JP2001200935A - 環状パッキン及び圧力容器の気密機構 - Google Patents

環状パッキン及び圧力容器の気密機構

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JP2001200935A
JP2001200935A JP2000005410A JP2000005410A JP2001200935A JP 2001200935 A JP2001200935 A JP 2001200935A JP 2000005410 A JP2000005410 A JP 2000005410A JP 2000005410 A JP2000005410 A JP 2000005410A JP 2001200935 A JP2001200935 A JP 2001200935A
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annular packing
groove
packing
end surface
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Hiroyuki Minemura
広幸 峯村
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Original Assignee
Chiyoda Manufacturing Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲折された角部におけるシール性の低下を可
及的に防止し得る環状パッキンを提供する。 【解決手段】 扉によって閉じられた気密室の開口部5
2の周縁面に、開口部52を囲むように環状に形成され
て成る環状凹溝58に摺動可能に挿入され、環状凹溝5
8の底面と下端面との間が加圧・減圧されることによっ
て、扉の内面54aに対して上端面が接離される、弾性
材料によって形成された環状パッキン20において、該
環状パッキン20の上端面幅W1よりも幅広の下端面の
方向に傾斜する傾斜面である側面30,30の各々と前
記下端面とによって形成された張出角部28a,28a
と、側面30,30の各々の途中に形成された突出部3
2,32とが、環状凹溝58に環状パッキン20が挿入
されたとき、環状凹溝58の側内壁面に摺接するように
形成され、且つ突出部32,32の各々が環状パッキン
20の長手方向に延出されて突条部34に形成されてい
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環状パッキン及び気
密容器の気密装置に関し、更に詳細には扉によって閉じ
られた気密室の開口部の周縁面又は前記開口部の周縁面
に対応する扉の内面に、前記開口部を囲むように環状に
形成されて成る環状凹溝に摺動可能に挿入され、前記環
状凹溝の底面と下端面との間が加圧・減圧されることに
よって、前記環状凹溝が形成された凹溝形成面の対向面
に対して上端面が接離される、弾性材料によって形成さ
れた環状パッキン、及びこの環状パッキンを用いた気密
容器の気密機構に関する。
【0002】
【従来の技術】扉によって開口部が密閉されて内部が気
密状態となる気密容器として、食品、製薬、或いは病院
等で用いられる種々の機材の滅菌に使用される高圧滅菌
器がある。かかる高圧滅菌器の一例を図4に示す。図4
に示す高圧滅菌器10には、気密室としての滅菌室52
が設けられている筐体12に、扉54が開閉自在にヒン
ジ14、14によって取り付けられている。この扉54
により開口部56を閉じることによって、滅菌室52を
気密とすることができる。尚、筐体12の正面には、滅
菌室52内の温度、湿度、圧力、時間等を設定するため
の操作パネル16が設けられている。
【0003】この高圧滅菌器10においては、滅菌室5
2を気密とすべく、開口部56の周縁に沿ってゴム製の
環状パッキン100を配設した気密機構が設けらてい
る。かかる環状パッキン100は、図5に示す様に、開
口部56の周縁に沿って形成された平面形状がロ字状の
環状凹溝58に、矢印Aの示す方向に摺動可能に挿入さ
れているフローティングパッキンである。この環状パッ
キン100が挿入されている環状条凹溝58の底面に
は、圧縮空気を供給・排出する流体通孔62が設けられ
ており、環状パッキン100の上端面は、扉54によっ
て開口部56が閉じられた際に、扉54の内面54aと
対向している。かかる気密機構において、流体通孔62
を介して凹溝58の底面側に、圧縮機等の圧縮手段18
によって加圧された圧縮空気を供給すると、環状凹溝5
8に摺動可能に挿入されている環状パッキン100は、
扉54の方向に押し出され、その上端面が扉54の内面
54aに当接し、扉54の内面54aと開口部56の周
縁との間をシールして滅菌室52を気密状態とすること
ができる。
【0004】他方、滅菌等が完了した後、常圧に戻され
た滅菌室52に収容されている滅菌対象物を扉54を開
いて取り出す際には、流体通孔62から圧縮空気を排出
した後、真空ポンプ等の真空発生手段20によって環状
パッキン100の下端面と凹溝58の底面との間を減圧
状態とし、環状パッキン100を凹溝58内に引き込
む。このため、環状パッキン100の先端面と扉54の
内面54aとの間に間隙が形成され、扉54をスムーズ
に開けることができる。特に、最近、上下方向又は左右
方向に扉がスライドして滅菌室52の開口部56を開閉
する高圧滅菌器が使用されてきている。かかる高圧滅菌
器では、環状パッキン100の上端面と扉の内面との間
に間隙が形成されて初めて扉をスライドすることが可能
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる図4及び図5に
示す環状パッキン100は、図6に示す如く、上端面幅
が下端面幅よりも狭い台形状の横断面形状のものであ
る。この環状パッキン100の上端面の略中央部には、
浅い凹溝102が形成されている。この凹溝102は、
図5に示す様に、環状パッキン100が扉54の方向に
押し出され、その上端面が扉54の内面54aに当接し
たとき、凹溝102を挟む平坦面104a,104aが
変形し易くし、シール性を向上するためである。更に、
環状パッキン100の下端面には、V字溝106が形成
されている。このV字溝106は、図5に示す様に、環
状パッキン100を環状凹溝58に摺動可能に挿入し易
くすべく、環状パッキン100のV字溝106を挟んで
形成された張出端108a,108aを含む部分の変形
を容易とする。また、環状パッキン106のV字溝10
6は、環状凹溝58内に引き込まれた環状パッキン10
0の張出端108a,108aの底面が、環状凹溝58
の底面に密着した場合、流体通孔62から供給された圧
縮空気を環状パッキン100の底面全面に送る圧縮空気
通路を形成する。かかるV字溝106から成る圧縮空気
通路によって、環状パッキン100の全体を同時に環状
凹溝58から押し上げることができる。
【0006】図6に示す環状パッキン100を、図5に
示す環状凹溝58に挿入すると、環状凹溝58には、直
線部と角部とが併設されているため、直線部では、図7
(a)に示す様に、環状凹溝58の内側壁よりも張り出
す環状パッキン100の張出角部108a,108aを
含む張出部110,110が摺接部となって、環状凹溝
58の内側壁との間をシールする。従って、環状パッキ
ン100の下端面と環状凹溝58の底面との間に、圧縮
空気を供給することによって、環状パッキン100は、
実質的に曲折されることなく扉54の内面54aの方向
に押し出され、環状パッキン100の上端面104a,
104aは、内面54aと当接する。しかも、環状パッ
キン100の張出部110,110によって、環状凹溝
58の内側壁との間が充分にシールされる。このため、
滅菌室52が減圧状態となっても、環状パッキン100
の下端面と環状凹溝58の底面との間に供給された圧縮
空気が、滅菌室52内に漏れ込むこともない。
【0007】他方、環状凹溝58の角部に挿入された環
状パッキン100は、環状凹溝58の角部に倣って部分
的に曲折されて角部が形成される。かかる環状パッキン
100の角部では、図7(b)に示す様に、環状パッキ
ン100の曲折外方に傾斜する。このため、環状パッキ
ン100の角部において、その環状凹溝58の側内壁に
摺接する張出部110,110の摺接面積は、図7
(a)に示す環状凹溝58の直線部に挿入された環状パ
ッキン100の張出部110,110に比較して狭くな
り、環状凹溝58の内側壁との間のシール性が低下す
る。この様に、シール性が低下した環状パッキン100
の角部では、その下端面と環状凹溝58の底面との間に
供給された圧縮空気が漏出し易くなっている。このた
め、圧縮空気の滅菌室52への洩れ込みによって、滅菌
室52の到達真空度の低下や滅菌不良等を発生させる原
因となり易い。そこで、本発明の課題は、曲折された角
部におけるシール性の低下を可及的に防止し得る環状パ
ッキン、及び前記環状パッキンを用いた圧力容器の気密
機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、上端面幅よりも下端面幅
を幅広に形成した環状パッキンを環状凹溝に挿入したと
き、環状凹溝の側内壁面に摺接する突出部を、下端面方
向に傾斜する傾斜面に形成された側面の途中に、長手方
向に延出して突条部とした環状パッキンを、平面形状が
ロ字状の環状凹溝に挿入して角部を形成しても、圧縮空
気の漏出を可及的に防止できることを見出し、本発明に
到達した。すなわち、本発明は、扉によって閉じられた
気密室の開口部の周縁面又は前記開口部の周縁面に対応
する扉の内面に、前記開口部を囲むように環状に形成さ
れて成る環状凹溝に摺動可能に挿入され、前記環状凹溝
の底面と下端面との間が加圧・減圧されることによっ
て、前記環状凹溝が形成された凹溝形成面の対向面に対
して上端面が接離される、弾性材料によって形成された
環状パッキンにおいて、 該環状パッキンの上端面幅よ
りも幅広の下端面の方向に傾斜する傾斜面である両側面
の各々と前記下端面とによって形成された各張出角部
と、前記両側面の各々の途中に形成された各突出部と
が、前記環状凹溝に環状パッキンが挿入されたとき、前
記環状凹溝の側内壁面に摺接するように形成され、且つ
前記突出部の各々が環状パッキンの長手方向に延出され
て突条部に形成されていることを特徴とする環状パッキ
ンにある。
【0009】また、本発明は、扉によって開閉される気
密室の開口部の周縁面又は前記開口部の周縁面に対応す
る扉の内面に、前記開口部を囲むように環状に形成され
て成る環状凹溝に摺動可能に挿入された、弾性材料から
成る環状パッキンと、前記扉で閉じられた前記開口部の
周縁面と扉との間をシールして前記気密室を気密状態と
する際に、前記環状パッキンの少なくとも一部を前記環
状凹溝から突出し、前記環状凹溝が形成された凹溝形成
面の対向面に、前記環状パッキンの上端面が当接するよ
うに、前記環状パッキンの下端面と環状凹溝の底面との
間を加圧状態とする加圧手段と、前記開口部の周縁面と
扉との間に間隙を形成して前記扉を開ける際に、前記対
向面に端面が当接している環状パッキンの少なくとも一
部を前記環状凹溝内に収容し、前記対向面から環状パッ
キンの上端面を対向面から引き離すように、前記環状パ
ッキンの下端面と凹溝の底面との間を減圧状態とする減
圧手段とを具備する気密容器の気密機構において、該環
状パッキンとして、その上端面幅よりも幅広の下端面の
方向に傾斜する傾斜面である両側面の各々と前記下端面
とによって形成された各張出角部と、前記両側面の各々
の途中に形成された各突出部とが、前記環状凹溝に環状
パッキンが挿入されたとき、前記環状凹溝の側内壁面に
摺接するように形成され、且つ前記突出部の各々が環状
パッキンの長手方向に延出されて突条部に形成されて成
る環状パッキンが用いられていることを特徴とする気密
容器の気密機構にある。
【0010】かかる本発明において、環状パッキンの上
端面が対向面に当接したとき、前記環状パッキンの両側
面の各々に形成された突条部を、環状凹溝の側内壁面と
摺接する位置に形成することによって、環状凹溝の側内
壁面とのシール性を一層向上できる。更に、環状パッキ
ンの下端面にV字状溝を形成し、且つ前記V字状溝より
も上端面側に突条部を形成することにより、環状パッキ
ンの環状凹溝への出入をスムーズに行うことができる。
また、環状パッキンとして、その横断面形状が、前記環
状パッキンが環状凹溝に挿入されたとき、前記環状凹溝
の側内壁面に環状パッキンの側面と下端面とによって形
成された張出角部が摺接するように、前記環状パッキン
の両側面の各々が、上端面幅よりも幅広に形成された下
端面の方向に傾斜する傾斜面に形成された台形状である
環状パッキンを用い、前記環状パッキンを摺動可能に収
容する環状凹溝の側壁面の各々に開口した横溝を、前記
環状凹溝の開口縁に沿って形成し、且つ前記環状パッキ
ンの側面と一部が当接してシールするシール用パッキン
を前記横溝に挿入することによって、従来から使用され
ている横断面形状が台形状の環状パッキンを用い、平面
形状がロ字状の環状凹溝に挿入して環状パッキンに角部
を形成しても、圧縮空気の漏出を可及的に防止できる。
尚、本発明に係る環状パッキンは、直線部と角部とが併
設された環状凹溝に挿入される環状パッキンとして好適
である。
【0011】本発明に係る環状パッキンは、その傾斜面
に形成された両側面の各々と下端面とによって形成され
た張出角部と、両側面の各々の途中に形成された各突条
部とが、環状凹溝に挿入されたとき、環状凹溝の側内壁
面に摺接するように形成されている。このため、この環
状パッキンを、直線部と角部とが併設された平面形状が
ロ字状の環状凹溝に挿入し、環状パッキンが曲折されて
形成された角部でも、その曲折外方に傾斜する傾斜程度
は、従来の横断面形状が台形状の環状パッキンに比較し
て小さくでき、且つ環状パッキンを環状凹溝に挿入した
際に、環状凹溝の側内壁面によって押圧されて変形され
る変形量も、従来の横断面形状が台形状の環状パッキン
に比較して大きくできる。その結果、環状パッキンが曲
折されて形成された角部においても充分なシール性を保
持でき、環状パッキンの角部からの圧縮空気の漏洩等を
防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る環状パッキンの一例
を説明するための横断面図を図1に示す。図1に示す環
状パッキン20は、その横断面形状が、上端面幅W1が
下端面幅W2よりも狭く形成されたものである。この環
状パッキン20の上端面の略中央部には、浅い凹溝22
が形成されている。この凹溝22は、図5に示す様に、
環状パッキン20が扉54の方向に押し出され、その上
端面が扉54の内面54aに当接したとき、凹溝22を
挟む平坦面24a,24aが変形し易くし、シール性を
向上するためである。更に、環状パッキン20の下端面
には、V字溝26が形成されている。このV字溝26
は、図5に示す滅菌室52を気密とすべく、開口部56
の周縁に沿って形成された環状凹溝58に環状パッキン
20を摺動可能に挿入する際に、V字溝26を挟む張出
部28a,28aの変形を容易とする。しかも、環状パ
ッキン20のV字溝26は、環状凹溝58内に引き込ま
れた環状パッキン20の張出部28a,28aの端部
が、環状凹溝58の底面に密着した場合、流体通孔62
から供給された圧縮空気を環状パッキン20の底面全面
に送る圧縮空気通路を形成する。かかるV字溝26から
成る圧縮空気通路によって、環状パッキン20の全体を
同時に環状凹溝58から押し上げることができる。
【0013】環状パッキン20は、図1に示す様に、環
状パッキン20の側面30,30の各々は、上端面幅W
1よりも幅広の下端面の方向に傾斜する傾斜面に形成さ
れており、その側面30,30の各々の途中に、後述す
る様に、環状パッキン20を環状凹溝58に挿入したと
き、環状凹溝58の側内壁面に摺接する突出部32が形
成されている。この突出部32は、環状パッキン20の
長手方向に延出されて突条部34に形成されており、下
端面に形成されたV字溝26よりも上面側に位置してい
る。更に、側面30,30の各々と下端面とによって張
出角部28a,28aが形成され、この張出角部28
a,28aも、後述する様に、環状パッキン20を環状
凹溝58に挿入したとき、環状凹溝58の側内壁面に摺
接する。従って、図1に示す環状パッキン20の側面3
0の各々には、突条部34と張出角部28aとの二個所
に突出個所が形成されている。かかる環状パッキン20
を、図5に示す滅菌室52の気密機構を構成する、直線
部と角部とが併設された平面形状がロ字状の環状凹溝5
8に挿入し、環状パッキン20の下端面と環状凹溝58
の底面との間に圧縮空気を供給し、環状パッキン20の
上端面を扉54の内面54aに当接させた状態を図2
(a)(b)に示す。図2(a)は、環状凹溝58の直
線部に挿入された環状パッキン20の部分の状態であ
り、図2(b)は、環状凹溝58の角部に挿入された環
状パッキン20の部分の状態である。図2(a)(b)
に示す様に、環状パッキン20の側面30に形成された
突条部34は、環状パッキン20の下端面と環状凹溝5
8の底面との間に圧縮空気を供給し、環状パッキン20
の上端面を扉54の内面54aに当接させた状態でも、
環状凹部58の側内壁面と摺接する位置に形成されてい
る。
【0014】従って、環状凹溝58の直線部に挿入され
た環状パッキン20の部分では、図2(a)に示す様
に、環状凹溝58の側内壁面の方向に突出する突条部3
4と張出角部28aとを含む部分が、環状凹溝58の内
側壁よりも張り出す張出部36,36が摺接部となっ
て、環状凹溝58の内側壁との間をシールする。かかる
環状パッキン20の部分では、図2(a)に示す様に、
環状凹溝58に圧縮空気を供給することによって、環状
パッキン20は実質的に曲折されることなく扉54の内
面54aと当接し、その張出部36,36によって、環
状凹溝58の内側壁との間が充分にシールされる。この
ため、滅菌室52が減圧状態となっても、環状パッキン
20の下端面と環状凹溝58の底面との間に供給された
圧縮空気が、滅菌室52内に漏れ込むこともない。
【0015】また、環状凹溝58の角部に挿入された環
状パッキン20は、環状凹溝58の角部に倣って部分的
に曲折されて角部が形成される。かかる環状パッキン2
0の角部では、図2(b)に示す様に、その曲折方向に
対して外側方向に傾斜する。しかし、その傾斜程度は、
環状パッキン20の側面30に突条部34が形成されて
いない台形状の図6に示す環状パッキン100の角部の
傾斜[図7(a)]よりも小さくできる。このため、図
1に示す環状パッキン20では、環状凹溝58の角部に
挿入されて曲折された部分でも、その傾斜程度を可及的
に小さくでき、図2(b)に示す様に、突条部34と張
出角部28aとを含む環状凹溝58の内側壁よりも張り
出す張出部36,36が摺接部となって、環状凹溝58
の角部においても、その内側壁との間を充分にシールで
きる。その結果、滅菌室52が減圧状態となっても、環
状パッキン20の下端面と環状凹溝58の底面との間に
供給された圧縮空気が、環状パッキン20が曲折されて
挿入された環状凹溝58の角部から滅菌室52内に漏れ
込むこともない。このため、環状パッキン20の角部に
おいて、その上端面24a,24aの扉54の内面54
aへの押圧力を保持でき、扉54の内面54aとの間の
シール性を保持でき、且つ圧縮空気の滅菌室52への洩
れ込みに起因する滅菌室52の到達真空度の低下や滅菌
不良等の発生を防止できる。
【0016】ところで、図2(a)(b)に示す様に、
図1に示す環状パッキン20と環状凹溝58の側内壁面
との摺接面積は、図6に示す環状パッキン100の環状
凹溝58の側内壁面との摺接面積よりも広いため、図1
に示す環状パッキン20の環状凹溝58への出入が困難
となる場合がある。この様な場合は、環状パッキン20
の側面30及び/又は環状凹溝58の側内壁面にグリー
ス又はタルクを塗布することによって、環状パッキン2
0の環状凹溝58への出入を容易とすることができる。
【0017】図1及び図2においては、環状凹溝58に
挿入された環状パッキンの曲折された角部におけるシー
ル性の低下を可及的に防止し得るように、環状パッキン
20の側面30に突条部34を形成したが、図6に示す
横断面形状が台形の従来の環状パッキン100を使用せ
ざるを得ない場合には、図3(a)(b)に示す気密機
構を採用してもよい。この気密機構は、環状パッキン1
00が摺動可能に収容される環状凹溝58の側壁面の各
々に開口された横溝38を、環状凹溝58の開口縁に沿
って形成し、且つ環状パッキン100の側面と一部が当
接してシールするシール用パッキン40を横溝38に挿
入したものである。かかるシール用パッキン40は、横
断面形状が丸断面で且つ弾性材料によって形成されてお
り、環状パッキン100と同種又は異種の弾性材料によ
って形成されていてもよい。更に、横溝38に挿入され
たシール用パッキン40の一部は、横溝38の開口端か
ら突出し、環状凹溝58に挿入された環状パッキン10
0の側面を押圧している。
【0018】この図3(a)(b)に示す気密機構で
は、環状パッキン100を、直線部と角部とが併設され
た平面形状がロ字状の環状凹溝58に挿入し、環状パッ
キン100の下端面と環状凹溝58の底面との間に圧縮
空気を供給し、環状パッキン100の上端面を扉54の
内面54aに当接させた状態を示す。図3(a)は、環
状凹溝58の直線部に挿入された環状パッキン100の
部分の状態であり、図3(b)は、環状凹溝58の角部
に挿入された環状パッキン100の部分の状態である。
図3(a)(b)に示す様に、環状パッキン100の側
面110は、環状パッキン100の下端面と環状凹溝5
8の底面との間に圧縮空気を供給し、環状パッキン10
0の上端面を扉54の内面54aに当接させた状態で
も、横溝38に挿入されたシール用パッキン40の一部
は、環状凹溝58に挿入された環状パッキン100の側
面を押圧している。従って、図3(b)に示す様に、環
状凹溝58の角部において、環状パッキン100が、そ
の曲折方向に対して外側方向に大きく傾斜し、環状凹溝
58の側内壁面との摺動面積が著しく減少しても、環状
パッキン100の側面はシール用パッキン40によって
充分にシールされている。このため、滅菌室52が減圧
状態となっても、環状パッキン20の下端面と環状凹溝
58の底面との間に供給された圧縮空気が、滅菌室52
内に漏れ込むこともない。尚、横溝38は、環状凹溝5
8を形成した後、環状凹溝58の側内壁面に横溝用エン
ドミル等の加工治具を用いて形成できる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、直線部と角部とが併設
されたロ字状の環状凹溝に環状パッキンを挿入しても、
環状パッキンの下端面と環状凹溝の底面との間に圧縮空
気を供給し、環状パッキンの上端面を対向面に当接させ
た状態でも、圧縮空気が洩れ易い環状パッキンの角部か
らの圧縮空気の洩れを確実に防止できる。その結果、環
状パッキンの上端面と当接面との間のシール性の低下、
及び/又は圧縮空気の気密室への洩れ込みを防止でき、
気密室の気密性を向上できる。このため、滅菌装置に本
発明を適用することによって、滅菌装置における滅菌時
間の短縮及び滅菌不良の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る環状パッキンの一例を説明するた
めの横断面図である。
【図2】本発明に係る気密機構の一例として、図1に示
す環状パッキンを用いた気密機構を説明するため部分断
面図である。
【図3】本発明に係る気密機構の他の例を説明するため
の部分断面図である。
【図4】環状パッキンを用いた高圧滅菌器の一例を説明
する斜視図である。
【図5】環状パッキンを用いた高圧滅菌器の気密機構を
説明するための部分断面図である。
【図6】従来の環状パッキンを説明すための横断面図で
ある。
【図7】従来の環状パッキンを用いた気密機構を説明す
るための部分断面図である。
【符号の説明】
20 環状パッキン 24a 上端面 26 V字溝 28a 張出角部 30 側面 32 突出部 34 突条部 36 張出部 52 滅菌室 58 環状凹溝 54 扉 54a 扉54の内面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉によって閉じられた気密室の開口部の
    周縁面又は前記開口部の周縁面に対応する扉の内面に、
    前記開口部を囲むように環状に形成されて成る環状凹溝
    に摺動可能に挿入され、前記環状凹溝の底面と下端面と
    の間が加圧・減圧されることによって、前記環状凹溝が
    形成された凹溝形成面の対向面に対して上端面が接離さ
    れる、弾性材料によって形成された環状パッキンにおい
    て、 該環状パッキンの上端面幅よりも幅広の下端面の方向に
    傾斜する傾斜面である両側面の各々と前記下端面とによ
    って形成された各張出角部と、前記両側面の各々の途中
    に形成された各突出部とが、前記環状凹溝に環状パッキ
    ンが挿入されたとき、前記環状凹溝の側内壁面に摺接す
    るように形成され、 且つ前記突出部の各々が環状パッキンの長手方向に延出
    されて突条部に形成されていることを特徴とする環状パ
    ッキン。
  2. 【請求項2】 環状パッキンの上端面が対向面に当接し
    たとき、前記環状パッキンの両側面の各々に形成された
    突条部が、環状凹溝の側内壁面と摺接する位置に形成さ
    れている請求項1記載の環状パッキン。
  3. 【請求項3】 環状パッキンの下端面にV字状溝が形成
    され、且つ前記V字状溝よりも上端面側に突条部が形成
    されている請求項1又は請求項2記載の環状パッキン。
  4. 【請求項4】 環状凹溝が、直線部と角部とが併設され
    た環状凹溝である請求項1〜3のいずれか一項記載の環
    状パッキン。
  5. 【請求項5】 扉によって開閉される気密室の開口部の
    周縁面又は前記開口部の周縁面に対応する扉の内面に、
    前記開口部を囲むように環状に形成されて成る環状凹溝
    に摺動可能に挿入された、弾性材料から成る環状パッキ
    ンと、 前記扉で閉じられた前記開口部の周縁面と扉との間をシ
    ールして前記気密室を気密状態とする際に、前記環状パ
    ッキンの少なくとも一部を前記環状凹溝から突出し、前
    記環状凹溝が形成された凹溝形成面の対向面に、前記環
    状パッキンの上端面が当接するように、前記環状パッキ
    ンの下端面と環状凹溝の底面との間を加圧状態とする加
    圧手段と、 前記開口部の周縁面と扉との間に間隙を形成して前記扉
    を開ける際に、前記対向面に端面が当接している環状パ
    ッキンの少なくとも一部を前記環状凹溝内に収容し、前
    記対向面から環状パッキンの上端面を対向面から引き離
    すように、前記環状パッキンの下端面と凹溝の底面との
    間を減圧状態とする減圧手段とを具備する気密容器の気
    密機構において、 該環状パッキンとして、その上端面幅よりも幅広の下端
    面の方向に傾斜する傾斜面である両側面の各々と前記下
    端面とによって形成された各張出角部と、前記両側面の
    各々の途中に形成された各突出部とが、前記環状凹溝に
    環状パッキンが挿入されたとき、前記環状凹溝の側内壁
    面に摺接するように形成され、且つ前記突出部の各々が
    環状パッキンの長手方向に延出されて突条部に形成され
    て成る環状パッキンが用いられていることを特徴とする
    気密容器の気密機構。
  6. 【請求項6】 環状パッキンの上端面が対向面に当接し
    たとき、前記環状パッキンの両側面の各々に形成された
    突条部が、環状凹溝の側内壁面と摺接する位置に形成さ
    れている請求項5記載の気密容器の気密機構。
  7. 【請求項7】 環状パッキンの下端面にV字状溝が形成
    され、且つ前記V字状溝よりも上端面側に突条部が形成
    されている請求項5又は請求項6記載の気密容器の気密
    装置。
  8. 【請求項8】 環状パッキンとして、その横断面形状
    が、前記環状パッキンが環状凹溝に挿入されたとき、前
    記環状凹溝の側内壁面に環状パッキンの側面と下端面と
    によって形成された張出角部が摺接するように、前記環
    状パッキンの両側面の各々が、上端面幅よりも幅広に形
    成された下端面の方向に傾斜する傾斜面に形成された台
    形状である環状パッキンが用いられ、前記環状パッキン
    が摺動可能に収容される環状凹溝の側壁面の各々に開口
    された横溝が、前記環状凹溝の開口縁に沿って形成さ
    れ、且つ前記環状パッキンの側面と一部が当接してシー
    ルするシール用パッキンが前記横溝に挿入されている請
    求項5記載の気密容器の気密機構。
  9. 【請求項9】 環状凹溝が、直線部と角部とが併設され
    た環状凹溝である請求項5〜8のいずれか一項記載の気
    密容器の気密装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236628A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Miura Co Ltd 圧力容器および圧力容器の扉開制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010236628A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Miura Co Ltd 圧力容器および圧力容器の扉開制御方法

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