JP4161098B2 - 気密容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体ウエハー等の部材を破損・汚染することなく気密状に収納するための気密容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体ウエハーを気密状に収納する気密容器は、図17に示すように、複数の半導体ウエハーを収納させたウエハーキャリヤー11とウエハー押圧部材12を収納する、有底筒状の容器本体2および該容器本体2を閉鎖する蓋3から構成されている。
【0003】
そして、容器本体2の開口部近くの2個所に、対面するように被係合部42を一体成形により設け、蓋3の周面部に前記容器本体2の被係合部42に係合する係合部41を一体成形により設けている。
さらに、容器本体2の開口部上面と、該容器本体2の開口部上面に対向する蓋3の周縁部に、ガスケットを挿入するためのガスケット挿入溝23,33を形成して、これらガスケット挿入溝23,33で挟持するようにガスケット5をガスケット挿入溝23,33に挿入している。
【0004】
以上の構成により、容器本体2の開口部上面に設けられたシール面(ガスケット挿入溝23)と蓋3の周縁部に設けられたシール面(ガスケット挿入溝33)とをガスケット5を介して接合し、係合部41と被係合部42との係合によりシール面同士を当接する方向に押圧し、ガスケット5をこの押圧力により弾性変形させて各ガスケット挿入溝間の気密を保持し、容器内部を気密状態に保持するようにしている。
【0005】
【課題が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の気密容器は、複数の係合部41及び被係合部42で固定しても、その気密性は不完全なものであり、特に、航空機などでの輸送時、容器外部の気圧の変化が著しく、容器外部の気圧が容器内部の気圧よりも低圧になった場合は、圧力差により容器が著しく変形し、シール面間での浮きが生じて、気密性が著しく低下する問題があった。
【0006】
即ち、容器の変形は、図18に示すように、容器本体の開口面(図18ではX線とY線で囲まれる面)に対し、垂直方向への変形が著しく、係合部41間のシール面の浮き上がりによる気密性の低下が問題となる。さらにこれに伴い、ガスケットも、開口面に対する水平方向の弾性変形の変化量は少ないが、垂直方向への変化量が大きくなることとなり、ガスケットによる気密性が低下する。
【0007】
ここで、容器の垂直方向への変形を、材料力学の板曲げの解析に対応付けて解析すると、容器の垂直方向への最大変形量(Yv)は、以下の式1に示される関係が成り立つ。
Yv ∽ (L1 4 ・L2 )/(E・t・h3 ) ・・・・ 1)
なお、L1 :板長,L2 :周長,t:板厚,E:縦弾性係数,h:高さを示す。
【0008】
即ち、容器の垂直方向への最大変形量(Yv)は、容器の側壁の高さ(h)の3乗に反比例し、容器の側壁の高さを高くすれば急激に垂直方向の変形量が小さくなり、気密性が上がることがわかる。
従って、容器本体または蓋の側壁部の高さを高くすれば、確かに容器の図18の矢印方向(垂直方向)への最大変形量を少なくすることができるのであるが、この手段では、容器全体が大きくなり、形状の自由度が著しく損なわれる問題が生じる。
【0009】
そこで本発明は、容器内外で圧力差が生じても、容器の全体が大きくなることなく、容器の気密性を向上できる気密容器を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明は、上部に開口部を有する容器本体と、この容器本体の開口部を閉鎖する蓋とを備え、容器本体に設けられた係合部または被係合部と、蓋に設けられた被係合部または係合部とが複数箇所で係合することで、容器本体と蓋の間のシール面に挟持されるガスケットにより内部が気密状態に保持される気密容器において、
容器本体の底板部とこの蓋の前記底板部に対面する部分との少なくとも一方に、係合部または被係合部側から、容器本体または蓋の周壁に沿って、対向する係合部または被係合部側の方向に延びて、
容器本体と蓋の間のシール面の浮き上がりを防止する浮き上がり防止リブを設けたものである。
【0011】
また、気密容器の変形をより低減して気密性を向上させるために、容器本体が底板部と該底板部を囲む側壁部とを有する構成の場合には、浮き上がり防止リブを前記容器本体の底板部および側壁部に一体に形成することが好ましく、蓋が天板部と該天板部を囲む側壁部とを有する構成の場合にも、浮き上がり防止リブを前記蓋の天板部および側壁部に一体に形成することが好ましい。
【0012】
さらに、浮き上がり防止リブで、気密容器に収納される収容物の、容器内での移動を規制するようにしてもよい。
また、浮き上がり防止リブに着脱自在で、該浮き上がり防止リブへの装着状態で気密容器に収納された収容物を、浮き上がり防止リブに対面する容器本体の底板部側または蓋の天板部側に付勢して、容器内での収容物の移動を規制するようになっている付勢手段を備えるようにすることにより、気密容器に収納される収容物を弾性的に支持しながら、収容物の容器内での移動を規制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、例えば、保管、移動、輸送をする際に、気密性を要求される半導体ウエハーを収容するための気密容器をあらわしている。
図1に示す気密容器1は、図17に示すような6インチの半導体ウエハーを複数枚収容したウエハーキャリヤー11およびウエハー押圧部材12を収納するものであって、概略直方体をしている。
【0014】
気密容器1は、上部が開放され、底板部21と、該底板部21を囲む側壁部22を有する有底筒状の容器本体2、および、該容器本体2を閉鎖し、天板部31と、該天板部31を囲む側壁部32を有する蓋3とにより構成される。
容器本体2は、ポリプロピレンから形成されると共に、蓋3は、ポリカーボネートから形成されている。なお、容器本体2および蓋3の材質は、ポリプロピレン、ポリカーボネートに限らず、ポリエステル、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂等でも差し支えない。
【0015】
そして、蓋3の側壁部32には、図1に示すように、該蓋3の側壁部32に一体成形され、弾性変形する係合部41が形成され、容器本体2の側壁部22には、該容器本体2の側壁部22に一体成形され、前記係合部41と係合する被係合部42が形成されており、これら係合部41と被係合部42との係合により、容器本体2と蓋3とが連結されて固定されるようになっている。
【0016】
なお、各係合部41と被係合部42は、対面する側壁部の中央部に設けられている。
また、容器本体2の開口部上面と、この容器本体2の開口部上面に対向する蓋3の開口部下面とには、図1および図17に示すように、全周にわたり、シール面となるガスケット挿入溝23,33が形成されており、該ガスケット挿入溝23,33間でリング状のガスケット5が挟持されるようになっている。
【0017】
そして、前記ガスケット5は、揮発性成分が非常に少ない樹脂で成形されることが好ましく、ポリエステル樹脂等が採用されると共に、気密性が要求されることから、各ガスケット挿入溝23,33に挿入されたとき、これらガスケット挿入溝23,33の深さの和よりも大きい高さを有するように形成されている。
そして、容器本体2の開口部上面に設けたガスケット挿入溝23と、蓋3の開口部下面に設けたガスケット挿入溝33とをガスケット5を介在させた状態で突き合わせて、容器本体2に蓋3を強く押しつけ、蓋3に設ける前記係合部41を弾性変形させながら、容器本体2に設ける前記被係合部42に係合させて、係合部41の弾性復元力によって、容器本体2のガスケット挿入溝23と蓋3のガスケット挿入溝33とを互いにガスケット5に押圧させて、蓋3を容器本体2に固定するようにしている。
【0018】
また、この係合部41の被係合部42への係合により、各ガスケット挿入溝23,33(シール面)で挟持されるガスケット5が圧縮されて弾性変形し、容器本体2と蓋3とにより構成される気密容器1内に気密空間が形成されるようになっている。
以上の構成からなる気密容器1において、容器本体2の底板部31に対面する部分、即ち、蓋3の天板部31の天井面に、一方の係合部41側から、蓋3の側壁部周壁に沿って隣り合う係合部41側に向かって延びて、係合部41間のシール面(ガスケット挿入溝)の浮き上がりを防止する浮き上がり防止用リブ6aが形成されている。
【0019】
第1の実施の形態の浮き上がり防止用リブ6aは、図1に示すように、一方の係合部41の端部側から、蓋3の側壁部周壁に沿って隣合う他方の係合部41の端部側に向かって直線的に延びるように天井面から2箇所立設されている。
第1の実施の形態では、浮き上がり防止用リブ6aを、一方の係合部41の端部側から、蓋3の開口部周壁に沿って隣合う他方の係合部41の端部側に向かって直線的に延びるように形成したが、この形態に限らず図2〜図6に示すような形態のものでも良く、さらに、図7及び図8に示すように、浮き上がり防止用リブを蓋3の側壁部32内部に連続するように一体に形成するようにしてもよい。
【0020】
また、以上の実施の形態では、係合部41および被係合部42を2箇所設けたものについて挙げたが、図9〜図12に示すように4個所に設ける場合にも適用できるのは言うまでもない。
以下、図2〜図12に示す他の実施の形態について説明する。
図2は、第2の実施の形態で、蓋3の天板部31の天井面に、容器本体2と蓋3のそれぞれの開口部周壁に沿って一方の係合部41の端部側からその周壁に沿って隣合う他方の係合部41の端部側に向かって上面視コ字状に延びるように浮き上がり防止用リブ6bを2本形成したものである。
【0021】
図3は、第3の実施の形態で、蓋3の天板部31の天井面に、一方の係合部41の端部側から、容器本体2と蓋3の開口部周壁に沿って隣合う他方の係合部41の端部側に向かって延び、周壁に沿う円弧状の浮き上がり防止用リブ6cを2本形成したものである。
図4は、第4の実施の形態で、蓋3の天板部31の天井面の側壁部32近くに、容器本体2と蓋3のそれぞれの開口部周壁に沿う、連続した上面視四角形の浮き上がり防止用リブ6dを形成したものである。
【0022】
図5は、第5の実施の形態で、蓋3の天板部31の天井面に、一方の係合部41側から、他方の係合部41側に向かって直線状に延びる3本の浮き上がり防止用リブ6eを形成したものである。
図6は、第6の実施の形態で、第1の実施の形態の浮き上がり防止用リブ6aを変形させたものであって、蓋3の天板部31の天井面に、一方の係合部41の端部側から、容器本体2と蓋3の開口部周壁に沿って隣合う他方の係合部41の端部側に向かって直線状に延びる2本の浮き上がり防止用リブ6fを形成したものであり、各リブ6の下面が、円弧状をしている。
【0023】
図7は、第7の実施の形態で、浮き上がり防止用リブ6gを、蓋3の天板部31の天井面および側壁部32の内面に連続するように一体に形成したものであり、具体的には、図7に示すように、ハットの断面形状のような、2本の浮き上がり防止用リブ6gを、ハットの開口部が対面するように所定間隔を開けて設けると共に、各浮き上がり防止用リブ6gの端部を係合部41が設けられる側壁部32の内面に一体に設けている。
【0024】
図8は、第8の実施の形態で、第7の実施の形態と同様、浮き上がり防止用リブ6hを、蓋3の天板部31の天井面および側壁部32の内面に連続するように一体に形成したものであり、蓋3の天井面に、4本の直線状のリブを井ゲタ状に一体に形成している。
以上、第7及び第8の実施の形態によれば、浮き上がり防止用リブ6g,6hを、蓋3の天板部31の天井面および側壁部32の内面に連続するように一体に形成しているので、該浮き上がり防止用リブ6g,6hが天板部31および側壁部32を同時に支持することとなり、容器の変形量をより少なくできるばかりか、容器の強度も向上できる。尚、本実施の形態は、容器本体2側に形成しても同様の効果が得られる。
【0025】
図9は、第9の実施の形態で、4つの係合部41を設ける場合の浮き上がり防止用リブ6iであって、蓋3の天板部31の天井面に、各係合部41の端部側から、容器本体2と蓋3の開口部周壁に沿って、該周壁に沿って隣合う係合部41の端部側に延びる上面視L字状の浮き上がり防止用リブ6iを4本形成したものである。
【0026】
図10は、第10の実施の形態で、浮き上がり防止用リブ6jの形状を、第9の実施の形態の浮き上がり防止用リブ6iの4本のL字状の形状を開口部周壁に沿う円弧状に形成したものである。
図11は、第11の実施の形態で、浮き上がり防止用リブ6kの形状を、第9の実施の形態の浮き上がり防止用リブ6iの4本のL字状の形状を各係合部41の端部側から、隣合う係合部41の端部側に延びる直線状に形成したものである。
【0027】
図12は、第12の実施の形態で、浮き上がり防止用リブ6lを第4の実施の形態のものとし、4つの係合部41を設けたものである。
なお、上記各実施の形態は、蓋3にのみ浮き上がり防止用リブを形成したが、本発明の浮き上がり防止用リブは、容器本体2側に形成してもよいし、双方に形成するようにしてもよい。さらに、上記実施の形態のように、容器の内部に浮き上がり防止用リブを設けるだけでなく、容器の外部に形成するようにしてもよい。
【0028】
また、上記実施の形態は、気密容器を概略直方体に形成したものであるが、本発明は、円筒状のものにも適用できことはいうまでもなく、さらに、気密容器の蓋は、上記実施の形態のように、筒状のものに限らず、平板状のものでも本発明を適用できる。しかも、本発明は、容器本体と蓋との間にガスケットを介在させることなく、容器本体の開口部と蓋の周縁部とを直接圧接させるものにおいても適用できる。
【0029】
ところで、気密容器1は、副数枚の半導体ウエハーを収納支持するウエハーキャリヤー11(図17に示す)を収容するようになっているとともに、ウエハーキャリヤー11を、半導体ウエハーと共に容器本体2側に押圧してウエハーキャリヤー11および半導体ウエハーの気密容器1内での移動を規制するウエハー押圧部材12(図17に示す)を備えている。
【0030】
また、図13に示す第13の実施の形態では、蓋3の天板部31の天井面に、一方の係合部41側から、他方の係合部41側に向かって直線状に延びる2枚の薄板部61,62で一対となっている4対の浮き上がり防止用リブ6pが形成されており、浮き上がり防止用リブ6pが、ウエハー押圧部材12(図17に示す)を支持するための挟着リブを兼ねるようになっている。
【0031】
即ち、これら浮き上がり防止用リブ6pは、二枚の薄板部61,62でウエハー押圧部材12の枠部を挟着するように構成されている。
本実施の形態よれば、浮き上がり防止リブ6pで、気密容器1に収納される収容物(半導体ウエハーキャリヤー11)をウエハー押圧部材12を介して弾性的に支持すると共に、該収容物の容器内での移動を規制することができる。
【0032】
尚、前記ウエハー押圧部材12は、浮き上がり防止リブ6pに着脱自在にされており、かつ、該浮き上がり防止リブ6pへの装着状態で気密容器1に収納された収容物(半導体ウエハーキャリヤー11)を、浮き上がり防止リブ6pに対面する容器本体2の底板部21側に付勢して、容器内での収容物の移動を規制する付勢手段の役割をなしている。
【0033】
以上、第13の実施の形態では、前記ウエハー押圧部材12が、浮き上がり防止リブ6pに対し着脱自在にされており、さらに、浮き上がり防止リブ6pが4箇所設けられていることから、ウエハー押圧部材12の大きさが変更されても、その大きさに合わせて、浮き上がり防止リブ6pを選択して、該ウエハー押圧部材12を装着することができるので、同じ蓋3でありながらウエハー押圧部材12の適用範囲が拡大される。
【0034】
なお、第13の実施の形態の浮き上がり防止リブ6pは、容器本体2側に形成してもよいし、さらに、浮き上がり防止リブ6pで半導体ウエハーまたはウエハーキャリヤーを直接支持して、容器内での移動を規制するようにしてもよい。
【0035】
【実施例】
次に、本発明の浮き上がり防止用リブ6を採用した気密容器を比較例と対比させることにより気密性の効果を実証する。
図14は、本発明の浮き上がり防止用リブ6を採用した気密容器を示しており、蓋3の天板部31の天井面に、一方の係合部41側から、蓋3の側壁部周壁に沿って隣り合う係合部41側に向かって延びて、係合部41間のシール面(ガスケット挿入溝)の浮き上がりを防止し、2枚の薄板部63,64を有する浮き上がり防止用リブ6が2本形成されたものである。そして、一方のリブ6は、薄板部63,64の各肉厚が2mmで、高さ11mmのものを2枚近接させた状態で、他方のリブ6は、薄板部63,64の各肉厚が2mmで、高さ13mmのものを2枚近接させた状態で立設させたものである。
【0036】
また、比較例は、図15に示すように、リブAの形状は実施例の形態と同じであるが、リブAと係合部41との位置関係が異なる。
即ち、比較例のリブAは、2つの係合部41を結ぶ線に対して直交する方向に延びるように立設させており、図15では、係合部41の位置が実施例の形態と異なる点以外は、容器本体2、蓋3、リブAの材質、大きさは、実施例と同じである。
【0037】
以下、実施例と比較例とを容器の内外圧力差が0.2気圧の場合の蓋3のガスケット挿入溝33における変位量について比較した結果を示すと、実施例と比較例のそれぞれの蓋のガスケット挿入溝の最大変位量(mm)を測定したところ、
実施例 0.283mm
比較例 0.340mm
となり、実施例が比較例よりも最大変位量が少なく、容器内外圧力差による変位量が低減されていることがわかる。
【0038】
さらに、実施例と比較例について、容器内部にポンプで圧縮空気を充填し、容器内部の圧力変化を測定したところ、図16に示すグラフのような結果が出た。図16によれば、実施例の気密容器の方が、比較例の気密容器よりも時間が経過した後でも、容器内部の圧力が高く、空気の漏れが少ないことがわかる。なお、初期の容器内部の圧力は、気密性が悪く空気の漏れが大きい程小さくなる。
【0039】
図16によってもわかるように、浮き上がり防止用リブ6を、一方の係合部41側から、蓋3の側壁部周壁に沿って隣り合う係合部41側に向かって延びるように形成することにより、気密容器の気密性の向上が図れるのである。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、上部に開口部を有する容器本体と、この容器本体の開口部を閉鎖する蓋とを備え、容器本体に設けられた係合部または被係合部と、蓋に設けられた被係合部または係合部とが複数箇所で係合することで、容器本体と蓋の間のシール面に挟持されるガスケットにより内部が気密状態に保持されるようになっている気密容器において、
容器本体の底板部とこの蓋の前記底板部に対面する部分との少なくとも一方に、係合部または被係合部側から、容器本体または蓋の周壁に沿って、対向する係合部または被係合部側の方向に延びて、
容器本体と蓋の間のシール面の浮き上がりを防止する浮き上がり防止リブを設けたので、気密容器における容器本体と蓋との間の浮き上がりよる変形を軽減することができるので、気密容器の気密性を向上できる。
【0041】
また、容器本体が底板部と該底板部を囲む側壁部とを有する構成の場合に、浮き上がり防止リブを、前記容器本体の底板部および側壁部に一体に形成したり、または、蓋が天板部と該天板部を囲む側壁部とを有する構成の場合に、浮き上がり防止リブを、前記蓋の天板部および側壁部に一体に形成するときには、気密容器の強度を上げ、かつ、気密容器の変形をより低減して気密性を向上させることができる。
【0042】
さらに、浮き上がり防止リブで、気密容器に収納される収容物の、容器内での移動を規制するように構成する場合には、収容物の保持ができながら、容器の変形を低減して気密性を向上することができる。
また、浮き上がり防止リブに着脱自在で、該浮き上がり防止リブへの装着状態で気密容器に収納された収容物を、浮き上がり防止リブに対面する容器本体の底板部側または蓋の天板部側に付勢して、容器内での収容物の移動を規制するようになっている付勢手段を備えるようにすることにより、気密容器に収納される収容物を弾性的に支持しながら、収容物の容器内での移動を規制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる気密容器の第1の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す気密容器の概略斜視図と蓋の下面図である。
【図2】本発明にかかる気密容器の第2の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図3】本発明にかかる気密容器の第3の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図4】本発明にかかる気密容器の第4の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図5】本発明にかかる気密容器の第5の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図6】本発明にかかる気密容器の第6の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図7】本発明にかかる気密容器の第7の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図8】本発明にかかる気密容器の第8の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図9】本発明にかかる気密容器の第9の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図10】本発明にかかる気密容器の第10の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図11】本発明にかかる気密容器の第11の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図12】本発明にかかる気密容器の第12の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の概略斜視図と下面図である。
【図13】本発明にかかる気密容器の第13の実施の形態の浮き上がり防止用リブの配設位置を示す蓋の下面図である。
【図14】実施例の気密容器の一部切欠断面斜視図である。
【図15】比較例の気密容器の一部切欠断面斜視図である。
【図16】実施例と比較例との気密性を比較したグラフである。
【図17】一般的に使用される気密容器の分解斜視図である。
【図18】容器内外の圧力差で容器が変形した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 気密容器
2 容器本体
21 底板部
3 蓋
41 係合部
42 被係合部
6 浮き上がり防止用リブ
Claims (5)
- 上部に開口部を有する容器本体と、
この容器本体の開口部を閉鎖する蓋とを備え、
容器本体に設けられた係合部または被係合部と、蓋に設けられた被係合部または係合部とが複数箇所で係合することで、容器本体と蓋の間のシール面に挟持されるガスケットにより内部が気密状態に保持される気密容器において、
容器本体の底板部とこの蓋の前記底板部に対面する部分との少なくとも一方に、
係合部または被係合部側から、容器本体または蓋の周壁に沿って、対向する係合部または被係合部側の方向に延びて、
容器本体と蓋の間のシール面の浮き上がりを防止する浮き上がり防止リブが設けられていることを特徴とする気密容器。 - 容器本体が底板部と該底板部を囲む側壁部とを有し、
浮き上がり防止リブが前記容器本体の底板部および側壁部に一体に形成されている
請求項1記載の気密容器。 - 蓋が天板部と該天板部を囲む側壁部とを有し、
浮き上がり防止リブが前記蓋の天板部および側壁部に一体に形成されている
請求項1または請求項2に記載の気密容器。 - 浮き上がり防止リブが、気密容器に収納される収容物の、容器内での移動を規制するようになっている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の気密容器。
- 浮き上がり防止リブに着脱自在で、
該浮き上がり防止リブへの装着状態で気密容器に収納された収容物を、浮き上がり防止リブに対面する容器本体の底板部側または蓋の天板部側に付勢して、
容器内での収容物の移動を規制する付勢手段を備えている
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の気密容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23855598A JP4161098B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 気密容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23855598A JP4161098B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 気密容器 |
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JP2000062852A JP2000062852A (ja) | 2000-02-29 |
JP4161098B2 true JP4161098B2 (ja) | 2008-10-08 |
Family
ID=17031993
Family Applications (1)
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