスを実行させる、請求項1に記載の弾塑性解析方法。
  3. 境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、
    コンピュータに、
    動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求めるステップと、
    前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定するステップと、
    前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定するステップと、
    前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定するステップと、
    決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、
    を含むプロセスを実行させる弾塑性解析方法。
  4. 前記コンピュータに、
    前記試行弾性変形勾配指標と前記弾性限界変形勾配指標との比を前記荷重増分に対応する前記塑性変形勾配増分指標とし、前記比が1以下である場合は、前記塑性変形勾配増分指標をゼロとするプロセスを実行させる、請求項3に記載の弾塑性解析方法。
  5. 境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析方法であって、
    コンピュータに、
    動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求めるステップと、
    前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定するステップと、
    前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定するステップと、
    前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定するステップと、
    決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定するステップと、
    を含むプロセスを実行させる弾塑性解析方法。
  6. コンピュータに、
    前記対数試行弾性変形勾配指標から前記対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値を前記荷重増分に対応する前記対数塑性変形勾配増分指標とし、前記対数試行弾性変形勾配指標が前記対数弾性限界変形勾配指標以下である場合は、前記対数塑性変形勾配増分指標をゼロとするプロセスを実行させる、請求項5に記載の弾塑性解析方法。
  7. 境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、
    コンピュータに、
    動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性ひずみテンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全ひずみテンソルから前記塑性ひずみテンソルを差し引いて得られる試行弾性ひずみテンソルを求める手順と、
    前記試行弾性ひずみテンソルに基づいて試行弾性ひずみ指標を決定する手順と、
    前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界ひずみ指標を、前記試行弾性ひずみ指標から差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性ひずみ増分指標として決定する手順と、
    前記塑性ひずみ増分指標に基づいて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、
    を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラム。
  8. 境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、
    コンピュータに、
    動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における全変形勾配テンソルに、前記塑性変形勾配テンソルの逆テンソルを作用させる数学的処理をほどこして試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、
    前記試行弾性変形勾配テンソルに基づいて試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、
    前記試行弾性変形勾配指標と、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標との比に基づいて、前記荷重増分に対応する塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、
    前記塑性変形勾配増分指標に基づいて塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、
    決定された前記塑性変形勾配増分テンソルを用いて塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、
    を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラム。
  9. 境界値問題を数値的に解く数値解析手法を用いて行う弾塑性体の弾塑性解析プログラムであって、
    コンピュータに、
    動的又は静的平衡状態にある弾塑性体に塑性変形勾配テンソルは変えずに荷重増分を負荷後の擬似的平衡状態における対数全変形勾配テンソルから対数塑性変形勾配テンソルを差し引いて得られる対数試行弾性変形勾配テンソルを求める手順と、
    前記対数試行弾性変形勾配テンソルに基づいて対数試行弾性変形勾配指標を決定する手順と、
    前記対数試行弾性変形勾配指標から、前記弾塑性体の材料特性に基づいて決定される弾性限界変形勾配指標の対数を取って得られる対数弾性限界変形勾配指標を差し引いて得られる値に基づいて、前記荷重増分に対応する対数塑性変形勾配増分指標を決定する手順と、
    前記対数塑性変形勾配増分指標に基づいて対数塑性変形勾配増分テンソルを決定する手順と、
    決定された前記対数塑性変形勾配増分テンソルを用いて対数塑性ひずみ増分テンソルを決定する手順と、
    を含む手順を実行させるための弾塑性解析プログラム。
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